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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61K |
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管理番号 | 1314617 |
審判番号 | 訂正2016-390023 |
総通号数 | 199 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-07-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2016-02-04 |
確定日 | 2016-03-31 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5848243号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5848243号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔7?10〕について訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件審判請求に係る特許第5848243号は、平成22年5月28日(パリ条約による優先権主張 2009年6月1日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2012-513332号の請求項1?14に係る発明について、平成27年12月4日に特許権の設定登録がなされたものであるところ、平成28年2月4日に本件審判請求がなされたものである。 2.請求の趣旨 特許第5848243号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7?10について訂正することを認める、との審決を求める。 3.訂正事項 特許請求の範囲の請求項7に「デングウイルス血清型に対して被験体を防御するための」とあるのを、「複数のデングウイルス血清型に対して被験体を防御するための」に訂正する。 4.訂正の適否の判断 上記訂正事項に係る訂正前の特許請求の範囲の請求項7の記載は、被験体が防御される対象となるデングウイルス血清型の種類が単数か複数かについて明示的に特定されていない点で、明瞭でない。これに対して、該訂正後の特許請求の範囲の請求項7の記載は、上記デングウイルス血清型の種類が複数であることが明示的に特定されている点で、明瞭である。 してみると、上記訂正事項に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明に該当し、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。 そして、本件特許明細書の以下の記載、 「特定の実施形態において、デングウイルスに対するワクチンの皮内導入を使用するいくつかの利点としては、被験体におけるいくつかのもしくは全てのデングウイルス血清型に対する複数の防御、・・・が挙げられ得る・・・。」(本件特許公報【0006】) からみて、本件特許明細書には、被験体が防御される対象となるデングウイルス血清型の種類が複数であることが記載されているものといえる。 そうすると、上記訂正事項に係る訂正は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。 5.むすび 以上のとおり、本件審判請求書による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法同条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものであるので、該訂正を認める。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被験体において複数のデングウイルス血清型に対する免疫応答を誘導する方法に用いるための、デングウイルスに対する単一の免疫原性組成物であって、前記単一の免疫原性組成物に含まれるウイルスはデングウイルスのみであり、かつ前記単一の免疫原性組成物は3種以上の異なるデングウイルス血清型を含み、前記方法は、前記単一の免疫原性組成物を、少なくとも1回目の皮内導入によって被験体に投与する工程、および複数のデングウイルス血清型に対する被験体における免疫応答を誘導する工程を包含する、免疫原性組成物。 【請求項2】 前記方法は、デングウイルスに対する前記免疫原性組成物の少なくとも1回のさらなる皮内注射を投与する工程をさらに包含し、少なくとも1回のさらなる皮内注射は被験体の別個の解剖学的部位に対し実施される、請求項1に記載の免疫原性組成物。 【請求項3】 3種または4種のデングウイルス血清型を含み、デングウイルス血清型2およびデングウイルス血清型4が含まれる場合、デングウイルス血清型4の濃度がデングウイルス血清型2よりも高い、請求項1に記載の免疫原性組成物。 【請求項4】 前記被験体への1回目の投与後30日未満に少なくとも1回のさらなる皮内注射が行われる、請求項1に記載の免疫原性組成物。 【請求項5】 4種全てのデングウイルス血清型を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。 【請求項6】 前記方法は、前記被験体に少なくとも1種の免疫原性因子を投与する工程をさらに包含し、前記免疫原性因子は少なくとも1種のTollレセプター(TLR)リガンドを含み、前記少なくとも1種のTollレセプター(TLR)リガンドは、CpG-ODN、Poly I:C、イミキモド、イヌリン由来アジュバント、Tollレセプター4リガンドであるMPL、Tollレセプター3リガンドであるポリI:U、熱不安定性エンテロトキシン、熱不安定性エンテロトキシンの非毒性変異体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。 【請求項7】 複数のデングウイルス血清型に対して被験体を防御するための皮内(ID)投与用の薬剤の製造における単一の免疫原性組成物の使用であって、前記免疫原性組成物に含まれるウイルスはデングウイルスのみであり、前記免疫原性組成物は、少なくとも3種のデングウイルス血清型を含み、かつ前記免疫原性組成物は皮内(ID)投与用である、使用。 【請求項8】 前記免疫原性組成物は、4種全てのデングウイルス血清型を含む、請求項7に記載の使用。 【請求項9】 前記免疫原性組成物は、少なくとも1種の免疫原性因子をさらに含む、請求項7に記載の使用。 【請求項10】 前記免疫原性組成物は、少なくとも1種のTollレセプター(TLR)リガンドもしくは他のアジュバントをさらに含み、前記少なくとも1種のTollレセプター(TLR)リガンドは、CpG-ODN、Poly I:C、イミキモド、イヌリン由来アジュバント、Tollレセプター4リガンドであるMPL、Tollレセプター3リガンドであるポリI:U、熱不安定性エンテロトキシン、熱不安定性エンテロトキシンの非毒性変異体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の使用。 【請求項11】 デングウイルスに対する免疫原性組成物を被験体に投与するために用いられるシステムであって、前記システムは、前記免疫原性組成物、および、前記免疫原性組成物を被験体への非注射法によって皮内に導入可能な装置を含み、前記装置は前記免疫原性組成物を前記被験体に投与するように構成されており、前記免疫原性組成物は皮内(ID)投与用であるとともに少なくとも3種のデングウイルス血清型を含み、前記免疫原性組成物に含まれるウイルスはデングウイルスのみである、システム。 【請求項12】 前記非注射法は、ニードルおよびシリンジを使用しない、請求項11に記載のシステム。 【請求項13】 ワクチンキットであって、 少なくとも1種の請求項1に記載の免疫原性組成物;および 被験体への前記免疫原性組成物の皮内投与を可能にする少なくとも1つの装置を含む、キット。 【請求項14】 少なくとも1種のTollレセプターリガンドをさらに含み、前記少なくとも1種のTollレセプターリガンドは、CpG-ODN、Poly I:C、イミキモド、イヌリン由来アジュバント、Tollレセプター4リガンドであるMPL、Tollレセプター3リガンドであるポリI:U、熱不安定性エンテロトキシン、熱不安定性エンテロトキシンの非毒性変異体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のキット。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-03-04 |
結審通知日 | 2016-03-08 |
審決日 | 2016-03-22 |
出願番号 | 特願2012-513332(P2012-513332) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(A61K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 深草 亜子 |
特許庁審判長 |
關 政立 |
特許庁審判官 |
齋藤 恵 内藤 伸一 |
登録日 | 2015-12-04 |
登録番号 | 特許第5848243号(P5848243) |
発明の名称 | デングウイルスに対する免疫原性組成物 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 恩田 誠 |