ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G21C |
---|---|
管理番号 | 1314312 |
審判番号 | 不服2015-4838 |
総通号数 | 198 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-03-12 |
確定日 | 2016-05-24 |
事件の表示 | 特願2010-277981「使用済み燃料の放射線計測装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月 5日出願公開、特開2012-127737、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成22年12月14日の出願であって、平成26年5月27日付けで拒絶理由が通知され、同年7月18日付けで意見書が提出されるとともに同日付けで手続補正がなされたが、同年12月12日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、平成27年3月12日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされ、その後、当審において平成28年1月25日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年3月25日付けで意見書が提出されるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1?4に係る発明は、平成28年3月25日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである。 「【請求項1】 一本の使用済みの燃料集合体を内部に装荷するとともに内側と外側を含めた全体が水に浸漬されているフレームと、 前記フレームを囲むように配置されコリメータの設けられたコンクリート壁と、 前記フレームの外側に対向して設けられ前記コリメータを通過したガンマ線を検出する一対のガンマ線検出器と、 前記フレームの内側に固定されるとともに前記装荷された前記燃料集合体をその対角線方向の側方から狭持して前記一対のガンマ線検出器に対する前記燃料集合体の位置決めをする支持部材と、 前記支持部材に設けられるとともにその狭持動作に従って前記燃料集合体に近接する中性子検出器と、を備え、 前記支持部材は、断面L字形状を有し前記燃料集合体の角部分に当接する当接部と、この当接部及び前記中性子検出器が固定される固定部と、この固定部が先端に取り付けられたロッドと、前記ロッドを長手方向に変位させる駆動部とから構成されることを特徴とする使用済み燃料の放射線計測装置。」 第3 原査定の理由について 1.原査定の理由の概要 本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特開平7-306291号公報 引用文献2:特開平10-332873号公報 引用文献1において、「使用済みの燃料集合体を内部に装荷するフレームと、前記装荷された前記燃料集合体を側方から狭持して前記一対のガンマ線検出器に対する前記燃料集合体の位置決めをする支持部材と、を備えること使用済み燃料の放射線計測装置」の発明が記載されている。 そして、使用済み燃料の放射線計測装置において、「フレームの外側に対向して設けられる一対のガンマ線検出器」と、「支持部材に設けられるとともにその狭持動作に従って前記燃料集合体に近接する中性子検出器」を有することは周知(引用文献2参照。)である。 してみると、引用文献1記載の発明に前記周知技術を適用して、本願請求項1に係る発明とすることは当業者にとって容易である。 2.原査定の理由の判断 (1)引用文献の記載事項、引用発明 原査定の拒絶の理由に用いられた引用文献1(特開平7-306291号公報)には、 「【0034】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明装置の第1の実施例である放射線を含む燃焼度等の計測装置を示す構成図である。同図において1は装置本体となる機構フレームであって、この機構フレーム1の底板部側には燃料集合体着座体2をもった昇降駆動機構3が設置されている。この昇降駆動機構3の燃料集合体着座体2には使用済み燃料集合体4が縦方向に伸びるように立設した状態で着座されている。なお、機構フレーム1は再処理施設の1つである例えば大型水槽などに浸漬されている。 【0035】この昇降駆動機構3の駆動系は、図2に示すごとく気中側に設置される電動モータ21aを有する駆動源21と、この電動モータ21aの回転動力を伝達する回転軸22a、この回転軸先端に固着される傘歯車22b、この傘歯車22bに噛み合う傘歯車22c等からなる気中側動力伝達機構22と、適宜な歯車比の歯車を有し、前記気中側動力伝達機構22側から伝達される動力を前記昇降駆動機構3の一部を構成するジャッキ機構3aに伝達する水中側動力伝達機構5とによって構成されている。 【0036】22dは駆動位置検出器であって、これは回転軸22aの回転量から昇降位置を判断するものである。具体的には、回転軸22aに例えばマーキング22eを被嵌し、図2の図示左側の駆動位置検出器22dでマーキング22eを検出したとき、昇降駆動機構3の初期位置と判断し、図示右側の駆動位置検出器22dでマーキング22eを検出したとき、例えば上昇時の規定位置と判断し、これら検出器22dの検出信号で燃料集合体4を位置決め制御するものである。なお、検出器22dは2個以上設けてもよく、また他の位置検出手段でもよい。 【0037】さらに、機構フレーム1または当該フレーム1に代わる固定フレームに放射線検出器の1種である例えばグロスガンマ検出器を内蔵する多数のグロスガンマ検出器水密容器6,…が使用済み燃料集合体4と一定の離隔距離を保持するように固定されている。 【0038】また、使用済み燃料集合体4のほぼ中央部分を挟むように、放射線検出器の1種である例えば放出中性子検出器を内蔵する放出中性子検出器水密容器7,7が使用済み燃料集合体4と一定の離隔距離を保持するように配置されている。 【0039】この放出中性子検出器水密容器7は、気中側に設置される駆動源23と水中の機構フレーム1側などに設置される放出中性子検出器水密容器駆動機構8とにより、前述のごとく使用済み燃料集合体4と一定の離隔距離を保つように駆動制御されるものである。 【0040】そのうち、駆動機構8は、図3に示すように燃料集合体4両側の水密容器7を支持する支持体8aと、これら支持体8a-8a間に跨がって架設されたガイドシャフト8bと、水圧シリンダー8cと、この水圧シリンダー8cに所要の水圧力となる水を導入する導圧配管8dとによって構成され、水密容器7を含む構成体8a?8dの全部または必要な構成体は耐食性等の観点から例えばステンレス製のものが使用される。 【0041】一方、駆動源23は、具体的には図示されていないが、水中ポンプおよびこの水中ポンプから得られる水を前記導圧配管8dに送り込んで水圧シリンダー8cを制御する水圧制御部によって構成される。これら水中ポンプおよび水圧制御部は気中側に設置される。 【0042】さらに、使用済み燃料集合体4の例えば比較的上部位置には、前記グロスガンマ検出器6,…と使用済み燃料集合体4とが一定の離隔距離を保つように当該使用済み燃料集合体4を駆動するための駆動源24およびセンタリング駆動機構9が配置されている。 【0043】このセンタリング駆動機構9は、図4に示すようにセンタリングアーム9a、水圧シリンダー9bと、この水圧シリンダー9bに所要の水圧となる水を導く導圧配管9cとからなり、これらの全部または一部の構成体は耐食性等の観点からステンレス製のものが使用される。」、 「【0050】以上のようにして使用済み燃料集合体4のセンタリングおよびグロスガンマ検出器6,…相互の感度校正のための燃料集合体4の昇降操作が完了したならば、燃料集合体4の放射線測定基準位置にて、使用済み燃料集合体4からの放射線を、グロスガンマ測定、放出中性子測定およびガンマ線スペクトル測定を行う。なお、ガンマ線スペクトル測定を行う場合には、機器フレーム1に取り付けられず、使用済み燃料集合体4から放射する放射線を例えば水槽の壁などにコリメータを取り付け、このコリメータを通ってくる放射線を他の場所に設置する測定部で測定することになる。」 が記載されている(下線部は当審で付与した。)。 また、第1図から、一本の使用済み燃料集合体4を備えた計測装置が看取できる。 そうすると、引用文献1には、 「大型水槽などに浸漬されている機構フレーム1と、 前記水槽の壁にコリメータを取り付け、このコリメータを通ってくる一本の使用済み燃料集合体4から放射する放射線を他の場所に設置するガンマ線スペクトル測定を行う測定部と、 グロスガンマ検出器6と前記使用済み燃料集合体4とが一定の離隔距離を保つように前記使用済み燃料集合体4を駆動するための駆動源24およびセンタリング駆動機構9と、 前記使用済み燃料集合体4と一定の離隔距離を保持するように配置されている放出中性子検出器と、 を備えた使用済み燃料集合体4の計測装置。」の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 (2)対比 本願発明と引用発明1とを対比すると、本願発明と引用発明1は、 「一本の使用済みの燃料集合体を内部に装荷するとともに内側と外側を含めた全体が水に浸漬されているフレームと、 前記フレームを囲むように配置されコリメータの設けられた壁と、 前記フレームの外側に設けられ前記コリメータを通過したガンマ線を検出するガンマ線検出器と、 前記フレームの内側に固定されるとともに前記装荷された前記燃料集合体をその対角線方向の側方から挟持して前記燃料集合体の位置決めをする支持部材と、 前記燃料集合体に近接する中性子検出器と、を備える、 使用済み燃料の放射線計測装置。」の点で一致している。 他方、本願発明と引用発明1は、以下の各点で相違する。 「壁」が、本願発明では、「コンクリート」であるのに対して、引用発明1ではコンクリートであるかどうか明確でない点(相違点1)。 「ガンマ線検出器」が、本願発明では、「一対」であるのに対して、引用発明1では一対であるかどうか明確でない点(相違点2)。 「中性子検出器」が、本願発明では、「前記支持部材に設けられるとともにその狭持動作に従って前記燃料集合体に近接する」のに対して、引用発明1の[放出中性子検出器」は「センタリング装置9」に設けられていない点(相違点3)。 「支持部材」が、本願発明では、「断面L字形状を有し前記燃料集合体の角部分に当接する当接部と、この当接部及び前記中性子検出器が固定される固定部と、この固定部が先端に取り付けられたロッドと、前記ロッドを長手方向に変位させる駆動部とから構成される」のに対して、引用発明1の「センタリング装置9」はそのような構成でない点(相違点4)。 (3)判断 事案に鑑み、上記相違点4について検討する。 引用文献2(特開平10-332873号公報)(【0087】?【0098】、図12、14、特に、第5実施形態参照。)に記載の「放射線検出器10」(支持部材に相当)は「中性子検出器82」を備えることにとどまり、当接部と、この当接部及び中性子検出器が固定される固定部、この固定部が先端に取り付けられるロッドと、前記ロッドを長手方向に変位させる駆動部とから構成されるものではない。 してみると、引用発明1の「センタリング装置9」に引用文献2に記載された事項を適用したとしても、上記相違点4にかかる構成とすることは、当業者といえども、容易に想到し得たものとすることはできない。 (4)小括 したがって、本願発明は、当業者が引用発明1及び引用文献2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 本願の請求項2?4に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、当業者が引用発明1及び引用文献2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、原査定の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第4 当審拒絶理由について 1.当審拒絶理由の概要 本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献A:特開平10-39085号公報 引用文献B:特開平10-332873号公報 使用済み燃料の放射線計測装置において、燃料集合体を側方から挟持することは、周知技術(特開昭61-202179号公報の発明の実施例、特に第4図参照。)であり、引用文献Aに記載された発明の「使用済燃料の燃焼度測定に用いられる燃焼度モニタ」において、「使用済燃料集合体4」を側方から挟持する支持部材を採用することに、何ら格別の困難性はない。 そして、使用済み燃料の放射線計測装置において、放射線測定装置10(支持部材に相当する)に形成されるとともに、使用済燃料集合体18を挟み込むようにして近接する中性子検出手段82を備えることは、引用文献2に記載されている。 また、使用済み燃料の放射線計測装置において、装置の小型化は周知の課題である。 してみると、引用文献Aに記載された発明に上記周知の側方から挟持する支持部材を採用する際に、装置の小型化のために、側方から挟持する支持部材及び「核分裂型中性子検出器7」に引用文献Bに記載された事項を適用して、「核分裂型中性子検出器7」が支持部材に設けられるとともにその挟持動作に従って「使用済燃料集合体4」に近接するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 以上のとおり、本願発明1は、引用文献A記載の発明、引用文献Bに記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 2.当審拒絶理由の判断 (1)引用文献の記載事項、引用発明 当審の拒絶の理由に用いられた引用文献A(特開平10-39085号公報)には、 「【0017】次に、使用済燃料の燃焼度測定に用いられる従来の燃焼度モニタの測定原理を図12に詳しく説明する。 【0018】図12では、検査ピット1という専用の小型水プールが設置され、その検査ピット1の厚いピット壁2を貫通してガンマ線計測用のコリメータ3が設けられている。使用済燃料集合体(以下使用済燃料という。)4は、検査ピット1の中央部において、図示しない燃料取扱機によって吊り下げられている。 【0019】使用済燃料4を挟むように、放射線検出器5が使用済燃料4の軸方向に沿って多数配列されている。使用済燃料4を挾むように配置したのは、使用済燃料4の測定装置内の位置ずれによる測定精度の低下を抑制し、合わせて燃料の方向による放射能強度の差異を平均操作によって平均するためである。 【0020】図12で検査ピット1内に配列された放射線検出器5のうち多数の検出器6はグロスガンマ測定用電離箱(積分型ガンマ線検出器の一種で、イオンチェンバとも呼ばれる。)であり、使用済燃料4の軸方向中央部で使用済燃料4を挟むように2個ずつ対に配置されているものは、中性子検出器、特にガンマ線に対する遮蔽をほとんど必要としない核分裂型中性子検出器(放出中性子測定用核分裂計数管)7である。イオンチェンバ6と中性子検出器7は図示しない検出器保持部によって保持されている。 【0021】図12で最大の特徴は、ガンマ線スペクトル測定用に、ピット壁2を貫通したコリメータ3と液体窒素で冷却する必要のあるゲルマニウム(Ge)半導体検出器8を採用している点にある。このGe半導体検出器8は検査ピット1周りで遮蔽体9で覆われている。」 が記載されている(下線部は当審で付与した。)。 また、図12から、一本の使用済燃料集合体4、一対のゲルマニウム半導体検出器8が看取できる。 そうすると、引用文献Aには、 「一本の使用済燃料集合体4を燃料取扱機によって吊り下げ、専用の小型水プールが設置された検査ピット1であって、 ガンマ線スペクトル測定用に、ピット壁2を貫通したコリメータ3と液体窒素で冷却する必要のある一対のゲルマニウム半導体検出器8と、 検出器保持部によって保持されている中性子検出器7と、 を設けた検査ピット。」の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されている。 (2)対比 本願発明と引用発明Aとを対比すると、引用発明Aにおいて使用済燃料集合体4の位置決めをする支持部材を備えることは自明であることにより、本願発明と引用発明Aは、 「一本の使用済みの燃料集合体と、 コリメータの設けられた壁と、 前記コリメータを通過したガンマ線を検出する一対のガンマ線検出器と、 前記燃料集合体の位置決めをする支持部材と、 前記燃料集合体に近接する中性子検出器と、を備える、 使用済み燃料の放射線計測装置。」 の点で一致している。 他方、本願発明と引用発明Aは、以下の各点で相違する。 本願発明が、「一本の使用済みの燃料集合体を内部に装荷するとともに内側と外側を含めた全体が水に浸漬されているフレーム」「を備え」るのに対して、引用発明Aは、フレームを備えることは明確でない点(相違点1’)。 「壁」が、本願発明では、「前記フレームを囲むように配置されコリメータの設けられたコンクリート」であるのに対して、引用発明Aの「ピット壁2」はそのような限定がない点(相違点2’)。 「ガンマ線検出器」が、本願発明では、「前記フレームの外側に対向して設けられ」るのに対して、引用発明Aの「ゲルマニウム半導体検出器8」はそのような限定がない点(相違点3’) 「支持部材」が、本願発明では、「前記フレームの内側に固定されるとともに前記装荷された前記燃料集合体をその対角線方向の側方から狭持して前記一対のガンマ線検出器に対する前記燃料集合体の位置決めをする」のに対して、引用発明Aの「燃料取扱機」はそのような限定がない点(相違点4’)。 「中性子検出器」が、本願発明では、「前記支持部材に設けられるとともにその狭持動作に従って前記燃料集合体に近接する」のに対して、引用発明Aの[中性子検出器」は「燃料取扱機」に設けられていない点(相違点5’)。 「支持部材」が、本願発明では、「断面L字形状を有し前記燃料集合体の角部分に当接する当接部と、この当接部及び前記中性子検出器が固定される固定部と、この固定部が先端に取り付けられたロッドと、前記ロッドを長手方向に変位させる駆動部とから構成される」のに対して、引用発明Aの「燃料取扱機」はそのような限定がない点(相違点6’)。 (3)判断 事案に鑑み、上記相違点6’について検討する。 引用文献B(特開平10-332873号公報)(【0087】?【0098】、図12、14、特に、第5実施形態参照。)に記載の「放射線検出器10」(支持部材に相当)は「中性子検出器82」を備えることにとどまり、当接部と、この当接部及び中性子検出器が固定される固定部、この固定部が先端に取り付けられるロッドと、前記ロッドを長手方向に変位させる駆動部とから構成されるものではない。 してみると、引用発明Aの「燃料取扱機」として引用文献Bに記載された事項を適用したとしても、上記相違点6’にかかる構成とすることは、当業者といえども、容易に想到し得たものとすることはできない。 (4)小括 したがって、本願発明は、当業者が引用発明A及び引用文献Bに記載された事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 本願の請求項2?4に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、当業者が引用発明A及び引用文献Bに記載された事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-05-06 |
出願番号 | 特願2010-277981(P2010-277981) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G21C)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 林 靖 |
特許庁審判長 |
森林 克郎 |
特許庁審判官 |
井口 猶二 川端 修 |
発明の名称 | 使用済み燃料の放射線計測装置 |
代理人 | 特許業務法人東京国際特許事務所 |