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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1314614
審判番号 訂正2016-390024  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-02-10 
確定日 2016-03-31 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5769561号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5769561号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯

本件審判の請求に係る特許5769561号(以下、「本件特許」という。)は平成23年9月13日に出願され、平成27年7月3日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成28年2月10日に本件訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨

本件審判請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容

1.訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に
「前記当り判定手段の肯定で実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段と、」
とあるのを、
「前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段と、」(以下、訂正事項1?4に係る下線部は訂正箇所を意味する。)に訂正する。

2.訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1に
「前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、」
とあるのを、
「前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該特定の当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、」
に訂正する。

3.訂正事項3
本件特許請求の範囲の請求項1に
「前記演出種類選択用演出中に前記操作手段の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段すると共に、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段が前記図柄表示手段で実行させるよう構成された」
とあるのを、
「前記演出種類選択用演出中に前記操作手段の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段が決定すると共に、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段が前記図柄表示手段で実行させるよう構成された」
に訂正する。

4.訂正事項4
本件明細書の段落【0006】に
「前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球を検出する始動検出手段(34a,34b)と、該始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として複数種類の図柄を変動させる図柄変動演出を実行する図柄表示手段(17)と、前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として当りか否かを判定する当り判定手段(60a)とを備え、該当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合は、前記図柄変動演出の終了後に当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段(35)と、
前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として前記図柄変動演出の演出内容を特定する図柄変動演出パターンを複数種類の中から1つ決定する図柄変動演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に、当り遊技中に前記図柄表示手段(17)で実行される演出内容を特定する当り演出パターンを複数種類の中から1つ決定する当り演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の肯定で実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段(65a)と、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定した演出パターンの夫々を、前記図柄表示手段(17)で実行させる演出実行制御手段(65a)とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定し得る演出パターンは、前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに対応し、
前記当り遊技には、前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態が当り遊技後に付与される前記特定の当り遊技と確変状態が付与されない当り遊技とが設定され、
非確変状態において前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機とする前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に実行される前記特定の当り遊技中に、前記演出モードが選択可能であることを示唆する演出種類選択用演出が前記図柄表示手段(17)で実行され、
前記演出種類選択用演出中に前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段(65a)が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)が決定すると共に、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段(65a)が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段(65a)が前記図柄表示手段(17)で実行させるよう構成されたことを要旨とする。」
とあるのを、
「前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球を検出する始動検出手段(34a,34b)と、該始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として複数種類の図柄を変動させる図柄変動演出を実行する図柄表示手段(17)と、前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として当りか否かを判定する当り判定手段(60a)とを備え、該当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合は、前記図柄変動演出の終了後に当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段(35)と、
前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として前記図柄変動演出の演出内容を特定する図柄変動演出パターンを複数種類の中から1つ決定する図柄変動演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に、当り遊技中に前記図柄表示手段(17)で実行される演出内容を特定する当り演出パターンを複数種類の中から1つ決定する当り演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段(65a)と、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定した演出パターンの夫々を、前記図柄表示手段(17)で実行させる演出実行制御手段(65a)とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定し得る演出パターンは、前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに対応し、
前記演出実行制御手段(65a)は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該特定の当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段(17)で実行させるよう構成され、
前記当り遊技には、前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態が当り遊技後に付与される前記特定の当り遊技と確変状態が付与されない当り遊技とが設定され、
非確変状態において前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機とする前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に実行される前記特定の当り遊技中に、前記演出モードが選択可能であることを示唆する演出種類選択用演出が前記図柄表示手段(17)で実行され、
前記演出種類選択用演出中に前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段(65a)が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)が決定すると共に、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段(65a)が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段(65a)が前記図柄表示手段(17)で実行させるよう構成されたことを要旨とする。」
に訂正する。

第4 当審の判断

1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には「当り判定手段の肯定で実行される特定の当り遊技」と記載されているが、「当り判定手段の肯定」とは、どのような意味なのか不明瞭になっていた。
ここで、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の請求項1には、
「前記始動検出手段の球検出を契機として当りか否かを判定する当り判定手段とを備え、該当り判定手段の判定結果が肯定の場合は、前記図柄変動演出の終了後に当り遊技が行われる遊技機」
と記載され(以下、下線部は訂正に関係する箇所を意味する。)、
明細書の段落【0095】には、
「すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。」
と記載され、
明細書の段落【0104】には、
「前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。」
と記載され、
明細書の段落【0121】には、
「本実施例のパチンコ機10では、通常モードにおいて前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技(特定の当り遊技)が付与された場合に、該大当り遊技(以後「初回大当り遊技」という場合もある)における最終ラウンドにおいて、次回の図柄変動演出の基本的な種類を特定する演出種類モード(演出モード)を複数の中から選択可能な演出種類選択用演出が実行されるよう構成されている。すなわち、初回大当り遊技に際して選択される複数種類の演出パターンが統括制御ROM65bに記憶されており、特定の当り遊技(図柄A,Cまたは図柄aで当選して大当り遊技終了後に確変状態となるもの)では、最終ラウンドにおいて演出種類選択用演出が展開される演出パターンが選択されて図柄表示装置17で実行される。」
と記載されているから、本件特許発明では、当り判定手段(メイン制御CPU60a)の当り判定の判定結果が肯定の場合(図柄A,Cまたは図柄aで当選した場合)に特定の当り遊技(確変状態)となることは明らかである。
そこで、訂正事項1は、
「前記当り判定手段の肯定で実行される特定の当り遊技」という記載を、
「前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に実行される特定の当り遊技」に訂正し、不明瞭であった訂正前の請求項1の記載を、本件特許明細書等の請求項1における別の記載箇所、明細書の段落【0095】、【0104】、【0121】の内容に沿った明瞭な記載にするためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
(1)で検討したように、上記訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には「前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、」と記載されているが、このような記載では「該当り遊技」が「特定の当り遊技」なのか「特定の当り遊技の次に行われる当り遊技」なのか把握できない不明瞭なものとなっていた。
ここで、本件特許明細書等の明細書の段落【0121】には、
「本実施例のパチンコ機10では、通常モードにおいて前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技(特定の当り遊技)が付与された場合に、該大当り遊技(以後「初回大当り遊技」という場合もある)における最終ラウンドにおいて、次回の図柄変動演出の基本的な種類を特定する演出種類モード(演出モード)を複数の中から選択可能な演出種類選択用演出が実行されるよう構成されている。すなわち、初回大当り遊技に際して選択される複数種類の演出パターンが統括制御ROM65bに記憶されており、特定の当り遊技(図柄A,Cまたは図柄aで当選して大当り遊技終了後に確変状態となるもの)では、最終ラウンドにおいて演出種類選択用演出が展開される演出パターンが選択されて図柄表示装置17で実行される。」
と記載され、
明細書の段落【0140】?【0144】には、
「【0140】
演出種類ループ処理は、演出種類選択演出で選択した演出種類モードに滞在する状態では、当該演出種類モードに対応する図柄変動演出および大当り演出を繰り返し行うようにした処理である。この演出種類ループ処理では、初回大当りが、確変大当りであった場合で、かつ演出種類選択演出において演出種類モードMAが選択された場合で説明する。
・・・
【0142】
次に、ステップC13で、大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定される。前述したように初回大当りが確変大当りであるので、次に確変大当りに当選するまでは確変状態が継続することにより、ステップC13の判定結果が否定であっても演出種類ループ処理を終了することなく、演出種類モードMAに滞在する。また、大当り判定の判定結果が否定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、演出種類モードMAに対応するはずれ用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定したはずれ用の選択用演出パターンを指示するはずれ用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、はずれ用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定されるはずれ用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該はずれ用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。すなわち、統括制御RAM65cには演出種類モードMAを特定する情報が記憶されているので、第1および2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出としては、前述したように滞在中の演出種類モードMAに対応する演出が実行される。
・・・
【0144】
大当り判定の判定結果が肯定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、演出種類モードMAに対応し、かつ大当り図柄の種類に対応するあたり用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定した当り用の選択用演出パターンを指示する当り用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、当り用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される当り用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該当り用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC16)。また、図柄変動演出において当り表示結果が導出されると、大当り遊技に移行する。すなわち、統括制御CPU65aでは、演出種類モードMAに対応する第1バトル演出パターンBAにおける通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の中から、大当り図柄の種類に基づいて1つを決定し、対応する通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。このように、図柄変動演出および引き続いて行われる大当り演出としては、何れも滞在中の演出種類モードMAに対応する演出が実行される(ステップC17)。」
と記載されているから、本件特許発明では、特定の当り遊技(図柄A,Cまたは図柄aで当選して大当り遊技終了後に確変状態となるもの)の最終ラウンドにおいて演出モード(例えば、演出種類モードMA)が選択された場合に、当該特定の当り遊技後の第1および2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出は、演出種類モードMAに対応する演出が実行されることは明らかである。
そこで、訂正事項2は、
「前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、」という記載を、
「前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該特定の当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、」に訂正し、不明瞭であった訂正前の請求項1の記載を、本件特許明細書等の明細書の段落【0121】、【0140】?【0144】の内容に沿った明瞭な記載にするためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
(1)で検討したように、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 訂正事項3
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には「前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段すると共に」と記載されているが、「前記図柄変動演出パターン決定手段する」とは、どのような意味なのか不明瞭になっていた。
ここで、本件特許明細書等の請求項1には、
「前記始動検出手段の球検出を契機として前記図柄変動演出の演出内容を特定する図柄変動演出パターンを複数種類の中から1つ決定する図柄変動演出パターン決定手段」
と記載され、
明細書の段落【0006】には、
「前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)が決定すると共に」
と記載され、
明細書の段落【0138】には、
「すなわち、複数種類の図柄変動演出パターンの中から1つを決定する図柄変動演出パターン決定手段(演出パターン決定手段)および複数種類の当り演出パターンの中から1つを決定する当り演出パターン決定手段としての機能を前記統括制御CPU65aが備えている。」
と記載され、
明細書の段落【0144】には、
「大当り判定の判定結果が肯定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、演出種類モードMAに対応し、かつ大当り図柄の種類に対応するあたり用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定した当り用の選択用演出パターンを指示する当り用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、当り用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される当り用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該当り用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC16)。」
と記載されているから、本件特許発明では、図柄変動演出パターン決定手段(統括制御CPU65a)が、演出種類モードMAに対応し、かつ大当り図柄の種類に対応するあたり用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、当り用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動表示が実行されることは明らかである。
そこで、訂正事項3は、
「前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段すると共に」という記載を、
「前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段が決定すると共に、」に訂正し、不明瞭であった訂正前の請求項1の記載を、本件特許明細書等の請求項1における別の記載箇所、明細書の段落【0006】、【0138】、【0144】の内容に沿った明瞭な記載にするためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
(1)で検討したように、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

4 訂正事項4
(1)訂正の目的について
訂正事項4は、上記訂正事項1及び2の訂正により、本件訂正前の請求項1における明瞭でない記載の釈明の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書等の段落【0006】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
前記1及び2で検討したものと同様の理由により、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本件審判請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同法同条第5項ないし第6項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作手段を遊技者が操作することにより、図柄表示手段で実行される遊技演出の種類を選択し得るよう構成した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機では、遊技盤に設けた始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機に大当りか否かの大当り判定が行われ、該判定結果に応じて、液晶等の図柄表示装置(図柄表示手段)において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを導出する図柄変動演出が行われる。そして、図柄変動演出で導出されて最終的に停止表示された図柄の組み合わせから遊技者が大当りまたははずれを認識できるようになっている。また近年では、遊技者の遊技への参加意欲を高めるために、遊技者が操作可能な演出ボタンを設け、図柄変動演出中等に演出ボタンを操作することで、図柄表示装置で実行される演出内容の展開を遊技者が選択し得るようにしたパチンコ機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-199904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のパチンコ機では、遊技者は複数種類の演出内容を選択することはできるものの、選択した演出が行われた後、大当りに当選している場合は、該大当り遊技中においては共通の大当り演出が行われる。すなわち、大当り遊技中の演出についてはマンネリになってしまい、興趣を充分に向上させることができていないのが実状であった。また、大当りを発生した図柄組み合わせが確変確定図柄であるか、確変非確定図柄であるかによって、大当り演出が変化するものや、大当り中の楽曲等を選択可能にした遊技機も知られているものの、あくまで当該大当り遊技中において演出が変化するだけであり、大当り遊技中に引き続いて行われる図柄変動演出に跨がって変化するものではない。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、当り遊技中の興趣を向上し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球を検出する始動検出手段(34a,34b)と、該始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として複数種類の図柄を変動させる図柄変動演出を実行する図柄表示手段(17)と、前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として当りか否かを判定する当り判定手段(60a)とを備え、該当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合は、前記図柄変動演出の終了後に当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段(35)と、
前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機として前記図柄変動演出の演出内容を特定する図柄変動演出パターンを複数種類の中から1つ決定する図柄変動演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に、当り遊技中に前記図柄表示手段(17)で実行される演出内容を特定する当り演出パターンを複数種類の中から1つ決定する当り演出パターン決定手段(65a)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段(65a)と、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定した演出パターンの夫々を、前記図柄表示手段(17)で実行させる演出実行制御手段(65a)とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)で決定し得る演出パターンは、前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに対応し、
前記演出実行制御手段(65a)は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該特定の当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段(17)で実行させるよう構成され、
前記当り遊技には、前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態が当り遊技後に付与される前記特定の当り遊技と確変状態が付与されない当り遊技とが設定され、
非確変状態において前記始動検出手段(34a,34b)の球検出を契機とする前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に実行される前記特定の当り遊技中に、前記演出モードが選択可能であることを示唆する演出種類選択用演出が前記図柄表示手段(17)で実行され、
前記演出種類選択用演出中に前記操作手段(35)の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段(65a)が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)が決定すると共に、前記モード決定手段(65a)が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段(65a)が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段(65a)が前記図柄表示手段(17)で実行させるよう構成されたことを要旨とする。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、遊技者が選択した演出モードに対応する演出パターンが、次回の当り遊技および該当り遊技の次に行われる図柄変動演出において実行されるので、選択する演出モードに対する遊技者の関心が高まると共に、当り遊技中の演出のマンネリ化を抑制して遊技の興趣を向上し得る。また、確変状態が継続する限り、遊技者が選択した演出モードに関連する演出が実行されるので、遊技者の演出に対する興味を持続させ得る。
【0008】
請求項2に係る発明では、遊技領域(20a)を流下する遊技球の入賞確率を可変可能で、遊技球の入賞を検出する前記始動検出手段(34a,34b)を備える始動入賞手段(30)と、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に、前記始動入賞手段(30)への遊技球の入賞確率を向上させる入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段(60a)と、
前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードを記憶する記憶手段(65c)とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)および当り演出パターン決定手段(65a)は、前記入賞率向上状態付与期間決定手段(60a)で決定した入賞率向上状態を付与する期間中は、前記記憶手段(65c)に記憶されている演出モードに対応する演出パターンを決定するよう構成され、
モード移行条件の成立によって変更され得る遊技演出モードとして、遊技状態が確変状態か非確変状態かを前記図柄表示手段(17)で実行される演出内容から把握できない潜伏モードが設定され、
前記潜伏モードでは、前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)は、潜伏用の図柄変動演出パターンを決定し、
前記潜伏モードに移行する契機となるモード移行条件の成立後の規定回数目の図柄変動演出パターンとして、前記図柄変動演出パターン決定手段(65a)は、遊技状態が確変状態の場合は、該確変状態を確定的に報知する報知演出が実行される図柄変動演出パターンを決定し、遊技状態が非確変状態の場合は、該非確変状態を確定的に報知する報知演出が実行される図柄変動演出パターンを決定するよう構成され、
前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードでの演出が行われている状態で、前記モード移行条件(65a)の成立によって潜伏モードに移行した場合における前記確変状態を報知する報知演出は、潜伏モードに移行する前の演出モードを特定できる内容に設定されていることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、入賞率向上状態が継続する限り、遊技者が選択した演出モードに関連する演出が実行されるので、遊技者の演出に対する興味を持続させ得る。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記操作手段(35)の操作を有効とする有効期間を設定可能な有効期間設定手段(65a)を備え、
前記有効期間設定手段(65a)は、前記演出種類選択用演出中に有効期間を設定し、
前記モード決定手段(65a)は、前記有効期間が経過しても操作手段(35)からの操作信号の入力がない場合には演出モードを複数種類の中から抽選により選択するよう構成されたことを要旨とする。
なお、実施例に記載の遊技機からは、以下の構成の遊技機を特定可能である。
請求項1?3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記当り演出パターンで特定される演出内容には、前記操作手段(35,36)の操作により演出が変化する操作変化系演出と、予め設定された一連の演出が順次進行する非操作系演出とが設定され、
前記モード決定手段(65a)で決定された演出モードに応じて前記当り演出パターン決定手段(65a)が操作変化系演出または非操作系演出の当り演出パターンを決定するよう構成されたことを要旨とする。
こような構成の遊技機によれば、当り遊技中の演出内容にバリエーションを持たせることで、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、当り遊技中の興趣を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、特図表示器、特図保留表示部、普図表示器、普図保留表示部を拡大して示している。
【図3】大当り遊技の種類を示す説明図である。
【図4】特図入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】特図開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のステップB15に続く処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図5のステップB19に続く処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【図9】モード選択によって選択された演出種類モードに滞在中のゲームの流れを示す説明図である。
【図10】バトル演出の演出態様を示す模式図であって、遊技者側のキャラクタが勝利するパターンを示す。
【図11】バトル演出の演出態様を示す模式図であって、遊技者側のキャラクタが敗北するパターンを示す。
【図12】バトル演出表示パターンの種類を示す説明図である。
【図13】演出種類ループ処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】通常バトル演出表示パターンと乱数との関係を示す説明図である。
【図15】特別演出実行処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】モード選択を大当り遊技中に実行することを示す説明図である。
【図17】報知演出の種類を示す説明図である。
【図18】演出パターンの種類を示す説明図である。
【図19】潜伏モード処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】シューティング演出の演出態様を示す模式図である。
【図21】デモ移行処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】シューティング練習モード処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】大当り図柄の種類に対応して設定されるシューティング用演出パターンテーブルにおける出現する対象物の色と判定値との関係を示す説明図である。
【図24】図柄表示装置に表示されるモード選択画面を示す説明図である。
【図25】図柄表示装置に表示される項目選択画面を示す説明図である。
【図26】図柄表示装置に表示されるバトル勝敗表の画面を示す説明図である。
【図27】図柄表示装置に表示される獲得出球ランキングの画面を示す説明図である。
【図28】図柄表示装置に表示される占いモードの画面を示す説明図である。
【図29】バトル演出中の図柄表示装置に表示される変更例のバトル勝敗表の画面を示す説明図である。
【図30】音量調節手段での調節可能範囲と音量設定手段での調節可能範囲との関係を示す説明図である。
【図31】図柄表示装置に表示される音量調節用の画面を示す説明図である。
【図32】音量調節処理の流れを示すフローチャートである。
【図33】音量調節態様の変更例における音量値と遊技店側が設定可能な基本音量設定との関係示す説明図である。
【図34】遊技店側が設定する基本音量設定に対応する音量調節テーブルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0014】
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段,ナビゲーション手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
【0015】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0016】
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての第1操作ボタン35および第2操作ボタン36が設けられている。第1操作ボタン35は、上ボタンA、下ボタンB、左ボタンC、右ボタンDを十字配列したボタンであって、該第1操作ボタン35の操作によって、後述する可動体37,38を上下左右に移動したり、デモ演出中におけるモード切り替えを行い得るよう構成される(図9,図24参照)。また第2操作ボタン36は、1つのボタンを備えるものであって、デモ演出中におけるモード切り替え等に際にして用いられる。
【0017】
前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、遊技者が操作可能な操作手段である。第1操作ボタン35は、後述するパチンコ機10の状態(演出種類選択用演出が行われる状態、操作変化系演出で演出を変化させる状態、シューティング演出が行われる状態、デモ演出モード等)に応じて機能が変更されるように統括制御基板65で制御される。第1操作ボタン35は、各ボタンA,B,C,Dを押下したときに操作信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力すると共に、第2操作ボタン36は、該ボタン36を押下したときに操作信号を統括制御CPU65aに出力するよう構成される。そして第2操作ボタン36は、スピーカ19から出力される音量を変更するために操作される音量調節手段としても機能するよう設定されている。また、第1操作ボタン35および第2操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン35,36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。すなわち、操作ボタン35,36の内部に配設されたランプ装置は、ナビゲーション手段としても機能する。
【0018】
前記パチンコ機10の裏側には、球払出装置75を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)76、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板76は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60から入力される制御信号に基づいて、払出制御基板76が球払出装置75を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。そして、本実施例のパチンコ機10では、後述する遊技状態に関連付けた賞球数を、後述するメイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cに夫々賞球個数情報として記憶し得るよう構成されている。
【0019】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞装置29等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0020】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)31a,31bを有する始動入賞装置30および特別入賞口(特別入賞手段,入賞口)を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。また遊技盤20には、遊技領域20a内に打ち込まれたパチンコ球を検出する打込球検出センサ(図示せず)が配設され、該打込球検出センサの球検出信号が、メイン制御基板60、払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力されるようになっている。
【0021】
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
【0022】
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
【0023】
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50,51において特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口34bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bからの検出信号を受信すると、前記払出制御基板76に制御信号を出力して、前記球払出装置75に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置75から払い出される賞球球数は、パチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
【0024】
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、メイン制御基板60は、前記払出制御基板76に制御信号を出力して、前記球払出装置75に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
【0025】
なお、前記普通入賞装置29には、該入賞装置29に設けた普通入賞口に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。この普通入賞検出センサは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該普通入賞検出センサからメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。この普通入賞検出センサによるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞装置29に設けた普通入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では8個)の賞球が払い出されるようになっている。
【0026】
(特図表示器50,51について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する2組の特図表示器(特図表示手段)50,51が設けられている。ここで、2組の特図表示器50,51は、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50と、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器51とからなり、各特図表示器50,51の何れも複数個(8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50の発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器51の発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、そ他特図表示可能な表示手段を採用できる。
【0027】
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50,51では、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50,51において表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示結果としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各第1特図表示器50または第2特図表示器51に確定停止表示される。そして、前記第1特図表示器50または第2特図表示器51に、大当り表示結果としての特図が表示されることで、引き続いて遊技者に大当り遊技が付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50で行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50に確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。また同様に、第2特図表示器51で行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器51に確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
【0028】
(特図保留について)
また、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c(保留記憶手段))に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c(保留記憶手段))に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に、この第1特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
【0029】
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の記憶数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の記憶数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の記憶数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」?「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」?「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の記憶数を遊技者が把握し得るようになっている。
【0030】
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。このラウンド表示部57は、ラウンド数に対応する複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「16回」、「9回」および「5回」の3種類が設定されており、ラウンド表示部57では、左側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「16回」の大当り遊技であることが報知され、右側下部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「9回」の大当り遊技であることが報知され、右側上部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「5回」の大当り遊技であることが報知されるようになっている。
【0031】
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、該状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される後述の報知演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
【0032】
(図柄表示装置17について)
実施例に係る図柄表示装置17には、図2に示す如く、前記飾図を変動表示可能な図柄表示列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄表示列26a,26b,26cにおいて飾図が変動開始されるようになっている。また、各図柄表示列26a,26b,26cには、飾図の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄表示列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄表示列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cと指称する場合がある。
【0033】
また、前記図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50および第2特図表示器51に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
【0034】
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄表示列26a、右図柄表示列26c、中図柄表示列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
【0035】
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では600ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
【0036】
ここで、前記第1特図表示器50と図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器51と図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1特図表示器50および第2特図表示器51は、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50,51で特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
【0037】
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄表示列26a,26b,26cに「0」?「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該飾図が各図柄表示列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものでははなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後の付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。また、実施例の図柄表示装置17には、後述する突然確変大当り遊技を発生させる場合に表示される突確報知用飾図が設定されている。
【0038】
そして、前記図柄表示装置17における各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄表示列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されると共に、中図柄表示列26bの有効停止位置27に特殊図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「2特殊図柄2」、「7特殊図柄7」、「4特殊図柄7」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示結果となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを、所定の演出(例えば、突然確変大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄表示列26aおよび中図柄表示列26bの飾図が同一で、右図柄表示列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
【0039】
また、図柄変動演出において、複数の図柄表示列の内で、特定の図柄表示列(実施例では、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄表示列(実施例では、中図柄表示列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄表示列(左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄表示列(中図柄表示列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄表示列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
【0040】
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示器50および第2特図表示器51での特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50および第2特図表示器51に表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50および第2特図表示器51に特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0041】
(可動演出装置について)
前記パチンコ機10には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25における表示窓口25aに臨む図柄表示装置17における画像表示面17aの前に、図2に示す如く、該表示窓口25aを左右方向に横切るように延在する棒状の横可動体37と、該横可動体37と交差するように表示窓口25aを上下方向に横切るように延在する棒状の縦可動体38とを備えた可動演出装置が配設されている。横可動体37は、図示しない横作動機構に連繋されて、該横作動機構を作動手段としての横駆動モータ37a(図8参照)によって駆動することで、該横可動体37は上下方向に平行移動するよう構成される。また、縦可動体38は、図示しない縦作動機構に連繋されて、該縦作動機構を作動手段としての縦駆動モータ38a(図8参照)によって駆動することで、該縦可動体38は左右方向に平行移動するよう構成されている。すなわち、横可動体37および縦可動体38は夫々独立して移動するよう構成されており、該横可動体37および縦可動体38が交差する位置(照準位置)を、図柄表示装置17の画像表示面17aの前側において上下左右に移動自在になっている(図20参照)。なお、横可動体37および縦可動体38を合わせて照準器と指称する場合もある。
【0042】
前記可動演出装置の各駆動モータ37a,38は、図8に示す如く、後述する統括制御CPU65aによって駆動制御されて、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出に合わせて照準器に所要の動作を行わせることで、遊技の演出効果を向上し得るよう構成される。また統括制御CPU65aは、後述するシューティング演出に際し、前記第1操作ボタン35からの操作信号に基づいて各駆動モータ37a,38aを駆動制御して、横可動体37および縦可動体38を移動するよう構成されている。なお、実施例では、第1操作ボタン35の上ボタンAを押下することで横可動体37が上方へ移動し、下ボタンBを押下することで横可動体37が下方へ移動し、左ボタンCを押下することで縦可動体38が左方へ移動し、右ボタンDを押下することで縦可動体38が右方へ移動するよう設定されている。
【0043】
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
【0044】
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
【0045】
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留情報の記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留情報の記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留情報の記憶数が1?2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留情報の記憶数が3?4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
【0046】
(確変について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0047】
本実施例の確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(第1の識別図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞口(始動入賞手段)31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0048】
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第1の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第2の遊技状態)に較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)?(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)?(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)?(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
【0049】
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。実施例において普図変動表示の変動時間は、変短状態が付与されていない状態で、普図変動の開始から5000msに設定され、変短状態が付与されている状態で、普図変動の開始から1000msに設定されている。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、600msに設定されている。
【0050】
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を、所定時間間隔(実施例では980ms)で3回繰り返すようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄である場合には、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数(実施例では80回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。本実施例では、前記変短状態が、入賞率向上状態となる。
【0051】
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50,51に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では5ラウンド、9ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバル」という)だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるインターバルが設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
【0052】
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
【0053】
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50に確定停止表示された特図1に応じて6種類の大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器51に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示器51に確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技が付与される。
【0054】
ここで、図柄Aには、26種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄Bには、1種類の特図1が振り分けられている。図柄Cには、1種類の大当り図柄としての特図1が振り分けられている。図柄Dには、26種類の特図1が振り分けられている。図柄Eには、18種類の特図1が振り分けられている。図柄Fには、28種類の特図1が振り分けられている。また、図柄aには、42種類の特図2が振り分けられている。同様に、図柄bには、10種類の特図2が振り分けられている。図柄cには、2種類の特図2が振り分けられている。図柄dには、18種類の特図2が振り分けられている。そして、図柄eには、28種類の特図2が振り分けられている。
【0055】
(特別確変大当り遊技について)
ここで、図柄A、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50に表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0056】
特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、特別確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.6(秒)」に夫々設定されている。すなわち、図柄A、図柄Bおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合に付与される大当り遊技の価値は等しく設定されている。そして、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0057】
(9R特別確変大当り遊技について)
本実施例では、全てのラウンド遊技が、長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成された特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)として、規定ラウンド数が「9回」に設定された9R特別確変大当り遊技が設けられている。この9R特別確変大当り遊技は、図柄dに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合に付与される大当り遊技であって、図柄A、図柄Bまたは図柄aに分類される特図1または特図2が第1特図表示器50または第2特図表示器51に表示された場合に付与される前記特別確変大当り遊技と規定ラウンド数が異なるだけで、その他の設定(各ラウンド遊技の入賞上限個数、ラウンド遊技時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間、ラウンド間インターバル等)は同じである。なお、図柄dに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0058】
(第1の特殊確変大当り遊技について)
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技(第2当り遊技)は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0059】
ジャンプアップ確変大当り遊技では、図3に示す如く、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目?16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作(長時間開放動作に比較して短かい開放動作)を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
【0060】
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目?開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0061】
(16R突然確変大当り遊技、5R突然確変大当り遊技について)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として16R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。また、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として5R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。前記16R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0062】
一方で、前記5R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「5回」に設定された5ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。また、5R突然確変大当り遊技では、前記16R突然確変大当り遊技と同様に、短時間開放動作のみを開閉扉43に行わせるよう構成されている。すなわち、5R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0063】
ここで、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
【0064】
また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置40の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が閉鎖してから2ラウンド目で開閉扉43が開放するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0065】
(通常非確変大当り遊技について)
図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0066】
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分のパチンコ球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Fに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0067】
(ステップアップ確変大当り遊技について)
図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特殊当り遊技としての第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0068】
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目?8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目?16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では、8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技(複合ラウンド遊技)で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目?16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄bに分類される特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0069】
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目?8ラウンド目および10ラウンド目?16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目?開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目?開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
【0070】
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。なお、ステップアップ確変大当り遊技において1ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で該開閉扉43が閉鎖するまでの遊技時間は、「446(秒)」になっている。
【0071】
(16R短縮確変大当り遊技、16R短縮非確変大当り遊技について)
図柄cに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、16R短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、16R短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
【0072】
この16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目?8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
【0073】
ここで、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目?8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目?16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。これにより、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.32(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄eに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定される一方、図柄cに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが潜伏モードに移行する場合もあるが、確定ではない。16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において1ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で該開閉扉43が閉鎖するまでの遊技時間は、「232.32(秒)」になっており、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、ステップアップ確変大当り遊技に対して遊技時間が相対的に短かい大当り遊技である。
【0074】
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
【0075】
実施例に係る遊技演出モードには、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態となる(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、非確変状態で変短状態が付与されている遊技状態となる時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
【0076】
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)34a,34b,44,48からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
【0077】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている(図8参照)。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
【0078】
更に、前記パチンコ機10の裏側には、前記払出制御基板76に配線接続される外部端子板(外部出力手段)77が配設され、前記メイン制御基板60は、該外部端子板77を介して遊技場の管理室等に設置されたホールコンピュータ78に電気的に接続されている。そして、メイン制御基板60からは、パチンコ機10の稼働データとして各種の信号が払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力される。外部端子板77から出力される信号によって特定される情報としては、大当り遊技の発生確率の設定値情報、打込情報(遊技に使用されたパチンコ球数)、大当り遊技が発生した場合の特図大当り情報(大当り遊技の発生情報)、その大当りが発生したときの特図表示器50,51で確定停止表示された特図に関する情報、特別入賞装置40の開閉扉43が特別入賞口を開放したことに関する情報(特別入賞口開放情報)、確変状態か否かの情報、変短状態か否かの情報(変短状態を特定する信号)、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したことに関する情報(遊技のための動作の実行に関する情報)、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bに入賞したパチンコ球のうち有効に特図表示器50,51で特図変動表示させるために利用された有効始動入賞に関する情報、普図表示器55において当りが発生した場合の普図当り情報、特別入賞装置40の特別入賞口へのパチンコ球の入賞に関する情報(特別入賞口入賞情報)、大当り遊技においてラウンドを継続させるための入賞に関する情報、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したことを表す情報、球通過ゲート47を通過したパチンコ球のうち普図表示器55を有効に可変表示させるのに用いられた有効始動入賞球に関する情報、第2始動入賞口31bが開放したことに関する情報等がある。また、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、普図が確定停止したときに確定停止信号(普図の確定停止情報)を出力し、該確定停止信号も払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力している。なお、メイン制御基板60からホールコンピュータ78に出力される特別入賞口,第1始動入賞口31a,31bおよび普通入賞口へのパチンコ球の入賞に関する情報から、ホールコンピュータ78では出球数(獲得出球数)を把握し得るようになっている。
【0079】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている(図8参照)。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48、普通入賞検出センサ等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50,51、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、状態表示部58等の各表示器や表示部が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51,55や各表示部52,53,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
【0080】
(判定用乱数について)
前記メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0081】
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」?「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50に確定停止表示させる特図1または第2特図表示器51に確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」?「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50に確定停止表示される特図1または第2特図表示器51に確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
【0082】
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」?「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターンとして、「0」?「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」?「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
【0083】
実施例のパチンコ機10では、大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。なお、前記普図当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
【0084】
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」?「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1518個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
【0085】
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、大当り表示結果が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」?「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
【0086】
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0087】
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0088】
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」?「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態あり時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
【0089】
更にまた、前記メイン制御ROM60bには、複数種類の変動内容としての変動パターンが記憶されている。前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間を、演出内容に応じて特定している。
【0090】
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、大当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
【0091】
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる図柄変動演出には、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出と、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出とが設けられている。はずれリーチ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17の飾図による図柄変動演出において、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
【0092】
(統括制御基板65について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM60cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、統括制御CPU65aは、後述するバトル演出に際して出現する敵キャラクタ毎の勝敗情報や、大当り遊技中における獲得出球情報を統括制御RAM65cの設定領域に記憶すると共に、該情報を更新するよう設定される。
【0093】
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
【0094】
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0095】
すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。また、メイン制御CPU60aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機としてリーチ演出を行うか否かを判定するリーチ判定手段として機能する。更に、メイン制御CPU60aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段として機能する。
【0096】
ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与する手段(入賞率向上状態付与手段)として機能すると共に、該変短状態を付与するか否かを判定する変短状態判定手段(入賞率向上状態判定手段)として機能する。そして、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。
【0097】
(メイン制御について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
【0098】
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の記憶数が「4」)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
【0099】
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
【0100】
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の記憶数が「4」)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
【0101】
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
【0102】
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン用制御CPU60aは、特図表示器50,51および図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。メイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数>0の場合には)、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
【0103】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第2特図記憶領域MB1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域MB2の情報(乱数)を、前記第2特図記憶領域MB1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域MB3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域MB2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域MB4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域MB3に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第2特図表示器51の表示を変更させる。
【0104】
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第2特図表示器51に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
【0105】
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB29)。
【0106】
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB31)。
【0107】
ここで、ステップB28,B29,B30,B31において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器51を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器51の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0108】
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の記憶数>0の場合には)、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
【0109】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域M1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域M1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域M3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域M2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域M4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域M3に記憶させる。これにより第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
【0110】
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第1特図表示器50に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
【0111】
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
【0112】
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB41)。
【0113】
ここで、ステップB38,B39,B40,B41において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0114】
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモンストレーション演出(以後、デモ演出という)の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
【0115】
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄表示列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が決定される。そして、前記演出パターンで特定される各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄表示列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄表示列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄表示列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
【0116】
ここで、大当り図柄が図柄A、図柄a、図柄bまたは図柄dの場合には、特別確変大当り遊技に当選していることを昇格演出や再抽選演出で報知するか否かによって飾図の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、昇格演出または再抽選演出にて報知する場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定し、昇格演出または再抽選演出にて報知しない場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知可能な飾図(具体的には奇数図柄)からなる大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、大当り図柄が図柄Bまたは図柄cである場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄C、図柄Dまたは図柄Eである場合には、突然確変大当り遊技の可能性を示唆する飾図(具体的には突確示唆図柄)を含む図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄Fまたは図柄eである場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。
【0117】
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
【0118】
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
【0119】
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄表示列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
【0120】
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
【0121】
(演出種類選択用演出について)
本実施例のパチンコ機10では、通常モードにおいて前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技(特定の当り遊技)が付与された場合に、該大当り遊技(以後「初回大当り遊技」という場合もある)における最終ラウンドにおいて、次回の図柄変動演出の基本的な種類を特定する演出種類モード(演出モード)を複数の中から選択可能な演出種類選択用演出が実行されるよう構成されている。すなわち、初回大当り遊技に際して選択される複数種類の演出パターンが統括制御ROM65bに記憶されており、特定の当り遊技(図柄A,Cまたは図柄aで当選して大当り遊技終了後に確変状態となるもの)では、最終ラウンドにおいて演出種類選択用演出が展開される演出パターンが選択されて図柄表示装置17で実行される。そして、前記統括制御CPU65aは、演出種類選択用演出が行われるタイミングで前記第1操作ボタン35の操作を所定時間(有効操作時間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。これにより、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御するよう構成される。そして本実施例では、演出種類選択用演出に際しては、図9に示す如く、図柄表示装置17に第1操作ボタン35の画像が表示され、該第1操作ボタン35の押下によって演出種類モードを選択可能であることが示唆されるようになっている。なお、図9,図16,図20,図26?図29および図31において、図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示されている操作ボタンの画像について、符号35,36を付して示すこととする。
【0122】
なお、初回大当り遊技で実行される大当り演出としては、後述するバトル演出を選択し得るよう構成し、バトル演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利することで確変状態の確定を報知すると共に、併せて演出種類選択用演出を行うことで、遊技者に優越感を与えるようにしてもよい。また、演出種類選択用演出を行うラウンドについては、最終ラウンドに限られるものではない。
【0123】
本実施例では、演出の種類が異なる3つ(2つあるいは4つ以上であってもよい)の演出種類モードMA,MB,MCが設定されており(図9参照)、各演出種類モード毎に、図柄変動演出の具体的内容を特定する当り用およびはずれ用の選択用演出パターン(図柄変動演出パターン)が夫々複数種類設定されている。これら演出種類モードおよび選択用演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
【0124】
前記演出種類モードMA,MBに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、遊技者側のキャラクタ(特定のキャラクタ)と、敵キャラクタとが対戦するバトル演出(図10(a),図11(a)参照)が展開される複数種類のパターンが設定される。演出種類モードMAに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第1バトル演出パターンBAと指称し、演出種類モードMBに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第2バトル演出パターンBBと指称するものとし、各バトル演出パターンBA,BBは、前記統括制御ROM65bに夫々記憶されている。また、複数の第1バトル演出パターンBAおよび複数の第2バトル演出パターンBBの夫々は、大当り図柄の種類によって演出内容が異なるように設定されている、なお、演出種類モードMA,MBに滞在中において選択される大当り演出パターンは、前記バトル演出パターンとは異なる別演出パターンを備え、これらバトル演出パターンおよび別演出パターンは、大当り図柄によって選択されるものとされないものとが設定されている。具体的には、図柄C,D,Eの場合に別演出パターンが選択され、それ以外の図柄の場合にバトル演出パターンが選択されるようになっている。
【0125】
これに対し、前記演出種類モードMCに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、予め設定された一連の演出が順次進行するストーリー演出(非操作系演出)パターンSCが複数種類設定される。そして、このストーリー演出パターンSCは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
【0126】
なお、前記バトル演出パターンBA,BBには、前記第1操作ボタン35の操作(押下)により演出内容が変化する操作系演出を行うパターンが設定され、前記統括制御CPU65aが操作系演出のバトル演出パターンを決定した場合は、予め設定されたタイミングで第1操作ボタン35の操作を所定時間に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定されている。また本実施例では、演出種類モードMAに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出として、第1バトル演出パターンBAに対応する遊技者側のキャラクタを主人公とする演出を行うことで、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。同様に、演出種類モードMBに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出として、第2バトル演出パターンBBに対応する遊技者側のキャラクタを主人公とする演出を行うことで、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。更に、演出種類モードMCに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出についても、ストーリー演出パターンSCに対応するストーリー演出が実行されて、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。すなわち、本実施例では、図柄変動演出の内容を特定する選択用演出パターンおよび大当り演出の内容を特定する大当り演出パターンが、滞在中の演出モードに関連付けて決定される構成となっている。
【0127】
前記第1バトル演出パターンBAおよび第2バトル演出パターンBBでは、遊技者側のキャラクタおよび敵キャラクタが夫々異なるように設定される。そして、各バトル演出パターンBA,BBに対応して大当り演出中に実行されるバトル演出の展開から、該大当り遊技の終了後が確変状態となるか否かを遊技者に報知するようになっている。すなわち、遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利」の展開となる結果(図10(b)参照)が、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知し、遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに敗北する「バトル敗北」の展開となる結果(図11(b)参照)が、大当り遊技の終了後が確変状態か非確変状態かが演出上では判断できない潜伏モード(潜伏状態)へ移行することを報知する。これにより、遊技者に対し、バトル演出の展開が最終的に導出されるまで確変状態が付与されているかに対して期待感を持たせるようになっている。なお、前記ストーリー演出パターンSCにおいても、該演出パターンSCに対応して大当り演出中に実行されるストーリー演出の展開によって最終的に確変状態か非確変状態かが演出上では判断できない潜伏モード(潜伏状態)へ移行することを報知する演出が行われる。また、前記図柄表示装置17に前記第2の識別図柄に分類される飾図の組み合わせで確定停止表示される図柄変動演出が実行される場合に、大当り遊技中の演出によって大当り遊技終了後の遊技状態(確変状態確定、または確変状態か非確変状態かが判断できない状態)を遊技者に認識させる大当り演出パターンが選択されるよう設定される。
【0128】
ここで、前記バトル演出パターン(当り演出パターン)BA,BBには、遊技者側のキャラクタが負けとなる結果(「バトル敗北」)を一旦表示した後に、遊技者側のキャラクタが勝ちとなる結果(「バトル勝利」)を表示する遊技状態継続演出を図柄表示装置17で実行させる遊技状態継続演出パターンを含んでいる。そして、この遊技状態継続演出パターンについては、大当り遊技が、確変状態が付与される種類である場合に選択されるように設定されている。具体的には、大当り図柄が図柄b,cの場合に、遊技状態継続演出パターンが選択され得るようになっている。また、大当り遊技の演出パターンとして、遊技状態継続演出に対応する、遊技者側のキャラクタが負けとなる結果(「バトル敗北」)を一旦表示した後に、演出が継続して最終的に遊技者側のキャラクタが負けとなる結果(「バトル敗北」)を表示する遊技状態非継続演出を図柄表示装置17で実行させる遊技状態非継続演出パターンを含んでいる。なお、前述したように、大当り図柄が図柄C,D,Eのようにバトル演出パターンとは演出内容が異なる別演出パターンが選択されるものにおいても、該別演出パターンに、遊技状態継続演出および遊技状態非継続演出を実行させる演出パターンが設定されており、バトル演出を行うことなく遊技状態が継続するものもある。
【0129】
(第1バトル演出パターンBAについて)
前記統括制御ROM65bには、前記第1バトル演出パターンBAに基づくバトル演出の具体的な内容を特定するバトル演出表示パターンが複数種類記憶されている。図12は、本実施例で設定される第1バトル演出パターンBAに基づくバトル演出表示パターンの種類を示すものであって、敵キャラクタが異なる6種類のバトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4,a5,a6が設定されている。また、6種類のバトル演出表示パターンの内、敵キャラクタとして通常敵キャラクタが設定されるバトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4は、後述する第1の規定条件(規定条件)が成立するまでに選択されるパターンであり、敵キャラクタとして第1特別敵キャラクタが設定されるバトル演出表示パターンa5は、第1の規定条件が成立することにより選択されるパターンであり、敵キャラクタとして第2特別敵キャラクタが設定されるバトル演出表示パターンa6は、第1の規定条件より成立することが困難な後述する第2の規定条件が成立することにより選択されるパターンである。本実施例では、バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4については通常バトル演出表示パターン(通常当り演出パターン)と指称し、バトル演出表示パターンa5を第1特別バトル演出表示パターン(特別当り演出パターン)と指称し、バトル演出表示パターンa6を第2特別バトル演出表示パターン(第2の特別当り演出パターン)と指称する。なお、6種類のバトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4,a5,a6は、敵キャラクタが異なるのみでなく、バトル自体の形態や、「バトル勝利」または「バトル敗北」が導出されるまでの形態等の演出内容も異なるように設定されている。
【0130】
前記第1および第2の規定条件とは、大当り遊技状態における遊技実績であって、本実施例では大当り遊技が連荘する回数が設定されており、例えば第1の規定条件は連荘回数「20回以上」が、第2の規定条件は連荘回数「30回以上」が設定される。すなわち、バトル演出の大当り遊技において「バトル勝利」の展開となって確変状態が長く継続することにより、第1特別バトル演出表示パターンおよび第2特別バトル演出表示パターンが選択されるようになっている。なお、第1および第2の規定条件として設定される連荘回数は、前記「20回以上」および「30回以上」に限定されるものではなく、第1の規定条件の連荘回数<第2の規定条件の連荘回数の関係になっていればよい。また、連荘回数は、確変状態の継続中に大当り遊技に当選した数だけに限らず、確変状態の有無に拘わらず変短状態(非確変状態となった場合も含む)が付与されている状態で当選した大当りも連荘回数としてカウントするようにしたものであってもよい。
【0131】
前記通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に基づくラウンド遊技中の演出について、大当り遊技が、図柄A,図柄B,図柄F,図柄aおよび図柄eで当選し、16ラウンドの全開放ラウンド遊技で構成されたものについて説明する。すなわち、16ラウンドの全開放ラウンド遊技で構成された大当り遊技について、通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に基づくラウンド遊技中の演出では、オープニング演出および1回目?8回目のラウンド遊技において、敵キャラクタとのバトル演出が展開されるようになっている。より具体的には、オープニング演出、1回目、および2回目のラウンド遊技では、バトル演出で対戦することとなる敵キャラクタと遊技者側のキャラクタとの攻撃順が決定される演出が展開される。また、3回目?7回目のラウンド遊技で敵キャラクタと対決する演出が展開され(図10(a),図11(a)参照)、8回目のラウンド遊技で勝敗の結果(図10(b),図11(b)参照)を導出すると共に、対戦の可能性のある他の敵キャラクタを報知する演出が展開される。なお、9回目?16回目のラウンド遊技では、パチンコ機10で登場するキャラクタを紹介する演出が展開される。
【0132】
前記第1特別バトル演出表示パターンa5に基づくラウンド遊技中の演出は、基本的には敵キャラクタが異なるだけで、通常バトル演出表示パターンと同じである。これに対し、第2特別バトル演出表示パターンa6に基づくラウンド遊技中の演出は、オープニング演出、1回目?7回目のラウンド遊技では、第1特別キャラクタと遊技者側キャラクタとが対決する演出が展開され、8回目?15回目のラウンド遊技で第1特別キャラクタに遊技者側のキャラクタが勝利してから第2特別キャラクタが出現するまでの演出が展開され、16回目のラウンド遊技で勝敗の結果を導出する演出が展開される。実施例の第2特別バトル演出表示パターンa6では、最終的には「バトル敗北」の結果が導出されるよう設定されている。
【0133】
(第2バトル演出パターンBBについて)
前記統括制御ROM65bには、前記第2バトル演出パターンBBに基づくバトル演出の具体的な内容を特定するバトル演出表示パターンの具体的な内容を特定するストーリー演出表示パターンが複数種類記憶されている。第2バトル演出パターンBBでは、敵キャラクタが異なる複数種類のバトル演出表示パターンが設定され、各演出表示パターンの具体的内容は、前記第1バトル演出パターンBAで設定されるバトル演出表示パターンの演出内容とは異なるように設定され、演出種類モードMAと演出種類モードMBとでは演出内容において差別化が図られている。また、第2バトル演出パターンBBの各バトル演出表示パターンで出現する敵キャラクタは、第1バトル演出パターンBAの各バトル演出表示パターンで出現する敵キャラクタとは異なるように設定されて、バラエティーに富んだ演出を行い得るようになっている。なお、演出種類モードMAと演出種類モードMBとでの演出の差別化を図る手段としては、後述するバトル演出表示乱数の振り分けを変えるものを採用可能である。
【0134】
(ストーリー演出パターンMCについて)
前記統括制御ROM65bには、前記ストーリー演出パターンSCに基づくストーリー演出の具体的な内容を特定するストーリー演出表示パターンが複数種類記憶されている。前記ストーリー演出パターンSBでは、ストーリーが異なる複数種類のストーリー演出表示パターンが設定される。より具体的には、統括制御ROM65bに複数のテーブルが設定され、各テーブル毎に共通のストーリーとなる複数のストーリー演出表示パターンが記憶される。また、各テーブルに記憶されているストーリーが共通する複数のストーリー演出表示パターンは、複数の大当り遊技に亘って共通する内容が進行する表示パターン群であって、各ストーリー演出表示パターンは、大当り遊技の遊技時間に対応する時間長さで第一話、第二話、第三話・・・のようにストーリーが進行する内容に設定されている。そして、1回目の大当り遊技において選択されたテーブルに記憶されている第1話に対応するストーリー演出表示パターンが実行された場合は、当該テーブルを特定する情報が統括制御ROM65aに記憶され、次回の大当り遊技の際には同じテーブルから第二話に対応するストーリー演出表示パターンが選択される。これにより、複数の大当り遊技に亘って共通のストーリーが進行し得るようになっている。なお、ストーリー演出表示パターンの内容としては、全ラウンドに亘ってストーリーが進行するものに限らず、後半のラウンドにおいて、前述したと同様なバトル演出を行って「バトル勝利」または「バトル敗北」の演出内容を含むものであってもよい。
【0135】
前記第2バトル演出表示パターンおよびストーリー演出表示パターンにおいても、第1バトル演出表示パターンと同様に、第1の規定条件が成立するまでの間で選択される通常バトル演出表示パターンや通常ストーリー演出表示パターン、第1の規定条件が成立してから第2の規定条件が成立するまでの間で選択される第1特別バトル演出表示パターンや第1特別ストーリー演出表示パターンおよび第2の規定条件が成立することで選択される第2特別バトル演出表示パターンや第2特別ストーリー演出表示パターンが設定されている。すなわち、本実施例では、3種類の演出種類モードの何れを選択した場合においても、大当り遊技状態で第1の規定条件や第2の規定条件が成立した場合は、各規定条件の成立前には見ることができない演出を見ることができ、規定条件をクリアした優越感やプレミアム感を与えることができるようになっている。
【0136】
本実施例において統括制御CPU65aは、前記演出種類選択演出において選択した演出種類モードMA,MB,MCの種類を示す情報(フラグ等)を統括制御RAM65cに記憶するよう構成されており、その情報により滞在中の演出種類モードMA,MB,MCの種類を特定可能となっている。そして、統括制御CPU65aは、確変状態(確変モード)が継続する条件において、演出種類モードMA,MB,MCの開始の契機となる図柄変動演出において、該図柄変動演出の実行前まで滞在していた演出種類モードMA,MB,MCの種類を特定可能なモード指定コマンドを表示制御基板70に出力する。これにより、確変状態(確変モード)が継続する条件において、図柄変動演出では、遊技者が選択した演出種類モードMA,MB,MCに応じた演出が継続して実行されるようになっている。すなわち、例えば演出種類選択演出において演出種類モードMAを選択した場合は、図9に示すように、当該演出種類モードMAに滞在中の大当り判定で肯定、すなわち大当りに当選した場合は、第1バトル演出パターンBAに基づくバトル演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において「バトル勝利」(確変状態確定)となることで、再び演出種類モードMAに対応する図柄変動演出が実行可能に構成されている。また、選択された演出種類モードが演出種類モードMBであれば、大当り演出として第2バトル演出パターンBBに基づくバトル演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において「バトル勝利」(確変状態確定)となることで、再び演出種類モードMBに対応する図柄変動演出が実行可能となり、選択された演出種類モードが演出種類モードMCであれば、大当り演出としてストーリー演出パターンSCに基づくストーリー演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において確変状態が確定する演出が導出されることで、再び演出種類モードMCに対応する図柄変動演出が実行可能になっている。
【0137】
また、前記統括制御CPU65aは、各演出種類モードMA,MB,MCの滞在中の制御において、各種演出に係る処理の結果、各種演出の実行や各種決定内容を指示する内容を個々に特定可能な演出コマンドを所定のタイミングで表示制御基板70に出力するようになっている。そして、統括制御CPU65aは、演出コマンドの出力に際してはコマンドで指示する内容を統括制御RAM65cにもその都度設定する(記憶させる)ようになっており、表示制御基板70に指示した内容や図柄表示装置17等で実行されている各種遊技演出の演出内容を自由に統括制御用RAM65cから読み出して把握(確認)することが可能となっている。また、前記バトル演出表示パターンで出現する各敵キャラクタと遊技者側のキャラクタとのバトル結果(勝敗)については、後述するバトル勝敗表を表示するためのバトル履歴情報として、前記統括制御RAM65cの所定領域に所定期間に亘って記憶される。
【0138】
すなわち、複数種類の図柄変動演出パターンの中から1つを決定する図柄変動演出パターン決定手段(演出パターン決定手段)および複数種類の当り演出パターンの中から1つを決定する当り演出パターン決定手段としての機能を前記統括制御CPU65aが備えている。また統括制御CPU65aは、複数種類の演出種類モード(演出モード)の中から1つを決定するモード決定手段および大当り遊技状態での遊技実績が規定条件を満たしたか否かを判定する当り遊技実績判定手段としても機能する。更に、統括制御CPU65aは、モード選択およびモード移行に際し、第1操作ボタン35の有効期間を設定する有効期間設定手段として機能するよう構成されている。ここで、統括制御CPU65aは、バトル演出における遊技者側のキャラクタが勝つか否かを判定する勝敗判定手段として機能するようになっている。前記統括制御RAM65cは、統括制御CPU(モード決定手段)65aで決定した演出種類モード(演出モード)を記憶する記憶手段として機能するよう構成される。また統括制御CPU65aは、該統括制御CPU65a(図柄変動演出パターン決定手段,当り演出パターン決定手段)で決定した選択用演出パターン(図柄変動演出パターン)およびバトル演出パターンやストーリー演出パターン等の当り演出パターンを、前記図柄表示装置17で実行する演出実行制御手段として機能するよう構成される。
【0139】
(演出種類ループ処理について)
次に、統括制御基板65の統括制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する演出種類ループ処理について説明する。
【0140】
演出種類ループ処理は、演出種類選択演出で選択した演出種類モードに滞在する状態では、当該演出種類モードに対応する図柄変動演出および大当り演出を繰り返し行うようにした処理である。この演出種類ループ処理では、初回大当りが、確変大当りであった場合で、かつ演出種類選択演出において演出種類モードMAが選択された場合で説明する。
【0141】
図13に示すように、初回大当り遊技における最終ラウンドで実行される前記演出種類選択演出で、演出種類モードが選択されたか否かを統括制御CPU65aが判定する(ステップC11)。すなわち、ステップC11において統括制御CPU65aは、前記第1操作ボタン35から演出種類モードMA,MB,MCの何れかに対応する信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップC11の判定結果が否定の場合には、ステップC11を繰り返す。ステップC11の判定結果が肯定の場合には、統括制御CPU65aは、第1操作ボタン35から入力された信号に対応する演出種類モードMAを特定する情報を統括制御RAM65cに記憶する(ステップC12)。なお、ステップC11において前記第1操作ボタン35の有効操作時間が経過しても該第1操作ボタン35からの信号入力がない場合は、統括制御CPU65aは演出種類モードMA,MB,MCを抽選により選択し、該選択した演出種類モードMA,MB,MCを特定する情報を統括制御RAM65cに記憶する。
【0142】
次に、ステップC13で、大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定される。前述したように初回大当りが確変大当りであるので、次に確変大当りに当選するまでは確変状態が継続することにより、ステップC13の判定結果が否定であっても演出種類ループ処理を終了することなく、演出種類モードMAに滞在する。また、大当り判定の判定結果が否定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、演出種類モードMAに対応するはずれ用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定したはずれ用の選択用演出パターンを指示するはずれ用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、はずれ用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定されるはずれ用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該はずれ用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。すなわち、統括制御RAM65cには演出種類モードMAを特定する情報が記憶されているので、第1および2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出としては、前述したように滞在中の演出種類モードMAに対応する演出が実行される。
【0143】
ステップC13の判定結果が肯定の場合には、ステップC14おいて大当り遊技の連荘回数をカウントし(現在の統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数に+1し)、該連荘回数を統括制御RAM65cの所定の記憶領域に記憶する。次いで、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数が「20回以上」であるか否かを判定する(ステップC15)。ステップC15の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「20回」未満)の場合には、統括制御CPU65aは、ステップC16に移行する。
【0144】
大当り判定の判定結果が肯定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、演出種類モードMAに対応し、かつ大当り図柄の種類に対応するあたり用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定した当り用の選択用演出パターンを指示する当り用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、当り用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される当り用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該当り用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC16)。また、図柄変動演出において当り表示結果が導出されると、大当り遊技に移行する。すなわち、統括制御CPU65aでは、演出種類モードMAに対応する第1バトル演出パターンBAにおける通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の中から、大当り図柄の種類に基づいて1つを決定し、対応する通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。このように、図柄変動演出および引き続いて行われる大当り演出としては、何れも滞在中の演出種類モードMAに対応する演出が実行される(ステップC17)。
【0145】
ステップC18では、通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に対応する大当り演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利」であるか否かを判定し、否定であれば演出種類ループ処理を終了する。すなわち、大当り遊技の種類が、図柄B,F,c,d等であって大当り遊技終了後に潜伏モードに移行する場合は、大当り演出の演出パターンとして「バトル敗北」の演出パターンが選択されるので、このときには演出種類ループ処理を終了する。一方ステップC18の判定結果が肯定の場合は、確変状態に移行したことが確定されるが、ステップC15が否定されているので、統括制御CPU65aは、ステップC13に戻って前記処理を繰り返す。すなわち、第1および2始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際しては、ステップC11で選択された演出種類モードMAに対応する当り用またははずれ用の選択用演出パターンが決定され、該演出パターンに基づく図柄変動演出において大当りに当選した際の大当り演出としては、通常バトル演出パターンが決定される。
【0146】
前記ステップC13?ステップC18の処理を繰り返す間に、ステップC15の判定結果が肯定(すなわち連荘回数が「20回以上」)となった場合には、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、ステップC16と同様に演出種類モードMAに対応する表示内容を実行する(ステップC19)。そして、統括制御CPU65aは、20回目以降の大当り演出については、20回目以降の専用のテーブルに記憶されている演出種類モードMAに対応する第1バトル演出パターンBAの中から、第1特別バトル演出表示パターンa5を決定し、該第1特別バトル演出表示パターンa5を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される第1特別バトル演出表示パターンa5に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出表示パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC20)。すなわち、大当り遊技の連荘回数が20回以上になると、19回目までは出現しない希少性のある第1特別キャラクタとのバトル演出を見ることができる。
【0147】
ステップC21では、第1特別バトル演出表示パターンa5に対応する大当り演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタ(第1特別キャラクタ)に勝利する「バトル勝利」であるか否かを判定し、否定であれば演出種類ループ処理を終了する。一方ステップC21の判定結果が肯定の場合は、確変状態に移行したことが確定され、現在滞在中の演出種類モードMA(確変モード)に留まる。
【0148】
引き続き滞在している演出種類モードMAにおいて、ステップC22では、大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定され、判定結果が否定であっても演出種類ループ処理を終了することなく、演出種類モードMAに滞在する。また、大当り判定の判定結果が否定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理は、前述した如く、演出種類モードMAに対応するはずれ用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出が実行される。
【0149】
次いで、統括制御CPU65aは、大当り遊技の連荘回数をカウントして(現在統括制御RAM65c記憶されている連荘回数に+1して)、統括制御RAM65cの所定の記憶領域に記憶する(ステップC23)。また、統括制御RAM65cに記憶されている大当り遊技の連荘回数が「30回以上」であるか否かを判定する(ステップC24)。ステップC24の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「30回未満」)の場合には、統括制御CPU65aは、ステップC19に戻って前記処理を繰り返す。すなわち、ステップC24の判定結果が肯定されるまでは、大当り演出は、前記第1特別バトル演出表示パターンに基づいて実行される。
【0150】
前記ステップC19?ステップC24の処理を繰り返す間に、ステップC24の判定結果が肯定(すなわち大当り遊技の連荘回数が「30回以上」)となった場合には、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、ステップC19と同様に演出種類モードMAに対応する表示内容を実行する(ステップC25)。そして、統括制御CPU65aは、30回目以降の大当り演出については、30回目以降の専用のテーブルに記憶されている演出種類モードMAに対応する第1バトル演出パターンBAの中から、第2特別バトル演出表示パターンa6を決定し、該第2特別バトル演出表示パターンa6を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される第2特別バトル演出表示パターンa6に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出表示パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC26)。すなわち、大当り遊技の連荘回数が30回以上になると、29回目までは出現しないより希少性のある第2特別キャラクタとのバトル演出を見ることができる。
【0151】
ここで、前述した確変状態においては、該確変状態が終了するまでは、前記変短状態(第2始動入賞口31bへの入賞率が向上する入賞率向上状態)が付与されるよう構成されている。すなわち、前記演出種類ループ処理が継続している間の遊技においては、変短状態も継続され、該変短状態が継続している間は、初回大当り遊技の最終ラウンドで選択した演出種類モードに対応する図柄変動演出および大当り演出を継続して見ることができるようになっている。
【0152】
(演出種類ループ処理における大当り演出パターンの選択について)
前記演出種類ループ処理において、大当り遊技(大当り判定の結果が肯定の場合)に際して選択される通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4には、これら通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4を選択する際に用いられるバトル演出表示乱数が定められている。このバトル演出表示乱数は、大当り判定を行う時点で「バトル勝利」を導出する表示パターンと「バトル敗北」を導出する表示パターンとで乱数の設定数が異なっている。具体的には、図14に示す如く、「バトル勝利」を導出する表示パターンが選択される大当りの場合は、通常バトル演出表示パターンa1には「2つ」、通常バトル演出表示パターンa2には「4つ」、通常バトル演出表示パターンa3には「6つ」、通常バトル演出表示パターンa4には「8つ」のバトル演出表示乱数が設定される。一方、「バトル敗北」を導出する表示パターンが選択される大当りの場合は、通常バトル演出表示パターンa1には「8つ」、通常バトル演出表示パターンa2には「6つ」、通常バトル演出表示パターンa3には「4つ」、通常バトル演出表示パターンa4には「2つ」のバトル演出表示乱数が設定される。なお、バトル演出表示乱数は、「0」?「19」の20通りの整数であって、これら20通りのバトル演出表示乱数が各通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4のバトル演出表示乱数として振分けられている。またバトル演出表示乱数値は、前記統括制御RAM65cに記憶されている。なお、「バトル勝利」するよう設定された通常または特別バトル演出表示パターンは、大当り遊技中に確変状態が確定報知される大当り図柄(図柄A,a等)で当選した場合に選択されるよう設定されるのに対し、「バトル敗北」するよう設定された通常または特別バトル演出表示パターンは、大当り遊技終了後に潜伏モード(遊技状態が確変状態か非確変状態か分からない状態)に移行する可能性のある大当り図柄(図柄B,F,d,e等)で当選した場合に選択されるように設定されている。
【0153】
そして、前記通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の選択に際して、前記統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されているバトル演出表示乱数値の中で任意の1つを取得し、取得したバトル演出表示乱数値に対応する通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4を決定するよう構成される。すなわち、大当り遊技中に確変状態を確定的に報知する大当り遊技(特図開始処理において確変図柄が決定された特定当り遊技)と、潜伏モードに移行する大当り遊技(非確変状態の場合もあり得る大当り遊技)とでは、各通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に設定されるバトル演出表示乱数の設定数が異なることで、大当り遊技中に確変状態が付与されることが判断できる大当り遊技と、大当り遊技中には確変状態と非確変状態との何れが付与されるのか判断できない大当り遊技とでは、異なる割合で通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4が選択される。言い換えると、特図開始処理において確変図柄が決定された場合に、統括制御CPU65aが選択可能な遊技者側のキャラクタが勝利するバトル演出表示パターン(統括制御RAM65cに記憶されている)には、敵キャラクタが異なる複数種類のものが設けられており、該複数種類のバトル演出表示パターンの中から1つを選択する際には、敵キャラクタ毎に選ばれる割合が異なるように設定されている。
【0154】
図14に示すようにバトル演出表示乱数が振分けられている例で具体的に説明すれば、確変状態が付与されることが大当り遊技中に明らかになる大当り遊技(バトル勝利の演出が導出される大当り遊技)の場合は、通常バトル演出表示パターンの「a1」、「a2」、「a3」、「a4」の順で選択される確率が高くなり、逆に大当り遊技中には確変状態と非確変状態との何れが付与されるのか判断できない大当り遊技(バトル敗北の演出が導出される大当り遊技)の場合は、通常バトル演出表示パターンの「a1」、「a2」、「a3」、「a4」の順で選択される確率が低くなる。すなわち、大当り遊技に際して出現する敵キャラクタの種類によって、遊技者は確変状態が付与され易いのか、され難いのかを認識することができる。なお、前記通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に振分けられるバトル演出表示乱数値の数や割合は、前述した数や割合に限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0155】
本実施例のように、演出の種類を遊技者が選択可能な機能を備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)遊技者が選択した演出種類モードに対応する演出表示パターンが、次回の当り遊技および該当り遊技の次に行われる図柄変動演出において実行されるので、選択する演出種類モードに対する遊技者の関心を高めることができる。
(2)また、各演出種類モードにおいて複数種類の演出表示パターンが設定されているから、当り遊技中の演出のマンネリ化を抑制して遊技の興趣を向上し得る。
(3)確変状態や変短状態が継続する限り、遊技者が選択した演出種類モードに関連する演出が継続して実行されるので、遊技者の演出に対する興味を持続させ得る。
(4)大当り遊技中の演出内容として、遊技者側のキャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出と、予め設定された一連の演出が順次進行するストーリー演出とを備えることで、大当り演出にバリエーションを持たせることができ、遊技者の演出に対する興趣を高めることができる。
(5)演出種類モードMAの第1バトル演出パターンBAと、演出種類モードMBの第2バトル演出パターンBBとでは、両演出パターンでの演出内容はもちろん、第1バトル演出パターンBAの演出表示パターン(a1?a6)と第2バトル演出パターンBBの演出表示パターンの夫々においても出現する敵キャラクタや演出内容が異なるので、遊技者は、好のみにあった敵キャラクタや演出内容に合わせて演出種類モードを選択することができ、モードを選択することの興趣を向上し得る。なお、演出内容が異なるとは、図柄表示装置17に表示される背景の画像が異なることのみでなく、スピーカ19から出力される音(音楽や音声)やランプ装置18での発光態様が異なるものを含むものである。
【0156】
演出の種類を遊技者が選択可能な機能を備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)演出種類モードが選択可能となる特定の当り遊技として、通常モードにおける初回大当り遊技の場合で説明したが、該特定の当り遊技は初回大当り遊技に限定されるものではなく、確変モードや潜伏モードでの大当り遊技に際して演出モードを選択可能とすることも可能である。
(2)選択された演出種類モードに滞在中の図柄変動演出および大当り演出に関しては、表示されるキャラクタが同じである必要はなく、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者が認識し得るものであればよい。
(3)第1バトル演出パターンBAと第2バトル演出パターンBBとの差別化を図るために、前述したようにバトル演出表示乱数の振り分けを変えるのみでなく、例えば前記遊技状態継続演出パターンについて、第2バトル演出パターンBBにのみ振り分けるようにしてもよい。この場合は、演出種類モードMAを選択した場合は、大当り遊技に際して早い段階で結果が分かるのに対し、演出種類モードMBを選択した場合は、遊技状態継続演出パターンによって最終的な結果が導出されるまでの時間が長くなり、結果を早く知りたい遊技者と演出を長く楽しみたい遊技者のニーズに応えることができる。
【0157】
また本実施例のように、大当り遊技における遊技実績によって実行される演出内容が変化する機能を備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)大当り遊技の連荘回数が第1の規定条件を満たしたことを契機として、第1の規定条件を満たしていない場合に現われる通常敵キャラクタとは異なる第1特別敵キャラクタが現われる第1の特別演出が実行されるから、第1の特別演出に変更されたことに対して遊技者に優越感を与えることができる。
(2)また、第1の規定条件のハードルを高く設定することで、第1の特別演出が実行される確率を低くして希少性を高め、第1の特別演出に変更された際の優越感をより高めることが可能である。
(3)更に、大当り遊技の連荘回数が、第1の規定条件より成立することが困難な第2の規定条件を満たしたことを契機として、前記第1特別敵キャラクタとは異なる第2特別敵キャラクタが現われる第2の特別演出が実行されるから、第2の特別演出に変更されたことに対して遊技者により高い優越感を与えることができる。
(4)遊技者が選択した各演出種類モードにおいて、第1の規定条件および第2の規定条件を満たした場合は、第1の特別演出および第2の特別演出を見ることができるから、どの演出種類モードを選択しても大当り遊技中の興趣を向上し得る。
(5)大当り遊技中に、確変状態が付与されるか否かのみならず、大当り遊技において獲得可能な賞球数の大小に関連する当り遊技の種類にも関心を惹くことができ、遊技の興趣を向上し得る。
(6)第1の規定条件および第2の規定条件を、大当りの連荘回数としたので、遊技者は大当りが連続(連荘)することで希少性のある特別演出を見るチャンスが来ることに期待して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上し得る。
(7)規定条件を満たさない限り出現しない希少性のある特別キャラクタが出現した際には、遊技者に大当りが連荘することでの満足感を与え得ると共に、プレミアム感を高めることができる。
【0158】
大当り遊技における遊技実績によって実行される演出内容が変化する機能を備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)特別演出(特別当り演出パターン)の数は2つに限らず1つあるいは3つ以上であってもよい。例えば、実施例の第2特別バトル演出表示パターンa6では、最終的には「バトル敗北」の結果が導出されるよう設定しているが、第2特別バトル演出表示パターンa6においても「バトル勝利」の結果を導出可能に構成し、第2特別敵キャラクタとのバトル演出において更に「バトル勝利」(大当り遊技の連荘)が続くことで、第3の規定条件が満たされて第3特別敵キャラクタが出現する演出パターンが選択される構成を採用し得る。なお、第1特別敵キャラクタや第2特別敵キャラクタ等の規定条件を満たすことで出現する特別敵キャラクタについても夫々に複数の特別敵キャラクタを設定すると共に、夫々の特別敵キャラクタが出現する割合をバトル演出表示乱数値の振分けによって変えるようにしてもよい。
(2)実施例では、確変状態の有無に拘わらず変短状態が付与されている状態で当選した大当りも連荘回数としてカウントする場合で説明したが、確変状態で変短状態が付与されている状態での大当りを連荘回数としてカウントし、非確変状態で変短状態が付与されている状態(時短モード)に移行したときに連荘回数のカウントをリセットするようにしてもよい。
(3)特別演出が実行(決定)される遊技実績としては、大当りの連荘回数に限らず、大当り遊技中の獲得出球数等、その他のものであってもよい。
(4)通常当り演出パターン(通常バトル演出表示パターン)は6つに限らず、1以上であればよい。
(5)図13に示す演出種類ループ処理では、連荘回数が「30回以上」になったときに、第2特別バトル演出表示パターンに基づく大当り演出が実行されると、ループ処理を終了する場合で説明したが、引き続きループ処理を行うようにしてもよい。すなわち、第2特別バトル演出表示パターンに基づく大当り演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利」であるか否かを判定し、否定であれば演出種類ループ処理を終了する。一方、肯定、すなわち「バトル勝利」であれば、次の始動入賞口31a,31bのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出を行うと共に、大当りに当選した場合は通常バトル演出表示パターンまたは第1特別バトル演出表示パターンに基づく大当り演出を実行するステップを、大当り演出において「バトル敗北」の結果となるまで繰り返すようにしてもよい。
【0159】
(6)実施例では、特別演出が実行される条件(特別バトル演出表示パターンが選択される条件)として、連荘回数のみの場合で説明したが、併せて大当り図柄の種類を条件としてもよい。例えば、第1特別バトル演出表示パターンが選択される条件として、連荘回数が20回目以後の大当り図柄が図柄Aまたは図柄aの場合に限定すると共に、第2特別バトル演出表示パターンが選択される条件として、連荘回数が30回目以後の大当り図柄が図柄cまたは図柄eの場合に限定することができる。
【0160】
前記特別演出を実行する条件として大当り図柄を含むようにした特別演出実行処理について、図15を参照して以下に説明する。なお、基本的な処理の流れは、前記演出種類ループ処理と同じであるので、主に大当り図柄の種類を条件とした部分について説明する。
【0161】
特別演出実行処理では、ステップH11で、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞(保留記憶情報)に基づく大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定され、否定であれば次の入賞(保留記憶情報)に基づく大当り判定が繰り返される。なお、ステップH11が否定の場合の図柄変動演出については、前述したように、はずれ用の選択用演出パターンに基づく演出が図柄表示装置17で実行される。また、ステップH11の判定結果が肯定の場合には、ステップH12において大当り遊技の連荘回数をカウントし、統括制御RAM65cに保存する。次いで、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数が「20回以上」であるか否かを判定する(ステップH13)。ステップH13の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「20回未満」)の場合には、統括制御CPU65aは、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、大当り演出として通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の何れかを図柄表示装置17で実行させる(ステップH14)。
【0162】
ステップH13の判定結果が肯定(すなわち連荘回数が「20回以上」)となった場合には、ステップH15に移行して大当り図柄が図柄Aまたは図柄aかを判定し、否定であれば、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、大当り演出として通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の何れかを図柄表示装置17で実行させる(ステップH14)。これに対し、ステップH15の判定結果が肯定(すなわち大当り図柄が図柄Aまたは図柄a)の場合は、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、第1特別バトル演出表示パターンa5に基づく大当り演出を図柄表示装置17で実行させる(ステップH16)。すなわち、大当り遊技が20回連荘し、かつ遊技者にとって最も価値の高い大当り遊技となる図柄Aまたは図柄aでの大当り当選の条件で、19回目までは出現しない希少性のある第1特別キャラクタとのバトル演出を見ることができ、遊技者に高い優越感を与えることができる。
【0163】
第1特別バトル演出が実行された後において、ステップH17での大当り判定の判定結果が否定の場合は、次の入賞(保留記憶情報)に基づく大当り判定が繰り返されると共に、図柄変動演出については、はずれ用の選択用演出パターンに基づく演出が図柄表示装置17で実行される。また、ステップH17の判定結果が肯定の場合には、ステップH18において大当り遊技の連荘回数をカウントし、統括制御RAM65cに保存する。次いで、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数が「30回以上」であるか否かを判定する(ステップH19)。ステップH19の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「30回未満」)の場合には、統括制御CPU65aは、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、大当り演出として第1特別バトル演出表示パターンa5に基づく演出を図柄表示装置17で実行させる(ステップH16)。
【0164】
前記ステップH19の判定結果が肯定(すなわち大当り遊技の連荘回数が「30回以上」)となった場合には、統括制御CPU65aは、ステップH20に移行して大当り図柄が図柄cまたは図柄eかを判定し、否定であれば、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、大当り演出として第1特別バトル演出表示パターンa5に基づく演出を図柄表示装置17で実行させる(ステップH16)。これに対し、ステップH20の判定結果が肯定(すなわち大当り図柄が図柄cまたは図柄e)の場合は、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、当り用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出を図柄表示装置17で実行させた後、第2特別バトル演出表示パターンa6に基づく大当り演出を図柄表示装置17で実行させる(ステップH21)。すなわち、大当り遊技の連荘回数が30回以上続き、かつ大当り遊技となる図柄cまたは図柄eでの大当り当選の条件で、29回目までは出現しないより希少性のある第2特別キャラクタとのバトル演出を見ることができ、遊技者に対してプレミアム感を与えることができる。
【0165】
ここで、図柄Aまたは図柄aに対応する大当り遊技は、遊技者に与える価値が最も高いもの(多くの出球が獲得可能なもの)であるので、第1特別バトル演出表示パターンa5が選択される条件として、連荘回数とは別に大当り図柄が図柄Aまたは図柄aの場合に限定することで、単に通常とは異なる演出(第1特別バトル演出)を見ることができるのみでなく、多くの出球を獲得し得る期待感をもって遊技を行うことができる。また、第2特別バトル演出表示パターンa6が選択される条件として、連荘回数とは別に大当り図柄が図柄cまたは図柄eの場合に限定すると、以下の効果が得られる。
すなわち、図柄cに対応する大当り遊技は、前記図柄Aおよび図柄aの場合の大当り遊技に比較して多くの出球は期待し得るものではないが、大当り遊技が30回続いた喜びと、特別な演出(第2特別バトル演出)を見ることができることで、遊技者の落胆度合いを小さく押さえることができる。また図柄eで当選した場合は、大当り終了後の遊技状態が非確変状態となるものの、前述したと同様に、大当り遊技が30回続いた喜びと、特別な演出(第2特別バトル演出)を見ることができることで、遊技者の落胆度合いを小さく押さえることができる。更に、第2特別バトル演出表示パターンa6が選択される条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態となる図柄cと大当り遊技の終了後の遊技状態が非確変状態となる図柄eとの何れかの場合としたので、第2特別バトル演出が実行されて「バトル敗北」の結果となったとしても非確変状態になるとは限らず、その後に確変状態となったときには(図柄cで当選していた場合)、遊技者により高いプレミアム感を与えることができる。
【0166】
なお、前述したように特別演出(特別当り演出パターン)を3つ以上備える場合は、各特別演出が実行される条件となる連荘回数および大当り図柄の種類を夫々異なるようにすればよい。また、前記条件は、大当り図柄の種類と、獲得出球数等、その他の条件の組み合わせとすることが可能である。
【0167】
(モード移行について)
ここで、本実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中に、現在滞在中の演出種類モードMA,MB,MCから他の演出種類モードMA,MB,MCへの移行(モード移行)が可能に設定されており、統括制御CPU65aは、他の演出種類モードMA,MB,MCへの移行を決定する場合は、統括制御RAM65cに記憶されている直前までの演出種類モードMA,MB,MCの種類を示す情報を、新たに決定した演出種類モードMA,MB,MCの種類を示す情報に書き換えるようになっている。そして、統括制御CPU65aは、滞在中の演出種類モードMA,MB,MCから他の演出種類モードMA,MB,MCへの移行を決定する場合、決定した演出種類モードMA,MB,MCの種類を特定可能なモード指定コマンドを、演出種類モードMA,MB,MCの開始の契機となる図柄変動演出において表示制御基板70に出力する。その結果、図柄表示装置17では、次の図柄変動演出においては変更された演出種類モードMA,MB,MCに対応する演出が実行される。
【0168】
すなわち、前記当り演出パターンは、大当り演出の途中に、前記演出種類選択用演出(モード選択演出)を図柄表示装置17で実行させるモード選択演出パターンを備えている。このモード選択演出パターンは、各演出種類モードMA,MB,MCに対応して夫々設けられるものであって、本実施例では大当りの種類が、前記特図1の図柄A,Cおよび特図2の図柄a,b,cの6種類の場合に選択されるようになっている。また本実施例では、モード選択演出パターンは、前記ステップアップ確変大当り遊技に対して遊技時間が相対的に短かい16R短縮確変大当り遊技が終了する前である9ラウンド目において演出種類選択用演出を実行するよう設定されている。更に、前記通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4では、9回目のラウンド遊技でバトル演出の勝敗の結果が導出されるように設定されており、前記演出種類選択用演出は、勝敗の結果が導出された後に実行されるよう設定される。すなわち、本実施例では、ステップアップ確変大当り遊技において、短時間開放動作を開閉扉43に行わせるラウンドで、演出種類選択用演出を実行するようになっている。なお、実施例では、全開放ラウンド遊技で構成された大当り遊技の種類として、図柄A,図柄Bおよび図柄Fで当選した場合に選択されるラウンド回数が16回のものと、図柄dで当選した場合に選択されるラウンド回数が9回のものを備えており、前記演出種類選択用演出を実行するラウンドは、全開放ラウンド遊技で構成された大当り遊技の種類の内の最小のラウンド回数(9回)に対応するラウンド遊技中となるように設定される。
【0169】
(モード移行処理について)
次に、モード移行処理について、ステップアップ確変大当り遊技および16R短縮確変大当り遊技を実行する場合で説明する。
【0170】
前記統括制御CPU65aは、前記演出種類ループ処理において大当り遊技が開始されると、該大当り遊技におけるラウンド回数をカウントし、該カウント値が「9」となった条件で、演出種類選択用演出を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力すると共に、前記第1操作ボタン35の操作を有効とする有効期間を設定する。表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出種類選択用演出に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出種類選択用演出に対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。すなわち、図16に示す如く、9ラウンド目の大当り演出表示として、図柄表示装置17に第1操作ボタン35の画像が表示され、該第1操作ボタン35の押下によって演出種類モードを選択可能であることが示唆される。図16では、現在滞在中の演出種類モードが演出種類モードMAであるので、第1操作ボタン35の押下によって演出種類モードMB,MCの何れかを選択可能な状態が表示される。
【0171】
前記有効期間中において遊技者が第1操作ボタン35を操作(押下)して演出種類モードを変更した場合は、第1操作ボタン35からの操作信号に基づき統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている直前までの演出種類モードの種類を示す情報を、新たに決定した演出種類モードの種類を示す情報に書き換える。なお、前述したように、モード選択演出パターンが選択される大当りの種類は、確変状態が付与されるものであるので、当該大当り遊技の終了後において確変状態が付与されることから演出種類ループ処理が継続される。これにより、当該大当り遊技が終了した次の図柄変動演出においては、変更された演出種類モードに対応する演出が実行される。また、有効期間中において第1操作ボタン35からの信号入力がない場合は、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている演出種類モードの種類を示す情報を書き換えることなく、現在滞在中の演出種類モード(MA)を維持する。
【0172】
ここで、大当り遊技が16R短縮確変大当り遊技の場合は、前記9ラウンド目のラウンド遊技が終了した後は、前記特別入賞装置40の開閉扉43を短時間開放動作するラウンド遊技のみが行われることで、演出種類選択用演出が終了した後には短時間で大当り遊技が終了する。これに対し、大当り遊技がステップアップ確変大当り遊技の場合は、前記9ラウンド目のラウンド遊技が終了した後は、前記特別入賞装置40の開閉扉43を長時間開放動作するラウンド遊技のみが行われることで、演出種類選択用演出が終了した後にも長時間に亘って大当り遊技が継続する(図16参照)。これにより、遊技時間の短かい16R短縮確変大当り遊技においては、演出種類選択用演出によって大当り遊技の終了を示唆すると共に、該遊技時間が短かい(獲得可能な賞球が少ない)ことに対する不満を、演出種類選択用演出によるモード選択操作を遊技者に行わせることで和らげることができ、遊技を継続する意欲を惹起し得る。一方、ステップアップ確変大当り遊技においては、演出種類選択用演出によって大当り遊技が終了してしまうかもしれないと思わせておいて、引き続き大当り遊技が長時間に亘って継続することでサプライズ感および優越感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上し得る。また、16R短縮確変大当り遊技における演出種類選択用演出が実行されるタイミングと、ステップアップ確変大当り遊技における演出種類選択用演出が実行されるタイミングとは同じに設定されているので、該演出種類選択用演出が実行されるタイミングだけでは、遊技者は16R短縮確変大当り遊技であるのかステップアップ確変大当り遊技であるのかを判断することはできず、演出種類選択用演出の終了後の状態がどのようになるのかを楽しみにして遊技を行い得る。
【0173】
ここで、モード選択演出パターンが選択される大当り遊技(大当りの種類)は、「バトル勝利」となる演出が導出される遊技(すなわち確変状態が付与されるもの)に特定されており、「バトル敗北」となる演出が導出される遊技(非確変状態となる場合があるもの)についてはモード選択演出パターンが選択されないようになっている。従って、モード選択演出パターンがバトル演出表示パターンであれば、大当り演出の結果として「バトル勝利」の展開となる演出表示パターンでは、当該大当り演出の結果が導出された後にモード選択を行うことができるのに対し、大当り演出の結果として「バトル敗北」の展開となる演出表示パターンではモード選択を行うことができない。すなわち、遊技者は、バトル演出の勝敗に高い関心を持って遊技を行うことができると共に、「バトル勝利」の展開となった場合には、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されることによる喜びと、モード選択を行い得ることでの優越感を味わうことができ、遊技の興趣を向上し得る
【0174】
次に、モード移行処理について、大当り演出パターンとして遊技状態継続演出パターンが選択された場合で説明する。
前記統括制御CPU65aは、前記演出種類ループ処理において大当り遊技が開始されると、該大当り遊技におけるラウンド回数をカウントし、該カウント値が「9」となった条件で、遊技状態継続演出を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される遊技状態継続演出に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該遊技状態継続演出に対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。具体的には、遊技状態継続演出に対応する表示内容では、一旦遊技者側のキャラクタが負けとなる「バトル敗北」を導出する演出を実行した後、遊技者側のキャラクタが勝ちとなる「バトル勝利」を導出する演出を実行する。すなわち、「バトル勝利」の演出により、遊技者は大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であることを認識し得る。また、遊技状態継続演出パターンを選択した場合においても、遊技の種類(図柄bと図柄c)の違いによっては、「バトル勝利」の演出後に大当り遊技が継続するものと、継続することなく直ぐに終了するものとがあり、遊技状態継続演出後の状態を楽しみに遊技を行うことができる。
【0175】
また、統括制御CPU65aは、大当り演出パターンとして演出種類選択用演出を含むバトル演出パターンを選択した場合は、遊技状態継続演出を指示する演出表示パターン指定コマンドを出力する同じタイミングで、演出種類選択用演出を指示する演出表示パターン指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力すると共に、前記第1操作ボタン35の操作を有効とする有効期間を設定する。そして、表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、前述したと同様に図柄表示装置17に第1操作ボタン35の画像を表示し、該第1操作ボタン35の押下によって演出種類モードを選択可能であることを示唆する演出を実行する。
【0176】
すなわち、大当り演出パターンとして、演出種類選択用演出を含むバトル演出パターンにおける演出種類選択用演出を行う同一ラウンドにおいて遊技状態継続演出を行うように設定された遊技状態継続演出パターンを備えることで、大当り遊技において、遊技状態継続演出が実行された場合は、一旦「バトル敗北」することで遊技者は落胆するものの、遊技者側のキャラクタが復活して「バトル勝利」が導出されることで、遊技状態が確変状態となることを認識することで遊技者の興趣を向上することができる。一方、大当り遊技において、モード選択演出が実行された場合は、モード選択を行い得ることでの優越感を味わうことができ、遊技の興趣を向上し得る。また、演出種類選択用演出およびモード選択演出は同一ラウンドにおいて実行されるように設定されているので、遊技者は、大当り遊技に際して、当該ラウンドにおいて何れの演出が行われるのかに関して興味を持って遊技を行うことができる。なお、遊技状態継続演出について、演出種類選択用演出を行う同一ラウンドでは、少なくとも「バトル敗北」の演出を行うものであればよく、遊技者側のキャラクタが復活して「バトル勝利」する演出については、その後のラウンド(例えば最終ラウンド)で行うものであってもよい。
【0177】
ここで、大当り演出パターンとして遊技状態非継続演出パターンが選択された場合は、前記統括制御CPU65aは、前記演出種類ループ処理において大当り遊技が開始されると、該大当り遊技におけるラウンド回数をカウントし、該カウント値が「9」となった条件で、遊技状態非継続演出を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される遊技状態非継続演出に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該遊技状態非継続演出に対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。具体的には、遊技状態非継続演出に対応する表示内容では、前述した遊技状態継続演出と同様に、一旦遊技者側のキャラクタが負けとなる「バトル敗北」を導出する演出を実行した後、更に演出が継続して最終的に遊技者側のキャラクタが負けとなる「バトル敗北」を導出する演出を実行する。そして、「バトル敗北」の演出によって、遊技者は大当り遊技終了後の遊技状態が潜伏モードに移行することを認識し得る。このように、遊技状態継続演出パターンに対応する遊技状態非継続演出パターンを備えることで、遊技者に対して、大当り遊技における特定ラウンドにおける演出に対する興味を高めることができる。また、遊技状態継続演出パターンおよび遊技状態非継続演出パターンとでは、「バトル敗北」の演出が実行されるタイミングは同じに設定されているので、「バトル敗北」の演出が実行されるタイミングだけでは、遊技者は遊技状態継続演出パターンである(確変状態が継続する)のか、遊技状態非継続演出パターンである(非確変状態に移行する可能性がある)のかを判断することはできず、「バトル敗北」の演出の終了後の状態がどのようになるのかを楽しみにして遊技を行い得る。
【0178】
本実施例のように、大当り遊技中に演出の種類を遊技者が選択可能な機能を備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)大当り遊技中に、大当り遊技後の演出種類モードを変更可能とすることで、大当り遊技中の演出のマンネリ化を防ぐことができる。また、モード選択で大当り遊技の終了を示唆しつつ、長時間開放の大当り遊技の場合には、モード選択後にも大当り遊技が長い時間に亘って継続することでサプライズ効果が期待できる。
(2)大当り遊技中に実行されるバトル演出の勝敗によってモード選択を行い得るか否かが決まるので、バトル演出の勝敗に対する関心を高め、遊技の興趣を向上し得る。
(3)大当り演出パターンとして遊技状態継続演出パターンを備え、該遊技状態継続演出パターンにおける遊技状態継続演出を、モード選択演出を実行させる同じタイミングで行うよう設定したので、遊技状態継続演出および演出種類モードの選択によって遊技の興趣をより向上し得る。
(4)全開放ラウンド遊技から構成された大当り遊技の種類におけるラウンド回数が最も短かい大当り遊技のラウンド回数に対応するラウンドでモード選択を行うよう構成したので、モード選択後も大当り遊技が続く場合もあり、大当り遊技が継続したときの遊技者に与える優越感を高めることができる。
【0179】
大当り遊技中に演出の種類を遊技者が選択可能な機能を備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)実施例では、16R短縮確変大当り遊技における長時間開放動作を開閉扉43に行わせる最終ラウンドを8ラウンド目としたが、該最終ラウンドを2ラウンド目やその他のラウンド目に設定してもよく、その最終ラウンドに設定した回数目に設定したラウンドの次のラウンドでモード選択(有効期間の設定)を行うようにすればよい。また、全開放ラウンド遊技から構成された大当り遊技の種類として、短縮確変大当り遊技における長時間開放動作を開閉扉43に行わせる最終ラウンドの回数+1のラウンド回数のものを設定すればよい。
(2)実施例では、全開放ラウンド遊技から構成された大当り遊技の種類として、ラウンド回数が16回のものと9回のものとの2種類を備える場合で説明したが、ラウンド回数が異なる3種類以上のものを備えるものであってもよい。
(3)大当り演出パターンとして、前述した演出種類選択用演出を含む遊技状態継続演出パターンを設定してもよい。すなわち、所定のラウンド(例えば9ラウンド目)における演出として、一旦「バトル敗北」の表示を行った後に「バトル勝利」が導出される遊技状態継続演出を行い、続いて演出種類選択用演出を行うようにすることで、遊技者により高い優越感を与えることができる。
(4)遊技の種類として、図柄bと図柄cとの関係に対応する、大当り遊技終了後に非確変状態となる図柄を設定することが可能である。この場合は、遊技状態非継続演出パターンが実行された場合において、「バトル敗北」の演出後に大当り遊技が継続するものと、継続することなく直ぐに終了するものとの違いにより、大当り遊技中の演出効果を向上し得る。例えば、「バトル敗北」によって大当り遊技終了後が確変状態の確定でないと遊技者が認識したとしても、大当り遊技が継続することで、遊技者に与える落胆度合いを軽減することができる。
【0180】
(潜伏モードについて)
本実施例では、確変状態で当選した大当り遊技の種類が、図柄Bおよび図柄cに対応する種類(特別確変大当り遊技、短縮確変大当り遊技)であった場合に、当該大当り遊技の終了後に潜伏モードとなり、図柄表示装置17では遊技者に確変状態か否かを示唆する確変潜伏演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄Bおよび図柄cに対応する大当り遊技の終了後において、前記変短回数の図柄変動演出が行われるまでの間、または前記変短回数に達する前に大当りが付与されるまでの間、前記統括制御CPU65aは図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する演出パターン(演出内容)として確変潜伏演出パターン(確変潜伏演出内容)を選択するよう構成される。また、統括制御CPU65aは、確変状態で当選した大当り遊技の種類が、図柄Fおよび図柄eに対応する種類(通常非確変大当り遊技、短縮非確変大当り遊技)であった場合に、当該大当り遊技の終了後には確変潜伏演出パターンを選択するよう構成される。すなわち、確変状態で大当りして潜伏モードに移行する際には、当り図柄が確変および非確変に関わらず(確変判定手段の判定結果が肯定の場合および否定の場合の何れでも)、大当り遊技の終了後には確変潜伏演出パターンで特定される演出が図柄表示装置17で実行されるよう構成されている。
【0181】
なお、前記演出種類モードMA,MBに滞在中(確変モードに滞在中)において、大当り抽選で当選した大当りの種類が、図柄B、図柄c、図柄Fおよび図柄eの場合は、演出パターンとして、遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに敗北するパターンが選択され、大当り遊技終了後に潜伏モードに移行する。また、演出種類モードMCに滞在中においても、大当り遊技の種類が、図柄B、図柄c、図柄Fおよび図柄eの場合は、潜伏モードに移行するストーリーが展開され、大当り遊技の終了後に潜伏モードに移行する。
【0182】
また前記メイン制御CPU60aに、潜伏モードに際して確変潜伏演出を実行する確変潜伏演出用の変動パターンが、大当り遊技の種類に応じた複数種類記憶されている。そして、メイン制御CPU60aは、図柄B、図柄c、図柄Fおよび図柄eで当選した大当り遊技の終了後に行われる図柄変動演出の変動パターンとして、前記確変潜伏演出用の変動パターンを選択するよう設定されている。すなわち、前記メイン制御ROM60bには、複数種類の確変潜伏演出用の変動パターンが記憶された潜伏用変動テーブルが設定され、潜伏モードにおいては、大当り遊技の終了後、変短回数の図柄変動演出が行われるまでの間、または前記変短回数に達する前に大当りが付与されるまでの間は、潜伏用変動テーブルから変動パターンが選択されるよう設定されている。
【0183】
但し、本実施例では、確変状態で大当りし、該大当り遊技の終了後に、前記変短回数より少ない規定回数目には、メイン制御CPU65aは、その時点の遊技状態が確変状態か否かを報知する演出(報知演出)を行わせる複数種類の報知用変動パターンが記憶されている規定回数目専用のテーブルから1つの報知用変動パターンを決定し、該報知用変動パターンに対応する報知用変動パターン指定コマンドを統括制御基板65に出力するよう設定されている。また、前記統括制御ROM65bには、遊技状態が確変状態か否かを報知する演出(報知演出)の具体的内容を特定する複数種類の報知演出パターン(報知演出内容)が記憶される規定回数目専用のテーブルが設定されされており、統括制御CPU65aは、入力された報知用変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する報知演出パターンを専用テーブルから選択して決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力するようになっている。すなわち、大当り遊技の終了後の規定回数目の図柄変動演出としては、専用のテーブルから選択された報知演出パターンで特定される報知演出が実行される。この報知演出パターンとしては、図17に示す如く、確変状態を確定的に報知する確変報知演出パターン、非確変状態を確定的に報知する非確変報知演出パターンおよびはずれ専用のはずれ用報知演出パターンが夫々複数種類設定されている。すなわち、図柄Bおよび図柄cでの大当りの場合には、前記統括制御CPU65aは、規定回数目に確変状態であることを確定的に報知する複数種類の確変報知演出パターンが設定された確変報知演出パターンテーブルから1つの確変報知演出パターンを決定し、図柄Fおよび図柄eでの大当りの場合には、統括制御CPU65aは、規定回数目に非確変状態であることを確定的に報知する複数種類の非確変報知演出パターンが設定された非確変報知演出パターンテーブルから1つの非確変報知演出パターンを決定する。そして、前記表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aで決定された報知演出パターンの種類に応じた演出内容を、図柄表示装置17で表示するよう制御する。
【0184】
前記報知演出が実行される回を決める規定回数は、当該パチンコ機10において前記変短状態が付与される最小の変短設定回数の1/2以下に設定される。本実施例では、図柄Fおよび図柄eで当選した場合の何れにおいても、変短回数は80回に設定されているから、規定回数は40回以下に設定される。なお、本実施例では、規定回数を20回に設定した場合で説明する。
【0185】
前記図柄変動演出中に実行される演出の内容を具体的に特定する演出パターン(演出内容)には、確変状態専用の複数種類の確変演出パターン(確変演出内容)および非確変状態専用の(確変状態の場合に選択されない)複数種類の非確変演出パターン(非確変演出内容)とが設定されている(図18参照)。そして、前記報知演出が実行されるときの遊技状態が確変状態の場合には、当該報知演出が実行された以後に実行される演出パターンとして、前記統括制御CPU65aは複数種類の確変演出パターンが設定された確変演出パターンテーブルから1つの確変演出パターンを決定する。また、報知演出が実行されるときの遊技状態が非確変状態の場合には、当該報知演出が実行された以後に実行される演出パターンとして、統括制御CPU65aは複数種類の非確変演出パターンが設定された非確変演出パターンテーブルから1つの非確変演出パターンを決定するよう設定される。
【0186】
図18に示す如く、前記非確変演出パターンの種類は、確変演出パターンの種類より多く設定されており(本実施例では非確変演出パターンが10種類で、確変演出パターンが5種類に設定されるが、その数は限定されない)、報知演出によって非確変状態を確定的に報知した後に選択される演出の種類が多く設定されることで、遊技者が非確変状態であったことを知ったとしても、演出の種類が多いことで落胆度合を抑えることができる。すなわち、非確変状態となったことが分かっても、確変状態では見ることができない種類の演出を見ることができるので、遊技者が遊技を止めてしまうのを抑制し得る。
【0187】
前記大当り終了後の20回目(規定回数目)の大当り判定およびリーチ判定の判定結果が何れも否定の場合は、前記統括制御CPU65aは、複数種類のはずれ用報知演出パターンが設定されたはずれ用報知演出テーブルから1つのはずれ用報知演出パターンを決定するよう設定される。これにより、前記表示制御CPU70aは、20回目の図柄変動演出に対応する大当り判定およびリーチ判定の判定結果が何れも否定の場合は、はずれ用報知演出を図柄表示装置17で実行させるようになっている。
【0188】
(潜伏モード処理について)
次に、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する潜伏モード処理について、図19を参照して説明する。
【0189】
潜伏モードにおいて、前記始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞したか否か(始動入賞検出センサ34a,34bの球検出信号が入力されたか否か)をメイン制御CPU60aが判定する(ステップD11)。ステップD11で否定された場合は、該ステップD11を繰り返す。一方、ステップD11で肯定された場合は、ステップD12で図柄変動演出の変動回数(実行回数)をカウント(+1)し、ステップD13に移行する。ステップD13では、大当り判定が肯定か否かを判定する。そして、ステップD13の判定結果が肯定の場合には、潜伏モード処理を終了する。
【0190】
前記ステップD13の判定結果が否定の場合は、ステップD14において変動回数が「20回」であるか否かを判定する。ステップD14の判定結果が否定(すなわち変動回数が「20回」未満)の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御ROM60bに記憶されている潜伏用変動テーブルから確変潜伏演出用の変動パターンを選択し、該変動パターンに応じた潜伏用変動パターン指定コマンドを統括制御CPU65aに出力する。そして統括制御CPU65aは、入力された潜伏用変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する確変潜伏演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。これにより表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aで決定された確変潜伏演出パターンの種類に応じた演出内容を、図柄表示装置17で表示するよう制御する(ステップD15)。
【0191】
前記ステップD11?ステップD15の処理を繰り返し、ステップD14の判定結果が肯定される(すなわち変動回数が「20回」となる)までは、図柄変動演出として、確変潜伏演出パターンの種類に応じた演出内容が実行され、遊技者は現在の遊技状態が確変状態であるのか非確変状態であるのかを、演出内容からは把握することはできない。すなわち、遊技者は確変状態であることを期待して遊技を行うことができる。
【0192】
前記ステップD14の判定結果が肯定(すなわち変動回数が「20回」)となった場合には、メイン制御CPU60aは、20回目専用のテーブルに記憶されている、その時点の遊技状態が確変状態か否かを報知する報知演出を行わせる専用の報知用変動パターンを決定し、該報知用変動パターンに対応する報知用変動パターン指定コマンドを統括制御CPU65aに出力する。そして、統括制御CPU65aは、入力された報知用変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する報知演出パターンを20回目専用のテーブルから選択して決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。これにより、大当り遊技の終了後の20回目の図柄変動演出として、現在の遊技状態が確変状態か非確変状態かを確定的に報知する演出が実行される(ステップD16)。具体的には、確変状態の報知は、潜伏モードに移行する前に滞在していた演出種類モードMA,MB,MCに移行することによって確変状態を報知し、非確変状態の報知は、非確変状態用のモードに移行することで非確変状態を報知している。例えば、演出種類モードMAに滞在中における大当り遊技が図柄Bで当選した場合は、大当り演出として「バトル敗北」の演出が行われて大当り遊技終了後に潜伏モードに移行し、その後20回目の図柄変動演出として、演出種類モードMAで実行される演出と同じ内容を特定する演出パターンが専用のテーブルから選択され、該演出パターンに基づく演出が実行されることで確変状態が報知される。すなわち、20回目専用のテーブルには、各演出種類モードMA,MB,MCで実行される演出と同じ内容を特定する演出パターンが複数記憶されている。
【0193】
ここで、上記潜伏モードについて、確変状態で当選した大当り遊技の種類が、図柄B、図柄c、図柄Fおよび図柄eの場合に、当該大当り遊技の終了後に潜伏モードとなる場合で説明したが、初回大当り遊技(通常モードでの大当り)の大当り遊技の種類が、図柄B、図柄c、図柄Fおよび図柄eの場合であっても、同様に潜伏モードに移行する。そして、この場合においても、大当り遊技の終了後の20回目の図柄変動演出として、現在の遊技状態(確変状態または非確変状態)を確定的に報知する報知演出が行われる。
【0194】
また、潜伏モードにおいて、大当り遊技の終了後の20回目までの図柄変動演出(始動入賞口31a,31bへの入賞に基づく20回目までの大当り判定)が行われるまでの間において、確変大当り図柄で当選した場合は、当該大当り遊技の最終ラウンドにおいて、前述したモード選択を行い得るようになっている。すなわち、潜伏モードから再び確変モードへ移行し得るよう構成されている。
【0195】
本実施例のように、潜伏モードを備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)変短状態が付与されている設定回数より前に、遊技状態の確定報知を行うので、潜伏モードの遊技性を維持しつつ遊技状態の確定報知をバランス良く実現でき、遊技の興趣を向上し得る。
(2)また、変短状態が終了する前に現在の遊技状態を確定報知するから、遊技者は現在の遊技状態が確変状態であるか否かを知ることができ、演出内容等から遊技状態を把握できる遊技者と把握できない遊技者との間で、得られる可能性のある賞球の数が変わるのを抑制し得る。
(3)報知演出が実行されるときの遊技状態が確変状態の場合には、確変状態を報知する確変演出パターンを実行し、報知演出が実行されるときの遊技状態が非確変状態の場合には、非確変状態を報知する非確変演出パターンを実行するので、遊技者に対して現在の遊技状態を明確に覚知させることができる。
(4)現在の遊技状態を確定報知するはずれ専用のはずれ用報知演出パターンを備えることで、大当り遊技の終了後の規定回数目の演出に対する注目度が高くなり、期待感を持って遊技を行い得る。
(5)遊技状態を確定報知する規定回数を、変短状態が付与される最小の回数の1/2以下に設定したので、報知演出が行われる前に遊技者が遊技状態を認識してしまう確率を低くし、潜伏モードの遊技性と、遊技状態の確定報知とをバランス良く実現できる。
(6)非確変演出パターンの種類は、確変演出パターンの種類より多く設定されているから、非確変演出パターンが実行されることで遊技状態が非確変状態と分かっても、確変状態では見ることができない演出を見ることが可能となるので、遊技の興趣を向上することができる。
(7)大当り遊技の終了後の規定回数目の図柄変動演出の演出パターンとして、確定報知専用の報知演出パターンテーブルから1つの報知演出パターンを選択して決定するので、規定回数目の図柄変動演出として確実に報知演出を行うことができる。
【0196】
潜伏モードを備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)実施例では、遊技状態を確定報知する大当り遊技の終了後の規定回数を、変短状態が付与される最小の回数の1/2以下に設定した場合で説明したが、少なくとも変短状態が終了する前に確定報知演出を実行するようになっていればよい。
(2)実施例では、大当り遊技の終了後の規定回数目にメイン制御CPU65aが選択した報知用変動パターンに基づいて、図柄表示装置17で確定報知演出を実行するよう構成したが、統括制御CPU65aが確定報知演出の種類を振分けて図柄表示装置17で実行させるようにしてもよい。すなわち、統括制御ROM65bに、確変報知演出パターン、非確変報知演出パターンおよびはずれ用報知演出パターンを夫々複数種類記憶しておき、統括制御CPU65aが、大当り遊技の終了後の規定回数目において、メイン制御CPU65aから出力された変動パターン(変動パターン指定コマンド)に基づいて確変報知演出パターン、非確変報知演出パターンおよびはずれ用報知演出パターンの内の1つを選択し、選択された報知演出パターンに応じた演出を図柄表示装置17で実行させるようにしてもよい。
(3)確変演出パターンおよび非確変演出パターンの種類の数は、実施例の数に限定されるものではない。また、確変演出パターンの数と非確変演出パターンの数とが同じであってもよい。
(4)20回目(規定回数目)の報知演出態様としては、図柄表示装置17に、報知専用のキャラクタを出現させる演出を行わせたり、あるいは文字で「確変状態」や「非確変状態」を表示して報知することができる。すなわち、メイン制御ROM60bまたは統括制御ROM65bに、報知専用のキャラクタによって報知演出を行う報知演出パターンや、「確変状態」や「非確変状態」の文字を表示す報知演出パターンを記憶させておけばよい。
(5)20回目(規定回数目)の報知演出としては、図柄表示装置17で実行される演出を挙げたが、スピーカ19やランプ装置18によって20回目専用の音声や発光態様を行わせることによって報知するようにすることができる。
【0197】
(シューティング演出について)
本実施例のパチンコ機10では、前記図柄変動演出の種類として、シューティング演出(特殊演出)があり、該シューティング演出の具体的内容を特定する複数種類のシューティング演出パターンが、前記統括制御ROM65bに記憶されている。また、前記メイン制御ROM60bに、シューティング演出を実行するシューティング演出用の変動パターンが、大当り判定の結果に応じた複数種類記憶されている。メイン制御CPU60aは、大当り遊技後の遊技状態が、遊技者に与える価値が「高」から「低」に移行する契機となる大当り遊技(以後、特定の大当り遊技(当り遊技)と指称する場合もある)の終了後に行われる図柄変動演出の変動パターンとして、前記シューティング演出用の変動パターンを選択するよう設定されている。ここで、価値が「高」から「低」に移行する場合には、確変状態から非確変状態(通常状態)に移行する場合や、変短状態から非確変状態(通常状態)に移行する場合や、確変状態から非確変状態で変短状態が付与された状態(時短モード)に移行する場合があり、このように遊技者に与える価値が「高」から「低」に移行した状態を、本実施例では特定条件が成立した状態(特定条件下)と指称する場合がある。そして、メイン制御CPU60aは、大当り判定での判定結果で肯定された当りが特定当りであるか否かを判定する当り種類判定手段の機能を有する。
【0198】
そして、本実施例では、潜伏モードにおいて、大当り遊技の終了後の20回目の図柄変動演出において報知演出が行われた次の図柄変動演出、すなわち21回目の図柄変動演出以後に、メイン制御CPU60aは、前記シューティング演出用の変動パターンを選択するよう設定されている。すなわち、前記メイン制御ROM60bには、複数種類のシューティング演出用の変動パターンが記憶された特定変動テーブルが設定され、特定の大当り遊技の終了後、21回以後の図柄変動演出の変動パターンについては、特定変動テーブルのみから選択するようになっている。言い替えると、本実施例においては、特定の大当り遊技の終了後、1回目から19回目までの図柄変動演出については、前述したように潜伏用変動テーブルから確変潜伏演出用の変動パターンが選択され、20回目の図柄変動演出については、報知用変動テーブルから報知用変動パターンが選択され、21回目以後の図柄変動演出については、特定変動テーブルからシューティング演出用の変動パターンが選択されるようになっている。また本実施例では、メイン制御CPU60aがシューティング演出用の変動パターンを選択可能な期間として、特定の大当り遊技の終了後の21回目から40回目までが設定されており、この期間について、以後シューティングモードと指称する場合がある。なお、シューティングモードの期間については、21回目から40回目までに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0199】
前記メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に際し、前記シューティング用の変動パターンを決定したときには、該シューティング用の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを統括制御基板65に出力する。そして、統括制御基板65の統括制御CPU65aは、入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。また統括制御CPU65aは、シューティング用の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドが入力された際には、シューティング演出が行われるタイミングで前記第1および第2操作ボタン35,36の操作を所定時間(有効操作時間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。そして、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定されるシューティング演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該シューティング演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御するよう構成される。
【0200】
本実施例のシューティング演出は、図20に示す如く、図柄表示装置17における画像表示面17aの前側に配設された前記横可動体37と縦可動体38からなる照準器の照準位置(横可動体37と縦可動体38との交点位置)を第1操作ボタン35の操作により移動しながらタイミングよく第2操作ボタン36を押下して対象物(飛行体)を撃墜するシューティング形態の演出である。そして、所定個数の対象物を撃墜することにより、大当りに当選したことや、大当り遊技の種類等を報知するよう設定されている。すなわち、シューティング演出は、操作ボタン35,36の操作に基づいて演出内容が進行する演出である。
【0201】
ここで、前記シューティングモードにおいて、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づく大当り判定の結果が肯定で、かつ確変大当り図柄で当選した場合は、当該大当り遊技の最終ラウンドにおいて、前述したモード選択を行い得るようになっている。すなわち、シューティングモードから再び確変モードへ移行し得るよう構成されている。
【0202】
次に、本実施例におけるシューティング演出の具体的に内容について説明する。
前記シューティング演出では、図20に示す如く、図柄表示装置17の画像表示面17aに表示された背景画面の外周側に、多数の対象物の画像が小さく表示されており、図柄変動の開始により、対象物が1基ずつ表示面中央に向けて移動しつつ画像が大きくなるように表示される。また、前記第1操作ボタン35における4つのボタンA?Dを押下することで(図20では押下しているボタンを矢印で示している)、統括制御CPU65aは、押下されたボタンA?Dに応じて前記駆動モータ37a,38aを駆動制御して横可動体37および縦可動体38を移動することで照準位置が上下左右に移動し、第2操作ボタン36を押下したタイミングに合わせて、照準位置に向けて画面前側から後側に向けてレーザービームが照射される画像が表示されるように設定されている。そして、図20(a)?(c)または図20(d)?(e)に示す如く、対象物の画像が所定の大きさになる前に、照準器の照準位置を対象物に合わせたもとで第2操作ボタン36の押下により対象物にレーザービームを照射することができれば、対象物が撃墜される演出が表示されるようになっている。
【0203】
なお、シューティング演出では、1回の図柄変動演出について1つの対象物が表示面中央に移動するよう設定されており、前述したようにシューティングモードは21回目から40回目までの間に設定されていることから、最大で20回のシューティング演出を行い得るようになっている。また本実施例では、シューティング用の変動パターンについて、特図変動表示が開始してから特図が確定停止表示されるまでの変動時間として12秒のもの(普通変動パターン)が設定されている。そして、12秒の普通変動パターンでのシューティング演出のタイムチャートとして、0?3秒で対象物が表示面中央に移動し、4?8秒で対象物を攻撃し、9?12秒でゲームの結果を表示する演出が振り分けられている。なお、9?12秒での演出としては、対象物を撃墜して遊技者側が勝ちとなった状態を表示(「成功」の文字を表示)したり、対象物を撃墜できずに反撃されて遊技者側が負けとなった状態を表示(「失敗」の文字を表示)するようになっている。
【0204】
ここで、前記統括制御ROM65aには、複数種類のシューティング演出の具体的な内容を特定する複数のシューティング用演出パターンが記憶されている。このシューティング用演出パターンは、前記メイン制御CPU60aが選択した変動パターンの種類に応じて異なる演出となるものが設定される。例えば、リーチ演出を行う変動パターンに対応するシューティング用演出パターンと、リーチ演出を行わないはずれ演出を行う変動パターンに対応するシューティング用演出パターンとでは、図柄表示装置17の画像表示面17aに表示される対象物の色が異なるよう設定される(はずれ演出では白色でリーチ演出では赤色等)。また、シューティング用演出パターンは、対象物の移動形態が異なる複数の演出パターンを備え、変動パターンの種類に応じて移動形態が異なるシューティング用演出パターンが選択されるようになっている。更には、シューティング用演出パターンは、対象物が撃墜できた場合と、できなかった場合とでその後の演出内容が異なる演出パターンを備える。例えば、対象物が撃墜できた場合には、その後にリーチ演出を行い、対象物が撃墜できなかった場合には、その後にリーチ演出を行わない演出パターン等がある。
【0205】
また、前記対象物の色については、大当り図柄の種類によって出現率が異なるように設定されている。具体的には、統括制御RAM65bに、大当り図柄の種類毎に対応して選択されるシューティング用演出パターンテーブルが設定され、各シューティング用演出パターンテーブル毎に、対象物の色が異なる複数のシューティング用演出パターンが記憶されている。対象物の色としては、「白色」、「青色」、「黄色」、「赤色」、「金色」および「虹色」が設定され、図23(a)?(d)に示す如く、シューティング用演出パターン毎に、統括制御CPU65aが、大当り図柄の種類に対応して対象物の色を決定するための判定値(「0」?「99」までの全100通りの整数)が、各色の対象物を出現させるシューティング用演出パターン毎に振り分けられている。この色選択用の判定値は、具体的には、統括制御ROM65aに記憶されている色決定用乱数を用いるものであって、この色決定用乱数の取り得る「0」?「99」までの全100通りの整数の中から定められている。すなわち、大当り図柄が図柄A,B,Cの場合に選択されるシューティング用演出パターンテーブルでは、「白色」のシューティング用演出パターンに判定値が「15個」振り分けられ、「青色」のシューティング用演出パターンに判定値が「15個」振り分けられ、「黄色」のシューティング用演出パターンに判定値が「20個」振り分けられ、「赤色」のシューティング用演出パターンに判定値が「20個」振り分けられ、「金色」のシューティング用演出パターンに判定値が「20個」振り分けられ、「虹色」のシューティング用演出パターンに判定値が「10個」振り分けられている。また、大当り図柄が図柄D,Eの場合に選択されるシューティング用演出パターンテーブルでは、対象物の色(シューティング用演出パターン)と判定値との関係は、「白色」=「25個」、「青色」=「25個」、「黄色」=「25個」、「赤色」=「15個」、「金色」=「10個」および「虹色」=「0個」に設定される。また、大当り図柄が図柄Fの場合に選択されるシューティング用演出パターンテーブルでは、対象物の色(シューティング用演出パターン)と判定値との関係は、「白色」=「30個」、「青色」=「25個」、「黄色」=「25個」、「赤色」=「15個」、「金色」=「5個」および「虹色」=「0個」に設定される。更に、はずれの場合に選択されるシューティング用演出パターンテーブルでは、対象物の色(シューティング用演出パターン)と判定値との関係は、「白色」=「50個」、「青色」=「30個」、「黄色」=「15個」、「赤色」=「5個」、「金色」=「0個」および「虹色」=「0個」に設定される。
【0206】
前記対象物の色が異なるシューティング用演出パターンを決定する処理では、統括制御CPU65aが、メイン制御CPU60aから対応の変動パターンコマンドの送信があったときに、「白色」、「青色」、「黄色」、「赤色」、「金色」および「虹色」の何れのシューティング用演出パターンをシューティング用演出パターンテーブルから決定するための色決定用乱数を取得し、統括制御RAM65cに記憶する。そして、統括制御CPU65aは、前記シューティング用演出パターンテーブルの「白色」、「青色」、「黄色」、「赤色」、「金色」および「虹色」のシューティング用演出パターンの中から、取得した色決定用乱数と各シューティング用演出パターンに振り分けられた色選択用の判定値とを比較して対応するシューティング用演出パターンを決定する。
【0207】
すなわち、対象物の色についての判定値の振り分けを前述したように設定することで、「虹色」の対象物が出現した場合は、確変状態が付与されると共に、多くの出球が獲得可能(獲得出球大)な遊技者に与える特典量(価値)が大きい大当り遊技が確定することが分かる。また「金色」の対象物が出現した場合においても、「虹色」ほどではないものの、特典量が多い大当り遊技(「確変状態」および「獲得出球大」の少なくとも一方を付与可能な大当り遊技)が確定する。更に、「赤色」の対象物については、特典量が多い大当り遊技が付与される信頼度(期待度)が高くなる。これに対し、はずれの場合は、「白色」および「青色」が選ばれ易くなっている。従って、「白色」や「青色」の対象物が出現した場合は、大当り遊技が付与される信頼度(期待度)が低くなる。このように、特典量が多い大当り遊技が付与される信頼度は、「白色」、「青色」、「黄色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の順で高くなる。そして、シューティング演出において出現する対象物の色によって大当りや特典量が異なるようにすることで、遊技者はシューティング演出のゲーム性のみでなく、対象物の色に対して関心を持って遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上し得る。
【0208】
なお、大当り演出を行う変動パターンに対応するシューティング用演出パターンとして、対象物の色が金色や虹色等の、はずれリーチ演出やはずれ演出の場合とは異なる特殊色で、該特殊色の対象物を撃墜することで大当りを報知する演出パターン、および画面の全体が大爆発した後に画面上の対象物が全て撃墜されていることで大当りを報知する演出パターンを備えるようにし、これら大当り報知を行うシューティング用演出パターンが、大当りの種類に対応して選択されるようにしてもよい。例えば、1機ずつ撃墜される演出パターンと大爆発して全機が撃墜される演出パターンとにおいて、遊技者に与える価値の高い大当り図柄に対応する大爆発して全機が撃墜される演出パターンには多くの判定値を振り分けるのに対し、1機ずつ撃墜される演出パターンの判定値の振り分け数を少なくする等、大当り図柄に対応する夫々の演出パターンに振り分ける判定値の数を異ならせることで、出現した対象物の撃墜形態によって大当り遊技(特典量)の信頼度を変えるようにしてもよい。また、対象物の撃墜形態と対象物の色とで、夫々判定値の振り分け数を異ならせることで、より細かく大当り遊技の信頼度を変えることができる。また、図柄変動演出としてはずれ演出に対応して「白色」の対象物が出現し易くし、ノーマルリーチ演出以上の大当り遊技が付与される信頼度が高い演出に対応して「青色」または「黄色」の対象物が出現し易くし、ノーマルリーチ演出より大当り遊技となる期待度が高いスーパーリーチ演出以上の演出に対応して「赤色」の対象物が出現し易くし、大当り遊技が確定する演出に対応して「金色」の対象物が出現し易くし、大当り遊技および「確変状態」や「獲得出球大」の特典量が大となる演出に対応して「虹色」の対象物が出現し易くするように、各演出パターンに振り分ける判定値を設定するようにしてもよい。
【0209】
(遊技検出手段について)
本実施例では、パチンコ機10において遊技が行われていることを検出する遊技検出手段が設けられる。遊技検出手段として、遊技盤の盤面に設けられた始動入賞検出センサ34a,34b、普通入賞検出センサ、球通過検出センサ48が用いられ、これら検出センサ43a,43b,48による球検出の信号がメイン制御基板60に入力されることで、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。またメイン制御CPU60aは、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定された第1デモ設定時間または第2デモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10をデモ演出モードに移行するよう設定される。本実施例では、デモ演出モードとして、第1デモ設定時間の経過を条件(以後、第1デモ移行条件という場合がある)として移行する第1待機デモ演出モード、第2デモ設定時間の経過を条件(以後、第2デモ移行条件という場合がある)として移行する第2待機デモ演出モードが設定される。また、メイン制御CPU60aは、第1待機デモ演出モードまたは第2待機デモ演出モードの開始からメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定された第3デモ設定時間または第4デモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件であって、以後、第3デモ移行条件または第4デモ移行条件という場合がある)として、第1待機デモ演出モードまたは第3待機デモ演出モードから移行する客待ちデモ演出モードが設定されている。すなわち、本実施例では、3種類のデモ演出モードが設定されている。またメイン制御CPU60aが、モデ演出を図柄表示装置17で実行させるデモ演出実行制御手段の機能を有している。各デモ演出モードは、対応する設定時間が経過した際に、前記メイン制御CPU60aから出力されるデモンストレーション指定コマンドに基づいて移行するようになっている。
【0210】
(第1待機デモ演出モードについて)
第1待機デモ演出モードは、図柄変動演出の終了後に第1待機デモコマンドがメイン制御CPU60aから統括制御CPU65aに送信された際に、前記第1デモ移行条件が満たされている場合に実行されるモードである。そして、第1待機デモコマンドがメイン制御CPU60aから送信されたときの遊技演出モードから第1待機デモ演出モードへの移行条件は、該第1待機デモコマンドを統括制御CPU65aが受信したときに前記第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が無いことが条件とされる。この第1待機デモ演出モードにおける図柄表示装置17の表示態様としては、図柄変動演出の変動停止時の背景画面をそのまま継続して表示すると共に、飾図や背景の一部が揺動する演出が実行される。なお、第1待機デモ演出モード中において、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、第1待機デモ演出モードから直前の遊技演出モードに移行する。
【0211】
また、前記第1待機デモ演出モード中においては、後述する客待ちデモ演出モード時の処理と同様に、前記第1操作ボタン35の操作によって「履歴確認モード」、「シューティング練習モード」、「音量調節モード」および「占いモード」の中から1つのモードの選択を行うことが可能に設定される(図24参照)。但し、第1待機デモ演出モード中においては、第1操作ボタン35による照準器(横可動体37,縦可動体38)の操作は無効に設定されている。
【0212】
(第2待機デモ演出モードについて)
第2待機デモ演出モードは、シューティングモード中のみにしか選択されないデモ演出であって、図柄変動演出の終了後に第2待機デモコマンドがメイン制御CPU60aから統括制御CPU65aに送信された際に、前記第2デモ移行条件が満たされている場合に実行されるモードである。そして、第2待機デモコマンドがメイン制御CPU60aから送信されたときのシューティングモードから第2待機デモ演出モードへの移行条件は、該第2待機デモコマンドを統括制御CPU65aが受信したときに前記第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が無いことと、シューティングモードにおけるシューティング演出の継続回数が所定回数(実施例では20回に設定されているが、20回に限定されるものではない)に達していないことが条件とされる。すなわち、前記第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報の記憶数がある場合は、保留球に基づく図柄変動演出毎にシューティング演出に対応する変動パターンが選択され、該変動パターンに基づくシューティング演出(特殊演出)が図柄表示装置17で実行されるよう設定される。これに対し、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が「0」になったときに、第2待機デモ演出モードへの移行条件(遊技検出手段34a,34b,48からの球検出信号が第2デモ設定時間経過してもメイン制御CPU60aに入力されない場合)が満たされていれば、第2待機デモ演出モードに移行し、最後の保留球に基づく図柄変動演出(本実施例ではシューティング演出)に連続して第2待機デモ演出が図柄表示装置17で実行されるようになっている。これにより、遊技者は、実際に遊技(遊技領域20aへのパチンコ球の発射)を行わなくても、保留球がなくなった後の所定回数に亘っては、直前まで行っていたシューティングゲームと同じゲームを引き続き行うことができる。すなわち、本実施例のパチンコ機10では、第1および第2特図始動保留情報の記憶数の有無に関係なく、同じシューティング演出を図柄表示装置17で実行し得るようになっている。
【0213】
前記シューティングモードから第2待機デモ演出モードへの移行時の表示態様としては、図柄変動演出の変動停止時の背景画面をそのまま継続し、シューティングモードと同様の演出が所定時間の間に亘って実行される。この第2待機デモ演出モードでは、前記第1操作ボタン35による照準器(横可動体37,縦可動体38)の操作は有効に設定され、遊技者は、シューティングモード中と同様に、対象物に照準器の照準を合わせて第2操作ボタン36の押下により撃墜するシューティングゲームを行い得るよう設定される。なお、第2待機デモ演出モード中においても、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、第2待機デモ演出モードからシューティングモードに移行する。
【0214】
(客待ちデモモードについて)
客待ちデモモードは、前記第1待機デモモードまたは第2待機デモモードが開始された後に、前記第3デモ移行条件が満たされた場合に実行されるモードである。そして、第3デモ移行条件が満たされた際にメイン制御CPU60aは、統括制御CPU65aに対して客待ちデモ用変動パターン指定コマンドを送信し、統括制御CPU65aでは、客待ちデモ用変動パターン指定コマンドに基づいて決定した客待ちデモ用演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。これにより表示制御基板70では、該コマンドで特定される客待ちデモ用演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該客待ちデモ用演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。この客待ちデモ演出では、当該パチンコ機10の機種説明の動画や、パチンコ機10のモチーフとなっているキャラクタ等の静止画を表示すようになっている。また客待ちデモ演出モードでは、図24に示す如く、前記第1操作ボタン35の操作によって「履歴確認モード」、「シューティング練習モード」、「音量調節モード」および「占いモード」の中から1つのモードの選択を行うことが可能に設定される。なお、客待ちデモモード中において、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、客待ちデモモードから直前の遊技演出モードに移行する。
【0215】
(デモ移行処理について)
次に、メイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する前記特図開始処理におけるステップB20およびステップB21に対応する具体的なデモ移行処理について、図21を参照して説明する。
【0216】
このデモ移行処理では、現在の遊技状態がシューティングモードであるか否かを判定する(ステップE11)。ステップE11の判定結果が否定の場合(すなわちシューティングモードでない場合)には、ステップE12に移行し、前記遊技検出手段43a,43b,48から球検出信号が入力されたか否かをメイン制御CPU60aが判定する。ステップE12で肯定された場合は、遊技が行われていると判定されて、デモ移行処理を終了する。一方、ステップE12で否定された場合は、ステップE13に移行して第1デモ設定時間になったか否かを判定する。そして、ステップE13の判定結果が否定の場合には、ステップE12に戻る。
【0217】
前記ステップE13の判定結果が肯定の場合は、メイン制御CPU60aは、第1待機デモ演出モードに移行させる(ステップE14)。この第1待機デモ演出モードに移行した場合は、ステップE15で遊技検出手段43a,43b,48から球検出信号が入力されたか否かをメイン制御CPU60aが判定し、該ステップE15で肯定された場合は、遊技が行われていると判定されて、デモ移行処理を終了する。
【0218】
ステップE15の判定結果が否定の場合には、ステップE16で第3デモ設定時間になったか否かを判定する。そして、ステップE16の判定結果が否定の場合には、ステップE15に戻る。ステップE16の判定結果が肯定となった場合には、メイン制御CPU60aは、客待ちデモモードに移行し(ステップE17)、デモ移行処理を終了する。
【0219】
またデモ移行処理では、前記ステップE11の判定結果が肯定の場合(すなわちシューティングモードである場合)には、ステップE18に移行し、前記遊技検出手段43a,43b,48から球検出信号が入力されたか否かをメイン制御CPU60aが判定する。ステップE18で肯定された場合は、遊技が行われていると判定されて、デモ移行処理を終了する。一方、ステップE18で否定された場合は、ステップE19に移行して第2デモ設定時間になったか否かを判定する。そして、ステップE19の判定結果が否定の場合には、ステップE18に戻る。
【0220】
前記ステップE19の判定結果が肯定の場合は、メイン制御CPU60aは、第2待機デモ演出モードに移行させる(ステップE20)。シューティングモードは、確変状態から変短状態に移行する契機となる大当り遊技(遊技者に与える価値が「高」から「低」に移行する契機となる特定の大当り遊技)の終了後にのみ移行するモードであり、このようなシューティングモードに滞在中の場合にのみ出現する特有の第2待機デモ演出モードを備えることで、遊技者が遊技を継続する意欲を惹起することができ、パチンコ機10の稼働率を向上することができる。そして、この第2待機演出モードに移行した場合は、ステップE21で遊技検出手段43a,43b,48から球検出信号が入力されたか否かをメイン制御CPU60aが判定し、該ステップE21で肯定された場合は、遊技が行われていると判定されて、デモ移行処理を終了する。
【0221】
ステップE21の判定結果が否定の場合には、ステップE22で第4デモ設定時間になったか否かを判定する。そして、ステップE22の判定結果が否定の場合には、ステップE21に戻る。ステップE22の判定結果が肯定となった場合には、メイン制御CPU60aは、客待ちデモモードに移行し(ステップE17)、デモ移行処理を終了する。
【0222】
本実施例のように、シューティングモードで実行されるゲームと同じゲームを行い得る第2待機デモ演出モードを備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)遊技検出手段34a,34b,48から球検出信号が予め設定された第2デモ設定時間を経過してもメイン制御CPU60aに入力されない場合、すなわち遊技者が遊技を行っていない状態でも、シューティングモードで実行されるシューティング演出(特殊演出)と同じ演出を実行することができるから、遊技者の関心を惹きつけて遊技を継続する意欲を惹起し得る。すなわち、シューティングモードは、遊技者に与える価値が「高」から「低」に移行する契機となる特定の大当り遊技の終了後にのみ移行するモードであることから、遊技者はシューティングモードに移行して遊技の価値が低下したことによって落胆するものの、該シューティングモードで実行されるシューティング演出と同じ演出を第2待機デモ演出モードでも実行することで、遊技者が遊技を継続する意欲を惹起することができ、パチンコ機10の稼働率を向上し得る。
(2)また実施例では、前述したように大当り遊技の終了後の規定回数目(20回目)の図柄変動演出において、現在の遊技状態が非確変状態であることを報知する専用の非確変報知演出を行なう遊技構成であることから、当該非確変報知演出が行われて遊技者が非確変状態であることを認識したとしても、その後にはシューティング演出を行なうことで、遊技者の落胆度合を低減して遊技をやめてしまうのを防止することができる。
(3)また、第2待機デモ演出モードでは、所定回数に亘ってシューティング演出を実行するので、該シューティング演出が終了するまでは遊技者の関心を遊技に長く惹きつけて遊技を継続する意欲を惹起し得る。
(4)最後の始動保留球に基づくシューティング演出に連続して、第2待機デモ演出モードでのシューティング演出を実行し得るので、始動保留球が無くなったとしても、遊技者が遊技を継続しようとする意欲を惹起することができる。
(5)第2待機デモ演出モードでは、図柄表示装置17に表示される映像のみでなく、該映像(画像表示面17a)の前側を移動する可動体37,38の動きとの組み合わせによる演出を行うので、遊技者の遊技に対する関心をより惹きつけて遊技を継続させることができる。
【0223】
シューティングモードで実行されるゲームと同じゲームを行い得る第2待機デモ演出モードを備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)特定の当り遊技後に実行される特殊演出としては、実施例の如きシューティング演出に限定されるものではなく、通常では実行(選択)されない種類の演出であればよい。
(2)遊技検出手段は、始動入賞検出センサ34a,34bや通過球検出センサ48等に限定されるものでなく、打球発射装置の作動状態を検出するセンサや、案内レール21の開放端に設けられて遊技領域20aに打ち込まれるパチンコ球を検出するセンサ等、パチンコ機で遊技が行われていることを検出可能なセンサであれば、その他のものであってもよい。
(3)可動体は、実施例のような横可動体37および縦可動体38から構成されるものに限定されるものでなく、1つの可動体(横可動体37または縦可動体38のみ)であってもよく、該可動体の所定部分に照準となる部分が設けられていればよい。また可動体は、上下方向や左右方向に平行移動する構成に限らず、支点を中心として揺動する構成、あるいは可動体自体が伸縮する構成を採用し得る。
(4)操作手段は、押ボタン形態に限らず、ジョイスティック方式のコントローラを採用することができる。
(5)実施例では、遊技者に与える価値が「高」から「低」に移行する契機となる特定の大当り遊技の終了後のシューティングモードにおいて第2待機デモ演出モードに移行する場合で説明したが、時短モードの終了後、図柄変動演出が所定回数(例えば200回)行われる毎に第2待機デモ演出モードに移行する構成を採用し得る。この場合は、かなりの図柄変動演出(ゲーム)を消化しても大当りに当選しない、いわゆる「ハマリ」と言われる状態に陥った遊技者の台離れを抑制して稼働率を向上し得る。
(6)実施例では、第1デモ設定時間および第2デモ設定時間は、同一時間でも異なる時間であってもよい。また、第3デモ設定時間および第4デモ設定時間についても、同一時間でも異なる時間であってもよい。例えば、第1待機デモ演出モードから客待ちデモモードに移行する第3デモ設定時間を30秒とした場合に、第2待機デモ演出モードから客待ちデモモードに移行する第4デモ設定時間を60秒のように倍の時間に設定するようにしてもよい。
(7)実施例では、第2待機演出モードに移行して第3デモ設定時間が経過したときに、客待ちデモモードに移行するようにしたが、第3デモ設定時間が経過するときに第1または第2操作ボタン35,36の操作信号の入力があれば(シューティングゲーム中)、客待ちデモモードへの移行を保留したり止めるようにしてもよい。
【0224】
(ナビゲーション演出について)
本実施例では、前記シューティングモードにおいて所定条件の成立によって、図柄変動演出において選択される演出内容が異なるナビゲーション演出が設定されている。このナビゲーション演出は、基本的なゲーム内容はシューティング演出と同じで、第1操作ボタン35および第2操作ボタン36を操作して図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示される対象物を撃墜するものであるが、該画像表示面17a上にナビゲーション用のキャラクタが表示されると共に、文字表示と音声にて第1操作ボタン35や第2操作ボタン36の操作方法を指示する演出が行われる。そして、このナビゲーション演出は、所定回数の図柄変動演出の間に亘って継続して行い得るよう設定される。本実施例では、最大20回の図柄変動演出に亘って行い得るように設定されているが、その継続回数は20回に限定されるものではない。
【0225】
すなわち、前記統括制御ROM65bに、ナビゲーション演出の具体的内容を特定する複数種類のナビゲーション演出パターンが記憶されており、前記所定条件の成立時に、統括制御CPU65aは、図柄変動演出において実行するナビゲーション演出パターンを選択して決定し、決定したナビゲーション演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。但し、ナビゲーション演出では、第1操作ボタン35や第2操作ボタン36の操作方法を、図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示したナビゲーション用のキャラクタや該表示面17aに表示した文字で指示すると共に、併せてスピーカ19から出力される音声にて操作方法を指示する内容が付加される。またナビゲーション演出時には、図柄表示装置17の画像表示面17a側だけでなく、前記両操作ボタン35,36の内部に配設されたランプ装置を点灯したり点滅することで、各操作ボタン35,36の操作時期を知らせる等のナビゲーションも併せて行うようになっている。すなわち、図柄表示装置17、スピーカ19、ランプ装置が、遊技者に操作ボタン35,36の操作方法等を指示するナビゲーション手段としての機能を有している。
【0226】
前記シューティングモードにおいてナビゲーション演出に移行する条件として、シューティング演出において複数回(本実施例では3回)連続して対象物を撃墜できなかったことが条件(3回連続して「失敗」となること)として設定され、次回(4回目)の図柄変動演出に際してナビゲーション演出が選択されるように設定されている。すなわち、シューティングモードにおいて、図柄変動演出毎に行われるシューティングゲームで失敗し続けると、4回目の図柄変動演出に際してナビゲーション演出が行われることで、遊技内容を把握していない遊技者や、操作ボタン35,36の操作に不慣れな遊技者に第1操作ボタン35および第2操作ボタン36の操作方法を習得させることができる。従って、遊技者は、以後のシューティングゲームにおいて「成功」する可能性が高くなることを期待して遊技を行うことができる。そして、前記移行条件(特定条件)が満たされたか否かを判定する演出判定手段としての機能を、統括制御CPU65aが有している。
【0227】
(シューティング練習モードについて)
本実施例では、前記客待ちデモモードにおいて、遊技者の第1操作ボタン35の操作により選択されるモードとして、シューティング練習モードが設定されている。このシューティング練習モードでは、前記シューティングモード中におけるナビゲーション演出と同じ演出態様で、複数(例えば4回)のシューティングゲーム(練習用デモンストレーション演出)を行い得るよう設定される。本実施例では、通常変動パターンを用い、該通常変動パターンで特定される時間尺の4倍の練習ゲーム期間が設定される。なお、練習ゲーム期間内の演出には、練習ゲームの説明期間および練習ゲームの結果期間が含まれている。本実施例では、シューティング練習モードにおいて実行される演出を特種デモ演出と称する場合がある。
【0228】
本実施例では、シューティング練習モード中において、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、その時点でシューティングゲーム(シューティング練習演出)を停止し、該シューティング練習モードから直前の遊技演出モードに移行するよう構成されている。また前記統括制御CPU65aは、シューティング練習モードに移行した時点からタイマ手段(計時手段)により計時を開始し、該統括制御CPU65aは、タイマ手段が予め設定された第5デモ設定時間(設定時間)を計時または練習モードの終了条件の成立を条件として、シューティング練習モードを停止して客待ちデモモードに移行するよう設定されている。すなわち、遊技者がシューティング練習モードのみを行うことで、パチンコ機10の稼働時間が低減するのを抑制し得るようになっている。なお、練習モードの終了条件としては、具体的には、始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球の検出やデモ演出モードの中断処理信号の統括制御CPU65aへの入力等が挙げられる。
【0229】
(シューティング練習モードの実施形態1について)
実施形態1のシューティング練習モードでは、4回のシューティングゲームを行うよう設定されると共に、実際のシューティングモードと同様に1ゲーム毎に図柄変動演出が実行されて、飾図が擬似的に所定の組合わせ(実際に大当り抽選を行って組合わせを決定しているものではない)で確定停止し、次回のゲームの演出内容(対象物の色や動作パターン)が変化可能に設定されている。すなわち、実施形態1のシューティング練習モードでは、客待ちデモモードにおいて第1操作ボタン35の操作によりシューティング練習モードが選択されると、統括制御CPU65aは、シューティング用演出パターン(演出データ)に対応する演出パターン指定コマンドを、表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に、通常変動パターンに対応する時間間隔で4回出力する。そしで、表示制御基板70では、該コマンドで特定されるシューティング用演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該シューティング用演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。これにより、シューティング用演出パターンに対応した内容で4回分のシューティング練習ゲームが行れるようになっている。このように、実施形態1のシューティング練習モードにおいては、実際のシューティングモードの模擬ゲームを行うことができるので、本番のゲームに則した練習を行い得る。
【0230】
但し、実施形態1のシューティング練習モードにおいては、実際のシューティングモードで選択可能な大当りに対応する演出パターンを選択不能に設定される。すなわち、シューティング練習モードにおいて、実際のシューティングモードで大当りに対応する演出(対象物が特殊色となったり画面の全体が大爆発する等の演出)が行われないようにして、大当り時に出現される演出内容が推測されてしまうのを防止するよう構成される。またシューティング練習モードでは、図柄表示装置17の画面に「練習モード中」の報知表示を行うようにしてもよい。更に、シューティング練習モードにおいて、「練習モード中」であることの報知方法としては、練習モード専用の敵キャラクタあるいは通常のシューティングモードで出現する敵キャラクタと表示形態が異なる敵キャラクタ(例えばシルエットのみで表示されたもの)が出現する演出パターンのみを選択するようにしてもよい。このように、シューティング練習モードにおいて「練習モード中」の報知を行うことで、実際のシューティングモードと練習モードとを遊技者が混同するのを防止することができる。なお、シューティング練習モードでは、統括制御基板65が、デモ演出実行制御手段として機能するようになっている。
【0231】
(シューティング練習モードの実施形態2について)
実施形態2のシューティング練習モードは、シューティング練習モード専用の説明と4回のゲームを纏めて行うものとして設定される。すなわち、統括制御ROM65bに、シューティング練習モード専用の演出パターン(演出データ)が記憶され、客待ちデモモードにおいて第1操作ボタン35の操作によりシューティング練習モードが選択されると、統括制御CPU65aが、シューティング練習モード専用の演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、該コマンドで特定されるシューティング練習モード専用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該シューティング練習モード専用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。これによりシューティング練習モード専用の演出パターンに対応した内容のでシューティング練習ゲームを行うことができる。
【0232】
なお、シューティング練習モード専用の演出パターンに基づいて実行される演出の内容は、実際のシューティングモードの変動パターンを基準として模した内容に設定され、実際のシューティングモードでのシューティングゲームを擬似的に体験し得るようにしてある。
【0233】
(シューティング練習モード処理について)
次に、統括制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行するシューティング練習モード処理について、図22を参照して説明する。
【0234】
このシューティング練習モード処理では、ステップF11において、第1操作ボタン35の操作によってシューティング練習モードが選択されたか否かを判定する。そして、ステップF11の判定結果が否定の場合には、シューティング練習モード処理を終了する。一方、ステップF11の判定結果が肯定の場合は、統括制御CPU65aは、シューティング練習モードに移行させる(ステップF12)。また統括制御CPU65aは、シューティング練習モードに移行すると同時にタイマ手段の計時を開始する。また統括制御CPU65aは、練習モードの終了条件が成立したか否かを判定し(ステップF13)、該判定結果が肯定の場合は、シューティング練習モード処理を終了する。
【0235】
一方、ステップF13の判定結果が否定の場合には、統括制御CPU65aは、タイマ手段の計時時間が第5デモ設定時間になったか否かを判定する。ステップF14の判定結果が否定の場合は、該ステップF13,F14を繰り返す。そして、ステップF14の判定結果が肯定の場合には、統括制御CPU65aは、シューティング練習モードから客待ちデモモードに移行させ(ステップF15)、シューティング練習モード処理を終了する。
【0236】
本実施例のように、シューティング演出で実行されるゲームと同様のゲームを練習可能なシューティング練習モードを備えるパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)遊技中に実行されるシューティング演出に対応する練習用デモンストレーション演出を、遊技が行われていない待機デモ中に行い得るので、遊技者は操作ボタン35,36の操作方法を予め練習して習得することができる。すなわち、不慣れな遊技者であっても、実際のシューティング演出に際して操作ボタン35,36をスムーズに操作することが可能となり、不慣れなためにゲームの結果が悪くなったと遊技に不満を持つのを抑制し得る。
(2)不慣れな遊技者に、シューティング演出の際における操作ボタン35,36の操作方法を、図柄表示装置17での映像と、ランプ装置の光やスピーカ19からの音声による報知とで教えることができ、これによって不慣れな遊技者であっても操作ボタン35,36の操作方法を容易に習得して遊技を楽しく行うことが可能となる。
(3)シューティング演出は、所定回数の図柄変動演出に跨がって行うよう設定されているから、待機デモ中に練習した成果を、実際のシューティング演出が実行される複数回の図柄変動演出に亘って実感し得る。
(4)シューティング練習モードで行い得るゲーム期間(ゲーム数やゲーム時間等)を限定しているので、遊技者がデモ中でのシューティング練習を長時間に亘って行うのを防止し得る。すなわち、遊技領域20aにパチンコ球を打ち出すパチンコ遊技を行っていない遊技者にパチンコ機10を占有されることで、パチンコ機10の稼働率が低下するのを防止することができる。
(5)練習用デモンストレーション演出中であっても、始動入賞口31a,31bに入賞があったときには通常の遊技状態に移行するので、練習用デモンストレーション演出によって実際の遊技に支障を来たすことはない。
(6)練習用デモンストレーション演出のための専用の演出データを用いる場合は、練習用に特化した演出を行うことができ、遊技者の習得率を向上し得る。
(7)シューティングモードで用いられるシューティング演出用の演出データを用いて練習用デモンストレーション演出を行う場合は、練習用デモンストレーション演出のための専用の演出データを不要とし得るので、各制御ROMの記憶量を低減することができる。
【0237】
シューティング演出で実行されるゲームと同様のゲームを練習可能なシューティング練習モードを備えるパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)実施例では、操作ボタン35,36の操作方法を、図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示される画像、ランプ装置の光およびスピーカ19からの音声によりナビゲーションするよう構成したが、画像、光および音声の少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせでナビゲーションするようにしてもよい。
(2)練習用デモンストレーション演出では、対象物の移動速度を低速として、可動体37,38による照準を合わせ易くすることで、対象物を撃墜し得る確率を高く設定するようにしてもよい。あるいは、対象物を大きく表示して撃墜し易くする演出としてもよい。
【0238】
(デモ演出中のモード選択について)
前記第1待機デモ演出中に選択可能なモードとして、前記バトル演出における遊技者側のキャラクタ(特定のキャラクタ)と対戦する敵キャラクタ(相手キャラクタ)毎の対戦結果やランキング等を表示可能な「履歴確認モード」、前述したシューティングゲームを練習するための「シューティング練習モード」、前記スピーカ19から出力される音量を調節する「音量調節モード」および「占いモード」が設定されている。第1待機デモ演出中における図柄表示装置17の画像表示面17aには、第1待機デモモードに移行する直前の図柄変動演出の変動停止時の背景画面において、飾図が揺動する演出が実行される領域とは別に、図24に示すように、モード選択が可能であることを示唆する画像が表示されるモード選択領域が設定される。
【0239】
本実施例では、図24に示すモード選択領域に、前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36が表示され、第1操作ボタン35における押下するボタンの位置によってモードを選択し得ることを示唆すると共に、第2操作ボタン36の押下によって選択されたモードから第1待機デモ演出用の画面に戻ることが示唆されるように表示される。本実施例では、第1操作ボタン35のボタンAを押下することで「履歴確認モード」が選択され、ボタンBを押下することで「占いモード」が選択され、ボタンCを押下することで「シューティング練習モード」が選択され、ボタンDを押下することで「音量調節モード」が選択されるようになっている。
【0240】
前記統括制御CPU65aでは、第1待機デモ演出中に第1操作ボタン35により選択されたモードに対応するモード指定信号が入力されると、対応するモードを実行するようモード指定コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、対応するモードの画像を図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示するよう制御する。
【0241】
(履歴確認モードについて)
前記履歴確認モードでは、更にバトル演出における敵キャラクタ毎の対戦結果を表示する画像および獲得出球ランキングを表示する画像を選択し得るよう設定される。図25は、履歴確認モードを選択した際に図柄表示装置17に表示される項目選択画面を概略的に示すものであって、第1操作ボタン35のボタンAを押下することで、図26に示すバトル勝敗表を表示する画面に切換えられると共に、第1操作ボタン35のボタンBを押下することで、図27に示す獲得出球ランキング表を表示する画面に切換えられることが示唆される。また項目選択画面には、第2操作ボタン36の押下によって第1待機デモ演出用の画面に戻ることが示唆されるように表示される。
【0242】
(バトル勝敗表について)
前記第1操作ボタン35のボタンAを押下することで、出力されたバトル勝敗表用信号が統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aはバトル勝敗表用制御コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aはバトル勝敗表の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。本実施例では、統括制御RAM65cに、前記バトル演出において選択可能な複数の遊技者側のキャラクタ毎における、敵キャラクタに対する勝敗が、所定期間(実施例では1週間分)に亘って記憶されるようになっている。そして、統括制御RAM65cでは、前記勝敗について、1日単位のデータおよび1週間単位のデータとして異なる領域に記憶するよう設定されて、該統括制御RAM65cに記憶されているデータを基に、曜日毎あるいは1週間単位の対戦成績を図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示可能に設定される。すなわち本実施例では、バトル勝敗表に表示し得る対戦成績の時間単位として、1日分、または1週間分を選択して表示し得るようになっている。なお、本実施例におけるバトル結果の表示形態としては、遊技者側のキャラクタと対戦した各敵キャククタの総数と、遊技者側のキャラクタが勝った数とが表示される。
【0243】
図26は、土曜日のバトル勝敗表(対戦結果を示す表)を示しており、通常敵キャラクタAとの対戦成績は、50戦45勝、通常敵キャラクタBとの対戦成績は、45戦30勝、通常敵キャラクタCとの対戦成績は、40戦20勝、通常敵キャラクタDとの対戦成績は、40戦10勝等と表示される。このように、敵キャラクタ毎の対戦成績が分かることで、遊技者はバトル演出に際して遊技者側のキャラクタの対戦成績の良い(勝つ確率が高い)敵キャラクタ(例えば通常敵キャラクタA)が出現することを期待して遊技を行うことができ、該敵キャラクタAが出現した際には勝負に勝つことを高い確率で期待し得る状態で遊技を楽しむことができる。また遊技者は、バトル演出に際して遊技者側のキャラクタの対戦成績の悪い敵キャラクタ(通常敵キャラクタD)が出現したとしても、該通常敵キャラクタDに勝った場合には、優越感を味わうことができる。なお、図26の各通常敵キャラクタA?Dは、前記通常バトル演出表示パターンa1?a4で出現する通常敵キャラクタに対応する。
【0244】
更に本実施例では、大当りが連荘する特定条件が成立した場合にのみ出現する第1特別敵キャラクタEおよび第2特別敵キャラクタFとの対戦成績も表示され、図26では第1特別敵キャラクタEとの対戦成績は、5戦2勝、第2特別敵キャラクタFとの対戦成績は、2戦0勝等と表示されている。そして、遊技者は、バトル勝敗表を確認することによって、パチンコ機10の台選びの参考としたり、あるいは前記演出種類モードにおいて選択するモードMA,MB,MCを決定する際の参考として利用することができる。なお、図26の各特別敵キャラクタE,Fは、前記特別バトル演出表示パターンa5,a6で出現する特別敵キャラクタに対応する。
【0245】
前記バトル勝敗表を表示する画面上には、第1操作ボタン35によって表示する遊技者側のキャラクタおよび表示する曜日を選択可能となることが表示される。図26に示す表示画面では、前記演出種類モードMAが選択された際に出現する遊技者側のキャラクタと敵キャラクタとの土曜日の対戦成績を表示している状態である。そして、第1操作ボタン35のボタンAまたはBを押下すれば、別の遊技者側のキャラクタと敵キャラクタとのバトル勝敗表が表示される画面に切替わることが表示される。また、第1操作ボタン35のボタンCを押下すれば金曜日(前日)の対戦結果の表示画面に切替わり、第1操作ボタン35のボタンDを押下すれば日曜日(先週の日曜日)の対戦結果の表示画面に切替わるようになっている。すなわち、第1操作ボタン35の押下されたボタンA?Dに対応するバトル勝敗表用信号が統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cにおける該バトル勝敗表用信号に対応する対戦結果が記憶されている領域からデータを読み出し、該データに対応付けられたバトル勝敗表用制御コマンドを表示制御基板70に出力することで、選択された遊技者側のキャラクタあるいは曜日に応じたバトル勝敗表の画像が図柄表示装置17に表示される。また、バトル勝敗表を表示する画面上には、第2操作ボタン36の押下によって項目選択画面に戻ることが示唆されるように表示される。
【0246】
(獲得出球ランキング表について)
図25に示す項目選択画面が図柄表示装置17に表示されている状態で、前記第1操作ボタン35のボタンBを押下することで出力された獲得出球ランキング表用信号が統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aは、獲得出球ランキング表用制御コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは獲得出球ランキング表の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。本実施例では、統括制御RAM65cが、本日を含めて7日間(1週間分)の出球数を記憶し、該統括制御RAM65cに記憶されているデータを基に、統括制御CPU65aは、1週間単位での出球ランキングおよび1日単位(本日)の出球ランキングを図柄表示装置17の画像表示面17a上に表示可能に設定される。
【0247】
図27は、確変状態の継続中に得られた獲得出球のランキング表を示すものであって、該ランキング表には、獲得出球のランキングの上位5位までの情報が表示されるようになっている。実施例では、日付、獲得出球、獲得出球数に応じた階級が表示されるよう設定される。実施例では、1位を「ハイパー級」、2位を「スーパー級」、3位を「まだまだ級」、4位を「なんちゃって級」、5位を「よちよち級」と表示するよう設定される。また、第1操作ボタン35のボタンCを押下することで、今週のランキングを表示する画面に切換えられると共に、第1操作ボタン35のボタンDを押下することで、本日(1日単位)のランキングを表示する画面に切換えられることが示唆される。また、獲得出球ランキング表を表示する画面には、第2操作ボタン36の押下によって項目選択画面に戻ることが示唆されるように表示される。なお、本日分のバトル演出の勝敗および獲得出球の記憶数については、パチンコ機10の稼働により常に更新されて統括制御RAM65cに記憶され、最新のデータが図柄表示装置17に表示されるようになっている。
【0248】
(占いモードについて)
図25に示す第1待機デモ演出用の画面が図柄表示装置17に表示されている状態で、前記第1操作ボタン35のボタンBを押下することで、図28に示す占いモードを表示する画面に切換えられる。この占いモードでは、メイン制御基板60が備えるカレンダー機能を用い、イベントに対応するコメントを表示することができるよう構成される。このカレンダー機能では、予めイベントがある日毎に対応するコメントを入力しておき、占いモードが選択されて占い用画面が図柄表示装置17に表示されたときに、当日にイベントがあれば対応するイベントを文字にて表わす画像を表示する。図28では、「8月8日はパチンコの日」の文字が表示され、遊技者に当日のイベント等を知らせることができる。
【0249】
また図28に示す占い用画面には、前記第1操作ボタン35を押下(4つのボタンA,B,C,Dの何れでも可)することで、占いが開始されることが示唆されるように表示される。この占いでは、第1操作ボタン35を押下した際に出力される操作信号を契機として、統括制御CPU65aが乱数を取得し、取得した乱数値が振分けられている対応する占いデータを読み出して図柄表示装置17に表示するよう制御される。なお、占い用画面には、第2操作ボタン36の押下によって第1待機デモ演出用の画面に戻ることが示唆されるように表示される。
【0250】
すなわち、本実施例では、統括制御RAM65cが、対戦結果を記憶する記憶手段として機能する。また統括制御CPU65aが、対戦結果を図柄表示装置17に表示させる情報表示実行制御手段として機能する。更に、統括制御CPU65aが、前記操作ボタン35,35の操作に基づき遊技者が選択した所定時間単位を決定する単位決定手段として機能する。
【0251】
本実施例のようにバトル演出に出現する敵キャラクタ毎の対戦結果を表示する機能を備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)バトル演出パターンに基づいて行われるバトル演出での対戦結果が図柄表示装置17に表示されるので、遊技者は、遊技の参考情報として対戦結果を利用することができ、遊技の興趣を高めることができる。
(2)遊技者は、1つの時間単位だけでなく、異なる複数の時間単位での対戦結果を確認することができ、より詳細な情報として利用できる。
(3)デモ演出中に対戦結果を表示するので、遊技の邪魔になることはない。また、デモ演出中に対戦結果を表示することができるので、遊技者は対戦結果を参考として台を選ぶことができる。
(4)バトル演出において、出現する敵キャラクタの種類によって当該遊技が当りとなる確率が異なるので、バトル演出がマンネリ化するのを防止して、遊技者の興味を持続させることができる。しかも、敵キャラクタ毎の対戦成績を予め確認することができるので、実際のバトル演出が行われる遊技に際し、大当りとなり易い敵キャラクタが出現することを楽しみにして遊技を行うことができる。
【0252】
バトル演出の対戦結果を表示する機能を備えたパチンコ機の変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)獲得出球ランキングについては、特定の遊技状態やモード期間中、あるいはバトル演出における特定の敵キャラクタ毎の獲得出球を表示するようにしてもよい。例えば、各演出種類モードMA,MB,MCの夫々に滞在中の獲得出球や、演出種類モードMAに滞在中に大当り遊技が連荘した際に特定の通常敵キャラクタ(例えば通常敵キャラクタA)が出現した大当り遊技での獲得出球等、各種の態様で獲得出球ランキングを表示することができる。
(2)パチンコ機10で遊技を行うに際し、操作ボタン35,36の操作によって遊技者のニックネーム等の遊技者を特定可能な特定データを入力し得る入力モードを設定し、該入力モードで入力された特定データを統括制御RAM65cに記憶し、該特定データに基づいて遊技者個人が行ったバトル演出での敵キャラクタ毎の対戦成績を表示するようにすることもできる。この場合に、個人データをホールコンピュータ78で所定期間に亘って記憶保持することで、同一機種であれば、何れの台でも遊技者が自分を特定可能な特定データを入力することで、対戦成績を確認することができる。また、遊技者毎の対戦成績のランキングを求め、得られたランキングを図柄表示装置17に表示することも可能である。
(3)実施例では、デモ演出中に対戦結果を表示するよう構成したが、前記バトル演出中に前記第1および第2操作ボタン35,36の操作を有効とすると共に、バトル演出時の画面において、バトル演出の邪魔とならない領域に項目選択画像を小さく表示する。そして、項目選択画像に従って第1操作ボタン35の操作によって図29に示すようにバトル勝敗表を表示することで、対戦結果をリアルタイムで知ることができ、遊技の興趣を向上し得る。この場合に表示する内容としては、全ての敵キャラクタとの対戦成績でなく、当該画面で展開されている遊技者側のキャラクタと敵キャラクタ(図29では通常敵キャラクタAの場合を示している)との対戦成績のみを表示すればよい。また、バトル演出時の画面にバトル勝敗表を表示する場合は、第2操作ボタン36の押下により表示を消すようにしたり、またはタイマ手段に予め設定されている表示時間の経過によって自動的に表示を消すようにしてもよい。
(4)履歴確認モードで選択可能な履歴の種類としては、大当り回数、確変状態での大当り遊技の連荘回数、大当りに当選した図柄(飾図)の種類等、その他各種のものを表示するようにしてもよい。
(5)バトル勝敗表に表示する内容(情報)として、各敵キャラクタ毎の対戦成績に対応して、1戦毎(1回の大当り遊技)の各敵キャラクタ毎の獲得出球数を表示したり、あるいは遊技者側のキャラクタが勝利したときの1戦毎(1回の大当り遊技)の獲得出球数(平均)や、遊技者側のキャラクタが敗北したときの1戦毎の(1回の大当り遊技)の獲得出球数(平均)を表示するようにしてもよい。このように各敵キャラクタについて1戦毎の獲得出球数を把握することで、遊技者は演出種類モードの選択に際しての参考とし得る。また、例えば、一の敵キャラクタが出現するバトル演出は、大当り遊技においての獲得出球は少ないが当選し易い大当り図柄の場合に選択され易く設定すると共に、別の敵キャラクタが出現するバトル演出は、大当り遊技においての獲得出球は多いが選択され難い大当り図柄の場合に選択され易く設定することで、一の敵キャラクタが出現するバトル演出では、「バトル勝利」となり易いが獲得出球数が少ないのに対して、別の敵キャラクタが出現するバトル演出では、「バトル勝利」となり難いが獲得出球数が多い等、キャラクタ毎にバトルの勝率と獲得出球数との関係を認識することができ、これらの関係を基に遊技者は演出種類モードの選択に際しての参考とし得る。また、過去の対戦成績や獲得出球数と、現在遊技中の情報をリアルタイムで表示することで、例えば「バトル勝利」となっても獲得出球数が少ない敵キャラクタとの対戦において、獲得出球数が過去のものより多くなった場合は、遊技者に与える優越感や満足感を向上し得る。
【0253】
(音量調節モードについて)
前記統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aからスピーカ19に出力されるべき音量信号が示す音の大きさが音量値として記憶されている。すなわち、統括制御ROM65bは、音量値記憶手段としての機能を有している。本実施例では、図30に示すように、「0」?「10」までの11段階の音量値が統括制御ROM65bに記憶されている。そして、統括制御CPU65aは、該統括制御CPU65aによって選択された音量値に基づいて音量値を変更し得るようになっている。なお、音量値は、「0」で最小(無音)で、数値が上がる毎に音量が段階的に大きくなり、「10」で最大の音量となるよう設定される。
【0254】
前記統括制御基板65上に、音量設定手段としての回動式の音量調節摘み79(図8参照)が配置されている。この音量調節摘み79は、外枠11に対して中枠12を閉成した状態(遊技を行い得る状態)では遊技者の手が届かない前枠13の後側に配置されており、遊技者が操作不能な操作手段である。すなわち、音量調節摘み79は、遊技店の店員によって中枠12を外枠11に対して開放することで操作可能となるものであって、遊技店の店員のみが操作可能になっている。そして、音量調節摘み79を回動することで、スピーカ19から出力される音の大きさ(音量)を複数段階で調節可能に構成される。
【0255】
前記統括制御CPU65aは、前記音量調節摘み79および第2操作ボタン36の操作に基づいて、統括制御ROM65bに記憶されている音量値の中から1つの音量値を選択し得るようになっている。音量調節摘み79は、回動して「大」、「中」、「小」の位置に位置決めし得るよう構成されており、該音量調節摘み79の位置に応じて統括制御CPU65aは、統括制御ROM65bに記憶されている音量値の中から限られた範囲内の音量値を選択可能となっている。具体的には、音量調節摘み79の位置に応じて統括制御CPU65aは、統括制御ROM65bに記憶されている「0」?「10」の11段階の音量値のうち、「4」、「5」、「6」の3種類の音量値を選択可能となっている(図30参照)。すなわち、音量調節摘み79の「大」、「中」、「小」の位置に対応して、音量値の「6」、「5」、「4」が選択されるようになっている。
【0256】
前記統括制御CPU65aは、前記第1待機デモ演出の画面で選択された音量調節モードの状態においてのみ、前記第2操作ボタン36による音量調節を有効とするよう構成される。そして、音量調節モードにおいて第2操作ボタン36から出力された操作信号に基づき統括制御CPU65aは、統括制御ROM65bに記憶されている音量値の中から限られた範囲内の音量値を選択可能となっている。具体的には、第2操作ボタン36による操作によって統括制御CPU65aは、統括制御ROM65bに記憶されている「0」?「10」の11段階の音量値のうち、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」の7種類の音量値を選択可能となっている(図30参照)。すなわち、第2操作ボタン36によって変更可能な音量値の範囲は、前記音量調節摘み79で変更可能な音量値の範囲よりも広い範囲で設定可能に構成されている。
【0257】
ここで、統括制御CPU65aは、第2操作ボタン36による操作によって音量を調節可能とする範囲(音量調節範囲)に制限を掛けることが可能に設定されており、本実施例では、統括制御CPU65aは、第2操作ボタン36による操作によっては、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」の5種類の音量値のみを選択するよう設定される。
【0258】
前記統括制御CPU65aによる音量値の変更態様は、第2操作ボタン36からの操作信号が入力される度に音量値を「3」→「4」→「5」→「6」→「7」の順で変更するようになっている。そして、音量値が「7」であるときに第2操作ボタン36からの操作信号が入力されると、統括制御CPU65aは、音量値を「3」に戻すように設定されている。すなわち、遊技者が第2操作ボタン36を操作することにより、スピーカ19から出力される音量が段階的に調節される。また統括制御CPU65aは、前記遊技検出手段34a,34b,48が所定時間に亘って継続して非検出状態(パチンコ球を検出しない状態)となっている場合、および電源投入時においては、初期設定を行って音量値を「5」とするようになっている。すなわち、例えば、遊技検出手段34a,34b,48が所定時間に亘って非検出状態を継続していない状態(初期設定の条件不成立状態)での音量値が、前記音量調節摘み79で設定可能な基準音量範囲外の「7」であった場合は、遊技検出手段34a,34b,48が所定時間に亘って非検出状態を継続したとき(初期設定の条件成立)には、音量値を音量調節摘み79で設定可能な基準音量範囲内の「5」に自動的に戻すようになっている。
【0259】
前記統括制御基板65上に、遊技者による音量調節を可能とする音量調節可能状態(第2操作ボタン36による操作が有効な状態)と、不能とする音量調節不能状態(第2操作ボタン36による操作が無効な状態)とに切替える切替スイッチ(切替手段)80(図8参照)が配置されている。音量調節可能状態と音量調節不能状態との切替えは、切替スイッチ80からのON/OFF信号に基づき統括制御CPU65aによって行われる。具体的には、統括制御CPU65aは、切替スイッチ80のONで音量可能状態とし、該切替スイッチ80のOFFで音量調節不能状態とする。そして、統括制御CPU65aは、音量調節不能状態においては第1待機デモ演出用の画像として、音量調節モードを選択する項目のない画像を図柄表示装置17に表示するよう制御し、音量調節可能状態においては第1待機デモ演出用の画像として、音量調節モードを選択する項目のある画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。
【0260】
次に、スピーカ19から出力される音量を調節する方法について説明する。なお、前記音量調節摘み79で設定された基準音量が「5」で、かつ遊技者が調節可能な音量値が初期状態である「5」になっているものとする。
【0261】
前記第1待機デモ演出中における図柄表示装置17に表示される画面において、前記第1操作ボタン35のボタンDを押下することで、音調節用信号が統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aは音調節用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは音調節用の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。図31は、音量調節モードを選択した際に図柄表示装置17に表示される画像を概略的に示すものであって、画面上には音量の大きさを表すメータ81が表示される。このとき、現在の音量値が「5」であることが示されている。また第2操作ボタン36を押下することで、音量調節可能であることが示唆されるように表示される。統括制御CPU65aは、音調節用信号が入力すると同時にタイマ手段での計時を開始すると共に、音量調節開始コマンドを表示制御基板70に出力する。これにより、図柄表示装置17には、図31に示すメータを模した画像が表示される。
【0262】
遊技者が第2操作ボタン36を押下する毎に、表示されているメータにおいて音量値が「5」→「6」→「7」→「3」→「4」の順で変化するので、遊技者はメータを見ながら好みに合う音量値となるまで第2操作ボタン36を押下する。音量値を「4」とした第2操作ボタン36の押下後、所定時間(例えば5秒)が経過するまでの間に再び第2操作ボタン36が押下されない(操作信号が入力されない)ときには、統括制御CPU65aは音調節終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面を第1待機デモ演出用の画像に切替えるように制御する。そして、統括制御CPU65aは、統括制御ROM65bに記憶されている音量値から「4」を選択し、統括制御CPU65aから出力された音量信号が示す音量値(「4」)に基づいて、スピーカ19から出力される音の大きさが変更される。
【0263】
なお、前記音量調節中に、前記遊技検出手段34a,34b,48からの球検出信号が入力された場合は、メイン制御CPU60aは、統括制御CPU65aによる音調節処理を終了し、該始動入賞検出センサ34a,34bや通過球検出センサ48の球検出に基づく図柄変動演出等を優先して行う。この場合に、遊技検出手段34a,34b,48からの球検出信号が入力された時点で調節されていた音量値が、新たな音量値として設定される。また、前記有効時間内に第2操作ボタン36からの操作信号が入力されなかった場合は、統括制御CPU65aから第1待機デモ演出指定コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは第1待機デモ演出の画面を図柄表示装置17に表示するよう制御する。
【0264】
(音量調節処理について)
次に、統括制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する音量調節処理について、図32を参照して説明する。
【0265】
前記統括制御CPU65aは、切替スイッチ80がON状態か否かを判定する(ステップG11)。ステップG11が否定の場合は、切替スイッチ80がOFF状態であって、統括制御CPU65aは、第2操作ボタン36からの操作信号の入力を無効として、遊技者による音量調節が不能な状態を維持し(ステップG12)、音量調節処理を終了する。一方、ステップG11の判定結果が肯定の場合は、音量調節モードが選択されたか否かを判定する(ステップG13)。そして、ステップG13の判定結果が否定の場合は、該ステップG13を繰り返し、ステップG13の判定結果が肯定されたときに、統括制御CPU65aは、タイマ手段での計時を開始する。また統括制御CPU65aは、第2操作ボタン36の操作信号の入力を有効とし、遊技者による音量調節を可能とする(ステップG15)。
【0266】
前記第2操作ボタン36が操作された際には、統括制御CPU65aは、前述したように音量調節を行う(ステップG16)。次に、ステップG17でタイマ手段による計時時間が有効時間を経過したか否かを判定し、否定であればステップG15に戻る。一方、ステップG17の判定向果が肯定であれば、統括制御CPU65aは、ステップG17が肯定された時点で調節されている音量を、新たな音量として設定し(ステップG18)、音量調節処理を終了する。
【0267】
本実施例のように音調節モードを備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)遊技者による音量調節の自由度を高め、遊技者個々の趣向に合わせた音量調節が可能になる。すなわち、遊技店の店員が音量調節摘み(音量設定手段)79を操作して設定した基準音量では、遊技者個々の趣向に合わない場合が多く、基準音量では音が大きくうるさく感じたり、逆に小さく感じて遊技の迫力が伝わらない場合がある。このような場合には、遊技者が前記第2操作ボタン36を操作することで、遊技店側が設定した基準音量の範囲を超えて音量を調節することができ、遊技者個々の趣向に合わせた音量で遊技を楽しむことができる。
(2)また、統括制御CPU65aでは、遊技者が調節可能な範囲を制限しているので、その調節可能範囲を超えて音量が変更されることはなく、遊技者による第2操作ボタン36の操作に基づいて音量値を設定したとしても、スピーカ19から出力される音量は限られた範囲内に収まる。すなわち、遊技者が第2操作ボタン36を操作したとしても、音量が過度に大きくなったり小さくなったりする等の想定外の音量に設定されることを防止できる。
(3)本実施例では、前記切替スイッチ80によって、遊技者による音量調節を可能とする状態および不能とする状態に切替えることができるので、遊技店側の事情に合わせて、遊技者の音量調節を許可することができる。
(4)本実施例では、遊技者が交代して暫く遊技待機状態(遊技が行われていない状態)が継続した場合には、スピーカ19から出力可能な音量範囲を基準音量範囲に戻すようになっているので、新たな遊技者は基準音量範囲での遊技を実行できる。すなわち、例えば悪戯等によって音量を最大にした状態で遊技者が台から離れたとしても、所定時間後には自動的に基準音量範囲(初期状態)に戻るので、新たな遊技者が遊技を始めたときに、いきなり大きな音が出力されることによって迷惑を被るのを防止し得る。また、パチンコ機10の電源をOFFした後にONすることで、同様に音量は自動的に基準音量範囲(初期状態)に戻るので、全てのパチンコ機10の音量値を初期状態に戻したい場合は、パチンコ機10の音量調節を個々に行わなくても、全てのパチンコ機10の電源をOFF-ONすることで簡単に初期状態に戻すことができる。
【0268】
音量調節モードに関する変更例としては、以下のものを採用可能である。
(1)実施例では、音量調節摘み(音量設定手段)79の操作によって音量値を「4」、「5」、「6」と段階的に変更可能とする一方、第2操作ボタン(音量調節手段)36の操作によって音量値を「3」、「4」、「5」、「6」、「7」と段階的に変更可能としたが、第2操作ボタン(音量調節手段)36の操作によって調節できる音量値の変化幅を変更することができる。すなわち、前記統括制御ROM65aに、「0.5」、「1.5」、「2.0」、「2.5」・・・のように0.5の幅で音の大きさが変化する音量値を記憶し、音量調節摘み(音量設定手段)79の操作によっては音量値を1の幅で変更する一方、第2操作ボタン(音量調節手段)36の操作によっては音量値を0.5の幅で変更するようにしてもよい。この場合は、遊技者はより細かく音量を調節することができ、自分に合った音量で遊技を楽しむことができる。なお、音量調節摘み(音量設定手段)79や第2操作ボタン(音量調節手段)36により段階的に調節し得る音量の変化幅としては、1や0.5単位に限らず、0.1や0.2あるいは5単位等、対応する音量値を統括制御ROM65aに記憶させておけば任意に設定することができる。また、音量調節摘み(音量設定手段)79や第2操作ボタン(音量調節手段)36で調節可能な音量値の段階数は、3段階や5段階に限らず任意に設定することができる。更に、操作ボタンを押す毎に音量値が一方向にループするのに限らず、操作ボタンの押下位置に応じて現在の音量値から上げ下げする構成を採用し得る。
(2)実施例では、第1待機デモ演出中に音量調節モードに移行して音量調節を行い得るよう構成したが、客待ちデモ演出中あるいは遊技中に音量調節モードに移行可能に構成するようにしてもよい。また、客待ちデモ演出中における音量調節モードへの移行態様に関しては、該客待ちデモ演出中における図柄表示装置17の画面に、「操作ボタンの長押しにより音量調節モードへ移行」等のテロップを流し、遊技者が操作ボタンを長押しすることで音量調節モードに移行するように制御することができる。この場合に、音量調節モードへの移行条件として操作ボタン(第1操作ボタン35または第2操作ボタン36の何れでも可)の長押しを設けたことで、操作ボタンを誤って押してしまった場合に意図せずに音量調節モードに移行してしまうのを抑制し得る。なお、意図しない音量調節モードへの移行防止方法としては、第1操作ボタン35および第2操作ボタン36の両方を同時に押した場合にのみ移行する条件としてもよい。
(3)実施例では、音量調節手段として、シューティング演出や各種モードで使用可能な第2操作ボタン36を兼用するよう構成したが、音量調節手段としてのみ機能する専用のボタンを設けるようにしてもよい。この場合に、ボタン(音量調節手段)の配設位置は、上球受け皿14に限らず、遊技者が操作可能な部位であれば、前枠13の前面、その他の部位であってもよい。
(4)実施例では、統括制御ROM65bに「0」?「10」までの11段階の音量値を記憶し、スピーカ19から出力される音量を11段階で調節可能に構成している。ここで、遊技店の事情により特定のパチンコ機10から音を出さないようにする要請があり、そのために無音である音量値「0」を設定しているが、遊技店において多数のパチンコ機10における音量値が「0」に設定されてしまうと、遊技店の活気が低下することから、音量値の「0」は選択不能にするようにしてもよい。
(5)音量調節に関し、パチンコ機10の異常や不正行為を報知するためのエラー報知音に関しては、店側および遊技者が設定した音量値に拘らず、スピーカ19から最大音量で出力するようにすることが好ましい。またエラー報知音は、遊技に関する演出音やBGMに優先して出力されるようになっていることが好ましい。すなわち、パチンコ機10に配設した各種の異常検出スイッチからの信号が統括制御CPU65aに入力された場合は、統括制御CPU65aが最大音量でエラー報知音を出力するように音制御基板73にコマンドを送るようにすればよい。
【0269】
(6)また音量調節モードにおける音量調節態様については、次のような変更例も採用可能である。
すなわち、店側が調節可能な音量調節摘み79を回動して位置決めし得る「大」、「中」、「小」の位置に対応する音量値として、前記「0」?「10」の11段階の音量値のうち、「大」を「8」、「中」を「5」、「小」を「3」に設定する(図33参照)。これに対し、前記第2操作ボタン36の操作によって遊技者が調節可能な音量調節範囲を、店側が設定した「大」、「中」、「小」の何れかの基本音量設定値(基準音量)に対して±2段階の範囲で調節可能に設定するようにしてもよい。具体的には、前記統括制御ROM65bに、前記基本音量設定値「大」、「中」、「小」に対応する音量調節テーブルが夫々設定され、基本音量設定値「大」に対応する大音量調節テーブルには、図34(a)に示す如く、11段階の音量値のうち、「6」、「7」、「8」、「9」、「10」の5種類の音量値が記憶される。同様に、基本音量設定値「中」に対応する中音量調節テーブルには、図34(b)に示す如く、11段階の音量値のうち、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」の5種類の音量値が記憶され、基本音量設定値「小」に対応する小音量調節テーブルには、図34(c)に示す如く、11段階の音量値のうち、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」の5種類の音量値が記憶される。
【0270】
そして、前記統括制御CPU65aによる音量値の変更態様は、基本音量設定値が「大」に設定されている場合は、第2操作ボタン36からの操作信号が入力される度に音量値を「8」→「9」→「10」→「6」→「7」→「8」の順で変更し、基本音量設定値が「中」に設定されている場合は、第2操作ボタン36からの操作信号が入力される度に音量値を「5」→「6」→「7」→「3」→「4」→「5」の順で変更し、基本音量設定値が「小」に設定されている場合は、第2操作ボタン36からの操作信号が入力される度に音量値を「3」→「4」→「5」→「1」→「2」→「3」の順で変更するよう設定される。ここで、遊技店側が設定する「大」の音量値としては「8」が好ましい音量として推奨され、「中」の音量値としては「5」が好ましい音量として推奨され、「小」の音量値としては「3」が好ましい音量として推奨され、遊技者が音量調節する際には、遊技店側が設定した好ましい音量値(「8」,「5」,「3」)から調節が開始される。
【0271】
このように、店側が設定した基本音量設定値に対して遊技者が音量を調節可能な範囲を基本音量設定値に対して±2段階に設定することで、店側の事情で設定した基本音量設定値から大きく異なる音量に調節されてしまうのを防止することができる。また、音量値「0」は選択されないようになっているので、前述したように遊技店の活気が低下するのを防止し得る。なお、前記実施例では、前記遊技検出手段34a,34b,48が所定時間に亘って継続して非検出状態(パチンコ球を検出しない状態)となっている場合、および電源投入時においては、初期設定を行って音量値を、11段階ある中間の「5」とするよう構成したが、店側が設定した基本音量設定値に自動的に戻すようにしてもよい。このように、予め店側の事情により設定した基本音量設定値に戻すことで、例えば「大」や「小」に設定した音量値が電源投入時に「5」に戻ってしまうことで、再び「大」や「小」に設定し直す手間が省ける。
【0272】
(変更例について)
前述した実施例は、以下に示す通り、種々の変更が可能である。
(1)実施例では、変短状態として、普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率から高確率に変動させる機能としたが、特図変動表示の変動時間を短縮すると共に、特図当り確率を低確率から高確率に変動させる機能を併せて付加したものであってもよい。
(2)実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御基板で行う制御をサブ制御基板で行うようにしたり、逆にサブ制御基板で行う制御をメイン制御基板で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けることなく1つの制御基板で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(3)実施例では、遊技領域に常に開口する第1始動入賞口および開閉部材により開閉される第2始動入賞口とを設けたが、第1始動入賞口を省略してもよい。
(4)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(5)実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(6)実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(7)実施例では、大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞手段(特別入賞装置)の開閉手段(開閉扉)の開閉態様(開閉パターン)として、長時間開放動作と短時間開放動作とを適宜に組み合わせた例を示した。ここで、開閉手段の長時間開放動作としては、開閉手段の短時間開放動作に較べて有利な開放態様となっていればよい。開閉手段の短時間開放動作が不利となる開閉制御としては、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な開放時間とすることができる。また、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)において入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な開放時間とすることで、開閉手段の短時間開放動作が長時間開放動作と較べて不利となる開閉態様とすることも可能である。また、開閉手段に長時間開放動作をさせた際に、ラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能である必要はなく、開閉手段に長時間開放動作をさせた場合と較べて、より多くのパチンコ球が入賞可な開放時間とすることもできる。
【0273】
本発明に係る前記請求項1?3に係る遊技機は、以下に示す構成に限定可能である。
〔付記〕
請求項1?3の何れか一項に係る遊技機において、特定の当り遊技後において、前記操作手段(35)の操作により演出モードを変更可能に構成される。
付記の構成によれば、一度選択した演出モードを適宜に変更することができるので、演出がマンネリ化するのをより抑制することができ、遊技者の演出に対する関心の低下を抑制し得る。
【符号の説明】
【0274】
17 図柄表示装置(図柄表示手段)
20a 遊技領域
30 始動入賞装置(始動入賞手段)
34a 第1始動入賞検出センサ(始動入賞検出手段)
34b 第2始動入賞検出センサ(始動入賞検出手段)
35 第1操作ボタン(操作手段)
60a メイン制御CPU(当り判定手段,入賞率向上状態付与期間決定手段)
65a 統括制御CPU(図柄変動演出パターン決定手段,当り演出パターン決定手段,モード決定手段,演出実行制御手段,有効期間設定手段)
65c 統括制御RAM(記憶手段)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段の球検出を契機として複数種類の図柄を変動させる図柄変動演出を実行する図柄表示手段と、前記始動検出手段の球検出を契機として当りか否かを判定する当り判定手段とを備え、該当り判定手段の判定結果が肯定の場合は、前記図柄変動演出の終了後に当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記始動検出手段の球検出を契機として前記図柄変動演出の演出内容を特定する図柄変動演出パターンを複数種類の中から1つ決定する図柄変動演出パターン決定手段と、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、当り遊技中に前記図柄表示手段で実行される演出内容を特定する当り演出パターンを複数種類の中から1つ決定する当り演出パターン決定手段と、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に実行される特定の当り遊技において、複数種類の演出モードの中から前記操作手段の操作により選択された演出モードを決定するモード決定手段と、
前記図柄変動演出パターン決定手段および当り演出パターン決定手段で決定した演出パターンの夫々を、前記図柄表示手段で実行させる演出実行制御手段とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段および当り演出パターン決定手段で決定し得る演出パターンは、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応し、
前記演出実行制御手段は、前記特定の当り遊技の次に行われる当り遊技および該特定の当り遊技後の図柄変動演出において、前記モード決定手段で決定された演出モードに対応する演出パターンを前記図柄表示手段で実行させるよう構成され、
前記当り遊技には、前記当り判定手段の判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態が当り遊技後に付与される前記特定の当り遊技と確変状態が付与されない当り遊技とが設定され、
非確変状態において前記始動検出手段の球検出を契機とする前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に実行される前記特定の当り遊技中に、前記演出モードが選択可能であることを示唆する演出種類選択用演出が前記図柄表示手段で実行され、
前記演出種類選択用演出中に前記操作手段の操作により選択された演出モードを前記モード決定手段が決定した場合には、前記特定の当り遊技に当選することが繰り返される間は、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した図柄変動演出パターンを前記図柄変動演出パターン決定手段が決定すると共に、前記モード決定手段が決定した演出モードに対応した当り演出パターンを前記当り演出パターン決定手段が決定し、該決定された図柄変動演出パターンおよび当り演出パターンを前記演出実行制御手段が前記図柄表示手段で実行させるよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技領域を流下する遊技球の入賞確率を可変可能で、遊技球の入賞を検出する前記始動検出手段を備える始動入賞手段と、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、前記始動入賞手段への遊技球の入賞確率を向上させる入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段と、
前記モード決定手段で決定された演出モードを記憶する記憶手段とを備え、
前記図柄変動演出パターン決定手段および当り演出パターン決定手段は、前記入賞率向上状態付与期間決定手段で決定した入賞率向上状態を付与する期間中は、前記記憶手段に記憶されている演出モードに対応する演出パターンを決定するよう構成され、
モード移行条件の成立によって変更され得る遊技演出モードとして、遊技状態が確変状態か非確変状態かを前記図柄表示手段で実行される演出内容から把握できない潜伏モードが設定され、
前記潜伏モードでは、前記図柄変動演出パターン決定手段は、潜伏用の図柄変動演出パターンを決定し、
前記潜伏モードに移行する契機となるモード移行条件の成立後の規定回数目の図柄変動演出パターンとして、前記図柄変動演出パターン決定手段は、遊技状態が確変状態の場合は、該確変状態を確定的に報知する報知演出が実行される図柄変動演出パターンを決定し、遊技状態が非確変状態の場合は、該非確変状態を確定的に報知する報知演出が実行される図柄変動演出パターンを決定するよう構成され、
前記モード決定手段で決定された演出モードでの演出が行われている状態で、前記モード移行条件の成立によって潜伏モードに移行した場合における前記確変状態を報知する報知演出は、潜伏モードに移行する前の演出モードを特定できる内容に設定されている請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定可能な有効期間設定手段を備え、
前記有効期間設定手段は、前記演出種類選択用演出中に有効期間を設定し、
前記モード決定手段は、前記有効期間が経過しても操作手段からの操作信号の入力がない場合には演出モードを複数種類の中から抽選により選択するよう構成された請求項1または2記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-03-07 
結審通知日 2016-03-09 
審決日 2016-03-23 
出願番号 特願2011-199362(P2011-199362)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 本郷 徹
関 博文
登録日 2015-07-03 
登録番号 特許第5769561号(P5769561)
発明の名称 遊技機  
代理人 山田 健司  
代理人 山田 健司  
代理人 山本 喜幾  
代理人 山本 喜幾  

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