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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01M
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01M
管理番号 1316003
審判番号 不服2014-9922  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-28 
確定日 2016-06-15 
事件の表示 特願2012-525257「エネルギ貯蔵システムの予備エネルギの決定及び使用」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 2月24日国際公開、WO2011/021226、平成25年 1月24日国内公表、特表2013-502687〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2010年8月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年8月21日印度)を国際出願日とする出願であって、平成26年1月21日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成26年1月28日)、これに対し、平成26年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、当審により平成27年3月6日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成27年3月10日)、これに対し、平成27年9月10日付で意見書及び誤訳訂正書が提出されたものである。


2.特許請求の範囲
平成27年9月10日付誤訳訂正で、特許請求の範囲は以下のように訂正された。
「【請求項1】
エネルギ貯蔵システムにおいて利用可能な内部予備エネルギの量を決定する方法であって、
前記エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量を決定するステップと、
前記エネルギ貯蔵システムに関連する履歴データを収集するステップと、
前記収集された履歴データに基づいて前記エネルギ貯蔵システムの健全状態を決定するステップと、
前記エネルギ貯蔵システムの現在の状態を決定するステップと、
閾値レベルを下回ってからの前記利用可能な内部予備エネルギの量を、前記決定された容量に基づいて計算するステップと、
前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの量に基づいて、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算するステップとを含み、
前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態に基づいて、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の精度が向上され、
前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態が、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定される、
方法。
【請求項2】
前記履歴データを収集するステップは、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量、前記エネルギ貯蔵システムの使用年数、前記エネルギ貯蔵システムの充電時挙動、前記エネルギ貯蔵システムにおいて行われた充放電サイクルの回数、及び前記エネルギ貯蔵システムのインピーダンスを収集するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記エネルギ貯蔵容量の減少に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記使用年数の増加に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギ貯蔵システムの充電時挙動に関連するデータを収集するステップは、前記エネルギ貯蔵システムの充電中に、前記エネルギ貯蔵システムの温度の上昇を表すデータを収集するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの充電中の、予想レベルを越える前記エネルギ貯蔵システムの前記温度の上昇に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギ貯蔵システムの充電時挙動に関連するデータを収集するステップは、前記エネルギ貯蔵システムの完全充電に要する時間を表すデータを収集するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの完全充電に要する前記時間の増加に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムにおいて行われた充放電サイクルの前記回数の増加に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記インピーダンスの増加に応じて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態が悪化するにつれて内部予備エネルギ量の前記計算値を減らすステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記現在の状態を決定するステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記温度を表すデータを収集するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
内部予備エネルギ量の前記計算値の精度を向上させるステップは、前記エネルギ貯蔵システムの前記温度に基づいて内部予備エネルギ量の前記計算値を増減するステップを含み、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の減少は、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離の関数として変化する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記履歴データは、一定期間にわたって収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記利用可能な内部予備エネルギを用いて達成可能な仕事量を決定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記達成可能な仕事量は、履歴使用パターンに基づいて決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記履歴使用パターンは、履歴走行パターン及び履歴地形パターンの少なくとも一方を表すデータを収集することによって導出される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記達成可能な仕事量は、1つ以上のエネルギ消費システムによって消費されるエネルギに基づいて決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記達成可能な仕事量は、現在の走行パターンに基づいて決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記達成可能な仕事量は、周囲気象条件に基づいて決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記達成可能な仕事量は、少なくとも前記エネルギ貯蔵システムが推進力を担う自動車が走行する地形に基づいて決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記自動車が走行する前記地形は、全地球測位システムを用いて決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記エネルギ貯蔵システムの前記利用可能な内部予備エネルギの使用を許可するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記内部予備エネルギの使用は、前記内部予備エネルギを使用することの要求に基づいて許可される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記要求は、前記エネルギ貯蔵システムのユーザによって送信される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記要求は、前記エネルギ貯蔵システムが搭載されている自動車に設けられているボタンを前記ユーザが操作することによって送信される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記要求は、前記ユーザが電気通信装置を用いることによって送信される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記要求は、前記エネルギ貯蔵システムの貯蔵エネルギが閾値レベルに近づいたとき、又は閾値レベルに達したときに自動的に送信される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記エネルギ貯蔵システムの前記利用可能な内部予備エネルギの使用は、前記内部予備エネルギが既に使用された回数に基づいて許可される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記エネルギ貯蔵システムの前記利用可能な内部予備エネルギの使用は、エネルギ貯蔵システムが、前記利用可能な内部予備エネルギを使用することについて適格かどうかに基づいて許可される、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記エネルギ貯蔵システムの充電が可能な場所を調べるステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記エネルギ貯蔵システムが推進力の少なくとも一部を担う自動車が少なくとも最寄りの前記場所に到達することを可能にするために、エネルギ消費システムが前記エネルギ貯蔵システムのエネルギを消費する特性を調節するステップを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
エネルギ貯蔵システムと結合されていて、前記エネルギ貯蔵システムにおいて利用可能な内部予備エネルギの量を決定するシステムであって、
少なくとも1つのエネルギ管理システムであって、
前記エネルギ貯蔵システムからデータを収集することと、前記エネルギ貯蔵システムにコマンドを送信することと、を少なくとも行うように構成された少なくとも1つの入出力装置と、
前記入出力装置によって収集された前記データの少なくとも一部を格納するように構成された少なくとも1つのメモリ装置と、
前記エネルギ貯蔵システムから収集された前記データの少なくとも一部を処理するように構成された少なくとも1つの処理装置と、
前記処理されたデータの少なくとも一部を送信することと、データを受信することと、を行うように構成された少なくとも1つの送受信装置と、を備える前記少なくとも1つのエネルギ管理システムと、
前記送受信装置から送信されたデータを受信することと、前記エネルギ貯蔵システムの健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの現在の状態を決定することと、を行うように構成された第1データ処理システムであって、前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態に基づいて、前記利用可能な内部予備エネルギの量を計算するように構成された前記第1データ処理システムと、
前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの量に基づいて、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算すること、を行うように構成された第2データ処理システムであり、前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態に基づいて、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の精度を向上させるように構成され、前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態を、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定するように構成された、前記第2データ処理システムと、
を備えるシステム。
【請求項34】
前記送受信装置は、前記データ処理システムと通信するように構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記処理装置は更に、前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの使用を許可するコマンドを送信するように構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
エネルギ貯蔵システムと結合されていて、前記エネルギ貯蔵システムにおいて利用可能な内部予備エネルギの量を決定するシステムであって、少なくとも1つのエネルギ管理システムを備え、前記少なくとも1つのエネルギ管理システムは、
前記エネルギ貯蔵システムからデータを収集することと、前記エネルギ貯蔵システムにコマンドを送信することと、を少なくとも行うように構成された少なくとも1つの入出力装置と、
前記入出力装置によって収集された前記データの少なくとも一部を格納するように構成された少なくとも1つのメモリ装置と、
前記エネルギ貯蔵システムから収集された前記データの少なくとも一部を処理することと、前記エネルギ貯蔵システムの健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの現在の状態を決定することと、を行うように構成された少なくとも1つの処理装置であって、前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの現在の状態に基づいて、前記利用可能な内部予備エネルギの量を計算するように構成された前記処理装置であり、前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの量に基づいて、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算すること、を行うように構成され、前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態に基づいて、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の精度を向上させるように構成され、前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態を、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定するように構成された、前記処理装置と、
を備えるシステム。
【請求項37】
前記処理装置は更に、前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの使用を許可するコマンドを送信するように構成されている、請求項36に記載のシステム。」


3.拒絶の理由
平成27年3月6日付の当審の拒絶の理由で以下の事項を通知した。
「この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項に規定する要件を満たしていない。


(1)この出願の発明の構成が不明である。明細書、特許請求の範囲には「算定」との訳語があるが、「算定」とは「計算して数字を確定すること」であり、そのためには何らかの計算式(関数)が必要である。しかし、明細書、特許請求の範囲には、算定のための計算式、即ち様々なファクター(物理的変数)に基づいて所望の値を求めるための計算式(関数)が、何ら開示されていないため、構成を特定できず不明である。算定のための計算式が不明であるので、図4のフローの各ステップも全て不明(図4の意味内容が理解できないため、発明が理解できない。)である。
(2)請求項1に「エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量を算定」との訳語があるが、そもそもエネルギ貯蔵容量とは、エネルギ貯蔵システムが今現在貯蔵しているエネルギのことか、エネルギ貯蔵システムが貯蔵可能な容量(満充電の容量)のことか、それ以外か、構成を特定できず不明であり、又、エネルギ貯蔵容量を算定するには計算式が必要であり、そのためには当該計算式の中にエネルギ貯蔵システムに関連する種々のファクター(物理的変数)を取り込まなければならないが、明細書にはどの様なファクター(物理的変数)を用いた計算式であるのか何ら開示が無く、したがってどの様にしてエネルギ貯蔵容量を算定するのか全く不明である。しかも、当該請求項1の記載では、エネルギ貯蔵容量を算定するために、外部から変数を取り込んでいない(図1で説明すれば、エネルギ管理システムは、エネルギ貯蔵システム及びエネルギ消費システムから、電圧・電流・温度等の値を取り込むこと無く、エネルギ貯蔵容量を計算している。)が、どの様な演算を行うのか全く不明である。
(3)請求項1に「エネルギ貯蔵システムに関連する履歴データを収集」との訳語があるが、具体的にどの様なデータが履歴データであるのか明細書を参照しても定義が不明であり、又、履歴データとなるデータと履歴データとならないデータの境界(物理的差異)は何であるのか不明(例えば、明細書には開示は無いが、エネルギ貯蔵システムの放電電流の時間的経過は該当するのか否か。その理由は何か。また、請求項2記載の「エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量、エネルギ貯蔵システムの充電時挙動、エネルギ貯蔵システムのインピーダンス」は、今現在のエネルギ貯蔵システムの状態を表すものであり、履歴でないのではないか。)であり、又、履歴データは何時のデータをどの程度の期間で収集するのか不明である。
(4)請求項1に「エネルギ貯蔵システムに関連する履歴データを収集」との訳語があるが、当該データをどの様にして収集するのか、何ら開示が無く不明である。例えば、請求項2には、履歴データとして、「エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量、エネルギ貯蔵システムの使用年数、エネルギ貯蔵システムの充電時挙動、エネルギ貯蔵システムにおいて行われた充放電サイクルの回数、エネルギ貯蔵システムのインピーダンス」が記載されているが、エネルギ貯蔵システムを単独(エネルギ管理システムと接続しない)で使用した場合、どの様にしてこれら履歴を収集するのか不明(なお「エネルギ貯蔵システムの充電時挙動」とはどの様な物理量を意味するのか不明)である。
(5)請求項1に「収集された履歴データに基づいて前記エネルギ貯蔵システムの健全状態を算定」との訳語があるが、そもそもエネルギ貯蔵システムの健全状態とはどの様な定義であるのか明細書を参照しても何ら開示が無く不明であり、又、明細書を参照しても、履歴データをどの様に用いてどの様な計算式でエネルギ貯蔵システムの健全状態を算定するのか開示が無く不明である。
(6)請求項1に「エネルギ貯蔵システムの現在の状態を算定」との訳語があるが、そもそもエネルギ貯蔵システムの現在の状態とはどの様な定義であるのか明細書を参照しても何ら開示が無く不明であり、又、明細書を参照しても、どの様な計算式でエネルギ貯蔵システムの現在の状態を算定するのか開示が無く不明である。
(7)請求項1に「閾値レベルを下回ってからの前記利用可能な内部予備エネルギの量を、前記算定された容量に基づいて計算」、「前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態に基づいて、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の精度が向上」との訳語があるから、算定された容量、即ちエネルギ貯蔵容量を用いて、健全状態及び現在の状態をどの様に計算式(関数)に取り込んで、どの様な計算式で利用可能な内部予備エネルギの量を求めるのか、明細書を参照しても何ら開示が無く不明である。
(8)内部予備エネルギの計算例として、【0030】-【0043】に計算式が示されているが、当該計算式は電池の劣化の度合いを乗算している(【0035】参照)。そうすると、電池の劣化の度合いを検出するファクター(変数)の数を増やせば増やす程、乗算の回数が係数の個数の分だけ増えることとなるが、何故この様な方法で内部予備エネルギが算定できるのか不明[そもそも係数をどの様にして決定しているのか不明である。劣化の度合いを示すファクター(変数)が5個あり、各々が係数0.9であるとすると、明細書記載の計算式に基づけばエネルギ貯蔵容量に約0.59を掛けることとなるがこれで良いのか。請求項2には、履歴データが5種類示されており、「?のうちの少なくとも1つを収集」とあるから、1つだけでも良いこととなるが、係数0.9であるとすると、1つの場合エネルギ貯蔵容量に係数0.9を掛けることとなる。そうすると、5種類の履歴データを用いる場合と1種類の履歴データを用いる場合では、内部予備エネルギの量の算定に約30%の違いがでることとなり、内部予備エネルギの量を正確に算定できていないのではないか。約30%の違いがあって正確に「担うことが可能な距離を計算」できている(履歴データを1つだけ採用した場合の距離を信頼して電気自動車を走行させると、到達可能と算定した目的地に到着する前に走行できなくなる場合が発生する。)のか。また、履歴データ(劣化の度合いを示すファクター)は5種類には限られず、仮に10種類あって、各々が係数0.9であるとすると、エネルギ貯蔵容量に約0.35を掛けることとなるがこれで良いのか。電池にとって履歴データとなり得るファクター(変数)が履歴データとして認知されていなければ、内部予備エネルギの量の算定が正確にできないのではないか。電池にとって履歴データとなり得るファクター(変数)が履歴データとして認知されればされる程、内部予備エネルギの算定量が減少することとなるが、これで良いか。]である。
(9)内部予備エネルギの計算例及び【0031】の内部予備エネルギの設定を参照すると、図2aにおいて、線Loは固定で、線Lf、線Lr、線線Ltに対して係数の乗算が行われているものと解せるが、エネルギ貯蔵システムは充放電サイクルを繰り返せば、線Lf、線Lr、線線Ltが減少するだけではなく、線Loが増加するものと考えるが、この点不明である。
(10)請求項1に「前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの量に基づいて、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算」との訳語があるが、「前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離」とは、エネルギ貯蔵システム自体が移動できて、当該システムが移動可能な距離を意味するものと解せるが、そもそもエネルギ貯蔵システム自体が何故移動できるのか不明[エネルギ貯蔵システム以外が移動することを意味するならば、何が移動するのか明確にされたい。その際、どの様な計算式で移動距離を計算するのか明示されたい。仮に、車を想定しているのであれば、車の負荷(駆動用発電電動機、補機類等。)の稼働状態をどの様に計算式に組みこむのか明示されたい。]である。
(11)背景技術として【0003】に、「閾値レベルでは、ESSの充電状態は、ゼロパーセントに達する。このレベルであっても、即ち、ESSの充電状態がゼロパーセント充電に達しても、ESS内には一定量の内部予備エネルギが未だ存在する。内部予備エネルギは、一般には、使用禁止である。従って、ESSが自動車の推進力の少なくとも一部を担う状況では、ESSの充電状態がゼロパーセントになると、自動車のユーザは走行できなくなる。即ち、ユーザは、自動車を走行させて安全な場所に停めることも、ESSの充電が可能な近くの場所まで走行させることもできなくなる。」との訳語があり、当該記載に基づけば、エネルギ貯蔵システムのエネルギがESSの充電状態がゼロパーセントである閾値レベルに達すると、当該エネルギ貯蔵システムを搭載した自動車のユーザは走行できなくなるものと解される。しかし、本願は内部予備エネルギの量を算定することにより従来は走行できなくなっていた自動車が走行できるようになっており、何故本願の算定方法を用いることによって自動車が内部予備エネルギを用いて走行できるのか理由が不明(算定するしないにかかわらず、実際の内部予備エネルギに変化は無い。)である。
(12)請求項1に「前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態が、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定」との訳語があるが、内部予備エネルギの量を算定するためにシステムの現在の温度をどの様に用いるのか(計算式に現在の温度をどの様に取り込むのか)不明である。また、図6には、システムの現在の温度に関するグラフがあり、これはエネルギが閾値に達したときシステムを冷やすとエネルギが増加することを意味するものと解せるがそれで良いのか否か不明(冷やすとエネルギが増加するならばその物理的理由を示されたい。それ以外であれば、どの様なことを意味するグラフなのか示されたい。)である。
(13)請求項1は、利用可能な内部予備エネルギの量を算定する方法であり、当該算定が行われる時期・条件等は何ら示されていないから、常に算定を行っているものが含まれる。例えば、エネルギ貯蔵システムが満充電のとき、エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定される現在の状態に基づくエネルギ貯蔵システムの内部予備エネルギを算定しても、当該エネルギ貯蔵システムのエネルギが閾値レベルに達するまでには、時間が経過して現在の状態が当然に変化しており、エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定される現在の状態を算定に用いることにどの様な意味があるのか不明(エネルギが閾値レベル近傍ではない場合に内部予備エネルギを現在の状態を用いて算定することにどの様な意味があるのか。)である。
(14)請求項15に「利用可能な内部予備エネルギを用いて達成可能な仕事量を算定」との訳語があるが、当該仕事量は「担うことが可能な距離」を意味するのか否か不明(通常、距離と仕事量は異なる概念である。)である。
(15)請求項16、17に「履歴使用パターン」、「履歴走行パターン」、「履歴地形パターン」との訳語があるが、これらはどの様なデ-タであるのか定義が不明であり、又、履歴データと具体的にどの様に異なるのか不明である。
(16)請求項19に「達成可能な仕事量は、現在の走行パターンに基づいて算定」との訳語があるが、算定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。
(17)請求項20に「達成可能な仕事量は、周囲気象条件に基づいて算定」との訳語があるが、算定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。
(18)請求項21に「達成可能な仕事量は、少なくとも前記エネルギ貯蔵システムが推進力を担う自動車が走行する地形に基づいて算定」との訳語があるが、算定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。」


4.拒絶の理由に対する当審の判断
(1)誤訳訂正書で、「算定」を「決定」と訂正しているが、本願はエネルギ貯蔵システムにおいて内部予備エネルギの量を決定するものであるから、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要がある。しかし、明細書、特許請求の範囲には、決定のための計算式、即ち様々なファクター(物理的変数)に基づいて所望の値を求めるための計算式(関数)が、何ら開示されていないため、構成を特定できず不明である。決定のための計算式が不明であるので、図4のフローの各ステップも全て不明である。
なお、請求人は、平成27年9月10日付意見書で、「具体的な決め方については、訂正後の明細書の・・・段落0013に記載の各種センサ又は装置からの各種データを用いた方法(例えば、データと閾値とを比較する方法を含む)等を用いることができます。」と主張するが、【0013】には単に用いられるセンサの種類が羅列されるだけであって、センサ出力と閾値を比較する方法は何ら開示が無いから、請求人の上記主張は採用できない。

(2)請求項1に「エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量を決定」との訳語があるが、システムがエネルギ貯蔵容量を決定するには計算式が必要であり、そのためには当該計算式の中にエネルギ貯蔵システムに関連する種々のファクター(物理的変数)を取り込まなければならないが、明細書にはどの様なファクター(物理的変数)を用いた計算式であるのか何ら開示が無く、したがってどの様にしてエネルギ貯蔵容量を決定するのか全く不明である。しかも、請求項1の当該記載では、エネルギ貯蔵容量を決定するために、外部から変数(電圧・電流・温度等の値)を何ら取り込んでいないこととなり、どの様な演算を行ってエネルギ貯蔵容量を決定するのか全く不明である。

(3)請求項1に「エネルギ貯蔵システムに関連する履歴データを収集」との訳語があるが、具体的にどの様なデータが履歴データとなり得るのか明細書を参照しても定義が不明であり、又、履歴データとなるデータと履歴データとならないデータの境界(物理的差異)は何であるのか不明であり、又、履歴データはエネルギ貯蔵システムの健全状態を決定するために用いられるのであるが、そのためにどのタイミングで取得した履歴データを用いるのか、どの程度の期間で履歴データを収集するのか何ら開示が無く不明である。

(4)請求項1に「エネルギ貯蔵システムに関連する履歴データを収集」との訳語があるが、当該データをどの様にして収集するのか、何ら開示が無く不明である。例えば、請求項2には、履歴データとして、「エネルギ貯蔵システムのエネルギ貯蔵容量、エネルギ貯蔵システムの使用年数、エネルギ貯蔵システムの充電時挙動、エネルギ貯蔵システムにおいて行われた充放電サイクルの回数、エネルギ貯蔵システムのインピーダンス」が記載されているが、請求項1の記載ではエネルギ管理システムと接続せずにエネルギ貯蔵システムを単独で使用するものが含まれ、この場合どの様にしてこれら履歴を収集するのか不明である。
更に、請求項2の「エネルギ貯蔵システムの充電時挙動」とはどの様な物理量を意味するのか一般的な用語ではないため構成を特定できず不明である。この点に関し、請求人は、平成27年9月10日付意見書で、「例えば、エネルギ貯蔵システムが1サイクルにおいて完全に充電されるまでの時間を測定するセンサを用いて決定することが可能なものを示すものです。」と主張するが、そもそも明細書には充電時挙動に関しこの様な記載は無く失当であり、又、完全に充電されるまでの時間は、例えばエネルギ貯蔵システムのエネルギ量0%からの充電とエネルギ量90%からの充電では要する時間が異なるから、完全に充電されるまでの時間を単に測定しても何ら技術的な意義が無いから、請求人の上記主張は採用できない。

(5)請求項1に「収集された履歴データに基づいて前記エネルギ貯蔵システムの健全状態を決定」との訳語があるが、そもそもエネルギ貯蔵システムの健全状態とはどの様な定義であるのか明細書を参照しても何ら開示が無く不明であり、又、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、明細書を参照しても、履歴データをどの様に用いてどの様な計算式でエネルギ貯蔵システムの健全状態を決定するのか開示が無く不明である。

(6)請求項1に「エネルギ貯蔵システムの現在の状態を決定」との訳語があるが、そもそもエネルギ貯蔵システムの現在の状態とはどの様な定義であるのか明細書を参照しても何ら開示が無く不明であり、又、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、明細書を参照しても、どの様な計算式でエネルギ貯蔵システムの現在の状態を決定するのか開示が無く不明である。しかも、請求項1の当該記載では、現在の状態を決定するために、外部から変数(電圧・電流・温度等の値)を何ら取り込んでいないこととなり、どの様な演算を行って現在の状態を決定するのか全く不明である。

(7)請求項1に「閾値レベルを下回ってからの前記利用可能な内部予備エネルギの量を、前記決定された容量に基づいて計算」、「前記エネルギ貯蔵システムの前記健全状態及び前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態に基づいて、前記内部予備エネルギの量の前記計算値の精度が向上」との訳語があるが、決定された容量、即ちエネルギ貯蔵容量を用いて、健全状態及び現在の状態をどの様に計算式(関数)に取り込んで、どの様な計算式で利用可能な内部予備エネルギの量を求めるのか、明細書を参照しても何ら開示が無く不明であり、又、当該記載に基づけば、閾値レベルを下回ってもエネルギ貯蔵システムを動作させようとするものであるから、そもそも閾値に背景技術のような技術的な意味は無いものと考えられ、本願の閾値はどの様な定義であってシステム上どの様に決定するのか何ら開示が無く不明である。

(8)内部予備エネルギの計算例として、【0030】-【0043】に計算式が示されているが、当該計算式は電池の劣化の度合いを乗算しているから、電池の劣化の度合いを検出するファクター(変数)の数を増やせば増やす程、乗算の回数が係数の個数の分だけ増えることとなるが、何故この様な方法で内部予備エネルギが決定できるのか不明であり、そもそも係数をどの様にして決定しているのか何ら開示が無く不明である。更に、請求項2には、履歴データに関し、「少なくとも、?収集するステップを含む」とあり、請求項2記載の5種類の履歴データを最小限として、それ以上の種類の履歴データを収集することを示しているが、履歴データは5種類しか開示がなく、6種類以上無制限の履歴データがどの様なデータを含むのか明細書に開示が無く不明であり、又、仮に履歴データが10種類あって、各々が係数0.9であるとすると、エネルギ貯蔵容量に約0.35を掛けることとなり、履歴データを認識すればする程エネルギ貯蔵容量が減少することとなって、精度が何故向上するのか不明であり、又、エネルギ貯蔵システムにとって履歴データとなり得るファクター(変数)が履歴データとして正確に認知されていなければ、内部予備エネルギの量の決定が正確にできないものと考えるが、そのためには様々な種類のエネルギ貯蔵システムにとってどの履歴データが有用であるか決定しなければならないが、どの履歴データをどの様な判断基準で採用するか否かを決定するための手法が何ら開示が無く不明である。

(9)請求項1に「前記エネルギ貯蔵システムの前記内部予備エネルギの量に基づいて、前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算」との訳語があるが、エネルギ貯蔵システムを何らかの装置に搭載することは記載されていないから、「前記エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離」とは、エネルギ貯蔵システム自体が移動できて当該システムが移動可能な距離を意味するものと解せるが、そもそもエネルギ貯蔵システム自体が何故移動できるのか不明であり、仮に、車を想定しているのであれば、システムがどの様な計算式に基づいて移動距離を計算するのか不明であり、明細書を参照しても、履歴使用パターン、地形、気象、過去の走行パターン、エネルギ標準消費量等は考慮しているが、車の乗員数・積載量、車が使用する補機等の負荷について何ら考慮されておらず、車の乗員数・積載量、車が使用する補機等の負荷等を考慮せずに何故エネルギ貯蔵システムによって担うことが可能な距離を計算して計算値の向上が図れるのか不明である。

(10)背景技術として【0003】に、「閾値レベルでは、ESSの充電状態は、ゼロパーセントに達する。このレベルであっても、即ち、ESSの充電状態がゼロパーセント充電に達しても、ESS内には一定量の内部予備エネルギが未だ存在する。内部予備エネルギは、一般には、使用禁止である。従って、ESSが自動車の推進力の少なくとも一部を担う状況では、ESSの充電状態がゼロパーセントになると、自動車のユーザは走行できなくなる。」との訳語があり、当該記載に基づけば、エネルギ貯蔵システムのエネルギがESSの充電状態がゼロパーセントである閾値レベルに達すると、当該エネルギ貯蔵システムを搭載した自動車のユーザは走行できなくなるものと解される。しかし、本願は内部予備エネルギの量を決定することにより従来は走行できなくなっていた自動車が走行できるようになっており、何故本願の決定方法を用いることによって自動車が内部予備エネルギを用いて走行できるのか理由が不明である。

(11)請求項1に「前記エネルギ貯蔵システムの前記現在の状態が、少なくとも、前記エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定」との訳語があるが、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、計算式に現在の温度をどの様に取り込むのか何ら開示が無く不明であり、又、図6には、内部予備エネルギと温度の関係を示すグラフがあり、これはエネルギが閾値に達したときシステムを冷やすと電圧ではなくエネルギが増加することを意味するものと解せるが、何故冷却することによってエネルギが増加するのか不明である。

(12)請求項1は、利用可能な内部予備エネルギの量を決定する方法であり、当該決定が行われる時期・条件等は何ら示されていないから、常に決定を行っているものが含まれるが、仮に、エネルギ貯蔵システムが満充電のとき、エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定される現在の状態に基づくエネルギ貯蔵システムの内部予備エネルギを決定しても、当該エネルギ貯蔵システムのエネルギが閾値レベルに達するまでには、時間が経過して現在の状態が当然に変化しており、エネルギ貯蔵システムの現在の温度に基づいて決定される現在の状態を決定に用いることにどの様な意味があるのか不明、即ちエネルギが閾値レベル近傍ではない場合に内部予備エネルギを現在の状態を用いて決定することにどの様な意味があるのか不明である。

(13)請求項1を引用する請求項15に「利用可能な内部予備エネルギを用いて達成可能な仕事量を決定するステップを更に含む」との訳語があるが、当該仕事量は「担うことが可能な距離」を意味するのか否か不明であり、通常距離と仕事量は異なる概念であるから両者が異なるものであるとすると、担うことが可能な距離を求めた後に更に達成可能な仕事量を決定することとなり、内部予備エネルギを用いて何故両者を行うことができるのか不明であり、そもそも両者を行うことが明細書のどの記載に対応するのか不明である。

(14)請求項16、17に「履歴使用パターン」、「履歴走行パターン」、「履歴地形パターン」との訳語があるが、これらは各々どの様なデ-タであるのか定義が不明であり、又、履歴データと具体的にどの様に異なり、何が含まれ何が含まれないのか特定できず不明である。

(15)請求項19に「達成可能な仕事量は、現在の走行パターンに基づいて決定」との訳語があるが、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、決定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。

(16)請求項20に「達成可能な仕事量は、周囲気象条件に基づいて決定」との訳語があるが、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、決定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。

(17)請求項21に「達成可能な仕事量は、少なくとも前記エネルギ貯蔵システムが推進力を担う自動車が走行する地形に基づいて決定」との訳語があるが、当該決定をするためにはシステムが何らかの計算式(関数)を用いる必要があるが、決定するためにどの様な計算式を用いるのか何ら開示が無く不明である。

したがって、この出願の発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1-37に記載された発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、又、請求項1-37の記載は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているので、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、又、請求項1-37の記載は、発明の詳細な説明を参照しても明確ではないから、請求項1-37の記載は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


5.むすび
したがって、請求項1-37の記載は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしておらず、発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-01-07 
結審通知日 2016-01-12 
審決日 2016-01-29 
出願番号 特願2012-525257(P2012-525257)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (H01M)
P 1 8・ 537- WZ (H01M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 正貴坂東 博司  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 矢島 伸一
堀川 一郎
発明の名称 エネルギ貯蔵システムの予備エネルギの決定及び使用  
代理人 斉藤 達也  
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