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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05B
管理番号 1313375
審判番号 不服2014-15656  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-07 
確定日 2016-04-05 
事件の表示 特願2012-541012号「ディミング機能又はムード照明調節機能を有するエネルギー節約型LEDランプ」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 6月 3日国際公開、WO2011/065725、平成25年 4月11日国内公表、特表2013-512544号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は、2010年11月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年11月26日 韓国、2009年12月14日 韓国、2009年12月14日 韓国)を国際出願日とする出願であって、平成25年6月27日付けで拒絶理由が通知され、同年10月3日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成26年3月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年8月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に、特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出された。その後、平成27年5月28日付けで当審において拒絶理由が通知され、同年8月26日に意見書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1?16に係る発明は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、平成26年8月7日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】
光を発光するLEDモジュールと、
前記LEDモジュールに供給される交流電源をオン/オフにする電源スイッチと、
前記電源スイッチがオンになった状態で、交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、
前記電力変換部に連結され、前記電源スイッチがオンになった状態で、供給された電力を二次電池に充電する充電部と、
前記充電部に連結され、前記電源スイッチのオン/オフ切替周期及びオン/オフ反復回数を測定するタイマー部と、
前記電力変換部及び充電部にそれぞれ連結され、前記タイマー部で測定された前記電源スイッチのオン/オフ切替周期及び反復回数に応じて、前記LEDモジュールの明るさを制御する制御部と、を含み、
前記制御部には、設定された期間内で行われる前記電源スイッチのオン/オフ反復回数に応じて、前記LEDモジュールの明るさを設定するプログラムが内蔵され、
前記充電部は、前記電源スイッチがオンになった状態で電力を二次電池に充電して待機し、前記電源スイッチがオフになった状態で前記制御部及びタイマー部に電力を供給することにより、前記制御部及び前記タイマー部を正常に作動させるように、電力を反復的に充電できる二次電池で構成されることを特徴とする、電源スイッチを用いたディミング機能を有するエネルギー節約型LEDランプ。」

2.刊行物記載の発明
当審における拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に日本国内で頒布された刊行物である特開2009-110914号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(ア)
「【0008】
実施の形態1.
この実施の形態では、電源スイッチのオンとオフとが連続して数回行われた場合に、光源の調光レベルを変更する点灯装置を備える照明システムについて説明する。
【0009】
図1は照明システムの全体図である。
照明システムは、複数の照明器具20と、スイッチボックス24とを備える。
各照明器具20は、器具本体21と反射板22とを備える。
器具本体21には点灯装置が取り付けられている。また、器具本体21の長手方向両端部には点灯装置からの出力が電線を介して接続され、光源である放電灯23に電力を供給するランプソケットが取り付けられている。
図1では、器具本体21のランプソケットには、放電灯23が取り付けられている。
スイッチボックス24は、第1の電源スイッチ25と第2の電源スイッチ26とを備える。第1の電源スイッチ25は、各照明器具20との接続を制御する。第2の電源スイッチ26は、商用電源(交流電源,AC)との接続を制御する。以下の説明において、第1の電源スイッチ25と第2の電源スイッチ26とは単に電源スイッチと呼ぶ。
【0010】
照明システムは、電源スイッチの操作(オンとオフ)による商用電源の有無を検出して調光度を変更する点灯装置を備えている。」
(イ)
「【0011】
図2はこの実施の形態に係る点灯装置の内部構成図である。
点灯装置は、電源整流回路1、アクティブフィルタ回路2、インバータ回路3、負荷回路4、ドライブ回路5、マイクロコンピュータ6(カウント部、点灯回路制御部)、商用電源検出回路7、電力供給時間検出部8(電源計測部、期間判定部)、電力供給一時停止検出部9(電源計測部、期間判定部)、記憶部10(設定値記憶部、調光レベル記憶部、カウント記憶部)、制御回路用電源11を備える。
電源整流回路1は、電源電圧の整流、及び、ノイズの除去を行う回路である。
アクティブフィルタ回路2は、電源電圧波形に沿ってスイッチングを行うことにより、電源電圧を所定の直流電圧に昇圧すると共に入力電流波形を整形して力率を改善する回路である。
インバータ回路3は、アクティブフィルタ回路2で昇圧された直流電圧を、ドライブ回路5から出力される逆極性の電圧でFETQ2、Q3を交互にスイッチングすることにより、高周波電圧を発生させる回路である。また、インバータ回路3には点灯回路制御部(点灯制御回路)が接続され、放電灯を全光及び段調光の点灯制御することができる。ここでは、点灯回路制御部として、後述するマイクロコンピュータ6を使用する。
負荷回路4は、インダクタL2、コンデンサC3の共振を利用して、放電灯LAを点灯させる回路である。
ドライブ回路5は、インバータ回路3を駆動させる回路である。
マイクロコンピュータ6は、放電灯LAの調光レベル等を制御する。
商用電源検出回路7は、商用電源のON及びOFF状態を検出する回路である。
電力供給時間検出部8は、商用電源の供給時間を検出する回路である。
電力供給一時停止検出部9は、商用電源の供給の一時停止を検出する回路である。
記憶部10は、不揮発性メモリであり、点灯モード(放電灯が調光レベルとしてとり得る値)等を記憶する。
【0012】
点灯装置の動作を簡単に説明する。
外部から壁などに備えられる電源スイッチSWを介して接続される電源線が照明器具20に挿入され、点灯装置に商用電源ACが供給される。電源整流回路1は、供給された商用電源を直流電圧に変換する。アクティブフィルタ回路2は、変換された直流電圧を昇圧した直流電圧に変換して、コンデンサC1に充電する。インバータ回路3は、コンデンサC1に充電された直流電圧を、FETQ2、Q3のスイッチング動作によって、高周波の交流電力に変換する。また、ドライブ回路5は、インバータ回路3のスイッチング動作を制御している。負荷回路4は、インバータ回路3が変換した高周波の交流電力をインダクタL2、カップリングコンデンサC3の回路によって放電灯に電力を供給する。
ここでインダクタL2は放電灯LAに流れる電流を制御するものであり、カップリングコンデンサC3はインダクタL2、放電灯LAに流れ込む直流成分をカットするためのものである。また、放電灯LAに並列に接続される始動用コンデンサC2は、インダクタL2との共振により放電灯LAを点灯させるときに高い電圧を発生させるためのものである。
また、点灯装置は、電源整流回路1の出力側に電力供給時間検出部8、電力供給一時停止検出部9を備えている。電力供給時間検出部8、電力供給一時停止検出部9は、商用電源からの電流の供給の有無を検出するとともに、それぞれ電流の供給が継続した期間と電流の供給の停止が継続した期間とを計測し、マイクロコンピュータ6へ出力している。
マイクロコンピュータ6は、制御回路用電源11の電力により動作をしている。マイクロコンピュータ6は、記憶部10に記憶されている情報と、電力供給時間検出部8、電力供給一時停止検出部9から出力された情報(信号)とに基づいて、ドライブ回路5へインバータ回路3の出力を制御するための信号を出力する。」
(ウ)
「【0013】
図3から図5までは、点灯装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、点灯装置の動作の概略を示すフローチャートである。点灯装置は、商用電源オン時の処理と商用電源オフ時の処理とを繰り返し行う。
【0014】
まず、点灯装置の動作の概略を説明する。
壁などに備えられる電源スイッチをオン/オフ操作をすると、点灯装置に商用電源から電力が供給/停止される。電源スイッチのオン/オフ操作を連続して所定の回数行うことで、商用電源からの電力供給の状態を電力供給時間検出部8と電力供給一時停止検出部9とが検出してマイクロコンピュータ6へ電力供給状況を識別する信号を出力する。その結果に基づき、マイクロコンピュータ6は、光源(ここでは、放電灯)の調光レベルを変更する。
なお、電源スイッチのオン/オフ操作を連続して行うとは、電源スイッチのオンの時間と、オフの時間とが所定の時間以内で切り替えされることである。つまり、電源スイッチのオン又はオフの状態が所定の時間以上継続した場合、電源スイッチのオン/オフ操作が連続して行われたとは言わない。
以下の説明では、電源スイッチのオン/オフ操作が連続して3回(第1の回数)行われた場合、放電灯の調光レベルを変更する。ここで、オン/オフ操作のカウントのされ方は、オン状態から始まり電源スイッチがオフされ、さらにオンされると1カウントされる。つまり、オン状態から始まり、オフ-オン(1回)-オフ-オン(2回)-オフ-オン(3回)と数える。また、電源スイッチのオンからオフへ10秒(第1の期間)以内に切り替えされ、オフからオンへ3秒(第2の期間)以内に切り替えされた場合には連続して電源スイッチのオン/オフ操作が行われているものとする。」
(エ)
「【0015】
次に、図4に基づき、商用電源オン時の処理について説明する。図4は、商用電源オン時の点灯装置の動作を示すフローチャートである。
(S1):壁に備えられる電源スイッチがオンになると、点灯装置に電力が供給される。そして、マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は記憶部10から点灯モードSHを読み込む。点灯モードSHとは、放電灯の調光レベルを示す情報である。
(S2):点灯装置は、図2に基づき説明した動作により放電灯へ電力を供給し、放電灯のフィラメントを予熱してから始動電圧を印加して放電灯を点灯させる。この際、マイクロコンピュータ6は、読み込んだ点灯モードSHに基づいて、放電灯に供給する電力を制御する。
(S3):電力供給時間検出部8(電源計測部)は、電力供給時間Ton(電源から電力が供給される供給状態が継続した期間)の値を初期化する。
(S4):電力供給時間検出部8(電源計測部)は、電力供給時間Tonのカウントを開始する。
(S5):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、後述する商用電源オフ時の処理で記憶部10(カウント記憶部)が記憶した電力供給一時停止情報Fを読み出す。
(S6):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、(S5)で読み出した電力供給一時停止情報Fが電力供給一時停止を示す信号であるか否かを判定する。電力供給一時停止を示す信号であると判定した場合(S6でYes)、(S7)へ進む。一方、電力供給一時停止を示す信号でないと判定した場合(S6でNo)、(S15)へ進む。
(S7):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出回数Foffに1カウント加算する。
(S8):電力供給時間検出部8と電力供給一時停止検出部9とは、商用電源からの電力供給があるか否かを判定する。商用電源からの電力供給があると判定した場合(S8でYes)、電力供給時間検出部8は(S9)へ進む。一方、商用電源からの電力供給がないと判定した場合(S8でNo)、電力供給一時停止検出部9は(S17)へ進む。
(S9):電力供給時間検出部8(電源計測部)は、電力供給時間Tonのカウントを継続する。
(S10):電力供給時間検出部8(期間判定部)は、電力供給時間Ton時間が10秒(第1の期間)以上であるか否かを判定する。なお、(S10)で判定する電力供給時間Ton時間を10秒以上としたが、電力供給時間Ton時間は例えば15秒以上等、任意に設定してよい。電力供給時間が10秒以上と判定した場合(S10でYes)、電力供給時間検出部8(期間判定部)は(S11)へ進む。一方、電力供給時間Tonが10秒に未満であると判定した場合(S10でNo)、電力供給時間検出部8(期間判定部)は電力供給時間Tonのカウントを継続するため(S8)へ戻る。
(S11):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出回数Foffが3回(第1の回数)であるか判定する。なお、(S11)で判定する電力供給一時停止検出回数Foffを3回としたが、電力供給一時停止検出回数Foffは2回であっても、3回より多くてもよい。電力供給一時停止検出回数Foffが3回であると判定した場合(S11でYes)、マイクロコンピュータ6(カウント部)は(S12)へ進む。一方、電力供給一時停止検出回数Foffが3回でないと判定した場合(S11でNo)、マイクロコンピュータ6(カウント部)は(S15)へ進む。
(S12):マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、点灯モードSHを順送り処理する。順送り処理とは、詳しくは後述するが、調光レベルを次に明るい又は暗いレベルに切り替える処理である。マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、例えば100%点灯であったときは、70%点灯に点灯モードSHを切り替える処理を行う。
(S13):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出回数Foffを0回に設定する。つまり、電力供給一時停止検出回数Foffをリセットする。
(S14):マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、(S12)で順送り処理を行い切り替えした点灯モードで、放電灯の点灯制御を開始する。つまり、放電灯の調光レベルを変更する。
(S15):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出回数Foffを0回とする。つまり、電力供給一時停止検出回数Foffをリセットする。
(S16):マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、この時点で放電灯を点灯している点灯モードSHを継続する。つまり、マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、100%点灯しているときは、点灯モードSHを変更することなく100%での点灯を維持する。
(S17):電力供給一時停止検出部9は、商用電源OFFを検出する。
(S18):点灯装置は、商用電源OFF時の処理へ移行する。」
(オ)
「【0016】
図5に基づき、商用電源オフ時の処理について説明する。図5は、商用電源オフ時の点灯装置の動作を示すフローチャートである。
商用電源がオフにされた場合、商用電源がオンの時に制御回路用電源11に充電される電界コンデンサの残留電荷により一定時間電源がマイクロコンピュータ6等へ供給される。つまり、商用電源がオフされた場合であっても、マイクロコンピュータ6等の機能は一定時間動作することができる。
(S21):電力供給一時停止検出部9(電源計測部)は、商用電源がオフにされると、電力供給一時停止時間Toff(電源から電力が供給されない停止状態が継続した期間)を初期化する。
(S22):電力供給一時停止検出部9(電源計測部)は、電力供給一時停止時間Toffの計測を開始する。
(S23):電力供給一時停止検出部9(電源計測部)は、電力供給一時停止時間Toffのカウントを継続する。
(S24):電力供給一時停止検出部9(期間判定部)は、電力供給一時停止時間Toffが3秒(第2の期間)を超えるか否かを判定する。なお、(S24)で判定する電力供給一時停止時間Toffを3秒を超えるとしたが、電力供給一時停止時間Toffは例えば5秒を超える等、任意に設定してよい。電力供給一時停止時間Toffが3秒を越えないと判定した場合(S24でNo)、電力供給一時停止検出部9(期間判定部)は(S25)へ進む。一方、電力供給一時停止時間Toffが3秒を超えると判定した場合(S24でYes)、電力供給一時停止検出部9(期間判定部)は(S29)へ進む。
(S25):電力供給時間検出部8(電源計測部)と電力供給一時停止検出部9(電源計測部)とは、商用電源からの電力供給があるか否かを判定する。商用電源からの電力供給があると判定した場合(S25でYes)、電力供給時間検出部8(電源計測部)は(S26)へ進む。一方、商用電源からの電力供給がないと判定した場合(S25でNo)、電力供給時間検出部8(電源計測部)は電力供給一時停止時間Toffのカウントを継続するため、(S23)へ戻る。
(S26):電力供給時間検出部8(電源計測部)は、商用電源がオンであると検出する。
(S27):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出ありと判定する。そして、記憶部10(カウント記憶部)は、電力供給一時停止検出情報に電力供給一時停止ありと記憶する。
(S28):点灯装置は、商用電源オン時の処理に移行する。
(S29):マイクロコンピュータ6(カウント部)は、電力供給一時停止検出なしと識別する。そして、記憶部10(カウント記憶部)は、電力供給一時停止検出情報に電力供給一時停止なしを記憶する。」
(カ)
「【0017】
つまり、以上の処理をまとめると、電源スイッチがオフにされ点灯装置に電力が供給されなくなると、電力供給一時停止検出部9(電源計測部)は、この電力供給が停止している時間を計時する。そして、計時した時間が所定の時間(上記では3秒)以下である場合、電力供給一時停止であったことを示すフラグを記憶部10(カウント記憶部)に記憶する。このとき、マイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9は電界コンデンサの残留電荷やバッテリなどの二次電池により動作している。
再び電源スイッチがオンにされると、マイクロコンピュータ6は記憶部10(カウント記憶部)が記憶したフラグにより電力供給一時停止であったか否かを判定する。電力供給
一時停止であった場合には、カウントに1加算する。そして、電力供給時間検出部8(電源計測部)は、電力供給がされている期間を計時する。計時した時間が所定の時間(上記では10秒)を超えた場合には、カウントを初期化する。
さらに、計時した時間が所定の時間(上記では10秒)以内に電源スイッチがオフにされ、また所定の時間(上記では3秒)以内に電源スイッチがオンにされるという動作が繰り返され、電力供給一時停止であったと所定の回数(上記では3回)連続して判定され、電力供給がされている時間が所定時間(上記では10秒)経過すると、マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、新たな放電灯の点灯状態の設定情報を記憶部10から取得する(順送り処理)。そして、記憶部10(調光レベル記憶部)は、取得した設定情報を現在の設定情報として記憶する。また、マイクロコンピュータ6(点灯回路制御部)は、放電灯の明るさを変更するようにドライブ回路5へインバータ回路3の出力電力を変更する信号を出力する。
【0018】
以上のように、商用電源のオン/オフ操作に応じて放電灯の点灯状態(調光レベル)をユーザーが任意に設定することができる。
・・・
また、電源スイッチのオン/オフ操作によって、放電灯の点灯状態を変更することができるので、照明器具を変更することなく、ユーザーの所望の明るさに設定することができる。・・・」
(キ)
「【0021】
また、上記説明では光源が放電灯の場合について説明したが、白熱電球や白色LEDなどの光源であってもよい。」

上記記載事項(オ)の段落【0016】の「商用電源がオフにされた場合、商用電源がオンの時に制御回路用電源11に充電される電界コンデンサの残留電荷により一定時間電源がマイクロコンピュータ6等へ供給される。」との記載と、上記記載事項(カ)の段落【0017】の「・・・電源スイッチがオフにされ点灯装置に電力が供給されなくなると、・・・このとき、マイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9は電界コンデンサの残留電荷やバッテリなどの二次電池により動作している。」との記載からみて、制御回路用電源11はバッテリなどの二次電池からなるものを含むものと認められる。
そうすると、上記記載事項(ア)?(カ)及び【図1】?【図6】の開示内容からみて、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「光源である放電灯23と点灯装置とを備えた照明器具20と、
照明器具20との接続を制御する第1の電源スイッチ25と、商用電源との接続を制御する第2の電源スイッチ26とからなる電源スイッチと、
電源スイッチがオンになった状態で、交流電力を直流電力に変換する電源整流回路1とアクティブフィルタ回路2と、
アクティブフィルタ回路2で昇圧された直流電圧を高周波の交流電力に変換して放電灯に電力を供給する、点灯回路制御部に接続されたインバータ回路3と、
商用電源がオンの時に充電される制御回路用電源11と、
電源スイッチがオンになり、商用電源からの電流の供給が継続した期間である電力供給時間Tonを計測し、電力供給時間Tonが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給時間検出部8と、
電源スイッチがオフになり、商用電源からの電流の供給の停止が継続した期間である電力供給一時停止時間Toffを計測し、電力供給一時停止時間Toffが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給一時停止検出部9と、
所定時間内の電力供給一時停止時間Toffと所定時間内の電力供給時間Tonとがそれぞれ所定の時間以内で切り替えされたときに、電源スイッチのオン/オフ操作が連続して所定の回数行われたことを判定するマイクロコンピュータ6のカウント部と、
前記電源スイッチのオン/オフ操作が所定の回数行われたことを判定された場合に調光レベルを切り替えるマイクロコンピュータ6の点灯回路制御部と、
を含み、
制御回路用電源11は、商用電源がオフされた場合であっても、マイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9を動作させるように、バッテリなどの二次電池で構成されている
照明システム装置。」

3.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
(ア)
後者の「光源である放電灯23」は、前者の「光を発光するLEDモジュール」と、「光源」である限りにおいて一致する。
そして、後者の「照明器具20との接続を制御する第1の電源スイッチ25と、商用電源との接続を制御する第2の電源スイッチ26とからなる電源スイッチ」は、前者の「LEDモジュールに供給される交流電源をオン/オフにする電源スイッチ」と、「光源に供給される交流電源をオン/オフにする電源スイッチ」である限りにおいて一致する。
(イ)
後者の「電源スイッチがオンになった状態で、交流電力を直流電力に変換する電源整流回路1とアクティブフィルタ回路2」は、前者の「電源スイッチがオンになった状態で、交流電力を直流電力に変換する電力変換部」に相当する。
(ウ)
後者の「商用電源がオンの時に充電される制御回路用電源11」は、「商用電源がオフされた場合であっても、マイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9を動作させるように、バッテリなどの二次電池で構成されている」ものである。
二次電池へ商用電源から充電するに際し、交流から直流に変換する変換部を要することは明らかであり、後者において当該変換は電源整流回路1またはアクティブフィルタ回路2でしか行われていないことに鑑みれば、後者の「商用電源がオンの時に充電される制御回路用電源11」は電源整流回路1またはアクティブフィルタ回路2に接続されていると認められ、前者の「電力変換部に連結され、電源スイッチがオンになった状態で、供給された電力を二次電池に充電する充電部」に相当するといえる。
また、後者の「制御回路用電源11」は「商用電源がオンの時に充電され」、「商用電源がオフされた場合であっても、マイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9を動作させるように、バッテリなどの二次電池で構成されている」ことは、前者の「充電部は、電源スイッチがオンになった状態で電力を二次電池に充電して待機し、電源スイッチがオフになった状態で制御部及びタイマー部に電力を供給することにより、制御部及び前記タイマー部を正常に作動させるように、電力を反復的に充電できる二次電池で構成されること」に相当する。
(エ)
本願の明細書には次のとおり記載されている。
「【0044】
次に、タイマー部170は、前記充電部160に連結され、前記電源スイッチ10のオン/オフ(ON/OFF)切替周期及びオン/オフ(ON/OFF)切替反復回数を感知し、感知された情報を前記制御部150及び後述するディミング回路部180に伝達する構成要素である。具体的に、このタイマー部170は、一定周期内の前記電源スイッチ10の電源オン動作および電源オフ動作の時間差に基づいて一定周期内のオン/オフ(ON/OFF)切替周期を感知し、予め設定された一定周期内で前記電源スイッチ10のオン/オフ(ON/OFF)動作が反復的に発生する場合、その回数を感知する。前記タイマー部170は、は感知された周期及び反復回数を前記制御部150に伝送する。
【0045】
一方、前記タイマー部170は、前記電源スイッチ10がオフ(OFF)になった状態で設定された周期内で前記電源スイッチ10のオン(ON)動作が行われないと、これは単純にユーザーがLEDランプをオフにすることを意味するので、前記制御部150に電源のオフ(OFF)信号を伝達する。」
当該記載によれば、タイマー部170は、電源スイッチ10の電源オン動作から電源オフ動作までの時間差、あるいは、電源オフ動作から電源オン動作までの時間差、すなわち、電源スイッチ10により電源オンとされている時間、あるいは、電源オフとされている時間が、それぞれ予め設定された周期内にあるか否かを判定し、周期内にあるオン/オフ動作の反復回数を計測しているものと認められる。
後者の「電源スイッチがオンになり、商用電源からの電流の供給が継続した期間である電力供給時間Tonを計測し、電力供給時間Tonが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給時間検出部8」と「電源スイッチがオフになり、商用電源からの電流の供給の停止が継続した期間である電力供給一時停止時間Toffを計測し、電力供給一時停止時間Toffが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給一時停止検出部9」とは、それぞれ電力供給時間Ton及び電力供給一時停止時間Toff、すなわち、電源スイッチがオンになっている時間及びオフになっている時間を測定するものであり、当該オンになっている時間及びオフになっている時間はそれぞれの周期であるといえる。
また、後者の「所定時間内の電力供給一時停止時間Toffと所定時間内の電力供給時間Tonとがそれぞれ所定の時間以内で切り替えされたときに、電源スイッチのオン/オフ操作が連続して所定の回数行われたことを判定するマイクロコンピュータ6のカウント部」は、商用電源からの電流の供給が所定時間内にオン/オフしたとき、すなわち、所定周期内にオン/オフしたときに、そのオン/オフの繰り返しが所定回数であるかを判定するものであるといえる。
そして、後者の制御回路用電源11はマイクロコンピュータ6や電力供給一時停止検出部9に接続されている。
そうすると、後者の「電源スイッチがオンになり、商用電源からの電流の供給が継続した期間である電力供給時間Tonを計測し、電力供給時間Tonが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給時間検出部8と、電源スイッチがオフになり、商用電源からの電流の供給の停止が継続した期間である電力供給一時停止時間Toffを計測し、電力供給一時停止時間Toffが所定の時間以上であるか否かを判定する電力供給一時停止検出部9と、所定時間内の電力供給一時停止時間Toffと所定時間内の電力供給時間Tonとがそれぞれ所定の時間以内で切り替えされたときに、電源スイッチのオン/オフ操作が連続して所定の回数行われたことを判定するマイクロコンピュータ6のカウント部と」からなる構成は、前者の「充電部に連結され、電源スイッチのオン/オフ切替周期及びオン/オフ反復回数を測定するタイマー部」に相当する。
(オ)
後者の「前記電源スイッチのオン/オフ操作が所定の回数行われたことを判定された場合に調光レベルを切り替えるマイクロコンピュータ6の点灯回路制御部」における「前記電源スイッチのオン/オフ操作が所定の回数行われたことを判定された場合」とは、上記(エ)で述べたように、所定周期内のオン/オフ操作が所定回数行われたと判定された場合である。
そして、後者の制御回路用電源11はマイクロコンピュータ6に接続されており、上記(ウ)で述べたとおり、後者の制御回路用電源11は電源整流回路1またはアクティブフィルタ回路2に接続されていると認められるので、マイクロコンピュータ6は制御回路用電源11及び電源整流回路1またはアクティブフィルタ回路2に接続されているといえる。
そうすると、後者の制御回路用電源11及び電源整流回路1またはアクティブフィルタ回路2が接続された「オン/オフ操作が所定の回数である場合に調光レベルを切り替えるマイクロコンピュータ6の点灯回路制御部」は、前者の「電力変換部及び充電部にそれぞれ連結され、タイマー部で測定された電源スイッチのオン/オフ切替周期及び反復回数に応じて、LEDモジュールの明るさを制御する制御部」と、「電力変換部及び充電部にそれぞれ連結され、タイマー部で測定された電源スイッチのオン/オフ切替周期及び反復回数に応じて、光源の明るさを制御する制御部」である限りにおいて一致する。
(カ)
後者の「マイクロコンピュータ6」はプログラムで動作することは明らかであるので、後者の「前記オン/オフ操作が所定の回数行われたことを判定された場合に調光レベルを切り替えるマイクロコンピュータ6の点灯回路制御部」が、プログラムにより実行されるものであることも明らかである。
そうすると、後者の「前記オン/オフ操作が所定の回数行われたことを判定された場合に調光レベルを切り替えるマイクロコンピュータ6の点灯回路制御部」は、そのようなプログラムが内蔵されていることを意味するので、前者の「制御部には、設定された期間内で行われる電源スイッチのオン/オフ反復回数に応じて、LEDモジュールの明るさを設定するプログラムが内蔵され」ることと、「制御部には、設定された期間内で行われる電源スイッチのオン/オフ反復回数に応じて、光源の明るさを設定するプログラムが内蔵され」る限りにおいて一致する。
(キ)
後者の「照明システム装置」は電源スイッチにより調光レベルを切り替えられるものであるので、前者の「電源スイッチを用いたディミング機能を有するエネルギー節約型LEDランプ」と、「電源スイッチを用いたディミング機能を有する照明システム装置」である限りにおいて一致する。

そうすると、両者は、
「光源と、
光源に供給される交流電源をオン/オフにする電源スイッチと、
前記電源スイッチがオンになった状態で、交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、
前記電力変換部に連結され、前記電源スイッチがオンになった状態で、供給された電力を二次電池に充電する充電部と、
前記充電部に連結され、前記電源スイッチのオン/オフ切替周期及びオン/オフ反復回数を測定するタイマー部と、
前記電力変換部及び充電部にそれぞれ連結され、前記タイマー部で測定された前記電源スイッチのオン/オフ切替周期及び反復回数に応じて、前記光源の明るさを制御する制御部と、を含み、
前記制御部には、設定された期間内で行われる前記電源スイッチのオン/オフ反復回数に応じて、前記光源の明るさを設定するプログラムが内蔵され、
前記充電部は、前記電源スイッチがオンになった状態で電力を二次電池に充電して待機し、前記電源スイッチがオフになった状態で前記制御部及びタイマー部に電力を供給することにより、前記制御部及び前記タイマー部を正常に作動させるように、電力を反復的に充電できる二次電池で構成される
電源スイッチを用いたディミング機能を有する照明システム装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
〔相違点〕
本願発明は、光源を「LEDモジュール」とした「エネルギー節約型LEDランプ」であるのに対して、引用発明は、光源をインバータ回路3から高周波の交流電力が供給されることにより点灯する「放電灯」とした「照明システム」である点。

上記相違点について検討する。
〔相違点について〕
引用発明は、光源を白色LEDとしうるものである(上記2.(キ)を参照)。
LEDと点灯装置とを内蔵した一体のLEDランプを構成することは周知の事項であり(例えば、特開2009-32636号公報を参照)、LEDとその駆動に関わる点灯装置とをモジュール化することも周知である。また、LEDランプが、従来の白熱電球や放電灯を光源とした照明器具に比して省電力であることも周知の事項である。
そうしてみると、引用発明のインバータ回路及び放電灯に換えて、モジュール化した点灯装置とLEDとを採用し、LEDモジュールを備えた省電力型のLEDランプとし、相違点に係る本願発明の構成とすることは、刊行物1記載の事項及び周知の事項に基づいて当業者が容易に想到し得たといえる。

そして、本願発明の奏する作用効果を検討しても、引用発明、刊行物1記載の事項及び周知慣用の事項から、当業者が予測しうる範囲内のものであって、格別のものとはいえない。

以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、刊行物1記載の事項及び周知慣用の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、引用発明、刊行物1記載の事項及び周知慣用の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-10-20 
結審通知日 2015-10-27 
審決日 2015-11-11 
出願番号 特願2012-541012(P2012-541012)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柿崎 拓米山 毅  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 平田 信勝
櫻田 正紀
発明の名称 ディミング機能又はムード照明調節機能を有するエネルギー節約型LEDランプ  
代理人 ▲吉▼川 俊雄  

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