• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04J
管理番号 1315509
審判番号 不服2014-11870  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-23 
確定日 2016-06-08 
事件の表示 特願2011-219396「直交周波数分割多重無線通信システムにおける空間周波数ブロックコーディングを実行する方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月 5日出願公開,特開2012- 70382〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は,2005年8月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2004年8月12日 米国)を国際出願日とする出願である特願2007-525777号の一部を,平成23年10月3日に新たな特許出願としたものであって,平成26年2月21日付けで拒絶査定され,これに対し,同年6月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされ,平成27年5月11日付けで当審から拒絶理由が通知され,同年11月12日付けで手続補正がなされたものである。
その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成27年11月12日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「基地局であって,
複数のアンテナと,
複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示を,無線送信受信装置(WTRU)から受信するように構成された回路であって,前記複数のチャネル品質インジケータの各々は,変調および符号化情報を示し並びにサブキャリアのグループに対応している,回路と
を備え,
前記回路は,前記受信した複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの前記少なくとも1つの表示に基づいて,第1の変調および符号化を使用して第1のデータを処理し,および,第2の変調および符号化を使用して第2のデータを処理するようにさらに構成され,
前記回路は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,前記第1のデータおよび前記第2のデータを,前記複数のアンテナ上で前記WTRUへ実質的に同時に送信するようにさらに構成されたことを特徴とする基地局。」

(分割の適否について)
平成27年11月12日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載中の「複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示を,無線送信受信装置(WTRU)から受信する」(「複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示」は,本件出願当初の特許請求の範囲においては,「少なくとも1つのチャネル品質インジケータと少なくとも1つのプリコーディングマトリックスの指標とを含む情報」とされていた。)こと,同請求項7に記載中の「複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示を,基地局へ無線で送信する」こと,及び同請求項11に記載中の「無線送信受信装置(WTRU)によって,複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示を,基地局へ無線で送信する」ことは,原出願である特願2007-525777号の出願当初の明細書,特許請求の範囲又は図面に記載されていない。
「プリコーディングマトリックス」「の表示」(本件出願当初は,「プリコーディングマトリックスの指標」。)には,「プリコーディングマトリクス」自体,及び,プリコーディングマトリクスを一意に識別する予め決められた識別子である「PMI」が含まれると解される。
しかしながら,「プリコーディング」については,原出願の出願当初の明細書の【0011】,【0013】,【0027】に記載があるが,これらの記載をみても,送信機でプリコーディングが為されることが読み取れるだけであり,「プリコーディングマトリックス」や「PMI」なる記載は存在せず,これらがWTRUから基地局に送信されることも記載も示唆もされていない。
ここで,同【0024】には「チャネル推定器140は,送信機から送信されたトレーニング系列を使用してチャネルマトリックスを生成し,該チャネルマトリックスを,2つのビーム形成単一マトリクスUとV(Uは送信用,Vは受信用)と,特異値分解(SVD)或いは固有値分解によるサブキャリヤ(サブキャリヤグループ)あたり1つの対角行列Dとに分解する。CSIジェネレータ142はチャネル推定結果からCSIを発生させ,CQIジェネレータは解読結果に基づいてCQIを発生させる。発生したCSIとCQIは,送信機110に戻される。」と記載され,同【0027】,【0028】の記載によれば,基地局がCSIを受信機から受信すること,及び,チャネルマトリックスHが「H=UDV」に特異値分解され,x=Vsなるプリコーディングが実行されることが読み取れる。
しかしながら,「CSI」はチャネル推定結果から発生されたものであり,チャネル状態を示す情報であるが,「プリコーディングマトリックス」に相当する「V」は,プリコーディングのためにチャネルマトリックスHを特異値分解することにより計算されものであり,それ自体は送信データに対する重み付けを示す情報にすぎず,チャネル状態を示す情報ではない。したがって,「プリコーディングマトリックス」と「CSI」とは異なるものである。
また,発明の詳細な説明をみても,チャネルマトリックスHを特異値分解して「V」を生成するのはどの手段にてなされるのかも明らかにされておらず,例えば基地局がWTRUからチャネルマトリックスHを受信して特異値分解を行って「V」を生成しているとも解され得る。
更に,PMIは,予め送信側及び受信側で了解している,プリコーディングマトリクスを一意に識別する識別子であるが,発明の詳細な説明及び図面には,そのようなものに関する開示は一切見当たらない。
したがって,基地局が「プリコーディングマトリックスの表示」(プリコーディングマトリックス(V),PMI。)を無線送信受信装置(WTRU)から受信することが,出願当初の明細書,特許請求の範囲又は図面に記載されていると同然ということはできない。
ここで,請求人は,平成27年11月12日付け意見書にて,「(5) 上述のように,本願明細書においては,基地局の受信回路は,クローズドループモードにおいて,CQIおよびCSIの両方を受信します。そして,段落番号[0048]における「閉(クローズド)ループ動作の期間中,送信機110は,そこから固有値と前処理マトリクスを抽出する現在のCSIに関する知識を有する」の記載にもあるように,CSIが前処理(プリコーディング)マトリクスの表示を含むことは明らかです。したがって,補正後の請求項1のように,基地局において,「複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示」を受信するように構成された回路を備えることは発明の詳細な説明に明示されています。」と主張するが,上述のとおり,「プリコーディングマトリックス」と「CSI」とは異なるものであるから,当該主張は採用できない。
したがって,本件は適法な分割出願であるとは認められず,本件出願は,もとの特許出願の時にしたものとみなすことはできない。よって,本件出願は平成23年10月3日に出願したものと認める。また,2004年8月12日を優先日とする優先権主張も認められない。


2 引用発明及び周知技術
[引用発明]
当審から通知した拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2003/0218973号明細書(以下,「引用例」という。)には,「System and method for data detection in wireless communication systems」([当審仮訳]:無線通信システムにおけるデータ検出のためのシステム及び方法)に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。

(1)「BACKGROUND OF THE INVENTION
[0003] Modern wireless communication systems are designed to provide reliable communication at the highest possible bit rate for a given environment. However, there is still a pressing and persistent need for increasingly higher data speed and bandwidth. The available bit rate for an application depends on a number of different parameters such as: available bandwidth, total radiated power at the transmitter, characteristics of the propagation environment, and cost of implementation as well as other factors.
[0004] There are several approaches for increasing the bit rate given the above constraints. One of these approaches involves the use of Multiple Input Multiple Output (MIMO) systems which comprise multiple antennas at both the transmitter and the receiver. A MIMO system provides an opportunity to exploit spatial channel diversity thereby increasing the spectral efficiency and error performance of a wireless communication system. Space-time coding may also be used to distinguish the signals that are sent by the various transmitter antennas as well as to increase the robustness of the MIMO system to errors caused by noise and the multi-path phenomenon.
[0005] Another approach for increasing bit rate is to simultaneously transmit information on a plurality of independent frequencies that are orthogonal to one another. This technique is known as Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM) in which there are a plurality of sub-carriers that are narrowband and orthogonal to each other. Each sub-carrier carries a data symbol and the sub-carriers are transmitted simultaneously in large numbers to achieve a high overall data rate. OFDM is an effective transmission modulation scheme for combating the adverse effects of noise sources and in particular multipath fading. OFDM is typically implemented using the Fast Fourier Transform (FFT) which is a well-known process for transforming a non-orthogonal signal into a plurality of orthogonal components (i.e. sub-carriers).
[0006] Another approach for increasing the throughput of the MIMO system is to decompose the multiple channels into several independent channels through the use of Singular Value Decomposition (SVD). The SVD of the channel matrix (which defines the interaction of each transmitter antenna with each receiver antenna) can be used to decompose a MIMO system having M transmitter antennas (i.e. M inputs) and N receiver antennas (i.e. N outputs) into p-one dimensional channels (where p [0007] Another approach for increasing throughput is a MIMO system which combines OFDM and SVD. In this case, the MIMO system comprises a plurality of sub-carriers which each have an associated channel matrix (H_(k) for a sub-carrier k). The SVD is calculated for each of the channel matrices H_(k) and the channel matrix H_(k) or the V_(k) matrix is transmitted to the transmitter for each of the sub-carriers. For exemplary purposes, given a MIMO system with 8 transmitter antennas and 8 receiver antennas, the channel matrix H_(k) is an 8x8 matrix. Assuming 16 bits are used to encode a real number and 16 bits are used to calculate an imaginary number, an 8x8 channel matrix H_(k) (which in general contains complex numbers) requires 8x8x(16+16)=2048 bits of data. With an OFDM system which uses 768 carriers, there will be 768 channel matrices which requires 768*2048=1.5 Mbits of data. Further, assuming that each channel matrix H_(k) is updated every millisecond, then the data rate required simply for sending each channel matrix H_(k) to the transmitter is 1 GHz which is excessive.
[0008] As discussed, instead of sending the channel matrices H_(k) to the transmitter, the V_(k) weight matrices may be sent. The row size of each V_(k) matrix is equal to the number of receiver antennas and the column size of each V_(k) matrix is equal to the number of useable subspaces that result from the singular value decomposition of the corresponding channel matrix H_(k) . Assuming that there are four useable subspaces, 16 bits are used to encode a real number and 16 bits are used to encode an imaginary number, an 8x4 V_(k) matrix (which contains complex numbers) requires 8x4x(16+16)=1024 bits of data. Once again, assuming an OFDM system which uses 768 carriers, there will be 768 V_(k) matrices which requires 768*1024=0.78 Mbits of data. This translates to a data rate of 0.8 GHz assuming that each V_(k) matrix is updated every millisecond.
[0009] Accordingly, a MIMO system which incorporates both OFDM and SVD requires a large data rate for providing channel information to the transmitter. This issue is more pronounced if frequency division duplexing is also used. In addition, the SVD operation is an iterative algorithm which is computationally intensive and must be performed for each channel matrix H_(k) , every millisecond. Both of these operations in their present form are computationally intensive and are not suitable for an efficient SVD-based MIMO system. 」(1ページ左欄?同ページ右欄)
([当審仮訳]:
[0003] 現代の無線通信システムは,与えられた環境にとって可能な最高のビットレートで信頼性のある通信を提供するように設計されている。しかし,ますます高いデータ速度と帯域幅に対する熱心で持続的な要求が依然として存在する。アプリケーションで使用可能なビットレートは,利用可能な帯域幅,送信機の放射電力の合計,伝搬環境の特性,及び他の要因と同様に実装のコストといった,多数の異なるパラメータに依存する。
[0004] 上記の制約を与えられたビットレートを増加させるためのいくつかのアプローチがある。これらのアプローチの一つは,送信機と受信機の両方で複数のアンテナを備える多入力多出力(MIMO)システムの使用を含む。MIMOシステムは,それにより無線通信システムのスペクトル効率及びエラーパフォーマンスを向上させる,空間チャネルダイバーシティを利用する機会を提供する。時空間符号化は,様々な送信アンテナによって送信される信号を区別するだけでなく,ノイズやマルチパス現象によって引き起こされるエラーに対するMIMOシステムのロバスト性を増加させるために使用することができる。
[0005] ビットレートを増加させるための別のアプローチは,互いに直交している独立した複数の周波数上で同時に情報を送信することである。この技術は,直交周波数分割多重(OFDM)として知られており,狭帯域で互いに直交する複数のサブキャリアがある。各サブキャリアはデータシンボルを搬送し,各サブキャリアは高い全体的なデータレートを達成するために同時に多数送信される。OFDMは,特にマルチパスフェージングにおいて,ノイズ源の影響に対抗するために有効な送信変調方式である。OFDMは,典型的に,非直交信号を複数の直交成分(即ち,サブキャリア)に変換するための周知のプロセスである高速フーリエ変換(FFT)を使用して実装される。
[0006] MIMOシステムのスループットを増加させるための別のアプローチは,特異値分解(SVD)を使用することにより,複数のチャネルをいくつかの独立したチャネルに分解することである。(各送信アンテナの各受信アンテナとの相互作用を規定する)チャネル行列のSVDは,M個の送信アンテナ(すなわち,M個の入力)とN個の受信アンテナ(すなわち,N個の出力)を有するMIMOシステムを,p-1次元(ここで,p [0007] スループットを向上させるための別のアプローチは,OFDM及びSVDを組み合わせたMIMOシステムである。この場合,MIMOシステムは,それぞれが関連するチャネル行列(サブキャリアkに対するH_(k))を持つ複数のサブキャリアからなる。 SVDは,各チャネル行列H_(k)のために計算され,各サブキャリアの各々のためにチャネル行列H_(k)及びV_(k)行列が送信機に送信される。例示的な目的のために,8個の送信アンテナ及び8個の受信アンテナを有するMIMOシステムを考えると,チャネル行列H_(k)は,8×8の行列である。実数を符号化するために16ビットが使用され,虚数を符号化するために16ビットが使用されると仮定すると,8×8チャネル行列H_(k)(一般的に複素数を含んでいる)は,8×8×(16+16)=2048ビットのデータを必要とする。768個のキャリアを使用するOFDMシステムでは,768*2048=1.5メガビットのデータを必要とする768個のチャネル行列が存在することになる。さらに,各チャネル行列H_(k)が1ミリ秒ごとに更新されると仮定すると,送信機がそれぞれチャネル行列H_(k)を単純に送信するために必要なデータ転送速度は1GHzであり,これは過剰である。
[0008] 論じたように,送信機にチャネル行列H_(k)を送信する代わりに,V_(k)重み行列が送信されてもよい。各V_(k)の行列の行サイズは受信アンテナの数に等しく,各V_(k)の行列の列サイズは対応するチャネル行列H_(k)の特異値分解から得られる使用可能なサブ空間の数に等しい。使用可能なサブ空間が4個あり,実数を符号化するために16ビットが使用され,虚数を符号化するために16ビットが使用されると仮定すると,8×4のV_(k)行列(複素数を含んでいる)は,8×4×(16+16)=1024ビットのデータを必要とする。繰り返すと,768個のキャリアを使用するOFDMシステムを仮定すると,768*1024=0.78メガビットのデータを必要とする768個のV_(k)行列が存在することになる。これは,各V_(k)の行列が1ミリ秒ごとに更新されると仮定すると,0.8GHzのデータレートになる。
[0009] したがって,OFDMとSVDの両方を組み込んだMIMOシステムは,送信機にチャネル情報を提供するための大きなデータレートを必要とする。周波数分割復信も使用される場合,この問題はより顕著である。さらに,SVD演算は反復アルゴリズムであり,これは計算集約的であり,各チャネル行列H_(k)に対して1ミリ秒毎に行われなければならない。現在の形でのこれらのオペレーションの双方ともが計算集約的であり,効率的なSVDベースのMIMOシステムには適していない。)

(2)「[0043] The OFDM data symbol waveforms are transmitted to the receiver antenna array 18 of the receiver 16 via a communications channel that comprises a plurality of signal paths for each OFDM sub-carrier k. The signal paths comprise several spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) (for simplicity, only the spatial-subspace channels for sub-carrier k are shown).
(中略)
[0048] The plurality of spatial-subspace channels for a given sub-carrier k is due to the use of the SVD operation on the corresponding channel matrix H_(k) . Using the SVD operation, the channel matrix H_(k) is decomposed into a product of three matrices U_(k) , Λ_(k) , and V_(k)^(*) as given by equation 3.
H_(k) = U_(k)Λ_(k)V_(k)^(*) (3)
[0049] where Λ_(k) is a diagonal matrix of real, non-negative singular values, λ_(k,1) 22 λ_(k,2) >λ_(k,3) >. . . >λ_(k,p) >0 with p = rank (H_(k)), U_(k) and V_(k)^(*) are unitary matrices and V_(k)^(*) is the complex-conjugate transpose of V_(k) . The dimensions of the matrices are as follows: H_(k) is M x N, U_(k) is M x p, Λ_(k) is p x p, and V_(k)^(*) is p x N. The magnitude of each singular value relates to the quality of the associated spatial-subspace channel for the OFDM sub-carrier k.
(中略)
[0053] The transmitter 12 further comprises a subspace allocation unit 20 , a transmitter link adaptation unit 22 , a transmitter weighting unit 24 , an IFFT unit 26 , a transmitter SVD unit 28 and a training unit 30 connected as shown in FIG. 1 . The subspace allocation unit 20 receives the input data symbol stream x_(k) and divides the input data symbol stream into a plurality of input data symbol sub-streams x_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp) for allocation on a plurality of spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) for the OFDM sub-carrier k. The transmitter link adaptation unit 22 provides transmission information to the subspace allocation unit 20 which is related to subspace quality information (i.e. the quality of the spatial-subspace channels) for the sub-carrier k. The transmission information is received from the receiver 16 (discussed in further detail below). The subspace allocation unit 20 uses the transmission information for allocating the input data symbol stream x_(k) on the plurality of spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) since some of the spatial-subspace channels may not be suitable for supporting data transmission (i.e. the singular value associated with a particular spatial-subspace channel may have too low a magnitude). The signal voltage carried by each of these spatial-subspace channels is proportional to the corresponding singular value which provides an indication of whether a spatial-subspace channel is strong or weak. The subspace allocation unit 20 may also apply coding techniques to transmit the input data symbol sub-streams x_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp) on a combination of spatial-subspace channels as is described in further detail below.
[0054] The input data symbol sub-streams x_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp) are then supplied to the transmitter weighting unit 24 which multiplies the input data symbol sub-streams with complex weighting values provided by the transmit weight matrix V_(k) for producing transmit-weighted spatial-subspace data. The transmit-weighted spatial-subspace data corresponds to distributing the input data symbol sub-streams over the spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) for sub-carrier k. The spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) may be orthogonal to each other. Ideally orthogonal spatial-subspace channels will not interfere in the spatial domain. Alternatively, the spatial-subspace channels S_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) may be dependent on one another (via coding) or there may be a combination of orthogonal and dependent spatial-subspace channels for a given sub-carrier k (as discussed further below). In this example, there are p spatial-subspace channels for sub-carrier k. The total number of communication paths for the communication system 10 is the sum of the number of spatial-subspace channels across all sub-carriers. The output of the transmitter weighting unit 24 is a symbol vector x_(k) having M elements, wherein the elements of the symbol vector x_(k) are applied to a separate antenna element of the transmitter antenna array 14 .
[0055] The transmit-weighted spatial-subspace data is then provided to the IFFT (i.e. Inverse Fast Fourier Transform) unit 26 which is connected to the transmitter antenna array 14 . The IFFT unit 26 is a transmitter processing unit that converts the transmit-weighted spatial-subspace data to the time-domain for producing data symbol waveforms for transmission by the transmitter antenna array 14 . The IFFT unit 26 operates in a block fashion by collecting a plurality of transmit-weighted spatial-subspace data symbols for each antenna element of the transmitter antenna array 14 , and then performing the IFFT operation to generate an OFDM symbol for each antenna element of the transmitter antenna array 14 . The IFFT unit 26 is preferably a bank of IFFT operators with the number of IFFT operators being equivalent to the number of transmitting antennas 14 . Alternatively, the output of the transmitter weighting unit 24 may be provided to one IFFT operator in a time division manner and the output of the IFFT operator correspondingly provided to one antenna element of the transmitter antenna array 14 .
[0056] The transmit weight matrix V_(k) is calculated by the transmitter SVD unit 28 which receives the corresponding channel matrix H_(k) from the transmitter link adaptation unit 22 . Channel related information associated with the channel matrix H_(k) (rather than the channel matrix itself) is included in the transmission information which is sent from the receiver 16 to the transmitter link adaptation unit 22 for the efficient operation of the communication system 10 . The channel related information comprises channel impulse response data as will be discussed in further detail below. The transmitter link adaptation unit 22 calculates the channel matrix H_(k) from the channel related data.
(中略)
[0058] (中略)Alternatively, depending on the frequency spacing between the sub-carriers, it may be possible that the communication channel for several adjacent sub-carriers can be adequately characterized by a single channel matrix. In this case, a channel matrix H_(r) and one set of triplet matrices U_(r), Λ_(r) and V_(r) can be used to represent a group of adjacent sub-carriers k, . . . , k+r.
(中略)
[0065] The channel estimation unit 36 and the receiver SVD unit 40 are also both connected to the receiver link adaptation unit 42 to provide the channel related data and the corresponding singular value matrix Λ_(k) respectively. The receiver link adaptation unit 42 processes the singular value matrix Λ_(k) to determine subspace quality information. The receiver link adaptation unit 42 then determines transmission parameters based on the subspace quality information for the sub-carrier k. The subspace quality information is determined from the magnitude of the singular values which are on the diagonal of the singular value matrix Λ_(k) . In general, a singular value with a larger magnitude indicates a better quality spatial-subspace channel on which data can be transmitted. For example, input data symbol sub-streams that are allocated on a strong spatial-subspace channel can be modulated using a higher order modulation scheme in which the data points in the corresponding constellation are spaced closer together, such as 32QAM for example. The receiver link adaptation unit 42 bundles the transmission parameters and the channel related data as channel/transmission information (CTI) and sends the information to the transmitter link adaptation unit 22 . 」(4ページ左欄?5ページ右欄,6ページ左欄,)
([当審仮訳]:
[0043] OFDMデータシンボル波形は,各OFDMサブキャリアkに対する複数の信号経路を備える通信チャネルを介して,受信機16の受信アンテナアレイ18に送信される。信号経路は,いくつかの空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp)を備える(簡単にするため,サブキャリアkに対する空間-サブ空間チャネルのみが示される)。
(中略)
[0048] 所与のサブキャリアkに対する複数の空間-サブ空間チャネルは,対応するチャネル行列H_(k)におけるSVD演算の使用による。式(3)で与えられるように,SVD演算を用いて,チャネル行列H_(k)が3つの行列U_(k),Λ_(k)及びV_(k)^(*)の積に分解される。
H_(k) = U_(k)Λ_(k)V_(k)^(*) (3)
[0049] ここで,Λ_(k)は実の非負の特異値λ_(k,1) >λ_(k,2) >λ_(k,3) >. . . >λ_(k,p) >0 (ここで, p = rankょの対角行列である。,(H_(k)),U_(k)及びV_(k)^(*)はユニタリ行列であり,V_(k)^(*)は,V_(k)の複素共役転置である。行列のサイズは以下のとおり:H_(k) は M x N, U_(k) は M x p, Λ_(k) は p x p, そして V_(k)^(*) は p x N. 各特異値の大きさは,OFDMサブキャリアkの関連する空間-サブ空間チャネルの品質に関係する。
[0053] 送信機12は,さらに,図1に示すように接続された,サブ空間割り当て部20,送信機リンク適応部22,送信重み付け部24,IFFT部26,送信SVD部28及びトレーニング部30を備える。サブ空間割当部20は,入力データシンボルストリームX_(K)を受信し,当該入力データシンボルストリームを,OFDMサブキャリアkについての複数の空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) 上に割り当てるための複数の入力データシンボルサブストリームx_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp)に分割する。送信機リンク適応部22は,サブ空間割り当て部20にサブキャリアkのサブ空間品質情報(すなわち,空間-サブ空間チャネルの品質)に関係する送信情報を提供する。送信情報は,受信機16(以下でさらに詳細に説明する)から受信される。空間-サブ空間チャネルの一部はデータ伝送をサポートするのに適していないかもしれない(すなわち,特定の空間-サブ空間チャネルに関連付けられた特異値の大きさが低すぎるかもしれない。)ので,サブ空間割当部20は,入力データシンボルストリームx_(K)を複数の空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) 上に割り当てるために送信情報を用いる。空間-サブ空間チャネルの各々によって運ばれる信号電圧は対応する特異値に比例し,当該特異値は空間-サブ空間チャネルが強い又は弱いかどうかの指標を提供する。以下にさらに詳細に記載されるように,サブ空間割当部20は,入力データシンボルサブストリームx_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp) を空間-サブ空間チャネルの組み合わせ上で送信するために,符号化技術を適用することもできる。
[0054] 次に,入力データシンボルサブストリームx_(k1) , x_(k2) , . . . , x_(kp) は送信重み付け部24に供給される。送信重み付け部24では,送信重み付けされた空間-サブ空間データを生成するために,送信重み行列V_(k)により与えられた複素重み付け値を入力データシンボルサブストリームにを乗算する。送信重み付けされた空間-サブ空間データは,入力データシンボルサブストリームをサブキャリアkに対する空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) にわたって分配することに相当する。空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp) は,互いに直交しているかもしれない。理論上,直交する空間-サブ空間チャネルは,空間領域で干渉しない。代替的に,空間-サブ空間チャネルS_(k1) , S_(k2) , . . . , S_(kp)は,(符号化を介して)お互いに依存してもよいか,(以下にさらに説明するように)所与のサブキャリアkの直交し且つ依存する空間-サブ空間チャネルの組み合わせであってもよい。この例では,サブキャリアkについてp個の空間-サブ空間チャンネルが存在する。通信システム10のための通信経路の総数は,全てのサブキャリアにわたる空間-サブ空間チャネルの数の合計である。送信重み付け部24の出力はM個の要素を有するシンボルベクトルx_(k)であり,シンボルベクトルx_(k)の要素は送信アンテナアレイ14の分離したアンテナ素子に当てられる。
[0055] 送信重み付けされた空間-サブ空間データは,送信アンテナアレイ14に接続されたIFFT(すなわち,逆高速フーリエ変換)部26に供給される。IFFT部26は,送信アンテナアレイ14による送信のためのデータシンボル波形を生成するために,送信重み付けされた空間-サブ空間データを時間領域に変換する送信処理部である。IFFT部26は,送信アンテナアレイ14の各アンテナ素子のために複数の送信重み付けされた空間-サブ空間データシンボルを集めてブロック状に動作する,そして送信アンテナアレイ14の各アンテナ素子のためのOFDMシンボルを生成するIFFT演算を行う。IFFT部26は,好ましくは,送信アンテナ14の数と等しい数のIFFTオペレータを有する,IFFTオペレータのバンクである。あるいは,送信重み付け部24の出力は,時分割で1つのIFFTオペレータに提供されてもよく,IFFTオペレータの出力は対応して送信アンテナアレイ14の1つのアンテナ素子に供給される。
[0056] 送信重み行列V_(k)はSVD部28により算出される。SVD部28は送信機リンク適応部22から対応するチャネル行列H_(k)を受信する。チャネル行列H_(k)(よりむしろチャネル行列自体)に関連付けられたチャネル関連情報は,通信システム10の効率的な動作のために受信機16から送信機リンク適応部22に送信された送信情報に含まれる。以下でさらに詳細に議論されるように,チャネル関連情報はチャネルインパルス応答データを含む。送信機リンク適応部22は,チャネル関連データからチャネル行列H_(k)を計算する。
(中略)
[0058] (中略)あるいは,サブキャリア間の周波数間隔に依存して,いくつかの隣接するサブキャリアの通信チャネルが適切に単一のチャネル行列によって特徴付けられてもよい。この場合,チャネル行列H_(r)と,U_(r),Λ_(r)及びV_(r)のトリプレット行列の一組とは,隣接するサブキャリアk,・・・,k+r のグループを表すために使用することができる。
(中略)
[0065] チャネル推定部36及び受信機SVD部40の双方は受信機リンク適応部42に接続され,それぞれチャネル関連データ及び対応する特異値行列Λ_(k)を提供する。受信機リンク適応部42は,サブ空間品質情報を決定するために特異値行列Λ_(k)を処理する。その後,受信機リンク適応部42は,サブキャリアkに対するサブ空間品質情報に基づいて送信パラメータを決定する。サブ空間品質情報は,特異値行列Λ_(k)の対角上にある特異値の大きさから決定される。 一般に,より大きな特異値は,データが送信できる良質な空間-サブ空間チャネルを示している。例えば,強力な空間-サブ空間チャネル上に配置された入力データシンボルサブストリームは,例えば32QAMのように,対応するコンステレーション内のデータポイントが互いに接近している,より高次の変調方式を用いて変調することができる。受信機リンク適応部42は,送信パラメータ及びチャネル/送信情報(CTI)などのチャネル関連データをバンドルし,送信機リンク適応部22に情報を送信する。)

(3)「[0088] Referring now to FIG. 5 b , the transmitter 112 comprises a first communication device 102 that provides an input data bit stream xb comprising binary data to a transmitter data pump 104 . The first communication device 102 may be a computer, router or other electronic communication device. The transmitter data pump 104 is a hardware unit that is responsible for routing data to various units in the transmitter 112 . A subspace allocation unit 120 receives the input data bit stream xb from the transmitter data pump 104 and transmission parameters from a transmitter adaptation unit 122 . The subspace allocation unit 120 uses the transmission parameters for allocating an input data symbol stream x_(k) , derived from the input data bit stream xb, on various spatial-subspace channels for a sub-carrier k. A first data mapper unit 106 applies a particular modulation scheme, specified by the transmitter link adaptation unit 122 , to the input data bit stream xb to generate the input data symbol stream x_(k) (which in general comprises complex data symbols) and provides the input data symbol stream x_(k) to the subspace allocation unit 120 . The subspace allocation unit 120 provides at least a portion of the transmission parameters to the first data mapper unit 106 for specifying the modulation scheme and the modulation order (i.e. modulation rate).
[0089] The transmission parameters used by the subspace allocation unit 120 include information on spatial-subspace channel allocation, spatial-subspace channel coding and the spatial-subspace channel modulation. These parameters are based on the subspace quality information for the associated channel matrix H_(k) . The spatial-subspace channel allocation information indicates which spatial-subspace channels can support data transmission using a desired modulation order. The spatial-subspace channel coding information indicates whether coding should be used to combine two spatial-subspace channels for transmitting data. Spatial-subspace channels of various quality, such as two strong spatial-subspace channels, two weak spatial-subspace channels or a weak and a strong spatial-subspace channel could be combined using coding. Accordingly, the resulting spatial-subspace channels may be orthogonal to each other or the spatial-subspace channels may be dependent on one another (via coding) or there may be a combination of orthogonal and dependent spatial-subspace channels for a given sub-carrier k.
[0090] The spatial-subspace channel modulation information, provided to the first data mapper unit 106 , indicates the modulation scheme that should be used on each spatial-subspace channel. The modulation scheme which can be used can vary from QAM to Phase Shift Keying (PSK) and Binary Phase Shift Keying (BPSK) with various modulation orders such as 64QAM, 32QAM, 16QAM, 4QAM, QAM, 64QPSK, 32QPSK, 16QPSK, 4QPSK, QPSK, BPSK, or other appropriate forms of modulation as is commonly known to those skilled in the art. The higher rates of modulation are used for stronger spatial-subspace channels, since the data points in the constellations corresponding to higher modulation rates are closer together and require a channel with a better signal to noise ratio for minimizing data transmission errors. In each case, the signal to interference and noise ratio (SINR) for a spatial-subspace channel can be examined to ensure that a certain bit-error rate (BER) is maintained during transmission on a particular spatial-subspace channel or a plurality of coded spatial-subspace channels. The SINR for a spatial-subspace channel will depend on the magnitudes of the singular value and the noise and interference associated with that spatial-subspace channel.
(中略)
[0092] The subspace allocation unit 120 provides a plurality of input data symbol sub-streams with each data symbol sub-stream being allocated to a spatial-subspace channel. In general, there are two categories of input data symbol sub-streams: "q_(k") input data symbol sub-streams that are allocated on coded spatial-subspace channels and "r_(k") input data symbol sub-streams that are allocated on uncoded spatial-subspace channels, where r and k are integers that are greater than or equal to 0. The input data symbols received from the first data mapper unit 106 that are assigned to the coded spatial-subspace channels are represented by xc and the input data symbols that are assigned to the uncoded spatial-subspace channels are represented by xu.
[0093] The number of consecutive input data symbols that are processed at a time depends on the type of coding which is done on the spatial-subspace channels. For instance, if block space-time coding is used for coding the spatial-subspace channels, then two consecutive input data symbols are preferably processed at a time. In this case, the subspace allocation unit 120 preferably allocates the input data symbol sub-streams in the following fashion: a) a first data symbol sub-stream comprises two input data symbols xu_(k)(1) and xu_(k)(2) that are allocated on the first spatial-subspace channel which is uncoded, b) a second data symbol sub-stream comprises two input data symbols xu_(k)(3) and xu_(k)(4) that are allocated on the second spatial-subspace channel which is uncoded and c) a third data symbol sub-stream comprises two input data symbols xc_(k)(1) and xc_(k)(2) that are allocated on the third and fourth spatial-subspace channels which are coded. However, there could be other forms of coding in which more than two input data symbol sub-streams are coded and there are a corresponding number of coded spatial-subspace channels.
[0094] The subspace allocation unit 120 provides the input data symbol sub-streams to an encoder unit 108 . The encoder unit 108 possibly codes the input data symbol sub-streams thereby producing uncoded/coded input data symbol sub-streams xs_(k1) , xs_(k2) , xs_(k3) and xs_(k4) . Accordingly, the uncoded/coded input data symbol sub-streams may possibly comprise at least one uncoded input data symbol sub-stream for allocation on a corresponding at least one uncoded spatial-subspace channel and may possibly comprise at least one pair of coded input data symbol sub-streams for allocation on a corresponding at least one pair of coded spatial-subspace channels. In this example, there are four spatial-subspace channels with two of the channels being uncoded and two of the channels being coded. In general, there are several possibilities for the spatial-subspace channels. For instance, each spatial-subspace channel may be uncoded or there may be at least one spatial-subspace channel that is uncoded with the remaining pairs of spatial-subspace channels being coded. Alternatively, there may only be coded spatial-subspace channels.
[0095] The transmitter adaptation unit 122 is connected to the encoder unit 108 to provide transmission parameters that indicate which spatial-subspace channels are uncoded and which are coded. The encoder unit 108 simply passes the input data symbol sub-streams xu which are to be sent on the uncoded spatial-subspace channels s_(k1) and s_(k2) and processes the input data sub-streams xc that are to be sent on the coded spatial-subspaces s k3 and s k4 (in this example). The encoder unit 108 preferably uses block space-time coding with a depth of two input data symbols (as shown in Table 1) to create an equivalent channel from two spatial-subspace channels such that a desired BER is maintained for a given modulation scheme. Alternatively, other forms of coding may be used such as space-frequency coding or time-frequency coding (both of these forms of coding are commonly known to those skilled in the art).
(TABLE 1 は省略。)
(中略)
[0096] The subspace training unit 132 receives the coded/uncoded input data symbol sub-streams xs_(k1),xs_(k2),xs_(k3) and x_(k4) from the encoder unit 108 and interleaves subspace training symbols into the coded/uncoded input data symbol sub-streams xs_(k1),xs_(k2),xs_(k3) and x_(k4) thereby producing input data/training symbol sub-streams xs'_(k1),xs'_(k2),xs'_(k3) and xs'_(k4) . Accordingly, the subspace training unit 132 is connected to a training unit 130 to receive the subspace training symbols. The subspace training symbols are interleaved into the coded/uncoded input data symbol sub-streams in an uncoded manner. The subspace training symbols are preferably used to track one spatial-subspace channel at a time.
[0097] A power allocation unit 134 is connected to the subspace training unit 132 . The power allocation unit 134 receives the input data/training symbol sub-streams xs'_(k1),xs'_(k2),xs'_(k3) and xs'_(k4) and weights each of these sub-streams with a corresponding power coefficient α1,α2,α3 andα4 to obtain power-weighed sub-streams α1xs'_(k1) , α2xs'_(k2) , α3xs'_(k3) and α4xs'_(k4) . The power allocation unit 134 is connected to the transmitter adaptation unit 122 in order to receive the portion of the transmission parameters that provides information on spatial-subspace channel power weighting.
(中略)
[0099] The transmitter weighting unit 124 receives the power-weighted sub-streams α1xs'_(k1) , α2xs'_(k2) , α3xs'_(k3) and α4xs'_(k4) and further weights these sub-streams with transmitter weights to produce transmit-weighted spatial-subspace data. As explained previously for transmitter 12 , the transmitter weighting unit 124 multiplies the power-weighted sub-streams with complex weighting values provided by the transmit weight matrix V_(k) in accordance with equation 5 for diagonalizing the channel matrix H_(k) for the sub-carrier k. Accordingly, via multiplication with the transmit weight matrix V_(k ), the transmit-weighted spatial-subspace data is now distributed along the various spatial-subspace channels for the sub-carrier k and assigned to each element of the transmitter antenna array 114 . This processing is applied to all of the sub-carriers.
[0100] The transmit weight matrix V_(k) is calculated by the transmitter SVD unit 128 and provided to the transmitter weighting unit 124 . The transmitter SVD unit 128 calculates the transmit weight matrix V_(k) from the corresponding channel matrix H_(k) which is provided by the transmitter link adaptation unit 122 . The transmitter link adaptation unit 122 preferably computes the channel matrix H_(k) in the same fashion described previously for the transmitter link adaptation unit 22 using truncated channel impulse response data.
(中略)
[0104] The transmitter channel unit 136 provides the interleaved spatial-subspace data to the IFFT unit 126 . The IFFT unit 126 converts the interleaved spatial-subspace data to the time domain thereby producing data symbol waveforms comprising OFDM data symbols. The RF unit 140 processes the data symbol waveforms for RF transmission by the transmitter antenna array 114 . Accordingly, the RF unit 140 comprises hardware for performing digital-to-analog conversion and RF up-conversion to increase the center frequency of the data symbol waveforms. The RF unit 140 may further comprise hardware for interpolating and filtering the data symbol waveforms as is commonly known to those skilled in the art.
(中略)
[0123] Referring now to FIG. 6 c , shown therein is the format of a CTI symbol which carries the channel/transmission information. (中略) The information portion of the CTI symbol contains the channel/transmission information which is modulated and may also include forward error correction. 」(9ページ左欄?11ページ右欄,14ページ右欄)
([当審仮訳]:
[0088] 図5bを参照すると,送信機112は,送信機データポンプ104にバイナリデータを含む入力データビットストリームxbを提供する第一の通信装置102を備える。第一の通信装置102は,コンピュータ,ルータ,又は他の電子通信装置であってもよい。送信機データポンプ104は,送信機112内の各部にデータをルーティングする責任があるハードウェアユニットである。サブ空間割当部120は,送信データポンプ104から入力データビットストリームxbを受信し,送信機適応部122からの送信パラメータを受信する。サブ空間割当部120は,入力データビットストリームxbに由来する入力データシンボルストリームx_(k)を,サブキャリアkのための種々のサブ空間チャネルに割り当てるために,伝送パラメータを使用する。第1のデータマッパー部106は,送信機リンク適応部122によって指定された特定の変調方式を入力データビットストリームxbに適用して,入力データシンボルストリームx_(k)(一般に,複素数のデータ・シンボルを含む)を生成し,サブ空間割当部120に入力シンボルストリームx_(k)を提供する。サブ空間割当部120は,変調方式と変調次数(すなわち,変調率)を特定するために,第1のデータマッピング部106へ送信パラメータの少なくとも一部を提供する。
[0089] サブ空間割当部120によって使用される送信パラメータは,空間-サブ空間チャネル割り当て,空間-サブ空間チャネル符号化及び空間-サブ空間チャネル変調に関する情報を含む。これらのパラメータは,関連するチャネル行列H_(k)のサブ空間品質情報に基づいている。空間-サブ空間チャネル割り当て情報は,どの空間-サブ空間チャネルが所望の変調次数を用いてデータ伝送をサポートすることができるかを示す。空間-サブ空間チャネル符号化情報は,データを送信するための2つの空間-サブ空間のチャネルを結合するために符号化が使用されるべきかどうかを示す。2つの強力な空間-サブ空間チャネル,2つの弱い空間-サブ空間チャネル,又は1つの弱い空間-サブ空間チャネル及び1つの強い空間-サブ空間チャネルなどのような,様々な品質の空間-サブ空間チャネルは,コーディングを使用して組み合わせることができる。したがって,得られた空間-サブ空間チャネルは互いに直交していてもよいか,空間-サブ空間チャネルは(符号化を介して)お互いに依存してもよいか,所与のサブキャリアkのための直交かつ依存する空間-サブ空間チャネルの組み合わせであってもよい。
[0090] 第1のデータマッピング部106に提供された空間-サブ空間チャネル変調情報は,それぞれの空間-サブ空間チャネル上で使用すべき変調方式を示す。使用可能な変調方式は,QAMから位相シフトキーイング(PSK)にわたり,64QAM,32QAM,16QAM,4QAM,QAM,64QPSK,32QPSK,16QPSK,4QPSK,QPSK,BPSK又は他の適切な変調形式など,一般的に当業者に知られている。より高い変調速度に対応するコンステレーション内のデータ点は互いに接近しており,データ伝送エラーを最小化するためのノイズ比に対してより良好な信号を有するチャンネルを必要とするので,変調の高い速度はより強力な空間-サブ空間チャネルのために使用される。それぞれの場合において,空間サブ空間チャネルのための信号/干渉及び雑音比(SINR)は,特定の空間-サブ空間チャネル又は複数の符号化された空間-サブ空間チャネル上で,伝送中に特定のビット誤り率(BER)を維持されることを保証するために検査することができる。空間-サブ空間チャネルのSINRは,その空間-サブ空間チャネルに関連した特異値やノイズや干渉の大きさに依存する。
(中略)
[0092] サブ空間割当部120は,複数の入力データシンボルサブストリームを,各データシンボルサブストリームが1つの空間-サブ空間チャネルチャネルに割り当てられた状態で,提供する。一般的に,入力データシンボルサブストリームには2つのカテゴリがある。すなわち,符号化された空間-サブ空間チャネル上に割り当てられる" q_(k) "入力データシンボルサブストリームと,符号化されていない間-サブ空間チャネル上に割り当てられていると" r_(k) "入力データシンボルサブストリームである。ここで,rとkは0より大きいか等しい整数である。第1のデータマッピング部106から受け取った,符号化された空間-サブ空間チャネルに割り当てられた入力データシンボルはxcと表され,符号化されていない空間-サブ空間チャネルに割り当てられた入力データシンボルはxuと表される。
[0093] 一度に処理される連続した入力データシンボルの数は,空間-サブ空間チャネル上で行われる符号化のタイプによって異なる。例えば,時空間ブロック符号化が空間-サブ空間チャネルを符号化するために使用される場合,2つの連続した入力データシンボルが同時に処理されることが好ましい。この場合には,サブ空間割当部120は,以下の方法で,入力データシンボルサブストリームを割り当てることが好ましい。a)2つの入力データシンボルxu_(k)(1)及びxu_(k)(2)からなる第1のデータシンボルサブストリームは,符号化されていない第1の空間-サブ空間チャネル上に割り当てられる,b)2つの入力データシンボルxu_(k)(3)及びxu_(k)(4)からなる第2のデータシンボルサブストリームは,符号化されていない第2の空間-サブ空間チャネル上に割り当てられる,そして,c)2つの入力データシンボルxc_(k)(1)及びxc_(k)(2)からなる第3のデータシンボルサブストリームは,符号化されている第3及び第4の空間-サブ空間チャネル上に割り当てられる。しかしながら,2以上の入力データシンボルサブストリームが符号化され,対応する数の符号化された空間-サブ空間チャンネルが存在する,符号化の他の形態があり得る。
[0094] サブ空間割当部120は,エンコーダ部108に入力データシンボルサブストリームを提供する。エンコーダ部108,入力データシンボルサブストリームを符号化するかもしれず,それによって非符号化/符号化された入力データシンボルサブストリーム xs_(k1) , xs_(k2) , xs_(k3) 及び xs_(k4)を生成する。したがって,非符号化/符号化入力データシンボルサブストリームは,対応する少なくとも1つの符号化されていない空間-サブ空間チャネル上への割り当てのための少なくとも1つの非符号化入力データシンボルサブストリームからなってもよいし,対応する少なくとも1対の符号化された空間-サブ空間チャネル上への割り当てのための少なくとも1対の非符号化入力データシンボルサブストリームからなってもよい。この例では,2つのチャネルが符号化されず,2つのチャネルが符号化された,4つの空間-サブ空間チャンネルが存在する。一般に,空間-サブ空間チャネルのためのいくつかの可能性がある。例えば,各空間-サブ空間チャネルが非符号化であってもよいし,少なくとも1つの空間-サブ空間チャネルが符号化されず,残りの空間-サブ空間チャネルのペアが符号化されてもよい。代替的に,符号化された空間-サブ空間チャネルのみでもよい。
[0095] 送信機適応部122は,エンコーダ部108に接続されており,どの空間-サブ空間チャネルが符号化されず,どの空間-サブ空間チャネルが符号化されているかを示す送信パラメータを提供する。エンコーダ部108は,この例では,符号化されていない空間-サブ空間チャネルs_(k1)及びs_(k2)上で送信すべき入力データシンボルサブストリームxuを単に通過し,符号化された空間-サブ空間チャネルs_(k3)及びs_(k4)上で送信すべき入力データシンボルサブストリームxcを処理する。エンコーダ部108は,好ましくは,2つの入力データシンボルの深さのブロック空間-時間符号化(表1に示すように)を使用して,所定の変調方式のために所望のBERが維持されるような,2つの空間-サブ空間チャネルからなる等価チャネルを作成する。代替的に,空間-周波数符号化又は時間-周波数符号化(これらの符号化形態の双方とも一般に当業者に知られている)のような他の形態の符号化を使用することができる。
(表1は省略。)
(中略)
[0096]
サブ空間トレーニング部132は,エンコーダ部108から符号化/非符号化入力データシンボルサブストリームxs_(k1),xs_(k2),xs_(k3)及びx_(k4)を受信し,符号化/非符号化入力データシンボルサブストリームxs_(k1),xs_(k2),xs_(k3)及びx_(k4)にサブ空間トレーニングシンボルをインターリーブし,それによって入力データ/トレーニングシンボルサブストリームのxs'_(k1),xs'_(k2),xs'_(k3)及びxs'_(k4)を生成する。したがって,サブ空間トレーニング部132は,サブ空間トレーニングシンボルを受信するようにトレーニング部130に接続されている。サブ空間トレーニングシンボルは,符号化されずに,符号化/非符号化入力データシンボルサブストリームにインターリーブされる。サブ空間トレーニングシンボルは,好ましくは,一度に1つの空間-サブ空間チャネルを追跡するために使用される。
[0097] 電力割当部134は,サブ空間トレーニング部132に接続されている。電力割当部134は,入力データ/トレーニングシンボルサブストリームのxs'_(k1),xs'_(k2),xs'_(k3)及びxs'_(k4)を受信し,これらのサブストリームの各々に対応する電力係数α1,α2,α3とα4を重み付けして,α1xs'_(k1),α2xs'_(k2),α3xs'_(k3)及びα4xs'_(k4)を得る。電力割当部134は,空間-サブ空間チャネル電力重みに関する情報を提供する送信パラメータの一部を受信するために,送信機適応部122に接続されている。
(中略)
[0099] トランスミッタ重み付け部124は,電力重み付けされたウェイトサブストリームα1xs'_(k1),α2xs'_(k2),α3xs'_(k3)及びα4xs'_(k4)を受信し,送信重み付けされた空間-サブ空間データを生成するために,これらのサブストリームにさらに送信機重みを重み付けする。送信機12に関して先に説明したように,送信重み付け部124は,サブキャリアkのチャネル行列H_(k)を対角化するために式(5)に従って送信重み行列V_(k)により提供される複素数重み値を電力重み付けサブストリームに乗算する。したがって,送信重み行列V_(k)の乗算を経由して,送信重み付け空間-サブ空間データは,現在のサブキャリアkのための様々な空間-サブ空間チャネルに沿って分布され,送信アンテナアレイ114の各要素に割り当てられる。この処理は,サブキャリアの全てに適用される。
[0100] 送信重み行列V_(k)は送信SVD部128によって計算され,送信重み付け部124に供給される。送信SVD部128は,送信機リンク適応部122によって提供される対応するチャネル行列H_(k)から,送信重み行列V_(k)を算出する。送信機リンク適応部122は,好ましくはトランケートされたチャネルインパルス応答データを使用して,先に送信機リンク適応部22について説明したのと同じやり方で,チャネル行列H_(k)を計算する。
(中略)
[0104] 送信チャネル部136は,IFFT部126にインターリーブされた空間-サブ空間データを提供する。IFFT部126は,インターリーブされた空間-サブデータを時間領域に変換し,それによってOFDMデータシンボルを含むデータシンボル波形を生成する。RF部140は,送信アンテナアレイ114によるRF送信のためにデータシンボル波形を処理する。RF部140は,デジタル-アナログ変換及びデータシンボル波形の中心周波数を増加させるためRFアップコンバージョンを実行するハードウェアを備える。RF部140は,さらに,当業者に一般に知られているように,データシンボル波形を補間及びフィルタリングするためのハードウェアを含むことができる。
(中略)
[0123] 図6Cを参照すると,チャネル/送信情報を搬送するCTIシンボルのフォーマットがその中に示されている。(中略)CTIシンボルの情報の一部はチャネル/送信情報が含まれ,それは変調され,また,順方向誤り訂正を含んでも良い。)

引用例のFigure 1(図1),Figure 5b(図5b)を以下に示す。

上記(1)?(3)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,
a 上記(1)の[0004],(2)の[0043],[0053]の記載及び図1,図5bによれば,複数の送信アンテナを備える送信機が,前記複数の送信アンテナを介して,受信機へデータを送信することが記載されているといえる。

b 図1,図5bによれば,図1の送信機リンク適応部22は図5bの送信機リンク適応部122(送信機適応部122)に対応すると認められるところ,上記(2)の[0053],[0056],[0065],(3)の[0088]?[0090]の記載によれば,送信機の送信機リンク適応部は,受信機の受信機リンク適応部から,送信パラメータ及びチャネル/送信情報(CTI)などのチャネル関連データ(チャネル関連情報)を含む送信情報を受信することが記載されている。
そして,上記(3)の[0088]?[0090]の記載によれば,送信機リンク適応部122からサブ空間割当部120に送信パラメータが送信され,当該送信パラメータに含まれる空間-サブ空間チャネル変調情報が,第1のデータマッピング部106に提供され,それぞれの空間-サブ空間チャネル上で使用すべき変調方式を示す空間-サブ空間チャネル変調情報に従って,変調処理がなされると認められる。ここで,上記(2)の[0048],[0049]の記載によれば,「空間-サブ空間チャネル」は,本願明細書でいう「固有ビーム」に相当するものであることは明らかである。そして,[0089]の記載によれば,サブ空間割当部120によって使用される送信パラメータは,空間-サブ空間チャネル割り当て,空間-サブ空間チャネル符号化及び空間-サブ空間チャネル変調に関する情報を含むところ,これらのパラメータは,関連するチャネル行列H_(k)のサブ空間品質情報に基づいているのであるから,送信パラメータは,空間-サブ空間チャネルに対応して複数存在すると解するのが自然である。
また,上記(2)の[0056]によれば,送信機リンク適応部22は受信機から受信したチャネル関連情報(チャネル関連データ)からチャネル行列H_(k)を計算し,SVD部28によりH_(k)からV_(k)が計算されるところ,[0058]の記載によれば,チャネル行列H_(r)と,U_(r),Λ_(r)及びV_(r)のトリプレット行列の一組とは,隣接するサブキャリアk,・・・,k+r のグループを表すために使用することができるのであるから,チャネル関連情報はサブキャリアのグループに対応しているといえる。
更に,送信機リンク適応部122を含む図5bに示される送信機の各手段を「送信機回路」と称することは任意である。
したがって,引用例には,「送信機であって,複数の送信アンテナと,複数の送信パラメータ,および,チャネル関連情報を,受信機から受信するように構成された送信機回路であって,前記複数の送信パラメータに含まれる複数の空間-サブ空間チャネル変調情報の各々は,それぞれの空間-サブ空間チャネル上で使用すべき変調方式を示し,前記チャネル関連情報はサブキャリアのグループに対応している,送信機回路」が記載されていると認められる。

c 上記(3)の[0088]?[0090],[0093]の記載及び図5bによれば,第1のデータマッピング部106は,サブ空間割当部120を介して受信機から受信した空間-サブ空間チャネル変調情報に基づいて,それぞれの空間-サブ空間チャネル毎に当該空間-サブ空間チャネル上で使用すべき変調方式を使用して,当該空間-サブ空間チャネルに割り当てられる入力データビットストリームxbを処理して入力データシンボルストリームxkを生成するものと認められる。すなわち,例えば第1の空間-サブ空間チャネル(S_(k1))上で伝送される2つの入力データシンボルxu_(k)(1)及びxu_(k)(2)からなる第1のデータシンボルサブストリームは第1の変調方式を使用して処理され,第2の空間-サブ空間チャネル(S_(k2))上で伝送される2つの入力データシンボルxu_(k)(3)及びxu_(k)(4)からなる第2のデータシンボルサブストリームは第2の変調方式を使用して処理されるということができる。
したがって,引用例には,「前記送信機回路は,前記受信した複数の空間-サブ空間チャネル変調情報に基づいて,第1の変調方式を使用して第1のデータシンボルサブストリームを処理し,及び,第2の変調方式を使用して第2のデータシンボルサブストリームを処理するようにさらに構成される」ことが記載されていると認められる。

d 上記(3)の[0094]?[0100],[0104]の記載及び図5bによれば,前記第1のデータシンボルサブストリーム,前記第2のデータシンボルサブストリーム等は,IFFT部126によりOFDMシンボルを含むデータシンボル波形が生成され,RF部140により送信アンテナアレイ114によるRF送信のために当該データシンボル波形が処理されるのであるから,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,第1のデータシンボルサブストリーム及び第2のデータシンボルサブストリームを,複数のアンテナ上で受信機へ実質的に同時に送信しているといえる。したがって,引用例には,「前記送信機回路は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,前記第1のデータシンボルサブストリームおよび前記第2のデータシンボルサブストリームを,前記複数のアンテナ上で前記受信機へ実質的に同時に送信するようにさらに構成される」ことが記載されていると認められる。

以上を総合すると,引用例には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「送信機であって,
複数の送信アンテナと,
複数の送信パラメータ,および,チャネル関連情報を,受信機から受信するように構成された送信機回路であって,前記複数の送信パラメータに含まれる複数の空間-サブ空間チャネル変調情報の各々は,それぞれの空間-サブ空間チャネル上で使用すべき変調方式を示し,前記チャネル関連情報はサブキャリアのグループに対応している,送信機回路と
を備え,
前記送信機回路は,前記受信した複数の空間-サブ空間チャネル変調情報に基づいて,第1の変調方式を使用して第1のデータシンボルサブストリームを処理し,及び,第2の変調方式を使用して第2のデータシンボルサブストリームを処理するようにさらに構成され,
前記送信機回路は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,前記第1のデータシンボルサブストリームおよび前記第2のデータシンボルサブストリームを,前記複数のアンテナ上で前記受信機へ実質的に同時に送信するようにさらに構成された
送信機。」

[周知技術]
(原査定の拒絶の理由に引用された)特開2004-207901号公報(以下,「周知例1」という。)には,「無線送信装置及び無線送信方法」に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。
(4)「【0002】
【従来の技術】
従来,マルチキャリア伝送システムにおいて,サブキャリアをブロック分けしてグループ化された複数のサブキャリア毎に適応変調を行う無線通信システムが提案されている。このような無線通信システムでは,サブキャリア毎ではなく,複数のサブキャリアからなるブロック毎に適応変調を行うことにより,サブキャリア毎に適応変調を行う場合に比べて,受信装置からのフィードバック情報(SNR等の回線品質情報)をブロック単位にでき,この分,フィードバック情報を少なくすることができる。
【0003】
また,適応変調のパラメータ(変調方式,符号化方式)を受信装置に伝える場合においても,すべてのサブキャリアの変調方式及び符号化方式を伝える必要はなく,ブロック毎に伝えればよいこととなるので,制御チャネルの伝送レートを低くすることができる。
【0004】
このような無線通信システムでは,ブロックのサイズは,各ブロック内でのチャネル変動が一定と見なせる値になるよう,ブロックのサイズ(周波数帯域)が定められ,この定められたブロックサイズでシステムの運用を行うこととされている(例えば非特許文献1参照)。」(2ページ)

(同じく原査定の拒絶の理由に引用された)特開2003-169036号公報(以下,「周知例2」という。)には,「直交周波数分割多重システムおよび送受信装置」に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。
(5)「【0005】しかし,サブキャリアごとにシンボル変調方式を決める方法は,送受信機間でサブキャリア毎の変調方式の通知が必要となり,そのための通知情報量,通知情報を記憶する記憶手段の記憶容量及び通知情報に基づいて実行する制御の制御量が大きくなるという問題点があった。またその制御量はサブキャリア数に依存するためサブキャリア数が多くなるに伴い制御量は増加し,その実現が困難になると考えられる。これを解決するために,サブキャリアをグループ化することにより通知情報量や制御量を削減することが検討されている(信学技報 RCS2001-109(2001-09) Yuanrun Teng 外3名「適応変調を用いたバーストモードOFDM通信方式に関する検討」参照)。しかしながら,サブキャリアをグループ化して扱うこの検討については,グループ化の有効性については述べられているものの,グループに含まれるサブキャリア数は同数とされており,伝搬路環境の変化に応じた適応的なグループ化がされていないという問題点があった。
【0006】そこで,本発明は,伝搬路環境の変化に応じていくつかのサブキャリアをまとめたブロックとすることができると共に,制御量を増加させることなく各サブキャリアの変調方式を制御することのできる直交周波数分割多重システムおよび送受信機を提供することを目的としている。」(3ページ4欄)

上記(4),(5)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,「サブキャリアの変調等のための通知情報をサブキャリアのグループ単位のものとする。」ことは周知であると認められる。(以下,「周知技術1」という。)。


3 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると,
(1)本願発明の「基地局」,「送信受信装置(WTRU)」と,引用発明の「送信機」,「受信機」とは,それぞれ「送信側装置」,「受信側装置」である点で共通している。そして,引用発明の「複数の送信アンテナ」は,本願発明の「複数のアンテナ」に相当する。
また,本願発明の「チャネル品質インジケータ」と引用発明の「複数の送信パラメータ」とは,「少なくとも変調方式を示す情報」である点で共通する。
また,本願発明の「プリコーディングマトリックス」と引用発明の「チャネル関連情報」とは,「プリコーディングに関する情報」である点で共通する。しかしながら,本願発明は,「複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの少なくとも1つの表示」との択一的な構成である。そして,本願発明は,処理に関して「前記回路は,前記受信した複数のチャネル品質インジケータ,および,プリコーディングマトリックスの前記少なくとも1つの表示に基づいて,第1の変調および符号化を使用して第1のデータを処理し,・・・」と規定しているものの,変調および符号化を使用した処理は専ら「チャネル品質インジケータ」(CQI)に基づく処理であって,プリコーディングマトリックスに基づく処理ではないことは技術常識である。すなわち,本願発明は,プリコーディングマトリックスの使用については何ら規定していない。してみると,本願発明は,「複数のチャネル品質インジケータ」の「表示」のみを無線送信受信装置(WTRU)から受信するものを包含していることは明らかである。すなわち,「プリコーディングマトリックス」の点は実質的な差異にならない。
更に,引用発明の「送信機回路」は「回路」に含まれる。
したがって,本願発明と引用発明とは,以下の相違点は別として,「送信側装置であって,複数のアンテナと,複数の少なくとも変調方式を示す情報を,受信側装置から受信するように構成された回路であって,前記複数の少なくとも変調方式を示す情報は,変調情報を示す,回路とを備え」た「送信側装置」である点で一致している。

(2)引用発明の「第1のデータシンボルサブストリーム」,「第2のデータシンボルサブストリーム」は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化される2種類のデータといえるから,本願発明の「第1のデータ」,「第2のデータ」に相当する。そして,上述のとおり,本願発明は,プリコーディングマトリックスの使用については何ら規定していないから,本願発明と引用発明とは「前記回路は,前記受信した複数の少なくとも変調方式を示す情報に基づいて,第1の変調を使用して第1のデータを処理し,および,第2の変調を使用して第2のデータを処理するようにさらに構成され」,「前記回路は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,前記第1のデータおよび前記第2のデータを,前記複数のアンテナ上で前記受信側装置へ実質的に同時に送信するようにさらに構成された」の点で一致している。

以上を総合すると,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「送信側装置であって,
複数のアンテナと,
複数の少なくとも変調方式を示す情報を,受信側装置から受信するように構成された回路であって,前記複数の少なくとも変調方式を示す情報は,変調情報を示す,回路と
を備え,
前記回路は,前記受信した複数のチャネル品質インジケータの表示に基づいて,第1の変調および符号化を使用して第1のデータを処理し,および,第2の変調および符号化を使用して第2のデータを処理するようにさらに構成され,
前記回路は,直交周波数分割多重(OFDM)空間多重化を使用して,前記第1のデータおよび前記第2のデータを,前記複数のアンテナ上で前記受信側装置へ実質的に同時に送信するようにさらに構成されたことを特徴とする送信側装置。」

(相違点1)
一致点の「送信側装置」,「受信側装置」に関し,本願発明はそれぞれ「基地局」,「無線送信受信装置(WTRU)」であるのに対し,引用発明は具体的な装置を明らかにしていない点。

(相違点2)
一致点の「複数の少なくとも変調方式を示す情報」に関し,本願発明は,「複数のチャネル品質インジケータの表示」であり,「前記複数のチャネル品質インジケータの各々は,変調および符号化情報を示し並びにサブキャリアのグループに対応している」のに対し,引用発明は複数の空間-サブ空間チャネル変調情報を含む複数の送信パラメータを受信するものの,本願発明の上記構成は明らかにされていない点。
これに伴い,一致点の「回路」の処理に関し,本願発明は,「前記回路は,前記受信した複数のチャネル品質インジケータの表示に基づいて,第1の変調および符号化を使用して第1のデータを処理し,および,第2の変調および符号化を使用して第2のデータを処理するようにさらに構成され」るのに対して,引用発明は「符号化」について明らかにしていない点。

以下,各相違点について検討する。
(相違点1について)
引用発明は無線通信システムに関するものであるところ,無線通信システムにおけるダウンリンク送信では,基地局が送信側装置となり,無線送信受信装置(WTRU)が受信側装置となることは技術常識である。したがって,引用発明の送信機には基地局,受信機には無線送信受信装置(WTRU)が含まれることは明らかである。したがって,相違点1には実質的な差異は無い。

(相違点2について)
符号化(チャネル符号化)は当該技術分野においては普通に行われていることであり,また,引用例の[0123](上記2(3)参照。)にCTI(チャネル/送信情報)が変調及び順方向誤り訂正されることが示唆されているから,「チャネル符号化」は特段特徴を有するものではない。そして,引用発明は送信機が受信機から送信パラメータを受信するところ,受信側から送信側に送信されるCQI(チャネル品質インジケータ)に基づいて送信側が変調方式及びチャネル符号化を選択することは当該技術分野における技術常識ともいえる周知事項であることに鑑みれば,引用発明の「送信パラメータ」を「チャネル品質インジケータの表示」(すなわち,CQI。)とし,回路の処理を「前記回路は,前記受信した複数のチャネル品質インジケータの表示に基づいて,第1の変調および符号化を使用して第1のデータを処理し,および,第2の変調および符号化を使用して第2のデータを処理する」ようにすることは,適宜なし得ることにすぎない。
そして,引用発明は,送信パラメータとともに受信側から受信するチャネル関連情報はサブキャリアのグループに対応しており,また,上記2にて「周知技術」として述べたとおり,「サブキャリアの変調のための通知情報をサブキャリアのグループ単位のものとする。」ことは周知であることに鑑みれば,引用発明の複数の空間-サブ空間チャネル変調情報が含まれる複数の送信パラメータもサブキャリアのグループに対応するものとすることは格別困難なことではなく,当業者が適宜になし得ることである。

本願発明の作用効果も,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。

( なお,請求人は,平成27年11月12日付け意見書の「3-4:理由3について(特許法第29条第2項)」において,「審判官殿は,請求項1?14に係る各発明について,平成26年2月21日付け(起案日)の拒絶査定および平成26年9月30日付け(作成日)の前置報告書にて引用された引用文献1?4に加え,新たな引用文献5を加えて,引用文献1?5に記載された各発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとされました。しかしながら,補正後の独立請求項である請求項1,7,11に係る各発明は,引用文献1?5のいずれにも開示されていない発明特定事項を含むものであって,本理由も解消しているものと考えます。」とし,引用文献1?4について反論するとともに,引用文献5については「引用文献5は,変調および符号化情報を示すチャネル品質インジケータを受信することに関しては全く言及していません。したがって,当然に「複数のチャネル品質インジケータの各々は,変調および符号化情報を示し並びにサブキャリアのグループに対応している」ことは開示されていません。」とのみ反論している。
しかしながら,当審から通知した拒絶理由は,「「[理由3について] 請求項1?14 引用文献5」「【引用文献一覧】(当審で新たに追加する文献)5.米国特許出願公開第2003/0218973号明細書」とのとおり,引用文献として引用文献5しか挙げてない。そして,コメントも引用文献5の記載内容を示し,引用文献5に記載された発明との相違点について容易性の判断をしているものであるから,「前置報告書にて引用された引用文献1?4に加え,新たな引用文献5を加えて,引用文献1?5に記載された各発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとされました。」なる主張は,当審からの拒絶理由に基づかない当を得ない主張であり,そのように誤解する余地は無いことは明らかである。)

以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。


4 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-12-22 
結審通知日 2016-01-05 
審決日 2016-01-25 
出願番号 特願2011-219396(P2011-219396)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 洋  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 ▲高▼橋 真之
菅原 道晴
発明の名称 直交周波数分割多重無線通信システムにおける空間周波数ブロックコーディングを実行する方法および装置  
復代理人 濱中 淳宏  
復代理人 中西 英一  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ