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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1310938
審判番号 訂正2015-390133  
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-12-02 
確定日 2016-01-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5787066号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5787066号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5787066号(以下「本件特許」という。)は、平成23年5月2日に出願され、平成27年8月7日に特許権の設定の登録がなされ、同年12月2日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。
1 訂正事項1(請求項1に係る訂正事項)
訂正事項1は、請求項1の「前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、」との記載を、「前記演出内容選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、」に訂正する(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。

2 訂正事項2(【0008】に係る訂正事項)
訂正事項2は、本件特許明細書の【0008】に「請求項1に記載の発明では、複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、役の抽選を行う抽選手段と、前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備えた遊技機において、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群を予め記憶する演出内容情報群記憶手段と、演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段と、前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段とを備え、所定の判定結果を示唆する判定結果演出を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする。」とあるのを、「請求項1に記載の発明では、複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、役の抽選を行う抽選手段と、前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備えた遊技機において、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群を予め記憶する演出内容情報群記憶手段と、演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段と、前記演出内容選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段とを備え、所定の判定結果を示唆する判定結果演出を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする。」と訂正するものである。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
ア 訂正前の請求項1の「前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段」は、当該「前記選択手段」という記載より前に「演出内容選択手段」という記載があるため、「前記選択手段」が演出内容選択手段を指すのか否か不明瞭であるとともに、また、当該「前記選択手段」記載より後ろに「前記演出内容選択手段」という記載があるため、「前記選択手段」の記載と「前記演出内容選択手段」との記載と整合性がないため、訂正前の請求項1の記載内容が不明瞭になっていた。

イ 訂正事項1は、「前記選択手段」が「前記演出内容選択手段」であることを明らかにするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。

(2)訂正が本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件特許発明の「演出内容選択手段」について、本件特許明細書等には、発明の詳細な説明の【0160】に「ステップS1010に進み、表示制御装置81のROMに予め記憶された第1演出テーブルを用いて演出抽選を行う。」ことが記載され、
同【0173】に「ステップS1010の演出抽選では、そのときの抽選用カウンタの値を乱数として取得し、第1演出テーブルから当該乱数値と対応する演出パターン及び演出決定数を取得する。」ことが記載され、
同【0174】に「ステップS1013に進み、表示制御装置81のROMに予め記憶された第2演出テーブルを用いて演出内容の特定を行う。」ことが記載され、
同【0177】に「ステップS1013では、そのときの演出決定数カウンタの値を参照し、演出決定数カウンタの値と対応する演出パターンを特定する。」ことが記載されている。
つまり、本件特許発明の「演出内容選択手段」は、発明の詳細な説明に記載され、【図33】に図示されたステップS1010及びステップS1013に対応する。

また、同【0173】には、「演出内容記憶処理では、ステップS1010の演出抽選において取得した演出パターンに規定された各ゲームの演出内容及び演出変更の可否を、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する。」ことが記載され、
同【0177】に「ステップS1015の演出内容記憶処理では、ステップS1013にて特定した演出パターンに規定された各ゲームの演出内容及び演出変更の可否を、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する。」ことが記載されている。
つまり、本件特許発明の「一時記憶手段」は、発明の詳細な説明に記載され、【図35】に図示された演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに対応する。

したがって、本件特許発明の「演出内容選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段」については、明細書の発明の詳細な説明及び図面に記載されていることから、訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。

よって、訂正事項1は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1は、上記(1)のとおり、不明瞭な記載の釈明を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、本件特許明細書の【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載と整合させるものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)訂正が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項2は、上記(1)において検討したように、訂正事項1に係る訂正に伴うものであり、訂正事項1は、上記1(2)で検討したとおり、本件特許明細書等の記載に基づくものである。
そして、訂正事項2は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項2は、訂正事項1と同様に本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項2は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2は、上記(1)において検討したように、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして、遊技者がメダルを投入することで有効ラインが設定され、その後、遊技者がスタートレバーを操作することでスロットマシンの内部にてビッグボーナス(以下、「BB」という)役や小役、再遊技といった役の抽選が行われるとともに各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップスイッチを操作することで各リールが順次停止して1回のゲームが終了する。そして、全てのリールが回転を停止した際に有効ライン上に当選した役と対応する図柄の組合せが停止すると入賞となり、メダルが払い出される特典や遊技状態が移行される特典等が遊技者に付与される。
【0003】
かかるスロットマシンには、複数のゲームにわたって演出を連続して行う所謂連続演出を行うものがある。そして、例えば3ゲームにわたる連続演出を実行可能な構成とする場合には、少なくとも3ゲーム分の一連の演出データを予めROMに記憶させておくことが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-131477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多様な連続演出を実行可能な構成とするためには、実行しようと考える連続演出の数と同数の一連の演出データを予め記憶させておく必要があり、記憶容量の増大化が懸念される。
【0006】
なお、以上の問題は、上記例示したようなスロットマシンに限らず、所定の遊技回数にわたって演出の実行される頻度が高くなる所謂前兆演出を実行可能なスロットマシンにも該当する問題であり、また、複数種の絵柄を循環表示させ、その後の停止操作手段の操作に基づいて循環表示を終了させる他の遊技機にも該当する問題である。
【0007】
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、記憶容量の増大化を抑制しつつ多様な演出を実行することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明では、複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、役の抽選を行う抽選手段と、前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備えた遊技機において、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群を予め記憶する演出内容情報群記憶手段と、演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段と、前記演出内容選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段とを備え、所定の判定結果を示唆する判定結果演出を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
記憶容量の増大化を抑制しつつ多様な演出を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。
【図2】前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図3】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図4】前面扉の背面図。
【図5】筐体の正面図。
【図6】各リールの図柄配列を示す図。
【図7】表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図。
【図8】入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図。
【図9】スロットマシンのブロック図。
【図10】タイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図11】通常処理を示すフローチャート。
【図12】抽選処理を示すフローチャート。
【図13】通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図14】リール制御処理を示すフローチャート。
【図15】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図16】リールの停止制御を説明するための説明図。
【図17】RT状態処理を示すフローチャート。
【図18】第1RT状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図19】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図20】第2RT状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図21】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図22】第3RT状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図23】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図24】第4RT状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図25】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図26】第5RT状態用抽選テーブルの一例を示す図。
【図27】ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図。
【図28】遊技状態の移行を説明するための説明図。
【図29】BB状態処理を示すフローチャート。
【図30】状態コマンド処理を示すフローチャート。
【図31】抽選結果コマンド処理を示すフローチャート。
【図32】前兆演出決定処理を示すフローチャート。
【図33】内容決定処理を示すフローチャート。
【図34】前兆期間抽選用テーブルを示す図。
【図35】演出記憶エリアの構成を示す図。
【図36】(a)は第1演出テーブルを示す図、(b)は第2演出テーブルを示す図。
【図37】(a)はNON演出の一表示態様を示す図、(b)はLOW演出の一表示態様を示す図、(c)はHIGH演出の一表示態様を示す図。
【図38】(a)はSU1演出の一表示態様を示す図、(b)はSU2演出の一表示態様を示す図。
【図39】EP1演出の一連の表示態様を示す図。
【図40】EP2演出の一連の表示態様を示す図。
【図41】告知用EP3演出の一連の表示態様を示す図。
【図42】非告知用EP3演出の一連の表示態様を示す図。
【図43】演出実行処理を示すフローチャート。
【図44】報知処理を示すフローチャート。
【図45】入賞結果コマンド処理を示すフローチャート。
【図46】報知中処理を示すフローチャート。
【図47】停止指令コマンド処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
【0012】
図1?図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
【0013】
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
【0014】
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
【0015】
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0016】
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
【0017】
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
【0018】
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
【0019】
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
【0020】
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0?20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0021】
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0022】
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
【0023】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
【0024】
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
【0025】
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞?第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
【0026】
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
【0027】
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
【0028】
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞?第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
【0029】
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。加えて、入賞とは異なるものの、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
【0030】
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
【0031】
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
【0032】
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42?44が設けられている。各ストップスイッチ42?44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42?44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
【0033】
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
【0034】
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
【0035】
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
【0036】
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
【0037】
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56?58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56?58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
【0038】
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
【0039】
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60?62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0040】
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
【0041】
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
【0042】
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
【0043】
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
【0044】
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
【0045】
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42?44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a?44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56?58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a?58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
【0046】
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
【0047】
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
【0048】
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
【0049】
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
【0050】
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60?62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
【0051】
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10?図29のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
【0052】
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
【0053】
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
【0054】
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
【0055】
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10?図29のフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
図10は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
【0057】
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
【0058】
ここで、停電処理について概略を説明する。
【0059】
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
【0060】
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
【0061】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
【0062】
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a?44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
【0063】
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60?62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0064】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図11のフローチャートに基づき説明する。
【0065】
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203?ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
【0066】
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
【0067】
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞?第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56?58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56?58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
【0068】
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
【0069】
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1?第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
【0070】
次に、ステップS209の抽選処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。
【0071】
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0?65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
【0072】
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
【0073】
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図13は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
【0074】
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
【0075】
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
【0076】
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3?20であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
【0077】
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図13に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8?11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12?19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
【0078】
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
【0079】
そして、ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
【0080】
次に、ステップS210のリール制御処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
【0081】
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
【0082】
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42?44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
【0083】
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップスイッチ42?44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42?44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42?44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42?44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップスイッチ42?44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS405?ステップS411に示す停止制御処理を行う。
【0084】
ステップS405では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42?44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0?4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS408では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
【0085】
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8?19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図13参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
【0086】
図15は、IV=8?19の際にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42?44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42?44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
【0087】
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42?44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップスイッチ42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42?44を操作する必要がある。
【0088】
IV=12の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
【0089】
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図16(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
【0090】
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番?10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番?20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄?10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図16(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄?15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、図16(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
【0091】
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番?16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番?9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄?16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図16(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄?2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図16(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップスイッチ42?44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図8参照)が停止する。
【0092】
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
【0093】
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
【0094】
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番?10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップスイッチ43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
【0095】
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
【0096】
IV=8?19の際に当選となった場合には、6通りのストップスイッチ42?44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。なお、第5特殊ベル?第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42?44が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップスイッチ42?44が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。つまり、移行出目は、左ストップスイッチ42が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に限り、有効ライン上に停止する。
【0097】
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
【0098】
リール制御処理の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS413にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
【0099】
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
【0100】
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞?第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
【0101】
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
【0102】
次に、ステップS212のRT状態処理を図17のフローチャートに基づいて説明する。
【0103】
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグ?第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
【0104】
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
【0105】
図18は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1?19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20?26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1?19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21?26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
【0106】
ここで、図13に示すように、通常遊技状態では、IV=20の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=20の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20?26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
【0107】
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8?19の際に当選となった場合に加えてIV=21?26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
【0108】
図19は、第1RT状態下でIV=20?26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42?44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、第1再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。なお、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップスイッチ42?44が操作された場合に限って成立する。当選フラグ「22」?当選フラグ「27」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「22」?当選フラグ「27」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
【0109】
RT状態処理の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
【0110】
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
【0111】
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
【0112】
図20は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1?19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20?25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1?19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20?25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
【0113】
第2RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8?19の際に当選となった場合に加えてIV=20?25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
【0114】
図21は、第2RT状態下でIV=20?25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42?44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「28」?当選フラグ「33」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「28」?当選フラグ「33」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
【0115】
RT状態処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
【0116】
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
【0117】
図22は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1?19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20?25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1?19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20?25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
【0118】
第3RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8?19の際に当選となった場合に加えてIV=20?25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
【0119】
図23は、第3RT状態下でIV=20?25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42?44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「34」?当選フラグ「39」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「34」?当選フラグ「39」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
【0120】
RT状態処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
【0121】
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
【0122】
図24は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1?19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20?25には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1?19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20?25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
【0123】
第4RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8?19の際に当選となった場合に加えてIV=20?25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
【0124】
図25は、第4RT状態下でIV=20?25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「40」?当選フラグ「45」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」?当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
【0125】
RT状態処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
【0126】
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
【0127】
図26は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、29個のインデックス値IVが設定されている。IV=1?19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20?29には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1?19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=21の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=22の際に当選となる確率は約655分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=24?29の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
【0128】
第5RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8?19の際に当選となった場合に加えてIV=21?29の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42?44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
【0129】
図27は、第5RT状態下でIV=20?29の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42?44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。また、各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップスイッチ42?44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「50」?当選フラグ「55」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」?当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
【0130】
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図28を用いて説明する。
【0131】
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞?第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=12?19の際に当選となり、左ストップスイッチ42を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12?19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップスイッチ43及び右ストップスイッチ44を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞?第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。
【0132】
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21?26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21?26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップスイッチ42?44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。
【0133】
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20?25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20?25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。
【0134】
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20?25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20?25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。
【0135】
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20?25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20?25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。
【0136】
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=24?29の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=24?29のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。
【0137】
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態?第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態?第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
【0138】
次に、ステップS213のBB状態処理を図29のフローチャートに基づいて説明する。
【0139】
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602?ステップS605に示すBB判定処理を行う。
【0140】
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRAM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。またこのとき、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
【0141】
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。
【0142】
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS607では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。
【0143】
状態コマンドをセットした後、ステップS608?ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態と第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
【0144】
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。
【0145】
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、BB状態又は第5RT状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
【0146】
本スロットマシン10では、表示制御装置81がストップスイッチ42?44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行し難い状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、表示制御装置81が行う各種処理について、図30?図47のフローチャートを参照しながら説明する。
【0147】
状態コマンド処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
【0148】
ステップS701では、主制御装置101から状態コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。状態コマンドを受信した場合には、ステップS702に進み、状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAMに記憶する。ステップS703では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。具体的には、先のゲームでBB状態であることを示す状態コマンドを受信し、今回のゲームで通常遊技状態であることを示す状態コマンドを受信したか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS704にて表示制御装置81のRAMに設けられた待機ゲーム数カウンタに100をセットし、本処理を終了する。
【0149】
ステップS703にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS705に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、罰則フラグがセットされている場合には、ステップS706?ステップS708に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。なお、罰則ゲーム数減算処理については、理解を容易なものとするため後述することとする。
【0150】
このように、表示制御装置81は、BB状態が終了した場合に待機ゲーム数として100をセットする。
【0151】
次に、抽選結果コマンド処理を、図31のフローチャートに基づいて説明する。
【0152】
ステップS801では、主制御装置101から抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。抽選結果コマンドを受信した場合には、ステップS802にて罰則フラグがセットされていないか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803にて報知フラグがセットされていないか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、さらにステップS804にて本前兆フラグがセットされていないか否かを判定する。本前兆フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、本前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS805にて偽前兆フラグがセットされていないか否かを判定する。偽前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS806にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS807にて減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0となったか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0となった場合には、ステップS808にて待機ゲーム数カウンタに100をセットするとともに、ステップS809にて前兆演出決定処理を行った後に本処理を終了する。偽前兆フラグがセットされている場合(ステップS805がNOの場合)と、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合(ステップS807がNOの場合)と、には、ステップS810に進み、特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカのいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS809にて前兆演出決定処理を行った後に本処理を終了する。
【0153】
前兆演出決定処理では、図32のフローチャートに示すように、ステップS901にて前兆実行抽選を行う。前兆実行抽選では、前兆演出決定処理を行うこととなった契機と、表示制御装置81が取得する乱数と、に基づいて当否判定を行う。ちなみに本スロットマシン10では、待機ゲーム数カウンタの値が0となったことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合、約2.00分の1の確率で当選と判定する。特定役に当選したことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合には、チェリー,第1スイカ,第2スイカの各役のうち、チェリーと第2スイカに共に当選している場合、必ず当選と判定し、チェリーのみに当選している場合、約1.25分の1の確率で当選と判定し、第1スイカのみに当選している場合、約1.25分の1の確率で当選と判定し、第2スイカのみに当選している場合、約1.25分の1の確率で当選と判定するようになっている。
【0154】
ステップS902では前兆実行抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、前兆実行抽選に当選した場合には、ステップS903にて前兆種別抽選を行う。前兆種別抽選では、前兆実行抽選と同様、前兆演出決定処理を行うこととなった契機と、表示制御装置81が取得する乱数と、に基づいて当否判定を行う。ちなみに本スロットマシン10では、待機ゲーム数カウンタの値が0となったことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合、約5.00分の1の確率で当選と判定する。特定役に当選したことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合には、チェリー,第1スイカ,第2スイカの各役のうち、チェリーと第2スイカに共に当選している場合、必ず当選と判定し、チェリーのみに当選している場合、約12.0分の1の確率で当選と判定し、第1スイカのみに当選している場合、約48.0分の1の確率で当選と判定し、第2スイカのみに当選している場合、約6.00分の1の確率で当選と判定するようになっている。
【0155】
ステップS904では前兆種別抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合には、ステップS905にて本前兆フラグをセットし、当選しなかった場合には、ステップS906にて偽前兆フラグをセットする。本前兆フラグ又は偽前兆フラグをセットした場合には、ステップS907にて内容決定処理を行い、本処理を終了する。
【0156】
ここで、内容決定処理を図33のフローチャートに基づいて説明する。
【0157】
ステップS1001では、前兆演出を行う前兆期間を決定するための前兆期間抽選を行う。前兆期間抽選では、先ず当該前兆期間抽選を行うタイミングで乱数を取得する。前兆期間抽選用の乱数を生成する抽選用カウンタの構成について簡単に説明すると、抽選用カウンタは、例えば0?99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。抽選用カウンタは定期的に更新されるようになっており、前兆期間抽選では、そのときの抽選用カウンタの値を乱数として取得する。そして、乱数を取得した場合には、表示制御装置81のROMに予め記憶された期間抽選テーブルを参照し、取得した乱数値と対応する前兆期間を取得する。図34は、前兆期間抽選用テーブルを示す図である。前兆期間抽選用テーブルには、前兆期間抽選にて取得し得る乱数の値と、前兆期間のゲーム数と、の対応関係が定められている。より具体的に説明すると、前兆期間抽選では、約5%の割合で前兆期間として4を取得し、約5%の割合で前兆期間として5を取得し、約5%の割合で前兆期間として6を取得し、約5%の割合で前兆期間として7を取得し、約20%の割合で前兆期間として8を取得し、約5%の割合で前兆期間として9を取得し、約5%の割合で前兆期間として10を取得し、約10%の割合で前兆期間として11を取得し、約20%の割合で前兆期間として12を取得し、約10%の割合で前兆期間として13を取得し、約10%の割合で前兆期間として14を取得する。
【0158】
前兆期間抽選を行った後、ステップS1002では、表示制御装置81のRAMに設けられた演出記憶エリア1001を参照する。図35は、演出記憶エリア1001の構成を示す図である。演出記憶エリア1001は、記憶用エリア1001aと、実行エリア1001bとを備えている。記憶用エリア1001aは、第1記憶エリア?第18記憶エリアの18個の記憶エリアを備えている。実行エリア1001bは、補助表示部65にて所定の演出を行う際に、記憶用エリア1001aの第1記憶エリアに格納されたデータを移動させるためのエリアである。
【0159】
ステップS1003では、演出記憶エリア1001の第1記憶エリアに変更可能演出が記憶されているか否かを判定する。変更可能演出が記憶されている、又は第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されていない場合には、ステップS1004に進み、表示制御装置81のRAMに設けられた演出決定数カウンタに、ステップS1001にて取得した前兆期間の値をセットする。その後、ステップS1005にて演出記憶エリア1001の全てのエリア、すなわち第1記憶エリア?第18記憶エリア及び実行エリア1001bを初期化し、ステップS1009に進む。
【0160】
ステップS1009では、演出決定数カウンタの値が6以上であるか否かを判定する。演出決定数カウンタの値が6以上である場合には、ステップS1010に進み、表示制御装置81のROMに予め記憶された第1演出テーブルを用いて演出抽選を行う。
【0161】
図36(a)は、第1演出テーブルを示す図である。第1演出テーブルには、8種類の演出パターンが設定されており、各演出パターンには、演出決定数と、演出抽選にて取得し得る乱数の値と、がそれぞれ定められている。本スロットマシン10では、前兆期間抽選の際に用いた抽選用カウンタを演出抽選においても用いる構成となっているため、各演出パターンには、0?99の値が演出抽選の当選乱数値として割り当てられている。
【0162】
ここで、8種類の演出パターンの説明に先立ち、前兆期間に補助表示部65にて行われる演出を説明する。前兆期間に補助表示部65にて行われる演出としては、1ゲームで演出が終了するLOW演出及びHIGH演出と、2ゲームで演出が終了するSU演出と、3ゲームで演出が終了するEP演出と、がある。
【0163】
図37(a)は、上記各演出のいずれも行われないゲームにおける補助表示部65の一表示態様を示す図である。上記各演出のいずれも行われないゲームでは、青年キャラクタの道路を散歩する様子が補助表示部65に表示される。以下、当該表示をNON演出という。
【0164】
図37(b)は、LOW演出の一表示態様を示す図である。LOW演出では、道路を散歩する青年キャラクタが何かの気配を察知する様子が補助表示部65に表示される。
【0165】
図37(c)は、HIGH演出の一表示態様を示す図である。HIGH演出では、道路を散歩する青年キャラクタが何かの気配を察知してビックリする様子が補助表示部65に表示される。
【0166】
図38(a)は、SU演出の1ゲーム目における一表示態様を示す図である。SU演出の1ゲーム目(以下、「SU1演出」という。)では、道路を散歩する青年キャラクタが木槌を手にする様子が補助表示部65に表示される。
【0167】
図38(b)は、SU演出の2ゲーム目における一表示態様を示す図である。SU演出の2ゲーム目(以下、「SU2演出」という。)では、道路を散歩する青年キャラクタが手にしている木槌を上下に揺動させる様子が補助表示部65に表示される。
【0168】
図39は、EP演出の1ゲーム目における一連の表示態様を示す図である。EP演出の1ゲーム目(以下、「EP1演出」という。)では、スタートレバー41の操作に伴って各リール32L,32M,32Rが回転を開始すると、図39(a)に示すように、3段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置された「7」図柄を模した像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。その後、図39(b)?図39(c)に示すように、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつけ、当該下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。そして、図39(d)に示すように、下段の木片が打ち抜かれた反動によって「7」図柄を模した像が2段となった木片の上で揺れ動き、やがて安定する様が表示される。
【0169】
図40は、EP演出の2ゲーム目における一連の表示態様を示す図である。EP演出の2ゲーム目(以下、「EP2演出」という。)では、スタートレバー41の操作に伴って各リール32L,32M,32Rが回転を開始すると、図40(a)に示すように、1ゲーム目から引き続くようにして2段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置された「7」図柄を模した像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。その後、図40(b)?図40(c)に示すように、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつけ、当該下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。そして、図40(d)に示すように、下段の木片が打ち抜かれた反動によって「7」図柄を模した像が1段となった木片の上で揺れ動き、やがて安定する様が表示される。
【0170】
図41は、次ゲームから第5RT状態に移行し易くなる場合のEP演出の3ゲーム目における一連の表示態様を示す図である。かかる場合のEP演出の3ゲーム目(以下、「告知用EP3演出」という。)では、スタートレバー41の操作に伴って各リール32L,32M,32Rが回転を開始すると、図41(a)に示すように、2ゲーム目から引き続くようにして1段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置された「7」図柄を模した像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。その後、図41(b)?図41(c)に示すように、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつけ、当該下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。そして、図41(d)に示すように、木片が打ち抜かれた反動によって「7」図柄を模した像が地面に落下するものの無事に着地する様が表示され、青年キャラクタがガッツポーズをしながら第5RT状態に移行し易くなる旨を報知する。
【0171】
図42は、少なくとも次ゲームでは第5RT状態に移行し易くならない場合のEP演出の3ゲーム目における一連の表示態様を示す図である。かかる場合のEP演出の3ゲーム目(以下、「非告知用EP3演出」という。)では、スタートレバー41の操作に伴って各リール32L,32M,32Rが回転を開始すると、図42(a)に示すように、2ゲーム目から引き続くようにして1段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置された「7」図柄を模した像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。その後、図42(b)?図42(c)に示すように、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつけ、当該下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。そして、図42(d)に示すように、木片が打ち抜かれた反動によって「7」図柄を模した像が地面に落下して無事に着地できず倒れてしまう様が表示され、青年キャラクタががっかりしたポーズをする。
【0172】
図36(a)の第1演出テーブルの説明に戻り、8種類の各演出パターンには、1?5ゲームの各ゲームにおいて行う演出内容と、各ゲームにおける演出変更の可否と、が規定されている。具体的に説明すると、演出パターン「1」は、1ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にNON演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「2」は、1ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にLOW演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「3」は、1ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にHIGH演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「4」は、1ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「5」は、2ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にSU2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「6」は、3ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「7」は、4ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、4ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。演出パターン「8」は、5ゲーム用の演出パターンであり、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にSU2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、4ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、5ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。
【0173】
内容決定処理の説明に戻り、ステップS1010の演出抽選では、そのときの抽選用カウンタの値を乱数として取得し、第1演出テーブルから当該乱数値と対応する演出パターン及び演出決定数を取得する。ステップS1011では、演出決定数減算処理を行う。具体的には、そのときの演出決定数カウンタの値から、ステップS1010の演出抽選において取得した演出決定数の値を減算する。その後、ステップS1012では、演出内容記憶処理を行う。演出内容記憶処理では、ステップS1010の演出抽選において取得した演出パターンに規定された各ゲームの演出内容及び演出変更の可否を、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する。このとき、第1記憶エリア?第18記憶エリアには、第1記憶エリア→第2記憶エリア→第3記憶エリア→・・・→第18記憶エリアの順に演出内容及び演出変更の可否が順次記憶される。例えば、ステップS1010の演出抽選において演出パターン「5」を取得し、第1記憶エリア?第18記憶エリアのいずれにも演出内容及び演出変更の可否が記憶されていない状況であった場合には、第1記憶エリアにSU1演出を行うこと及び演出変更が不可能であることを記憶し、第2記憶エリアにSU2演出を行うこと及び演出変更が可能であることを記憶する。また、ステップS1010の演出抽選において演出パターン「1」を取得し、第1記憶エリア?第18記憶エリアのうち第8記憶エリアまで演出内容及び演出変更の可否が記憶されている状況であった場合には、第9記憶エリアにNON演出を行うこと及び演出変更が可能であることを記憶する。
【0174】
演出内容記憶処理を行った場合には、ステップS1009に戻り、演出決定数カウンタの値が6以上であるか否かを判定する。そして、演出決定数カウンタの値が6以上である場合には、ステップS1010?ステップS1012の処理を再度行う。演出決定数カウンタの値が6より小さくなった場合には、ステップS1013に進み、表示制御装置81のROMに予め記憶された第2演出テーブルを用いて演出内容の特定を行う。
【0175】
図36(b)は、第2演出テーブルを示す図である。第2演出テーブルには、5種類の演出パターンが設定されている。第2演出テーブルの演出パターン「1」には、1ゲーム目に後述するFIN演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。第2演出テーブルの演出パターン「2」には、1ゲーム目にHIGH演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にFIN演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。第2演出テーブルの演出パターン「3」には、1ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。第2演出テーブルの演出パターン「4」には、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、4ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。第2演出テーブルの演出パターン「5」には、1ゲーム目にSU1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、2ゲーム目にSU2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されており、3ゲーム目にEP1演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、4ゲーム目にEP2演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が不可能であることと、が規定されており、5ゲーム目にEP3演出を行うことと、当該ゲームにおいて演出変更が可能であることと、が規定されている。
【0176】
このように、第2演出テーブルには、1ゲーム用の演出パターンと、2ゲーム用の演出パターンと、3ゲーム用の演出パターンと、4ゲーム用の演出パターンと、5ゲーム用の演出パターンと、の5種類の演出パターンが設定されている。
【0177】
内容決定処理の説明に戻り、ステップS1013では、そのときの演出決定数カウンタの値を参照し、演出決定数カウンタの値と対応する演出パターンを特定する。その後、ステップS1014にて演出決定数カウンタの値を0とするとともに、ステップS1015にて演出内容記憶処理を行い、本処理を終了する。ステップS1015の演出内容記憶処理では、ステップS1013にて特定した演出パターンに規定された各ゲームの演出内容及び演出変更の可否を、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する。
【0178】
以上のとおり、内容決定処理では、演出決定数カウンタの値と対応するゲーム分の演出内容を第1演出テーブル及び第2演出テーブルを用いて決定し、当該決定結果を演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する。
【0179】
次に、演出実行処理を、図43のフローチャートに基づいて説明する。演出実行処理とは、内容決定処理にて決定した前兆演出の演出内容を実際に補助表示部65に表示させるべく表示制御装置81が行う処理である。
【0180】
ステップS1101では、抽選結果コマンドを受信済みであるか否かを判定する。抽選結果コマンドを受信済みでない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、抽選結果コマンドを受信済みである場合、すなわち抽選結果コマンド処理にて前兆演出決定処理を行っている可能性がある場合には、ステップS1102に進み、データシフト処理を行う。データシフト処理では、演出記憶エリア1001の第1記憶エリア?第18記憶エリアに記憶されたデータ(すなわち、前兆演出に関わる情報)をシフトさせる処理を行う。具体的には、第1記憶エリアに記憶されているデータを実行エリア1001bにシフトさせ、その後、第2記憶エリア→第1記憶エリア、第3記憶エリア→第2記憶エリア、第4記憶エリア→第3記憶エリアというように、下位側の記憶エリアに各記憶エリア内のデータをシフトさせる。続くステップS1103では、演出記憶エリア1001の実行エリア1001bを参照し、ステップS1104では、実行エリア1001bに記憶されているデータと対応する演出を実行すべく補助表示部65の駆動制御を開始する。
【0181】
ステップS1104における処理について、より詳細に説明する。上述したとおり、内容決定処理では、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに、演出内容としてNON演出、LOW演出、HIGH演出、SU1演出、SU2演出、EP1演出、EP2演出、EP3演出、FIN演出のいずれかを記憶する。実行エリア1001bにNON演出、LOW演出、HIGH演出、SU1演出、SU2演出、EP1演出、EP2演出のいずれかを示すデータが記憶されている場合には、表示制御装置81のROMに予め記憶された対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。
【0182】
実行エリア1001bにEP3演出を示すデータが記憶されている場合には、第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されているか否かを確認する。第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されている場合には、前兆演出が次ゲーム以降も継続することを意味するため、表示制御装置81のROMから非告知用EP3演出と対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。つまり、前兆演出の途中のゲームでEP3演出を行う場合には、仮に本前兆フラグがセットされている場合であっても非告知用EP3演出を行う。一方、第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されていない場合には、前兆演出が当該ゲームで終了することを意味するため、本前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本前兆フラグがセットされている場合には、表示制御装置81のROMから告知用EP3演出と対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。本前兆フラグがセットされていない場合には、表示制御装置81のROMから非告知用EP3演出と対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。
【0183】
実行エリア1001bにFIN演出を示すデータが記憶されている場合には、当該ゲームが前兆演出の最終ゲームであることを意味する。上述したとおり、FIN演出は第2演出テーブルの演出パターン「1」における1ゲーム目と演出パターン「2」における2ゲーム目にのみ設定されているからである。そこで、かかる場合には、本前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本前兆フラグがセットされている場合には、表示制御装置81のROMから告知用FIN演出と対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。これにより、補助表示部65には「ボーナス確定」の文字が表示され、次ゲームから第5RT状態に移行し易くなる旨が報知される。本前兆フラグがセットされていない場合には、表示制御装置81のROMからNON演出と対応する演出データを読み出し、補助表示部65に表示させる。つまり、FIN演出を示すデータが記憶されている場合には、本前兆フラグがセットされている場合に限って演出を実行し、本前兆フラグがセットされていなければ演出を実行しない場合の表示を行う。
【0184】
ステップS1105では、第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されているか否かを判定する。第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されている場合には、前兆演出が次ゲーム以降も継続することを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、第1記憶エリアに演出内容を示すデータが記憶されていない場合には、前兆演出が当該ゲームで終了することを意味するため、ステップS1106に進み、本前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本前兆フラグがセットされている場合には、ステップS1107にて報知フラグをセットするとともに、ステップS1108にて本前兆フラグをクリアし、本処理を終了する。本前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS1109に進み、偽前兆フラグがセットされているか否かを判定する。偽前兆フラグがセットされている場合には、ステップS1110にて偽前兆フラグをクリアした後に本処理を終了し、偽前兆フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。
【0185】
以上のとおり、本スロットマシン10では、前兆実行抽選に当選するとともに前兆種別抽選に当選して本前兆フラグがセットされ、当該本前兆フラグのセットに基づく前兆演出が終了した場合、報知フラグがセットされるようになっている。
【0186】
ここで、偽前兆フラグのセットに基づく前兆演出を実行している最中に前兆演出決定処理を再度行う場合について説明する。抽選結果コマンド処理では、偽前兆フラグがセットされている場合、すなわち報知フラグのセットされない前兆演出を行っている場合において、待機ゲーム数カウンタの値が0となった場合と、特定役に当選した場合と、に前兆演出決定処理を行う(図31参照)。
【0187】
前兆演出決定処理では、図32のフローチャートに示すように、ステップS901にて前兆実行抽選を行う。前兆実行抽選については上述したとおりである。ステップS902では前兆実行抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。この結果、偽前兆フラグのセットに基づく前兆演出を実行している最中に前兆実行抽選を行うとともに当該抽選に外れた場合には、偽前兆フラグをセットした際の内容決定処理にて決定したゲーム数及び演出内容に基づいて前兆演出を継続する。
【0188】
一方、前兆実行抽選に当選した場合には、ステップS903にて前兆種別抽選を行う。前兆種別抽選については上述したとおりである。ステップS904では前兆種別抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合には、ステップS905にて本前兆フラグをセットし、当選しなかった場合には、ステップS906にて偽前兆フラグをセットする。本前兆フラグ又は偽前兆フラグをセットした場合には、ステップS907にて内容決定処理を行い、本処理を終了する。
【0189】
内容決定処理では、図33のフローチャートに示すように、ステップS1001にて上述した前兆期間抽選を行う。ステップS1002では、演出記憶エリア1001を参照し、ステップS1003では、演出記憶エリア1001の第1記憶エリアに変更可能演出が記憶されているか否か、より具体的には、第1記憶エリアに演出変更が不可能であることを示すデータが記憶されていないか否かを判定する。第1記憶エリアに演出変更が不可能であることを示すデータが記憶されていない場合には、ステップS1004に進み、表示制御装置81のRAMに設けられた演出決定数カウンタに、ステップS1001にて取得した前兆期間の値をセットする。その後、ステップS1005にて演出記憶エリア1001の全てのエリアすなわち第1記憶エリア?第18記憶エリア及び実行エリア1001bを初期化し、上述したステップS1009?ステップS1015の処理を行う。一方、第1記憶エリアに演出変更が不可能であることを示すデータが記憶されている場合には、ステップS1006に進み、演出変更が不可能な期間を把握する。具体的には、第1記憶エリア?第18記憶エリアのうち、演出変更が可能であることを示すデータの記憶されている最下位の記憶エリアを把握する。続くステップS1007では、ステップS1001にて取得した前兆期間の値からステップS1006にて把握した記憶エリアと対応する値を減算し、当該減算結果を演出決定数カウンタにセットする。例えば、ステップS1001にて取得した前兆期間の値が7であって、ステップS1006にて把握した記憶エリアが第2記憶エリアであった場合、ステップS1007では、演出決定数カウンタに5(=7-2)をセットする。その後、ステップS1008では、第1記憶エリア?第18記憶エリアのうち演出変更が不可能な期間を除く記憶エリアと、実行エリア1001bとを初期化し、上述したステップS1009?ステップS1015の処理を行う。例えば、ステップS1006にて把握した記憶エリアが第2記憶エリアであった場合、ステップS1008では、第3記憶エリア?第18記憶エリアと、実行エリア1001bと、を初期化する。
【0190】
第1演出テーブル及び第2演出テーブルには、SU1演出とSU2演出を続けて行う場合、SU1演出を行うゲームにおいて演出変更が不可能であることが規定されており(例えば第1演出テーブルの演出パターン「5」参照)、EP1演出?EP3演出を行う場合、EP1演出及びEP2演出を行うゲームにおいて演出変更が不可能であることが規定されている(例えば第1演出テーブルの演出パターン「6」参照)。このため、例えばEP演出の途中のゲームで前兆実行抽選に当選し、内容決定処理にて新たな前兆期間及び演出内容を決定する場合であっても、上記各演出内容の記憶されている記憶エリアは初期化がなされないため、例えばEP3演出が実行されることなく他の演出に切り替わってしまう等の不具合が発生することを回避することができる。
【0191】
次に、本前兆フラグのセットに基づく前兆演出が終了して報知フラグをセットした以降のゲームにおいて表示制御装置81が行う処理を説明する。
【0192】
抽選結果コマンド処理では、図31のフローチャートに示すように、ステップS803にて報知フラグがセットされていると判定し、ステップS811にて報知処理を行う。
【0193】
報知処理では、図44のフローチャートに示すように、ステップS1201及びステップS1202にてベル又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS1203に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態?第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS1204に進み、ストップスイッチ42?44の操作順序を報知すべく補助表示部65の駆動制御を開始し、本処理を終了する。このとき、ステップS1201にてベルに当選していると判定した場合には、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42?44の操作順序を報知し、ステップS1202にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞?第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができるストップスイッチ42?44の操作順序を報知する。一方、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ストップスイッチ42?44の操作順序を報知することなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップスイッチ42?44が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42?44の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。ステップS1202にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS1205に進み、特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第7再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS1206にて表示制御装置81のRAMに設けられた蓄積カウンタの値に1を加算し、本処理を終了する。
【0194】
次に、入賞結果コマンド処理を、図45のフローチャートに基づいて説明する。
【0195】
ステップS1301では、主制御装置101から入賞結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。入賞結果コマンドを受信した場合には、ステップS1302に進み、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1303にて報知フラグがセットされていないか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1304にて報知フラグをセットした後にステップS1305に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS1305に進む。ステップS1305では、表示制御装置81が取得する乱数に基づいて、ストップスイッチ42?44の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS1306では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、表示制御装置81のRAMに設けられた報知回数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
【0196】
ステップS1302にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1307に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS1308にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1309にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1310にて待機ゲーム数カウンタに100をセットし、本処理を終了する。ステップS1308にて転落再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1311にて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。移行出目が有効ライン上に停止した場合には、さらにステップS1312にて現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合には、第1RT状態?第5RT状態のいずれかから遊技状態が第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1309にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1310にて待機ゲーム数カウンタに100をセットし、本処理を終了する。また、通常遊技状態下で移行出目が有効ライン上に停止した場合には、第5RT状態に移行する前段階であると想定されるため、報知フラグをクリアすることなくそのまま本処理を終了する。
【0197】
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS1313にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
【0198】
報知中処理では、図46のフローチャートに示すように、ステップS1401にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS1402にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS1403にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞?第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS1404にて報知回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1405では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1406にて蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS1407にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1408にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS1409にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、本処理を終了する。一方、ステップS1406にて蓄積カウンタの値が0であると判定した場合には、ステップS1410にて待機ゲーム数カウンタに100をセットし、本処理を終了する。
【0199】
次に、停止指令コマンド処理を、図47のフローチャートに基づいて説明する。
【0200】
ステップS1501では、停止指令コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。停止指令コマンドを受信した場合には、ステップS1502に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1503?ステップS1508に示す罰則判定処理を行う。
【0201】
罰則判定処理では、ステップS1503にて本前兆フラグ及び偽前兆フラグがセットされていないか否かを判定し、いずれかの前兆フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了する。いずれの前兆フラグもセットされていない場合には、ステップS1504に進み、今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1505にて第1停止指令として左ストップスイッチ42が操作されたか否かを判定する。左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1506に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1507にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1508にて表示制御装置81のRAMに設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
【0202】
このように、本スロットマシン10では、報知フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で左ストップスイッチ42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
【0203】
罰則フラグがセットされている場合、状態コマンド処理(図30参照)では、ステップS705にて肯定判定をし、ステップS706?ステップS708に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS706にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS707にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS708にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果コマンド処理(図31参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて肯定判定をしてそのまま抽選結果コマンド処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、待機ゲーム数カウンタの値が減算されることはなく、仮に特定役に当選したとしても前兆実行抽選が行われない。
【0204】
このように、報知フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、当該ゲームにおいて罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算される。そして、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても前兆実行抽選が行われず、待機ゲーム数カウンタの値も減算されない。待機ゲーム数カウンタの値は、罰則フラグ,報知フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で1減算される。本前兆フラグ及び偽前兆フラグがセットされてから対応するフラグがクリアされるまでの期間(すなわち前兆演出が行われる期間)は約9ゲームである。また、待機ゲーム数カウンタの値が0となったことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合には、約2.00分の1の確率で前兆実行抽選に当選する。つまり、左ストップスイッチ42を最初に操作していた場合には、待機ゲーム数カウンタの値が約105ゲーム毎に0となるため、特定役に当選しなかったとしても約105ゲーム周期で前兆実行抽選が行われる一方、左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合には、前兆実行抽選の行われる周期が約105ゲームよりも長くなってしまう。したがって、報知フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
【0205】
ここで、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
【0206】
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき表示制御装置81は、待機ゲーム数カウンタに100をセットする。ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、本前兆フラグのセットに基づく前兆演出が終了した場合にセットされる。本前兆フラグは、前兆実行抽選に当選し、且つ、前兆種別抽選に当選した場合にセットされる。報知フラグがセットされていない場合には、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されない。
【0207】
ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は上述したとおりである。すなわち、遊技状態が通常遊技状態である場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。遊技状態が第1RT状態である場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。遊技状態が第2RT状態である場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。遊技状態が第3RT状態である場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。遊技状態が第4RT状態である場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。以上の結果、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されない場合には、通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率が約50000分の1、すなわち通常遊技状態から第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約50000回となり、第5RT状態に移行させることが非常に困難となる。
【0208】
このため、遊技者は、少なくとも前兆実行抽選が行われるように毎回のゲームを行う必要がある。前兆実行抽選が行われるためには、少なくとも罰則フラグがセットされていない状況でゲームを行う必要があり、罰則フラグは、報知フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、前兆実行抽選が行われる状況を維持するためには、毎回のゲームにおいて左ストップスイッチ42を最初に操作する必要がある。
【0209】
前兆実行抽選は、待機ゲーム数カウンタの値が0になった場合に行われる。待機ゲーム数は、罰則フラグ,本前兆フラグ,偽前兆フラグのいずれもセットされていない状況で1減算される。本前兆フラグ及び偽前兆フラグがセットされてから対応するフラグがクリアされるまでの期間(すなわち前兆演出が行われる期間)は約9ゲームである。また、待機ゲーム数カウンタの値が0となったことを契機として前兆演出決定処理を行うこととなった場合には、約2.00分の1の確率で前兆実行抽選に当選する。つまり、左ストップスイッチ42を最初に操作していた場合には、待機ゲーム数カウンタの値が約105ゲーム毎に0となることを期待できる。加えて、前兆実行抽選は、特定役に当選した場合にも行われる。チェリーと第2スイカに共に当選となる確率は約16400分の1であり、当該当選を契機とした前兆実行抽選の当選確率は1分の1である。チェリーのみに当選となる確率は約96.4分の1であり、当該当選を契機とした前兆実行抽選の当選確率は約1.25分の1である。第1スイカのみに当選となる確率は約262分の1であり、当該当選を契機とした前兆実行抽選の当選確率は約1.25分の1である。第2スイカのみに当選となる確率は約256分の1であり、当該当選を契機とした前兆実行抽選の当選確率は約1.25分の1である。つまり、左ストップスイッチ42を最初に操作していた場合には、待機ゲーム数カウンタの値が0となることに基づく前兆実行抽選(以下、当該抽選を「周期実行抽選」ともいう。)が行われることに加えて、特定役当選に基づく前兆実行抽選(以下、当該抽選を「特定役実行抽選」ともいう。)が約55.0分の1の確率で行われることを期待できる。
【0210】
前兆実行抽選に当選した場合には、前兆種別抽選が行われ、本前兆フラグ又は偽前兆フラグがセットされる。周期実行抽選に当選した場合の前兆種別抽選では、約5.00分の1の確率で本前兆フラグがセットされる。特定役実行抽選に当選した場合の前兆種別抽選では、チェリーと第2スイカに共に当選している場合、1分の1の確率で本前兆フラグがセットされ、チェリーのみに当選している場合、約12.0分の1の確率で本前兆フラグがセットされ、第1スイカのみに当選している場合、約48.0分の1の確率で本前兆フラグがセットされ、第2スイカのみに当選している場合、約6.00分の1の確率で本前兆フラグがセットされる。本前兆フラグ又は偽前兆フラグがセットされた場合には、内容決定処理が行われ、前兆演出が行われる期間として4ゲーム?14ゲームのいずれかが選択されるとともに、当該前兆演出期間に行う演出内容が決定される。そして、その後の前兆演出期間では、内容決定処理の決定結果に基づいて、SU演出やEP演出が行われたり、何も演出が行われなかったり(NON演出が行われたり)する。
【0211】
前兆演出の最終ゲームでは、本前兆フラグがセットされている場合、報知フラグがセットされる。そして、第1RT状態?第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される。遊技者は、報知された操作順序でストップスイッチ42?44を操作することにより、図柄を狙ってストップスイッチ42?44を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞?第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。
【0212】
ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は以下のとおりである。遊技状態が通常遊技状態である場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。つまり、遊技状態が通常遊技状態である場合には、第1RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約5.20回である。遊技状態が第1RT状態である場合には、約9.10分の1の確率で第2RT状態に移行する。つまり、遊技状態が第1RT状態である場合には、第2RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約9.10回である。遊技状態が第2RT状態である場合には、約4.00分の1の確率で第3RT状態に移行する。つまり、遊技状態が第2RT状態である場合には、第3RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約4.00回である。遊技状態が第3RT状態である場合には、約1.47分の1の確率で第4RT状態に移行する。つまり、遊技状態が第3RT状態である場合には、第4RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約1.47回である。遊技状態が第4RT状態である場合には、約1.47分の1の確率で第5RT状態に移行する。つまり、遊技状態が第4RT状態である場合には、第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約1.47回である。以上の結果、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される場合には、通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率が約21.2分の1、すなわち通常遊技状態から第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約21.2ゲームとなり、第5RT状態に移行させることが非常に容易となる。ちなみに、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される状況となった際の遊技状態が第1RT状態である場合には、第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約16.0ゲームとなり、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される状況となった際の遊技状態が第2RT状態である場合には、第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約6.94ゲームとなり、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される状況となった際の遊技状態が第3RT状態である場合には、第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約2.94ゲームとなり、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される状況となった際の遊技状態が第4RT状態である場合には、第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約1.47ゲームとなる。
【0213】
表示制御装置81は、遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップスイッチ42?44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されなくなる。
【0214】
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップスイッチ42?44を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、通常遊技状態では、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されないため、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、1ゲームあたりのメダル払出の期待値が約1.44枚となる。つまり、第5RT状態に移行した場合には、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知される場合、通常遊技状態よりも遊技者に有利となる。なお、各抽選テーブルには、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合にベル入賞が成立するインデックス値IV=12?19のポイント値PVが、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合にベル入賞が成立するインデックス値IV=8?11のポイント値PVよりも高く設定されている(例えば図13参照)。このため、通常遊技状態において左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作した場合には、1ゲームあたりのメダル払出の期待値が約2.02枚となる。但し、左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作した場合には、本前兆フラグ又は偽前兆フラグがセットされていなければ罰則フラグがセットされるため、その後のゲームにおいて前兆実行抽選が行われなくなる。また、前兆演出期間に左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作することで1ゲームあたりのメダル払出の期待値を高めることも考えられるが、待機ゲーム数カウンタの値が0となるタイミングは前兆演出の実行有無や特定役当選の有無によって変化するため、周期実行抽選に当選したこと(すなわち前兆演出期間となったこと)を外部から把握することは困難である。特定役実行抽選についてもチェリーと第2スイカに共に当選となった場合を除いて必ず当選となる訳ではないため、特定役実行抽選に当選したこと(すなわち前兆演出期間となったこと)を外部から把握することは困難である。さらにいうと、説明は省略したが、SU演出やEP演出等は前兆演出期間以外のゲームにおいても実行されることがある。このため、SU演出やEP演出等の実行頻度を通じて前兆演出期間に移行していると推測することは可能であるものの、前兆演出期間の終了時期を把握することは困難である。加えて、左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作した場合には、主制御装置101が有効ライン上に移行出目が停止しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。したがって、左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作した場合には、1ゲームあたりのメダル払出の期待値が高くなるものの、結果的に遊技者に不利となる。
【0215】
ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。以下では、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかがセットされてから当該報知回数カウンタの値が0となるまでの遊技をアシストタイムボーナス(ATB)と称する。
【0216】
表示制御装置81は、第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、すなわちATBが終了した場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。つまり、ATBが再度開始されることとなる。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合に1加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
【0217】
表示制御装置81は、蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数カウンタに100をセットする。そして、次ゲーム以降では、再びストップスイッチ42?44の操作順序を報知しなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップスイッチ42?44の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
【0218】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0219】
8種類の演出パターンが設定された第1演出テーブルと、5種類の演出パターンが設定された第2演出テーブルとを表示制御装置81のROMに予め記憶させておく構成とした。そして、内容決定処理では、演出決定数カウンタの値が6以上である場合、当該演出決定数カウンタの値が5以下となるまで第1演出テーブルから演出パターンを決定し、演出決定数カウンタの値が5以下となった場合、第2演出テーブルからそのときの演出決定数カウンタの値と対応する演出パターンを取得する構成とした。かかる構成とすることにより、例えば14ゲーム分の一連の演出データを表示制御装置81のROMに予め記憶させておかずとも、14ゲームにわたる前兆演出を実行することが可能となる。故に、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となり、記憶容量の増大化を抑制しつつ演出の多様化を図ることが可能となる。
【0220】
第1演出テーブルには、1ゲーム用の演出パターン「1」?「4」と、2ゲーム用の演出パターン「5」と、3ゲーム用の演出パターン「6」と、4ゲーム用の演出パターン「7」と、5ゲーム用の演出パターン「8」と、の8種類の演出パターンを設定した。このように長さの異なる演出パターンを複数設定することにより、前兆演出において実行される演出の多様化を図るのみならず、前兆演出の長さの多様化を図ることも可能となる。すなわち、例えば第1演出テーブルに2ゲーム用の演出パターンのみを複数設定した場合には、第2演出テーブルの存在を考慮しなかった場合、前兆期間として2の整数倍のゲーム数しか設定することができなくなってしまうからである。
【0221】
第1演出テーブル及び第2演出テーブルには、3ゲームにわたって行われるEP演出を1つの演出パターンに設定した。かかる構成とすることにより、EP演出を含む演出パターンを選択した場合にEP1演出?EP3演出を連続して行うことが可能となり、EP演出の途中で他の演出に変化してしまうことを回避することが可能となる。
【0222】
内容決定処理では、演出決定数カウンタの値が6以上である場合、当該演出決定数カウンタの値が5以下となるまで第1演出テーブルから演出パターンを決定し、演出決定数カウンタの値が5以下となった場合、第2演出テーブルからそのときの演出決定数カウンタの値と対応する演出パターンを取得する構成とした。そして、第2演出テーブルには、最後のゲームにEP3演出又はFIN演出を行うことが規定された5種類の演出パターンを設定した。かかる構成とすることにより、本前兆フラグがセットされている場合には、前兆演出の最後のゲームにおいて第5RT状態に移行し易くなる旨を報知することが可能となる。
【0223】
偽前兆フラグのセットに基づく前兆演出を実行している最中に前兆演出決定処理が再度行われる場合がある構成とした。そして、第1演出テーブル及び第2演出テーブルの各演出パターンには、各ゲームにおいて行う演出内容と、各ゲームにおける演出変更の可否と、を規定し、演出内容記憶処理では、上記両情報を演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aに記憶する構成とした。かかる構成とすることにより、記憶用エリア1001aに記憶されたデータを変更する場合に、そのときに記憶用エリア1001aに記憶されている演出変更の可否を参照することで変更不可期間を把握することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0224】
第1演出テーブル及び第2演出テーブルの各演出パターンには、各ゲームにおいて行う演出内容に加えて、各ゲームにおける演出変更の可否を規定した。かかる構成とすることにより、例えば第1演出テーブルの演出パターン「4」及び演出パターン「5」におけるSU1演出のように、同一の演出内容に対し、所定の演出パターンでは演出変更可能であることを規定する一方、他の演出パターンでは演出変更不可能であることを規定することが可能となる。この結果、前兆演出において実行される演出の多様化を図ることが可能となる。
【0225】
内容決定処理では、前兆期間の各ゲームにおいて実行する演出内容を全て決定し、当該決定結果を記憶用エリア1001aに記憶する構成とした。かかる構成とすることにより、前兆演出を行うと決定した以降の各ゲームにおいては、データシフト処理を行うことで決定結果と対応する演出を実行することが可能となり、前兆演出の実行に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0226】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0227】
(1)上記実施の形態では、内容決定処理において演出決定数カウンタの値が5以下となった場合、第2演出テーブルから演出決定数カウンタの値と対応する演出パターンを選択する構成としたが、かかる構成を変更する。
【0228】
例えば、前兆期間の最後のゲームでFIN演出又はEP3演出が行われるよう、上記実施の形態におけるステップS1010と同様の所定の抽選を行って演出パターンを決定する。
【0229】
具体例を説明すると、上記実施の形態における第2演出テーブルに代えて、演出決定数カウンタの値が5である場合に用いる5G用演出テーブルと、演出決定数カウンタの値が4である場合に用いる4G用演出テーブルと、演出決定数カウンタの値が3である場合に用いる3G用演出テーブルと、演出決定数カウンタの値が2である場合に用いる2G用演出テーブルと、演出決定数カウンタの値が1である場合に用いる1G用演出テーブルと、を表示制御装置81のROMに予め記憶する。
【0230】
5G用演出テーブルには、1ゲーム目にSU1演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にSU1演出を行うとともに2ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にHIGH演出を行い、2ゲーム目にSU1演出を行い、3ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目及び2ゲーム目にHIGH演出を行い、3ゲーム目にSU1演出を行い、4ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にSU1演出を行い、2ゲーム目にSU2演出を行い、3ゲーム目にEP1演出を行い、4ゲーム目にEP2演出を行い、5ゲーム目にEP3演出を行うことが規定された演出パターンと、を設定する。
【0231】
4G用演出テーブルには、1ゲーム目にSU1演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にSU1演出を行うとともに2ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にHIGH演出を行い、2ゲーム目にSU1演出を行い、3ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にSU1演出を行い、2ゲーム目にEP1演出を行い、3ゲーム目にEP2演出を行い、4ゲーム目にEP3演出を行うことが規定された演出パターンと、を設定する。
【0232】
3G用演出テーブルには、1ゲーム目にSU1演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にSU1演出を行うとともに2ゲーム目にSU2演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にEP1演出を行い、2ゲーム目にEP2演出を行い、3ゲーム目にEP3演出を行うことが規定された演出パターンと、を設定する。
【0233】
2G用演出テーブルには、1ゲーム目にSU1演出を行うことが規定された演出パターンと、1ゲーム目にHIGH演出を行うとともに2ゲーム目にFIN演出を行うことが規定された演出パターンと、を設定する。
【0234】
1G用演出テーブルには、1ゲーム目にFIN演出を行うことが規定された演出パターンを設定する。
【0235】
そして、内容決定処理のステップS1009にて否定判定をした場合、すなわち演出決定数カウンタの値が5以下となった場合には、そのときの演出決定数カウンタの値と対応する演出テーブルを用いて演出抽選を実行する。EP3演出又はFIN演出を行うことが規定された演出パターンを選択した場合には、演出決定数カウンタの値を0とするとともに演出内容記憶処理を行って本処理を終了し、EP3演出及びFIN演出を行うことが規定されていない演出パターンを選択した場合には、そのときの演出決定数カウンタの値から選択した演出パターンの演出決定数を減算する。そして、当該減産結果と対応する演出テーブルを用いて再度演出抽選を実行する。その後は、EP3演出又はFIN演出を行うことが規定された演出パターンを選択するまで、演出決定数カウンタの値と対応する演出テーブルに変更しつつ演出抽選を繰り返す。
【0236】
かかる構成とした場合には、上記実施の形態に記載した効果に加えて、前兆期間の残り5ゲームから最終ゲームにいたるまでの演出の多様化を図ることが可能となる。
【0237】
(2)上記実施の形態では、演出記憶エリア1001の記憶用エリア1001aを最大18ゲーム分のデータを記憶可能な構成としたが、少なくとも14ゲーム分のデータを記憶可能な構成であれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。
【0238】
(3)上記実施の形態では、偽前兆フラグのセットに基づく前兆演出を実行している最中に前兆演出決定処理を再度行い得る構成としたが、前兆演出を実行している場合には前兆演出決定処理を行わない構成としても良い。
【0239】
(4)上記実施の形態では、前兆演出においてNON演出が実行される場合がある、すなわち前兆演出の所定のゲームにおいて演出が実行されない場合がある構成としたが、前兆演出の各ゲームでは何らかの演出が必ず行われる構成としても良いことは言うまでもない。
【0240】
(5)上記実施の形態では、前兆期間として4ゲーム?14ゲームのいずれかが選択される構成としたが、他のゲーム数が選択される構成としても良い。また、前兆期間として予め定めた1のゲーム数が設定される構成としても良い。
【0241】
(6)上記各実施の形態では、通常遊技状態から第5RT状態に移行する場合、第1RT状態?第4RT状態の4つの遊技状態を介する構成としたが、少なくとも1つの遊技状態を介する構成であれば、その数は任意である。このとき、中継する遊技状態を少なくした場合には、報知フラグがセットされてから第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数が多くなり、中継する遊技状態を多くした場合には、報知フラグがセットされてから第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数が少なくなる。
【0242】
(7)上記各実施の形態では、補助表示部65にてストップスイッチ42?44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、ストップスイッチ42?44の操作順序を示唆する構成であれば良い。例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としても良いし、次に操作するストップスイッチのランプを他のストップスイッチと異なる発光色等で点灯表示することによって操作順序を示唆する構成としても良い。
【0243】
(8)上記各実施の形態では、第1RT状態?第4RT状態において昇格再遊技の入賞態様が遊技状態毎に異なる構成としたが、同じであっても良いことは言うまでもない。
【0244】
(9)上記各実施の形態において入賞成立となる各図柄の組合せは一例であり、これら図柄の組合せに限定されるものではない。また、入賞成立となる図柄の組合せの数も任意である。
【0245】
(10)上記各実施の形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やSB状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
【0246】
(11)上記各実施の形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
【0247】
(12)上記各実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
【0248】
(13)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
【0249】
(14)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【0250】
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0251】
遊技機1.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1?第3クレジット投入スイッチ56?58)と、
役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42?44)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置(有効ライン)に所定の組合せ(小役図柄の組合せ等)を形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理S211、BB状態処理S213等)と
を備えた遊技機において、
演出内容に関わる演出内容情報(演出パターン)が複数種類設定された演出内容情報群(第1演出テーブル)を予め記憶する演出内容情報群記憶手段(表示制御装置81のROM)と、
演出期間(前兆期間)を設定する演出期間設定手段(表示制御装置81の前兆期間抽選処理機能S1001)と、
前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段(表示制御装置81の演出選択処理機能S1009、S1013)と、
前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段(表示制御装置81の演出記憶エリア1001)と、
前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段(表示制御装置81の演出実行処理機能)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0252】
本遊技機によれば、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群が予め記憶されており、演出期間が設定された場合には、演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、演出内容情報群から演出内容情報が複数回選択される。そして、当該選択結果が一時記憶手段に記憶され、一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出が実行される。かかる構成とすることにより、演出内容情報群記憶手段には、設定され得る演出期間よりも短い遊技回の演出内容に関わる演出内容情報を予め記憶しておけばよく、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。この結果、記憶容量の増大化を抑制しつつ演出の多様化を図ることが可能となる。
【0253】
遊技機2.上記遊技機1において、前記演出内容情報群を演出の実行回数が異なる演出内容情報を含む構成としたことを特徴とする遊技機。
【0254】
本遊技機によれば、演出内容情報群には演出の実行回数が異なる演出内容情報が含まれているため、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図るのみならず、演出期間の長さの多様化を図ることも可能となる。
【0255】
遊技機3.上記遊技機1又は遊技機2において、複数の遊技回にわたって実行される連続演出(EP演出)を有し、前記演出内容情報群には、前記連続演出を1つの演出内容情報として設定したことを特徴とする遊技機。
【0256】
本遊技機によれば、演出内容情報群には、複数の遊技回にわたって実行される連続演出が1つの演出内容情報として設定されている。かかる構成とすることにより、連続演出の途中で他の演出に変化してしまうことを回避することが可能となる。
【0257】
遊技機4.上記遊技機1乃至遊技機3のいずれかにおいて、前記演出期間設定手段は、長さの異なる複数の演出期間を設定し得ることを特徴とする遊技機。
【0258】
本遊技機のように、長さの異なる複数の演出期間を設定可能な構成においては、各演出期間の演出内容の多様化を図ろうとした場合、予め記憶させておくデータ量が増大化し得るが、演出内容情報群から演出内容情報を選択して演出期間の演出内容を決定する構成においては、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。
【0259】
遊技機5.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、所定の判定結果を示唆する判定結果演出(EP3演出、FIN演出)を有し、前記演出内容選択手段は、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数(5)以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択し、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記判定結果演出と対応する演出内容情報を選択することを特徴とする遊技機。
【0260】
本遊技機によれば、演出内容選択手段は、演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで演出内容情報群から演出内容情報を選択し、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、判定結果演出と対応する演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、演出期間の残り回数が特定回数以下となった遊技回において所定の判定結果を示唆することが可能となる。
【0261】
遊技機6.上記遊技機5において、前記判定結果演出を実行する遊技回の異なる演出内容情報が複数設定された第2演出内容情報群(第2演出テーブル)を予め記憶する第2演出内容情報群記憶手段(表示制御装置81のROM)を備え、前記演出内容選択手段は、前記演出期間の残り回数が前記特定回数(5)以下となった場合、前記第2演出内容情報群から前記演出期間の残り回数と対応する演出内容情報を選択することを特徴とする遊技機。
【0262】
本遊技機によれば、判定結果演出を実行する遊技回の異なる演出内容情報が複数設定された第2演出内容情報群が予め記憶されており、演出内容選択手段は、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、第2演出内容情報群から演出期間の残り回数と対応する演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、設定した演出期間の最後の遊技回において判定結果演出を実行することが可能となる。
【0263】
遊技機7.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、所定の判定結果を示唆する判定結果演出(EP3演出、FIN演出)を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数(5)以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0264】
本遊技機によれば、演出内容選択手段は、演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで演出内容情報群から演出内容情報を選択し、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、演出期間の最後の遊技回で判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、設定した演出期間の最後の遊技回において判定結果演出を実行することが可能となるとともに、演出期間の残り回数が特定回数以下となってから最後の遊技回にいたるまでの演出の多様化を図ることが可能となる。
【0265】
遊技機8.上記遊技機1乃至遊技機7のいずれかにおいて、前記演出期間を設定するか否かを決定する決定手段(表示制御装置81の前兆実行抽選処理機能S901)と、前記演出期間が既に設定されている状況において前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部を変更する情報変更手段(表示制御装置81の変更不可期間以外の記憶エリア初期化機能S1008)とを備え、前記演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、前記所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、前記一時記憶手段には、少なくとも前記第1情報及び前記第2情報が記憶される構成としたことを特徴とする遊技機。
【0266】
本遊技機によれば、演出期間が既に設定されている状況において決定手段が演出期間を設定すると決定した場合、一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部が変更される。かかる構成とすることにより、演出期間の長さ及び演出期間における演出内容を、演出期間の途中の遊技回で変更することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、一時記憶手段には、少なくとも第1情報及び第2情報が記憶される構成とすることにより、演出の変更タイミングを一時記憶手段に記憶された第2情報に基づいて決定することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とすることにより、例えば同一の演出内容に対し、所定の演出内容情報では演出変更可能であることを示す第2情報を設定する一方、他の演出内容情報では演出変更不可能であることを示す第2情報を設定することが可能となる。この結果、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図ることが可能となる。
【0267】
遊技機9.上記遊技機8において、前記情報変更手段は、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている全ての情報を変更し、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報のうち、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報を変更することを特徴とする遊技機。
【0268】
本遊技機によれば、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている全ての情報が変更され、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている情報のうち、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報が変更される。かかる構成とすることにより、例えば複数の遊技回にわたって実行する連続演出の途中の遊技回で演出期間を設定すると決定した場合であっても、連続演出に関わる情報は変更せずにその後の遊技回における情報を変更することが可能となる。
【0269】
遊技機10.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1?第3クレジット投入スイッチ56?58)と、
役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42?44)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置(有効ライン)に所定の組合せ(小役図柄の組合せ等)を形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理S211、BB状態処理S213等)と
を備えた遊技機において、
演出内容に関わる演出内容情報(演出パターン)が複数種類設定された演出内容情報群(第1演出テーブル)を予め記憶する演出内容情報群記憶手段(表示制御装置81のROM)と、
演出期間(前兆期間)を設定する演出期間設定手段(表示制御装置81の前兆期間抽選処理機能S1001)と、
前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段(表示制御装置81の演出選択処理機能S1009、S1013)と、
前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段(表示制御装置81の演出記憶エリア1001)と、
前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段(表示制御装置81の演出実行処理機能)と
を備え、
所定の判定結果を示唆する判定結果演出(EP3演出、FIN演出)を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数(5)以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0270】
本遊技機によれば、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群が予め記憶されており、演出期間が設定された場合には、演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、演出内容情報群から演出内容情報が複数回選択される。そして、当該選択結果が一時記憶手段に記憶され、一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出が実行される。かかる構成とすることにより、演出内容情報群記憶手段には、設定され得る演出期間よりも短い遊技回の演出内容に関わる演出内容情報を予め記憶しておけばよく、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。この結果、記憶容量の増大化を抑制しつつ演出の多様化を図ることが可能となる。
【0271】
また、演出内容選択手段は、演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで演出内容情報群から演出内容情報を選択し、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、演出期間の最後の遊技回で判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、設定した演出期間の最後の遊技回において判定結果演出を実行することが可能となるとともに、演出期間の残り回数が特定回数以下となってから最後の遊技回にいたるまでの演出の多様化を図ることが可能となる。
【0272】
遊技機11.上記遊技機10において、前記演出内容情報群を演出の実行回数が異なる演出内容情報を含む構成としたことを特徴とする遊技機。
【0273】
本遊技機によれば、演出内容情報群には演出の実行回数が異なる演出内容情報が含まれているため、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図るのみならず、演出期間の長さの多様化を図ることも可能となる。
【0274】
遊技機12.上記遊技機10又は遊技機11において、複数の遊技回にわたって実行される連続演出(EP演出)を有し、前記演出内容情報群には、前記連続演出を1つの演出内容情報として設定したことを特徴とする遊技機。
【0275】
本遊技機によれば、演出内容情報群には、複数の遊技回にわたって実行される連続演出が1つの演出内容情報として設定されている。かかる構成とすることにより、連続演出の途中で他の演出に変化してしまうことを回避することが可能となる。
【0276】
遊技機13.上記遊技機10乃至遊技機12のいずれかにおいて、前記演出期間設定手段は、長さの異なる複数の演出期間を設定し得ることを特徴とする遊技機。
【0277】
本遊技機のように、長さの異なる複数の演出期間を設定可能な構成においては、各演出期間の演出内容の多様化を図ろうとした場合、予め記憶させておくデータ量が増大化し得るが、演出内容情報群から演出内容情報を選択して演出期間の演出内容を決定する構成においては、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。
【0278】
遊技機14.上記遊技機10乃至遊技機13のいずれかにおいて、前記演出期間を設定するか否かを決定する決定手段(表示制御装置81の前兆実行抽選処理機能S901)と、前記演出期間が既に設定されている状況において前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部を変更する情報変更手段(表示制御装置81の変更不可期間以外の記憶エリア初期化機能S1008)とを備え、前記演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、前記所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、前記一時記憶手段には、少なくとも前記第1情報及び前記第2情報が記憶される構成としたことを特徴とする遊技機。
【0279】
本遊技機によれば、演出期間が既に設定されている状況において決定手段が演出期間を設定すると決定した場合、一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部が変更される。かかる構成とすることにより、演出期間の長さ及び演出期間における演出内容を、演出期間の途中の遊技回で変更することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、一時記憶手段には、少なくとも第1情報及び第2情報が記憶される構成とすることにより、演出の変更タイミングを一時記憶手段に記憶された第2情報に基づいて決定することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とすることにより、例えば同一の演出内容に対し、所定の演出内容情報では演出変更可能であることを示す第2情報を設定する一方、他の演出内容情報では演出変更不可能であることを示す第2情報を設定することが可能となる。この結果、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図ることが可能となる。
【0280】
遊技機15.上記遊技機14において、前記情報変更手段は、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている全ての情報を変更し、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報のうち、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報を変更することを特徴とする遊技機。
【0281】
本遊技機によれば、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている全ての情報が変更され、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている情報のうち、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報が変更される。かかる構成とすることにより、例えば複数の遊技回にわたって実行する連続演出の途中の遊技回で演出期間を設定すると決定した場合であっても、連続演出に関わる情報は変更せずにその後の遊技回における情報を変更することが可能となる。
【0282】
遊技機16.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1?第3クレジット投入スイッチ56?58)と、
役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42?44)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置(有効ライン)に所定の組合せ(小役図柄の組合せ等)を形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理S211、BB状態処理S213等)と
を備えた遊技機において、
演出内容に関わる演出内容情報(演出パターン)が複数種類設定された演出内容情報群(第1演出テーブル)を予め記憶する演出内容情報群記憶手段(表示制御装置81のROM)と、
演出期間(前兆期間)を設定する演出期間設定手段(表示制御装置81の前兆期間抽選処理機能S1001)と、
前記演出期間を設定するか否かを決定する決定手段(表示制御装置81の前兆実行抽選処理機能S901)と、
前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段(表示制御装置81の演出選択処理機能S1009、S1013)と、
前記選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段(表示制御装置81の演出記憶エリア1001)と、
前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段(表示制御装置81の演出実行処理機能)と、
前記演出期間が既に設定されている状況において前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部を変更する情報変更手段(表示制御装置81の変更不可期間以外の記憶エリア初期化機能S1008)と
を備え、
前記演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、前記所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、前記一時記憶手段には、少なくとも前記第1情報及び前記第2情報が記憶される構成としたことを特徴とする遊技機。
【0283】
本遊技機によれば、演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群が予め記憶されており、演出期間が設定された場合には、演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、演出内容情報群から演出内容情報が複数回選択される。そして、当該選択結果が一時記憶手段に記憶され、一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出が実行される。かかる構成とすることにより、演出内容情報群記憶手段には、設定され得る演出期間よりも短い遊技回の演出内容に関わる演出内容情報を予め記憶しておけばよく、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。この結果、記憶容量の増大化を抑制しつつ演出の多様化を図ることが可能となる。
【0284】
また、演出期間が既に設定されている状況において決定手段が演出期間を設定すると決定した場合、一時記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部が変更される。かかる構成とすることにより、演出期間の長さ及び演出期間における演出内容を、演出期間の途中の遊技回で変更することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とし、一時記憶手段には、少なくとも第1情報及び第2情報が記憶される構成とすることにより、演出の変更タイミングを一時記憶手段に記憶された第2情報に基づいて決定することが可能となる。また、演出内容情報を、所定の遊技回において実行する演出内容を示す第1情報と、所定の遊技回における演出変更の可否を示す第2情報と、を有する構成とすることにより、例えば同一の演出内容に対し、所定の演出内容情報では演出変更可能であることを示す第2情報を設定する一方、他の演出内容情報では演出変更不可能であることを示す第2情報を設定することが可能となる。この結果、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図ることが可能となる。
【0285】
遊技機17.上記遊技機16において、前記情報変更手段は、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている全ての情報を変更し、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、前記一時記憶手段に記憶されている情報のうち、前記決定手段が前記演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報を変更することを特徴とする遊技機。
【0286】
本遊技機によれば、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている全ての情報が変更され、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回の第2情報が演出変更不可能であることを示すものである場合、一時記憶手段に記憶されている情報のうち、決定手段が演出期間を設定すると決定した遊技回から、演出変更可能であることを示す第2情報が記憶されている最初の遊技回までの情報以外の情報が変更される。かかる構成とすることにより、例えば複数の遊技回にわたって実行する連続演出の途中の遊技回で演出期間を設定すると決定した場合であっても、連続演出に関わる情報は変更せずにその後の遊技回における情報を変更することが可能となる。
【0287】
遊技機18.上記遊技機16又は遊技機17において、前記演出内容情報群を演出の実行回数が異なる演出内容情報を含む構成としたことを特徴とする遊技機。
【0288】
本遊技機によれば、演出内容情報群には演出の実行回数が異なる演出内容情報が含まれているため、演出期間に実行する演出パターンの多様化を図るのみならず、演出期間の長さの多様化を図ることも可能となる。
【0289】
遊技機19.上記遊技機16乃至遊技機18のいずれかにおいて、複数の遊技回にわたって実行される連続演出(EP演出)を有し、前記演出内容情報群には、前記連続演出を1つの演出内容情報として設定したことを特徴とする遊技機。
【0290】
本遊技機によれば、演出内容情報群には、複数の遊技回にわたって実行される連続演出が1つの演出内容情報として設定されている。かかる構成とすることにより、連続演出の途中で他の演出に変化してしまうことを回避することが可能となる。
【0291】
遊技機20.上記遊技機16乃至遊技機19のいずれかにおいて、前記演出期間設定手段は、長さの異なる複数の演出期間を設定し得ることを特徴とする遊技機。
【0292】
本遊技機のように、長さの異なる複数の演出期間を設定可能な構成においては、各演出期間の演出内容の多様化を図ろうとした場合、予め記憶させておくデータ量が増大化し得るが、演出内容情報群から演出内容情報を選択して演出期間の演出内容を決定する構成においては、予め記憶させておくデータ量の増大化を抑制することが可能となる。
【0293】
遊技機21.上記遊技機16乃至遊技機20のいずれかにおいて、所定の判定結果を示唆する判定結果演出(EP3演出、FIN演出)を有し、前記演出内容選択手段は、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数(5)以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択し、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記判定結果演出と対応する演出内容情報を選択することを特徴とする遊技機。
【0294】
本遊技機によれば、演出内容選択手段は、演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで演出内容情報群から演出内容情報を選択し、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、判定結果演出と対応する演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、演出期間の残り回数が特定回数以下となった遊技回において所定の判定結果を示唆することが可能となる。
【0295】
遊技機22.上記遊技機21において、前記判定結果演出を実行する遊技回の異なる演出内容情報が複数設定された第2演出内容情報群(第2演出テーブル)を予め記憶する第2演出内容情報群記憶手段(表示制御装置81のROM)を備え、前記演出内容選択手段は、前記演出期間の残り回数が前記特定回数(5)以下となった場合、前記第2演出内容情報群から前記演出期間の残り回数と対応する演出内容情報を選択することを特徴とする遊技機。
【0296】
本遊技機によれば、判定結果演出を実行する遊技回の異なる演出内容情報が複数設定された第2演出内容情報群が予め記憶されており、演出内容選択手段は、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、第2演出内容情報群から演出期間の残り回数と対応する演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、設定した演出期間の最後の遊技回において判定結果演出を実行することが可能となる。
【0297】
遊技機23.上記遊技機16乃至遊技機20のいずれかにおいて、所定の判定結果を示唆する判定結果演出(EP3演出、FIN演出)を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数(5)以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0298】
本遊技機によれば、演出内容選択手段は、演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで演出内容情報群から演出内容情報を選択し、演出期間の残り回数が特定回数以下となった場合、演出期間の最後の遊技回で判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する。かかる構成とすることにより、設定した演出期間の最後の遊技回において判定結果演出を実行することが可能となるとともに、演出期間の残り回数が特定回数以下となってから最後の遊技回にいたるまでの演出の多様化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0299】
10…スロットマシン、32…リール、41…スタートレバー、42?44…ストップスイッチ、56…第1クレジット投入スイッチ、57…第2クレジット投入スイッチ、58…第3クレジット投入スイッチ、63…上部ランプ、64…スピーカ、65…補助表示部、81…表示制御装置、101…主制御装置、102…CPU。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、
役の抽選を行う抽選手段と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段と
を備えた遊技機において、
演出内容に関わる演出内容情報が複数種類設定された演出内容情報群を予め記憶する演出内容情報群記憶手段と、
演出期間を設定する演出期間設定手段と、
前記演出期間設定手段が前記演出期間を設定した場合、前記演出期間の各遊技回に実行する演出内容を決定すべく、前記演出内容情報群から前記演出内容情報を複数回選択可能な演出内容選択手段と、
前記演出内容選択手段の選択結果を一時記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に記憶された情報に基づいて演出を実行する演出実行手段と
を備え、
所定の判定結果を示唆する判定結果演出を有し、前記演出内容選択手段を、前記演出期間設定手段の設定した演出期間の残り回数が特定回数以下となるまで前記演出内容情報群から前記演出内容情報を選択する構成とするとともに、前記演出期間の残り回数が前記特定回数以下となった場合、前記演出期間の最後の遊技回で前記判定結果演出を実行するよう、所定の抽選を行って前記演出期間の残りの遊技回の演出内容情報を選択する構成としたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出内容情報群を演出の実行回数が異なる演出内容情報を含む構成としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
複数の遊技回にわたって実行される連続演出を有し、前記演出内容情報群には、前記連続演出を1つの演出内容情報として設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-01-04 
結審通知日 2016-01-07 
審決日 2016-01-19 
出願番号 特願2011-102710(P2011-102710)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中槙 利明  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 遠藤 孝徳
長崎 洋一
登録日 2015-08-07 
登録番号 特許第5787066号(P5787066)
発明の名称 遊技機  
代理人 柴田 淳一  
代理人 柴田 淳一  
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