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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G21F
管理番号 1315045
審判番号 不服2015-11119  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-11 
確定日 2016-05-27 
事件の表示 特願2011-198902「放射性物質を含有する汚染水の浄化方法及び浄化装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月 4日出願公開、特開2013- 61195〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月12日の出願であって、平成26年8月27日付けで拒絶理由が通知され、同年10月31日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたが、平成27年3月4日付けで拒絶査定がなされた。これに対して、同年6月11日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。


第2 本願発明について
1 本願発明
本願の特許請求の範囲は、平成27年6月11日付けの手続補正により、該手続補正前の(平成26年10月31日付けの手続補正により補正された)特許請求の範囲の請求項1?3が削除され、該請求項1?3をそれぞれ引用する請求項4が新たに請求項1?3とされ、また、該手続補正前の請求項5?10が新たに請求項4?9とされたものであって、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、該手続補正により請求項の削除を目的として補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「放射性物質を含有する汚染水の浄化方法において、前記放射性物質はセシウム、ストロンチウム及びヨウ素から選ばれる一種以上のイオンであり、放射性物質の吸着材としてハスクレイを用いることを特徴とする汚染水の浄化方法。」

2 引用刊行物
(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された、国際公開第2009/084632号(以下「引用文献1」という。なお、引用文献1に係る国際出願の出願人は、独立行政法人産業技術総合研究所である。)には、以下の事項が記載されている。(下線は、当審が付した。)

ア 「発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0011] 本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、中湿度領域において優れた吸着性能を有する材料、及びその優れた吸着特性を有する吸着剤、特にデシカント空調用吸着剤、さらにはホルムアルデヒドなどのガスも吸着する吸着剤を提供することを目的とするものである。
さらに本発明は、大気圧以上の圧力にて、圧力を高くすることにより吸着させた二酸化炭素を、真空に引くことなく大気圧以上でも、圧力を低くするだけで効果的に脱離することができる吸着剤であって、特に圧力スイング吸着(PSA)法における吸着剤を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者らは、上記目的を達成すべく、純粋なイモゴライトの合成においては110℃未満の温度で合成する必要があるという現象をもとに、SiおよびAlの結合状態としてイモゴライトと同じ構造を部分的に含む非晶質アルミニウムケイ酸塩を110℃以上で加熱合成することを検討した結果、中湿度領域および高湿度領域において優れた吸着性能を有する、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩の複合体からなる物質の合成法を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。
[0013] すなわち、上記課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
[1]低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなるアルミニウムケイ酸塩複合体。
[2]X線源としてCuを用いた粉末X線回折図形において、2θ=20、26、35、39°付近に4つのブロードなピークを有することを特徴とする上記[1]のアルミニウムケイ酸塩複合体。
[3] 29 Si固体NMRスペクトルにおいて-78ppm付近および-84?-94ppmの範囲にピークを有する上記[1]又は[2]のアルミニウムケイ酸塩複合体。
[4]モノケイ酸水溶液とアルミニウム溶液をSi/Al比が0.7?1.0となるように混合し、酸又はアルカリを添加してpHを6?8に調整し、その後脱塩処理したものを110℃以上で加熱することによって得られるものであることを特徴とする上記[1]?[3]のいずれかのアルミニウムケイ酸塩複合体。
[5]上記[1]?[4]のいずれかのアルミニウムケイ酸塩複合体からなることを特徴とする吸着剤。」
[6]相対湿度60%において水蒸気吸着量が45wt%以上を有することを特徴とする上記[5]の吸着剤。
[7]上記[1]?[4]のいずれかのアルミニウムケイ酸塩複合体からなることを特徴とするデシカント空調用吸着剤。
[8]上記[1]?[4]のいずれかのアルミニウムケイ酸塩複合体からなることを特徴とする二酸化炭素吸着剤。
[9]圧力に依存して二酸化炭素を吸着・脱離する吸着剤であって、1気圧(大気圧)?10気圧における吸脱着可能量が12wt%以上であることを特徴とする上記[8]の二酸化炭素吸着剤。
[10]上記[1]?[4]のいずれかのアルミニウムケイ酸塩複合体からなることを特徴とするガス吸着剤。
発明の効果
[0014] 本発明により得られる低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、相対湿度60%において45wt%以上の優れた水蒸気吸着性能を有しており、また80℃程度の温度で脱水が可能であることからデシカント空調用吸着剤として用いることができる。また、100kPa?900kPaにおいて12wt%以上の優れた二酸化炭素吸脱着可能量を有しており、二酸化炭素吸着剤として用いることができる。さらには、アンモニアやホルムアルデヒドなどのガス吸着剤や、有害汚染物質の吸着剤、脱臭剤、メタンなどのガス貯蔵剤を提供できる。」

イ 「発明を実施するための最良の形態
[0016] 次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明における低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体からなる物質のうち、非晶質アルミニウムケイ酸塩は、構成元素をケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)及び水素(H)とし、多数のSi-O-Al結合で組み立てられた水和ケイ酸アルミニウムである。低結晶性層状粘土鉱物は、水酸化アルミニウムからなる単層あるいは数層程度のギブサイトあるいは層方向の積層をほとんど示さない低結晶性の層状粘土鉱物である。
[0017] この低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、無機ケイ素化合物溶液と無機アルミニウム化合物溶液をSi/Al比が0.7?1.0となるように混合し、酸又はアルカリを添加してpHを6#8に調整し、その後脱塩処理したものを110℃以上にて加熱することにより人工的に得ることが可能である。
[0018] 本発明では、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、相対湿度60%において45wt%以上の水蒸気を吸着する性能を有し、また1気圧#10気圧における吸脱着可能量が12wt%以上であるものであって、従来公知のチューブ状アルミニウムケイ酸塩であるイモゴライトや100℃程度で加熱するとイモゴライトとなるプロトイモゴライト、さらには非晶質アルミニウムケイ酸塩とは異なる高吸着性物質である。
すなわち、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非晶質アルミニウムケイ酸塩の組成と低結晶性層状粘土鉱物を生成する組成とを混合させた組成比で前駆体を調整し、かつ低結晶性層状粘土が形成される温度領域において加熱することにより、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合化を行い、その結果、従来では得られなかった、優れた水蒸気吸湿挙動を有する物質の提供が可能となったものである。
[0019] 本発明において、加熱前の複合体前駆物質の調製には、原料として、通常、無機ケイ素合物と無機アルミニウム化合物が用いられる。
ケイ素源として使用される試剤は、ケイ酸であればよく、具体的には、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、無定形コロイド状二酸化ケイ素(エアロジル等)、水ガラス等が好適なものとして挙げられる。
また、上記ケイ酸塩分子と結合させるアルミニウム源は、アルミニウムイオンであればよく、具体的には、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよびアルミン酸ナトリウム等のアルミニウム化合物が挙げられる。これらのケイ素源及びアルミニウム源は、上記の化合物に限定されるものではなく、それらと同効のものであれば同様に使用することができる。
[0020] これらの原料を適切な水溶液に溶解させ、所定の濃度の溶液を調製する。本目的を満たす優れた吸着挙動を示す複合体を合成するには、ケイ素/アルミニウム比は0.7?1.0となるように混合することが必要である。溶液中のケイ素化合物の濃度は1?500mmol/Lで、アルミニウム化合物の溶液の濃度は1?1000mmol/Lであるが、好適な濃度としては1?300mmol/Lのケイ素化合物溶液と、1?500mmol/Lのアルミニウム化合物溶液を混合することが好ましい。これらの比率及び濃度に基づいて、アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合し、酸又はアルカリを添加してpHを6?8に調整して、前駆体を形成した後、遠心分離、濾過、膜分離等により、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、回収した前駆体を弱酸性?弱アルカリ性水溶液に分散させたものが、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体となる前駆体物質を含む懸濁液である。
[0021] この前駆体物質を含む懸濁液を、110℃以上で加熱することにより、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体を生成することができ、目的の水蒸気吸着特性および二酸化炭素吸着特性において優れた吸着剤を得ることができる。
実施例
[0022] 次に、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
Si源として360mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液100mLと、Al源として450mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液100mLを用いた。塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を加え、約10分間攪拌を行った。このときのSi/Al比は0.80である。攪拌後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL/分の速さで滴下し、pHが6程度になるまで添加した。水酸化ナトリウム水溶液の滴下量は6mLであった。このようにして生成させた前駆体懸濁液を遠心分離にて1回脱塩処理を行った。脱塩処理は遠心分離機を用いて、回転速度3000rpm、時間10分で行った。脱塩処理後前駆体を純水に分散させ全体で1Lとなるようにし、10分攪拌を行い前駆体懸濁液を作成した。
調整した1Lのイモゴライト前駆体懸濁液を、100mL用テフロン(登録商標)製容器に70mL測り取った後、ステンレス製回転反応容器に設置し、120℃で2日間加熱を行った。反応後、遠心分離にて3回洗浄し、60℃で1日乾燥させた。
[0023] 得られた生成物については、粉末X線回折測定を行った。図1に得られた生成物の粉末X線回折図形を示す。
図1に見られるように、2θ=20、26、35、40°付近にブロードなピークが見られる。このうち20および35°に見られるピークは層状粘土鉱物のhk0面の反射から得られるものであり、層状粘土鉱物に一般的に見られる00l反射が見られないことから、積層方向の厚さがほとんどない低結晶性の層状粘土鉱物であると推定される。また2θ=26、40°付近のブロードなピークは非晶質なアルミニウムケイ酸塩に特徴的なピークである。以上の結果から実施例1の物質は低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなることが確認された。
[0024] また、実施例1で得られた生成物について29Si固体NMR測定を行った。図2に得られた生成物の29Si固体NMR測定によるスペクトルを示す。
実施例1で得られた物質において、ピークが-78ppm付近、-86ppm付近、-91ppm付近に見られた。-78ppm付近に見られるピークはイモゴライトおよびプロトイモゴライトに特徴的な構造を示すものであり、また-86ppm付近および-91ppm付近見られるピークは層状ケイ酸塩に見られるピークである。」

ウ 「[0030] (水蒸気吸着評価)
実施例1で得られた低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体、比較例1で得られた非晶質イモゴライトおよび比較例2として用いた合成モンモリロナイトについて、日本ベル社製Belsorp18により測定を行った水蒸気吸着等温線から水蒸気吸着評価を行った。図5に、その結果を示す。
実施例1で得られた低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体の相対湿度60%における吸着量は46.1wt%であった。これに対し比較例1のイモゴライトの相対湿度60%における吸着量は34.8wt%、比較例2の合成モンモリロナイトの相対湿度60%における吸着量12.2wt%であった。
上記吸着評価より、実施例1で得られた物質の水蒸気吸着性能は、非晶質アルミニウムケイ酸塩および層状粘土鉱物を混合することによって得られることはできず、2つの物質による複合体を形成することによって初めて得られる性質であることが明らかとなった。 また、本実施例の結果、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体により相対湿度60%において45wt%以上の吸着量を有していることが示された。
[0031] (デシカント空調用吸着剤としての評価)
デシカント空調用吸着剤としては、温度25℃相対湿度60%での吸着量が多く、かつ低温で再生可能であることが必要である。デシカント空調用吸着剤の評価として、以下の測定を行なった。
空の秤量瓶の重さを測定した後に、約0.3gの粉末試料を入れ、100℃に設定した乾燥器に1時間入れ乾燥させた後、重量を測定し乾燥重量を求めた。次に、100℃で乾燥させた試料を25℃相対湿度60%に設定した恒温恒湿槽に1時間入れ水蒸気を吸着させた後、重量を測定し吸水量を求めた。さらに80℃に設定した乾燥器に1時間入れ乾燥させた後、重量を測定し脱水量を求めた。吸着率については吸水量/乾燥重量、脱水率については脱水量/吸水量により求めた。実施例1、実施例2、比較例1の吸水率、脱水率を以下の表1に示す。
[0032] [表1]

[0033] 以上のように、80℃で吸着した水の90%以上が脱水しており、デシカン戸空調用吸着剤として適したものであることが明らかとなった。
[0034] (二酸化炭素吸着・脱離評価)
実施例1で得られた低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体、および比較例3として市販のゼオライト13Xを用いた。測定は、日本ベル製BelsorpHPにて、温度25℃、圧力0?900kPa、平衡時間300秒にて、吸脱着量の測定を行なった。
また上述の前処理としては110℃にて2時間真空引きを行った。
[0035] 測定結果として得られた真空圧を基準とした圧力と吸着量を図6に示す。また大気圧を基準とした圧力と吸着量を図7に示す。
図6より明らかなように、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、二酸化炭素吸着時において圧力100?900kPaの範囲にて12.2wt%の吸着量を有し、かつ脱着時における100kPaの吸着量は吸着時における100kPaの吸着量を基準とすると0.1wt%とほとんどヒステリシスがないことを示している。以上のことから、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、100kPa?900kPaにおける吸脱着可能量が12wt%以上であることが示された。
一方比較例3のゼオライト13Xは、二酸化炭素吸着時において圧力100?900kPaの範囲にて5.4wt%の吸着量を有していた。
以上から低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体は、100kPa?900kPaにおける吸脱着可能量がゼオライト13Xに比べて2倍以上多いことが示された。
産業上の利用可能性
[0036] 本発明は、中湿度および高湿度領域において高性能な吸着性を有する低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体であり、デシカント空調用の除湿剤および圧力スイング用の二酸化炭素吸着剤のみならず、アンモニアやホルムアルデヒドなどのガス吸着剤を提供するものとして有用である。」

エ 「[図1]

[図2]

[図5]

[図6]

[図7]



上記記載事項ア?ウには、「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」が、水蒸気吸着性能、二酸化炭素吸着性能を有し、水蒸気吸着剤、二酸化炭素吸着剤として用いることが開示されているから、上記記載事項ア?ウを含む引用文献1には、「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」を吸着剤として用いる水蒸気・二酸化炭素の吸着方法が開示されているといえる。

すると、上記引用文献1の記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「Si源として360mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液100mLと、Al源として450mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液100mLを用い、塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を加え、約10分間攪拌を行い、攪拌後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL/分の速さで滴下し、pHが6程度になるまで添加して生成させた前駆体懸濁液を、回転速度3000rpm、時間10分の遠心分離にて1回脱塩処理を行い、脱塩処理後前駆体を純水に分散させ全体で1Lとなるようにし、10分攪拌を行い前駆体懸濁液を作成して調整した1Lのイモゴライト前駆体懸濁液を、100mL用テフロン(登録商標)製容器に70mL測り取った後、ステンレス製回転反応容器に設置し、120℃で2日間加熱を行い、反応後、遠心分離にて3回洗浄し、60℃で1日乾燥させて得られた、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体を吸着剤として用いる水蒸気・二酸化炭素の吸着方法。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2005-91116号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は、当審が付した。)

ア 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物等に含まれるウランを吸着するウラン吸着剤及び地層中へのウランの拡散を防止あるいは遅延させる放射性廃棄物の処理方法、及びそれらを用いてウランを回収する方法及びウランを固化処理する方法に関する。」

イ 「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術における上記した実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、天然にも存在する材料を用いて放射性廃棄物中のウランを長期に亘り安定して吸着し、環境浄化に寄与するウラン吸着能に優れたウラン吸着剤を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、天然に存在する材料を用いて、ウラン含有液中のウランを効率的に回収する方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、放射性廃棄物の地層処分において地層中へのウランの拡散を防止あるいは遅延させる放射性廃棄物の処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウラン含有廃液中のウランを吸着する一次元結晶性アルミニウムケイ酸塩または非晶質アルミニウムケイ酸塩からなるウラン吸着剤である。
また、本発明は、 ウラン含有廃液の酸性溶液に一次元結晶性アルミニウムケイ酸塩または非晶質アルミニウムケイ酸塩を添加してウランを吸着させるウラン含有廃液中のウラン回収方法である。
さらに、本発明は、放射性廃棄物処理における緩衝材に一次元結晶性または非晶質アルミニウムケイ酸塩を添加して、ウランを吸着させ、地層中へのウランの拡散を防止あるいは遅延させる放射性廃棄物の処理法である。本発明に用いる一次元結晶性アルミニウムケイ酸塩としてはイモゴライト、非晶質アルミニウムケイ酸塩としてはアロフェンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ウラン鉱山や核再処理施設などから排出されるウラン含有廃液からウランを安全にかつ容易に高率で回収できるウラン回収剤を提供するものである。
また、本発明の吸着剤は、高濃度のウランを含む放射性廃棄物を地層処分する際、ウランを長期に亘り安定して吸着し保持するから、放射性廃棄物処理の安全性を促進させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、一次元結晶性または非晶質アルミニウムケイ酸塩からなるウラン吸着剤であって、ウランを産出するウラン鉱山から排出されるウラン含有廃液の酸性溶液中のウラン、及び原子力発電所や核燃料再処理施設等から排出されるウラン含有廃液の酸性溶液中のウランを吸着して回収するために、また、高濃度放射性廃棄物を地層処分する際に、長期に亘り安定してウランを固定化させるために用いられる。
【0009】
本発明において、ウランの吸着に用いられる一次元結晶性及び非晶質アルミニウムケイ酸塩としては、天然にも存在する非晶質のアルミニウムケイ酸塩であって、例えば、アロフェン、イモゴライト、プロトイモゴライトなどが挙げられる。またここでいう非晶質アルミニウムケイ酸塩とは、Si-O-Al結合を有する非晶質なアルミニウムケイ酸塩を指している。その中のアロフェンは、中空球状形態からなり、また、イモゴライトは、中空管状形態からなり、どちらも主に火山灰の風化土壌中に産出するものである。これらの非晶質アルミニウムケイ酸塩の使用量は、ウランを含む廃液(ウラン濃度0.01%溶液)に対して、0.01?5%の範囲であり、好ましくは0.1?0.5%である。
【0010】
そのアロフェンは、ウラン吸着能に優れており、低温領域においては長期に亘り変質す
ることがないことから、ウラン吸着剤として有用であり、特に、高レベル放射性廃棄物処理の地層処分において、放射性廃棄物の外側を覆うベントナイトを含む緩衝剤のウラン吸着能を高めるために好適であり、地層処分においてより安全なシステムを構築することができる。
【0011】
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
pH3.5に調整した0.5mM硝酸ウラニル水溶液に、0.5gのアロフェンを入れ、48時間常温で振盪させた。反応前の溶液と反応後の溶液との濃度の差からアロフェンの吸着量を求めたところ、アロフェン1gあたりのウラン吸着量は8.64mgであった。また、pH5.0に調整した0.5mM硝酸ウラニル水溶液に0.5gのアロフェンを入れて反応させた場合には、アロフェン1gあたり16.70mgのウラン吸着量であった。
【実施例2】
【0013】
pH10.5に調整した0.5mM硝酸ウラニル水溶液に、0.5gのアロフェンを入れ、48時間常温で振盪させた。反応前の溶液と反応後の溶液との濃度の差からアロフェンの吸着量を求めたところ、アロフェン1gあたりのウラン吸着量は17.09mgであった。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、ウランを産出する鉱山及び核再処理施設などから排出されるウラン含有廃液中のウランを安全にかつ簡易に吸着し、回収するウラン吸着剤であって、環境浄化に大きく貢献できるものであり、また、高レベル廃棄物の地層処分における緩衝材の性能向上に寄与し、放射性廃棄物処理に有用である。」

(3)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、特開平4-143700号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は、当審が付した。)

「3.発明の詳細な説明
本発明はセシウムイオン固定材およびその使用方法に関する。
原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物は年々その量を増しており、様々な処分法が検討されている。有力な方法は廃棄物をガラス固化体とし、安定な地層中に埋め、生物圏から隔離するものである。その際、ガラス固化体周囲には人工バリアーと呼ばれる幾重もの障壁が設けられ、万一固化体から核種が溶出した場合にも、そこで封じ込め、水系に被害を及ぼさなくする万全の設計がなされることになっている。高レベル放射性廃棄物のうち最も量の多い長半減期の核種は^(137)Csと^(90)Srである。いずれも水に溶出し易く移動し易いため、現実的には最も問題となる。そのためそれらの吸着・固定を行なう優れた材料の開発が求められている。
本発明は放射性廃棄物処理において問題となる核種のうちセシウムイオンを吸着し、構造内に取込むことにより固定する材料及びその使用法に関するものである。
人工バリアー中で溶出核種の吸着・固定を行なう材料としてこれまでベントナイト、イライト、沸石等が候補としてあげられている。これらはいずれも天然に産する鉱物あるいは岩石である。このうち最も吸着量の大きいものは沸石であるが、準安定相であるため地層処分の数100?数1000年の長期間では他の鉱物へと相変化し、吸着能を失うおそれがある。また、イライトは吸着容量が小さい。それに対してベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは200?400℃の水熱条件下でも安定であり、Csイオンを層間に吸着する能力を失わないとされている(例えば、Komarneni and White,Clays and Clay Min.,26,299-308,1981)。また、モンモリロナイトは水中で膨潤するため、水の通路を塞ぎ、核種の移動を妨げる効果も示す。しかし、モンモリロナイトの吸着容量は沸石の半分程度でありモンモリロナイトの安定性と膨潤性、沸石の吸着容量を兼ね備えた材料は知られていない。そのため、放射性廃棄物の地層処分が想定される還元環境下でセシウム吸着容量が大きく、より多量のセシウムイオンを固定できる安定な処理材の選定・開発が求められている。本発明は上記モンモリロナイトの安定性と膨潤性をそこなうことなく、吸着容量を周囲の雰囲気の変化に従い増大させることができるセシウムイオン固定材およびその使用方法に関する。」(公報第1頁左下欄下から第7行?第2頁左上欄第20行)

3 対比
(1)本願発明と引用発明との対比
ア まず、本願発明の「ハスクレイ」が示す構成について、検討する。
「ハスクレイ」は、独立行政法人産業技術総合研究所の登録商標であって(商標登録第5223687号)、この語自体からでは、どのような物質を示すのかは明らかでない。
「ハスクレイ」について、本願の明細書には、
「【0025】
ハスクレイは、ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)に加え、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素から構成される含水非晶質性酸化・水酸化物である。アルカリ金属元素としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)が、アルカリ土類金属元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)が選択される。アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の含有量は1?10wt%が好ましい。」
との記載、また、「ハスクレイ」の合成方法として、
「【0048】
(ハスクレイの合成)
内容積100lの反応容器中に、Siとして1.0mol/lの3号オルトケイ酸ナトリウム溶液28lを投入した後、Al3+ 0.5mol/lの塩化アルミニウム溶液40lを添加・混合し、次に、3NのNaOH水溶液をpH7.2になるまで滴下して、さらに水を加えて、溶液量を95l、反応液の温度を40℃に調整した。
【0049】
上記懸濁液を温度40℃で30分間保持して熟成した後、当該懸濁液の温度を95℃とし、20時間熟成撹拌反応を行った。得られた白色懸濁液の温度を50℃まで冷却したところ、溶液のpHは6.1であった。さらに撹拌しながら1.0MのNaOH溶液を滴下してpHを8.5に調整し、1時間保持した。次に濾別、水洗、乾燥、粉砕した。」
との記載があるが、これらの記載をもってしても、「ハスクレイ」の詳細は明らかでない。
そこで、「ハスクレイ」が示す物質について、「ハスクレイ」の商標権者である独立行政法人産業技術総合研究所が、そのホームページで公開している、「安価な高性能無機系吸放湿材を開発」,[online],2008年10月 8日,独立行政法人産業技術総合研究所、[平成27年3月4日検索日]、インターネット(拒絶査定で引用された引用文献4であり、以下、「引用文献4」という。)中の記載、特に、「研究の内容」中の
「今回開発した高性能な無機系吸放湿材料(以下「ハスクレイ」という)の合成には、特殊な試薬を必要とせず、一般的なゼオライトの合成に用いられる安価なケイ素源とアルミニウム源から合成が可能である。ハスクレイの合成は、まずオルトケイ酸ナトリウム水溶液と塩化アルミニウム水溶液を混合後、水酸化ナトリウムを添加しpHを中性付近に調整して前駆体を作製する。この前駆体を遠心分離器で脱塩処理後、洗浄し、120℃以上で1日加熱を行うことによってハスクレイが得られる。
合成したハスクレイは、ナノサイズの粒状体からなり、粉末X線回折を行ったところ(図1)、非晶質アルミニウムケイ酸塩(図中HAS:Hydroxyl Aluminium Silicate)に由来するピークと、低結晶性の層状粘土鉱物(図中Clay)に起因する2種類のピークが確認できた。以上の結果から、ハスクレイは非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体であると推測している。」
という記載を参照すると、本願発明の「ハスクレイ」は、引用文献4に記載された「非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体」であると認められる。(さらに、本願の明細書に記載された「ハスクレイ」の合成方法と、引用文献4に記載された「ハスクレイ」の合成方法は、同様の方法であると認められる。)
次に、本願発明の「ハスクレイ」と、引用発明の「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」を対比すると、上述のとおり、本願発明の「ハスクレイ」は、「非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体」であるから、引用発明の「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」は、本願発明の「ハスクレイ」に相当する。(さらに、本願の明細書に記載された「ハスクレイ」の合成方法と、引用発明の「ハスクレイ」の合成方法である、
「Si源として360mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液100mLと、Al源として450mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液100mLを用い、塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を加え、約10分間攪拌を行い、攪拌後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL/分の速さで滴下し、pHが6程度になるまで添加して生成させた前駆体懸濁液を、回転速度3000rpm、時間10分の遠心分離にて1回脱塩処理を行い、脱塩処理後前駆体を純水に分散させ全体で1Lとなるようにし、10分攪拌を行い前駆体懸濁液を作成して調整した1Lのイモゴライト前駆体懸濁液を、100mL用テフロン(登録商標)製容器に70mL測り取った後、ステンレス製回転反応容器に設置し、120℃で2日間加熱を行い、反応後、遠心分離にて3回洗浄し、60℃で1日乾燥させて得られ」
るという方法は、同様の方法であると認められる。)

イ 引用発明の「吸着剤として用いる水蒸気・二酸化炭素の吸着方法」と、本願発明の「放射性物質を含有する汚染水の浄化方法において、」「放射性物質の吸着材として」「用いる」「汚染水の浄化方法」は、「物質の吸着材として」「用いる」「物質の吸着方法」である点で一致する。

(2)一致点
してみると、両者は、
「物質の吸着材としてハスクレイを用いる物質の吸着方法。」
で一致し、次の点で相違する。

(3)相違点
本願発明は、「ハスクレイ」を、「前記放射性物質はセシウム、ストロンチウム及びヨウ素から選ばれる一種以上のイオンであ」る「放射性物質の吸着材として用いる」「放射性物質を含有する汚染水の浄化方法」であるのに対して、引用発明では、「ハスクレイ」を、「吸着剤として用いる水蒸気・二酸化炭素の吸着方法」である点で、相違する。

4 判断
(1)相違点について
上記相違点は、要するに、「ハスクレイ」で吸着する物質が、本願発明では、「汚染水」中の「セシウム、ストロンチウム及びヨウ素から選ばれる一種以上のイオンであ」る「放射性物質」であるのに対して、引用発明では、(空気中の)「水蒸気・二酸化炭素」である点であるといえる。
これに対して、引用文献2(特に、段落【0008】参照)には、「非晶質アルミニウムケイ酸塩」を用いて、ウラン鉱山、原子力発電所、核燃料再処理施設等から排出されるウラン含有廃液中のウランを吸着して回収するという技術事項が記載されている。(なお、廃液中のウランは、実際には、ウランイオン、あるいは、ウラニルイオンであることは、当業者の技術常識である。)そして、引用文献2の「非晶質アルミニウムケイ酸塩」は、本願発明の「ハスクレイ」、すなわち、「非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体」のうちの「非晶質アルミニウムケイ酸塩」に相当する。
また、引用文献3(特に、公報第1頁左下欄下から第6行?第2頁左上欄第9行参照)には、「モンモリロナイト」を用いて、原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物のうち、水に溶出しやすいセシウムイオンを吸着し、固定するという技術事項が記載されている。そして、「モンモリロナイト」は、層状粘土鉱物の代表的なもので、3層を基本とする層状ケイ酸塩鉱物であることが当業者の技術常識であって、3層であることから、積層方向の厚さがほとんどない低結晶性であるといえる(引用文献1の[0023]の「積層方向の厚さがほとんどない低結晶性の層状粘土鉱物であると推定される。」という記載を参照)。すると、引用文献3の「モンモリロナイト」は、本願発明の「ハスクレイ」、すなわち、「非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体」のうちの「低結晶性層状粘土鉱物」に属するものである。
してみると、引用文献2、3には、それぞれ、本願発明の「ハスクレイ」、すなわち、「非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性層状粘土鉱物の複合体」のうちの「非晶質アルミニウムケイ酸塩」、「低結晶性層状粘土鉱物」を用いて、水に溶出したウラン(実際には、ウランイオン、ウラニルイオン)、セシウムイオンを吸着して、固定ないしは回収すること、すなわち、放射性の廃液や放射性廃棄物からの放射性物質のイオンが溶出した水からウラン、セシウムイオンを除去することにより、放射性の廃液や放射性廃棄物からの放射性物質のイオンが溶出した水を浄化するという技術事項(以下、「引用文献2、3の技術事項」という。)が開示されていると認められる。
また、「非晶質アルミニウムケイ酸塩」や「モンモリロナイト」のような層状粘土鉱物は、上述の放射性物質のイオンの他に、水中の各種イオンを吸着できることが当業者には周知であることも勘案すれば、引用文献2、3の技術事項から、引用発明の「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」が、「水蒸気・二酸化炭素」以外に、水に溶出したウラン(実際には、ウランイオン、ウラニルイオン)やセシウムイオンを吸着することができること、また、吸着することにより、放射性の廃液や放射性廃棄物からの放射性物質のイオンが溶出した水を浄化できることは、当業者が容易に想到し得ることである。
したがって、引用発明の「低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体」により、(空気中の)水蒸気・二酸化炭素を吸着することに換えて、水に溶出したセシウムイオン、すなわち、汚染水中のセシウムイオンを吸着して、浄化するように構成して、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得ることである。

(2)効果について
本願発明が奏し得る効果は、引用発明、引用文献2、3の技術事項及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。

(3)結論
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2、3の技術事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第3 むすび
以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-29 
結審通知日 2016-03-30 
審決日 2016-04-13 
出願番号 特願2011-198902(P2011-198902)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G21F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関根 裕村川 雄一  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 伊藤 昌哉
井口 猶二
発明の名称 放射性物質を含有する汚染水の浄化方法及び浄化装置  

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