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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1314759
審判番号 不服2015-10640  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-04 
確定日 2016-05-12 
事件の表示 特願2008-103824「ゲーム装置およびゲームプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成21年11月 5日出願公開、特開2009-254406〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成20年4月11日の出願であって、平成20年7月7日、平成25年7月11日、及び、平成26年4月17日付けで手続補正がなされ、平成27年3月2日付けで拒絶の査定(謄本送達(発送)日同年3月5日)がなされ、これに対し、同年6月4日に拒絶査定に対する審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されて特許請求の範囲を補正する手続補正がなされた。

第2 平成27年6月4日の手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否について

[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、本件補正前の請求項1(すなわち、平成26年4月17日付けで手続補正された下記(1)のもの)を、下記(2)に示す請求項1へと補正することを含むものである。

(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
【請求項1】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置であって、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶するプレイヤデータ記憶手段と、
前記プレイヤデータ記憶手段が記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組を前記他のゲーム装置へ送信する送信手段と、
前記他のゲーム装置から送信された前記画像データおよび前記操作傾向データの組を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記他のゲーム装置の前記画像データおよび前記操作傾向データの組を記憶するノンプレイヤデータ記憶手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段とを備える、ゲーム装置。

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1(下線は審決で付した。以下、同様。)
【請求項1】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置であって、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶するプレイヤデータ記憶手段と、
前記プレイヤデータ記憶手段が記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組を前記他のゲーム装置へ送信する送信手段と、
前記他のゲーム装置から送信された前記画像データおよび前記操作傾向データの組を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記他のゲーム装置の前記画像データおよび前記操作傾向データの組を記憶するノンプレイヤデータ記憶手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタの画像データを作成する画像データ作成手段とを備える、ゲーム装置。

2.補正の目的
本件補正は、補正前の請求項1に係る発明に「プレイヤキャラクタの画像データを作成する画像データ作成手段」を追加するものであって、補正前の請求項1に係る発明の「プレイヤキャラクタの画像データ」が画像データ作成手段により作成されることを限定するものである。よって、補正前の請求項に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、かつ、補正前の前記各請求項に記載された発明と補正後の前記各請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成25年6月4日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記「1.(2)」に記載したとおりのものである。

(2)引用刊行物
ア 刊行物1
本願の出願日前に頒布された特開2005-319134号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の記載がある。

(ア)「【0009】
図1は、本実施例におけるゲーム機1の外観構成を示す。ゲーム機1は、本体5に、プレイヤによる入力操作が行われる方向キー2aおよび操作キー2bなどを有する操作入力部2、画像を出力するモニタ3、音声を出力するスピーカ4を備えて構成される。本体5にはゲームプログラムを記録した記録媒体が挿入され、本体5に内蔵されたCPUにより、ゲームプログラムが実行される。なお、本体5にはメモリスティックなどの外部記憶装置が挿入されて、CPUによりゲームデータのセーブやセーブデータの読み出しなどが実行される。」

(イ)「【0011】
実施例では、ゴルフゲームを例にとる。プレイヤは、ゲームキャラクタ(以下、単に「キャラクタ」と呼ぶ)を操作して、ゲームをプレイする。実施例のゴルフゲームでは、1人でプレイするトーナメントモード、通信機能を利用して複数人でプレイする対戦モード、さらに擬似的なプレイヤと対戦する擬似対戦モードの3つのプレイモードが設けられる。擬似対戦モードは1人でプレイするモードである。」

(ウ)「【0017】
図3は、ゲーム機1の機能ブロック図である。ゲーム機1は、無線通信端末装置として構成され、アプリケーション処理に関する動作を主として行う処理装置10と、通信に関する動作を行う無線インタフェース装置50とを備える。処理装置10および無線インタフェース装置50は、別個のハードウェアとして設けられ、処理装置10および無線インタフェース装置50の間は、バスにより電気的に接続される。なお、処理装置10はホストPCとして構成され、無線インタフェース装置50の動作を管理する機能ももつ。無線インタフェース装置50はCPUを有して構成される。
【0018】
本実施例におけるゲーム機1のアプリケーション処理機能は、処理装置10および無線インタフェース装置50において、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、ここではそれらの連携によって実現される構成を描いている。プログラムは、ゲーム機1に内蔵されていてもよく、また記録媒体に格納された形態で外部から供給されるものであってもよい。したがってこれらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。図示の例では、処理装置10のCPU12が、パラメータ生成部14、第1アプリケーション処理部16、第2アプリケーション処理部18、メモリ制御部20としての機能をもつ。無線インタフェース装置50は、無線ネットワーク内の他のゲーム機とパケットを送受信する機能をもつ。第1アプリケーション処理部16は、操作入力部2の操作指示に基づいてゲーム処理を行い、第2アプリケーション処理部18は、操作入力部2の操作指示以外の制御情報に基づいてゲーム処理を行う。例えば、第2アプリケーション処理部18は、対戦プレイにおいて他のゲーム機から制御情報を受け取り、他のプレイヤのキャラクタを動作させることができ、また擬似対戦プレイにおいて他のプレイヤの特徴パラメータに基づいて他のプレイヤのキャラクタを動作させることができる。」

(エ)「【0021】
第1アプリケーション処理部16は、操作入力部2におけるプレイヤの操作入力に基づいて、ゲームアプリケーションを実行する。具体的に、第1アプリケーション処理部16は、ゲーム空間上でプレイヤのキャラクタをプレイさせる。例えば、ゴルフコースの選択、クラブの選択、打つ方向、打つ強さなどを、プレイヤの操作入力をもとに決定する。
【0022】
メモリ制御部20は、プレイヤのプレイ履歴を履歴記憶部32に記憶させる。プレイ履歴は、コース名、ホール数、成績などを含み、さらに、ショットの強さや方向、選択したクラブなど様々なデータを含む。詳細なプレイ履歴を履歴記憶部32に記憶しておくことで、プレイの特徴を細かく解析することが可能となる。なお、例えばゲーム開始前に、プレイヤにプレイ履歴をとるか否かの選択肢が提示されてもよい。例えばプレイヤがゲーム操作の練習を行いたい場合、プレイヤはプレイ履歴をとらないことを指示することで、メモリ制御部20が、プレイ履歴を履歴記憶部32に記憶させないようにすることもできる。
【0023】
パラメータ生成部14は、履歴記憶部32に記憶されたプレイ履歴に基づいて、プレイの特徴を示す特徴パラメータを生成する。特徴パラメータは、プレイ記録を示す記録パラメータと、プレイ傾向を示す傾向パラメータを含む。また特徴パラメータは、使用するキャラクタのパラメータも含む。キャラクタパラメータは、キャラクタの外見、名前、保有するアイテムなどである。」

(オ)「【0029】
以上が、プレイ傾向に基づいて定められる傾向パラメータである。傾向パラメータは、記録パラメータと異なり、プレイヤのプレイスタイル、すなわち癖などを数値化したものとなる。」

(カ)「【0037】
本実施例では、メモリ制御部20が第1パラメータ記憶部34から特徴パラメータを読み出し、特徴パラメータを無線インタフェース装置50の送信部54から他のゲーム機に送信する。また、受信部52は、他のゲーム機から、他のゲーム機のプレイヤの特徴パラメータを受信し、メモリ制御部20が、その特徴パラメータを第2パラメータ記憶部36に記憶させる。送信部54は、特徴パラメータを外部に出力する出力部として機能し、また受信部52は、特徴パラメータを外部から入力する入力部として機能する。特徴パラメータを受け渡すために、ゲーム機間で無線ネットワークを新たに構築してもよく、既に対戦プレイを行っている場合には、対戦プレイを実行する無線ネットワーク上で特徴パラメータの受け渡しを行ってもよい。
【0038】
ゲーム機1がユーザ指示によらず、自律的に他のプレイヤの特徴パラメータを更新する場合は、受信部52が他のゲーム機から特徴パラメータの送信要求を受け取り、メモリ制御部20が、他のゲーム機の機器認証を行って、既に特徴パラメータを第2パラメータ記憶部36に記憶しているか否かを判断する。既に記憶している場合には、送信部54が受取可能信号を他のゲーム機に送信し、他のゲーム機から特徴パラメータを送信してもらう。これにより、他のプレイヤの特徴パラメータを自動的に更新できる。一方、新しいゲーム機からの送信要求である場合は、メモリ制御部20は、モニタ3ないしスピーカ4を通じて、プレイヤに対して特徴パラメータを受け取るか否かを問い合わせる。プレイヤが操作入力部2を介して受取指示を行った場合、送信部54が受取可能信号を他のゲーム機に送信し、他のゲーム機から特徴パラメータを送信してもらう。なお、特徴パラメータの受け渡しは、メモリスティックなどの外部記憶装置40を介して行われてもよい。この場合は、外部記憶装置40の差込口が、特徴パラメータを出力する出力部および特徴パラメータを入力する入力部として機能する。このようにゲーム機間で特徴パラメータを交換することで、それぞれが相手方の特徴パラメータを保有できる。以下では、友人から特徴パラメータを受け取ったものとする。
【0039】
擬似対戦モードにおいて、第2アプリケーション処理部18は、第2パラメータ記憶部36に記憶された友人の特徴パラメータに基づいて、ゲームアプリケーションを実行する。具体的には、第2アプリケーション処理部18は、ゲーム空間上で友人の対戦用のキャラクタをプレイさせる。友人の特徴パラメータは、上記のように、友人が使用するキャラクタのパラメータ、友人のプレイ記録を示す記録パラメータおよびプレイ傾向を示す傾向パラメータを含んで構成されている。」

上記(ア)ないし(カ)から、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「本体5に、プレイヤによる入力操作が行われる方向キー2aおよび操作キー2bなどを有する操作入力部2、画像を出力するモニタ3、音声を出力するスピーカ4を備えて構成されるゲーム機1であって、アプリケーション処理に関する動作を主として行う処理装置10と、通信に関する動作を行う無線インタフェース装置50とを備え、処理装置10のCPU12が、パラメータ生成部14、第1アプリケーション処理部16、第2アプリケーション処理部18、メモリ制御部20としての機能をもち、無線インタフェース装置50は、無線ネットワーク内の他のゲーム機とパケットを送受信する機能をもち、第1アプリケーション処理部16は、操作入力部2の操作指示に基づいてゲーム処理を行い、第2アプリケーション処理部18は、操作入力部2の操作指示以外の制御情報に基づいてゲーム処理を行い、ゴルフゲームでは、1人でプレイするトーナメントモード、通信機能を利用して複数人でプレイする対戦モード、さらに擬似的なプレイヤと対戦する擬似対戦モードの3つのプレイモードが設けられ、
パラメータ生成部14は、履歴記憶部32に記憶されたプレイ履歴に基づいて、プレイの特徴を示す特徴パラメータを生成し、特徴パラメータは、プレイ記録を示す記録パラメータと、プレイ傾向を示す傾向パラメータを含み、また特徴パラメータは、使用するキャラクタのパラメータも含み、キャラクタパラメータは、キャラクタの外見、名前、保有するアイテムなどであり、プレイ履歴は、コース名、ホール数、成績などを含み、さらに、ショットの強さや方向、選択したクラブなど様々なデータを含み、傾向パラメータは、記録パラメータと異なり、プレイヤのプレイスタイル、すなわち癖などを数値化したものとなり、
メモリ制御部20が第1パラメータ記憶部34から特徴パラメータを読み出し、特徴パラメータを無線インタフェース装置50の送信部54から他のゲーム機に送信し、受信部52は、他のゲーム機から、他のゲーム機のプレイヤの特徴パラメータを受信し、メモリ制御部20が、その特徴パラメータを第2パラメータ記憶部36に記憶させ、送信部54は、特徴パラメータを外部に出力する出力部として機能し、また受信部52は、特徴パラメータを外部から入力する入力部として機能するものであって、
第1アプリケーション処理部16は、操作入力部2におけるプレイヤの操作入力に基づいて、ゲームアプリケーションを実行し、ゲーム空間上でプレイヤのキャラクタをプレイさせ、擬似対戦モードにおいて、第2アプリケーション処理部18は、第2パラメータ記憶部36に記憶された友人の特徴パラメータに基づいて、ゲームアプリケーションを実行し、ゲーム空間上で友人の対戦用のキャラクタをプレイさせるゲーム装置。」

イ 刊行物2
本願の出願日前に頒布された特開2001-87559号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の記載がある。

(ア)「【請求項10】ネットワーク回線を介してゲーム管理センターと接続されるネットゲーム装置において、
複数の部分画像の組み合わせからなる似顔絵画像を作成する第1の作成手段と、
この作成された似顔絵画像を構成している各部分画像を指定する画像指定データを送信する送信手段と、
この送信手段により送信された画像指定データが前記ゲーム管理センターを介して転送される相手のゲーム端末から送られてきた相手の似顔絵画像を指定する画像指定データを受信する受信手段と、
この受信手段により受信された画像指定データにより指定された部分画像を組み合わせて相手の似顔絵画像を作成する第2の作成手段と、
この第2の作成手段により作成された相手の似顔絵画像と前記第1の作成手段により作成された自己の似顔絵画像とを表示させる表示制御手段と、
前記ネットワーク回線を介して相手のゲーム端末との間でゲームを実行するゲーム実行手段と、
を備えていることを特徴とするネットゲーム装置。」

(イ)「【0008】請求項1記載の発明のゲームネットワークシステムは、ネットワーク回線(例えば、図2に示すインターネット30)を介してゲーム配信センター(例えば、図2に示すホストサーバー20)と複数のネットゲーム端末(例えば、図2に示すゲーム端末1A,1B)とを接続したゲームネットワークシステムにおいて、前記ゲーム配信センターは、複数のゲームプログラムを格納したプログラム格納手段(例えば、図2に示すゲームプログラムデータROM22)と、このプログラム格納手段に格納された複数のゲームプログラムのなかから、前記各ゲーム端末からの要求に従ってゲームプログラムを配信する配信手段(例えば、図2に示すゲーム配信部23)と、前記複数のゲーム端末から送信されたゲームの実行に伴うゲームデータを受信し、この受信したゲームデータを相手となるゲーム端末へ転送する転送手段(例えば、図2に示す転送部24)とを備えており、前記ゲーム端末は、前記ゲーム配信センターの配信手段により配信されたゲームプログラムを受信する受信手段(例えば、図2に示す送受信部9)と、この受信手段により受信されたゲームプログラムを制御するために手動操作される手動操作手段(例えば、図2に示す入力部3)と、この手動操作手段の手動操作により制御されたプログラムに従ってゲームを実行するゲーム実行手段(例えば、図2に示すCPU2)と、このゲーム実行手段により実行されたゲームに伴うゲームデータを前記ゲーム配信センターへ送信する送信手段(例えば、図2に示す送受信部9)と、を備えていることを特徴としている。」

「【0138】ゲーム進行処理では、実行するゲームの所定の段階、例えば、ゲームの開始時の段階、ゲームの進行途中の各段階、及びゲームの結果の段階、等の各段階において、生体情報やゲームの進行状況に応じて、表示部4に表示されている似顔絵画像を構成する部分画像を変更する。具体的には、ゲームの進行途中に、自己の生体センサ11からプレーヤーの生体情報を取得して、その生体情報に応じて自己の似顔絵画像N1の各部分画像を変更して表示させ、表情や態度を変更する。また、送受信部9を介して対戦相手の生体情報を取得して、その生体情報に応じて相手の似顔絵画像N2の各部分画像を変更して表示させ、表情や態度を変更する。また、ゲームの結果の段階では、ゲームの勝敗などの結果に応じて、前記似顔絵画像N1,N2の各部分画像をさらに変更して表示させる。また、このゲーム進行処理では、ゲームの進行途中に対戦相手とのチャットが可能である。」

(ウ)「【0152】図28は、生体情報に応じて似顔絵画像の部分画像が変化された状態の画像である。ゲーム(この例では、カーレースゲーム)の進行途中で、自己の脈拍数が「120」と計測され、CPU2によって、例えば設定値(B)以上の範囲(図27の時間t2における脈拍数)にあると判別した場合は、この時の心理状態を設定値(B)以上の状態である「怒る」状態と判断する。そして図5に示すように「怒る」状態に対応する表情パーツROM6b(図4(A)参照)から、対応するパーツNo.の部分画像を読み出す。登録時のパーツNo.が「1」である場合は、パーツNo.「101」の部分画像が読み出されて、目及び口の部分画像が変更表示される。さらにメッセージROM4c(図5参照)からメッセージM7「むかつく!!」を読み出して、吹き出し表示F1の中のチャットデータCH3に代えて表示する。」

(エ)図28には、似顔絵画像は車の画像とともに表示されることが看て取れる。

上記(ア)及び(エ)から、刊行物2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「複数の部分画像の組み合わせからなる似顔絵画像を作成する第1の作成手段と、
この作成された似顔絵画像を構成している各部分画像を指定する画像指定データを送信する送信手段と、
この送信手段により送信された画像指定データが前記ゲーム管理センターを介して転送される相手のゲーム端末から送られてきた相手の似顔絵画像を指定する画像指定データを受信する受信手段と、
この受信手段により受信された画像指定データにより指定された部分画像を組み合わせて相手の似顔絵画像を作成する第2の作成手段と、
この第2の作成手段により作成された相手の似顔絵画像と前記第1の作成手段により作成された自己の似顔絵画像とを表示させる表示制御手段と、
前記ネットワーク回線を介して相手のゲーム端末との間でゲームを実行するゲーム実行手段と、
を備えているネットゲーム装置であって、
ゲーム端末は、ゲームプログラムを制御するために手動操作される手動操作手段と、この手動操作手段の手動操作により制御されたプログラムに従ってゲームを実行するゲーム実行手段と、を備え、
実行するゲームの所定の段階、例えば、ゲームの開始時の段階、ゲームの進行途中の各段階、及びゲームの結果の段階、等の各段階において、生体情報やゲームの進行状況に応じて、表示部4に表示されている似顔絵画像を構成する部分画像を変更し、カーレースゲームの進行途中で、似顔絵画像は車の画像とともに表示されるネットゲーム装置。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明1とを対比すると、
ア 引用発明1の「ゲーム機」は、その機能・作用からみて本願補正発明の「ゲーム装置」に相当する。以下同様に、引用発明1の「プレイヤ」、「ゴルフゲーム」、「操作入力部2」、「ゲーム空間」、「プレイヤのキャラクタ」、「送信部54」、「受信部52」、「モニタ3」、「友人の対戦用キャラクタ」はそれぞれ、本願補正発明の「プレイヤ」、「所定のゲーム」、「入力装置」、「仮想ゲーム世界」、「プレイヤキャラクタ」、「送信手段」、「受信手段」、「表示装置」、「ノンプレイヤキャラクタ」に相当する。
また、引用発明1の「ゲーム機」が、「他のゲーム機とパケットを送受信する機能」をもつことは、「他のゲーム装置と通信可能」であるといえる。

イ 引用発明1においては、「第1アプリケーション処理部16は、操作入力部2におけるプレイヤの操作入力に基づいて、ゲームアプリケーションを実行し、ゲーム空間上でプレイヤのキャラクタをプレイ」させるものであり、操作入力が操作データとして取得されることはゲーム装置分野の技術常識であるから、当該技術常識を踏まえれば、引用発明1の「第1アプリケーション処理部16」は、「入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段」及び「操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段」を有することは明らかである。

ウ 引用発明1の「プレイ傾向を示す傾向パラメータ」は、プレイヤの癖などを数値化したものであるから、本願補正発明の「プレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データ」に相当する。
また、「パラメータ生成部14」は、傾向パラメータを含む特徴パラメータを生成するものであるから、本願補正発明の「操作傾向データ生成手段」に相当する。
さらに、引用発明1の「プレイ履歴」は、ショットの強さや方向、選択したクラブなどのプレイヤキャラクタの行動を含むから、引用発明1の「履歴記憶部32に記憶されたプレイ履歴に基づいて、プレイの特徴を示す特徴パラメータを生成」することは、「プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する」といえる。

エ 引用発明1の「第1パラメータ記憶部34」は、特徴パラメータを記憶し、特徴パラメータには、傾向パラメータ、及びキャラクタの外見を示すキャラクタパラメータを含むものであるから、本願補正発明の「プレイヤデータ記憶手段」に相当する。また、引用発明1の「特徴パラメータを記憶する」ことと、本願補正発明の「プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶する」こととは、「プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタのデータおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶する」との概念で共通する。

オ 引用発明1の特徴パラメータは、傾向パラメータ、及びキャラクタパラメータを含むものであり、傾向パラメータとキャラクタパラメータは一組の関連付けられたパラメータといえるから、特徴パラメータは傾向パラメータとキャラクタパラメータを組にしているといえる。
よって、引用発明1の「第1パラメータ記憶部34から特徴パラメータを読み出し、特徴パラメータを無線インタフェース装置50の送信部54から他のゲーム機に送信」することと、本願補正発明の「プレイヤデータ記憶手段が記憶した画像データおよび操作傾向データの組を他のゲーム装置へ送信する」こととは、「プレイヤデータ記憶手段が記憶したデータおよび操作傾向データの組を他のゲーム装置へ送信する」との概念で共通する。
同様に、引用発明1の「他のゲーム機から、他のゲーム機のプレイヤの特徴パラメータを受信」することと、本願補正発明の「他のゲーム装置から送信された画像データおよび操作傾向データの組を受信する」こととは、「他のゲーム装置から送信されたデータおよび操作傾向データの組を受信する」との概念で共通する。
また、引用発明1の「第2パラメータ記憶部36」は、他のゲーム機から、他のゲーム機のプレイヤの特徴パラメータを受信して、その特徴パラメータを記憶するものであるから、本願補正発明の「ノンプレイヤデータ記憶手段」に相当する。また、引用発明1の「受信部52は、他のゲーム機から、他のゲーム機のプレイヤの特徴パラメータを受信し、メモリ制御部20が、その特徴パラメータを第2パラメータ記憶部36に記憶」することと、本願補正発明の「受信手段が受信した他のゲーム装置の画像データおよび操作傾向データの組を記憶する」こととは、「受信手段が受信した他のゲーム装置のデータおよび操作傾向データの組を記憶する」との概念で共通する。

引用発明1の「第2アプリケーション処理部18」は、第2パラメータ記憶部36に記憶された友人の特徴パラメータに基づいて、ゲームアプリケーションを実行し、ゲーム空間上で友人の対戦用のキャラクタをプレイさせるものであるから、「ノンプレイヤキャラクタ制御手段」に相当する。また、引用発明1は、友人の対戦用のキャラクタをプレイさせ、特徴パラメータにはキャラクタの外見が含まれるから、友人の対戦用のキャラクタの外見の画像をモニタに表示する表示制御手段を有することは明らかである。
そして、引用発明1の「第2パラメータ記憶部36に記憶された友人の特徴パラメータに基づいて、友人の対戦用のキャラクタの外見の画像をモニタに表示する」ことと、本願補正発明の「ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する」こととは、「ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された他のゲーム装置のデータに基づいて、当該データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する」との概念で共通する。

したがって、両者は、
「プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置であって、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタのデータおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶するプレイヤデータ記憶手段と、
前記プレイヤデータ記憶手段が記憶した前記データおよび前記操作傾向データの組を前記他のゲーム装置へ送信する送信手段と、
前記他のゲーム装置から送信された前記データおよび前記操作傾向データの組を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記他のゲーム装置の前記データおよび前記操作傾向データの組を記憶するノンプレイヤデータ記憶手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置のデータに基づいて、当該データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段とを備える、ゲーム装置。」

の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
プレイヤキャラクタのデータが、本願補正発明においては、「画像データ」であるのに対し、引用発明1においては、「キャラクタパラメータ」であって画像データといえるか不明である点。

[相違点2]
本願補正発明が、「プレイヤキャラクタの画像データを作成する画像データ作成手段」を備えるのに対し、引用発明1においては、そのような手段を備えていない点。

(4)判断
ア 相違点1について
本願補正発明の「画像データ」については本願の特許請求の範囲及び明細書に以下の記載がある。
(ア)「【請求項2】
部位毎に予め用意された複数種類のパーツオブジェクトから部位毎にパーツオブジェクトを前記操作データに応じて選択し、当該選択されたパーツオブジェクトを組み合わせて作成される似顔絵を示すデータを前記画像データとして作成する画像データ作成手段を、さらに備える、請求項1に記載のゲーム装置。」

(イ)「【0073】
ここで、ゲーム装置3で作成する似顔絵について説明する。ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示される似顔絵生成画面を見ながらコントローラ7を操作することによって、プレイヤの分身となるプレイヤキャラクタオブジェクト(似顔絵画像)を作成することができる。例えば、ゲーム装置3のプレイヤは、部位毎に予め用意されている複数種類のパーツオブジェクトから部位毎にパーツオブジェクトを選択して組み合わせて、プレイヤの分身となる似顔絵を作成する。プレイヤが作成した似顔絵を示すデータ(似顔絵データ)は、当該プレイヤが操作するゲーム装置本体5内に記憶される。そして、プレイヤが作成した似顔絵は、ゲーム装置本体5がゲームプログラムを実行することによって表現される仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタの顔として用いられることもある。」

(ウ)「【0133】
また、上述した実施例では、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタを表す画像を示すデータとして似顔絵データを用いているが、当該キャラクタを表す画像データであれば他の画像データでもかまわない。例えば、上記他のプレイヤの癖データと共に当該他のプレイヤの写真を示すデータを用いて、対局ゲームを行ってもかまわない。また、上記他のプレイヤの癖データと共に当該他のプレイヤが選択したキャラクタの画像を示すデータを用いて、対局ゲームを行ってもかまわない。」

(ア)ないし(ウ)によれば、本願の特許請求の範囲及び明細書においては、パーツオブジェクトを選択して組み合わせた似顔絵を示すデータが画像データの例として記載されており、画像として表示するために用いられるデータであれば本願補正発明の「画像データ」といえるものである。
してみると、引用発明1の「キャラクタパラメータ」は、キャラクタの外見を決めるパラメータであって、これに基づいてキャラクタの画像が決定されるのであるから、「画像データ」に相当し、両者は実質的な差異を有しない。
したがって、上記相違点1は実質的な相違点ではない。

また、これをおくとしても、引用発明2は、上記「(2)イ」に記載のとおりであり、引用発明2の「ネットゲーム装置」及び「ゲーム端末」はいずれも、その機能・作用からみて本願補正発明の「ゲーム装置」に相当する。同様に、引用発明2の「手動操作手段」は、本願補正発明の「入力装置」に相当する。
また、引用発明2の「自己の似顔絵画像」は、ゲーム装置の表示部に表示され、ゲームの進行途中にゲームの進行状況に応じて表示部に表示されている似顔絵画像を構成する部分画像が変更され、カーレースゲームでは車の画像とともに表示されるものである。そして、カーレースゲームにおいてはプレイヤは仮想ゲーム世界で自分の車を操作等してレースを行うことが技術常識であり、引用発明2の「自己の似顔絵画像」は、車の画像とともに表示されているから、当該技術常識を踏まえれば、カーレースにおける自分の車を示すものであって、本願補正発明の「プレイヤキャラクタ」に相当する。また、当該技術常識を踏まえれば、引用発明2は、カーレースゲームにおいては手動操作手段を用いて自分の車を操作するものであるから、引用発明2の「ネットゲーム装置」においては、「入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段」、「操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段」を有することは明らかである。
さらに、引用発明2の「画像指定データ」は、プレイヤキャラクタである似顔絵画像を構成している各部分画像を指定するものであり、本願特許請求の範囲及び明細書の上記(ア)ないし(ウ)の記載を踏まえると、本願補正発明の「画像データ」に相当する。
してみると、引用発明2は、「プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタ」のデータが「画像データ」であることを開示するものである。

そして、引用発明1及び2はともに、ゲーム装置という共通の技術分野に属し、引用発明1のキャラクタパラメータと引用発明2の画像指定データはともに送受信され、それに基づいてプレイヤキャラクタの外見を示すという共通の作用・機能を有するものであるから、引用発明1のキャラクタの外見のキャラクタパラメータに換えて、引用発明2の画像指定データを採用することに格段の困難性を見いだすことはできない。
したがって、引用発明1及び2に基づいて相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項となすことは当業者が容易になし得るものである。

イ 相違点2について
引用発明2は、上記「(4)ア」における対比に加え、引用発明2の「第1の作成手段」は、本願補正発明の「画像データ作成手段」に相当し、第1の作成手段が自己の似顔絵画像を作成することは、「プレイヤキャラクタの画像データを作成する」といえる。
してみると、引用発明2は、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項を開示するものである。
そして、引用発明1及び2はともに、ゲーム装置という共通の技術分野に属し、引用発明1のキャラクタパラメータと引用発明2の画像指定データはともに送受信され、それに基づいてプレイヤキャラクタの外見を示すという共通の作用・機能を有するものであるから、引用発明1のキャラクタの外見のキャラクタパラメータに換えて、引用発明2の画像指定データ及びこれを作成する第1の作成手段を採用することは当業者が容易になし得るものである。
したがって、引用発明1及び2に基づいて相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項となすことは当業者が容易になし得るものである。

そして、本願補正発明の発明特定事項の全部によって奏される作用効果は、引用発明1及び2の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願補正発明は、引用発明1及び2から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4. むすび
以上のとおりであって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成26年4月17日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は上記「第2 1(1)」に記載したとおりのものである。

2.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物、及び、その記載内容は上記「第2 3.(2)引用刊行物」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2 3.(1)本願補正発明」で検討した本願補正発明の「プレイヤキャラクタの画像データを作成する画像データ作成手段」の限定が省略されるものである。

そうすると、本願発明と引用発明1とを対比した場合、上記「第2 3.(3)対比」で挙げた、相違点1のみで相違し、他の点で一致することとなる。
そして、「第2 3.(4)判断」に記載したとおり、相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易になし得るものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-11 
結審通知日 2016-03-15 
審決日 2016-03-28 
出願番号 特願2008-103824(P2008-103824)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宇佐田 健二  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 山本 一
吉村 尚
発明の名称 ゲーム装置およびゲームプログラム  
代理人 石原 盛規  
代理人 特許業務法人 小笠原特許事務所  

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