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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B25J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B25J
管理番号 1314181
審判番号 不服2015-10860  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-09 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 特願2011-99241「ロボット制御装置及びロボットシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月22日出願公開、特開2012-228756〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件は、平成23年4月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおり。
平成26年3月27日 手続補正書提出
平成27年1月21日付け 拒絶理由通知
平成27年2月24日 意見書提出
平成27年3月12日付け 拒絶査定
平成27年6月9日 審判請求書、同時に手続補正書提出
平成27年9月2日 上申書提出

第2 平成27年6月9日付け手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成27年6月9日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1. 本件補正の内容
上記平成27年6月9日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、上記平成26年3月27日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲をさらに補正するもので、本件補正前の請求項4を本件補正により補正し、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1とする補正を含むところ、本件補正前の請求項4と本件補正後の請求項1の記載は、補正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。

(1) 本件補正前
「【請求項4】
撮像部に、マーカーを撮像させ、前記マーカーの撮像画像を取得させるカメラ制御部と、
前記撮像画像を用いて、種別情報を取得し、第1物体に取り付け可能な第2物体を特定する解析部と、
ロボットに、特定した前記第2物体を前記第1物体に取り付けさせるロボット駆動制御部と、を有する、ことを特徴とするロボット制御装置。」

(2) 本件補正後
「【請求項1】
撮像部に、マーカーを撮像させ、前記マーカーの撮像画像を取得させるカメラ制御部と、
前記撮像画像を用いて、種別情報を取得し、第1物体の第1取付部に取り付け可能な第2物体を特定し、第1物体の第2取付部に取り付け可能な第3物体を特定する解析部と、
ロボットに、特定した前記第2物体を前記第1取付部に取り付けさせ、特定した前記第3物体を前記第2取付部に取り付けさせるロボット駆動制御部と、を有する、ことを特徴とするロボット制御装置。」

2. 補正の適否
本件補正前の特許請求の範囲の請求項4に係る上記補正は、「第2物体」を取り付ける「第1物体」の位置について、本件補正は「第1取付部」と限定するものであり、「解析部」について、本件補正は「第1物体の第2取付部に取り付け可能な第3物体を特定する」との限定を付加するものである。さらに、「ロボット駆動制御部」について、本件補正は「特定した前記第3物体を前記第2取付部に取り付けさせる」との限定を付加するものである。
したがって、本件補正のうち、本件補正前の請求項4に係る上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項4に記載した発明と、本件補正後の請求項1に記載した発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて、以下に検討する。

(1) 引用文献に記載された事項及び発明
原査定の拒絶の理由に引用された本件出願前に頒布された刊行物である特開昭63-93583号公報(以下、「引用文献1」という。)」には、図面とともに以下の「可変シーケンスロボット」が記載されている(下線は、理解の便のため当審で付した。)。

ア.
「2 特許請求の範囲
複数の手順を記憶しており、作業対象物に応じてその手順の中から適当なものが選択される可変シーケンスロボットにおいて、作業対象物に付されたバーコードの内容を読取るバーコードリーダと、読取つた内容に対応する情報処理装置を備えたことを特徴とする可変シーケンスロボット。」(1ページ左欄4ないし10行)

イ.
「〔問題点を解決するための手段〕
このような問題を解決するためにこの発明は、作業対象物に付されたバーコードの内容を読取り、その内容に応じて手順の選択を行なう情報処理装置を設けたものである。」(1ページ右欄11ないし15行)

ウ.
「〔実施例〕
図はこの発明の一実施例を示す斜視図である。
同図において、1は矢印方向に移動するベルトコンベアであり、その上に作業対象物2,3が載せられている。作業対象物2,3はその上部にそれぞれの作業対象物を表わす内容のバーコードの印刷されたラベル4a,4bが貼着されている。5はバーコードリーダであり、その前を通る作業対象物2,3に貼着されているラベル4a,4bに付されたバーコードを読取つて、その読取つたデータを情報処理装置6に供給するようになつている。
情報処理装置6は作業対象物毎の作業手順が記憶されており、バーコードリーダ5から作業対象を表わす信号が供給されると、その信号に応じて手順を選択するとともに、その選択された手順によつてアクチュエータ7を駆動するようになつている。このためそのアクチュエータは手順にそつた作業を行なうが、この例では作業対象物2に対して部材9を、作業対象物3に対しては部材8を取付けるようになつており、2a,3aはそれらの部材が取付けられた作業完了品を表わしており、それらはベルトコンベア1の移動につれて次工程に送り出されていく。
なお、以上の実施例は加工工程について説明したが、ラベル4a,4bのバーコードを製造番号、製造年月日にしておけば、生産管理システムとして使用できるほか、バーコードの内容に応じて仕分、塗装、機械加工などの産業用ロボットとして使用でき、情報処理装置の処理容量が不足すれば上位コンピュータにデータを送り、そこで処理を行なうこともできる。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明は、作業対象物に付されたバーコードの内容を読取り、その内容に応じて記憶した手順の中から必要な手順を選択するようにしたものであるから、作業対象物の順序や内容が変つても、操作者の工数を増加させることなく対応した作業が行なわれるので、作業効率が良いという効果を有する。」(1ページ右欄下から2行ないし2ページ右上欄下から3行)

エ. 図


オ.
上記摘記事項イ.の「作業対象物に付されたバーコードの内容を読取り、その内容に応じて手順の選択を行なう情報処理装置を設けた」との記載、及び、上記摘記事項ウ.の「作業対象物2,3に貼着されているラベル4a,4bに付されたバーコードを読取つて、その読取つたデータを情報処理装置6に供給するようになっている。」との記載から、「情報処理装置6」は、「作業対象物2、3」に貼着された「ラベル4a、4b」に付された「バーコード」を「バーコードリーダー5」に読み取らせ、当該「バーコード」の「データ」を取得させるための制御を行う、「バーコードリーダ制御部」を有するものであることが、明らかである。

カ.
上記摘記事項ウ.の「情報処理装置6は作業対象物毎の作業手順が記憶されており、バーコードリーダ5から作業対象を表わす信号が供給されると、その信号に応じて手順を選択するとともに、その選択された手順によつてアクチュエータ7を駆動するようになつている。このためそのアクチュエータは手順にそつた作業を行なうが、この例では作業対象物2に対して部材9を、作業対象物3に対しては部材8を取付けるようになつており、」との記載から、「情報処理装置6」は、作業において、バーコードリーダ5からのデータを用いて、「作業対象物2」及び「作業対象物3」を表す内容を取得し、かつ、それぞれに対して取り付けられる「部材9」及び「部材8」を特定しているといえる。さらに、作業対象物2及び3は、それぞれ、部材9及び8を取り付けるための「取付部」が設けられていることが明らかである。そして、両取付部を、取り付けられる部材に応じて、(「部材9」が取り付けられる)「取付部1」及び(「部材8」が取り付けられる)「取付部2」と呼ぶことができる。そうすると、「情報処理装置6」は、上記「データ」を用いて、作業対象物2、3を表す内容を取得し、作業対象物2の取付部に取り付け可能な部材9を特定し、作業対象物3に取り付け可能な部材8を特定する「特定制御部」を有することは、明らかである。
さらに、「情報処理装置6」は、「アクチュエータ7」に対して、上記作業対象物2及び3にそれぞれ部材9及び8を取り付けるように制御するものであるといえるから、「情報処理装置6」が、「アクチュエータ7」に、上記「部材9」を上記「作業対象物2」に取り付けさせ、特定した上記「部材8」を上記作業対象物「3」に取り付けさせる「アクチュエータ制御部」をも有することは、明らかである。

上記摘記事項ア.ないしウ.、エ.の図示、並びに、認定事項オ.及びカ.を技術常識を考慮して総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「バーコードリーダー(5)に作業対象物(2、3)に貼着されたラベル(4a、4b)に付されたバーコードを読み取らせ、前記バーコードのデータを取得させるバーコードリーダ制御部と、
前記データを用いて、作業対象物を表す内容を取得し、作業対象物(2)の取付部1に取り付け可能な部材(9)を特定し、作業対象物(3)の取付部2に取り付け可能な部材(8)を特定する特定制御部と、
アクチュエータ(7)に、特定した前記部材(9)を前記取付部1に取り付けさせ、特定した前記部材(8)を前記取付部2に取り付けさせるアクチュエータ(7)制御部と、を有する、情報処理装置6」

(2) 対比
引用発明の「バーコード」は、補正発明の「マーカー」に相当する。
引用発明の「アクチュエータ(7)」は、補正発明の「ロボット」に相当する。引用発明の「アクチュエータ(7)制御部」は、補正発明の「ロボット駆動制御部」に相当する。
引用発明の「作業対象物(2)」及び「作業対象物(3)」は、「アクチュエータ(7)」により他の物体である「部材(9)」及び「部材(8)」を取り付けられるものである「被取付物」である点で、「ロボット」により「第2物体」及び「第3物体」が取り付けられる「第1物体」と共通する。そして、引用発明の「部材(9)」及び「部材(8)」は、補正発明の「第2物体」及び「第3物体」と、「アクチュエータ(7)」(「ロボット」)」により取り付ける「取付物」である点で共通する。
引用発明の「作業対象物を表す内容」は、補正発明の「種別情報」に相当する。
引用発明の「バーコードリーダー(5)」は、補正発明の「撮像部」と、「被取付物」に付された「バーコード」(「マーカー」)から、「作業対象物を表す内容」(「種別情報」)を取得するための「読取機器」である点で共通する。引用発明の「データ」は、「バーコード」(「マーカー」)から読取機器である「バーコードリーダー(5)」により取得される「取得情報」である点で、補正発明の「撮像画像」と、共通する。そうすると、引用発明の「バーコードを読み取らせ」は、補正発明の「撮像画像を取得させ」と、上記「読取機器」により「取得情報」を読み取らせる点で共通する。さらに、引用発明の「バーコードリーダー制御部」は、補正発明の「カメラ制御部」と、上記「読取機器」を用いて、上記取得情報を「バーコード」(「マーカー」)から読み取らせる制御をおこなう部分である「読取制御部」である点で共通する。
引用発明の「特定制御部」は、補正発明の「解析部」に相当する。
引用発明の「情報処理装置6」は、補正発明の「ロボット制御装置」に相当する。

そうすると、補正発明と引用発明とは以下の点で一致し、かつ、相違する。

<一致点>
「読取機器に、マーカーを読み取らせ、前記マーカーの取得情報を取得させる読取制御部と、
前記取得情報を用いて、種別情報を取得し、被取付物の第1の取付部に取り付け可能な第1の取付物を特定し、被取付物の第2の取付部に取り付け可能な第2の取付物を特定する解析部と、
ロボットに、特定した前記第1の取付物を前記第1取付部に取り付けさせ、特定した前記第2の取付部を前記第2取付部に取り付けさせるロボット駆動制御部と、を有するロボット制御装置。」

<相違点1>
「読取機器」、「取得情報」及び「読取制御部」について、補正発明は、それぞれ「撮像部」、「撮像画像」及び「カメラ制御部」であるのに対し、引用発明は、それぞれ「バーコードリーダー(5)」、「データ」及び「バーコード制御部」である点。

<相違点2>
「第1の取付物」及び「第2の取付物」が、それぞれ「被取付物」の「第1の取付部」及び「第2の取付部」に取り付けられる点ついて、補正発明は、「第2の物体」及び「第3の物体」が、それぞれ「第1の物体」の「第1取付部」及び「第2取付部」に取り付け可能なものであるのに対し、引用発明は、「部材(9)」及び「部材(8)」が、それぞれ「作業対象物(2)」の「取付部1」及び「作業対象物(3)」の「取付部2」に取り付け可能である点。

(3) 判断
上記(2)の相違点1及び2について検討する。

ア. 相違点1について

例えば、本件出願前に頒布された刊行物である、特開2007-90448号公報には、「【0028】[二次元コード検出装置の構成]・・・図1に示した二次元コード検出装置1は、カメラCで撮像された撮像画像から、物体Dに貼付された二次元コードMの位置及び姿勢を算出するとともに、当該二次元コードMに符号化されている符号化データを復号することで、二次元コードMの位置及び姿勢を示す位置・姿勢情報と復号情報とを制御情報として出力するものである。・・・」との記載がある。また、同様に本件出願前に頒布された刊行物である、特開2002-215655号公報には、「【0008】対象物31には、タグ310が設けられている。タグ310は、抽出が容易な特徴が付与されたもので、たとえば、バーコードのように画像データから容易に抽出できるような幾何学的図形や色の組み合わせなどによって表わされる。・・・【0009】パソコン11は、○1カメラ12で撮影される画像データの中からタグ310を抽出し(発見段階)、○2抽出したタグ310によって与えられる属性情報を読み取る(読み取り段階)。・・・」との記載がある(なお、摘記箇所で、原文が○囲みの1及び2で記載している箇所については、当審で○1、○2で代用記載した。)。そうすると、バーコードをカメラで撮影し、撮像画像を得て、当該撮像画像から「バーコード」に記録されている情報を取得することは従来周知の技術事項である。
したがって、引用発明が「読取機器」として、「バーコードリーダー」に代えて、カメラを用いた「撮像部」を採用することは、バーコードの読み込み手段として、上記従来周知のものを採用したにすぎず、当業者にとって格別の困難性は認められない。そして、カメラを採用したならば、「取得情報」が「撮像画像」となることは当業者にとって明らかである。また、引用発明の「バーコード制御部」を、「カメラ制御部」とした点は、「読取機器」として上記従来周知の「カメラ」による「撮像部」を採用したのであれば、当然におこなう構成の変更であるに過ぎない。

イ. 相違点2について
例えば、本件出願前に頒布された刊行物である、特開平7-328872号公報には、「【0022】・・・全体のフローについては、図2に示すものとなる。ポイントデータをクリアーして、初期化しておき、次いで、ポイントデータ入力手段31より、ねじを締める位置(各X方向、Y方向、Z方向位置)や、ねじ長さLや、ねじピッチP等を含むポイントデータを入力する(S1参照)。・・・入力が終了したら、S2へ移動し、再入力や入力ミスが生じた場合は、Noを選び再びS1へ行く。」及び「【0035】・・・被加工物Qの位置情報を入力するポイントデータ入力手段31と、ポイントデータを記憶するポイントデータ記憶手段33と、これらを制御する中央処理装置30とを備えたことにより、複数のねじを締める位置や、ねじ長さLや、ねじピッチP等を含むポイントデータに基づき、自動的にねじ締め作業ができる利点がある。」との記載がある。以上の記載から、当該刊行物には、一つの「被加工物Q」に対して複数の「ねじ」を自動的に締める装置が記載されていて、その「ねじ」は長さLやピッチPが異なるものがあり得る、ことが記載されている。そして、ねじのピッチPが異なれば、ねじが締め付けられるねじ孔も相互に異なるものとなることは自明である。そうすると、複数の物品を自動的に取り付ける機器において、一つの被取付部材に対して複数種類の取付物をそれぞれ異なる取付部に取り付けることは従来周知の事項である。
また、引用発明は、「作業対象物(2)」にある「取付部1」と、「作業対象物(3)」にある「取付部2」に対して、それぞれ「部材(9)」及び「部材(8)」を取り付けるものであるが、当該「作業対象物(2)」と「作業対象物(3)」が一体に形成されたものであっても、「取付部2」及び「取付部3」を有するならば、「部材(9)」及び「部材(8)」が取り付け可能であることは、当業者にとって明らかである。
したがって、「作業対象物(2)」の「取付部1」及び「作業対象物(3)」の「取付部2」のそれぞれに対して「部材(9)」及び「部材(8)」を取り付ける作業を行う引用発明において、作業の対象物として、「取付部1」及び「取付部2」の双方を有する物体、換言すれば「第1取付部」及び「第2取付部」を有する「第1の物体」に対して「部材(9)」及び「部材(8)」を取り付ける作業としたことは、引用発明が可能な作業であって、上記従来周知のものを行わせたにすぎず、当業者にとって格別の困難性があるものとは認められない。

ウ. 作用効果について
補正発明によってもたらされる作用効果も、引用発明及び上記従来周知の事項から当業者が予測し得る以上のものであるとは認められない。

(4) 小活
上記(3)で検討したとおり、補正発明は、引用発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3. むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるから、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について

1. 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成26年3月27日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲及び明細書並びに願書に添付した図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項4に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1.(1)に示したとおりのものである。

2. 引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献並びにその記載事項及び発明は、上記第2の2.(1)に示したとおりである。

3. 対比・検討
本願発明は、上記第2の2.で示したとおりの、限定をはずし、付加した事項を除いたものである。そうすると、本願発明と引用発明とを対比すると、両者は上記相違点1において相違する。そして相違点1については、上記第2の2.(3)ア.で示したとおり、引用発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、引用発明及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4. むすび
したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきであるから、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-01 
結審通知日 2016-03-08 
審決日 2016-03-22 
出願番号 特願2011-99241(P2011-99241)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B25J)
P 1 8・ 121- Z (B25J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 牧 初松浦 陽  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 久保 克彦
渡邊 真
発明の名称 ロボット制御装置及びロボットシステム  
代理人 西田 圭介  
代理人 仲井 智至  
代理人 渡辺 和昭  

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