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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1314752
審判番号 不服2015-3221  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-20 
確定日 2016-05-12 
事件の表示 特願2011- 53909「情報端末装置、情報端末装置の制御方法、情報端末装置の制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年10月 4日出願公開、特開2012-190305〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年3月11日の出願であって、平成26年8月8日付けで拒絶理由通知がなされ、同年10月14日付けで手続補正(以下、「第1補正」という。)がなされ、同年11月20日付けで拒絶査定がなされ、平成27年2月20日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正(以下、「第2補正」という。)がなされ、さらに当審において、同年12月16日付けで第2補正についての補正の却下の決定及び最後の拒絶理由通知がなされ、平成28年2月16日付けで手続補正(以下、「第3補正」と呼ぶ。)がなされたものである。


第2 第3補正(平成28年2月16日付けの手続補正)についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
第3補正(平成28年2月16日付けの手続補正)を却下する。

[理由]
1.第3補正の補正内容
第3補正は、第3補正前(第1補正後)の特許請求の範囲の請求項1を、第3補正後の請求項1に変更する補正事項を含むものであり、第3補正前の請求項1、及び第3補正後の請求項1の記載は、それぞれ次のとおりである(以下、第3補正後の請求項1に係る発明を「補正発明」という。下線は補正箇所を表している。)。

<第3補正前(第1補正後)の請求項1>
「 【請求項1】
スイッチを備えるペン形状の入力指示手段と、
前記スイッチの指示位置の状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した指示位置が特定の指示位置の場合に、所定のプログラムを起動するとともに、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となるように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする情報端末装置。」

<第3補正後の請求項1>
「 【請求項1】
スイッチを備えるペン形状の入力指示手段と、
前記スイッチの指示位置の状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した指示位置が特定の指示位置の場合に、所定のプログラムを起動するとともに、前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする情報端末装置。」

2.第3補正に対する判断
(1)第3補正が、特許法第17条の2第3項の規定に適合するか否かについて
当審は、第3補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しないものであると判断する。理由は次のとおりである。
第3補正後の請求項1には、「前記検知手段の検知した指示位置が特定の指示位置の場合に、所定のプログラムを起動するとともに、前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する制御手段」という記載(以下、「記載事項A」という。)があるが、本願の願書に最初に添付した明細書若しくは図面(以下、「当初明細書等」という。)には、上記記載事項Aに対応する技術的事項、特に、「ペン形状の入力指示手段に設けられたスイッチの指示位置が特定の指示位置であることが検知された場合に、情報端末装置で起動されるプログラムの状態を、「当該ペン形状の入力指示による入力が可能となる手書き入力モード」になるように制御する」という技術的事項(以下、「技術的事項A」という。)を表していると解することができる記載はなく、当該技術的事項Aは、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項に該当するものといわざるを得ない。
したがって、請求項1を上記第3補正後の請求項1とすることを含む第3補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

この点に関し、審判請求人は、上記記載事項Aは、出願当初の明細書の次のア.?エ.の記載(下線は出願人による。)に基づくものである旨主張している(平成28年2月16日付け意見書の[1]の(1)の欄)が、下の(ア)?(ウ)の理由で採用できない。
ア.段落0002の、「近年、スマートフォンと呼ばれる携帯端末が普及している。このような携帯端末は、タッチパネルを搭載して、ほとんどの操作を手書き入力で行うことができる。タッチパネルの入力では、指で入力、或いは専用のペンで入力を行う方法がある。」という記載。
イ.段落0031の、「アプリケーションが起動されると、表示部115には、アプリケーション画面が表示される(ステップS52)。例えば、アプリケーションとして、Eメールが起動されると、表示部115には、メールアドレス、件名、本文などの入力画面が表示される。タッチペン2で入力するときは、利用者は、入力したいところをタップする。利用者が例えば本文の部分をタップすると、本文の入力が手書き入力モードとなり、文字入力画面が表示される。」という記載。
ウ.段落0045の、「ここでは、待ち受け画面から、タッチペン702のスイッチ703のうちに1つを押すことで、簡易ブログ(Twitter:登録商標)の入力モードに切り替わる機能の例を示す。」という記載。
エ.段落0047の、「図9(A)に示す待ち受け画面701の状態から、タッチペン702のスイッチ703のうちに1つを押すと、スイッチ検知部111がスイッチの状態を検知し、メイン制御部12が、図9(B)に示すように、簡易ブログ入力画面704へ切り替える。」という記載。

(ア)上記ア.(段落0002)の記載は、「ほとんどの操作を手書き入力で行うことができるスマートフォンと呼ばれる携帯端末」が本願出願前に知られていたという事実を示すに過ぎず、上記技術的事項Aを表すものとはいえない。
(イ)上記イ.(段落0031)の記載は、その前の段落0030の記載から明らかなように、タッチペンによりアイコンがタップされることでアプリケーションが起動される場合の記載であって、ペン形状の入力指示手段に設けられたスイッチの指示位置が特定の指示位置であることが検知された場合の記載ではない。
また、利用者が本文の部分をタップして初めて手書き入力モードとなることを示す記載であって、アプリケーションの起動と同時に手書き入力モードとなることを示す記載でもない。
したがって、上記イ.(段落0031)の記載も、上記技術的事項Aを表すものとはいえない。
(ウ)上記ウ.(段落0045)、エ.(段落0047)の記載は、いずれも、ペン形状の入力指示手段に設けられたスイッチの指示位置が特定の指示位置であることが検知された場合の記載ではあるが、そこで参照されている図9を合わせ見ても、そこでいう「簡易ブログ(Twitter:登録商標)の入力モード」ないし「簡易ブログ入力画面704」が、「手書き入力モード」であることまでを示す記載とはいえない。

以上のとおりであるから、第3補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない。

(2)第3補正が、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて
上述したとおり、第3補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しないものであるが、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項(いわゆる限定的減縮)を目的とするものとも見ることができるので、以下、第3補正が特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か(補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か)についても念のため検討する。

ア.引用発明
当審でした平成27年12月16日付けの拒絶理由通知で引用した特開2005-4682号公報には、次の記載がある。
「【要約】
【課題】入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる入力装置用のペンに関し、より軽荷重で動作するペンダウン検出スイッチを構成することで操作性の良い座標入力用入力ペンを実現すること。」

「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座標入力装置、より詳しくは、入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる入力装置用のペンに関する。
・・・(中略)・・・
【0028】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る座標入力装置用入力ペンの概略構成について図1を詳細に説明する。入力ペンは電池8、電池電圧を昇圧するためのコンバータ7、ペン内に内蔵されたペン先スイッチ1、及びペンサイドに設けられたペンサイドスイッチ5の動作状態を検知して、その検知結果を外部機器等に伝達するための信号を生成するペン制御回路6、生成された信号を光信号として放射するための発光手段4を備える。
【0029】
前記ペン先スイッチ1は、座標入力ペンのペン先端部であるところのペン先2が、座標入力面9を押圧して、操作者による筆記動作が行われているかを検知するためのスイッチ手段であり、操作者がペン先2を座標入力面を押圧(以後、この押圧を操作者が入力ペン等の指示具を操作することによって生じる筆圧と称す)に応じて、ペン先2、及びスライド部材3を介してスイッチ手段1にその力が伝達される。言い換えれば、筆圧に応じて、スライド部材が変位して、スイッチ手段のON/OFFを実現するように構成し、スイッチ手段がON状態にある時に、ペン制御回路6は後述するペンダウン信号を発生するように構成されている。
【0030】
また、前記ペンサイドスイッチ5は、例えばペンサイドスイッチ5が動作(ON状態)となる事で、その信号を前記発光手段より放射する事で、その信号を受けた本体側で例えば特定のアプリケーションを起動したり、あるいは通常のマウス右ボタンと同様に表示画面上にメニュを表示できるように構成したものであり、用途に応じてその数が複数有っても、又は、ペンサイドスイッチ5が無くてもかまわない。
【0031】
また本願発明にあっては、ペン先スイッチ1、ペンサイドスイッチ5の動作状態を検知して、その検知結果を発光手段4により光信号として発光し、受光手段によりその信号を検知して、特定の処理を実行できるように構成しているが、その伝達媒体は光である必要は無く、例えば電波、超音波であっても良い。さらには、入力ペンに信号ケーブルを設け、信号ケーブルを介して信号を伝送しても良い。無論この場合には、入力ペンはケーブルでつながれる事になるので、作業性、操作性が低下するが、ケーブルを介して電源を供給できるようになり、電池8が不要となり軽量化が図られる他、常時使用(長時間使用)する様な用途、つまり電池寿命を気にする様な用途には好適な構成となり得る。」

そして、上記記載を引用例の他の箇所の記載や関連図面に照らせば、次のことがいえる。
(ア)段落【0030】において「特定のアプリケーション」を起動するものとされている「本体」は、【要約】欄や段落【0001】に記載される「コンピュータ」のことである。
(イ)上記(ア)でいう「本体」(コンピュータ)は、ペンサイドスイッチ5が動作(ON状態)となった事を検知して特定のアプリケーションを起動する機能を有するものであるから、当然に「ペンサイドスイッチ5のON、OFFの状態を検知する検知手段」といい得る手段と、「前記検知手段の検知したペンサイドスイッチ5のON、OFFの状態がONの場合に、特定のアプリケーションを起動する制御手段」といい得る手段を有している。
(ウ)上記(ア)でいう「本体」(コンピュータ)と段落【0028】でいう「座標入力装置用入力ペン」は、協働して動作するものであり、その両者は、併せて一つの「装置」といい得る。

以上を踏まえると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「ペンサイドスイッチ5を備える座標入力装置用入力ペンと、
前記ペンサイドスイッチ5のON、OFFの状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知したペンサイドスイッチ5のON、OFFの状態がONの場合に、特定のアプリケーションを起動する制御手段とを備えるコンピュータと、
を備える装置。」

イ.対比
補正発明と引用発明を対比すると、次のことがいえる。
(ア)引用発明の「ペンサイドスイッチ5」は、補正発明の「スイッチ」に相当する。
(イ)引用発明の「座標入力ペン」は、補正発明の「ペン形状の入力指示手段」に相当する。
(ウ)引用発明の「ペンサイドスイッチ5のON、OFFの状態」は、補正発明の「前記スイッチの指示位置の状態」に相当する。
(エ)引用発明の「特定のアプリケーション」は、補正発明の「所定のプログラム」に相当する。
(オ)引用発明の「装置」と補正発明の「情報端末装置」は、「装置」である点で共通する。

したがって、補正発明と引用発明の間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「スイッチを備えるペン形状の入力指示手段と、
前記スイッチの指示位置の状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した指示位置が特定の指示位置の場合に、所定のプログラムを起動する制御手段と
を備える装置。」である点。

(相違点1)
補正発明の「制御手段」は、「所定のプログラムを起動するとともに、前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する」ものであるのに対し、引用発明の「制御手段」は、「所定のプログラムを起動する」ものではあるものの、「前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する」ものでであるとは限らない(引用例には、起動するプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるようにする」ことについての記載がない。)点。

(相違点2)
補正発明は、「情報端末装置」であるのに対し、引用発明は、「情報端末装置」であるとは限らない点。

ウ.判断
(ア)(相違点1)について
以下の事情を総合すると、引用発明の「制御手段」を「所定のプログラムを起動するとともに、前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する」ものとすることは、当業者が容易になし得たことというべきである。
a.「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」自体は本願出願前に周知である。
このことは、審判請求書の第4ページに「「簡易ブログ(Twitter:登録商標)」には、入力モードの他にも他人の投稿内容を表示するモードなど、複数の状態があることは周知の事実であります。」という記載があるように、請求人も認めていることであるし、現査定に引用文献4として提示され、平成27年12月16日付けの拒絶理由通知でも言及した特開平10-198504号公報の図1等に例示される「ワープロ」、「作図」、「メール」等のプログラムも、「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」であるのが普通であるという事実によって裏付けられることでもある。
そして、そのような「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」を起動する際にプログラムの状態を「入力が可能な状態」とすることは、当該プログラムの使い勝手の面から当業者が容易に想到し得ることであるし、また、ごく普通に行われていることでもある(例えば、「ワープロ」のプログラムの多くは、本文の入力が可能な状態の他に、印刷プレビュー状態、ファイルの選択を受け付ける状態、ファイル名の入力を受け付ける状態、等の複数の状態を有し、かつ、起動する際に本文の入力が可能な状態にされている。)。
b.一方、引用発明において、制御手段により起動される「所定のプログラム」(特定のアプリケーション)をどのようなプログラムとするかは当業者の任意であるから、そのプログラムとして上記a.で述べた周知の「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」を採用することは、当業者が容易になし得たことである。
その際、上記a.後段の点を考慮すれば、上記「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」を起動する際にプログラムの状態を「入力が可能な状態」とすることも、当業者が容易になし得たことである。
c.そして、引用例の段落【0001】に記載されるように、引用発明の「座標入力装置用入力ペン」が、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられるものであることを考慮すると、引用発明において制御手段により起動される「所定のプログラム」(特定のアプリケーション)を上記周知の「入力が可能な状態を含む複数の状態を取り得るプログラム」とする際には、その入力を上記「座標入力装置用入力ペン」により行うようにするのが自然である。
d.また、「プログラムの状態が入力が可能な状態における入力を、手書き入力モードでの入力とすること」自体も周知であること(このことは、特開平9-16308号公報の段落【0060】に「手書き入力ボードアイコン31」が選択された場合に「手書き入力」のモードになることが示されているという事実や、特開平4-78916号公報の第5頁右上欄の「モード選択キー群により選択されるモードは、・・・手書き入力モードとなっている」という記載等により裏付けられる。)と、引用例の上記段落【0001】の記載や図20の記載から明らかなように、引用発明の「座標入力装置用入力ペン」は、手書き入力にも用いることが想定されたものであること、を併せ考えると、上記c.でいう「座標入力装置用入力ペン」による入力を「手書き入力モードでの入力」とすることも、当業者が容易になし得たことである。
e.以上のことは、引用発明の「制御手段」を「所定のプログラムを起動するとともに、前記所定のプログラムの状態を、複数の状態のうち入力が可能となる状態にし、前記ペン形状の入力指示手段による入力が可能となる手書き入力モードになるように制御する」ものとすることが、当業者にとって容易であったことを意味している。

(イ)相違点2について
引用発明のようなコンピュータを備える装置を情報端末として使用することはごく普通のことであり、そのようにできない理由もないから、引用発明を情報端末装置とすることも、当業者が容易になし得たことである。

(ウ)補正発明の効果について
補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用例の記載事項や周知の事項から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

エ.(2)のまとめ
以上によれば、補正発明は、引用例発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
したがって、第3補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定にも適合しない。

(3)2.のまとめ
以上のとおりであるから、第3補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合せず、また、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定にも適合しないものである。
したがって、第3補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。


第3 第3補正についての補正却下の決定を踏まえた本願についての検討

1.本願発明
第3補正が上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」と呼ぶ。)は、第1補正(平成26年10月14日付けの手続補正)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2」の「1.」の項に<第3補正前(第1補正後)の請求項1>として転記したとおりのものである。

2.引用例
平成27年12月16日付けの最後の拒絶理由通知で引用した引用例、及びその記載事項は、上記「第2」の「2.」の「(2)」の「ア.」の項に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2」の「2.」で検討した補正発明の限定事項の一部を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記「第2」の「2.」の項に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-14 
結審通知日 2016-03-15 
審決日 2016-03-28 
出願番号 特願2011-53909(P2011-53909)
審決分類 P 1 8・ 561- WZ (G06F)
P 1 8・ 121- WZ (G06F)
P 1 8・ 575- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼瀬 健太郎  
特許庁審判長 和田 志郎
特許庁審判官 千葉 輝久
小曳 満昭
発明の名称 情報端末装置、情報端末装置の制御方法、情報端末装置の制御プログラム  
代理人 棚井 澄雄  
代理人 森 隆一郎  
代理人 松沼 泰史  
代理人 伊藤 英輔  
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