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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C09J
管理番号 1311836
異議申立番号 異議2015-700135  
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-10-30 
確定日 2016-02-05 
異議申立件数
事件の表示 特許第5710296号「両面粘着テープ」の請求項1?12に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第5710296号の請求項1?12に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第5710296号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成21年10月2日に出願した特願2009-230283号(優先権主張 平成20年12月4日)の一部を新たに特許出願したものであって、平成27年3月13日に特許の設定登録がなされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人:秋山 満(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2.本件発明
本件特許の請求項1?12に係る発明は、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定されるとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明12」という。)。

第3.申立て理由の概要
申立人は、証拠として刊行物である甲第6号証を主たる証拠とする甲第1号証?甲第12号証を提出して、本件発明1?12は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許を受けることができないものであるから、本件特許は同法第113条第1項第2号に該当し取り消されるべきものである旨主張している。

甲第1号証 :特開2002-97428号公報
甲第2号証 :特開2004-3225号公報
甲第3号証 :特開2004-143298号公報
甲第4号証 :特開2006-83235号公報
甲第5号証 :特開昭64-26692号公報
甲第6号証 :特開2008-250309号公報
甲第7号証 :特開2004-323842号公報
甲第8号証 :特開2007-80702号公報
甲第9号証 :特開昭59-91178号公報
甲第10号証:特開平7-18229号公報
甲第11号証:特開平9-157601号公報
甲第12号証:国際公開第2005/007731号

第4.刊行物の記載事項
甲第6号証には、以下の記載がある。
1.「【請求項1】
黒色発泡体からなる遮光性層および白色又は銀色の反射性層を有することを特徴とする反射遮光性構造。」(特許請求の範囲)
2.「【請求項13】
少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着テープ又はシートである請求項1?12のいずれかの項に記載の反射遮光性構造。」(特許請求の範囲)
3.「 実施例1
(遮光性層)
ポリプロピレン45重量部と、ポリオレフィン系エラストマー45重量部と、ポリエチレン10重量部と、水酸化マグネシウム10重量部と、カーボン10重量部とを、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して5重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、黒色発泡体を得た。この黒色発泡体において、密度は0.04g/cm^(3)で、平均セル径は70μmで、厚さは0.5mmであった。また、該黒色発泡体のL^(*)a^(*)b^(*)表色系で規定されるL^(*)は32、a^(*)は0.39、b^(*)は-0.1であった。
(反射性層)
反射性層としては、厚さが13μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名「ルミラーE60L」)を用いた。
(粘着剤)
アクリル酸n-ブチル96重量部、アクリル酸4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、および重合溶媒として酢酸エチル233重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、60℃、7時間反応させ、固形分濃度が30重量%のアクリル系粘着剤溶液を得た。なお、この溶液中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は60万であった。
上記で得られた黒色発泡体(遮光性層)と白色PETフィルム(反射性層)を、ラミネートした。次いで、得られた積層体の両面に、セパレータ上に上記アクリル系粘着剤溶液を塗布、乾燥して得たアクリル系粘着剤層(厚み:20μm)を貼り合わせ、粘着剤層/遮光性層/反射性層/粘着剤層の層構成を有する反射遮光性構造(反射遮光性両面粘着シート、反射遮光性部材)を得た。」(【0111】?【0114】)

第5.甲第6号証に記載された発明
上記第4.1.?第4.3.を総合すると、甲第6号証には、以下の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されているといえる。
「アクリル酸n-ブチル96重量部、アクリル酸4重量部を重合してなるアクリル系ポリマーを含む厚み20μmのアクリル系粘着剤層、厚さ0.5mmの黒色発泡体からなる遮光性層、厚さ13μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる反射性層及び上記アクリル系粘着剤層をこの順に積層した層構成を有する反射遮光性両面粘着シート。」

第6.対比・判断
1.本件発明1
本件発明1と甲6発明とを対比すると、甲6発明のアクリル酸n-ブチルは、本件発明1の(メタ)アクリル酸ブチルに相当する。
また、甲6発明のアクリル系ポリマーは、アクリル酸n-ブチル96重量部、アクリル酸4重量部を重合してなるものであり、アクリル酸n-ブチルを単量体主成分とし、アクリル酸n-ブチルの割合がモノマー成分全量に対して60重量%以上であるから、本件発明1のアクリル系ポリマーに相当する。
さらに、甲6発明の黒色発泡体からなる遮光性層、アクリル系粘着剤層は、それぞれ、本件発明1の発泡体基材、アクリル系粘着剤層に相当する。
そして、甲6発明の反射遮光性両面粘着シートは、アクリル系粘着剤層、黒色発泡体からなる遮光性層、反射性層及びアクリル系粘着剤層をこの順に積層したものであるところ、本件特許の明細書の【0063】には「本発明の両面粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。例えば、発泡体基材と粘着剤層との間に他の層が設けられていてもよい。かかる場合、本発明の両面粘着テープの総厚みは一方の粘着面から他方の粘着面までの厚みをいうので、該他の層の厚みは両面粘着テープの総厚みに含まれる。」と記載されているのであるから、甲6発明の反射遮光性両面粘着シートは、本件発明1の両面粘着テープに相当するといえる。

よって、本件発明1と甲6発明は、以下の点で一致し、少なくとも以下の点で相違する。
[一致点]
「発泡体基材の両面にアクリル系ポリマーを主成分とするアクリル系粘着剤層が設けられており、前記アクリル系ポリマーが、アクリル酸ブチルを単量体主成分とし、前記アクリル酸ブチルの割合がモノマー成分全量に対して60重量%以上であるポリマーである両面粘着テープ。」
[相違点]
本件発明1では両面粘着テープが防水用途に用いられるのに対して、甲6発明ではそのような特定がなされていない点。

上記相違点について検討すると、甲第1号証?甲第4号証のそれぞれには、アクリル系粘着剤層を有する粘着テープを防水用途に用いることは記載されているものの、甲第1号証?甲第5号証及び甲第7号証?甲第12号証のいずれにも、そもそも反射遮光性両面粘着シートを有する液晶表示装置において防水性が求められることは記載されていないし、反射遮光性両面粘着シートを用いて防水することも記載されていない。
そうしてみると、甲6発明の反射遮光性両面粘着シートを防水用途に用いることの動機づけがあるとはいえない。
また、両面粘着テープを防水用途に用いることにより奏される防水性(止水性)に優れるという本件発明1の効果は、甲第1号証?甲第12号証のいずれにも記載も示唆もされておらず、たとえ当業者であっても予測し得るものではない。
よって、本件発明1は、甲第1号証?甲第12号証に記載された発明から、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、進歩性を有する。


2.本件発明2?12
本件発明2?12は、本件発明1を引用するものであるところ、本件発明1が、上記第6.1.のとおり進歩性を有するものであるから、本件発明2?12も同様に進歩性を有するものである。

第7.むすび
以上のとおり、申立人が主張する特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1?12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2016-01-26 
出願番号 特願2011-18849(P2011-18849)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (C09J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 天野 宏樹松波 由美子  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 前田 寛之
田口 昌浩
登録日 2015-03-13 
登録番号 特許第5710296号(P5710296)
権利者 日東電工株式会社
発明の名称 両面粘着テープ  
代理人 後藤 幸久  
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