ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
---|---|
管理番号 | 1311684 |
審判番号 | 不服2013-21679 |
総通号数 | 196 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-11-05 |
確定日 | 2016-03-01 |
事件の表示 | 特願2009-541737「ヒューマンインタラクション装置、電子装置及びヒューマンインタラクション方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 6月26日国際公開、WO2008/074223、平成22年 4月30日国内公表、特表2010-514020〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成19年12月19日(優先権主張、平成18年12月19日、中国、平成19年3月12日、中国、平成19年5月8日、中国、平成19年5月25日、中国、平成19年9月6日、中国)を国際出願日とする出願であって、平成25年6月27日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成25年11月5日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに手続補正され、当審において平成26年11月27日付けで拒絶理由が通知されたところ、平成27年5月28日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 当審拒絶理由 当審では、平成26年11月27日付けで拒絶理由を通知した。その理由の概要は次のとおりである。 「本件出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。 第1 発明の明確性の要件(第36条第6項第2号)について 1.請求項1の記載は、以下の点で著しく不明りょうであり、発明の構成が特定できない。 (1)「該第二入力装置の全部の働きは、前記第一入力装置のキーボード操作区域内, 区域が重なり、或いは使用区域が形成され、前記区域が重なり、或いは使用区域が同じ時間内に区域が重なり、或いは区域が使用され、以下を含む:」について a.「第二入力装置の全部の働き」(主語)と「区域が重なり、・・・区域が使用され、」(述語)が日本語として対応していない。 b.「前記第一入力装置のキーボード操作区域内, 区域が重なり、或いは使用区域が形成され、前記区域が重なり、或いは使用区域が同じ時間内に区域が重なり、或いは区域が使用され、」では、「,」と「、」の両方を用いている意味、三箇所の「或いは」と「、」が、どの構成とどの構成が択一的な構成であるのか明確ではない。 また、「区域が重なる」は、どの「区域」とどの「区域」がどのように重なるのか、「使用区域が形成され」は、どの「区域」に何の「区域」が形成されるのか、「区域が使用される」は、どの「区域」がどのように使用されるのか、「使用区域が同じ時間内に区域が重なり」も、どの「区域」とどの「区域」がどのように(配置的に)重なるのか明確ではない。 c.「以下を含む:」は、以下を含む対象が、「ヒューマンインタラクション装置」であるのか、その他の装置であるのか明確ではない。 (2)「第二入力装置またはその一部、及び第一入力装置またはその一部、前記全部の第二入力装置と一部または全部の第一入力装置の区域または空間内の任意の位置の任意の大きさの任意の区域で、前記全部の第二入力装置と部分や全部の第一入力装置は同じ区域または空間を使う、つまり、すべてのまたは一部の区域が重なり、あるいは、該区域を使用、前記区域が重なり、或いは使用区域が同じ時間内に区域が重なり、或いは区域が使用され;」について 前記(1)イ.と同様にどの「区域」とどの「区域」がどのように重なるのか、「区域が使用される」は、どの「区域」がどのように使用されるのか、「使用区域が同じ時間内に区域が重なり」も、どの「区域」とどの「区域」がどのように(配置的に)重なるのか、どの構成とどの構成が択一的な構成であるのか明確ではない。 (3)「前記第一入力装置である区域は一つまたは複数個の入力キーから及び各入力キー間の範囲は構成され;」について a.「前記第一入力装置である区域は」の記載は、日本語として明確ではない(「前記第一入力装置の操作区域は」であれば明確である。)。 b.「一つまたは複数個の入力キーから及び各入力キー間の範囲は構成され」の記載は、日本語として意味不明である。 (4)「前記ヒューマンインタラクション装置にはマウスをオンとオフさせるのに、一つあるいは幾つかのコントロールスイッチが設置され、その設置する区域は前記第二入力装置の区域は第一入力装置とは少なくとも重なる部分があること」について a.「前記ヒューマンインタラクション装置」とあるが、「ヒューマンインタラクション装置」は前記されていない。 b.「マウスをオンとオフさせる」とあるが、「第二入力装置の働き」との関連が明確(本願発明は、「第二入力装置の働き」がマウスファンクションを模擬するものである。)ではない。 c.「その設置する区域は前記第二入力装置の区域は第一入力装置とは少なくとも重なる部分がある」とあるが、「その設置する区域は」、どうなっているのか日本語として明確ではない。 ・・・中略・・・ 第2 発明のサポート要件(第36条第6項第1号)について 請求項1?7に係る発明の構成は、本願明細書の発明の詳細な説明(具体的な実施例や実施形態の記載)のどの記載と対応しているのか不明である。」 第3 請求人の主張 請求人は、平成27年5月28日付けで意見書及び手続補正書を提出し、その手続補正書により特許請求の範囲の請求項1?7を次のように補正した。 「【請求項1】 第一入力装置と第二入力装置を搭載したことを特徴とするヒューマンインタラクション装置であり、前記第二入力装置の全部の働きは、前記第一入力装置のキーボード操作区域内にあり、 区域が重なるのが形成される;前記区域の重なりは同じ時間内に区域が重なることを指す;前記第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内にあり、区域再利用が形成される;前記区域再利用は同一時間内に区域の再利用を指す;前記区域の重なりまたは区域再利用は以下の一つまたはその以上の情況がある: (1)第二入力装置またはその一部、及び第一入力装置またはその一部は、前記全部の第二入力装置 と 前記 一部または全部の 第一入力装置の 区域または空間内の任意の位置の任意の大きさの任意の区域において、前記全部の第二入力装置 と 一部や全部の第一入力装置は同じの 区域または空間を使う、即ち、全部または一部の区域が重なり、あるいは、区域再利用され、前記区域が重なり、或いは区域再利用が同一時間内に区域が重なり、或いは区域が再利用される; (2)前記第一入力装置である区域は一つの入力キーで構成される;或いは、前記第一入力装置である区域は複数の入力キー及び各入力キーの区域で構成される; (3)前記ヒューマンインタラクション装置にはマウスをオンとオフさせるための一つあるいは幾つかのコントロールスイッチが設置され、その設置する区域:前記第二入力装置の区域は第一入力装置とは少なくとも重なる部分があること。 【請求項2】 請求項1に記載される前記ヒューマンインタラクション装置はその特性は以下の2種類の情況の一つまたはその以上がある: (1)前記第一入力装置はキーボード入力装置であり、すなわち操作はキーボードによって実現されるものであり、前記「キー」は以下の形式の一つあるいは幾つかを含んでいる:キーボードまたはコントロールパネルにある形を隠すような、あるいは見えるキー、ボタン;ソフトによって実現され、または表示されるキーボードまたはコントロールパネルにある形を隠すようなあるいは見える、隠すような、表示あるいは表示キー、ボタン、アイコン、メニュー項;以下の2種類の情況の一つまたはその以上がある; (1.1)前記キー入力装置はキーボードであって、前記マウス模擬装置は前記キーボードの左または右に設置された主模擬装置であり、前記マウス模擬装置はキーボードの他の側に設置された幾つかのキーがあり、当該キーボードは標準運指法で指がキーを押した後にその上の一つや幾つかのキーに戻り、マウスのキーファンクションを実現する; (1.2)前記キー入力装置はキーボードであって、前記マウス模擬装置は前記キーボードに設置される主模擬装置、およびキーボードの区域内に設置され、前記主模擬装置外部に設置さる幾つかのキーを含んで、当該いくつかのキーの中で、標準運指法によって、左手操作用のキーは左マウスボタンを実現する働きをし、右手操作用のキーは右マウスボタンを実現する働きをする; (2)前記第二入力装置はマウス機能を使うマウス模擬装置であり、その特性は以下の2種類の情況の一つまたはその以上がある: (2.1)前記マウス機能は以下の機能のいずれかを含むが、その限りでない:執行、選択、ドラッグ、メニュー表示、カーソル移動、スクリーンのスクロール及び複数次元の同時移動による表示; (2.2)マウス模擬装置は少なくとも一つのキー、あるいは当該キーの全部の表面、 あるいはマウス模擬装置の各キー間の一部区域あるいはマウス模擬装置の各キー間の全部の区域を含んで、前記キー入力装置のキー区域のある一つの独立な区域、或いはマウス模擬装置の一部が当該キー区域内に置かれ、マウス模擬装置の剰余部分はキー区域以外のその他区域に置かれる; 前記キー入力装置と/あるいはマウス模擬装置は以下の型の入力装置や入出力装置やその組合、タッチスクリーン、タッチコントロールパッド; 前記主模擬装置は以下の類型の入力装置や入出力装置や、或いは入力装置組合或いは入出力装置やその組合を含む:電子白板、白板、映写キーボード装置、タッチスクリーン、タッチコントロールパッド、電入力装置、電磁感応装置、圧力装置、赤外線装置、レーザー装置、機械装置。 【請求項3】 請求項1、2に記載される電子装置であり、その特性は以下の2種類の情況の一つまたはその以上がある: (1)入力出力装置に前記キー入力装置とタッチコントロールパッドまたは他の入力出力装置を同時に表示され、その一つの装置表示区域が完全な透明であり、或いはその一つの装置表示区域は完全な透明と半透明であることにまたがっている; 前記入力出力装置は以下の装置の1種または組合を含む:タッチスクリーン、タッチコントロールパッド; (2)前記入力装置は前記ヒューマンインタラクション装置に表示されたソフト装置であり、かつキーの表面にキー形状のような完全な透明と半透明にまたがっている膜が設置されて、当該膜はキーボード目があり、手触りがよい;キーとキーの間には深さ0.5mm、幅0.5mm目がある。 【請求項4】 請求項1?3のいずれかに記載されるヒューマンインタラクション装置のヒューマンインタラクションの方法であり、その特性は以下の3種類の情況の一つまたはその以上がある: (1)キーボード入力装置による入力において、マウス機能を使うと、マウスの一部または全部機能がONされ、この場合では、少なくとも前記マウス機能を使う操作区域に対して操作を、前記キーボード入力装置のキーボード区域内にあるマウス模擬装置に対して操作を実施することができて、前記モデルでは、キーモデルに切り換えられた場合、前記マウス機能をOFFにすることを選択することができる; (2)前記マウス機能はそれぞれ前記キーボード入力装置のキー区域の左側または右側にある主模擬装置とキーボードの反対側いくつかのキーによって実現され、当該いくつかのキーは手の指が標準運指法で押した後、元のキーに戻る一つまたはいくつかのキーであり、それはマウスボタンの機能を実現するためのものである; (3)前記マウス機能はそれぞれ前記キーボード入力装置のキー区域内に設置される主模擬装置以外のいくつかのキーで実現され、当該いくつかのキーにおいて、標準運指法の左/右ボタンで操作するキーはマウスの左/右ボタン機能を、標準運指法の左/右ボタンで操作するキーはマウスの左/右ボタン機能を実現するものである; そのうち、前記キーボード入力装置と/或いはマウス模擬装置は以下の類型の入力や入出力装置または組合、或いは入出力装置により実現されるソフト装置を含む:タッチスクリーン、タッチコントロールパッド、機械装置。 【請求項5】 請求項4のいずれかに記載されるヒューマンインタラクションの方法であり、その特性は以下の(1)‐(4)の情況の一つまたはその以上がある: (1)前記マウス模擬装置やマウス模擬装置の主模擬装置に指の移動方式を設定することでタッチコントロールパッドをオンまたはオフさせる移動方式において、タッチコントロールパッドをオンまたはオフさせる時に、その設定方式は以下の(1.1)-(1.7)のいずれかを含む: (1.1)手の指の移動距離が設定値に達し、或いはその値を超えること; (1.2)手の指の移動速度が設定値に達し、或いはその値を超えること; (1.3)手の指の往復移動回数が設定値に達し、或いはその値を超えること; (1.4)手の指からキーに加えた圧力が設定値に達し、或いはその値を超えること; (1.5)手の指がキーの表面からもう一つのキーの表面に移動し、あるいは滑ること; (1.6)手の指の移動ルートは設定形状に合うこと;l (1.7)手の指で区域内の定点、ある区域、ある区域のトップをシングルクリックし、或いはダブルクリックすること; (2)前記キーボード入力装置はソフト装置であり、しかもソフト装置はカーソルまたは手の指の移動に従って移動され、カーソルまたは手の指が 現在位置から操作する方向に向かって移動しているときに、キーボード入力装置本体またはキーボード入力装置において、手の指が向かっていく部分は、手の指の動作する方向に対立して、或いは逆であり、同時に移動、或いは移動しない; (3)キーボード入力装置による入力過程において、キーボード入力装置の操作ボタン区域内に設置されるマウス模擬装置をオンに、マウス模擬装置を操作する; (4)前記マウス模擬装置は以下の方式でマウス機能を実現させる: 開いた後、滑ったら、マウスの滑る機能だと見なして、この時、全く透明と透明ではない間の 類似あるいはマウスの 形に近い形状を表示することができて、その中は最小の楕円の内 から滑るか擦り始めて、ドラッグ機能を実現して、中等の楕円の内から 滑るか擦り始めて、スクリーンの転がるなどの 制御表示する機能を実現して、残りの一部の左側は左ボタンの機能を実現して、ほかの部分の右側は 右ボタンの機能を実現する;完全な透明と透明ではない間の類似あるいはマウスの形に近い形状はカーソルのそばに表示され、それは上、下、左、右あるいはカーソルとの全部または一部重複を含んで、異なる形、色、透明度で区別され、完全な透明と透明ではない間の類似あるいはマウスの形にまたがっている同じでない部分 及び カーソルと完全な透明と透明ではない間の類似あるいはマウスの形にまたがっている部分はカーソルあるいは手の指に従って移動することができる;完全な透明と透明ではない間の類似あるいはマウスの形にまたがっているマウスの左ボタン、 右ボタン、中間ボタンなどのソフトキーのボタンをクリックして、それぞれ実際のマウスの左ボタン、右ボタン、中間ボタンなどの相応の操作を執行する。 【請求項6】 請求項4に記載されるヒューマンインタラクションの方法であり、その特性は前記主模擬装置は以下の方式でマウス機能を実現する: 前記 主模擬装置を開けた後、その前に、滑りもクリックもなかったら、初めてクリックしたこととなり、マウスの左ボタンをクリックすることとする;なお、初めの滑りはカーソルをコントロールすることである; クリックする際に、その直前における最後の操作はクリックや滑りで、今回は当該最後のクリック点または最後の変動終点の左側をクリックしたら、マウスの左ボタンを今回クリックし、そのクリックファンクションを保持し続けることにされる;今回は当該最後のクリック点や最後の変動終点の右側をクリックしたら、マウスの右ボタンをクリックしたことにされる; クリックする際に、その直前における最後の操作はクリックや滑りで、その最後にクリックした点やその最後の変動終点を中心として、Mを半径とする円内に滑り、変動し始めたら、クリックや主模擬装置から離れることまで、その最後の滑りも変動もドラッグとされる; ドラッグする際に、その直前における最後の操作がドラッグで、そのドラッグの線までNより小さい区域に、その上に、そのドラッグ終点を中心として、Mを半径とする円の外へドラッグする場合、マウスの中間ボタンを操作したことにされる; 前記M、Nは設定距離である。 【請求項7】 請求項4に記載されるヒューマンインタラクションの方法によるヒューマンインタラクション装置であり、その特性は以下の(1)‐(4)の情況の一つまたはその以上がある: (1)前記マウス模擬装置を操作する時に、人造の手の爪及びその一部と/或いは組合でカーソルの位置付けまたは位置の表示を実現させる; (2)前記のカーソルの位置付けまたは位置の表示を実現させるものは、凸起部を付ける形状及びその一部と/或いは組合である; (3)前記マウス模擬装置は人が感じられる人体の一部或いは部位の移動で下記の情況のいずれかを実現する: (3.1)カーソルの位置付け、及びカーソルの形を隠すような、見える位置、或いはカーソルの位置付け動作に関して、或いはカーソル相対位置関係に関する下記の(I)-(II)のいずれかを実現する: (I) 形を隠すような、見える、図示、図形、映像、命令メニュー、ボタン、キー、 (II) 人が感じられる人体の一部或いは部位、それは手の指の一部の中心部または中心部が含まれる; (3.2)カーソルの移動及びの形を隠すような、見える位置のカーソル移動、或いはカーソル移動の動作に関して、あるいはカーソル相対位置の移動にかかわる; 下記の(I)-(II)のいずれかに該当する: (I) 形を隠すような、見える、図示、図形、映像、命令メニュー、ボタン、キー、 (II)人が感じられる人体の一部或いは部位は触わる手の指の一部の中心ポイントまたは中心部を含む; (4)前記のマウス模擬装置は押さ程度、面積または図形により入力操作を判断する。」 そして、請求人の意見書における主張の概要は次のとおりである。 「審査官殿は、平成26年11月28日発送の拒絶理由通知書において、以下のように補正の説明と意見を申し述べます。 この返信の付与は国際に公表されるPDF中文版本(WO 2008/074223に基づいて明細書を修正し、主動的に修正したものはその発明内容等に従う。下記の内容では、どのページ数・桁数から引用するものを明記し、例えば、P2L6-8における第2ページから第8ページまでの引用を参照する。)に基づき、審査意見の前後順序により1項ずつ返答し、或いは改正(即ち、直接に審査意見の番号に対応して答えて、かつ簡単ではっきりできるために、重複を出来るだけ避けること)したものであり、修正された陳述部分は当該意見の後ろに付けられている。 第一、審査意見の「第一」に言及する問題は既に修正され、解決された。 1.請求項1について (1)a既に修正された bにおいて、 「「,」と「、」この2マークで表示される意味」についてはもう修正された。 「三箇所の「或いは」と「、」を用いて記載しているが、どの構成とどの構成が択一的な構成であるのかを不明りょうにしている。」についてはもう修正された。 「また、「区域が重なる」は、どの「区域」とどの「区域」がどのように重なるのか」及び「第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内, 区域が重なり」について、「(1)(2)に言及する問題はすべて実施例9を参照してください、特にP24L20-P25L9」。 「使用区域が形成され」は、どの「区域」に何の「区域」が形成されるのか」については、既に「前記第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内において、区域の重なりが形成される」ことに修正された。 「区域が使用される」は、どの「区域」がどのように使用されるのか」については、既に「前記第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内において、」に修正された;それはこの方式によって前記2種装置の機能を実現させる。 「使用区域が同じ時間内に区域が重なり」も、どの「区域」とどの「区域」がどのように(配置的に)重なるのか明確ではない」については、既に「前記第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内において、機能上の区域の重なりが形成される」ことに修正された。それはこの方式によって前記2種装置の機能を実現させる。 c:前記区域が重なりまたは区域再利用に含まれている情況。 (2)「どの「区域」とどの「区域」がどのように重なるのか」「使用区域が同じ時間内に区域が重なり」とは、どの「区域」とどの「区域」がどのように(配置的に)重なるのか」について: 第二入力装置またはその一部、 及び第一入力装置またはその一部、 前記第二入力装置の全部 と 第一入力装置の全部またはその一部の 区域または空間内の 任意の位置の任意の大きさ の任意の区域内で、 前記全部の第二入力装置 と 前記第一入力装置の一部や全部は同じの区域または空間を 使う、つまり、全部または一部の区域が重なる。 「「区域が使用される」は、どの「区域」がどのように使用されるのか」について: 第二入力装置またはその一部、 及び第一入力装置またはその一部、 前記第二入力装置の全部 と 前記第一入力装置の一部(或いは全部)の区域(または空間内の)任意の位置の任意の大きさの任意の区域内で、前記全部の第二入力装置 と 前記第一入力装置の一部(または全部の)は同じの区域または空間を使う、つまり、全部または一部の区域が重なる。 「どの構成とどの構成が択一的な構成であるのか明確ではない」については、修正は同上である。修正された。 (3)修正された。 (4)a.明細書の第1桁に記載される「ヒューマンインタラクション装置」 b. P4L26-28 c. 修正された。 「(1)(2)(3)」の修正を追加し、それぞれ(1)P3L8-13,(2)P4L1-2 P36L6-7, (3)P5L21-25に基づいて実施された。 ・・・中略・・・ 第二、上記は対応を指摘したので、それを結合して完全に理解してください。ありがとうございます。」 第4 当審の判断 1.拒絶理由の第1、発明の明確性の要件(第36条第6項第2号)について 請求項1の記載は、依然として著しく不明りょうであり、請求項1に係る発明の構成を明確に特定できない。 具体的には、次のとおりである。 (1)「第二入力装置の全部の働きは、前記第一入力装置のキーボード操作区域内にあり、区域が重なるのが形成される;前記区域の重なりは同じ時間内に区域が重なることを指す;前記第二入力装置の全部の働きは前記第一入力装置のキーボード操作区域内にあり、区域再利用が形成される;前記区域再利用は同一時間内に区域の再利用を指す:」について ア.「入力装置の働き」という用語からは、「装置外部からの操作信号や入力信号を受け付けて装置内部に伝達する」といったような入力装置の作用が想定されるが、そのような、「入力装置の働き」は、「キーボード操作区域」といった特定の区域内に存在したり、特定の区域外に存在したりするものではない。そのため、上記記載中の「前記第二入力装置の全部の働きは、前記第一入力装置のキーボード操作区域内にあり」という記載は、具体的にどのような技術的事項を表しているのか不明確である。 イ.上記記載中の「区域が重なるのが形成される;前記区域の重なりは同じ時間内に区域が重なることを指す」という記載は、請求項1中に重なる対象の区域が明記されていないため、どの区域とどの区域が重なることを表しているのか不明確である。 ウ.上記記載中の「区域再利用が形成される;前記区域再利用は同一時間内に区域の再利用を指す」という記載は、「再利用」の意味合いが請求項1中にも発明の詳細な説明にも何ら説明されていないため、具体的にどのような技術的事項を表しているのか不明確である。 (2)「前記区域の重なりまたは区域再利用は以下の一つまたはその以上の情況がある: (1)第二入力装置またはその一部、及び第一入力装置またはその一部は、前記全部の第二入力装置 と 前記 一部または全部の 第一入力装置の 区域または空間内の任意の位置の任意の大きさの任意の区域において、前記全部の第二入力装置 と 一部や全部の第一入力装置は同じの 区域または空間を使う、即ち、全部または一部の区域が重なり、あるいは、区域再利用され、前記区域が重なり、或いは区域再利用が同一時間内に区域が重なり、或いは区域が再利用される; (2)前記第一入力装置である区域は一つの入力キーで構成される;或いは、前記第一入力装置である区域は複数の入力キー及び各入力キーの区域で構成される; (3)前記ヒューマンインタラクション装置にはマウスをオンとオフさせるための一つあるいは幾つかのコントロールスイッチが設置され、その設置する区域:前記第二入力装置の区域は第一入力装置とは少なくとも重なる部分があること。」について ア.この記載は、文言上、請求項1でいう「区域の重なり」と「区域再利用」の何れかあるいはその両方が、上記記載中の(1)?(3)に規定される情況のいずれかとなり得るものであることを規定する記載であると解されるが、その(1)?(3)に規定される情況のそれぞれが具体的にどのような情況を表しているのかが不明確である。具体的には次のとおりである。 (イ)上記記載中の(1)について 以下の問題に起因し、上記記載中の(1)が具体的にどのような情況を表しているのかが不明確である。 a.ここでの記載の冒頭の「第二入力装置またはその一部、及び第一入力装置またはその一部は、」の述語が何なのかが不明確である。 b.ここでの記載の「即ち、」以降の記載は、「全部または一部の区域が重なり」と「区域再利用され、前記区域が重なり」と「区域再利用が同一時間内に区域が重なり」と「区域が再利用される」の4つの事項を「あるいは」ないし「或いは」で結合したものであるが、当該4つの事項のそれぞれが具体的にどのような事項を表しているのか、また、相互にどのような関係にある事項を表しているのかが不明確である。 (ロ)上記記載中の(2)について 以下の問題に起因し、上記記載中の(2)が具体的にどのような情況を表しているのかも不明確である。 a.ここでの記載は、「第一入力装置である区域」を主語とするものであるが、一般に「装置」と「区域」は相互に異なる概念を表す用語であり、当該「第一入力装置である区域」が具体的にどのような事物を表しているのかが不明確である。 b.ここでの記載は、上述したように、請求項1でいう「区域の重なり」と「区域再利用」の何れかあるいはその両方についてのあり得る情況を表す記載であると解されるが、上記記載中の(2)には、「第一入力装置である区域」についての記載しかなく、上記「区域の重なり」や「区域再利用」の情況にどのように関係するのかが不明確である。 (ハ)上記記載中の(3)について 以下の問題に起因し、上記記載中の(3)が具体的にどのような情況を表しているのかも不明確である。 a.ここでいう「マウス」は、入力装置の一種と考えられるが、このマウスと請求項1でいう「第一入力装置」及び「第二入力装置」の間の相互の関係(マウスは「第一入力装置」や「第二入力装置」であり得るのか、それらとは別の入力装置なのか等の事項)が不明確である。 b.ここでの「:」がどのような意味合いを有するのかが不明確であり、その直前の「その設置する区域」という記載とその直後の「前記第二入力装置の区域は第一入力装置とは少なくとも重なる部分がある」という記載がどのような関係にあり、その記載がどのような情況を表しているのか不明確である。 イ.この記載の冒頭の「前記区域の重なりまたは区域再利用は以下の一つまたはその以上の情況がある」という記載からみて、上記記載中の(1)?(3)は、請求項1に係る発明にとっての選択肢であると解されるが、その選択肢どうしは、性質が相互に類似するものではない。このことに起因し、請求項1の記載から一の発明を明確に把握することができない。 したがって、その他の請求項について検討するまでもなく、本願の特許請求の範囲の記載は、依然として特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2.拒絶理由の第2、発明のサポート要件(第36条第6項第1号)について 本願の請求項1?7に係る発明の構成は、いずれも、発明の詳細な説明のどの記載と対応するのかが依然として不明であり、本願の請求項1?7に係る発明は、依然として発明の詳細な説明に記載した発明であるとは認められない。 請求人は、補正後の各請求項に係る発明の構成と本願の国際公開公報(WO2008/074223)における記載箇所の対応を意見書に示したことで、本拒絶理由は解消したと主張するようであるが、その主張にかかわらず、本願の請求項1?7に係る発明の構成が発明の詳細な説明のどの記載と対応するかは、依然として不明といわざるを得ない。 理由は次のとおりである。 (1)本願の発明の詳細な説明には、各請求項に係る発明の内容を具体的に説明しているとただちに理解できる記載は見当たらない。 (2)中国語で記載された国際公開公報(WO2008/074223)の記載は、本願の発明の詳細な説明の記載とみなされるものではないから、その国際公開公報における記載箇所を示したことは、本願の発明の詳細な説明における記載箇所を示したことにはならない。そして、各請求項に係る発明と発明の詳細な説明の記載との対応は不明なままである。 したがって、本願の特許請求の範囲の記載は、依然として特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 第5 むすび 以上のとおり、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていないから、本願は、その他の拒絶理由について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-09-24 |
結審通知日 | 2015-09-29 |
審決日 | 2015-10-13 |
出願番号 | 特願2009-541737(P2009-541737) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(G06F)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 星野 昌幸、海江田 章裕 |
特許庁審判長 |
小曳 満昭 |
特許庁審判官 |
和田 志郎 白石 圭吾 |
発明の名称 | ヒューマンインタラクション装置、電子装置及びヒューマンインタラクション方法 |
代理人 | 舛谷 威志 |
代理人 | ▲吉▼川 俊雄 |