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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B25J |
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管理番号 | 1313068 |
異議申立番号 | 異議2016-700059 |
総通号数 | 197 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-01-25 |
確定日 | 2016-04-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5755794号「4つのロボットアームの可変ハンドを備えた搬送ロボット」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5755794号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1. 手続の経緯 特許第5755794号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成26年12月26日に特許出願され、平成27年6月5日に特許の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人渡部明美により特許異議の申立てがされたものである。 2. 本件発明 特許第5755794号の請求項1ないし6に係る特許は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3. 申立理由の概要 特許異議申立人は、主たる証拠として特開2006-272526号公報(以下、「刊行物1」という。)、並びに、従たる証拠として特開平11-238775号公報(以下、「刊行物2」という。)、及び、特開2002-273683号公報(以下、「刊行物3」という。)を提出し、請求項1ないし2に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項1ないし2に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 4. 刊行物の記載 (1)刊行物1には、段落【0019】ないし【0021】、【0031】ないし【0036】、段落【0055】ないし【0065】、並びに、図2及び5等の記載からみて、「幅調整手段が内部に形成されて、上下に配列され、前後方向に運動が可能なように形成される第1及び第2の連結部(3)と、 1つの前記幅調整手段に2本の載置部(2a、2b)が結合して所定の範囲内で左右幅が可変される第1?第4の載置部と、を備え、 ワークPを同時に所定の位置から別の所定の位置に取り出し、搬送されるように、第1及び第2の連結部(3)のそれぞれに2本の載置部(2a、2b)を備えた搬送用ロボット。」の発明が記載されている。 (2)刊行物2には、「上下に配列された基板を搬送するための第1保持部である上フォーク(51)を有する第1移動体(111)、及び、第2保持部である下フォーク(52)を有する第2移動体(107)が、前後方向に直線運動が可能なように形成されたロボット装置(3)」が記載されている。 (3)刊行物3には、「上下及び左右に配列され、前後方向に直線運動が可能なように形成される第1?4の溶接ロボット(2)」が記載されている。 5. 判断 (1)特許法第29条第2項について ア. 対比・判断 (ア) 請求項1に係る発明について 請求項1に係る発明と特許異議申立人が提出した刊行物1記載の発明とを対比すると、当該刊行物1には、請求項1に係る発明の「第1?第4ロボットハンド」が「位置可変ブロックとそれぞれ結合した」ものである点が記載されていない。この点は、刊行物2及び3にも記載されていない。そして、請求項1に係る発明は、上記点を備えることで、本件明細書の段落【0047】記載の 「4個の搬送物を同時又は個別搬送及び積載が可能であるが、工程によって何れか一つ又は二つのロボットアームの駆動なしに3つのロボットアーム又は2つのロボットアームの駆動によって3個の搬送物又は2個の搬送物の同時搬送又は個別積載が可能である。」 、並びに、段落【0058】及び【0059】の 「・・・本発明のの一実施形態に係る搬送ロボット10は、4つのロボットアームが水平方向に直線運動をして搬送物(ディスプレイパネルが代表的と言える)4個の同時移送が可能であり、一定の上下ピッチで構成されている工程装備又はカセット内部の搬送物4個の同時移送が可能であり、また、一定の左右ピッチで構成されている工程装備又はカセット内部の搬送物4個の同時移送が可能となる。これは、インライン工程において大量搬送物の移送が可能であり、工程装備又はカセットの各ピッチ別の対応が可能であり、ロボットのセッティング時間を短縮させることによって工程効率を極大化させられるようになる。」 との格別な作用効果を奏するものである。 以上のとおりであるから、請求項1に係る発明は、刊行物1記載の発明、並びに、刊行物2及び刊行物3に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 請求項2に係る発明について 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明を更に減縮したものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、上記刊行物1に記載の発明、並びに、刊行物2及び刊行物3に記載の事項に基づいて、当業者が容易になし得るものではない。 6. むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-03-24 |
出願番号 | 特願2014-263829(P2014-263829) |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Y
(B25J)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 牧 初 |
特許庁審判長 |
西村 泰英 |
特許庁審判官 |
渡邊 真 久保 克彦 |
登録日 | 2015-06-05 |
登録番号 | 特許第5755794号(P5755794) |
権利者 | ロボスター・カンパニー・リミテッド |
発明の名称 | 4つのロボットアームの可変ハンドを備えた搬送ロボット |
代理人 | 市川 英彦 |
代理人 | 青木 孝博 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 今藤 敏和 |
代理人 | 小野 誠 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 櫻田 芳恵 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 重森 一輝 |
代理人 | 小平 晋 |
代理人 | 川嵜 洋祐 |
代理人 | 安藤 健司 |