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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1312292
審判番号 不服2015-14807  
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-06 
確定日 2016-03-10 
事件の表示 特願2011-256693「LEDパッケージおよびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月10日出願公開、特開2013-115051〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続きの経緯・本願発明
本願は、平成23年11月24日の出願であって、平成27年4月23日付けの拒絶査定に対し、同年8月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、本願の請求項1?6に係る発明は、平成26年11月10日に提出された手続補正書により補正された、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1?6に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものであると認める。

「【請求項2】
凹部が形成されたフレームと、
上記凹部の底面の中心部に実装されたLED素子と、
上記凹部に充填され、開口面を凹状の曲面形状に形成された透明構造体とを備え、
上記透明構造体の屈折率をn、上記透明構造体の外部の屈折率n’(n’<n)とし、
上記凹部の開口の外周の形状の内接円または外接円の中心(開口が円の場合はその中心)を通り開口の外周との2つの交点を結ぶ直線の半分の寸法をd、上記凹部の深さをhとした場合、上記開口面の最大傾斜角度α_(max)は、式(2)を満たし、
上記凹部の側壁は、傾斜しており、
n/n’が1.40?1.60であることを特徴とするLEDパッケージ。
α_(max)≧tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)>0deg・・・・・(2)」

2 引用例の記載と引用発明
(1)引用例:特開2007-201444号公報
本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の理由において引用された刊行物である特開2007-201444号公報(以下「引用例」という。)には、「発光装置」(発明の名称)に関して、図1?図10とともに次の記載がある(下線は当合議体において付加した。以下同じ。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、青色光を発する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子を備えた発光装置に関する。」

イ 「【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する部分には同一の符号を付している。図1は本発明の発光装置の第1の実施形態であるLEDモジュールを示す平面図であり、図2はこのLEDモジュールの縦断面図である。図3はLEDモジュールの発光部であるLEDランプの拡大縦断面図である。
【0029】
本発明の第1の実施形態であるLEDモジュール20は、例えば、複数のLEDランプ1が1列に配置され一体に連成された構造を有する。なお、LEDランプ1は、例えば3行3列等のマトリクス状に配置されていてもよい。
【0030】
LEDランプ1は、表面に凹部2を備えた基体3を有しており、この凹部2内に青色光を発するLEDチップ4が実装されている。
【0031】
基体3は、例えば基板5上に電気絶縁層6、回路パターン7およびフレーム8が順に設けられたものであり、凹部2はフレーム8に形成されている。基板5は、例えば放熱性と剛性を有するアルミニウム(Al)やニッケル(Ni)、ガラスエポキシ等の平板から成り、その上に電気絶縁層6を介して、例えばCuとNiの合金やAu等から成る回路パターン7が形成されている。また、凹部2を有するフレーム8は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPA(ポリフタルアミド)、PC(ポリカーボネート)等の合成樹脂から構成されている。なお、第1の実施形態のLEDモジュール20では、複数のLEDランプ1の各基板が一体に連成された一体基板が使用されている。また、フレーム8は、少なくとも基板5上に配置されていればよく、基板5の側面を覆っていなくともよい。
【0032】
凹部2の開口端2aの直径D_(1)は2.5?3.5mmとなっており、凹部2の深さd_(1)(開口端2aから底面2bまでの距離)は0.5?1.0mmとなっていることが好ましい。また、凹部2の底面2bの直径D_(2)は、開口端2aの直径D_(1)以下となっていることが好ましい。このように凹部2の大きさを設定することにより、蛍光体含有樹脂層の高さを後述する範囲に設定した場合においても、必要かつ十分な量の蛍光体を確保し、発光効率の低下を抑制することができる。
【0033】
LEDチップ4は、例えば窒化ガリウム(GaN)系半導体からなり、印加された電気エネルギーにより青色光を発光するものである。前記した直径D_(1)および深さd_(1)を有する凹部2内に配置されるために適当なサイズであることから、LEDチップ4の一辺の長さは200nm?1mmであることが好ましい。そして、このLEDチップ4の底面電極が一方の電極側の回路パターン7に電気的に接続され、上面電極が他方の電極側の回路パターン7に、金線のようなボンディングワイヤ9を介して接続されている。LEDチップ4の電極接続構造としては、フリップチップ接続構造を適用することもできる。これらの電極接続構造によれば、LEDチップ4の前面への光取出し効率が向上する。
【0034】
凹部2内には、黄色系蛍光体10aを屈折率が1.4?1.65の透明樹脂に混合・分散させた蛍光体含有樹脂が塗布されており、LEDチップ4はこのような蛍光体含有樹脂層10により覆われている。屈折率が1.4?1.65の透明樹脂としては、シリコーン樹脂(屈折率1.4?1.55)やエポキシ樹脂(屈折率1.4?1.65)などが例示される。蛍光体含有樹脂層10は、例えば、黄色系蛍光体10aを前記透明樹脂の液状組成物に添加、混合したものを、ディスペンサにより凹部2内に滴下・塗布し硬化させることにより形成される。
【0035】
角度色差を低減する観点から、蛍光体含有樹脂層10の上面の形状は凹面状となっている。そして、このように上面が凹面状を呈する蛍光体含有樹脂層10が凹部2の側壁面と接する位置Pは、凹部2の上端縁であることが好ましい。
【0036】
…(略)…
【0037】
このような黄色系蛍光体を含む蛍光体含有樹脂層10の高さ、すなわち蛍光体含有樹脂層10上面の最も低い位置(中央部)での凹部2の底面2bからの高さd_(2)は、凹部2の深さd_(1)(開口端2aから底面2bまでの距離)の60?85%となっている。(d_(2)/d_(1)=0.6?0.85)また、ボンディングワイヤ9が露出するおそれがないように、このような蛍光体含有樹脂層10の高さd_(2)は0.4mm以上であることが好ましい。
【0038】
このようなLEDランプ1を一体に練成したLEDモジュール10においては、各LEDランプ1に印加された電気エネルギーがLEDチップ4で青色光に変換され、この青色光により黄色系蛍光体10aが励起されて黄色光ないし橙色光を発し、LEDチップ4から発せられる青色光と黄色系蛍光体10aから発光される黄色光ないし橙色光との混色により白色光が得られる。
【0039】
そして、本発明の第1の実施形態によれば、蛍光体含有樹脂層10の高さd_(2)の凹部2の深さd_(1)に対する割合(以下、d_(2)/d_(1)と示す。)が60?85%となっているので、角度色差が十分に低減された発光装置を得ることができる。具体的には、観察角度が0度を超え70度以下における角度色差(Δuv)を0.012以下にまで低下させることができる。
【0040】
蛍光体含有樹脂層10の高さd_(2)と光路差との関係を、図4に模式的に示す。観察角度とは、図4において、蛍光体含有樹脂層10の上面の中心を通りかつ層上面に垂直な線を軸線(0度)として、観察点と蛍光体含有樹脂層10の上面の中心とを結ぶ線と軸線とのなす角度(θ度)をいう。また、観察角度θ度における角度色差(Δuv)は、次式(1)により求めることができる。
Δuv={(u_(θ)-u_(0))^(2)+(v_(θ)-v_(0))^(2)}^(1/2) ………(1)
【0041】
ここでu_(θ),v_(θ)は、観察角度θ度において、波長380?780nmの発光スペクトルを測定したときのu値,v値(CIE 1976 UCS系色度図)であり、u_(0),v_(0)は、観察角度0度において、波長380?780nmの発光スペクトルを測定したときのu値,v値である。なお、観察角度θ度、0度における発光スペクトルは、それぞれ蛍光体含有樹脂層10の上面の中心から300mm離れた箇所において、瞬間分光光度計により測定するものとする。
【0042】
角度色差が生じる原因の一つは、観察角度により光路長が変化することにある。具体的には、図4(a)および図4(b)に示すように、観察角度がθ度のときの光路長bは、観察角度が0度のときの光路長aよりも長くなるので、黄色系蛍光体10aの発光が多くなる。これにより、観察角度0度のときよりも観察角度θ度のときの方が色温度が低くなってしまい、角度色差が生じてしまうものと考えられる。そして、d_(2)/d_(1)が60?85%である場合(図4(a))には、d_(2)/d_(1)が85%を超える場合(例えば、d_(2)/d_(1)が100%である場合を図4(b)に示す。)よりも、観察角度0度のときの光路長aと観察角度θ度のときの光路長bとの差(光路差)を減少することできるので、角度色差を低減することができる。
【0043】
なお、d_(2)/d_(1)が60%未満である場合には、凹部2内に塗布された蛍光体含有樹脂の量が少なく、発光する黄色系蛍光体10aの量が減少するため、黄色光ないし橙色光の発光量が少なくなってしまう。その結果、色温度の調整(特に低い色温度の調整)が難しくなるとともに、発光効率も低下するため好ましくない。
【0044】
また、d_(2)/d_(1)が60?85%でありかつ蛍光体含有樹脂層10の上面が凹面状である実施形態のLEDランプ1においては、以下に示す理由により、発光部の周縁部である凹部2の外周部に近い部位からの青色光の光量が多くなるため、LEDチップ4からの青色光と黄色系蛍光体10aからの黄色系光の配光がほぼ重なるので、白色光の色温度が同程度となり、その結果角度色差が低減される。
【0045】
すなわち、青色光は、凹部2の底部に配置されたLEDチップ4から放射状に放射され、黄色系蛍光体10aを励起しつつ蛍光体含有樹脂層10中を透過した後、発光面である蛍光体含有樹脂層10の上面から空気中に放出される。d_(2)/d_(1)が60?85%で蛍光体含有樹脂層10の上面が凹面であるLEDランプ1では、LEDチップ4からの青色光の光路は、図5(a)に示すように3通りとなる。」

ウ 「【実施例】
【0071】
次に、本発明の実施例について記載する。
【0072】
実施例1?3および比較例1?4
図1?3に示す構造において、d_(2)/d_(1)を50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%と変えてLEDランプ1を作製した。d_(2)/d_(1)が60%のものを実施例1、70%のものを実施例2、80%のものを実施例3とし、d_(2)/d_(1)が50%のものを比較例1、90%のものを比較例2、100%のものを比較例3、110%のものを比較例4とした。
【0073】
これらの実施例および比較例において、LEDチップ4は青色光を発光する発光素子(1辺の長さ300μm)とし、このLEDチップ4を基体3の凹部2(開口端2aの直径3.0mm、深さ1.0mm)内に配置し実装した。そして、この凹部2内に、黄色系蛍光体(YAG蛍光体;主波長570nm)を液状のシリコーン樹脂(屈折率1.45)に配合し分散させた蛍光体含有樹脂を塗布量を変えて塗布・充填した後、シリコーン樹脂を硬化させることによって、LEDランプ1を形成した。なお、シリコーン樹脂に対する黄色系蛍光体(YAG蛍光体)の配合割合は10?15重量%とした。
【0074】
こうして得られたLEDランプ1について、波長380?780nmの発光スペクトルを、観察角度を変えて測定した。発光スペクトルの測定は瞬間分光光度計(大塚電子株式会社製のMCPD-7000)を用いて行った。そして、各観察角度において、LEDチップ4からの青色光と黄色系蛍光体からの黄色光ないし橙色光(黄色系光)の配光強度をそれぞれ求めるとともに、観察角度50度における角度色差(Δuv)と、観察角度70度における角度色差(Δuv)をそれぞれ算出した。なお、測定距離等の測定条件は、実施の形態で説明した条件と同様にした。角度色差の算出結果を表1に示す。また、得られた角度色差(Δuv)の値を蛍光体含有樹脂層10の充填率であるd_(2)/d_(1)に対してプロットしたグラフを図8に示す。」

エ 「【0075】



オ 図1には、「本発明の発光装置の第1の実施形態であるLEDモジュールを示す平面図」(段落【0028】)が示されており、図1から、各LEDランプ1において、「蛍光体含有樹脂層10は、円形である」ことが見てとれる。

カ 【図3】


図3には、「第1の実施の形態に係るLEDモジュールの発光部であるLEDランプの拡大縦断面図」(段落【0028】)が示されており、図3から、「凹部2の底面2bの直径D_(2)は、開口端2aの直径D_(1)よりも小さく、凹部2の側壁面は傾斜している」ことが見てとれる。

キ 【図4】(a)


(2)引用発明
ア 引用例の段落【0035】の記載から、「蛍光体含有樹脂層10の上面の形状は『凹面状』」で、上面が「下に凸」であるから、その外縁、すなわち、「凹部2の上端縁(蛍光体含有樹脂層10の上面が凹部2の側壁面と接する位置P)」において、最大傾斜をとることは明らかである。したがって、引用例の図3を参照すると、「蛍光体含有樹脂層10の上面の最大傾斜角度は0より大である」といえる。

イ 引用例の段落【0037】の「蛍光体含有樹脂層10の高さ、すなわち蛍光体含有樹脂層10上面の最も低い位置(中央部)での凹部2の底面2bからの高さd_(2)」、段落【0040】の「観察角度とは、図4において、蛍光体含有樹脂層10の上面の中心を通りかつ層上面に垂直な線を軸線(0度)として、観察点と蛍光体含有樹脂層10の上面の中心とを結ぶ線と軸線とのなす角度(θ度)をいう。」、及び段落【0042】の「図4(a)および図4(b)に示すように、観察角度がθ度のときの光路長bは、観察角度が0度のときの光路長aよりも長くなる」との記載、並びに図4(a)を参照すると、LEDチップ4は、「凹部2の底面2bの中心部に実装されている」といえる。

ウ 上記「(1)引用例」の「オ」に記載のように、引用例の図1の平面図において、「蛍光体含有樹脂層10は、円形である」ことが見てとれるから、凹部2の開口端2aは、円形であると認められる。

エ したがって、段落【0028】?【0039】の記載及び図1?4も参酌してまとめると、引用例の段落【0071】?【0075】には、実施例1として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「表面に凹部2を備えた基体3を有しており、この凹部2内に青色光を発するLEDチップ4が実装されているLEDランプ1であって、
基体3は、基板5上に電気絶縁層6、回路パターン7およびフレーム8が順に設けられたものであり、凹部2はフレーム8に形成されており、
LEDチップ4は基体3の凹部2内であって、底面2bの中心部に実装されており、
凹部2の開口端2aは円形であり、その直径D_(1)は3.0mm、凹部2の深さd_(1)(開口端2aから底面2bまでの距離)は1.0mmであり、
凹部2の底面2bの直径D_(2)は、開口端2aの直径D_(1)よりも小さく、凹部2の側壁面は傾斜しており、
LEDチップ4は蛍光体含有樹脂層10により覆われており、
蛍光体含有樹脂層10は、黄色系蛍光体10a(YAG蛍光体)を、透明樹脂としての液状のシリコーン樹脂(屈折率1.45)に、配合し分散させた蛍光体含有樹脂を塗布・充填した後、シリコーン樹脂を硬化させることにより形成されており、シリコーン樹脂に対する黄色系蛍光体(YAG蛍光体)の配合割合は10?15重量%であり、
蛍光体含有樹脂層10の上面の形状は凹面状となっており、蛍光体含有樹脂層10が凹部2の側壁面と接する位置Pは、凹部2の上端縁であり、蛍光体含有樹脂層10の上面の最大傾斜角度は0より大であり、
蛍光体含有樹脂層10の高さ、すなわち蛍光体含有樹脂層10上面の最も低い位置(中央部)での凹部2の底面2bからの高さd_(2)の凹部2の深さd_(1)に対する割合d_(2)/d_(1)は60%であり、
青色光は、凹部2の底部に配置されたLEDチップ4から放射状に放射され、黄色系蛍光体10aを励起しつつ蛍光体含有樹脂層10中を透過した後、発光面である蛍光体含有樹脂層10の上面から空気中に放出されるLEDランプ1。」

3 対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明を対比する。

ア 引用発明の「凹部2」、「LEDランプ1」及び「LEDチップ4」は、それぞれ、本願発明の「凹部」、「LEDパッケージ」及び「LED素子」に相当する。

イ 引用発明では、「基体3は、基板5上に電気絶縁層6、回路パターン7およびフレーム8が順に設けられたものであり、凹部2はフレーム8に形成されており」、「LEDチップ4を基体3の凹部2内であって、底面2bの中心部に実装されて」いるから、本願発明と引用発明とは、「上記凹部の底面の中心部に実装されたLED素子」を備える点で一致する。

ウ 本願の明細書には、「(LEDパッケージの構成)」について、段落【0036】に、「透明構造体5は、光透過性が高いシリコーン系樹脂、…(略)…などの透明性の樹脂系材料を用いて形成されている。」、段落【0039】に、「また、透明構造体5は、ガラス等の透明性の無機系材料を用いて形成されていても良い。また、透明構造体5には、用途に合わせて色素や蛍光体材料、発光材料を混練させてもよい。」と記載されている。

以上を踏まえるとともに、引用発明では、「LEDチップ4は蛍光体含有樹脂層10により覆われており」、「蛍光体含有樹脂層10は、黄色系蛍光体10a(YAG蛍光体)を、透明樹脂としての液状のシリコーン樹脂(屈折率1.45)に、配合し分散させた蛍光体含有樹脂を塗布・充填した後、シリコーン樹脂を硬化させることにより形成されて」いる。
さらに、引用発明では、「青色光は、凹部2の底部に配置されたLEDチップ4から放射状に放射され、黄色系蛍光体10aを励起しつつ蛍光体含有樹脂層10中を透過した後、発光面である蛍光体含有樹脂層10の上面から空気中に放出される」から、「蛍光体樹脂層10」は、一定程度に「透明」であるといえる。
したがって、引用発明の「蛍光体含有樹脂層10」は、本願発明の「透明構造体」に相当する。

また、引用発明では、「LEDチップ4」は「『基体3の凹部2内』に『実装されており』」、「蛍光体含有樹脂層10により覆われており」、「蛍光体含有樹脂層10」は、「蛍光体含有樹脂を塗布・充填した後、シリコーン樹脂を硬化させることにより形成されて」いるから、引用発明において、「蛍光体含有樹脂層10」は、「凹部2に充填された」ものであるといえる。

さらに、引用発明では、「蛍光体含有樹脂層10の上面の形状は凹面状となっており、蛍光体含有樹脂層10が凹部2の側壁面と接する位置Pは、凹部2の上端縁であ」るから、引用例の図3、図4(a)も参照すると、引用発明において、「蛍光体含有層10」は、「開口面を凹状の曲面形状に形成された」ものであるといえる。

したがって、本願発明と引用発明とは、「上記凹部に充填され、開口面を凹状の曲面形状に形成された透明構造体」を備える点で一致する。

エ(ア)引用発明では、「蛍光体含有樹脂層10は、黄色系蛍光体10a(YAG蛍光体)を、透明樹脂としての液状のシリコーン樹脂(屈折率1.45)に、配合し分散させた蛍光体含有樹脂を塗布・充填した後、シリコーン樹脂を硬化させることにより形成されており、シリコーン樹脂に対する黄色系蛍光体(YAG蛍光体)の配合割合は10?15重量%」であるから、「シリコーン樹脂」は屈折率1.45であり、「蛍光体含有樹脂層10」の屈折率は不明である。

一方、一般に、下記の周知例1、2に記載のように、マトリックス樹脂と無機粒子からなるナノコンポジット材料の屈折率は、例えば、式(1)にて表されるマックスウェル-ガーネット理論を用いて、推定することができる。
n_(COM)={(n_(p)^(2)+2n_(m)^(2)+2P(n_(p)^(2)-n_(m)^(2)))/(n_(p)^(2)+2n_(m)^(2)-P(n_(p)^(2)-n_(m)^(2)))×n_(m)^(2)}^(1/2) …(1)
なお、式(1)において、n_(COM)はコンポジット材料の平均屈折率、n_(p)、n_(m)は、それぞれ無機粒子、マトリックス樹脂の屈折率、Pはコンポジット材料全体に占める無機粒子の体積比である。なお、式(1)はn_(p)≧n_(m)の場合に成立する式である。

他方、例えば、下記の周知例3?8に記載のように、YAG蛍光体の屈折率は、1.83?1.84程度、比重は4.5?5.5程度であり、シリコーン樹脂の比重は0.99?1.5程度であることが周知である。
また、引用発明では、「シリコーン樹脂(屈折率1.45)」、「シリコーン樹脂に対する黄色系蛍光体(YAG蛍光体)の配合割合は10?15重量%」である。

上記のマックスウェル-ガーネット理論の式(1)により、「蛍光体含有樹脂層10」の屈折率を推定する。
蛍光体の配合割合は、引用文献1における蛍光体の配合割合の最大値15重量%(その場合、シリコーン樹脂の配合割合85重量%)とし、YAG蛍光体の屈折率は、上記周知の数値の最大値1.84、蛍光体の比重は上記周知の数値の最低値4.5、シリコーン樹脂の比重は上記周知の数値内の最大値の1.5とすると、式(1)における、n_(p)=1.84、n_(m)=1.45となり、蛍光体の配合割合Pは、0.056(5.6体積%)と求められる。
これらの数値を、式(1)の右辺に代入すると、「蛍光体含有樹脂層10」の屈折率n_(COM)=1.47となる。

したがって、引用発明における「蛍光体含有樹脂層10」の屈折率の推定値の数値範囲は、本願発明における「n」に相当する数値範囲の「1.40?1.60」と数値範囲が重なり得ることは明らかである。

・周知例1:特開2007-291291号公報
「【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポジット材料、およびこれを用いた光学部品に関するものである。より詳細には、高屈折率かつ低波長分散性を示すコンポジット材料、およびこれを用いた光学部品、例えば、レンズ、回折光学素子、固体撮像素子等に関する。」
「【0045】
コンポジット材料10の屈折率については、例えば(数4)にて表されるマックスウェル-ガーネット理論により推定できる。(数4)によりd線、F線ならびにC線における屈折率を推定することにより、さらにコンポジット材料10のアッベ数を推定することも可能である。この理論に基づく推定から、樹脂12と無機物粒子11との配合の割合を決めてもよい。
【0046】
【数4】


【0047】
なお、(数4)において、n_(COM)はコンポジット材料の平均屈折率であり、n_(p)、n_(m)はそれぞれ無機物粒子11および樹脂12の屈折率である。Pは、コンポジット材料10全体に占める無機物粒子11の体積比である。無機物粒子11が光を吸収する場合や無機物粒子11が金属を含む場合には、(数4)の屈折率を複素屈折率として計算する。なお、(数4)はn_(p)≧n_(m)の場合に成立する式であり、n_(p)<n_(m)の場合は以下の(数5)を用いて屈折率の推定を行う。」

・周知例2:特開2008-191299号公報
「【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポジット材料からなる光学材料とこれを用いた光学部品に関する。例えば、レンズ、回折光学素子等の光学部品に関する。」
「【0045】
また、コンポジット材料の屈折率については、第1の金属酸化物及び樹脂の屈折率から、例えば(数2)にて表されるマックスウェル-ガーネット理論により推定できる。
【0046】
(数2)によりd線、F線ならびにC線における屈折率をそれぞれ推定することにより、さらにコンポジット材料のアッベ数を推定することも可能である。逆にこの理論に基づく推定から、第1の金属酸化物と樹脂の重量比を決めてもよい。
【0047】
【数2】
…(略)…
【0048】
なお、(数2)において、n_(COMλ)はある特定波長λにおけるコンポジット材料の平均屈折率であり、n_(pλ)、n_(mλ)はそれぞれにおける第1の金属酸化物及び樹脂の屈折率である。
【0049】
Pは、コンポジット材料全体に占める第1の金属酸化物の体積比である。第1の金属酸化物が光を吸収する場合や第1の金属酸化物が金属を含む場合には、(数2)の屈折率を複素屈折率として計算する。なお、(数2)はn_(pλ)≧n_(mλ)の場合に成立する式であり、np_(pλ)<n_(mλ)の場合は以下の(数3)を用いて屈折率の推定を行う。」

・周知例3:特開2001-119067号公報
「【0007】図3に示す発光ダイオード装置(1)では、半導体発光素子(5)を光透過性物質Aとし、保護樹脂(11)を光透過性物質Bとして同様の屈折現象を考えることができる。InGaN系化合物半導体から成る半導体発光素子(5)の屈折率はn_(1)=2.0程度であるのに対し、YAG蛍光体の屈折率と樹脂の屈折率は、それぞれn_(2)=1.83とn_(2)=1.5程度である。」

・周知例4:特表2005-524737号公報
「【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1記載の上位概念に記載の波長変換する反応性樹脂材料、その製造方法及び前記の反応性樹脂材料を有する発光ダイオード素子に関する。」
「【0012】
従って、チキソトロピー化により反応性樹脂材料の透明度を許容できない程度に損なうことなしに、有利に5μmより大きい平均粒径を有する無機蛍光体粒子を反応性樹脂中に分散させることができる。」
「【0015】
この反応性樹脂材料は、有利にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂からなるグループからの少なくとも1種の材料を有する。この材料は、有利にオプトエレクトロニクスにおいて例えばLEDチップ用に従来使用されている反応性樹脂材料である。…(略)…」
「【0033】
無機蛍光体YAG:Ceは、特に、屈折率約1.84の不溶性の有色顔料であるという特別な利点を有する。それにより、波長変換の他に、青色ダイオード放射線の良好な混色及び黄色の変換放射線を生じさせる分散及び散乱効果が生じる。」

・周知例5:特開2004-292591号公報
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LED、フォトトランジスター、フォトダイオード、CCD、EPROM等の光半導体素子を封止するために用いられる光半導体用樹脂組成物及びこの組成物を用いて製造される光半導体装置に関するものである。」
「【0024】
無機化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、シリカ(比重:2.0?2.6)、アルミナ(比重:3.5)、酸化チタン(比重:4.3)、チタン酸バリウム(比重:5.5)、酸化マグネシウム(比重:3.3)、酸化ベリリウム(比重:3.0)等に代表される金属酸化物、窒化アルミニウム(比重:3.3)、窒化硼素(比重:3.5)等に代表される金属窒化物、炭化珪素(比重:3.1)等に代表される金属炭化物、硼化チタン(比重:4.2)に代表される金属硼化物、銅粉(比重:8.9)等に代表される金属単体、ZnS:Cu系(比重:4.1)、Y_(3)Al_(5)O_(12)等のYAG系(比重:4.5?5.5)、Eu系(比重:3.0?4.0)等に代表される蛍光剤を用いることができる。」

・周知例6:特開2010-272894号公報
「【0049】
すなわち、主波長(ピーク波長)が535nmで比重が4.8の緑色蛍光体(粒子形状が球形でD50が12μm)と、ピーク波長が570nmで比重が4.9の黄色蛍光体(粒子形状が球形でD50が11μm)、およびピーク波長が615nmで比重が4.7の赤色蛍光体(粒子形状が球形でD50が15μm)を、比重1のシリコーン樹脂中に混合し分散させた。なお、緑色蛍光体、黄色蛍光体および赤色蛍光体の配合割合は、それぞれシリコーン樹脂に対して4.4重量%、2.6重量%および2.0重量%とした。」

・周知例7:特開2008-41917号公報
「【実施例1】
【0074】
(試料の調整)
図1Aに示したハウジング12の凹部14に、蛍光体粒子を含有する封止樹脂26をポッティングして、蛍光体粒子の沈降の状態を観察した。
凹部14の寸法は、底部18の直径が1.7mm、遮光部22の頂部の内径が1.8mm、外径が2.1mm、頂部の幅が0.3mm、開口部内縁20の直径が2.4mm、ハウジング12の発光面12aからの深さが0.8mmである。
封止樹脂26には、シリコーン樹脂(比重:1.4、ヤング率:0.3?4MPa、線膨張係数:200?400(10-6/℃)、粘度:1000?20000(mPa・s))を使用した。蛍光体粒子は、平均粒径5.0±0.7μmの(Y_(0.98)Gd_(0.02))_(2.85)Ce_(0.15)Al_(5)O_(12)(比重4.6)を使用した。」

・周知例8:特開2001-77433号公報
「【0029】他方、透光性モールド部材としては発光素子及び蛍光体からの光に対して耐光性が高く、透光性に優れたものが好ましい。また、発光素子を被覆する保護膜として働く場合にはある程度の剛性が要求される。透光性モールド部材の材料として具体的にはエポキシ樹脂(比重1.2)、シリコーン樹脂(比重1.0)、ウレタン樹脂(比重1.2)、不飽和ポリエステル樹脂(比重1.2)、アクリルウレタン樹脂(比重1.2)、ポリイミド樹脂(比重1.3)等の無溶剤、あるいは溶剤タイプの液状透光性熱硬化樹脂が好適に挙げられる。…」

(イ)また、引用発明において、「青色光」は、「蛍光体含有樹脂層10中を透過した後、発光面である蛍光体含有樹脂層10の上面から空気中に放出される」から、「蛍光体含有樹脂層10」の外部の屈折率(本願発明における「n’」に相当する。)は、空気の屈折率である、これは技術常識から「1.0」である。

(ウ)以上を踏まえると、引用発明において、(蛍光体含有樹脂層10の屈折率)/(外部の屈折率)=(蛍光体含有樹脂層10の屈折率)/1.0であり、この数値は、本願発明における「n/n’が1.40?1.60」という数値範囲内に含まれ得る。
したがって、本願発明と引用発明とは、「上記透明構造体の屈折率をn、上記透明構造体の外部の屈折率n’(n’<n)とし」、「n/n’が1.40?1.60である」点で一致するといえる。

オ 本願発明における「開口面の最大傾斜角度α_(max)」、「『凹部の開口の外周の形状の内接円または外接円の中心(開口が円の場合はその中心)を通り開口の外周との2つの交点を結ぶ直線の半分の寸法』『d』」、「『凹部の深さ』『h』」について、本願の明細書及び図面には、以下の記載がある。

「【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一実施形態に係るLEDパッケージの断面図である。
【図2】…(略)…
【図3】凹部の深さhおよび凹部の開口の外周の形状の内接円または外接円の中心(開口が円の場合はその中心)を通り開口の外周との2つの交点を結ぶ直線の半分の寸法dから規定されるβに関する説明図である。」

【図1】


【図3】


以上を踏まえると、引用発明の「凹部2の開口端2a」は、本願発明の「凹部の開口」に相当する。
引用発明では、「凹部2の開口端2aは円形」であるから、引用発明の「その直径D_(1)」は、本願発明の「『凹部の開口の外周の形状の内接円または外接円の中心(開口が円の場合はその中心)を通り開口の外周との2つの交点を結ぶ直線の半分の寸法』『d』」の2倍に相当、すなわち、引用発明の「D_(1)/2」が、本願発明の「d」に相当するといえる。
また、引用発明の「凹部2の深さd_(1)(開口端2aから底面2bまでの距離)」は、本願発明の「凹部の深さ」「h」に相当する。

したがって、引用発明において、tan^(-1)((D_(1)/2)/d_(1))=tan^(-1)((3.0/2)/1.0)=56.3degであり、上記「エ」における検討から、sin^(-1)(n’/n)=sin^(-1)(1.0/1.45)=43.6degである。
よって、引用発明では、「tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)=12.7deg>0deg・・・・・(B)」であるから、本願発明の式(2)中の「tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)>0deg」を満たすものである。

また、引用発明では、「蛍光体含有樹脂層10の上面の最大傾斜角度は0より大」であるから、「蛍光体含有樹脂層10の上面の最大傾斜角度α_(max)>0deg・・・・・(A)」であり、本願発明の式(2)中の「α_(max)>0deg」を満たすものである。

カ 引用発明では、「凹部2の底面2bの直径D_(2)は、開口端2aの直径D_(1)よりも小さく、凹部2の側壁面は傾斜しており」、ここで、「凹部2の側壁面」は本願発明の「凹部の側壁」に相当することは明らかであるから、本願発明と引用発明とは、「上記凹部の側壁は、傾斜して」いる点で一致する。

キ 以上をまとめると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「凹部が形成されたフレームと、
上記凹部の底面の中心部に実装されたLED素子と、
上記凹部に充填され、開口面を凹状の曲面形状に形成された透明構造体とを備え、
上記透明構造体の屈折率をn、上記透明構造体の外部の屈折率n’(n’<n)とし、
上記凹部の開口の外周の形状の内接円または外接円の中心(開口が円の場合はその中心)を通り開口の外周との2つの交点を結ぶ直線の半分の寸法をd、上記凹部の深さをhとした場合、上記開口面の最大傾斜角度α_(max)は、式(A)を満たし、d、h、n、n’は、式(B)を満たし、
上記凹部の側壁は、傾斜しており、
n/n’が1.40?1.60であるLEDパッケージ。
α_(max)>0deg・・・・・(A)
tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)>0deg・・・・・(B)」

<相違点1>
本願発明では、「上記開口面の最大傾斜角度α_(max)は、式(2)を満たし」、「α_(max)≧tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)>0deg・・・・・(2)」であるのに対し、引用発明では、「上記開口面の最大傾斜角度α_(max)は、式(A)を満たし、d、h、n’、nは、式(B)を満たし」、「α_(max)>0deg・・・・・(A)」、「tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)>0deg・・・・・(B)」であるものの、「α_(max)≧tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)」であることは特定されていない点。

(2)判断
ア 相違点1について
(ア)引用例1の図3において、蛍光体含有樹脂層10の上面の中心を通りかつ上面に垂直な線である軸線(上記「2(1)引用例」の「イ」の段落【0040】及び「キ」の図4を参照のこと。)と、凹部2の開口端2aとの交点を点Mとし、軸線と蛍光体含有樹脂層10の上面との交点を点Rとし、凹部2の上端縁Pから、開口端2aの直径D1の半分の寸法の辺PMを一辺とし、軸線のうちの線分MRを他の一辺とする、直角三角形PMR、並びに、蛍光体含有樹脂層10の上端縁Pにおける接線及び蛍光体含有樹脂層10の凹面状の上面の最大傾斜角度α_(max)(上記「2(2)引用発明」の「ア」を参照のこと。)を、補助線及び符号を用いて記入した図及びその一部拡大図、図アは、以下のとおりである(合議体が作成した。)。
ここで、∠RPMをγとした。

【図ア】引用例1の図3及びその一部拡大図


(イ)上記図アを参照すると、γ=tan^(-1)((d_(1)-d_(2))/(D_(1)/2))であり、引用発明における数値を用いると、d_(1)=1.0mm、d_(2)/d_(1)=60%、D_(1)=3.0mmであるから、γ=tan^(-1)((1.0-0.6×1.0)/(3.0/2))=14.9degとなる。
また、上記図アから、蛍光体含有樹脂層10の上面の最大傾斜角度α_(max)は、γより大きいことは明らかである。
以上を踏まえると、引用発明において、以下のとおりとなる。
α_(max)>γ=14.9deg

また、上記(1)の「オ」における検討から、
tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)=12.7degである。

したがって、引用発明も本願発明と同じく、「α_(max)≧tan^(-1)(d/h)-sin^(-1)(n’/n)」を満たすものと認められる。
よって、相違点1は実質的なものではない。

(ウ)以上のとおり、本願発明の構成はすべて引用例に示されているものであって、本願発明は引用発明と同一ということとなる。

したがって、本願発明は、引用例に記載された発明である。
よって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

4 むすび
以上のとおりであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-12-24 
結審通知日 2016-01-12 
審決日 2016-01-25 
出願番号 特願2011-256693(P2011-256693)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 島田 英昭森口 忠紀  
特許庁審判長 河原 英雄
特許庁審判官 近藤 幸浩
恩田 春香
発明の名称 LEDパッケージおよびその製造方法  
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK  

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