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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C08G |
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管理番号 | 1313077 |
異議申立番号 | 異議2015-700110 |
総通号数 | 197 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-10-21 |
確定日 | 2016-04-11 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5703645号「芳香族ポリスルホン樹脂及びその膜」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5703645号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第5703645号の請求項1?3に係る発明についての出願は、平成22年9月13日(優先権主張 平成21年9月29日)に特許出願され、平成27年3月6日に特許の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人(ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア)により特許異議の申立てがなされ、平成27年12月17日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年2月18日に意見書の提出があったものである。 2.特許異議の申立てについて (1)取消理由の概要 本件特許の請求項1及び2に係る特許に対して、平成27年12月17日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、「本件特許の請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものであって取り消すべきものである。」というものである。 (2)判断 平成27年12月17日付けの取消理由通知書においては、本件特許の請求項1?3に係る発明を、それぞれ「本件発明1」?「本件発明3」とし、特許異議申立人が提出した甲第3号証(特開2002-172675号公報)に記載された発明を「甲1発明」とした上で、本件発明1と甲1発明とを対比し、還元粘度に関する両者の相違点については、甲1発明は、数平均分子量(Mn)が22000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であり、式(1)で表される繰返し単位を、全繰り返し単位の合計に対して、100モル%有する芳香族ポリスルホン樹脂を包含しているところ、当該樹脂はその数平均分子量、分子量分布、及び、その繰返し単位とその割合が、本件発明1の芳香族ポリスルホン樹脂のそれらと重複しているのであるから、甲1発明に包含される当該樹脂の還元粘度は、本件発明1の芳香族ポリスルホン樹脂の還元粘度と重複している蓋然性が高いといえ、この点においては実質的に相違していないと判断した。また、甲1発明のポリエーテルサルホンを含む高分子シートは、本件発明2の「膜」に相当すると認められると判断した。 しかしながら、平成28年2月18日に提出された意見書及び特許権者住友化学株式会社の情報電子化学品研究所の小日向雄作が記名捺印した実験成績証明書である乙第1号証の内容を参酌すると、芳香族ポリスルホン樹脂においては、数平均分子量Mnを固定した場合、その還元粘度と重量平均分子量Mwとの間に一定の相関があると認められるところ、甲1発明のポリエーテルサルホンの数平均分子量Mnが22000の場合、当該ポリエーテルサルホンの重量平均分子量Mwは44000、還元粘度は0.508dL/gとなる蓋然性が高いと認められる。 そうしてみると、甲1発明に包含される芳香族ポリスルホン樹脂の還元粘度が0.55?0.65dL/gと重複する蓋然性が高いとまではいえないとするのが相当であると認められる。 よって、上記取消理由は解消しており、本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-03-31 |
出願番号 | 特願2010-204071(P2010-204071) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
Y
(C08G)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 井津 健太郎 |
特許庁審判長 |
平塚 政宏 |
特許庁審判官 |
前田 寛之 小野寺 務 |
登録日 | 2015-03-06 |
登録番号 | 特許第5703645号(P5703645) |
権利者 | 住友化学株式会社 |
発明の名称 | 芳香族ポリスルホン樹脂及びその膜 |
代理人 | 住吉 秀一 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 坂元 徹 |
代理人 | 三上 敬史 |
代理人 | 中山 亨 |
代理人 | 沖田 英樹 |
代理人 | 清水 義憲 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |