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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1313827
審判番号 不服2014-10038  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-29 
確定日 2016-04-19 
事件の表示 特願2011- 47062「スキャナ及びそれを用いてデバイスを製造する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月29日出願公開、特開2011-192987〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、2011年3月4日(パリ条約による優先権主張 2010年3月11日 米国、及び、2010年5月11日 米国)の出願であって、平成24年8月13日付けで拒絶理由が通知され、同年11月15日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、平成25年4月12日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年6月18日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成26年1月28日付けで前記平成25年6月18日付け手続補正に対して補正の却下の決定がなされるとともに、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成26年5月29日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、これと同時に手続補正がなされた後、当審において、平成27年5月19日付けで拒絶理由が通知され、同年10月27日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。

2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成27年10月27日になされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項14に係る発明は、次のとおりのものである。
「スキャナを用いてデバイスを製造する方法であって、
パターニングデバイスによって放射ビームのパターンを付けてパターン付き放射ビームを形成することと、
投影システムによって前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影することと、
少なくとも前記基板の高さマップに基づいて、アクチュエータによって前記パターニングデバイスにトルクまたは力を加えることと、
センサによって測定された前記パターニングデバイスの曲げに従って前記投影システム光学素子を調節することと、を含み、
前記投影システムの前記光学素子を調節することは、前記パターニングデバイスの前記曲げから生じる拡大を少なくとも部分的に補償する、方法。」(以下「本願発明」という。)

3 刊行物の記載及び引用発明
(1)引用文献1
当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の最先の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開平2-160237号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。以下同じ)。
ア 「〔産業上の利用分野〕
本発明は半導体リソグラフィに使われるマスク(レチクル)基板、及びその製造方法、並びにリソグラフィ工程における露光方法に関するものである。
[従来の技術]
従来より、半導体リソグラフィ工程では投影露光法が多用され、そのための縮小投影型露光装置(ステッパー)がVLSIの製造ラインに投入され、多大な効果をあげている。・・・途中省略・・・
そして、さらに高解像力化の要求は、集積回路の高密度化、微細化の進行とともに留まることがない。
このような現状にあって、露光用の照明光の波長を100nm以下の紫外域にする試みがなされ、i線(365nm)用の投影レンズ、エキシマレーザ(248nm)用の投影レンズも実用化された。・・・途中省略・・・
これに伴って問題となってくるのが、投影レンズの像面湾曲である。
〔発明が解決しようとする問題点]
・・・(途中省略)・・・
この問題を解決するために、本質的ではないが、いつくかの手法が考えられている。その1つは本来光学平面に仕上げられたレチクルを、投影レンズの光軸AXと垂直な面から微小量傾ける手法である。・・・(途中省略)・・・
そして、もう1つの解決策は、レチクルを意図的にたわませる手法である。この手法は公知ではないが、レチクルを周辺で保持するレチクルホルダ一部に、レチクル内に強制的に応力を発生させる機械系を組み込み、レチクルを機械的に変形させるものである。この手法によれば、レチクルの中心を原点にしてX、Y方向にガラス面をそれぞれ湾曲させれば、原理的には投影像がもつ像面湾曲の補正が可能である。しかしながらレチクルに機械的な変形を与えるための構造、変形の形状、自由な変形量等を考えると、この手法が極めて非現実的であることは明らかである。・・・(途中省略)・・・
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明においては、投影光学系固有の像面湾曲に対応するために、一方の面を所定の曲面に加工した透明基板(光学ガラス等)を用意し、その曲面側に回路パターン等を形成したマスク基板(ワーキングレチクル)を用いるようにした。また、透明基板の曲面を様々な形状、曲率にしたものを複数用意し、それぞれに同一の回路パターンを形成した複数のマスク基板を作成し、実際の露光時には投影光学系の像面湾曲の変化に対応して最適な1枚のマスク基板を選んで露光に使うようにした。」(2頁右上欄2行ないし4頁左上欄3行)

イ 「次に本発明の第3の実施例について第9図を参照して説明する。第9図(A)は本実施例に好適なステッパーの構成を模式的に示したものである。露光照明系20には、照明光ILを入射するオプチカルインデグレータとしてのフライアイレンズ10、透過率が高く、反射率の低いビームスプリッタ12、及びコンデンサーレンズ14等が含まれている。フライアイレンズ10の射出側に形成される2次光源像は投影レンズPLの瞳EPと共役に配置される。コンデンサーレンズ14からの均一な照度分布の照明光ILはレチクルR_(1)を照明し、パターン領域(PA)を透過した光は投影レンズPLを通ってウェハWへ達する。ウェハWは、x、y方向に2次元移動するステージWST上に保持され、ステージWSTはモータ32より駆動され、ステージWSTの座標位置はレーザ干渉計33で、例えば0.01μmの分解能で逐次計測される。またステージWST上にはウェハWを固定して微小量上下(光軸AX)方向に移動するZステージ30が設けられ、Zステージ30上の周辺には透明な微小幅のスリットマークを存する基準マーク板FMが固定されている。基準マーク板FMはオプチカル・ファイバー34、集光レンズ36によってステージWSTの内側から照明光IL(露光光と同一波長)で照明される。
このステッパーには、レチクルの上からウェハW、又は基準マーク板FMを観察する公知のTTR(スルーザレチクル)方式のアライメント光学系22と、レチクルと投影レンズPLを介して像面上のマークパターンを光電検出するマーク検出系24とで構成されたTTRアライメント系と、投影レンズPLのみを介してウェハW又は基準マーク板FMを観察する公知のTTL(スルーザレンズ)方式のアライメント光学系26と、投影レンズPLを介して像面上のマークパターンを光電検出するマーク検出系2Bとで構成されたTTLアライメント系とを備えている。さらに、投影レンズPLには公知の圧力調整装置18が設けられ、投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働く。
また、レチクルステージRSの側方には、複数枚のレチクルを保管するレチクルライブラリーRLが設けられ、オートハンドAHによってレチクルの自動交換が行なわれる。オートハンドAHの駆動は、レチクル交換制御系42によって制御され、選ばれた1枚のレチクルをレチクルステージRS上に搬送するとともに、使用後のレチクルをレチクルライブラリーRLへ搬送する。主制御系40は圧力調整装置18、TTRアライメント系(22、24)、TTLアライメント系(26、28)、モータ32、レーザ干渉計33、及び交換制御系42のシーケンス等を統括制御するものである。
さて、本実施例のステッパーには照明系20の内に光電検出器(フォトマルチプライヤ等)16が設けられ、その光電信号を用いて、投影像面の湾曲を計測するようにした。光電検出器16の受光面は2分割され、独立した光電信号を出力する受光面16A、16Bを有し、その受光面は投影レンズPLの瞳EPと共役な位置、もしくはその近傍に配置されている。この光電検出器16は、フライアイレンズ10からの照明光ILが遮断されている状態で、基準マーク板FMのスリットマークからの照明光ILを、投影レンズPL、レチクル、コンデンサーレンズ14、及びビームスプリッタ12を介して受光する。そしてその光電信号は主制御系40へ送られ、像面湾曲計測のための焦点ずれ検出に使われる。・・・(途中省略)・・・
次に、本実施例における像面湾曲の計測手順を第9図(D)、(E)も参照して説明する。
基準マーク板FMを不図示の斜入射光式AF系を用いてある高さ位置にセットした状態で第9図(B)のようにスリットマークFM_(x)をX方向に走査すると、光電検出器16の受光面16A、16Bからの各光電信号SA、SBの波形は第9図(D)のように変化する。信号SA、SBは、スリットマークFM_(x)の走査位置に応じてボトム波形となり、その波形の中心位置の差ΔX_(f)を求める。レチクルと基準マーク板とが精密に共役関係になっているときは、差ΔX_(f)は零である。そこで、Zステージ30の高さを微小量ずつ変えながら、マークRM_(x)をスリットマークFM_(x)で走査し、Zステージ30の高さ位置ΔZと信号SA、SBのボトム中心のX方向の位置ΔXとの関係を予め計測しておくと、第9図(E)のような2つの直線的な特性LA、LBが得られる。例えば正の傾きをもつ特性LAは信号SAに基づくもので、負の傾きをもつ特性LBは信号SBに基づくものである。そして特性LA、LB上でX方向にΔX_(f)の差となるX方向の位置-ΔZ_(1)が、基準マーク板FMの最良結像面からのずれ量になる。
そこで、第9図(A)に示したレチクルR_(1)をテストレチクルとし、そのパターン領域内の中心点とその周囲(特に放射方向)の複数点の夫々に、第9図(B)のようなマークRM_(x)、RM_(y)を形成し、基準マーク板FMのスリットマークFM_(x)を同一高さ位置に固定したまま各点のマークRM_(x)、RM_(y)を走査して、各点での信号SA、SBのボトム中心の差ΔX_(f0)、ΔX_(f1)、ΔX_(f2)・・・・・・を求めていく。ここでテストレチクルR_(1)のパターン面は平面に作られているものとし、差ΔX_(f0)はテストレチクルR_(1)の中心点P_(0)で得られたものとする。またテストレチクルR_(1)上の各マークRM_(x)、RM_(y)の位置は予めわかっているため、各マークの像高値(中心点P_(0)からの距離)H_(w1)、H_(w2)・・・・・・として求められる。そこでこれらデータΔX_(f0)、ΔX_(f1)、ΔX_(f2)・・・・・・と第9図(E)の特性LA、LBとに基づいて、主制御系40は中心点P_(0)を基準とした各像高値毎の光軸方向の焦点ずれ量ΔZを算出する。例えば特性LA、LBに基づいて求めた差ΔX_(f0)に対応したずれ量をΔZ_(w0)、像高値H_(w1)での差ΔX_(f0)に対応したずれ量をΔZ_(w1)とすると、像高値H_(w1)での像面湾曲量は、ΔZ_(w1)-ΔZ_(w0)(H_(w1))となる。このように、レチクルライブラリーRLにテストレチクルR_(1)を保管しておき、ステッパー稼動中の適当なタイミングで、そのテストレチクルR_(1)をステッパーのレチクルステージRSへ装着し、基準マーク板FMを用いて複数の異なる像高点での焦点ずれ量を求めれば、平面レチクルのときの最良結像面の湾曲の形状や量が極めて短時間のうちに、しかも正確に求められる。」(8頁右上欄9行ないし10頁右上欄6行)

ウ 「ところで、複数の異なる曲面補正レチクル(パターンは同一)を用意しておくと、ウェハWの表面の凹凸(1つのショット領域内では凹面状、又は凸面状)に応じて、像面湾曲量も考慮して最適な曲面をもつレチクルを選ぶようにすれば、ウェハW上でのショット領域毎にウェハのフラットネスの影響で解像不良となる可能性が低減される。この場合、レチクル交換によって意図的に像面湾曲を発生させたことになる。」(11頁右下欄3ないし11行)

エ 第9図及び第10図は次のものである。


(2)引用発明
上記(1)によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「露光照明系20には、照明光ILを入射するフライアイレンズ10、ビームスプリッタ12、及びコンデンサーレンズ14等が含まれ、
前記コンデンサーレンズ14からの照明光ILはレチクルを照明し、パターン領域(PA)を透過した光は投影レンズPLを通ってウェハWへ達し、
前記ウェハWは、ステージWST上に保持され、
前記投影レンズPLには圧力調整装置18が設けられ、投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働き、
レチクルステージRSの側方には、複数枚のレチクルを保管するレチクルライブラリーRLが設けられ、オートハンドAHによってレチクルの自動交換が行なわれ、
前記オートハンドAHの駆動は、レチクル交換制御系42によって制御され、選ばれた1枚のレチクルをレチクルステージRS上に搬送するとともに、使用後のレチクルをレチクルライブラリーRLへ搬送し、
主制御系40は圧力調整装置18及び交換制御系42のシーケンス等を統括制御するものであり、
前記露光照明系20の内に光電検出器16が設けられ、その光電信号を用いて、投影像面の湾曲を計測するようにした、
レチクルの製造方法。」

(3)本願の最先の優先日当時の周知技術について
ア 当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の最先の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開平11-54398号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある
(ア)「【0012】すなわち、本発明の露光装置は、ウエハステージ上に固定されているウエハの変形を測定するウエハ変形測定部と、ウエハ変形測定部が電気的に接続されている制御部とを有し、制御部に電気的に接続されているマスクステージには、ウエハの変形に対応してフォトマスクを変形する機能を有するものである。・・・(途中省略)・・・
【0019】本実施の形態のマスクステージ7は、ウエハ2の変形に対応してフォトマスク6を変形する機能を有するものであり、電気的な制御を行う機能を有する制御部10に電気的に接続されている。」
(イ)「【0024】次に、ウエハ変形測定部11を使用して、ウエハ2の反りや凹凸や歪などの変形をステップS1において測定し、制御部10によってウエハ2の変形量が所定値以上であるとステップS2において判断した場合には、ステップS3においてウエハ2の変形のデータを形成すると共にそのデータを制御部10内のメモリーに蓄積する。図1はウエハステージ3に固定された状態のウエハ2が、真空吸着の度合いなどによって変形が発生している場合を示している。
【0025】ウエハ2が反りなどによって所定値以上に変形している場合には、前述したようにウエハ2が変形していることが判断され、制御部10からマスクステージ7に前記データが与えられることになる。そして、このデータに基づいてマスクステージ7を使用して、ステップS4においてフォトマスク6を前記データに対応して変形させる。」
「【0058】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0059】(1).本発明の露光方法によれば、ウエハの変形に対応してフォトマスクを変形させた状態で、フォトマスクのパターンをウエハの表面のフォトレジスト膜に描画して露光を行っていることによって、ウエハが変形していても、そのウエハの変形に対応したフォトマスクの変形を行った状態でフォトマスクのパターンをウエハの表面のフォトレジスト膜に描画して露光を行っている。
【0060】その結果、ウエハが変形していても設計仕様に応じたパターンをウエハの表面のフォトレジスト膜に露光することができることにより、焦点ずれおよび露光パターンずれを防止することができるので、高精度な露光を簡単な操作によって行うことができる。」

イ 上記アによれば、引用文献2には、下記の技術的手法(以下「引用文献2に記載の技術的手法」という。)が記載されているものと認められる。
「ウエハの反りや凹凸や歪などの変形を測定し、ウエハの変形のデータを形成すると共にそのデータをメモリーに蓄積し、制御部からマスクステージに前記データが与えられ、マスクステージを使用して、フォトマスクを前記データに対応して変形させる技術的手法。」

ウ 同じく、特開2000-77321号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある
(ア)「【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで投影光学系の重要な結像性能の一つに像面の歪、中でも像面湾曲といわれ、平面である基板上に結像面が湾曲されて投影される収差がある。像面湾曲量が焦点深度を越えて大きい場合には1ショットの露光領域の一部がぼけて転写され、露光領域全体で均一な線幅が得られず、好ましくない。もともと像面湾曲は投影光学系のレンズ設計の段階では許容範囲に入る十分小さな値に収められているが、実際のレンズでは製造誤差や露光環境変化、レチクル(マスク)の自重たわみ等により残存する像面湾曲が発生する。残存像面湾曲の量は近年の解像線幅の微細化とともに無視できない量となってきた。・・・(途中省略)・・・
【0011】像面湾曲補正の問題点を解決する提案には例えば特開平5-326367、特開平8-95229、特開平9-167736に開示されているように、像面湾曲が補正されるようにレチクル形状を変形させるものがある。これらの先行技術はいずれも投影光学系に対応し固定されたレチクル形状とするもので、上述した照明モードによる像面の変化にダイナミックに対応することができなかった。」
(イ)「【0029】本発明の投影露光方法及び投影露光装置は投影露光の方式に関わらず適用可能であるが、以下に露光方式の違いによる効果を説明する。
【0030】図4は露光方式による違いを説明したもので、図4(a)は一括露光、図4(b)はスキャン露光における1ショット毎の露光方法を図示している。図4(a)の一括露光ではレチクル16a上の露光領域23a全体を照明系10aからの照明光22aにより照明し、投影光学系17aを介して感光基板19aに一回で露光する。
【0031】一方、図4(b)のスキャン露光では照明系10bからの照明光22bがレチクル16bをスリット形状に照明する。点線で示した所望の露光領域23b全体の露光は、レチクル16bと感光基板19bの載ったステージの各々を、図中の矢印の方向に投影光学系の投影倍率に応じた速度比で逆方向に同期走査(スキャン)することにより行なわれる。スキャンの効果で走査方向、即ちスリットの短手方向に投影光学系の露光領域を拡げることができるので、スキャン露光は近年の高解像力化かつ露光領域の拡大に適した露光方法として注目されている。
【0032】図5は露光を行なう1ショットで発生する像面の歪みを模式的に示したものである。図5では簡単のため、像面の傾きとデフォーカスはなく、像面湾曲のみが生じた場合を考える。図4(a)の一括露光の場合に生じる像面湾曲は、図5(a)のように点線で表わした理想の像面である平面に対し、像高に対して2次以上の関数で近似できる湾曲した像24aとなる。
【0033】一方、像4(b)のスキャン露光の場合に生じる像面湾曲は、スリットの短手方向の幅の影響が小さいため、図中矢印で示した走査方向に直交する方向、即ちスリットの長手方向にのみ像高の2次以上の関数で近似できる湾曲した円筒状の像24bで近似することができる。従って、図4(b)のようなスキャン露光での照明モードによる像面の歪みの変化はスリットの長手方向のみを考えればよい。
【0034】即ち、スキャン露光ではレチクル変形手段によるレチクル変形をスリットの長手方向の一方向のみ行なうことで、照明モードに応じた像面の補正を行うことができる。補正を一方向のみに限定できることでレチクル周りの変形機構の複雑化が回避でき、一括露光よりも簡素な形態で変形機構を実現することができる。
【0035】図6はスリットの長手方向にのみレチクルを変形させる手段の一例を模式的に示したものである。図中、16はレチクル、25は該レチクルに対して真空吸着ノズルが装着される位置、矢印はスキャン露光の方向を表わす。スキャンと直交する方向のレチクルの側面161、162を固定し、スキャンと平行な方向でレチクルの露光範囲外の位置25に設けられた真空吸着ノズルによりレチクルを吸着すれば、レチクルは図に示す如く、スキャン方向と平行な方向に母線を持つ円筒面状に変形させることができる。吸着ノズルは少なくとも4個以上の複数個必要とされる。図6ではレチクルの中心を通る走査方向の軸に対して対称に6個の吸着ノズルが設けられ、該複数個の吸着ノズルの吸着圧により変形量が調整される。図では下に凸となる変形形状を示したが、逆に上に凸の形状変形を起こすには、不図示であるがレチクル下に設けた逆方向に変形させる真空吸着ノズルで吸着が行なわれる。
【0036】また、像面の歪みに傾斜成分が含まれている場合は、レチクル16を保持するレチクルステージ15を像面傾斜を打ち消す方向に傾斜させる。
【0037】即ち本発明では図1(c)のように像面の歪みが照明モードにより曲率と傾斜を持った成分よりなる場合、レチクルの曲面状の変形と、レチクルステージの傾斜を同時に与えて像面歪の補正を行なうことを特徴としている。尚、本発明では「像面歪」を像面の傾きと湾曲、「レチクル変形」をレチクルの曲面状の変形と傾きを含む広い意味で使用している。
【0038】例えば図2に示す投影露光装置において、投影光学系のNAを0.6、スリット露光領域の長手方向を26mm、倍率を1/4X、光源波長を248nmとした場合、照明モードによる像面歪の変化量は露光領域の最周辺で0.3μm程度に達する。この像面歪が像面湾曲であるとし、該湾曲を0.1μm補正する場合に必要なレチクルの変形量は最周辺で1.6μmとなる。1.6μmの変形量は前述した真空吸着法で十分に実現可能な値である。
【0039】さらにスキャン露光では一方向のみのレチクル変形によって生じる縦方向と横方向の倍率差、いわゆる縦横倍率差が無視できるため、倍率に関する補正が簡略化できる利点がある。倍率の補正は一括露光の場合と同様に、例えば投影露光系に含まれるレチクルに近い複数のレンズを光軸方向に所定量駆動することにより他の収差を悪化させることなく補正することができる。補正はスリットの長手方向の倍率に対して適用される。縦横倍率差を考慮する必要がないため、機構が簡略化でき、調整工数も低減することができる。
【0040】図7は本発明による投影露光方法及び投影露光装置における照明モードの選択から露光までの一連の手順を示したものである。図7(a)の場合は照明モードの選択により予めメモリー内に格納してあった、照明モードによる像面歪み量を読み出し、該像面歪み量を打ち消すレチクル変形量を演算した後、レチクルが変形され、露光が行なわれる。
【0041】なお、像面補正のためのレチクル変形により倍率誤差が発生した場合には、該倍率誤差を補正した後に露光が行われる。レチクル変形あるいは倍率補正により倍率以外の他の性能変化が生じた場合も、補正できる場合は該変化を補正した後、露光を行う。例えば上記補正を行った後に、像面のフォーカス位置が投影光学系の光軸方向であるz軸方向にずれる場合がある。ずれ量は予め求めておくことができるので、感光基板ステージ18のz方向に所定のオフセットを与えれば、フォーカス位置を補正することが可能である。・・・(途中省略)・・・
【0045】レチクル変形手段の制御は図7(a)、(b)と同様なフローで行うことができる。露光履歴を例にとると、照明モード毎に像面歪の変化量を予めメモリー内に用意する、あるいは露光中に逐次像面歪みを計測してフィードバックをかけてもよい。像面歪みは最終的にレチクル変形量に換算され、レチクル変形手段によりレチクル形状を変形させて補正を行う。」

エ 上記ウによれば、引用文献3には、下記の技術的手法(以下「引用文献3に記載の技術的手法」という。)が記載されているものと認められる。
「照明モードの選択により予めメモリー内に格納してあった、照明モードによる像面歪み量を読み出し、該像面歪み量を打ち消すレチクル変形量を演算した後、レチクル変形手段によりレチクルが変形され、像面湾曲が補正されるようにレチクル形状を変形させる技術的手法。」

オ 上記イの「引用文献2に記載の技術的手法」及び上記エの「引用文献3に記載の技術的手法」によれば、本願の最先の優先日当時には、像面歪み量(ウエハの変形のデータ)に基づいてレチクル変形手段によりレチクルを機械的に変形させる技術的手法が周知の技術的手法であったと認められる。

4 対比・判断
(1)対比
ア 本願発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「照明光IL」、「レチクル」、「ウェハW」、「光電検出器16」及び「レチクルの製造方法」は、本願発明の「放射ビーム」、「パターニングデバイス」、「基板」、「センサ」及び「デバイスを製造する方法」にそれぞれ相当する。

(イ)引用発明の「照明光IL」は、「レチクルを照明し、パターン領域(PA)を透過した光は投影レンズPLを通ってウェハWへ達」するものであるから、レチクルによって、照明光ILのパターンを付けてパターン付き照明光を形成し、投影レンズPLによって、前記パターン付き照明光をウェハWのターゲット部分上に投影するものであるといえる。
そうすると、引用発明の「照明光ILはレチクルを照明し、パターン領域(PA)を透過した光は投影レンズPLを通ってウェハWへ達」することは、本願発明の、「パターニングデバイスによって放射ビームのパターンを付けてパターン付き放射ビームを形成」し、「投影システムによって前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する」ことに相当する。

(ウ)引用発明の、「照明系20の内に光電検出器16が設けられ、その光電信号を用いて、投影像面の湾曲を計測するようにし」、「前記投影レンズPLには圧力調整装置18が設けられ、投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働」くことは、本願発明の、「センサによって測定された前記パターニングデバイスの曲げに従って前記投影システム光学素子を調節することと、を含」むことと、「センサによって測定された」曲がりに「従って前記投影システム光学素子を調節することと、を含」む点で一致する。

イ 上記アによれば、両者は
「デバイスを製造する方法であって、
パターニングデバイスによって放射ビームのパターンを付けてパターン付き放射ビームを形成することと、
投影システムによって前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影することと、
センサによって測定された曲がりに従って前記投影システム光学素子を調節することと、を含む、方法。」
である点で一致し、下記の各点で相違するものと認められる。

(ア)本願発明の「パターニングデバイス」は、「少なくとも前記基板の高さマップに基づいて、アクチュエータによって」「トルクまたは力を加え」て「曲げ」るものであって、センサは前記「パターニングデバイスの曲げ」を測定し、投影システムの光学素子は前記「パターニングデバイスの曲げ」に従って調節し、前記「パターニングデバイスの前記曲げから生じる拡大を少なくとも部分的に補償する」のに対して、引用発明の「レチクル」は、「複数枚のレチクルを保管するレチクルライブラリーRLが設けられ、オートハンドAHによってレチクルの自動交換が行なわれ、前記オートハンドAHの駆動は、レチクル交換制御系42によって制御され、選ばれた1枚のレチクルをレチクルステージRS上に搬送するとともに、使用後のレチクルをレチクルライブラリーRLへ搬送し」、光電検出器16は「投影像面の湾曲」を計測するものである点(以下「相違点1」という)。

(イ)本願発明は、「スキャナを用いて」デバイスを製造する方法であるのに対して、引用発明は「スキャナを用い」ると特定されない点(以下「相違点2」という)。

(2)判断
ア 相違点1について
(ア)上記3(1)アによれば、引用文献1は、「投影レンズの像面湾曲」の「問題を解決するために、本質的ではないが、いつくかの手法が考えられてい」て、「レチクルを意図的にたわませる手法」があり、「この手法は公知ではないが、レチクルを周辺で保持するレチクルホルダ一部に、レチクル内に強制的に応力を発生させる機械系を組み込み、レチクルを機械的に変形させるものである」が、「レチクルに機械的な変形を与えるための構造、変形の形状、自由な変形量等を考えると、この手法が極めて非現実的であることは明らかである」ために、「本発明においては、・・・透明基板の曲面を様々な形状、曲率にしたものを複数用意し、それぞれに同一の回路パターンを形成した複数のマスク基板を作成し、実際の露光時には投影光学系の像面湾曲の変化に対応して最適な1枚のマスク基板を選んで露光に使うようにした」と記載されている。

(イ)しかるところ、引用文献1の出願日である昭和63年12月14日には非現実的であるとされた、上記の「レチクルを意図的にたわませる手法」は、本願の最先の優先日当時には、「像面歪み量(ウエハの変形のデータ)に基づいてレチクル変形手段によりレチクルを機械的に変形させる技術的手法」(上記3(3)オ)が周知の技術的手法となっていることに照らして、引用発明において、「透明基板の曲面を様々な形状、曲率にしたものを複数用意し、それぞれに同一の回路パターンを形成した複数のマスク基板を作成し、実際の露光時には投影光学系の像面湾曲の変化に対応して最適な1枚のマスク基板を選んで露光に使うように」することにかえて、前記「レチクルを意図的にたわませる手法」として、上記周知の技術的手法を適用して、像面歪み量(ウエハの変形のデータ)に基づいて、レチクル変形手段(アクチュエータ)により、像面歪み量に基づいてレチクルを機械的に(アクチュエータで)変形させるものとなすことは、当業者が容易に想到し得た事項である。

(ウ)そして、ウエハの変形のデータには、当然ウエハの高さマップを含み、また、像面歪み量(ウエハの変形のデータ)に基づいて、レチクルを機械的に(アクチュエータで)変形すれば、倍率や焦点位置が変わることも、それを補正する必要があることも技術常識であるところ、引用発明は、「照明系20の内に光電検出器16が設けられ、その光電信号を用いて、投影像面の湾曲を計測するようにし」、「投影レンズPLには圧力調整装置18が設けられ、投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働」くものであり、レンズの調整は当然拡大の補償(微調整)を含むから、上記(イ)のとおり、引用発明に上記周知の技術的手法を適用し、像面歪み量(ウエハの変形のデータ)に基づいて、レチクル変形手段(アクチュエータ)により、像面歪み量に基づいてレチクルを機械的に(アクチュエータで)変形することに合わせて、「投影レンズPL」に設けられた「圧力調整装置18」により、拡大の補償(微調整)を含め、「投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働」くものとなすことは当業者が容易になし得る事項である。

(エ)また、対象物(レチクル)を機械的に(アクチュエータで)変形するに際して、必要に応じて、適宜のセンサにより対象物(レチクル)の変形量を計測してフィードバック制御することは、本願の最先の優先日当時において常套手段であるから、適宜のセンサにより対象物(レチクル)の変形量を計測してフィードバック制御するとともに、対象物(レチクル)の変形量にしたがって、「投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働」くものとなすことは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

(オ)したがって、引用発明に上記周知の技術的手法を適用して、レチクル変形手段(アクチュエータ)により、像面歪み量(ウエハの高さマップを含むウエハの変形のデータ)に基づいてレチクルを機械的に(アクチュエータで)変形することに合わせて、センサによりレチクルの変形量を計測し、前記センサによって計測されたレチクルの変形量にしたがって、「投影レンズPL」に設けられた「圧力調整装置18」により、拡大の補償(微調整)を含め、「投影レンズPLの倍率や焦点位置を微調整し、常に最適な結像特性が得られるように働」くものとなし、上記相違点1にかかる本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。

イ 相違点2について
レチクルの製造方法として、引用文献3に、「スキャン露光」が記載され、「スキャンの効果で走査方向、即ちスリットの短手方向に投影光学系の露光領域を拡げることができるので、スキャン露光は近年の高解像力化かつ露光領域の拡大に適した露光方法として注目されている」(上記3(3)ウ(イ)【0031】)と記載されているとおり、本願の最先の優先日当時には、「スキャン露光」(スキャナ)とすることが注目されていることが、技術常識であったといえるところ、引用発明に、周知の「スキャン露光」行う露光方法を採用して、上記相違点2にかかる本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。

ウ 請求人の主張について
(ア)請求人の主張
請求人は、平成27年10月27日に提出した意見書の2頁20行ないし3頁14行において、
「しかし、引用文献1に記載のレチクルRは、投影レンズPLの光軸に対して垂直に移動するものではないため、引用文献1に記載の露光装置は、スキャナではなく、ステッパであると考えられます。そして、投影レンズPLによって引き起こされる像面湾曲誤差は、ウェハ表面の歪み等には依存しない、投影レンズPLに固有の一定の誤差であるため、レチクルRの曲面f0の曲率や形状は、予め固定された値や形状に設定されています。・・・(途中省略)・・・
また、引用文献1に記載の露光装置は、レチクルRの移動に伴い、ウェハの各露光領域の歪みに応じてレチクルRをその都度変形させるものではないため、ウェハの各露光領域の歪みに応じてレチクルRをその都度変形させたときに生じ得る拡大誤差(即ち、レチクルRの移動に伴い、ウェハの各露光領域の歪みに応じて動的に変化し得る拡大誤差)をどのように補正するべきかという課題を認識しておらず、また、そのような課題は、予め固定的に調整された曲率や形状を有する曲面f0を備えるレチクルRを用いて投影レンズPLに固有の一定の像面湾曲誤差を補正することを要旨とする引用文献1に記載の発明からは、読み取ることはできないものと思料致します。・・・(途中省略)・・・
従って、引用文献1乃至3は、何れも、「スキャナ方式によるパターニングデバイスの移動に伴い、基板の歪みに応じてパターニングデバイスを変形させたときに生じ得る拡大誤差(即ち、パターニングデバイスの移動に伴い、基板の歪みに応じて動的に変化し得る拡大誤差)をどのように補正するか」という課題を認識しておらず、・・・(途中省略)・・・
補正後の請求項1に係る発明は、引用文献1乃至3から容易に想到し得るものではないものと思料致します。」と主張する。
(イ)本願明細書の記載
そして、本願明細書の段落【0026】には、「[0031]パターニングデバイスの曲げは、2つの方法によって与えられうる。すなわち、所望の曲げがダイといった基板の一部のスキャン前に決定されうる。次に、所望の曲げはアクチュエータによって与えられて、基板の当該一部のスキャン中は実質的に一定に維持されうる。さらに、このような静的曲げの代わりにまたは追加して、動的曲げが与えられてもよい。動的曲げでは、スキャン中にパターニングデバイスの曲げを局所湾曲に適応させるようにスキャン中にアクチュエータが駆動される。それにより、局所湾曲により正確に従うこと、したがって向上された焦点整合が達成され、このことは基板の表面が、変化および/またはスキャン中に変化する不規則性を示す場合に有利でありうる。一実施形態では、スキャン速度は、パターニングデバイスの(静的または動的)曲げに従って調節される。」と記載されている。
(ウ)当審の判断
しかしながら、本願発明は上記2のとおりのものであって、パターニングデバイスの曲げが、「静的」であるとも、あるいは、「動的」であるとも特定するものではなく、パターニングデバイスの曲げが、「静的」である場合を含むと認められる。
また、上記(イ)から、本願明細書の発明の詳細な説明においても、パターニングデバイスの曲げを与える方法について、まず基本として「静的」曲げを与える方法が述べられた後に「このような静的曲げの代わりにまたは追加して、動的曲げが与えられてもよい。」と述べられているのであり、この記載からしても、本願発明において、基本的に「静的」曲げが想定されていることは明らかである。
したがって、本願発明は、パターニングデバイスの曲げが、「静的」である場合を含むから、引用発明に、引用文献3に記載されているような、周知の「スキャン露光」行う露光方法を踏まえて、引用文献2及び3から把握できる周知技術を付加した発明を含むものであるということができ、この点において、本願発明は、引用発明及び周知技術から、容易に想到し得たものであるといえる。
よって、請求人の上記意見書の主張は、請求項14(本願発明)及び発明の詳細な説明の記載に基づくものとはいえず、採用できない。
また、上記主張によっても、本願発明において、引用発明から当業者が予測困難な程の格別顕著な効果が奏されるものとは認められない。

(3)小括
以上の検討によれば、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-11-24 
結審通知日 2015-11-25 
審決日 2015-12-09 
出願番号 特願2011-47062(P2011-47062)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 創秋田 将行  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 土屋 知久
松川 直樹
発明の名称 スキャナ及びそれを用いてデバイスを製造する方法  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  

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