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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  E21B
管理番号 1313514
審判番号 無効2013-800231  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-12-17 
確定日 2016-04-28 
事件の表示 上記当事者間の特許第3640371号発明「穿孔工法用回転反力支持装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3640371号(請求項の数[3]、以下、「本件特許」という。)は、平成10年9月7日に特許出願された特願平10-252347号に係るものであって、その請求項1?3に係る発明について、平成17年1月28日に特許権の設定登録がなされた。
そして、平成25年12月17日に、本件特許の請求項1?3に係る発明の特許に対して、本件無効審判請求人(以下「請求人」という。)により本件無効審判〔無効2013-800231号〕が請求されたものであり、本件無効審判被請求人(以下「被請求人」という。)により指定期間内の平成26年3月11日付けで審判事件答弁書が提出され、同年5月7日付けで請求人より上申書が提出され、同年6月11日付けで請求人及び被請求人より口頭審理陳述要領書が提出され、同年6月16日及び同年6月25日付けで被請求人より上申書が提出され、同年6月25日に口頭審理が行われ、同年7月9日付けで請求人より上申書が提出され、同年7月24日付けで被請求人より上申書が提出されたものである。

第2 当事者の主張
1.請求人の主張、及び提出した証拠の概要
請求人は、特許3640371号の請求項1?3に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書、平成26年5月7日付け上申書、同年6月11日付け口頭審理陳述要領書、同年7月9日付け上申書及び、同年6月25日の口頭審理において、甲第1?7号証を提示し、以下の無効理由を主張した。

[無効理由]
本件特許の請求項1?3に係る発明は、本件特許出願日前に頒布された甲第1号証?甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は特許法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。

なお、甲第5号証は、本件特許の出願過程時の状況を説明するためのものである。
また、平成26年7月9日付け上申書では、「『ダウンザホールハンマ工法』の技術要素を『アースオーガ工法』の技術要素に転用して組み合わせることが当業者にとって容易であることを示す」として甲第6号証が、『ケーシングによって孔壁の崩壊防止を行わせながら、このケーシングによって回転反力を得る技術』が本件特許の出願前から公知であることを示す」として甲第7号証が提出されたが、平成26年6月25日の口頭審理で確認した上記無効理由を変更するとはされていないので、請求人の主張する無効理由は、口頭審理調書に記載されている、上記のものとして取り扱う。

[証拠方法]
甲第1号証:特開平9-195655号公報
甲第2号証:特開昭62-112816号公報
甲第3号証:特開昭63-219787号公報
甲第4号証:登録実用新案第3048609号公報
甲第5号証:本件特許の平成16年4月15日付け手続補正書の写し
甲第6号証:日本建設機械化協会出版、土木雑誌「建設の機械化」1995年9月号(平成7年9月25日発行)の「岩盤削孔基礎杭工法」部分の部分複写物
甲第7号証:特開昭55-78786号公報

2.被請求人の主張
これに対して、被請求人は、平成26年3月11日付け審判事件答弁書、同年6月11日付け口頭審理陳述要領書、同年6月16日付け上申書、同年6月25日付け上申書、同年7月24日付け上申書及び、同年6月25日の口頭審理において、乙第1,2号証を提示し、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、請求人の無効理由に対して以下のように反論した。

[無効理由に対する反論]
請求人の主張する無効理由には理由がない。

[証拠方法]
乙第1号証:雑誌「土木施工」平成13年(2001年)8月号Vol.42No9 発行元インデックス出版 第3頁?第11頁「下部工における新しい桟橋・構台の構築方法」の写し
乙第2号証:請求人会社(株式会社 高知丸高)のパンフレット「ドーナツ・ダブルオーガー(セパレート)工法」の写し

第3 本件に係る発明
本件特許の請求項1?3に係る発明は特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。(「A.」?「K.」の文字は当審で付与。)
「【請求項1】
A.先端に掘削ビットを挿着したインナーロッドを回転駆動装置に連結し、重機のブーム先端から懸垂状態で当該回転駆動装置を吊下げ、上記インナーロッドの外周側に設けたアウターケーシングの回転を拘束しながら、当該回転駆動装置の回転力を用いて掘削を行う穿孔工法に用いる回転反力支持装置において、
B.上記回転駆動装置に連結されたインナーロッドの外周に、着脱自在に併設したアウターケーシングと、
C.上記アウターケーシングの外側面であって軸方向に固設された第1の反力プレートと、
D.上記回転駆動装置に設けられ、上記アウターケーシングの第1の反力プレートに対して干渉するようになっている第2の反力プレートと、
E.穿孔芯を確保するための枠組み状のガイドフレームに設けられ、上記アウターケーシングの径に相当するスパンを介して当該ガイドフレームに固設されている反力アームと、を有しており、
F.上記アウターケーシングと上記回転駆動装置とは、互いに固定連結されておらず、
G.上記アウターケーシングに設けられた第1の反力プレートに対しては、上記回転駆動装置側に設けた第2の反力プレートが、上記インナーロッドの回転方向において自在に係合するようになっており、
H.上記回転駆動装置によって上記インナーロッドに回転力を付与し始めた際に、当該回転駆動装置の第2の反力プレートが、上記アウターケーシングの第1の反力プレートに対して係合し、
I.上記回転駆動装置によって上記インナーロッドに回転力を付与している間、上記アウターケーシングの第1の反力プレートを、穿孔芯を確保する上記ガイドフレームに固設された反力アームに係合させ、それによって上記回転駆動装置の反力を確保するようになっていることを特徴とする穿孔工法用回転反力支持装置。
【請求項2】
J.上記反力アームが、ガイドフレームに対して位置変更自在に固設されることを特徴とする請求項1記載の穿孔工法用回転反力支持装置。
【請求項3】
K.上記反力アームのフランジに、上記反力プレートが係合自在な切り欠きが軸方向に2箇所以上形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の穿孔工法用回転反力支持装置。」(以下、「本件特許発明1」等という。)


第4 無効理由についての当審の判断
1.甲第1?甲第4号証の記載事項
(1)甲第1号証の記載事項
本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第1号証には、掘削装置に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記アースオーガ装置のような掘削装置では、オーガマシンの駆動時の回転反力を受支するために必ずリーダが必要となる。しかして、リーダの長さが長くなると、施工現場内でのリーダの移動作業や、現場へのリーダの搬入及び現場からの搬出作業に非常な手間と時間を要する。また、傾斜地での地盤掘削にあっては、クローラクレーンの接地面とリーダの接地面との段差が大きい場合にリーダの長さを長くとれず、掘削深さが制限されることになる。
【0004】本発明は、上記の課題に鑑み、リーダを使用せずに地盤の掘削を行うことができて作業能率を向上でき、また傾斜地での地盤掘削においてクレーンの接地面とリーダの接地面との間に可成りの段差がある場合でも、リーダを十分に長くできて必要な深さまで掘削を行える掘削装置を提供することを目的とする。」
(イ)「【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の掘削装置は、昇降可能に支持される回転駆動装置1と、先端に掘削ビット27を有し、回転駆動装置1下部の回転駆動軸3に一体回転可能に連結される掘削軸部材2と、掘削軸部材2に套嵌されると共に、回転駆動装置1の機枠6に一体的に垂下連結される固定ケーシング5と、掘削すべき地盤上の所定箇所に水平に設置され、固定ケーシング5を上下方向に自由に挿通させるが該固定ケーシング5の回転を阻止することができるケーシング挿通孔8を有するケーシング回り止め部材7と、からなるものである。」
(ウ)「【0006】この掘削装置の使用にあっては、クレーンブームMから昇降操作用ワイヤーWを介して回転駆動装置1を吊支し、この回転駆動装置1の下部から固定ケーシング5及び掘削軸部材2を垂下した状態で、固定ケーシング5を、地盤上の所定箇所(掘孔箇所18)に固定されているケーシング回り止め部材7のケーシング挿通孔8に挿入させる。こうして固定ケーシング5をケーシング回り止め部材7のケーシング挿通孔8に挿入することにより、固定ケーシング5は、上下方向に移動可能であるがその回転が阻止される。つまり、回転駆動装置1の回転反力はケーシング回り止め部材7によって受支されることになる。しかして、昇降操作用ワイヤーWを繰り出しつつ、回転駆動装置1を作動させて掘削軸部材2を回転させながら地盤を掘削する。」
(エ)「【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の掘削装置において、固定ケーシング5は円筒状のケーシングからなり、この円筒状固定ケーシング5の外周面に係合用突条部17が長手方向全長に亘って条設されており、ケーシング回り止め部材7は、前記円筒状固定ケーシング5が挿通可能な円形孔部8aと、この円形孔部8aの内周部に凹設されていて前記係合用突条部17が挿通可能な係合用凹部8bとからなるケーシング挿通孔8を備えてなるものである。」
(オ)「【0015】前記固定ケーシング5は、円筒状のケーシングからなるもので、図1?図3に示すように、その外周面に例えば2条の係合用突条部17,17が周方向に一定間隔でそれぞれ長手方向全長に亘って一体または一体的に条設されている。」
(カ)「【0016】次に、ケーシング回り止め部材7について図4?図7を参照して説明すると、ケーシング回り止め部材7は、例えば厚板状の鉄板によって形成されたもので、前記円筒状固定ケーシング5の外径よりわずかに大きい内径を有して当該ケーシング5が挿通可能な円形孔部8aと、この円形孔部8aの内周部の直径方向対向位置に凹設されて、前記両係合用突条部17,17がそれぞれ挿通可能な係合用凹部8b,8bとからなるケーシング挿通孔8を備えている。そして、このケーシング回り止め部材7は、図4及び図7に示すように、掘削地盤上の掘孔箇所18(図4参照)を挟んでその両側に水平に敷設された長尺状の横向きH形鋼からなる一対の支持部材19,19上に載設固定されるようになっている。
【0017】また、ケーシング回り止め部材7は、図4及び図5に示すように、横向きH形鋼よりなる前記支持部材19の長手方向と直交する方向の分割線に沿って2分割された一対の半割板7a,7bからなるもので、一方の半割板7aの分割端部上には、他方の半割板7bの分割端部上に重合するように載置される連結片20,20が溶接によって固着されており、各連結片20とこれと重なり合う他方の半割板7bの所要部にボルト挿通孔21,22がそれぞれ複数個設けてある。
【0018】そして、前記両支持部材19,19の上面には、図4及び図7に示すように、ケーシング回り止め部材7を、両支持部材19,19間の間隔方向中心位置に位置決めするための例えば4個の位置決め突起23が、各掘孔箇所18ごとに、支持部材19長手方向に所定のピッチで突設されており、またケーシング回り止め部材7には各半割板7a,7bの所要部位に、前記各位置決め突起23が係合可能な係合部24が設けられている。また、両支持部材19,19には、図7に示すように、ケーシング回り止め部材7を、上記位置決め突起23と係合部24とで所定位置に位置決した状態でボルト25によりボルト止めするためのボルト孔26が設けられている。」

(キ)上記(イ)(ウ)を参酌すると、第1図には、先端に掘削ピット27を挿着した掘削軸部材2を回転駆動装置1に連結し、クレーンブームM先端から懸垂状態で回転駆動装置1を吊下げ、掘削軸部材2の外周側に設けた固定ケーシング5の回転を拘束しながら、回転駆動装置1の回転力を用いて掘削を行う穿孔工法に用いる回転反力支持装置が記載されている。

上記記載事項から、甲第1号証には、次の発明が記載されているものと認められる。
「昇降可能に支持される回転駆動装置1と、先端に掘削ビット27を有し、回転駆動装置1下部の回転駆動軸3に一体回転可能に連結される掘削軸部材2と、掘削軸部材2に套嵌されると共に、回転駆動装置1の機枠6に一体的に垂下連結される固定ケーシング5と、掘削すべき地盤上の所定箇所に水平に設置され、固定ケーシング5を上下方向に自由に挿通させるが該固定ケーシング5の回転を阻止することができるケーシング挿通孔8を有するケーシング回り止め部材7と、からなる掘削装置であって、
固定ケーシング5は円筒状のケーシングからなり、この円筒状固定ケーシング5の外周面に係合用突条部17が長手方向全長に亘って条設されており、ケーシング回り止め部材7は、前記円筒状固定ケーシング5が挿通可能な円形孔部8aと、この円形孔部8aの内周部に凹設されていて前記係合用突条部17が挿通可能な係合用凹部8bとからなるケーシング挿通孔8を備えてなるものであり、
掘削装置の使用にあっては、クレーンブームMから昇降操作用ワイヤーWを介して回転駆動装置1を吊支し、この回転駆動装置1の下部から固定ケーシング5及び掘削軸部材2を垂下した状態で、固定ケーシング5を、地盤上の所定箇所(掘孔箇所18)に固定されているケーシング回り止め部材7のケーシング挿通孔8に挿入させる。こうして固定ケーシング5をケーシング回り止め部材7のケーシング挿通孔8に挿入することにより、固定ケーシング5は、上下方向に移動可能であるがその回転が阻止される。つまり、回転駆動装置1の回転反力はケーシング回り止め部材7によって受支されることになる。しかして、昇降操作用ワイヤーWを繰り出しつつ、回転駆動装置1を作動させて掘削軸部材2を回転させながら地盤を掘削する掘削装置に係り、
先端に掘削ピット27を挿着した掘削軸部材2を回転駆動装置1に連結し、クレーンブームM先端から懸垂状態で回転駆動装置1を吊下げ、掘削軸部材2の外周側に設けた固定ケーシング5の回転を拘束しながら、回転駆動装置1の回転力を用いて掘削を行う穿孔工法に用いる回転反力支持装置。」(以下、これを「甲第1号証記載の発明」という。)

(2)甲第2号証の記載事項
本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第2号証には、くいの建込み工法に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「アースオーガー1とケーシング20との係合を解き両者を離間させた後、ロープ16及びケーシング吊上装置3を介してアースオーガー1及びスクリュー22を順次吊上げていき、スクリュー22をケーシング1より脱抜する。いわゆるケーシング20を地中に置き去りとし、くい孔30の崩壊を略完全に防止するのである。」(3頁左上欄3?9行)
(イ)「アースオーガー1を一方向へ回転することにより、固定筒18の係止片19がケーシング20の上端に内設した係合溝21より脱外されるので、このアースオーガー1とケーシング20との係合が解かれ、両者は離間可能となる。」(4頁右上欄13?18行)
(ウ)「ケーシング20は地中に埋設したままとし、このケーシング20よりスクリュー22を脱抜する同図(ハ)の状態となる。いわゆるケーシング20を地中に置き去りとし、くい孔30の崩壊を略完全に防止するのである。」(4頁左下欄1?6行)

(エ)上記(イ)の記載を参酌すると、第1図、第3図及び第4図には、アースオーガー1に連結されたスクリュー22の外周に、着脱自在にケーシング20を併設する構成が記載されていると言える。

(3)甲第3号証の記載事項
本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第3号証には、削孔装置に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「(従来装置)
従来平坦地を除く斜面状の地形部に基礎杭や山留め杭等を打ち込む目的で削孔を必要とする場合には第6図に示すように斜面1に仮設桟橋2を構築するか或いは第7図に示すように斜面1の土砂を段切り掘削してその上に回転式又は回転打撃式の削孔機3を搭載固定して削孔している。
この削孔の為の仮設工事は削孔機3の大きさ、削孔仕様等により規模の大小はあるが工事量全体の20?30%を占める場合があり、特に1本当たりの削孔長が比較的浅い場合はこの割合が更に増加することになる。
(発明の目的)
本発明の目的は上記のような欠点を除去した削孔装置を得るにある。」(1頁右上欄5行?2頁左上欄1行)
(イ)「固定スリーブ管12の内周面にその上端から所定ストローク長さだけ下方に延びるよう例えば互いに180°離間した位置で内方に突出して設けた帯状突起15と、この帯状突起15の側面に係合するよう前記回転駆動部8の外周面に互いに180°離間した位置で外方に突出するように設けたストッパー16とにより構成する。」(2頁右上欄13?20行)
(ウ)「この結果回転出力軸9の回転と共に回転駆動部8も一体に回転するが、回転駆動部8のストッパー16が固定スリーブ管12の帯状突起15と係合した状態で回転駆動部8の回動が停止し、回転出力軸9の回転が削孔用具10に伝達されるようになる。」(2頁左下欄12?17行)
(エ)「(発明の効果)
上記のように本発明削孔装置によれば仮設桟橋等を構築する必要がなく、又如何なる地点にも極めて容易に削孔することが出来る大きな利益がある。」(3頁左上欄3?7行)

(4)甲第4号証の記載事項
本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第4号証には、オーガ削孔装置に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【0002】
【従来の技術】
基礎杭等を構築するため地面に穴をあける場合、リーダマシンのリーダにオーガを取り付けて削孔する工法が従来普通に用いられている。このようなものでは、掘削すべき穴の数が多い場合、穴から穴へリーダーマシンを移動しなければならないので、作業能率が悪い。また、狭い所や傾斜地にはリーダマシンが入れないので、穴を掘れる場所が限定される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は、オーガをクレーンで吊り下げたまま削孔作業を行うようにし、クレーンの腕の旋回圏内であれば、どこでも穴を掘削できるようにすることを課題とする。」
(イ)「【0007】
穴を掘削すべき地面には、図2にも示すように、2本のH形鋼からなる架台11を水平に設置し、その上に位置決め枠12を載せる。位置決め枠は4本の枠体12a(これもH形鋼)からなり、これを架台11の上に井桁状に載せる。これら4本の杆体11aで円筒ケーシング6を四方から挟み込み、クランプ13を使って下段の杆体は架台に、上段の杆体は下段の杆体にそれぞれ固定する。各杆体12aの内側には案内溝14を形成し、この溝に係合する案内部材(角棒)15を円筒ケーシング6に上下方向に溶接する。
【0008】
この装置で穴を掘削するには、削孔装置をクレーンで鉛直に吊り下げて、下端を架台11の間に入れ、架台上に固定した位置決め枠12で円筒ケーシング6を挟持する。このとき、杆体12aの案内溝14に、円筒ケーシング付きの案内部材15を係合させる。
【0009】
こうしておいて、電動モータ2を始動し、オーガ7を回転駆動する。オーガが回って、オーガヘッド9で岩盤を掘削すると、その反動で、回転駆動部1および円筒ケーシング6は反対方向に回ろうとする。しかし、円筒ケーシング6に固定された案内部材15が位置決め枠12の案内溝14に係合しているので、円筒ケーシング6および駆動部1は回転しない。」

2.本件特許発明1と甲第1号証記載の発明との対比
本件特許発明1と甲第1号証記載の発明を対比する。
(a)甲第1号証記載の発明の「掘削軸部材2」は、本件特許発明1の「インナーロッド」に相当し、以下同様に、
「クレーンブームM」は、「重機のブーム」に、
「固定ケーシング5」は、「アウターケーシング」に相当する。
(b)甲第1号証記載の発明の「固定ケーシング5」は、「回転駆動装置1下部の回転駆動軸3に一体回転可能に連結される掘削軸部材2・・に套嵌されると共に、回転駆動装置1の機枠6に一体的に垂下連結される」ものであるから、甲第1号証記載の発明の「固定ケーシング5」と、本件特許発明1の「回転駆動装置に連結されたインナーロッドの外周に、着脱自在に併設したアウターケーシング」とは、回転駆動装置に連結されたインナーロッドの外周に、設けられたアウターケーシングである点で共通する。
(c)甲第1号証記載の発明の「係合用突条部17,17」は、「円筒状固定ケーシング5の外周面に係合用突条部17が長手方向全長に亘って条設され」たものであるから、本件特許発明1の「アウターケーシングの外側面であって軸方向に固設された第1の反力プレート」に相当する。

一致点:
そうすると、両者は、
「A.先端に掘削ビットを挿着したインナーロッドを回転駆動装置に連結し、重機のブーム先端から懸垂状態で当該回転駆動装置を吊下げ、上記インナーロッドの外周側に設けたアウターケーシングの回転を拘束しながら、当該回転駆動装置の回転力を用いて掘削を行う穿孔工法に用いる回転反力支持装置において、
B.上記回転駆動装置に連結されたインナーロッドの外周に、設けられたアウターケーシングと、
C.上記アウターケーシングの外側面であって軸方向に固設された第1の反力プレートと、を有している穿孔工法用回転反力支持装置。」
で一致し、次の点で相違する。

相違点1:本件特許発明1は、アウターケーシングが「B.・・・着脱自在に併設した」ものであるのに対し、甲第1号証記載の発明の固定ケーシング5は、そうでなく、
また、本件特許発明1は、「F.上記アウターケーシングと上記回転駆動装置とは、互いに固定連結されて」いないのに対し、甲第1号証記載の発明は、そうでない点。

相違点2:本件特許発明1は、「D.上記回転駆動装置に設けられ、上記アウターケーシングの第1の反力プレートに対して干渉するようになっている第2の反力プレート」を有するものであるのに対し、甲第1号証記載の発明は、そうでなく、
また、本件特許発明1は、「G.上記アウターケーシングに設けられた第1の反力プレートに対しては、上記回転駆動装置側に設けた第2の反力プレートが、上記インナーロッドの回転方向において自在に係合するようになっており、
H.上記回転駆動装置によって上記インナーロッドに回転力を付与し始めた際に、当該回転駆動装置の第2の反力プレートが、上記アウターケーシングの第1の反力プレートに対して係合」しているのに対し、甲第1号証記載の発明は、そうでない点。

相違点3:本件特許発明1は、「E.穿孔芯を確保するための枠組み状のガイドフレームに設けられ、上記アウターケーシングの径に相当するスパンを介して当該ガイドフレームに固設されている反力アーム」を有するものであるのに対し、甲第1号証記載の発明は、そうでなく、
また、本件特許発明1は、「I.上記回転駆動装置によって上記インナーロッドに回転力を付与している間、上記アウターケーシングの第1の反力プレートを、穿孔芯を確保する上記ガイドフレームに固設された反力アームに係合させ、それによって上記回転駆動装置の反力を確保するようになっている」のに対し、甲第1号証記載の発明は、そうでない点。

3.相違点についての判断
(1)上記相違点1について
ア.構成要件B、Fに関しての両当事者の主張
(ア)請求人は、審判請求書で、以下の主張をしている。
(a)「甲第2号証には『アースオーガー1(回転駆動装置)に連結されたスクリュー22(インナーロッド)の外周に、着脱自在にケーシング20(アウターケーシング)を併設する』構成が記載されていると言える。・・・
甲1発明に対して甲第2号証に記載された発明を適用して構成B(着脱自在の点)の如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第9?10頁)
(b)「甲1発明に対して甲第2号証に記載された発明を適用して構成Fの如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第12頁)

(イ)一方、被請求人は、答弁書等で、以下の主張をしている。
(a)「甲第2号証にはアースオーガ1とケーシング20との係合を解き両者を離間させた後、スクリュー22をケーシング1より脱抜する、いわゆるケーシング20を地中に置き去りとし、くい孔30の崩壊を略完全に防止するという内容はあるものの・・・ケーシングを用いて掘削時自の回転反力を取る構成はない。」(答弁書第11頁)

イ.相違点1の容易想到性の検討
甲第2号証にはアースオーガ1(本件特許発明1の「回転駆動装置」に対応するもの)とケーシング20(本件特許発明1の「アウターケーシング」に相当するもの)との係合を解き両者を離間させた後、スクリュー22をケーシング1より脱抜する、いわゆるケーシング20を地中に置き去りとし、くい孔30の崩壊を略完全に防止する技術が記載されており、甲第2号証記載の構成と甲第1号証記載の発明とは、掘削技術という共通する技術分野に属し、甲第1号証記載の発明においても甲第2号証に記載のものと同様の課題が存することは明らかであるので、甲第1号証記載の発明に対して甲第2号証記載の構成を適用してアウターケーシングを、回転駆動装置やインナーロッドと離間可能なものとして、本件特許発明1の相違点1に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

(2)上記相違点2について
ア.構成要件D,G?Hに関しての両当事者の主張
(ア)請求人は、審判請求書、平成26年7月9日付け上申書で、以下の主張をしている。
(a)「甲第3号証には『回転駆動部8(回転駆動装置)に設けられ、固定スリーブ管12(アウターケーシング)の帯状突起15(第1の反カプレート)に対して干渉するようになっているストッパー16(第2の反カプレート)』が記載されていると言える。・・・
甲1発明に対して甲第3号証に記載された発明を適用して構成Dの如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第10?11頁)
(b)「甲第3号証には『固定スリーブ管12(アウターケーシング)に設けられた帯状突起15(第1の反カプレート)に対しては、回転駆動部8(回転駆動装置)側に設けたストッパー16(第2の反カプレート)が、回転出力軸9(インナーロッド)の回転方向において自在に係合するようになっている』構成が記載されていると言える。・・・
甲1発明に対して甲第3号証に記載された構成を適用して構成Gの如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第12?13頁)
(c)「甲第3号証には『回転駆動部8(回転駆動装置)によって回転出力軸9(インナーロッド)に回転力を付与し始めた際に、回転駆動部8(回転駆動装置)のストッパー16(第2の反カプレート)が、固定スリーブ管12(アウターケーシング)の帯状突起15(第1の反カプレート)に対して係合する』構成が記載されていると言える。・・・
甲1発明に対して甲第3号証に記載された構成を適用して構成Hの如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第13?14頁)
(d)「甲第1号証の開示技術に甲第3号証の上述した開示技術を組み合せ・・・地盤からの反力が得られるようにする場合、甲第1号証のように固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設ける方法と、甲第3号証のように固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設ける方法とがある。・・・
甲第3号証のように固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設けるには、突起となる材料を管の内側に溶接等によって接続しなければならない。この接続を例えば溶接によって行おうとすれば、管内での作業空間が狭いために困難な作業となり、手間がかかる。また、内側に突起を有した管を押し出しによって製造しようとすれば多大なコストがかかる。一方、甲第1号証のように固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設けるには、突条部となる材料をケーシングの外側に溶接等によって接続すればよく、作業性も良いので容易に行うことができる。・・・
従って、甲第1号証のように固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設け、『回転駆動装置1』によって『掘削軸部材2』(本件特許発明のインナーロッドに相当)を回転させたときに『掘削軸部材2』が『固定ケーシング5』を介して地盤からの反力が得られるように、『固定ケーシング5』の外周面の『係合用突条部17』を活用し、この『係合用突条部17』に係合するストッパーを『機枠6』が有する構成、つまり、本件特許発明の構成Dにするのは当業者であれば極めて容易に想到し得ることである。」

(イ)一方、被請求人は、平成26年7月24日付け上申書等で、以下の主張をしている。
(a)「甲第3号証に記載された発明と甲第1号証発明とでは、甲第1号証は固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設けるものであり、甲第3号証は固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設けるものであり、設ける位置が内側と外側というように正反対であり、根本的な違いがある。・・・
甲1発明・・・に甲第3号証の発明の開示技術である回転駆動部と固定スリーブ管とを帯状突起とストッパーで係合させる内容を適用しても本件特許発明の構成Dの如く構成することはできない。・・・
平成26年3月11日付け審判事件答弁書でも述べたように甲第1号証と本件特許発明との相違は、本件特許発明は着脱の容易性を高めたところに独自性があり、例えば甲第1号証がボルトでの締結結合であったとすれば、本件特許発明は反カプレートで行うように工夫したことに相違がある。
なお、甲第3号証のように固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設けるには、突起となる材料を管の内側に溶接等によって接続しなければならない。この接続を例えば溶接によって行おうとすれば、管内での作業空間が狭いために困難な作業となり、手間とコストがかかる。また、内側に突起を有した管を押し出しによって製造しようとすれば多大なコストがかかる。・・・
請求人によれば、固定ケーシング5の内側に係合用突状部17を設けた場合には、固定スリーブ管12がアウターケーシングで、第1の反カプレートが帯状突起15であるのだから、帯状突起15は、本件特許発明の第1の反カプレートと同様、『回転駆動装置の第2の反カプレートが、上記アウターケーシングの第1の反カプレートに対して係合し、第1の反カプレートを、穿孔芯を確保するガイドフレームに固設された反カアームに係合する』という機能を有していなければならない。
にも関わらず、本来『甲第3号証の帯状突起15が固定スリーブ管12の内周面にあるものであるのだから、本件特許発明の態様のようにアウターケーシング外側にあるガイドフレームと係合することができないのであるから、構成Dを構成しているとはいえないことは明白である。」(平成26年7月24日付け上申書第2?3頁)

イ.相違点2の容易想到性の検討
(a)まず、甲第1号証記載の発明の係合用突条部17は、「円筒状固定ケーシング5の外周面に係合用突条部17が長手方向全長に亘って条設され」るものであるのに対して、甲第3号証に記載の帯状突起15は、固定スリーブ管12の内側に設けるものであり、設ける位置が内側と外側というように正反対であるという違いがある。
(b)請求人は、上記ア.(ア)(d)において、「甲第1号証の開示技術に甲第3号証の上述した開示技術を組み合せ・・・地盤からの反力が得られるようにする場合、甲第1号証のように固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設ける方法と、甲第3号証のように固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設ける方法とがある。」と主張しているが、甲第1号証記載の発明の係合用突条部17は、「固定ケーシング5をケーシング回り止め部材7のケーシング挿通孔8に挿入することにより・・その回転が阻止される」もの、すなわち、「地盤上の所定箇所(掘孔箇所18)に固定されているケーシング回り止め部材7」(本件特許発明1の「ガイドフレーム」に相当するもの)に対して、円筒状固定ケーシング5(本件特許発明1の「アウターケーシング」に相当するもの)を回転阻止するものであるところ、それに対して、甲第3号証の帯状突起15は、「回転駆動部8のストッパー16が固定スリーブ管12の帯状突起15と係合し・・・回転出力軸9の回転が削孔用具10に伝達されるようになる」もの、すなわち、固定スリーブ管12(本件特許発明1の「アウターケーシング」に相当するもの)に対して、回転駆動部8(本件特許発明1の「回転駆動装置」に相当するもの)を回転阻止するものであって、両者共「地盤からの反力が得られるようにする」ものであると言っても、そのために作用する相手側の部材が異なるものであって、それらを「地盤からの反力が得られるようにする場合、甲第1号証のように固定ケーシング5の外側に係合用突条部17を設ける方法と、甲第3号証のように固定スリーブ管12の内側に帯状突起15を設ける方法とがある。」とひとまとめにして論じることのできるものではない。
(c)そうすると、仮に請求人主張の様に「甲1発明に対して甲第3号証に記載された構成を適用」した場合には、甲第1号証の円筒状固定ケーシング5(本件特許発明1の「アウターケーシング」に相当するもの)には、外面の係合用突条部17(本件特許発明1の「第1の反力プレート」に相当するもの)に加えて、内面に甲第3号証の帯状突起15を別途設け、甲第3号証記載のストッパー16(本件特許発明1の「第2の反力プレート」に相当するもの)と、円筒状固定ケーシング5の内面に設けた帯状突起15と係合(本件特許発明1の「干渉」に相当)する構成とすると解するのが相当である。
そして、結局、本願特許発明1の「第1の反力プレートに対して干渉するようになっている第2の反力プレート」(ただし、「第1の反力プレート」は、アウターケーシングの「外側面」に固設されたもの)を有したものとはならない。
(d)本件特許発明1は、相違点2に係る構成によって、明細書に記載された本件発明の課題を解決する為の手段である「着脱自在」を、被請求人が上記ア.(イ)において主張する様に合理的に図れるものであって、所定の効果を奏するものであるから、単なる設計的事項とすることはできない。
また、甲第1?4号証全ての記載を見ても、甲第1号証記載の発明の回転駆動装置に「アウターケーシングの第1の反力プレートに対して干渉するようになっている第2の反力プレート」(ただし、「第1の反力プレート」は、アウターケーシングの「外側面」に固設されたもの)を設けることを示唆する記載は発見できない。
従って、甲第1?4号証全ての記載を見ても、「『係合用突条部17』に係合するストッパーを『機枠6』が有する構成、つまり、本件特許発明の構成Dにするのは当業者であれば極めて容易に想到し得ることである。」とはいえない。

(3)上記相違点3について
ア.構成要件E、Iに関しての両当事者の主張
(ア)請求人は、審判請求書で、以下の主張をしている。
「甲第4号証には『回転駆動部1(回転駆動装置)によってオーガ7(インナーロッド)に回転力を付与している間、円筒ケーシング6(アウターケーシング)の案内部材15(第1の反力プレート)を、穿孔芯を確保する架台11(ガイドフレーム)に固設された枠体12a(反力アーム)に係合させ、それによって回転駆動部1(回転駆動装置)の反力を確保するようになっている』構成が記載されていると言える。・・・
甲1発明に対して甲第4号証に記載された構成を適用して構成Iの如く構成することは当業者にとって容易になし得ることである。」(審判請求書第14?15頁)

(イ)一方、被請求人は、答弁書等で、以下の主張をしている。
「アウターケーシングの外側面であって軸方向に固設された第1の反カプレートで、回転駆動装置との干渉と架台における反カアームに係合の両方を行うという本件特許発明の構成は甲第4号証にはない。」(答弁書第12頁)

イ.相違点3の容易想到性の検討
甲第4号証には回転駆動部1(本件特許発明1の「回転駆動装置」に相当するもの)によってオーガ7(本件特許発明1の「インナーロッド」に対応するもの)に回転力を付与している間、円筒ケーシング6(本件特許発明1の「アウターケーシング」に相当するもの)の案内部材15(本件特許発明1の「第1の反力プレート」に相当するもの)を、穿孔芯を確保する架台11(本件特許発明1の「ガイドフレーム」に相当するもの)に固設された枠体12a(本件特許発明1の「反力アーム」に相当するもの)に係合させ、それによって回転駆動部1の反力を確保するようになっているものが記載されている。そして、甲第4号証記載の構成と甲第1号証記載の発明とは、掘削技術という共通する技術分野に属し、甲第1号証記載の発明において、ケーシング回り止め部材7は、固定ケーシング5の上下方向移動を可能とするとともに回転を阻止する機能を発揮するものであれば、適宜の構造のものとすることができることは技術的に明らかであるから、甲第1号証記載の発明に対して甲第4号証記載の構成を適用して、本件特許発明1の相違点3に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

(4)まとめ
さらに、甲第1?4号証、さらに甲第5?7号証のすべてを参酌しても、甲第1号証?甲第4号証に記載された発明に基づいて、本件特許発明1の相違点2に係る発明特定事項とすることが当業者が容易に想到し得たということはできない。
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証?甲第4号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本件特許発明2?3に係る判断
本件特許発明2は、本件特許発明1にさらに
「J.上記反力アームが、ガイドフレームに対して位置変更自在に固設される」との限定を付したした発明であり、
本件特許発明3は、本件特許発明1にさらに
「K.上記反力アームのフランジに、上記反力プレートが係合自在な切り欠きが軸方向に2箇所以上形成されている」との限定を付したした発明であるので、本件特許発明2?3と甲第1号証記載の発明とは、少なくとも上記相違点2で相違するものである。
そして、上記3.の如く、請求人が具体的に主張した理由を検討しても、甲第1号証?甲第4号証に記載された発明に基づいて、本件特許発明1の相違点2に係る発明特定事項とすることが当業者が容易に想到し得たということはできないので、本件特許発明2?3も同様に、甲第1号証?甲第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。


第5 むすび
以上のとおり、請求人の主張する理由及び証拠方法によっては、本件特許発明1?3に係る特許を無効とすることができない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-12-02 
結審通知日 2014-12-08 
審決日 2015-01-09 
出願番号 特願平10-252347
審決分類 P 1 113・ 121- Y (E21B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柴田 和雄深田 高義  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 住田 秀弘
本郷 徹
登録日 2005-01-28 
登録番号 特許第3640371号(P3640371)
発明の名称 穿孔工法用回転反力支持装置  
代理人 久保 司  
代理人 北本 友彦  
代理人 西村 直也  
代理人 清原 義博  
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