ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 F16D 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 F16D |
---|---|
管理番号 | 1311841 |
異議申立番号 | 異議2015-700224 |
総通号数 | 196 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-11-27 |
確定日 | 2016-02-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5726150号「車両用ディスクブレーキのキャリパボディ」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5726150号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第5726150号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成24年10月18日に特許出願され、平成27年4月10日に特許の設定登録がされ、その後、その特許に対し特許異議申立人中川賢治により特許異議の申立てがされたものである。 2 本件発明 特許5726150号の請求項1ないし6に係る特許は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ディスクロータの側部に配置される作用部に、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔を設け、該シリンダ孔の底部外周壁の車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側のディスク外周側にブリーダボス部をシリンダ孔径方向にそれぞれ突設した車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、 前記キャリパボディを車体に取り付けた状態でディスク回出側となる前記ブリーダボス部にブリーダ孔が形成され、該ブリーダ孔にブリーダスクリュが螺合され、 双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、 双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている ことを特徴とする車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 【請求項2】 前記氷雪除けは、前記ディスクロータの回転中心と、前記シリンダ孔の中心軸とを結んだ中心線上に形成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 【請求項3】 前記ブリーダボス部は、前記中心線に対して対称位置にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項2記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 【請求項4】 前記ディスクロータの回転中心から前記氷雪除けの先端部までの距離は、前記ディスクロータの回転中心から、前記ブリーダ孔に装着した状態の前記ブリーダスクリュの先端部までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 【請求項5】 前記氷雪除けのディスク軸方向の長さ寸法は、前記ブリーダスクリュの先端頭部の直径よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 【請求項6】 前記キャリパボディは鋳物で形成され、前記氷雪除けは、先端部に向けて漸次細く形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。」 (以下「本件請求項1に係る発明」ないし「本件請求項6に係る発明」という。) 3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として下記の甲第1ないし5号証を提出し、本件請求項1ないし6に係る特許は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証に記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたもので、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、また、本件請求項1ないし6に係る特許は、甲第2号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるから、本件請求項1ないし6に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 甲第1号証:特許第3974872号公報 甲第2号証:「モーターファン別冊ニューモデル速報第461弾『スバルBRZのすべて』」平成24年3月25日発行 発行所:株式会社三栄書房 表紙、P10?11、P18?19、P63、裏表紙の写し 甲第3号証:「スバルBRZ」平成24年2月発行 発行所:富士重工業株式会社 表紙、P2?3、P22?23、P41、奥付、裏表紙の写し 甲第4号証:特開2004-278730号公報 甲第5号証:「SUBARU BRZ Price List」発行所:山梨スバル自動車株式会社 4 甲号証の記載 (1)甲第1号証 甲第1号証には(特に、段落【0004】ないし【0023】及び図1ないし図4を参照。)、ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディに関し、実質的に下記の事項が記載されていると認められる。 ア ディスクロータ2の側部に配置される作用部5aに、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔8を設け、該シリンダ孔の底部外周壁の車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側のディスク外周側にブリーダボス部11をシリンダ孔径方向にそれぞれ突設した車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 イ 前記キャリパボディ5を車体に取り付けた状態でディスク回出側となる前記ブリーダボス部11にブリーダ孔12が形成され、該ブリーダ孔にブリーダスクリュ13が螺合されていること。 ウ シリンダ孔底部外周壁のディスクロータ回入側及びディスクロータ回出側に突出されて設けられたスライドピン取り付け腕5e、5eの先端に、氷雪を除去する突起5f、5fを形成し、双方の前記ブリーダボス部11と突起5f、5fとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 ここで、上記各突起5f、5fは、双方のブリーダボス部11、11よりも周方向外側(ディスクロータ回入側及びディスクロータ回出側)のシリンダ孔底部外周壁に設けられている。 エ ブリーダボス部11は、ディスクロータ2の回転中心Oと、シリンダ孔8の中心軸とを結んだ中心線に対して、対称位置にそれぞれ設けられていること。 オ ディスクロータ2の回転中心Oから突起5gまでの距離L1は、前記ディスクロータの回転中心から、前記ブリーダ孔に装着した状態の前記ブリーダスクリュ13の先端部までの距離L2よりも長く設定されていること。 カ 突起5f、5gのディスク軸方向長さ寸法は、前記ブリーダスクリュ13の先端頭部の直径よりも長く形成されていること。 キ 氷雪除け用突起fは、先端部に向けて漸次細く形成されていること。 (2)甲第2号証 甲第2号証の表紙には、「平成24年3月25日発行」と記載されているから、甲第2号証は、本件特許の出願日である平成24年10月18日以前に発行された刊行物であると認められる。 甲第2号証には、下記「ア」ないし「シ」の事項が見て取れる。 ア 11ページの画像には、後輪のホイールを透過してブレーキ用のディスクとキャリパが開示されていること。 イ 18ページ?19ページには、スバルBRZのフロントエンジン・リアドライブの車両のシャーシを示す画像が示されており、その紙面左上方向が車体前方となるフロントエンジン・リアドライブ車のシャーシを示す画像であり、右側が後輪側であり、画像中の右後輪には、キャリパが開示されており、車両前進時には、右後輪に搭載されたキャリパにおいて紙面右下側がディスク回入側、左上側が回出側となること。 ウ キャリパには、円柱状の部分が見え、これはシリンダと認識でき、このシリンダ孔の底が紙面表面側を向くように写っており、シリンダの側面には、シリンダの周方向に離間して配置された2つのブリーダボスが形成され、ディスク回出側のブリーダボスにはブリーダスクリュが設けられていること。 また、これらの2つのブリーダボスのシリンダの周方向中間位置には、シリンダ側面からディスク径方向に延びた壁状の「突起」と解されるものが写っていること。 エ 前記突起は、ディスクロータの回転中心と、シリンダ孔の中心軸とを結んだ中心線上に形成されており、ブリーダボス部は、前記中心線に対して対称位置にそれぞれ設けられ、その間に前記突起が形成されていること。 オ 62ページの左上には、組立工程における上記11ページと同様の後輪のキャリパを異なる角度から写した画像が開示されていること。 カ シリンダ孔の底とシリンダの側面とは面取り領域を介して接続されていること。 キ 前記突起やシリンダのディスク軸方向側の基端には、「面」(異議申立書21ページの第4図拡大図において「平面」と表示されている部分。)が形成されていること。 ク 前記突起は、シリンダ側面にディスク軸方向において、前記面から前記面取り領域に渡って突設されていること。 ケ 2つのブリーダボスは、シリンダ側面にディスク軸方向において、前記面取り領域よりもほんの少し前記面側にずれて配置されており、2つのブリーダーボスと前記突起とは、同じシリンダ側面に形成されていること。 コ 前記面が、平面であるか否かは、判別できないこと。 サ 前記突起は、前記面から突出するとともに、頂面を有していること。 シ 前記突起の前記面から頂面までの高さは、突起の根元部分では、前記面取り領域に接続できる程度の高さであるが、突起の先端部に行くにしたがって、その高さが一定であるか、あるいは変化しているかは、判別できないから、 双方のブリーダボス部と突起の根元部分とは、ディスクロータの側面に平行な同一平面上に形成されているが、 双方のブリーダボス部と突起の根元以外の部分(特に、ブリーダボス部よりも径方向外側部分)とは、ディスクロータの側面に平行な同一平面上に形成されているか否かは明らかでないこと。 上記の各事項に加え、ブリーダスクリュがブリーダ孔に螺合されること及びキャリパを鋳物とすること(後述する甲第4号証の記載を参照。)が技術常識であることを考慮すれば、甲第2号証には、実質的に下記「ス」の事項が認められる。 ス ディスクロータの側部に配置される作用部に、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔を設け、該シリンダ孔の底部外周壁の車輪前進時におけるディスク回出側及び回入側のディスク外周側にブリーダボス部をシリンダ孔径方向にそれぞれ突設した車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、 前記キャリパボディを車体に取り付けた状態でディスク回出側となる前記ブリーダボス部にブリーダ孔が形成され、該ブリーダ孔にブリーダスクリュが螺合され、 2つの(双方の)ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する突起を形成し、 双方のブリーダボス部と突起の根元部分とは、ディスクロータの側面に平行な同一平面上に形成されているが、 双方のブリーダボス部と突起の根元以外の部分(特に、ブリーダボス部よりも径方向外側部分)とは、ディスクロータの側面に平行な同一平面上に形成されているか否かは明らかでなく、 突起は、前記ディスクロータの回転中心と、前記シリンダ孔の中心軸とを結んだ中心線上に形成され、 ブリーダボスは、前記中心線に対して対称位置にそれぞれ設けられ、 キャリパボディは鋳物で形成されている、 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 なお、特許異議申立人は、「双方の前記ブリーダボス部と前記『突起』とは、前記ディスクロータの側面に平行な同一平面上に重なる部分が見て取れる」(特許異議申立書13ページ8行?10行)と主張している。 しかし、甲第2号証には、ブレーキキャリパの突起の部分について、一方向から撮影した画像しか記載されていないから、突起の全容を明確に判別することは難しく、双方の前記ブリーダボス部と突起の根元以外の部分(特に、ブリーダボス部よりも径方向外側部分)とは、前記ディスクロータの側面に平行な同一平面上に重なっているか否かは、判別できない。 (3)甲第3号証 甲第3号証の裏表紙左下には、「m01CZ010(2012.02)」と記載され、41ページには、「SUBARU BRZ」と記載され、そのグレード名として「RA」、「R」及び「S」が記載されている。 上記の記載事項及び後述する甲第5号証の記載から、甲第3号証は、本件特許の出願日である平成24年10月18日以前に発売された車両、に関する刊行物であると認められる。 甲第3号証の22ページ?23ページの写真図には、甲第2号証の18ページ?19ページの写真中の後輪(右側の車輪)におけるブレーキ用のディスクとキャリパの箇所と同様なものが記載されている。 また、甲第3号証には、前記甲第2号証に認められる事項「ア」ないし「ス」と同様の事項が認められる。 (4)甲第4号証 甲第4号証(特に、段落【0001】、【0002】、【0010】ないし【0013】)には、ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ及びキャリパボディ製造方法に関し、実質的に下記の事項が記載されていると認められる。 ア 鋳造によって形成された車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。 イ キャリパボディは、一般に鋳鉄やアルミニウムあるいはアルミニウム合金を基材とした鋳造品であること。 ウ ディスクロータの側部に配置される作用部に、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔を設け、該シリンダ孔の底部外周壁の車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側のディスク外周側にブリーダボス部をシリンダ孔径方向にそれぞれ突設した車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、 前記キャリパボディを車体に取り付けた状態でディスク回出側となる前記ブリーダボス部にブリーダ孔が形成され、該ブリーダ孔にブリーダスクリュが螺合されていること。 (5)甲第5号証 甲第5号証には、「SUBARU BRZ Price List」及び「2012年3月28日発売、2012年2月3日発表」と記載され、また、グレードとして「RA」、「R」及び「S」が記載されている。 5 対比・判断 (1)特許法第29条第2項について ア 本件請求項1に係る発明について 甲第1号証の「突起5f」が、本件請求項1に係る発明の「氷雪除け」に相当する。 しかし、甲第1号証の突起5f、5fは、シリンダ孔底部外周壁のディスクロータ回入側及びディスクロータ回出側に突出されて設けられたスライドピン取り付け腕5e、5eの先端、すなわち双方のブリーダボス部11、11よりも周方向外側(ディスクロータ回入側及びディスクロータ回出側)のシリンダ孔底部外周壁に設けられたものであって、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側」に設けられたものではない。 したがって、甲第1号証には、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえない。 甲第2号証において、突起は、双方のブリーダボス部の中間位置にシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に設けられているから、該突起は、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する」に相当する構成を備える。 しかし、該突起の根元部分は、ブリーダボス部よりも径方向内側の部分であるから、氷雪によるブリーダスクリュの損傷やブリーダキャップの破損及び落下に対する氷雪除けとしての機能は果たさない。 また、双方のブリーダボス部と突起の根元以外の部分(特に、ブリーダボス部よりも径方向外側部分)とは、ディスクロータの側面に平行な同一平面上に形成されているか否かは明らかでないから、氷雪除けとしての機能を果たすか否かも明らかでない。 したがって、甲第2号証には、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえない。 甲第3号証には、甲第2号証に認められる事項と同様の事項が認められるから、甲第2号証と同様に、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえない。 甲第4号証には、キャリパボディを鋳造によって形成することは記載されているものの、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえない。 このように、本件請求項1に係る発明と特許異議申立人が提出した甲第1ないし4号証に記載された発明を対比すると、当該甲第1ないし4号証のいずれにも、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえない。 そして、上記の点に係る構成により、本件請求項1に係る発明は、「ホイール内に付着してブリーダスクリュに衝突する虞のある氷雪を、氷雪除けで確実に除去することができる。」(段落【0012】)という効果を奏するものである。 したがって、本件請求項1に係る発明は、上記甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 イ 本件請求項2ないし6に係る発明について 本件請求項2ないし6に係る発明は、本件請求項1に係る発明を更に減縮したものであるから、上記本件請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、上記甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 ウ 小括 以上のとおり、本件請求項1ないし6に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (2)特許法第29条第1項第3項について ア 本件請求項1に係る発明について 前記「(1)ア」で述べたように、甲第2号証には、「双方の前記ブリーダボス部の中間位置のシリンダ孔底部外周壁のディスク外周側に、シリンダ孔径方向に突出する氷雪除けを形成し、双方の前記ブリーダボス部と前記氷雪除けとは、前記ディスクロータ2の側面に平行な同一平面上に形成されている」点が記載されているとはいえないから、上記点に係る構成を具備する本件請求項1に係る発明は、甲第2号証に記載された発明ではない。 イ 本件請求項2ないし6に係る発明について 本件請求項2ないし6に係る発明は、本件請求項1に係る発明を更に減縮したものであるから、上記本件請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、甲第2号証に記載された発明ではない。 ウ 小括 以上のとおり、本件請求項1ないし6に係る発明は、甲第2号証に記載された発明ではない。 6 むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-02-02 |
出願番号 | 特願2012-230911(P2012-230911) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(F16D)
P 1 651・ 113- Y (F16D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 城臺 仁美 |
特許庁審判長 |
森川 元嗣 |
特許庁審判官 |
内田 博之 小関 峰夫 |
登録日 | 2015-04-10 |
登録番号 | 特許第5726150号(P5726150) |
権利者 | 日信工業株式会社 |
発明の名称 | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
代理人 | 木戸 良彦 |
代理人 | 木戸 一彦 |