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審決分類 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1315220
審判番号 不服2014-23633  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-20 
確定日 2016-05-31 
事件の表示 特願2013-505113「コンピュータからモバイルハンドセットにデジタルコンテンツを転送する方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月20日国際公開、WO2011/130449、平成25年 6月20日国内公表、特表2013-525888〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,
2010年4月15日(以下,「優先日」という。)のアメリカ合衆国における出願を基礎とするパリ条約による優先権主張を伴った,
2011年4月13日を国際出願日とする出願であって,
平成24年10月11日付けで特許法第184条の5第1項の規定による書面(国内書面)が提出され,
平成24年12月11日付けで特許法第184条の4第1項の規定による国際出願日における明細書,請求の範囲,図面の翻訳文(以下,「当初翻訳文等」という。)が提出されるとともに,同日付けで審査請求がなされ,
平成25年12月19日付けで拒絶理由通知(平成25年12月26日発送)がなされ,
平成26年3月26日付けで意見書が提出されるとともに,同日付けで手続補正書が提出され,
平成26年7月18日付けで拒絶査定(平成26年7月23日謄本送達)がなされ,
平成26年11月20日付けで審判請求がされるとともに,同日付けで手続補正書が提出されたものである。
なお,平成27年2月13日付けで特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされている。

第2 平成26年11月20日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成26年11月20日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容

平成26年11月20日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)の内容は,平成26年3月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の記載

「【請求項1】
ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドは,
前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受け,
前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供するよう構成され,
前記デバイスは,
前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションと,を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コンピュータクラウドは,該コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツを前記デバイスに格納されたデジタルコンテンツと同期することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数のデバイスを更に含み,
各デバイスが,前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイスに該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションを有し,
前記コンピュータクラウドは,該コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツを前記複数のデバイスの各々に格納されたデジタルコンテンツと同期する,
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のデバイスが,モバイル電話,セルラー電話,PDA,無線電子メールデバイス,MP3プレーヤ,スマートフォン,モバイル電話,パーソナルコンピュータ,ラップトップ,セットトップボックス,テレビジョン,自動車内デジタルコンテンツシステム,及びゲームコンソールの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のデバイスの各デバイスの前記アプリケーションは,前記複数個のデジタルコンテンツを該複数のデバイス間で直接に転送することを可能にする転送モジュールを更に含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記デバイスを前記コンピュータクラウドと無線で接続する無線ネットワークを更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのデジタルコンテンツが無線ネットワークで前記デバイスにアクセス可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記無線ネットワークは,セルラー電話ネットワーク,WiFiネットワーク,又は無線データネットワークを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記デバイスを前記コンピュータクラウドと接続するリンクを更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのコンテンツが前記リンクでダウンロードされることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記リンクは,ケーブル,ドッキングステーション,前記モバイルハンドセット内に挿入することができるメモリカード,又はBluetoothネットワークを更に含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
各デジタルコンテンツが,前記デジタルコンテンツに関連付けられた1つのメタデータを更に含み,
前記システムは,前記ユーザのデジタルコンテンツと一又はそれ以上の他のユーザのデジタルコンテンツとに基づいて1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する推奨エンジンを更に含む,
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータクラウドは,少なくとも一つのサーバを備え,
前記コンピュータクラウドは,前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアを更に備え,
前記推奨エンジンは,前記ユーザに関連付けられた前記第1のコンテンツストアのデジタルコンテンツと前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアのデジタルコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する,
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
各デジタルコンテンツが,各デジタルコンテンツに関連付けられた1つのメタデータを更に含み,
前記コンピュータクラウドは,第1のユーザを第2のユーザに該第1及び第2のユーザの前記複数個のデジタルコンテンツに基づいて紹介するコミュニティユニットを更に含む,
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
複数個のデジタルコンテンツが,1つ又はそれよりも多くのコンピュータ及び1つ又はそれよりも多くのストレージユニットを有するコンピュータクラウドに格納され,該コンピュータクラウドが,ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である第1のコンテンツストアを有し,該複数個のデジタルコンテンツをダウンロード及び対話するためのデバイスであって,
プロセッサと,
前記プロセッサに結合されたメモリと,
前記メモリに格納され,前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ前記デバイスに該1つのデジタルコンテンツを格納する,前記メモリに格納されて前記プロセッサによって実行されるアプリケーションと,
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
前記デバイスに格納された前記複数個の前記デジタルコンテンツは,前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツと同期されることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは,モバイル電話,セルラー電話,PDA,無線電子メールデバイス,MP3プレーヤ,スマートフォン,モバイル電話,パーソナルコンピュータ,ラップトップ,セットトップボックス,テレビジョン,自動車内デジタルコンテンツシステム,及びゲームコンソールから構成された群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記アプリケーションは,複数個のデジタルコンテンツを第2のデバイスに直接に転送することを可能にする転送モジュールを更に含むことを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウドと,デバイスとの間でユーザのコンテンツを共有する方法であって,
前記コンピュータクラウドで,ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを維持する段階であって,前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,段階と,
前記ユーザが前記デジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受ける段階と,
前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供する段階と,
を含み,
前記デバイスは,
前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイスに前記コンピュータクラウドにからの該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションと,
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツを前記デバイスに格納されたデジタルコンテンツと同期する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツを複数のデバイスの各々に格納されたデジタルコンテンツと同期する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記デバイス間で1つのデジタルコンテンツを直接に転送する段階を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記デバイスを前記コンピュータクラウドと無線で接続する段階を更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのデジタルコンテンツが前記無線ネットワークで前記デバイスにアクセス可能であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザに該ユーザのデジタルコンテンツと一又はそれ以上の他のユーザのデジタルコンテンツとに基づいて1つのデジタルコンテンツを推奨する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記コンピュータクラウドで,前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアを維持する段階と,
前記ユーザに関連付けられた前記第1のコンテンツストアのデジタルコンテンツと前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアのデジタルコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する段階と,
を更に含み,
前記コンピュータクラウドは,少なくとも一つのサーバを備えている,請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第2のデバイスのユーザに第1のデバイスのユーザを該第1及び第2のユーザの前記複数個のデジタルコンテンツに基づいて紹介する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。」(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前の請求項」という。)を,

「【請求項1】
ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたユーザのコンテンツを格納する,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドは,
前記コンピュータクラウドに格納された,ユーザがアップロードしたコンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け,
前記受信した要求に応じて,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可するよう構成され,
前記デバイスは,
1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを格納する第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記ユーザがアップロードした1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納されたユーザがアップロードしたコンテンツの1つを視聴したい時に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを格納するアプリケーションと,を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コンピュータクラウドは,前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つを前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間で選択的に同期するようさらに構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザがアップロードした複数個のデジタルコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,バックグラウンドで行われ,前記デバイスの電源に基づいてなされ,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスが電源にプラグインされた時に作動され,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスがバッテリ電源で動作する時に減速又は非作動とされる,請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,他の作動についての前記デバイスの利用に基づいており,前記同期は,前記デバイスが利用されていない時に促進され,前記同期は,前記デバイスが利用されている時に抑制される,請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータクラウドは,前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと複数のデバイスとの間で選択的に同期するようさらに構成され,前記複数のデバイスは,モバイル電話,セルラー電話,PDA,無線eメールデバイス,MP3プレイヤー,スマートフォン,パーソナルコンピュータ,ラップトップ,セットトップボックス,テレビ,車内デジタルコンテンツシステム,及びゲームコンソールの少なくとも一つを含み,前記コンピュータクラウドに格納されているコンテンツの1つは,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続するリンクを介して前記デバイスにダウンロードされ,前記リンクは,ケーブル,ドッキングステーション,前記デバイスに挿入できるメモリカード,又はブルートゥースネットワークの少なくとも一つを含む,請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つは,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続する無線ネットワークで前記デバイスによってアクセスされる,請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記無線ネットワークは,セルラー電話ネットワーク,WiFiネットワーク,又は無線データネットワークを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続するネットワークに基づいている,請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記同期は,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続する最もコストの低いネットワークを介する,請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つは,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続するリンクを介して前記デバイスにダウンロードされ,前記リンクは,ケーブル,ドッキングステーション,前記デバイスに挿入できるメモリカード,又はブルートゥースネットワークの少なくとも一つを含み,
前記ユーザがアップロードしたコンテンツそれぞれが,前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つに関連付けられた1つのメタデータを更に含み,
前記コンピュータクラウドは,一又はそれ以上の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて,前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを前記ユーザに推奨する推奨エンジンを更に含む,
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータクラウドは,少なくとも一つのサーバを備え,
前記コンピュータクラウドは,前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアを更に備え,
前記推奨エンジンは,前記ユーザに関連付けられた前記第1のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツと前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する,
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザがアップロードしたコンテンツそれぞれが,前記ユーザがアップロードしたコンテンツそれぞれに関連付けられた1つのメタデータを更に含み,
前記コンピュータクラウドは,前記ユーザを他のユーザに該1つ又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて紹介するコミュニティユニットを更に含む,
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1つ又はそれ以上のプロセッサを含むコンピュータクラウドに格納されている1つ又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツをダウンロード及び対話するためのデバイスであって,
プロセッサと,
前記プロセッサに結合されたメモリと,
1つ又はそれ以上の個数のユーザがアップロードしたコンテンツを格納する,前記メモリに格納されているコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記1つ又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つをダウンロードするように,前記コンピュータクラウドから要求し,前記メモリに格納されて前記プロセッサによって実行されるアプリケーションと,
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
前記コンピュータクラウドに格納された複数個の前記ユーザがアップロードしたコンテンツの少なくとも一つは,前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間で選択的に同期されることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,バックグラウンドで行われ,前記デバイスの電源に基づいてなされ,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスが電源にプラグインされた時に作動され,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスがバッテリ電源で動作する時に減速又は非作動とされる,請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,他の作動についての前記デバイスの利用に基づいており,前記同期は,前記デバイスが利用されていない時に促進され,前記同期は,前記デバイスが利用されている時に抑制される,請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウドと,デバイスとの間でコンテンツを共有する方法であって,
前記コンピュータクラウドで,第1のコンテンツストアを維持する段階であって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたコンテンツを格納する,段階と,
前記コンピュータクラウドに格納された前記ユーザがアップロードしたコンテンツの一つをダウンロードする要求を前記デバイスから受ける段階と,
前記受信した要求に応じて,前記コンピュータクラウドを介して,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可する段階と,
ユーザがアップロードしたコンテンツの一つを前記コンピュータクラウドから前記デバイスの第2のコンテンツストアで格納する段階と,を含む方法。
【請求項18】
前記コンピュータクラウドが,前記コンピュータクラウドに格納された複数個の前記ユーザがアップロードしたコンテンツの少なくとも一つを前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間で選択的に同期する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピュータクラウドによる前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,バックグラウンドで行われ,前記デバイスの電源に基づいてなされ,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスが電源にプラグインされた時に作動され,バックグラウンドで行われる前記同期は,前記デバイスがバッテリ電源で動作する時に減速又は非作動とされる,請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンピュータクラウドによる前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと前記デバイスとの間での選択的な前記同期は,他の作動についての前記デバイスの利用に基づいており,前記同期は,前記デバイスが利用されていない時に促進され,前記同期は,前記デバイスが利用されている時に抑制される,請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの一つは,前記デバイスと前記コンピュータクラウドとを接続する無線ネットワークを介して前記デバイスによってアクセスされる,請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記コンピュータクラウドが,前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを,一又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて推奨する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記コンピュータクラウドで,一又はそれ以上の追加のコンテンツストアを維持する段階と,
前記第1のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツと一又はそれ以上の追加のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つの前記ユーザがアップロードしたコンテンツを推奨する段階と,
を更に含み,
前記コンピュータクラウドは,少なくとも一つのサーバを備えている,請求項22に記載の方法。
【請求項24】
他のユーザに前記デバイスのユーザを,一又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに基づいて紹介する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。」(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項」という。)に補正するものである。

そして,本件補正は,当初翻訳文等に記載した事項の範囲内においてなされており,特許法第17条の2第3項の規定に適合している。

2.目的要件

本件補正が,特許法第17条の2第5項の規定を満たすものであるか否か,すなわち,本件補正が,特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。

2-1.補正事項

(1)補正前の請求項と,補正後の請求項とを比較すると,
補正後の請求項1?2,6?7,11?14,17?18,21?24はそれぞれ,補正前の請求項1?2,6?7,11?14,17?18,21?24に対応する。
補正後の請求項3?4,8?9はそれぞれ,補正後の請求項2に新たな発明特定事項を追加した新たな請求項である。
補正後の請求項5は,補正前の請求項3に対応し,補正前の請求項4,8,9に記載の発明特定事項を追加したものである。
補正後の請求項10は,補正前の請求項10に対応し,補正前の請求項8,9に記載の発明特定事項を追加したものである。
補正後の請求項15,16はそれぞれ,補正後の請求項14,13に新たな発明特定事項を追加した新たな請求項である。
補正後の請求項19,20はそれぞれ,補正後の請求項18に新たな発明特定事項を追加した新たな請求項である。
なお,補正前の請求項5,15,16,19に直接対応する補正後の請求項はない。

(2)補正後の請求項1に係る補正は,下記の補正事項1?7よりなるものである。

<補正事項1>
コンピュータクラウドの定義において,
補正前の請求項1の「1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウド」との記載を,
補正後の請求項1の「1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウド」に変更する補正。

<補正事項2>
第1のコンテンツストアの定義において,
補正前の請求項1の「前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である」との記載を,
補正後の請求項1の「前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたユーザのコンテンツを格納する」に変更する補正。

<補正事項3>
補正前の請求項1の「前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受け」との記載を,
補正後の請求項1の「前記コンピュータクラウドに格納された,ユーザがアップロードしたコンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け」に変更する補正。

<補正事項4>
補正前の請求項1の「前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供する」との記載を,
補正後の請求項1の「前記受信した要求に応じて,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可する」に変更する補正。

<補正事項5>
第2のコンテンツストアの定義において,
補正前の請求項1の「前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストア」との記載を,
補正後の請求項1の「1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを格納する第2のコンテンツストア」に変更する補正。

<補正事項6>
ディスプレイの定義において,
補正前の請求項1の「複数個のデジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項1の「ユーザがアップロードした1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツ」に変更する補正。

<補正事項7>
アプリケーションの定義において,
補正前の請求項1の「1つのデジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項1の「ユーザがアップロードしたコンテンツの1つ」に変更する補正。

(3)補正後の請求項2に係る補正は,下記の補正事項8?9よりなるものである。

<補正事項8>
補正前の請求項2の「該コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項2の「前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つ」に変更する補正。

<補正事項9>
補正前の請求項2の「同期する」との記載を,
補正後の請求項2の「選択的に同期する」に限定する補正。

(4)補正後の請求項3,4,8,9に係る補正は,下記の補正事項10よりなるものである。

<補正事項10>
補正後の請求項2の「選択的に同期する」を更に限定した補正後の請求項3,4,8,9を追加する補正。

(5)補正後の請求項5に係る補正は,下記の補正事項11よりなるものである。

<補正事項11>
補正前の請求項3の「複数のデバイスを更に含み,
各デバイスが,前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイスに該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションを有し」,
「前記コンピュータクラウドは,該コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツを前記複数のデバイスの各々に格納されたデジタルコンテンツと同期する」との記載に,
補正前の請求項4,8,9の発明特定事項を追加して,
補正後の請求項5の
「前記コンピュータクラウドは,前記ユーザがアップロードした複数個のコンテンツの少なくとも一つについての前記コンピュータクラウドと複数のデバイスとの間で選択的に同期するようさらに構成され」に変更する補正。

(6)補正後の請求項6に係る補正は,下記の補正事項12よりなるものである。

<補正事項12>
補正前の請求項6の「前記デバイスを前記コンピュータクラウドと無線で接続する無線ネットワークを更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのデジタルコンテンツが無線ネットワークで前記デバイスにアクセス可能である」との記載を,
補正後の請求項6の「前記コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つは,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続する無線ネットワークで前記デバイスによってアクセスされる」に変更する補正。

(7)補正後の請求項10に係る補正は,下記の補正事項13?15よりなるものである。

<補正事項13>
補正前の請求項10に補正前の請求項8,9の発明特定事項を追加し,
さらに補正前の請求項8の「前記デバイスを前記コンピュータクラウドと接続するリンクを更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのコンテンツが前記リンクでダウンロードされる」との記載を,
補正後の請求項10の「前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つは,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続するリンクを介して前記デバイスにダウンロードされ」に変更する補正。

<補正事項14>
補正前の請求項10の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項10の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

<補正事項15>
補正前の請求項10の「前記システムは,前記ユーザのデジタルコンテンツと一又はそれ以上の他のユーザのデジタルコンテンツとに基づいて1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する推奨エンジンを更に含む」との記載を,
補正後の請求項10の「前記コンピュータクラウドは,一又はそれ以上の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて,前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを前記ユーザに推奨する推奨エンジンを更に含む」に変更する補正。

(8)補正後の請求項11に係る補正は,下記の補正事項16よりなるものである。

<補正事項16>
補正前の請求項11の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項11の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

(9)補正後の請求項12に係る補正は,下記の補正事項17?18よりなるものである。

<補正事項17>
補正前の請求項12の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項12の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

<補正事項18>
補正前の請求項12の「前記コンピュータクラウドは,第1のユーザを第2のユーザに該第1及び第2のユーザの前記複数個のデジタルコンテンツに基づいて紹介するコミュニティユニット」との記載を,
補正後の請求項12の「前記コンピュータクラウドは,前記ユーザを他のユーザに該1つ又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて紹介するコミュニティユニット」に変更する補正。

(10)補正後の請求項13に係る補正は,下記の補正事項19?21よりなるものである。

<補正事項19>
デバイスの定義において,
補正前の請求項13の「複数個のデジタルコンテンツが,1つ又はそれよりも多くのコンピュータ及び1つ又はそれよりも多くのストレージユニットを有するコンピュータクラウドに格納され」,
「該コンピュータクラウドが,ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である第1のコンテンツストアを有し」,
「該複数個のデジタルコンテンツをダウンロード及び対話するためのデバイス」との記載を,
補正後の請求項13の「1つ又はそれ以上のプロセッサを含むコンピュータクラウドに格納されている1つ又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツをダウンロード及び対話するためのデバイス」に変更する補正。

<補正事項20>
第2のコンテンツストアの定義において,
補正前の請求項13の「前記メモリに格納され,前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストア」との記載を,
補正後の請求項13の「1つ又はそれ以上の個数のユーザがアップロードしたコンテンツを格納する,前記メモリに格納されているコンテンツストア」に変更する補正。

<補正事項21>
ディスプレイ及びアプリケーションの定義において,
補正前の請求項13の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項13の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

(11)補正後の請求項14に係る補正は,下記の補正事項22?23よりなるものである。

<補正事項22>
補正前の請求項14の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項14の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

<補正事項23>
補正前の請求項14の「同期される」との記載を,
補正後の請求項14の「選択的に同期される」に変更する補正。

(12)補正後の請求項15?16に係る補正は,下記の補正事項24よりなるものである。

<補正事項24>
補正後の請求項14の「選択的に同期される」を更に限定した補正後の請求項15?16を追加する補正。

(13)補正後の請求項17に係る補正は,下記の補正事項25?30よりなるものである。

<補正事項25>
補正前の請求項17の「1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウド」との記載を,
補正後の請求項17の「1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウド」に変更する補正。

<補正事項26>
補正前の請求項17の「ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストア」との記載を,
補正後の請求項17の「第1のコンテンツストア」に変更する補正。

<補正事項27>
補正前の請求項17の「前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である」との記載を,
補正後の請求項17の「前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたコンテンツを格納する」に変更する補正。

<補正事項28>
補正前の請求項17の「前記ユーザが前記デジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受ける段階」との記載を,
補正後の請求項17の「前記コンピュータクラウドに格納された前記ユーザがアップロードしたコンテンツの一つをダウンロードする要求を前記デバイスから受ける段階」に変更する補正。

<補正事項29>
補正前の請求項17の「前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供する段階」との記載を,
補正後の請求項17の「前記受信した要求に応じて,前記コンピュータクラウドを介して,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可する段階」に変更する補正。

<補正事項30>
補正前の請求項17の「前記デバイスは,
前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイスに前記コンピュータクラウドにからの該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションと,
を有すること」との記載を,
補正後の請求項17の「ユーザがアップロードしたコンテンツの一つを前記コンピュータクラウドから前記デバイスの第2のコンテンツストアで格納する段階」に変更する補正。

(14)補正後の請求項18に係る補正は,下記の補正事項31?32よりなるものである。

<補正事項31>
補正前の請求項18の「デジタルコンテンツ」との記載を,
補正後の請求項18の「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更する補正。

<補正事項32>
補正前の請求項18の「同期する」との記載を,
補正後の請求項18の「選択的に同期する」に変更する補正。

(15)補正後の請求項19?20に係る補正は,下記の補正事項33よりなるものである。

<補正事項33>
補正後の請求項19の「選択的に同期する」を更に限定した補正後の請求項19?20を追加する補正。

(16)補正後の請求項21に係る補正は,下記の補正事項34よりなるものである。

<補正事項34>
補正前の請求項21の「前記デバイスを前記コンピュータクラウドと無線で接続する段階を更に含み,これにより,前記コンピュータクラウドからの前記1つのデジタルコンテンツが前記無線ネットワークで前記デバイスにアクセス可能であること」との記載を,
補正後の請求項21の「前記コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの一つは,前記デバイスと前記コンピュータクラウドとを接続する無線ネットワークを介して前記デバイスによってアクセスされる」に変更する補正。

(17)補正後の請求項22に係る補正は,下記の補正事項35よりなるものである。

<補正事項35>
補正前の請求項22の「前記ユーザに該ユーザのデジタルコンテンツと一又はそれ以上の他のユーザのデジタルコンテンツとに基づいて1つのデジタルコンテンツを推奨する段階」との記載を,
補正後の請求項22の「前記コンピュータクラウドが,前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを,一又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて推奨する段階」に変更する補正。

(18)補正後の請求項23に係る補正は,下記の補正事項36?37よりなるものである。

<補正事項36>
補正前の請求項23の「一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストア」との記載を,
補正後の請求項23の「一又はそれ以上の追加のコンテンツストア」に変更する補正。

<補正事項37>
補正前の請求項23の「前記ユーザに関連付けられた前記第1のコンテンツストアのデジタルコンテンツと前記一又はそれ以上の他のユーザに関連付けられた一又はそれ以上の追加のコンテンツストアのデジタルコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つのデジタルコンテンツを前記ユーザに推奨する段階」との記載を,
補正後の請求項23の「前記第1のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツと一又はそれ以上の追加のコンテンツストアの前記ユーザがアップロードしたコンテンツとの間の相関関係に基づいて,1つの前記ユーザがアップロードしたコンテンツを推奨する段階」に変更する補正。

(19)補正後の請求項24に係る補正は,下記の補正事項38よりなるものである。

<補正事項38>
補正前の請求項24の「第2のデバイスのユーザに第1のデバイスのユーザを該第1及び第2のユーザの前記複数個のデジタルコンテンツに基づいて紹介する段階」との記載を,
補正後の請求項24の「他のユーザに前記デバイスのユーザを,一又はそれ以上の個数の前記ユーザがアップロードしたコンテンツに基づいて紹介する段階」に変更する補正。

(20)補正前の請求項5,15,16,19に係る補正は,下記の補正事項39よりなるものである。

<補正事項39>
デバイス間のコンテンツの直接転送に係る補正前の請求項5,16を削除する補正。
選択可能な種類を列挙した「デバイス」に係る補正前の請求項15を削除する補正。
複数のデバイスを用いる「方法」に係る補正前の請求項19を削除する補正。

2-2.当審の判断

前記補正事項について検討する。

<補正事項1,25について>
前記補正事項1は,「コンピュータクラウド」が有する要素を,「コンピュータ」及び「ストレージユニット」の2つの事項から,「プロセッサ」のみに変更しており,発明特定事項である「ストレージユニット」を削除するものである。該削除は,補正前の請求項1のいずれかの発明特定事項を限定する補正ではない。
したがって,前記補正事項1は,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,特許法第17条の2第5項第2号の,発明特定事項を限定するものであって,その補正前後の当該請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下,「限定的減縮」という。)を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項1の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。
前記補正事項25についても同様である。

<補正事項2,27について>
ア.前記補正事項2は,「第1のコンテンツストア」の定義を,「第1のコンテンツの集合」,すなわち,データそのものから,「コンテンツを格納する」もの,すなわち,データを格納する手段に変更するものである。
また,「コンテンツ」の定義を,「前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツ」から「1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたユーザのコンテンツ」に変更するものである。

イ.前者の補正は,「コンテンツの集合」なる発明特定事項を削除するものである。
そして,前記平成25年12月19日付け拒絶理由通知書の理由3(特許法第36条第6項第2号)の(1-1)において,『請求項1に記載の「コンテンツストア」とは何を意味するのか不明である。(コンテンツを記録した媒体か? コンテンツ(の集合)それ自身か? その他か?)』と通知しており,
「コンテンツストア」の定義を平成26年3月26日付けの手続補正により『コンテンツ(の集合)』に一旦補正した後に,本件補正により,記録媒体のようなデータを格納する手段に再度補正したものである。
最初の補正は「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)」を目的とするものの,本件補正は,「コンテンツストア」を一度『コンテンツ(の集合)』に明りょう化したにも関わらず,明りょうな記載を異なるものに変更するものであり,
特許法第17条の2第5項第4号の「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)」を目的とするものとは認められない。
また,前記補正の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第2号の限定的減縮,第3号の誤記の訂正に該当するものとも認められない。

ウ.後者の補正は,コンテンツを,「ユーザがアップロードした」ものに限定して下位概念化するものである。
そして,これによって当該発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が格別変更されるものではない。
したがって,当該補正の目的は,限定的減縮に該当する。
前記補正事項27についても同様である。

<補正事項3について>

ア.前記補正事項3は,「要求を前記デバイスから受け」るタイミングに係る「前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき」の記載を削除し,
また,「コンテンツ」の定義を,「前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツ」から「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に変更するものである。

イ.前者の補正に関して,補正後の請求項1の「デバイス」の「アプリケーション」の定義において,「前記ユーザが」「コンテンツの1つを視聴したい時」に要求する点が別途特定されており,補正後の請求項1に係る発明全体としてみれば,該補正は,表現上の変更にすぎない。

ウ.後者の補正の目的は,前記補正事項2についてのウ.で検討したとおり,限定的減縮に該当する。

<補正事項4について>
前記補正事項4は,「コンテンツ」へのアクセスの「提供」処理を,「コンテンツストア」へのアクセスの「許可」処理に変更している。
さらに,前記補正事項2について検討したように,「コンテンツストア」自体の定義がデータから格納手段に変更されている。
該補正は,(1)格納手段へのアクセスが許可,すなわち,認証された後に,(2)格納手段内のデータへのアクセスを実際に提供する処理を実現するものではなく,
(2)個別のデータへのアクセス提供処理を,(1)格納手段全体へのアクセス認証処理に変更するものである。両者は,関連する処理ではあるものの,後者が前者を限定した処理とは言えない。
したがって,前記補正事項4は,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項4の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

<補正事項5,20について>
ア.前記補正事項5は,「第2のコンテンツストア」について,「ユーザに関連付けられた」という限定を削除し,
「第2のコンテンツストア」の定義を,「第2のコンテンツの集合」,すなわち,データそのものから,「コンテンツを格納する」もの,すなわち,データを格納する手段に変更するものである。

イ.前者の補正に関して,発明特定事項を削除するものである。
したがって,該補正事項は,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

ウ.後者の補正に関して,前記補正事項2についてのイ.で検討したとおり,前記補正の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。
前記補正事項20についても同様である。

<補正事項6?8,14,16?17,21?22,31について>
これらの補正事項は,前記補正事項2についてのウ.で検討したとおり,限定的減縮に該当する。

<補正事項9,23,32について>
前記補正事項9は,「同期する」処理を「選択的に」行うように限定して下位概念化する補正であるものの,その解決しようとする課題は,
補正前の請求項2では,「あるコンテンツを,コンピュータクラウド側でもデバイス側でも視聴することができるようにすること」であったが,
補正後の請求項2においては,コンテンツの同期を選択的に行うことで,「データコストを低減する,バッテリの消耗を防止する,同期がコンピュータの全体的な作業を妨げないようにする」という課題を追加するものとなっている。
この補正後の課題は,補正前の課題を概念的に下位にしたものでも,同種のものでもないなど,技術的に密接に関連しているとはいえないから,当該補正は,発明が解決しようとする課題を変更するものである。
したがって,当該補正は限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項2の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。
前記補正事項23,32についても同様である。

<補正事項10,24,33について>
前記補正事項10は,補正後の請求項2の補正事項9の「選択的に同期する」際の,選択的動作の基準として,「デバイスの電源」や「バッテリ電源」,「デバイスの利用」状態,「接続するネットワーク」のコストを追加した新たに補正後の請求項3,4,8,9を追加するものである。
しかるに,新たに請求項を追加する補正事項が,限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項2の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

<補正事項11について>
前記補正事項11は,補正前の請求項4,8,9の発明特定事項を補正前の請求項3に追加するものである。
補正前の請求項8,9の発明特定事項を追加する補正は,補正前の請求項3が含む,いずれかの発明特定事項を限定する補正ではない。
したがって,前記補正事項11は,補正前の請求項3に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,特許法第17条の2第5項第2号の,発明特定事項を限定するものであって,その補正前後の当該請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下,「限定的減縮」という。)を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項11の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

さらに,補正前の請求項8の発明特定事項について検討すると,
前記補正事項11は,「同期する」処理を「選択的に同期する」処理に変更するものであるが,
該補正に関して,前記補正事項9について検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。

<補正事項12,34について>
前記補正事項12は,無線ネットワークについて表現上の変更を行い,
「コンピュータクラウドからの前記1つのデジタルコンテンツ」を「コンピュータクラウドに格納されている前記ユーザがアップロードしたコンテンツの1つ」に変更している。
当該補正事項の目的は,前記補正事項2についてのウ.で検討したとおり,限定的減縮に該当する。
前記補正事項34についても同様である。

<補正事項13について>
前記補正事項13は,補正前の請求項8のリンクについて表現上の変更を行い,「1つのコンテンツ」を「ユーザがアップロードしたコンテンツの1つ」に変更したものを補正前の請求項10に追加するものである。
該追加は,補正前の請求項10が含む,いずれかの発明特定事項を限定する補正ではない。
したがって,前記補正事項13は,補正前の請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,特許法第17条の2第5項第2号の,発明特定事項を限定するものであって,その補正前後の当該請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下,「限定的減縮」という。)を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項13の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

<補正事項15,35について>
ア.前記補正事項15は,
(ア)動作主体を「システム」から「コンピュータクラウド」に変更し,
(イ)「他のユーザ」に係る発明特定事項を削除し,
(ウ)「ユーザのデジタルコンテンツ」を「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に限定し,
(エ)参照対象を「コンテンツとに基づいて」を「コンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて」に変更するものである。

イ.(ア),(ウ),(エ)の補正事項は,それぞれ補正前の請求項10の発明特定事項を限定して下位概念化する補正である。
そして,これによって当該発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が格別変更されるものではない。
したがって,当該補正事項の目的は,限定的減縮に該当する。

ウ.(イ)の補正事項について,「他のユーザ」に係る発明特定事項を削除する補正は,補正前の請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,限定的減縮を目的とするものとは認められない。また,前記補正事項10の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。
前記補正事項35についても同様である。

<補正事項18,38について>
前記補正事項18は,「第1のユーザ」及び「第2のユーザ」を,それぞれ「ユーザ」及び「他のユーザ」に表現を変更し,
「デジタルコンテンツに基づいて」を「ユーザがアップロードしたコンテンツに関連付けられたメタデータに基づいて」に変更しており,
コンテンツに基づく処理を,そのメタデータに基づく処理を限定して下位概念化する補正である。
そして,これによって当該発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が格別変更されるものではない。
したがって,当該補正事項の目的は,限定的減縮に該当する。
前記補正事項38についても同様である。

<補正事項19について>
前記補正事項19は,「コンピュータクラウド」について,前記補正事項1,2と同様の補正をしており,
前記補正事項1について,及び補正事項2についてのイ.で検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。

<補正事項26について>
前記補正事項5についてのイ.で検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。

<補正事項29について>
前記補正事項4について検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。

<補正事項30について>
前記補正事項30は,「デバイス」の定義において,補正前の請求項17の「前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイ」を削除しており,
補正後の請求項17に,これに対応する「表示する段階」等を設けてもいない。
「ディスプレイ」又は,これに相当する発明特定事項を削除する補正は,補正前の請求項17に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項17の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

<補正事項36について>
前記補正事項36は,「追加のコンテンツストア」について,「他のユーザに関連付けられた」との限定を削除している。
該補正は,補正前の請求項23に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではなく,限定的減縮を目的とするものとは認められない。
また,前記補正事項23の目的が,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,第3号の誤記の訂正,第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとも認められない。

<補正事項37について>
ア.前記補正事項37は,
(ア)「第1のコンテンツストア」について「ユーザに関連付けられた」との限定を削除し,
(イ)「追加のコンテンツストア」について「他のユーザに関連付けられた」との限定を削除し,
(ウ)「デジタルコンテンツ」を「ユーザがアップロードしたコンテンツ」に限定するものである。
イ.(ア)の補正事項について,前記補正事項5についてのイ.で検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。
ウ.(イ)の補正事項について,前記補正事項36について検討したとおり,前記補正事項の目的が,特許法第17条の2第5項の各号に該当するものと認められない。
エ.(ウ)の補正事項について,前記補正事項2についてのウ.で検討したとおり,限定的減縮に該当する。

<補正事項39について>
前記補正事項39の目的は,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除に該当する。

2-3.まとめ

したがって,前記補正事項1?2,4?5,9?11,13,15,19?20,23?27,29?30,32?33,35?37について検討したように,本件補正の特許請求の範囲についてする補正は,特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものではない。

3.独立特許要件

以上のように,本件補正は,特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものではないものの,仮に,前記各補正事項が限定的減縮を目的とした補正であったとして,補正後の請求項1?24に記載された発明が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か,すなわち,補正後の請求項1?24に記載されている事項による特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて以下に検討する。

3-1.特許法第36条第6項第2号について

(1)補正後の請求項1に記載の「1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウド」について,
該「コンピュータクラウド」は,「1つのプロセッサ」のみを有する「コンピュータクラウド」を含むものであるが,
シングルプロセッサのコンピュータクラウドという技術的事項が何を意味するのか特定できない。
また,本願明細書を参酌しても,段落【0011】には「コンピュータクラウド(複数の処理ユニットベースのデバイス,ストレージデバイスなどを有する)」と記載され,段落【0012】には,コンピュータクラウドではなく「デバイスのプロセッサ」が記載されているものの,「プロセッサ」と「コンピュータクラウド」との関係や,「コンピュータクラウド」内の「プロセッサ」の数については特定されていない。
したがって,補正後の請求項1に係る発明の範囲は,不明確である。
補正後の請求項2?24も同様である。

(2)補正後の請求項1に記載の「アップロード」について,具体的にどのような処理を意味するのか特定できない。
例えば,アップロード処理に「デバイス」を用いるか否かや,アップロードコンテンツの取得元について特定できない。
該「アップロード」は,一般的な用語であり,普通の意味では,ユーザが指定した特定のデータをサーバ等に転送する処理である。
一方,本願明細書を参酌すると,段落【0012】には「各デバイス上の各プラグイン/アプリケーション/複数のコード行は,自動的にバックグラウンド(受動同期)で又は低価格ネットワークが利用可能な時にデジタルコンテンツのインテリジェンスアップロードをもたらすためにコンピュータデバイス28にデバイス上でデジタルコンテンツの全てを転送することができる。」と記載されるものの,
補正後の請求項1では,デバイス上でデジタルコンテンツの「全て」を自動的に転送する特殊な「インテリジェンスアップロード」か否か特定する事項は記載されていない。
したがって,補正後の請求項1に係る発明の範囲は,不明確である。
補正後の請求項2?24も同様である。

(3)補正後の請求項2に記載の「さらに」として追加的な構成として定義される「選択的に同期する」処理について,
補正後の請求項2が引用する補正後の請求項1には「アップロード」処理及び「ダウンロード」処理が記載されており,
同期処理,アップロード処理及びダウンロード処理は,いずれもコンピュータクラウドとデバイスとの間のコンテンツ転送処理であるが,相互の関係が特定されておらず不明確である。
したがって,補正後の請求項2に係る発明の範囲は,不明確である。
補正後の請求項3?48?9,14?15,18?20も同様である。

(4)補正後の請求項2に記載の「選択的に同期する」処理について,
何を基準として「選択」する場合までを含むのか特定されておらず,「選択的に同期する」処理の示す技術的範囲が不明瞭である。
例えば,通信できる場合のみ同期する場合や,ユーザの嗜好やコンテンツのサイズでコンテンツを選択して同期する場合も含むのか,補正後の請求項2の日本語表現では特定できない。
したがって,補正後の請求項2に係る発明の範囲は,不明確である。
補正後の請求項14,18も同様である。

(5)補正後の請求項8に記載の「選択的な前記同期は,前記デバイスを前記コンピュータクラウドに接続するネットワークに基づいている」ことについて,
該同期処理が,ネットワークの何に基づいて,どのような選択的動作を行うのか特定できず不明確である。
補正後の請求項9も同様である。

(6)小括
よって,補正後の特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず,補正後の請求項1?24に係る発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3-2.特許法第29条第2項について

上記「3-1.特許法第36条第6項第2号について」で検討したように,本件補正後の請求項1?24に係る発明は明確でないものの,仮に,本件補正後の請求項1?24に記載のとおりのものとして,以下の検討を行う。

(1)本件補正発明

本件補正発明は,上記平成26年11月20日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲,明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのもの(以下,「本件補正発明」という。)と認める。

「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたユーザのコンテンツを格納する,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドは,
前記コンピュータクラウドに格納された,ユーザがアップロードしたコンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け,
前記受信した要求に応じて,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可するよう構成され,
前記デバイスは,
1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを格納する第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記ユーザがアップロードした1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納されたユーザがアップロードしたコンテンツの1つを視聴したい時に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを格納するアプリケーションと,を有することを特徴とするシステム。」

(2)引用文献

本願の優先日前に頒布され,原審の拒絶査定の理由である前記平成25年12月19日付けの拒絶理由通知において引用された,特開2009-44374号公報(平成21年2月26日出願公開,以下,「引用文献1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)


A.「【0040】
図1に示されるネットワークシステム100は,複数の装置により構成され,サーバから端末装置に情報を容易に提供することができるシステムである。具体的には,ネットワークシステム100の端末装置が,他の装置とプレイリストを交換することにより,音楽データに関する,信頼性の高い情報を容易に収集し,そのプレイリストに基づいて音楽データをサーバより取得することができるシステムである。つまり,ネットワークシステム100は,サーバが音楽データを端末装置に対して適切に提供するシステムである。」

B.「【0045】
例えば,携帯電話機101は,WEBサーバ141に接続し,WEBサーバ141が提供するWEBサイトより,プレイリストや音楽データを取得する(供給を受ける)ことができる。また,携帯電話機101は,例えば,音楽販売サーバ142に接続し,音楽販売サーバ142が提供する音楽販売サイトにおいて音楽データを購入し,取得することができる。さらに,携帯電話機101は,SNSサーバ143が提供するSNS(Social Network Sites)にログインし,そのSNSにおいて他のユーザや管理者が提供するプレイリストを取得することができる。また,携帯電話機101は,メール配信サーバ144より配信される,プレイリストが記述された電子メール,若しくは,プレイリストが添付された電子メールを取得することができる。」

C.「【0051】
携帯電話機101は,以上のように取得したプレイリストや音楽データを自分自身に属するデータとして記憶する。携帯電話機101は,記憶している音楽データを再生し,その楽曲の音声を出力することができる。また,携帯電話機101は,記憶しているプレイリストを用いて,そのプレイリストに含まれる楽曲の音楽データを他の装置より取得することができる。詳細については後述するが,プレイリストの各楽曲についての情報の中に,音楽データの提供元の情報(例えば,音楽データを提供するサイトのURL(Uniform Resource Locator)等)が含まれている場合がある。この場合,携帯電話機101は,この提供元の情報を用いて音楽データを取得する(提供を受ける)ことができる。例えば,携帯電話機101は,QRコード122を撮像することにより得られたプレイリストに基づいて,そのプレイリストに含まれる楽曲の音楽データを音楽販売サーバ142より取得(購入)することができる。換言すれば,携帯電話機101のユーザは,プレイリストによって音楽データの存在を把握し,興味を持てば,その音楽データを容易に取得(購入)することができる。
【0052】
以上のように,携帯電話機101が記憶するプレイリストは,必ずしも,携帯電話機101が記憶する音楽データの楽曲についてのプレイリストでなくてもよい。つまり,携帯電話機101に記憶される音楽データとプレイリストは互いに対応していなくてもよい。ただし,後述するように音楽データの共有のために,携帯電話機101は,自身が記憶する音楽データの楽曲に関するプレイリストは全て記憶しておくようにするのが望ましい。
【0053】
携帯電話機101は,また,プレイリストを用いて,音楽データを他の装置と共有することができる。例えば,携帯電話機101は,自身が記憶するプレイリスト(携帯電話機101に属するプレイリスト)を他の装置に供給し,他の装置が記憶するプレイリスト(他の装置に属するプレイリスト)を取得する(互いのプレイリストを交換する)。このプレイリストの交換により,携帯電話機101は,自分自身に属するプレイリストと,交換相手である他の装置に属するプレイリストの両方を有する。このとき携帯電話機101は,他の装置から取得したプレイリストを他の装置に関連付けて管理する。
【0054】
このようなプレイリストの交換により,携帯電話機101は,他の装置が記憶する音楽データをストリーミング再生させ,ストリーミングデータとして取得することができる。例えば,携帯電話機101のユーザが,他の装置より取得したプレイリストの中の楽曲を選択すると,携帯電話機101は,そのプレイリストが対応する他の装置に対して,選択された楽曲の再生を要求する。再生要求を受けた他の装置は,要求された楽曲の音楽データをストリーミングデータとして携帯電話機101に送信する。携帯電話機101は,他の装置より供給されたストリーミングデータを逐次的に再生し,その音声を出力する。」

D.「【0072】
図2において,携帯電話機101のCPU(Central Processing Unit)201は,ソフトウェアプログラムを実行することにより,各種の処理を実行する演算処理部である。CPU201は,バス204を介してROM(Read Only Memory)202およびRAM(Random Access Memory)203と相互に接続されている。ROM202には予めソフトウェアプログラムやデータが格納されている。RAM203には,ROM202や記憶部213に格納されているソフトウェアプログラムやデータがロードされる。RAM203にはまた,CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0073】
CPU201,ROM202,およびRAM203は,バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた,入出力インタフェース210も接続されている。
【0074】
入出力インタフェース210には,キーボード,マウスなどよりなる入力部211,CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや,LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ,並びにスピーカなどよりなる出力部212,ハードディスクなどより構成される記憶部213が接続されている。さらに,入出力インタフェース210には,モデムなどより構成され,公衆電話回線網を含むネットワーク131を介して他の装置と音声通信,または,パケット通信を行う電話回線網通信部214が接続されている。
・・・(中略)・・・
【0076】
ブルートゥース通信部217は・・・(中略)・・・通信相手より取得したデータを,入出力インタフェース210を介してRAM203または記憶部213等に供給して保持させることもできる。」

E.「【0281】
なお,以上においてはコンテンツデータの例として音楽データを用いて販売や共有について説明したが,コンテンツデータはどのようなデータであってもよく,例えば映像データや文書データ等,音楽データで無くもよい。・・・(中略)・・・
【0282】
上述した一連の処理は,ハードウェアにより実行させることもできるが,ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には,そのソフトウェアを構成するプログラムが,専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ,または,各種のプログラムをインストールすることで,各種の機能を実行することが可能な,例えば汎用のパーソナルコンピュータ,または,複数の装置よりなる情報処理システムの情報処理装置などに,プログラム記録媒体からインストールされる。」

ここで,前記引用文献1に記載されている事項を検討する。

(ア)前記Aの「ネットワークシステム100は,複数の装置により構成され,サーバから端末装置に情報を容易に提供することができるシステムである。」との記載,前記Bの「携帯電話機101は,WEBサーバ141に接続し,WEBサーバ141が提供するWEBサイトより,プレイリストや音楽データを取得する」,「携帯電話機101は,例えば,音楽販売サーバ142に接続し,音楽販売サーバ142が提供する音楽販売サイトにおいて音楽データを購入し,取得することができる。」との記載,前記Cの段落【0051】の「また,携帯電話機101は,記憶しているプレイリストを用いて,そのプレイリストに含まれる楽曲の音楽データを他の装置より取得することができる。」,「携帯電話機101は,QRコード122を撮像することにより得られたプレイリストに基づいて,そのプレイリストに含まれる楽曲の音楽データを音楽販売サーバ142より取得(購入)することができる。」との記載,前記Cの段落【0053】の「携帯電話機101は,また,プレイリストを用いて,音楽データを他の装置と共有することができる。」との記載,前記Eの段落【0281】の「コンテンツデータの例として音楽データを用いて販売や共有について説明したが,コンテンツデータはどのようなデータであってもよく,例えば映像データや文書データ等,音楽データで無くもよい。」との記載からすると,
引用文献1に記載の「ネットワークシステム」は,「携帯電話機」と「他の装置」が,映像データを含む「コンテンツデータ」を共有する点が読みとれる。

したがって,引用文献1には,
“ユーザが複数のサーバから購入したコンテンツデータを携帯電話機と複数の他の装置との間で共有するためのネットワークシステム”
が記載されていると認められる。

(イ)前記Cの段落【0054】の「このようなプレイリストの交換により,携帯電話機101は,他の装置が記憶する音楽データをストリーミング再生させ,ストリーミングデータとして取得することができる。」との記載からすると,プレイリストに,複数の音楽データの情報が含まれることは明らかであるから,
引用文献1には,
前記「他の装置」が“複数のコンテンツデータを記憶”することが記載されていると認められる。

(ウ)前記Cの段落【0054】の「携帯電話機101のユーザが,他の装置より取得したプレイリストの中の楽曲を選択すると,携帯電話機101は,そのプレイリストが対応する他の装置に対して,選択された楽曲の再生を要求する。再生要求を受けた他の装置は,要求された楽曲の音楽データをストリーミングデータとして携帯電話機101に送信する。」との記載からすると,
引用文献1には,
前記「他の装置」が“ユーザがコンテンツデータを選択したとき,携帯電話機から再生要求を受け,記憶するコンテンツデータを携帯電話機に送信”することが記載されていると認められる。

(エ)前記Cの段落【0051】の「携帯電話機101は,以上のように取得したプレイリストや音楽データを自分自身に属するデータとして記憶する。」との記載からすると,
引用文献1には,
前記「携帯電話機」が“取得した複数のコンテンツデータを記憶”することが記載されていると認められる。

(オ)前記Dの段落【0072】の「携帯電話機101のCPU(Central Processing Unit)201は,ソフトウェアプログラムを実行することにより,各種の処理を実行する演算処理部である。」との記載,前記Dの段落【0073】の「CPU201,ROM202,およびRAM203は,バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた,入出力インタフェース210も接続されている。」との記載,前記Dの段落【0074】の「入出力インタフェース210には・・・(中略)・・・ディスプレイ・・・(中略)・・・などよりなる出力部212,ハードディスクなどより構成される記憶部213が接続されている。」との記載からすると,
前記「携帯電話機」は,出力部としてディスプレイを有することが読みとれる。

前記Eの段落【0281】の「コンテンツデータの例として音楽データを用いて販売や共有について説明したが,コンテンツデータはどのようなデータであってもよく,例えば映像データや文書データ等,音楽データで無くもよい。」との記載からすると,
映像データを含む「コンテンツデータ」は,ディスプレイに出力されることは技術常識であるから,
前記「携帯電話機」は,コンテンツデータを出力するディスプレイを有することが読みとれる。

前記Cの段落【0051】の「携帯電話機101は,記憶している音楽データを再生し,その楽曲の音声を出力することができる。また,携帯電話機101は,記憶しているプレイリストを用いて,そのプレイリストに含まれる楽曲の音楽データを他の装置より取得することができる。」との記載,前記Cの段落【0054】の「携帯電話機101は,そのプレイリストが対応する他の装置に対して,選択された楽曲の再生を要求する。」,「携帯電話機101は,他の装置より供給されたストリーミングデータを逐次的に再生し,その音声を出力する。」との記載からすると,
前記「携帯電話機」は,自身が記憶しているコンテンツデータ又は他の装置が記憶しているコンテンツデータを出力することが読みとれる。

したがって,引用文献1には,
前記「携帯電話機」が“自身が記憶しているコンテンツデータ又は他の装置が記憶しているコンテンツデータを出力するディスプレイを有”することが記載されていると認められる。

(カ)前記Cの段落【0054】の「携帯電話機101のユーザが,他の装置より取得したプレイリストの中の楽曲を選択すると,携帯電話機101は,そのプレイリストが対応する他の装置に対して,選択された楽曲の再生を要求する。」,「携帯電話機101は,他の装置より供給されたストリーミングデータを逐次的に再生し,その音声を出力する。」との記載からすると,
前記「携帯電話機」は,ユーザがコンテンツデータを選択したとき,他の装置に対して,コンテンツデータの再生を要求してコンテンツデータを取得することが読みとれる。

前記Cの段落【0051】の「携帯電話機101は,以上のように取得したプレイリストや音楽データを自分自身に属するデータとして記憶する。」との記載,前記Dの段落【0076】の「通信相手より取得したデータを,入出力インタフェース210を介してRAM203または記憶部213等に供給して保持させる」との記載からすると,
前記「携帯電話機」は,取得したコンテンツデータを記憶することが読みとれる。

前記Dの段落【0072】の「携帯電話機101のCPU(Central Processing Unit)201は,ソフトウェアプログラムを実行することにより,各種の処理を実行する演算処理部である。」との記載,前記Eの段落【0282】の「上述した一連の処理は,ハードウェアにより実行させることもできるが,ソフトウェアにより実行させることもできる」との記載からすると,
前記「携帯電話機」は,上記の処理を実行するソフトウェアを有することが読みとれる。

したがって,引用文献1には,
前記「携帯電話機」が“ユーザがコンテンツデータを選択したとき,他の装置に対して,コンテンツデータの再生を要求してコンテンツデータを取得して記憶するソフトウェアを有”することが記載されていると認められる。

(キ)以上,(ア)?(カ)から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

「ユーザが複数のサーバから購入したコンテンツデータを携帯電話機と複数の他の装置との間で共有するためのネットワークシステムであって,
前記他の装置は,
複数のコンテンツデータを記憶し,
ユーザがコンテンツデータを選択したとき,携帯電話機から再生要求を受け,
記憶するコンテンツデータを携帯電話機に送信し,
前記携帯電話機は,
取得した複数のコンテンツデータを記憶し,
自身が記憶しているコンテンツデータ又は他の装置が記憶しているコンテンツデータを出力するディスプレイを有し,
ユーザがコンテンツデータを選択したとき,他の装置に対して,コンテンツデータの再生を要求してコンテンツデータを取得して記憶するソフトウェアを有する
ネットワークシステム。」

(3)参考文献

ア.参考文献1に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布され,平成26年7月18日付け拒絶査定において引用された,特開2001-297263号公報(平成13年10月26日出願公開,以下,「参考文献1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

F.「【0061】・・・(中略)・・・なお,例えば実際においては,ユーザはコンテンツデータの権利のみを購入しておき,コンテンツデータ自体は,ダウンロードせずにサーバ1側にて割り当ててある自分の楽曲倉庫に対して保管するものとしておくようにすることも可能である。」

G.「【0076】倉庫容量情報は,現在ユーザが使用しているとされる楽曲倉庫としてのデータ容量を示す情報である。ユーザは,楽曲としてのコンテンツデータを預け入れるのにあたって,配信センタ側に自分の倉庫としての記憶容量の割り当てを行ってもらうようにされる。具体的には,例えばサーバ1における記憶部101の一部領域の容量が倉庫として割与えられる。・・・(後略)・・・」

H.「【0106】4.コンテンツ戻し処理
続いては,楽曲倉庫に預け入れてあるとされるコンテンツデータを,携帯端末装置3側に戻す場合の処理について,図8の処理遷移図を参照して説明する。この場合にも,例えばユーザの操作に応じて,ユーザ側からは,ステップS301により,楽曲倉庫に預け入れてあるコンテンツデータの戻しについてのリクエストを送信する。配信センタ側においては,ステップS302の処理によってこれを受信すると,ステップS303にてユーザ確認要求の送信を行う。この場合にも,ステップS303?ステップS307として示される処理は,先の図6のステップS103?S107までによるユーザ認証処理と同様となる。そしてステップS307において適正なユーザ認証結果が得られたとすれば,ステップS308としての処理によって,ユーザが楽曲倉庫から携帯端末装置3側に戻したいとするコンテンツデータの確認要求を送信する。ユーザ側では,ステップS309においてこれを受信すると,次のステップS310において戻してもらいたいとするコンテンツデータを示すコンテンツIDを通知することを行う。
【0107】配信センタ側では,ステップS311により上記したコンテンツIDを受信すると,このコンテンツIDを基に,そのユーザのユーザIDにより管理されるデータベース内容を参照して,この戻しのためのリクエストのあったコンテンツデータが,預け入れの許可が与えられるコンテンツデータであるか否かについての確認を行う。例えば,曲購入データベース111-1及び預け入れ状況データベース111-2を参照することで,この戻しのためのリクエストのあったコンテンツデータは,現在ユーザがその権利を取得しているものであり,また,現在,楽曲倉庫に対して保管されているものとして扱われているか,などについての確認を行うものとされる。
【0108】そして,例えばステップS312の処理結果として,リクエストされたコンテンツデータについて預け入れの許可が与えてよいとの確認が得られると,次のステップS313において,例えばサーバ1が処理を行う場合で在れば,記憶部102のコンテンツデータ格納領域110の中から,このリクエストのあったコンテンツデータについての検索を行う。そして,次のステップS314においては,検索したコンテンツデータと,このコンテンツデータのコピー転送によって変更された内容のTOCを送信するようにされる。
【0109】ユーザ側においては,ステップS315において,送信されてきたコンテンツデータとTOCとの受信を開始して,ステップS316において,引き続きこれらデータの受信及び記憶部への記憶のための処理を実行する。・・・(後略)・・・」

I.「【0143】また,このTOCの構造例を図14に示す。この場合のTOCもまたユーザIDにより特定されるユーザごとに特定となる値とされることから,先頭にはユーザIDが配置される。そして,このユーザIDの配下に,サーバTOC,配信端末TOC,携帯端末TOCが配置される。サーバTOCは,サーバ1に記憶されるアクセス可能なコンテンツのコンテンツIDと,仮想アドレスとが対応付けられて形成される。同様にして,配信端末TOCは,配信端末装置2に記憶されるコンテンツのコンテンツIDと仮想アドレスとが対応付けられて形成され,携帯端末TOCは,携帯端末装置3に記憶されるコンテンツのコンテンツIDと仮想アドレスとが対応付けられて形成される。
【0144】このような構造のTOCを,サーバ1,配信端末装置2,携帯端末装置3が共有するようにしても,例えば図12に示したようにしてコンテンツデータのダウンロード時において,各装置が,他の装置に記憶されるコンテンツにアクセスすることが可能とされる。例えば携帯端末装置3が,配信端末装置2若しくはサーバ1においてコンテンツを記憶している記憶部に対してアクセスすることが可能とされるものである。さらには,例えば携帯端末装置3が,配信端末装置2を介することなくサーバ1と相互通信を行う場合であっても,携帯端末装置3はサーバ1に記憶されたコンテンツにアクセスすることが容易に可能となるものである。」

J.「【0148】・・・(中略)・・・また,データ配信システムにより配信されるコンテンツとしてのデータも,楽曲としてのオーディオデータを主とするものに限定されるものではなく,例えば,ゲームのためのソフトウェア,映像データ,及び小説などの文章のテキストデータなどをはじめ,各種考えられるものである。」

イ.参考文献2に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布された特開2007-317178号公報(平成19年12月6日出願公開,以下,「参考文献2」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

K.「【0010】
以下,この発明の一実施形態について説明する。図1は,一実施形態のシステム構成を概略的に示す。参照符号1および2がコンテンツを蓄積するためのサービス事業者(以下,コンテンツプロバイダと適宜称する)のサーバを示す。図1の例では,2つのサーバが設けられているが,1つのサーバを設ける構成,または3以上のサーバが存在する構成が可能である。サービス事業者は,オーディオコンテンツ,ビデオコンテンツ等をインターネット等のネットワーク3を介してユーザに配信する。一例として,ユーザは,予め登録されており,サービス事業者によって管理されている者に限定される。
【0011】
ネットワーク3を介してサーバ1および2がユーザ端末4,5,6と接続されている。通常,図示しないが,より多数のユーザ端末が存在している。ユーザ端末は,具体的に,パーソナルコンピュータ,携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants)等である。ユーザ端末4,5,6は,サーバ1または2との間で,ネットワーク3を介してコンテンツファイルのアップロードまたはダウンロードを行う。
・・・(中略)・・・
【0013】
ラベル付けの方法として,ユーザの識別情報(ユーザIDと称する)が利用される。予めユーザ登録を行う際に,ユーザIDが登録される。次に,ユーザが自分でコンテンツファイルをサーバ1または2にアップロードする場合に,ユーザIDおよび必要に応じてパスワードを入力してからコンテンツファイルのアップロードを行う。サーバ管理者としてのコンテンツプロバイダは,ユーザIDおよびパスワードによってアクセスした者を認証し,アップロードされたコンテンツファイルをユーザIDと関連付けてサーバ上に蓄積する。あるコンテンツが複数のユーザによって所有される場合もありうる。サーバの管理用のデータベースには,ユーザとコンテンツとの関連の情報が記録される。
【0014】
所望のコンテンツファイルをダウンロードするために,ユーザがサーバ1または2にアクセスする場合には,ユーザIDおよびパスワードの入力がなされ,サーバ側によってアクセスした者が正規の者であることが認証される。・・・(後略)・・・」

L.「【0018】
この一実施形態では,サーバに蓄積している自分のコンテンツファイルを自由に記録(ダウンロード)または再生(ストリーミング)が可能である。」

ウ.参考文献3に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布された特表2005-515526号公報(平成17年5月26日公表,以下,「参考文献3」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

M.「【0010】
・・・(中略)・・・分散化データベース管理システムは,クライアントが,容易に,そのローカル・データベースにデータを維持し,そして,そのローカル・データベースを,メインサーバ・データベースに同期させることを可能にする。それは,また,サーバと,そのクライアントとの間のセキュアなデータ伝送リンクを備えている。」

N.「【0042】
データベースの一貫性および正確性の維持のための方法
・・・(中略)・・・システムへの伝送が,最終的に可能であるときには,中央データベースおよびクライアント・データベースを持ってくるために必要とされるオブジェクトの全てを,完全に同期して伝送することが可能でなくても,オブジェクトの複製は,常に,サーバデータベースの一貫性を持つサブセットに帰着しなければならない。」

P.「【0097】
オーセンティケーション過程が成功したと仮定すると,両当事者は,全二重方式電話線を,2つの一方向放送チャンネルとして扱う。新しいスライスが,クライアントに配信され,そして,収集されるべき視聴データが,送り返される。全てのデータが配信されると,接続が,終了する。
・・・(中略)・・・
【0099】
3.アップロードされた情報は,サーバによって同様に扱われる。それは,中央データベース内に複製されるべきテレビジョン視聴オブジェクトを表わすと仮定される。しかしながら,そのサービスに属する多くのクライアントが存在するかもしれないから,多くのアップロードされた視聴オブジェクトが存在するかもしれない。したがって,アップロードされたオブジェクトは,それらのソースに関する情報を含むナビゲート可能な属性を割り当てられる。・・・(後略)・・・」

(4)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア.引用発明の「ユーザが複数のサーバから購入したコンテンツデータを携帯電話機と複数の他の装置との間で共有するためのネットワークシステム」と本件補正発明の「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステム」を対比する。
引用発明の「複数の他の装置」及び「携帯電話機」は,前記携帯電話機が前記他の装置からコンテンツを取得して再生することで共有するものであるから,それぞれ「コンピュータクラウド」及び「デバイス」に対応するところ,
引用発明の「他の装置」は,「コンピュータ」の一態様であり,
「コンピュータ」が「プロセッサ」を有することは,技術常識である。
引用発明の「携帯電話機」は,「デバイス」の一態様であり,
引用発明の「コンテンツデータ」は,本件補正発明の「コンテンツ」に相当する。
そうすると,両者は,
“ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステム”である点で一致していると言える。

イ.引用発明の「複数のコンテンツデータを記憶」する「他の装置」と,本件補正発明の「ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のユーザがアップロードしたユーザのコンテンツを格納する,前記コンピュータクラウド」を対比する。
引用発明の「他の装置」が記憶する「複数のコンテンツデータ」は,本件補正発明の「コンピュータクラウド」が格納する「コンテンツ」に相当する。
また,コンテンツデータを記憶する機能を有する「他の装置」が,コンテンツの格納手段,すなわち,補正後の請求項1における「コンテンツストア」を有することは明らかである。
そうすると,両者は,後記する点で相違するものの,
“第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツを格納する,前記コンピュータクラウド”である点で共通していると言える。

ウ.引用発明の「他の装置」が「ユーザがコンテンツデータを選択したとき,携帯電話機から再生要求を受け」,「記憶するコンテンツデータを携帯電話機に送信」することと,
本件補正発明の「コンピュータクラウド」が「前記コンピュータクラウドに格納された,ユーザがアップロードしたコンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け」,
「前記受信した要求に応じて,前記コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可する」ことを対比する。

引用発明の「再生要求」が,本件補正発明の「ダウンロードする要求」に相当し,
コンテンツを送信することは,コンテンツへのアクセスさせることといえるから,

そうすると,両者は,後記する点で相違するものの,
“前記コンピュータクラウドに格納された,コンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け,
前記受信した要求に応じて,前記コンテンツへの前記デバイスにアクセスさせる”点で共通していると言える。

エ.引用発明の「取得した複数のコンテンツデータ」を記憶する「携帯電話機」は,
ユーザがコンテンツデータを取得して記憶する「携帯電話機」は,ユーザに関連付けられているといえ,
また,コンテンツデータを記憶する機能を有する「携帯電話機」が,コンテンツの格納手段,すなわち,補正後の請求項1における「コンテンツストア」を有することは明らかであるから,
本件補正発明の「1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを格納する第2のコンテンツストア」を有する「デバイス」に相当する。

オ.引用発明の「携帯電話機」の「自身が記憶しているコンテンツデータ又は他の装置が記憶しているコンテンツデータを出力するディスプレイ」と,
本件補正発明の「デバイス」の「前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記ユーザがアップロードした1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツとを表示するディスプレイ」を対比する。

引用発明の「自身が記憶しているコンテンツデータ」は,本件補正発明の「前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツ」に相当する。
引用発明の「他の装置が記憶しているコンテンツデータ」は,本件補正発明の「前記コンピュータクラウドに格納された」「1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツ」に対応する。
そうすると,両者は,後記する点で相違するものの,
“前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツとを表示するディスプレイ”である点で共通していると言える。

カ.引用発明の「携帯電話機」の「ユーザがコンテンツデータを選択したとき,他の装置に対して,コンテンツデータの再生を要求してコンテンツデータを取得して記憶するソフトウェア」と,
本件補正発明の「デバイス」の「前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納されたユーザがアップロードしたコンテンツの1つを視聴したい時に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該ユーザがアップロードしたコンテンツの1つを格納するアプリケーション」を対比する。

引用発明の「ソフトウェア」が,コンテンツを取得して記憶する,すなわち,メモリに格納するプログラムであるから,本件補正発明の「アプリケーション」に対応するところ,
引用発明の「コンテンツデータ」の「再生を要求」して「記憶」することが,本件補正発明の「コンテンツ」を「要求」して「格納」することに相当し,
ユーザがコンテンツデータを再生するために選択する動作は,ユーザがコンテンツデータを視聴したい場合に行われる動作であるといえるから
両者は,後記する点で相違するものの,
“前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーション”である点で共通していると言える。


キ.以上,ア.?カ.から,本件補正発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

(一致点)

「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのプロセッサを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツを格納する,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドは,
前記コンピュータクラウドに格納された,コンテンツの1つをダウンロードする要求を前記デバイスから受け,
前記受信した要求に応じて,前記コンテンツへの前記デバイスにアクセスさせるよう構成され,
前記デバイスは,
1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを格納する第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションと,を有することを特徴とするシステム。」

(相違点1)
コンピュータクラウドに関し,
本件補正発明では,「第1のコンテンツストア」が,「ユーザに関連付けられ」ているのに対して,
引用発明では,そのような点は特定されていない点。

(相違点2)
第1のコンテンツストアのコンテンツに関し,
本件補正発明では,「ユーザがアップロードした」コンテンツであるのに対し,
引用発明では,そのような点は特定されていない点。

(相違点3)
デバイスからの要求に対して,
本件補正発明では,「コンテンツストアへのアクセスを前記デバイスに許可する」のに対し,
引用発明では,コンテンツを送信するものの,(コンテンツの集合ではなく格納手段である)コンテンツストアへのアクセスを許可する点は特定されていない点。

(5)当審の判断

前記相違点1?相違点3について検討する。

ア.前記相違点1?相違点3について

引用発明では,「他の装置」が「複数のコンテンツデータを記憶」するところ,
コンピュータ装置が,端末装置から送信(アップロード)されたコンテンツやその格納領域を,送信元ユーザに関連付けて格納し,認証やアクセス制御を行う機能を備えることは,例えば参考文献1(上記F?Jを参照),参考文献2(上記K,Lを参照),参考文献3(上記M,N,Pを参照)に記載されるように,本願の優先日前には情報処理の技術分野において適宜に採用されていた周知技術であった。

そうすると,引用発明においても,複数のコンテンツデータを記憶する「他の装置」に,コンテンツやその格納領域をユーザに関連付けて管理する機能を付加すること,すなわち,相違点1?相違点3に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

イ.小括

前記で検討したごとく,相違点1?相違点3に係る構成は当業者が容易に想到し得たものであり,そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本件補正発明の奏する作用効果は,前記引用発明及び当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。
そうすると,本件補正発明は,引用発明及び当該技術分野の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび

以上のように,本件補正は,上記「2.目的要件」で指摘したとおり,本件補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また,仮に本件補正が,限定的減縮を目的とするものであったとしても,前記「3.独立特許要件」で指摘したとおり,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,前記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1.本願発明

平成26年11月20日付けの手続補正は前記のとおり却下されたので,補正後の請求項1に対応する補正前の請求項に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成26年3月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。

「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドは,
前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受け,
前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供するよう構成され,
前記デバイスは,
前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションと,を有することを特徴とするシステム。」

2.引用文献及び参考文献

引用文献1に記載されている引用発明,及び,参考文献に記載されている技術的事項は,前記「第2 平成26年11月20日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3-3.特許法第29条第2項について」の「(2)引用文献」及び「(3)参考文献」に記載したとおりである。

3.対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「ユーザが複数のサーバから購入したコンテンツデータを携帯電話機と複数の他の装置との間で共有するためのネットワークシステム」と本願発明の「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータと1つ又はそれよりも多くのストレージユニットとを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステム」を対比する。
引用発明の「複数の他の装置」及び「携帯電話機」は,前記携帯電話機が前記他の装置からコンテンツを取得して再生することで共有するものであるから,それぞれ「コンピュータクラウド」及び「デバイス」に対応するところ,
引用発明の「他の装置」は,「コンピュータ」の一態様であり,
引用発明の「携帯電話機」は,「デバイス」の一態様であり,
引用発明の「コンテンツデータ」は,本願発明の「コンテンツ」に相当する。
そうすると,両者は,後記する点で相違するものの,
“ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステム”である点で共通していると言える。

(2)引用発明の「複数のコンテンツデータを記憶」する「他の装置」と,本願発明の「ユーザに関連付けられた第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,前記ユーザのために前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,前記コンピュータクラウド」を対比する。
引用発明の「他の装置」が記憶する「複数のコンテンツデータ」は,該「複数のコンテンツデータ」がコンテンツの集合といえるから,本願発明の「第1のコンテンツの集合」である「第1のコンテンツストア」に相当する。
そうすると,両者は,後記する点で相違するものの,
“第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,前記コンピュータクラウド”である点で共通していると言える。

(3)引用発明の「他の装置」が「ユーザがコンテンツデータを選択したとき,携帯電話機から再生要求を受け」,「記憶するコンテンツデータを携帯電話機に送信」することは,
引用発明の「再生要求」が,本願発明の「要求」に相当し,
ユーザがコンテンツデータを再生するために選択する動作は,ユーザがコンテンツデータを視聴したい場合に行われる動作であるといえ,
コンテンツを送信することは,コンテンツへのアクセスを提供する方式の一態様といえるから,
本願発明の「コンピュータクラウド」が「前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受け」,「前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供」することに相当する。

(4)引用発明の「携帯電話機」が記憶する「取得した複数のコンテンツデータ」は,
該「複数のコンテンツデータ」が,コンテンツの集合といえ,
ユーザが取得して「携帯電話機」に記憶されたコンテンツの集合は,ユーザに関連付けらているといえるから,
本願発明の「デバイス」の「前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストア」に相当する。

(5)引用発明の「携帯電話機」の「自身が記憶しているコンテンツデータ又は他の装置が記憶しているコンテンツデータを出力するディスプレイ」は,
本願発明の「デバイス」の「前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイ」に相当する。

(6)引用発明の「携帯電話機」の「ユーザがコンテンツデータを選択したとき,他の装置に対して,コンテンツデータの再生を要求してコンテンツデータを取得して記憶するソフトウェア」は,
引用発明の「ソフトウェア」が,コンテンツを取得して記憶する,すなわち,メモリに格納するプログラムであるから,本願発明の「アプリケーション」に対応するところ,
引用発明の「再生を要求」することが,本願発明の「要求」することに相当し,
ユーザがコンテンツデータを再生するために選択する動作は,ユーザがコンテンツデータを視聴したい場合に行われる動作であるといえるから
本願発明の「デバイス」の「前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーション」に相当する。

(7)以上,(1)?(6)から,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

(一致点)

「ユーザのコンテンツを1つ又はそれよりも多くのコンピュータを有するコンピュータクラウドとデバイスとの間で共有するためのシステムであって,
第1のコンテンツストアを有する前記コンピュータクラウドであって,前記第1のコンテンツストアは,前記コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツを含む第1のコンテンツの集合である,前記コンピュータクラウドを備え,
前記コンピュータクラウドが,
前記ユーザがデジタルコンテンツの1つを視聴したいとき,前記コンピュータクラウドに格納された当該デジタルコンテンツの1つのための要求を前記デバイスから受け,
前記デジタルコンテンツの1つへのアクセスを前記デバイスに提供するよう構成され,
前記デバイスは,
前記ユーザに関連付けられた第2のコンテンツストアであって,前記ユーザのために前記デバイスに格納された1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツを含む第2のコンテンツの集合である第2のコンテンツストアと,
前記デバイスに格納された前記1つ又はそれよりも多くの個数のデジタルコンテンツと前記コンピュータクラウドに格納された前記複数個のデジタルコンテンツとを表示するディスプレイと,
前記ユーザが前記コンピュータクラウドに格納された1つのデジタルコンテンツを視聴したい時に該1つのデジタルコンテンツを該コンピュータクラウドから要求し,かつ該デバイス上に該1つのデジタルコンテンツを格納するアプリケーションを有することを特徴とするシステム。」

(相違点a)
本願発明では,「コンピュータクラウド」が,「コンピュータ」に加えて「ストレージユニット」を有するのに対して,
引用発明では,「コンピュータ」と異なる「ストレージユニット」について特定されていない点。

(相違点b)
コンピュータクラウドに関し,
本願発明では,「コンピュータクラウドに格納された複数個のデジタルコンテンツ」が「ユーザのために」格納され,
「第1のコンテンツの集合」である「第1のコンテンツストア」が,「ユーザに関連付けられ」ているのに対して,
引用発明では,そのような点は特定されていない点。

4.当審の判断

前記相違点a?相違点bについて検討する。

(1)相違点aについて

引用発明は,「他の装置」が「複数のコンテンツデータを記憶」するところ,
コンピュータ装置が,記録媒体として外付けのストレージ装置を採用することは,引用文献等を示すまでもなく,従来から当業者が必要に応じて普通に採用する常とう手段であり,
引用発明においても,複数のコンテンツデータを記憶する「他の装置」に「ストレージユニット」を接続すること,すなわち,上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

(2)相違点bについて

引用発明は,「他の装置」が「複数のコンテンツデータを記憶」するところ,
コンピュータ装置が,端末装置から送信(アップロード)されたコンテンツやその格納領域を,送信元ユーザに関連付けて格納し,認証やアクセス制御を行う機能を備えることは,例えば参考文献1(上記F?J)を参照,参考文献2(上記K,Lを参照),参考文献3(上記M,N,Pを参照)に記載されるように,本願の優先日前には情報処理の技術分野において適宜に採用されていた周知技術であった。

そうすると,引用発明においても,複数のコンテンツデータを記憶する「他の装置」に,コンテンツやその格納領域をユーザに関連付けて管理する機能を付加すること,すなわち,相違点2に係る構成とすることは,当業者が普通に想到し得たことである。

(3)小括

前記で検討したごとく,相違点a?相違点bに係る構成は当業者が容易に想到し得たものであり,そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本願発明の奏する作用効果は,前記引用発明及び当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。
そうすると,本願発明は,引用発明及び当該技術分野の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび

以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-12-22 
結審通知日 2016-01-04 
審決日 2016-01-20 
出願番号 特願2013-505113(P2013-505113)
審決分類 P 1 8・ 571- Z (G06F)
P 1 8・ 573- Z (G06F)
P 1 8・ 574- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菊池 智紀  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 戸島 弘詩
高木 進
発明の名称 コンピュータからモバイルハンドセットにデジタルコンテンツを転送する方法及び装置  
代理人 崔 允辰  
代理人 木内 敬二  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
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