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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1312672
審判番号 不服2014-19222  
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-09-26 
確定日 2016-03-23 
事件の表示 特願2010- 68813「デジタルカメラ、画像記録方法、及び画像記録プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月13日出願公開、特開2011-205255〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1.手続
本願は、平成22年3月24日を出願日とする出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :平成25年12月17日(起案日)
手続補正 :平成26年 1月29日
拒絶理由通知(最後) :平成26年 2月25日(起案日)
手続補正 :平成26年 4月28日
補正却下 :平成26年 6月27日
拒絶査定 :平成26年 6月27日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成26年 9月26日
手続補正 :平成26年 9月26日
前置審査報告 :平成26年11月21日

2.査定
原審での査定の理由は、概略、以下のとおりである。

A.平成26年1月29日付けでした手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

B.この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

C.この出願の請求項1?4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


刊行物1:特開2005-051278号公報
刊行物2:特開2005-354134号公報
刊行物3:特開2008-042887号公報
刊行物4:特開2008-011087号公報
刊行物5:特開2006-086780号公報
刊行物6:特開2002-247436号公報

第2 補正の適否の判断
(1)補正の内容
平成26年9月26日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項4の記載を、補正後の請求項1ないし請求項3の記載となるように、以下のとおり補正する、特許請求の範囲の補正を含むものである。

(補正前)
【請求項1】
被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成するカメラ部と、
前記カメラ部によって生成された前記撮影画像を処理する情報処理部と、
前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得して前記情報処理部に出力するGPS部と、
外部にあるデータベースと通信して前記データベースからデータを取得する通信部と
を備え、
前記データベースは、
複数の位置データと
複数の時間データと
複数の物体データと
を格納しており、
前記複数の位置データの各々は、対応する位置の地名または施設名に関連づけられた位置に関するデータであり、
前記複数の時間データの各々は、対応する時間を季節または時間帯に関連づけられた時間に関するデータであり、
前記複数の物体データの各々は、対応する物体の形状またはその形状の名称に関連づけられた物体に関するデータであり、
前記情報処理部は、
前記被写体の撮影時の時間を示す撮影時間データを取得する撮影時間取得手段と、
前記被写体の前記撮影画像から物体を認識し、前記認識した物体に関する撮影物体データを取得する物体データ取得手段と
を備え、
前記取得された撮影位置データの位置に該当する位置データと、前記取得された撮影時間データの時間に該当する時間データと、前記取得された撮影物体データの物体に該当する物体データとを前記データベースからそれぞれ取得し、前記被写体の前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する
デジタルカメラ。
【請求項2】
前記情報処理部は、
前記画像ファイルの生成にあたって、前記被写体の前記撮影画像に付加すべきデータを、前記撮影位置データ、前記撮影時間データおよび前記撮影物体データの中から少なくとも一をユーザに選択させるための選択肢を提供する選択肢提供手段
を備える
請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
外部にあるデータベースと通信するデジタルカメラで使用される画像記録方法であって、
前記データベースは、
複数の位置データと
複数の時間データと
複数の物体データと
を格納しており、
前記複数の位置データの各々は、対応する位置の地名または施設名に関連づけられた位置に関するデータであり、
前記複数の時間データの各々は、対応する時間を表す季節または時間帯に関連づけられた時間に関するデータであり、
前記複数の物体データの各々は、対応する物体の形状またはその形状の名称に関連づけられた物体に関するデータであり、
前記画像記録方法は、
被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成する生成ステップと、
前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得する撮影位置データ取得ステップと、
前記被写体の撮影時の時間を示す撮影時間データを取得する撮影時間取得ステップと、
前記被写体の前記撮影画像から物体を認識し、前記認識した物体に関する撮影物体データを取得する物体データ取得ステップと、
前記取得された撮影位置データの位置に該当する位置データと、前記取得された撮影時間データの時間に該当する時間データと、前記取得された撮影物体データの物体に該当する物体データとを、前記データベースからそれぞれ取得する通信ステップと、
前記通信ステップでそれぞれ取得した位置データ、時間データおよび物体データを前記被写体の前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する画像ファイル生成ステップと を備える
画像記録方法。
【請求項4】
請求項3に記載の画像記録方法をコンピュータに実行させる画像記録プログラム。

(補正後)
【請求項1】
被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成し、前記撮影画像と、前記被写体を撮影した時の情報である撮影情報と、を出力するカメラ部と、
前記カメラ部によって生成された前記撮影画像を処理する情報処理部と、
前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得して前記情報処理部に出力するGPS部と、
外部にあるデータベースと通信して前記データベースからデータを取得する通信部と
を備え、
前記データベースは、
複数の撮影情報と複数のキーワードとをそれぞれ関連付けて格納しており、前記キーワードは、地名または施設名である位置を表すキーワードと、季節または時間帯である時間を表すキーワードと、であり、
前記情報処理部は、
撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像と前記撮影情報とを受け取り、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得し、前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間体である時間を表すキーワードを取得し、前記データベースから取得したキーワードと、前記撮影情報と、を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
外部にあるデータベースと通信するデジタルカメラで使用される画像記録方法であって、
前記データベースは、
複数の撮影情報と複数のキーワードとをそれぞれ関連付けて格納しており、前記キーワードは、地名または施設名である位置を表すキーワードと、季節または時間帯である時間を表すキーワードと、であり、
前記画像記録方法は、
カメラ部が被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成し、前記撮影画像と、前記被写体を撮影した時の情報である撮影情報と、を出力する生成ステップと、
GPS部が前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得する撮影位置データ取得ステップと、
前記情報処理部が、撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像と前記撮影情報とを受け取り、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、前記データベースにアクセスし、前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得し、前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間体である時間を表すキーワードを取得し、前記データベースから取得したキーワードと、前記撮影情報と、を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する画像ファイル生成ステップと、を備えることを特徴とする画像記録方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像記録方法をコンピュータに実行させる画像記録プログラム。

(2)本件補正の適合性
(2-1)補正の範囲
上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正である。

(2-2)補正の目的
上記補正事項は、上記第1 2.に示す拒絶の理由を解消するために行った補正であり、その全体の記載からみて、特許法第17条の2第5項の第1号、第4号に掲げるいずれかの事項を目的とするものであるといえる。

(3)結語
以上のとおり、本件補正は、適法なものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成26年9月26日付けの手続補正は上記のとおり適法なものであるから、本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成26年9月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明のとおりであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成26年9月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
((A)ないし(G)は合議体が付与した。以下、それぞれ、構成要件(A)、構成要件(B)・・・、という。)

【請求項1】
(A)被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成し、前記撮影画像と、前記被写体を撮影した時の情報である撮影情報と、を出力するカメラ部と、
(B)前記カメラ部によって生成された前記撮影画像を処理する情報処理部と、
(C)前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得して前記情報処理部に出力するGPS部と、
(D)外部にあるデータベースと通信して前記データベースからデータを取得する通信部と
を備え、
(E)前記データベースは、
複数の撮影情報と複数のキーワードとをそれぞれ関連付けて格納しており、前記キーワードは、地名または施設名である位置を表すキーワードと、季節または時間帯である時間を表すキーワードと、であり、
(F)前記情報処理部は、
撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像と前記撮影情報とを受け取り、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得し、前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間体である時間を表すキーワードを取得し、前記データベースから取得したキーワードと、前記撮影情報と、を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する
(G)ことを特徴とするデジタルカメラ。

上記記載のうち、構成要件(F)の「時間体」の記載は、「時間帯」の誤記であると認める。

2.刊行物の記載
(1)刊行物1(特開2005-051278号公報)の記載
審査官が拒絶の査定で引用した刊行物1には、以下のとおりの記載がある。

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はカメラや、ビデオムービーなどの映像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来カメラや、ビデオムービーなどはもっぱら映像を記録することを主目的に利用されている。たとえば、デジタルカメラで映像を記録すると記録されるのは映像とせいぜいその撮影時刻のみである。ビデオムービーでも映像に撮影時刻と音声が付加される程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カメラや、ビデオムービーで撮影した映像を後にプリントしたり、再生したりすることで、その映像を楽しんだり、残された記録として視聴したりする。しかし、時々、その映像などがどこで撮影されたものか、どのような状況で撮影されたものか、わからなくなることがある。そのような場合にはその撮影日時などを頼りに記憶をたどってどこでその映像が撮影されたのか、そのときの状況はどのような状況だったか思い起こす。
【0004】
このように、映像を楽しみ、残された記録を視聴する際にはその映像にまつわる種々の情報がときとして必要となる。しかし、従来の映像記録装置ではそのような情報を記録する手段を有していなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、この課題を解決するために映像記録装置に位置情報を取得する位置情報取得部を設け、撮影時の位置情報とその撮影により得られた映像情報とを関連付けて記録することとした。また、補助情報取得部を設け、映像撮影の際の種々の状況をその映像情報と関連付けて記録できるようにした。

【0007】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、これから示す実施形態は本発明の最適な実施形態の一部を示すものであるが、これらの実施形態によって本発明が限定されるものではない。まず、実施形態1について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の概念を示すものである。本実施形態では、映像記録装置が位置情報を取得する位置情報取得部を有し、撮影された映像の情報と、その撮影された場所の位置情報とを関連付けて記録する映像記録装置を提案する。この図にあるように、富士山の写真を撮影しようとしているとする。そうすると映像記録装置であるデジタルカメラの液晶ディスプレイの確認画面には撮影しようとしてレンズを向けている富士山の映像が表示される。
【0009】
一方、撮影をしようとする場所を示す情報、すなわち位置情報である「静岡県富士市・・・」という情報もあわせてデジタルカメラの液晶ディスプレイの確認画面の下部分に表示されている。この位置情報はGPS(「全地球測位システム」以下同じ。)の衛星からもたらされるGPS信号に基づいて映像記録装置内で算出したものである。そして、映像の情報である映像情報と、「静岡県富士市・・・」という位置情報とが関連付けられてこの映像記録装置に記録される。ここで、「位置情報」とは、位置を示すためのすべての情報を含む概念である。したがって、この図の場合には、「静岡県富士市・・・」というもののみならず、「GPS信号」そのものを位置情報ととらえてもよい「GPS」信号そのものを位置情報と考える場合にはこの映像記録装置であるデジタルカメラでは富士山の映像と、その富士山の映像を撮影した際にGPS衛星から受信したGPS信号とが関連付けられて記録される。GPS信号のみでは一般の利用者が撮影時の情報として直接的に理解し、利用することが困難である。
【0010】
そこで、位置情報としてのGPS信号が映像の情報と関連付けられている場合にはその位置情報をパーソナルコンピュータなどの計算機で利用者が解釈可能な情報、たとえば「静岡県富士市・・・」に変換する。また、パーソナルコンピュータでは比較的計算量が多い処理も可能であるので、単に住所地として「静岡県富士市・・・」として映像と関連付けて記録しておくのみならず、たとえば、静岡県の地図上に撮影時の位置を矢印などで示したものと関連付けて記録しておくことも便利であろう。なお、このように映像記録装置であるデジタルカメラなどにおいて位置情報を記録する際に「GPS信号」のまま記録しておくことは計算処理能力の比較的低い映像記録装置である場合には便利である。なぜなら、GPS信号を住所情報などに解釈する処理は比較的計算量が多いからである。
【0011】
図2は、実施形態1の概念を示す他の例である。この図で説明することは映像記録装置の計算処理能力がGPS信号を住所情報などに解釈するための計算処理能力を有しない場合でもその計算を通信を利用してほかのコンピュータに肩代わりさせる仕組みである。
【0012】
この図にあるように、富士山の写真を撮影する際に、その撮影場所でGPS衛星からGPS信号を受信する。この受信したGPS信号を、一旦通信を利用してほかの計算機に送信する。GPS信号の送信を受けた計算機ではそのGPS信号に基づいて「静岡県富士市・・・」という位置情報を算出する。そして、「静岡県富士市・・・」という位置情報は通信を介して映像記録装置であるデジタルカメラに送信され、デジタルカメラでは、撮影する富士山の風景の映像情報と「静岡県富士市・・・」という位置情報とを関連付けて記録する。
【0013】
この処理を行えば映像記録装置であるデジタルカメラに大きな計算の負荷を加えることなく利用者が一見して理解できる位置情報を映像情報とともに記録できるという効果がある。
【0014】
たとえば、利用者が「静岡県富士市・・・」という位置情報でなく、「静岡県」という位置情報のみでよいと考えると映像記録装置であるデジタルカメラ上で余分な「富士市・・・」の部分を削除する操作を行えばよい。また、同じGPS信号でも複数の解釈が可能な場合にはそれらの中から映像情報と関連付けて記録すべき位置情報を選択すればよい。たとえば、同じGPS信号に基づいて、「静岡県富士市・・・」という位置情報と、「静岡県富士川河畔」という位置情報が候補として挙げられる。利用者は、その中から位置情報として「静岡県富士川河畔」の位置情報を選択して映像情報とともに記録する。このようにひとつのGPS信号から複数の位置情報候補を出すことは映像記録装置であるデジタルカメラにおいて行われてもよいし、ほかの計算機によって行われてもよい。計算量が多いため後者の方法を採用するのが便利であろう。
【0015】
図3は、本実施形態の映像記録装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、この映像記録装置は、映像撮影部と、位置情報取得部と、映像記録部とを具備する。
【0016】
「映像撮影部」は、映像を撮影するための部分である。「映像」には、静止画、動画の両者が含まれる。映像撮影部はたとえば、CCDを含む。「CCD」とは「電荷結合素子」を意味する。光を電荷に変え、それを一時蓄積し、バケツ・リレーのような形で転送して電気信号を出力するものである。デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどに採用されている。ただし、本発明においてはCCDによって映像を撮影するものに限られず、従来の銀塩フィルムを用いて映像を撮影する映像撮影部も含まれる。この場合には映像記録はフィルム上に直接行われ、位置情報もフィルム上に直接焼き付けられる。
【0017】
「位置情報取得部」は、位置情報を取得する部分である。「位置情報」とは前述のように位置に関する情報のすべてのものを含む概念である
【0018】
図5は位置情報の概念を示すものである。この図にあるように、「位置情報」には、「GPS信号」、「地理情報」、「携帯電話、PHSの基地局情報」などがある。さらに、「地理情報」には、「経度、緯度情報」、「地名、住所情報」、「地図情報」がある。また、これらに基づいて作られる情報も位置情報である。たとえば、その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称なども位置情報に含まれる。
【0019】
位置情報取得部は、GPS衛星や、位置情報を提供するサーバなどから位置情報を取得する。したがって、位置情報取得部は受信機能を有している。ただし、受信は必ずしも無線に限られず、有線での受信であってもよい。有線で受信する場合とはたとえばカーナビゲーションから有線で位置情報を取得する場合や、携帯電話から有線で位置情報を取得する場合である。したがって位置情報取得部の受信の形式は、GPS衛星からの受信、インターネット接続網を利用した受信、公衆回線網を利用した受信、ブルートゥースや、USBなどを利用した受信など各種の形式のものを採用可能である。
【0020】
また前述のように、GPS信号を受信し、一旦このGPS信号をたとえば住所情報などに変換するためのサーバに送信し、そのサーバが変換した結果である住所情報などを送り返したものを受信する構成を採用する場合には、この位置情報取得部がこれらの機能を有していてもよい。
【0021】
「映像記録部」は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報と前記位置情報取得部で取得した位置情報を対応付けて記録する。対応付けてとは何らかの形で関連付けることをいう。映像情報は各種の形式のものが許容される。たとえば、静止画に関しては、JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式、などである。動画では、MPEG方式などである。もちろん銀塩フィルムに記録する形式のものであってもよい。映像情報を電子データで記録する場合には映像記録部には各種の形態の記憶装置が利用できる。ハードディスクドライブ、DRAM、各種ROM、DVD、MD、ICカード、FD、などである。
またこの映像記録部は瞬間的な記録のみを行う一時メモリのようなものであってもよい。たとえば、ニュースなどの中継に利用する映像記録装置であるテレビカメラや、撮影した映像を直ちに無線などで外部に送り出すデジタルカメラなどの映像記録装置などでの一時メモリである。
【0022】
なお、「映像記録装置」は映像記録専用の機器のみを言うものでなく、携帯電話、カーナビゲーション、PDA、ノートブックパソコンなど各種の機能を有する機器と複合したものであってもよいことは言うまでもない。これらの機器との複合化により、映像と位置情報とをさらに多様に応用できる。
【0023】
図4は、この実施形態の映像記録装置の映像情報と位置情報との対応付けの様子を示すための機能ブロック図の一例である。この図の例では対応付けのためにタイマーを利用している。このタイマーは、現在時刻を出力することが可能である。そして、映像撮影部によって、映像が撮影されると、その撮影の時刻をタイマーから取得し、映像情報と時刻情報とを関連付ける。一方、位置情報取得部が取得する位置情報もその取得の際にタイマーからその取得の時刻を取得し、位置情報とその時刻とを関連付ける。映像記録部で位置情報と映像情報とを対応付けて記録する際には、映像情報と関連付けられた時刻と対応する位置情報をその映像情報と対応付けて記録する。
【0024】
たとえば、映像撮影部で撮影された映像情報「P001」と関連付けられた時刻が「’03.12.04.13:05」すなわち、2003年12月4日13時5分であるとする。そして、位置情報「L001」に関連付けられた時刻が同じく「’03.12.04.13:05」であるとする。そうすると、映像記録部で映像情報「P001」を記録する際には、時刻「’03.12.04.13:05」すなわち、2003年12月4日13時5分の位置情報「L001」と対応付けて記録する。この時刻の最小刻みを「分」までとするか、「秒」までとするか、さらにはそれよりも下位の位までとするかは、選択できるようにしてもよいし、映像記録装置の移動速度を位置情報とタイマーとを利用して算出しその移動速度にあわせて選択するようにしてもよい。たとえば、移動速度が小さい場合には時刻は分刻みとし、移動速度が速い場合には時刻を秒刻みとするという具合である。移動速度が速い場合には、撮影された位置が次々に変化するので位置情報も秒刻みなどのテンポで新しい情報を利用すべきだからである。なお、位置情報と映像情報と関連付けられた時刻は必ずしも一致する必要はなく、最も近い時刻の位置情報と映像情報とを対応付ければよい。
【0025】
図6は、この実施形態の処理の流れの一例を示す図である。まず、映像を撮影し、ついで位置情報を取得し、さらに撮影された映像の情報である映像情報と位置情報とを対応付けて記録し、処理を終了する。
【0026】
図7は、この実施形態の処理の流れを示す他の例を示す図である。まず、映像を撮影し、GPS信号である位置情報を取得する。ついで、撮影された映像の情報である映像情報とGPS信号(位置情報)とを対応付けて記録する。さらにGPS信号(位置情報)を地理情報に変換し、映像情報と対応付けて記録する。この処理はたとえばデジタルカメラでGPS信号を地理情報に変換するすべての処理を行う場合に該当する。
【0027】
図8は、この実施形態の処理の流れを示す他の例を示す図である。まず、映像を撮影し、GPS信号を取得する。ついで、GPS信号を送信する。そして、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報を取得する。最後に、撮影された映像の情報である映像情報と位置情報とを対応付けて記録する。

【0044】
図15に示すのは、この実施形態を説明するための他の概念図である。この例では位置情報として「越前海岸」が取得され、その位置情報に応じて補助情報が「天候、快晴」である場合である。天候を知るためには映像記録装置内に固定された補助情報のみでは無理であるので、天候に関する情報を天候情報サーバなどに位置情報の送信とともに要求し、応答内容である「快晴」を補助情報として利用する。なお、この例では、撮影される映像には、位置情報「越前海岸」、補助情報「天候、快晴」のほかに、時刻情報として撮影時刻「6:38AM」も合わせて記録される。

(2)刊行物2(特開2005-354134号公報)の記載
審査官が拒絶の査定で引用した刊行物2には、以下のとおりの記載がある。

【0001】
本発明は画像管理方法および装置、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、撮像した画像を検索する画像管理方法および装置、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの普及とともに、それらの機器で撮像した画像を記録するメモリーカードなどの記録媒体の容量も増加している。
【0003】
これらのデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラでは、撮像した画像を小型のLCD(Liquid Crystal Display)に表示し、表示された画像を基に、ユーザは、撮像した画像を確認する。
【0004】
記録媒体の容量が増加することで、記録媒体に記録できる画像の枚数も増加し、それと共に記録された画像の管理や閲覧が困難になっている。
【0005】
ユーザが画像を撮像した後、撮像した画像に対応したキーワードを付加情報として入力し、入力したキーワードを条件にして画像を検索することで、画像をより容易に管理できるようにしているものもある。
【0006】
また、撮像した画像の一覧を撮影日時順でLCDの画面に表示して、撮像した画像の確認をするデジタルスチルカメラもある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2000-278563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、キーワードを入力する作業は面倒であり、その作業には手間がかかる。
【0009】
また、その都度入力されるキーワードは統一されにくい。すなわち、ユーザが同じ意味であると認識している複数の種類の単語をキーワードとして設定しがちである。このため、キーワードが無駄に増加してしまい、迅速に所望の画像を検索することができなくなってしまう。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単に、より迅速に、統一されたテキストデータを撮像した画像データに付加することができる。その結果、より迅速に、より確実に所望の画像を検索できるようになる。

【0091】
撮像情報検索部122は、記録媒体19に記録されている画像データに付されている撮像情報を検索する。撮像情報は、画像データの撮像に関する情報である。例えば、撮像情報は、撮影日時、撮影時刻、撮影位置、画像データを撮像した装置を特定する情報、画像データを撮像した撮像者を特定する情報、シャッタースピード・F値・EV値などの撮像時の撮像条件、などである。

【0125】
キーワードは、撮像情報を基にして、設定することもできる。例えば、キーワードは、撮像情報とキーワードとが関連付けされた変換テーブルを予め記憶しておく(例えば、フラッシュROM53に記憶する)ことで、設定することができる。より具体的には、“6:00?10:00”である撮像時間に対応して、“朝”であるキーワードを変換テーブルに予め記憶しておくことで、例えば、8時に撮像された画像には、“朝”であるキーワードが設定される。

3.刊行物1に記載された発明
(1)刊行物1の【0001】、【0002】の記載によれば、刊行物1に記載された発明は、映像記録装置に関する発明であって、上記映像記録装置はデジタルカメラも含むことは【0002】の記載から明らかである。
したがって、刊行物1にはデジタルカメラに関する発明が開示されている。
以下では、刊行物1に記載される映像記録装置は「デジタルカメラ」と限定して記載事項を検討するものとする。

(2)刊行物1の【0015】、【0016】の記載によれば、刊行物1のデジタルカメラは、映像撮影部を有し、上記映像撮影部は、光を電荷に変え、電気信号を出力する構成も含むことが開示されている。
したがって、刊行物1のデジタルカメラは、光を電荷に変え、電気信号を出力する映像撮影部を有している。

(3)刊行物1の【0015】、【0021】の記載によれば、刊行物1のデジタルカメラは、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報と位置情報取得部で取得した位置情報を対応付けて記録する映像記録部を有していることが開示されている。
上記映像記録部に、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報と位置情報取得部で取得した位置情報を対応付けて記録するためには、上記対応付けや記憶のための処理を行う処理部が必要であることは明らかであるから、刊行物1のデジタルカメラは、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報と位置情報取得部で取得した位置情報とを処理する情報処理部を有しているといえる。
そして、上記処理を行う為には、上記情報処理部が、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、位置情報取得部で取得した位置情報を位置情報取得部から受け取っていることは明らかである。
したがって、刊行物1のデジタルカメラは、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、位置情報取得部で取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理する情報処理部を有している。

(4)刊行物1の【0015】、【0017】-【0019】の記載によれば、刊行物1のデジタルカメラは、GPS衛星からの受信を行い位置情報を取得する位置情報取得部を有している。
上記位置情報取得部が取得する位置情報は、刊行物1の【0023】、【0024】の記載によれば、映像が撮影された時刻を取得する映像撮影部が取得した時刻に対応した位置情報であり、上記(3)で検討したように、位置情報取得部が取得した位置情報は、上記情報処理部が受け取っているから、上記情報処理部に出力されている。
したがって、刊行物1のデジタルカメラは、GPS衛星からの受信を行い、映像撮影部で映像が撮影された時刻に対応する位置情報を取得し、上記取得した位置情報を上記情報処理部に出力する位置情報取得部を有している。

(5)刊行物1の【0015】、【0017】-【0020】の記載によれば、刊行物1のデジタルカメラが有する位置情報取得部は、「GPS信号を受信し、一旦このGPS信号をたとえば住所情報などに変換するためのサーバに送信し、そのサーバが変換した結果である住所情報などを送り返したものを受信する構成」であってもよいことが記載されているから、刊行物1のデジタルカメラは、上記デジタルカメラに設けられた位置情報取得部に、サーバにGPS信号を送信し、そのサーバが変換した結果である住所情報などを受信する通信手段を備えているから、上記通信手段はデジタルカメラが有しているといえる。

(6)刊行物1の【0018】-【0020】の記載によれば、刊行物1に記載されたデジタルカメラと通信するサーバは、「GPS信号をたとえば住所情報などに変換する」構成であって、上記「住所情報など」には「その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称など」も含まれることは明らかであって、GPS信号と上記名称などを対応させるサーバであるといえる。
したがって、刊行物1のデジタルカメラと通信するサーバは、GPS信号とその住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称などとを対応させるサーバであることが開示されている。

(7)上記(3)で検討した、刊行物1のデジタルカメラの情報処理部が行う「前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、位置情報取得部で取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理する」処理の内容について、【0021】-【0027】の記載をもとに検討する。
上記(5)、(6)で検討したように、当審では、デジタルカメラとサーバとが通信する構成の実施の形態を刊行物1に記載された発明としているから、上記【0021】-【0027】に記載された例のうち、【0027】の例が、上記デジタルカメラとサーバとが通信する構成に対応した例であると認めることができる。そして、上記【0027】の記載によれば、映像を撮影し、GPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報を取得し、撮影された映像の情報である映像情報と位置情報とを対応付けて記録することが開示されている。
上記記載において、GPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報を取得することは、上記(5)で検討したように、位置情報取得部が行うことであり、情報処理部は、前記位置情報取得部で取得した位置情報を処理している。
したがって、刊行物1のデジタルカメラにおける、情報処理部は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、前記位置情報取得部がGPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報を取得することで、前記位置情報取得部が取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理して、映像情報と位置情報とを対応付けて記録しているといえる。
上記返信される位置情報は、「その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称」などであることは、上記(6)にて検討したとおりであり、また上記対応付けて記録するデータ形式は、【0021】の記載によれば、JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式などである。
以上まとめると、刊行物1に記載されたデジタルカメラの情報処理部は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、前記位置情報取得部がGPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報(その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称)を取得することで、前記位置情報取得部が取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理して、映像情報と位置情報とを対応付けて、JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式などの形式で記録しているといえる。

(8)まとめ
以上(1)ないし(7)の記載事項をまとめると、刊行物1には以下の発明(以下、刊行物1発明という。)が開示されているといえる。
((a)ないし(g)は当審において付与した。以下「構成要件(a)」等として引用する。)

(a)光を電荷に変え、電気信号を出力する映像撮影部と、
(b)前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、位置情報取得部で取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理する情報処理部と、
(c)GPS衛星からの受信を行い、映像撮影部で映像が撮影された時刻に対応する位置情報を取得し、上記取得した位置情報を上記情報処理部に出力する位置情報取得部と、
(d)位置情報取得部に、サーバにGPS信号を送信し、そのサーバが変換した結果である住所情報などを受信する通信手段を備え、
(e)デジタルカメラと通信するサーバは、GPS信号とその住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称などとを対応させるサーバであり、
(f)デジタルカメラの情報処理部は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、前記位置情報取得部がGPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報(その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称)を取得することで、前記位置情報取得部が取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理して、映像情報と位置情報とを対応付けて、JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式などの形式で記録する、
(g)デジタルカメラ。

4.対比
本願発明と刊行物1発明とを対比する。

(1)本願発明の構成要件(A)と刊行物1発明の構成要件(a)とを対比する。
刊行物1発明の「デジタルカメラ」において、「光を電荷に変え」とは、被写体からの光を電荷(電気信号)に変えていることは技術常識であり、このようの電気信号に変換することを撮影ということも技術常識である。そして、上記光を電荷に変えた電気信号は、被写体の撮影画像といえる。
したがって、刊行物1発明は、「被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成し、前記撮影画像を出力するカメラ部」を有しているといえる。
もっとも、刊行物1発明では、撮影情報に関する構成について特定していないから、「前記被写体を撮影した時の情報である撮影情報を出力するカメラ部」を有しているとはいえない点で、本願発明と相違する。

(2)本願発明の構成要件(B)と刊行物1発明の構成要件(b)とを対比する。
刊行物1発明は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取り、位置情報取得部で取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取り、上記映像情報と位置情報とを処理する情報処理部を有しており、刊行物1発明の映像撮影部は、本願発明のカメラ部に相当するから、「前記カメラ部によって生成された前記撮影画像を処理する情報処理部」を有しているといえる。

(3)本願発明の構成要件(C)と刊行物1発明の構成要件(c)とを対比する。
刊行物1発明の「位置情報取得部」は、GPS衛星からの受信を行い、映像撮影部で映像が撮影された時刻に対応する位置情報を取得しているから、GPS部といえるものであり、上記取得した位置情報は上記情報処理部に出力している。
したがって、刊行物1発明の位置情報取得部は、本願発明の「前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得して前記情報処理部に出力するGPS部」と相違がない。

(4)本願発明の構成要件(D)と刊行物1発明の構成要件(d)とを対比する。
刊行物1発明の通信手段は、位置情報取得部に備えられ、サーバにGPS信号を送信し、そのサーバが変換した結果である住所情報などを受信するものであって、位置情報取得部は、デジタルカメラに備えられているものであるから、上記デジタルカメラは、当該通信部を備えているといえる。
上記刊行物1発明のサーバは、デジタルカメラの外部にあって、刊行物1発明の構成要件(e)にあるように「GPS信号とその住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称などとを対応させ」ているから、GPS信号に対応する施設等の名称のデータを記憶するデータベースと呼べることは明らかである。
したがって、刊行物1発明は、「外部にあるデータベースと通信して前記データベースからデータを取得する通信部」を備えている点で、本願発明と相違がない。

(5)本願発明の構成要件(E)と刊行物1発明の構成要件(e)とを対比する。
本願発明の複数の撮影情報は、「地名または施設名である位置を表すキーワード」と関連付けられている場合、構成要件(F)で「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ」た撮影情報であることは明らかであり、したがって、刊行物1発明のGPS信号のデータと本願発明の撮影情報とは、位置を表す情報を含む点で共通する。
刊行物1発明のサーバは、「GPS信号とその住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称などとを対応させ」ているから、複数のGPS信号の値と上記値に関連付けた「その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称」を格納していることは明らかである。
したがって、刊行物1発明は「前記データベースは、
複数の位置を表す情報と複数のキーワードとをそれぞれ関連付けて格納しており、前記キーワードは、地名または施設名である位置を表すキーワード」である点で本願発明と相違がない。
もっとも、上記本願発明と刊行物1発明とで共通する「上記複数の位置を表す情報」に関して、本願発明では複数の撮影情報であるから、位置を表す情報に加えてそれ以外の情報も含むのに対し、刊行物1発明では、「複数の位置を表す情報」のみを含む点で相違し、また、データベースが格納している複数のキーワードに関して、本願発明では「季節または時間帯である時間を表すキーワード」も格納しているが、刊行物1発明は、複数の位置を表す情報のみを格納し、季節または時間帯である時間を表すキーワードは格納していない点で相違する。

(6)本願発明の構成要件(F)と刊行物1発明の構成要件(f)とを対比する。
刊行物1発明の情報処理部は、前記映像撮影部で撮影された映像の情報である映像情報を前記映像撮影部から受け取っているから、撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像を受け取っている点で、本願発明と相違がない。
もっとも、刊行物1発明は、撮影情報とを受け取る構成を有していないから、この点で本願発明と相違する。
次に「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得し、前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間体である時間を表すキーワードを取得し、前記データベースから取得したキーワードと、前記撮影情報と、を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する」(以下、通信部を介した処理ともいう。)について、検討する。
刊行物1発明の位置情報取得部が本願発明のGPS部に相当すること、および、刊行物1発明のサーバが本願発明のデータベースに対応することは、それぞれ、上記(3)、(4)のとおりである。
そして、刊行物1発明のサーバが、複数のGPS信号のデータと複数の施設・店舗・山・渓谷・海岸・交差点・港湾等の名称とを関連付けて記憶していることは、上記(5)のとおりである。
そして、刊行物1発明では、「前記位置情報取得部がGPS信号を取得し、GPS信号を送信し、送信したGPS信号に基づいて返信される位置情報(その住所などにある施設、店舗などの名称、その位置にある河川、池、湖、山、渓谷、海岸などの名称、その位置にある道路、交差点、橋、トンネル、港湾、桟橋などの名称)を取得することで、前記位置情報取得部が取得した位置情報を前記位置情報取得部から受け取」っているから、「前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得」する構成を有している点で、本願発明と相違がない。
もっとも、本願発明では、上記通信部を介した処理を情報処理部で行っているのに対し、刊行物1発明ではGPS部が行っている点で本願発明と相違する。
さらに、本願発明では、「前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間帯である時間を表すキーワードを取得し」ているのに対し、刊行物1発明は当該構成を有していない。
また、本願発明では、情報処理部が「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて」通信部を介した処理を行っている。
上記「前記撮影情報に基づいて」の撮影情報は、「撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像と前記撮影情報とを受け取り」の構成を有することから見て、「撮影時に前記カメラ部から受け取」った撮影情報と「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ」た撮影情報であるから、「撮影時に前記カメラ部から受け取」った情報と、前記GPS部から受け取った撮影位置データとを含むものであるといえる。
してみると、本願発明の撮影情報は、前記GPS部から受け取った撮影位置データを含むものであるから、上記通信部を介した処理について、本願発明と刊行物1発明とは、いずれもGPS部で得た撮影位置データに基づいて、通信部を介した処理を行っている点で共通している。
もっとも、本願発明では、「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて」であるのに対し、刊行物1発明では、「前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ」の構成を有さず、また、撮影情報ではなく撮影位置データのみに基づいてであるから、「前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は」の場合分けを行っていない点で相違する。
そして、刊行物1発明では、情報処理部が、「映像情報と位置情報とを対応付けて、JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式などの形式で記録する」のであり、上記「JPEG形式、GIF形式、BMP形式、TIFF形式などの形式で記録する」画像データは、画像ファイルと呼ぶから、刊行物1発明は、情報処理部が「前記データベースから取得したキーワードを前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する」点で、本願発明と相違がない。
もっとも、刊行物1発明は、撮影情報についての構成を有していないから、「前記撮影情報とを前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する」構成は有していない点で本願発明と相違する。
以上まとめると、刊行物1発明は、
前記情報処理部は、撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像を受け取り、前記データベースから取得したキーワードを前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成する点、
および、
上記GPS部で得た撮影位置データに基づいて、前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得し、の構成を有している点、
で本願発明と相違ない。
もっとも、
本願発明では、撮影時に前記カメラ部から前記撮影情報とを受け取り、前記撮影情報を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成しているのに対し、刊行物1発明では撮影情報についての構成を有していない点、
本願発明では、前記情報処理部が、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、通信部を介した処理を行っているのに対し、刊行物1発明では、通信部を介した処理をGPS部で行っているから、「前記情報処理部が、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ」の構成を有さず、
本願発明では、「上記GPS部で得た位置データに基づいて」が「前記撮影情報に基づいて」であって、位置を表す情報以外も含むのに対して、刊行物1発明では上記GPS部で得た位置データのみに基づいているから、「前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は」の場合分けを行っておらず、
本願発明では、上記通信部を介した処理が、「前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間帯である時間を表すキーワードを取得し」の構成を有しているのに対し、刊行物1発明では、当該構成を有していない点、
で相違する。

(7)本願発明の構成要件(G)と刊行物1発明の構成要件(g)とを対比する。
刊行物1発明は、デジタルカメラである点で、本願発明と相違がない。

(8)まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、本願発明と刊行物1発明とは以下の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
被写体を撮影し、前記被写体の撮影画像を生成し、前記撮影画像を出力するカメラ部と、
前記カメラ部によって生成された前記撮影画像を処理する情報処理部と、
前記被写体の撮影時の位置に関する撮影位置データを取得して前記情報処理部に出力するGPS部と、
外部にあるデータベースと通信して前記データベースからデータを取得する通信部と
を備え、
前記データベースは、
複数の位置を表す情報と複数のキーワードとをそれぞれ関連付けて格納しており、前記キーワードは、地名または施設名である位置を表すキーワードであり、
前記情報処理部は、
撮影時に前記カメラ部から前記撮影画像を受け取り、前記データベースから取得したキーワードを前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成し、
上記GPS部で得た撮影位置データに基づいて、前記通信部を介して、前記データベースにアクセスし、前記データベースから前記撮影位置データに関連付けられた地名または施設名である位置を表すキーワードを取得する、
ことを特徴とするデジタルカメラ。

(相違点)
相違点1
本願発明は、「被写体を撮影した時の情報である撮影情報を出力するカメラ部」を有しているのに対し、刊行物1発明は当該構成を有しているとはいえない点。

相違点2
本願発明と刊行物1発明とで共通する「上記複数の位置を表す情報」に関して、本願発明では複数の撮影情報であるから、位置を表す情報に加えてそれ以外の情報も含むのに対し、刊行物1発明では、「複数の位置を表す情報」のみを含む点で相違し、また、データベースが格納している複数のキーワードに関して、本願発明では「季節または時間帯である時間を表すキーワード」も格納しているが、刊行物1発明は、複数の位置を表す情報のみを格納し、季節または時間帯である時間を表すキーワードは格納していない点。

相違点3
本願発明では、撮影時に前記カメラ部から前記撮影情報を受け取り、前記撮影情報を前記撮影画像に付加した画像ファイルを生成しているのに対し、刊行物1発明では撮影情報についての構成を有していない点、

相違点4
本願発明では、前記情報処理部が、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ、前記撮影情報に基づいて、通信部を介した処理を行っているのに対し、刊行物1発明では、通信部を介した処理をGPS部で行っているから、「前記情報処理部が、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取ると、前記撮影位置データを前記撮影情報に含ませ」の構成を有さない点。

相違点5
本願発明では、「上記GPS部で得た位置データに基づいて」が「前記撮影情報に基づいて」であって、位置を表す情報以外も含むのに対して、刊行物1発明では上記GPS部で得た位置データのみに基づいているから、「前記撮影情報に前記撮影位置データが含まれる場合は」の場合分けを行っていない点。

相違点6
本願発明では、上記通信部を介した処理が、「前記撮影情報に日時が含まれている場合は、前記データベースから前記日時に関連付けられた季節または時間帯である時間を表すキーワードを取得し」の構成を有しているのに対し、刊行物1発明では、当該構成を有していない点。

5.判断
上記相違点について検討する。
(1)相違点1、相違点3について
刊行物1には、刊行物1発明とは別に他の実施の形態が記載(【0044】)されており、時刻情報として撮影時刻「6:38AM」も合わせて記録されることが記載されている。上記時刻情報は、刊行物1の【0023】、【0024】等の記載によれば、撮影時に連動してタイマーから得られるものであり、上記タイマーを含めてカメラ部と称してもよいことは明らかであるから、刊行物1発明に相違点1、相違点3の構成を採用することは当業者が容易になしえたことである。

(2)相違点2、相違点5、相違点6について
上記(1)で検討したように、刊行物1発明に撮影情報として、時刻情報も付加して、画像ファイルを生成することは当業者が容易になしえたことである。
上記時刻情報を付加する際に、時間に関する情報も時間帯である時間を表すキーワードとして記憶することは、刊行物2に記載されており、刊行物1発明が、位置情報について、地名または施設名である位置を表すキーワードとしてファイルを作成することが記載されているのであるから、上記時間情報についても位置情報と同様、何らかの対応するキーワードとしてファイルを作成することは、当業者が容易になしえたことである。
したがって、刊行物1発明に、上記相違点2、相違点5、相違点6に係る構成を採用することは当業者が容易になしえたことである。

(3)相違点4について
上記通信部を介した処理をGPS部で行うか、情報処理部で行うかは、結局デジタルカメラの内部で処理を行うのであるから、当業者が適宜選択し得たことである。
したがって、刊行物1発明で行っていた通信部を介した処理を情報処理部で行えば、「前記情報処理部が、前記GPS部から前記撮影位置データを受け取る」構成を有することは当然のことである。
また、刊行物1には、上記刊行物1発明として認定した実施の形態とは別に、【0026】に、撮影された映像の情報である映像情報とGPS信号(位置情報)とを対応付けて記録し、さらに、GPS信号(位置情報)を地理情報に変換し、映像情報と対応付けて記録する構成も開示されているから、上記受け取った撮影位置データを前記撮影情報に含ませることは、当業者が容易になしえたことである。

6.効果
以上のように、上記相違点は、当業者が容易に想到し得たものと認められ、本願発明全体としてみても格別のものはなく、その作用効果も、上記相違点に係る構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。

6.まとめ
以上によれば、本願発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
 
審理終結日 2015-10-26 
結審通知日 2015-10-27 
審決日 2015-11-09 
出願番号 特願2010-68813(P2010-68813)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩井 健二  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 小池 正彦
渡邊 聡
発明の名称 デジタルカメラ、画像記録方法、及び画像記録プログラム  
代理人 丸山 隆夫  
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