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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1316592
審判番号 不服2015-4290  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-04 
確定日 2016-06-29 
事件の表示 特願2012-511379「心拍測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年11月25日国際公開、WO2010/133996、平成24年11月 8日国内公表、特表2012-527290〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年5月6日(パリ条約による優先権主張 2009年5月18日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、平成23年11月22日に手続補正書の提出がなされ、平成26年3月27日付けで拒絶理由が通知され、同年6月25日に意見書の提出がなされたところ、同年11月18日付けで拒絶査定がなされ、その謄本は同年11月25日に請求人に送達された。
そして、これに対し、平成27年3月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし12に係る発明は、平成23年11月22日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものであって、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
対象の心拍及び/又は心拍変動を測定するよう構成される心拍測定装置であって、
ホルダと、
前記ホルダへ動作上接続されるモーションセンサと
を有し、
前記ホルダは、当該ホルダに横たわる又は支えられている前記対象の身体部分の少なくとも一部を坦持するよう構成され、且つ、少なくとも部分的に地面に対して水平方向に可動であるよう構成され、
前記モーションセンサは、少なくとも部分的に前記水平方向における前記対象の動きによって生成される信号を測定するよう構成され、
前記モーションセンサは、第1の電極と第2の電極との間に形成される電気容量を有するキャパシタを備える電気式モーションセンサに対応し、
前記第1の電極は地面に対して固定され、前記第2の電極は前記ホルダに対して固定される、心拍測定装置。」

第3 引用例及びその記載事項
1 本願の優先権主張日前に頒布された刊行物であって、原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-183181号公報(以下、「引用例1」という。)について

(1)引用例1には、次の事項が記載されている。(下線は当審により付加したものである。)
ア 「【0001】
本発明は、ベッド等の就寝装置に設置し、心拍などの信号を検出する生体信号検出装置に関するものである。」

イ 「【0021】
(実施の形態1)
図1は生体荷重のかかっていない場合の生体信号検出装置の側面断面図、図2は生体信号検出装置の平面部分断面図、図3は、本発明の第1の実施の形態における生体信号検出装置が設置されたベッド(就寝装置)の構成図、図4及び図5は生体信号検出装置が設置されたベッドの断面図である。また、図6は感圧手段の断面図、図8は生体信号検出装置のブロック図である。
【0022】
図1及び図2において、生体信号検出装置4は、平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸5を有する金属板よりなる2枚の押圧板(押圧部材)6a、6bと、金属または硬質の樹脂よりなるベース部材7と可撓性を有する感圧手段8と、感圧手段8を保持するスポンジやゴムなどの弾性部材からなる支持体9と、押圧板を両端で支持する金属製のコイルスプリング10(連結部材)からなる。コイルスプリング10は押圧板6a、6b端部の凹凸5のない部分に複数設置され、この例では図2に示すように押圧板の四隅に設置している。ベース部材7は押圧板6bのコイルスプリング10設置部に配置され、押圧板6bにかかる荷重により押圧板6bが撓まないように支えている。そしてコイルスプリング10の弾性により押圧板6a、6bに荷重や振動が加わったときに押圧板6a、6bが上下に可動する。図1では生体信号検出装置4には荷重かかかっていないので、感圧手段8は変形しておらず、またコイルスプリング10も圧縮されていない。
【0023】
このとき、感圧手段8としては1本のケーブル状の圧電センサ8を用い、図2に示すように押圧板6a、6bの間に蛇行配置される。このとき圧電センサ8が移動してしまわないように支持体9には溝が彫ってあり、その溝にはめ込むことにより圧電センサ8が保持される。押圧板6a、6bの凹凸5は、例えばプレス加工などにより金属板を曲げることで形成されている。そのため、押圧板6a、6b、の下面の凹凸5は、上面から見ても凹凸5を有する事になる。そして、押圧板6a、6b、の凹凸5は生体信号検出装置4として重ねて設置したときに、同じ位置になるように配置されている。
【0024】
そしてこの例では凹凸5と圧電センサ8とは約90度の角度において複数の点で交差する。また、凹凸5は生体が就寝した際に、生体の身長方向と平行になるような方向に形成されている。
【0025】
また、圧電センサ8の一端には圧電センサ8からの出力信号を処理する制御ユニット11が接続されている。
【0026】
以下に生体信号検出装置4の動作作用を説明する。図3、図4においてベッド12の床板13の上に生体信号検出装置4が配置され、その上にマットレス14を配しさらにその上に生体である人体15が就寝している。このとき、人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動はマットレス14を介して伝わり生体信号検出装置4に達する。そのときコイルスプリング10は圧縮され圧電センサ8は押圧板6aの凹凸5の断面形状に沿って支持体9とともにその下面に設置されている押圧板6bの凹凸5の窪みに入り込むことで圧電センサ8に大きな曲げ作用が加わり大きな信号出力が発生する。また荷重や振動がない場合は、コイルスプリング10の弾性による復元力と、支持体9の弾性による復元力のため圧電センサ8とともに元の形状に復元する。さらに、凹凸5は板状の押圧板6a、6bに配されているので板自体が撓み変形を起こし、例えばマットレス14の中央の荷重や振動によって、マットレス14の中央部分においてより大きな変形を起こし高い感度で生体信号を検出することが出来る。」

ウ 「【0059】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態における生体信号検出装置について図16を用いて説明する。図16は、生体信号検出装置の要部断面図である。」

エ 「【0060】
第1から第3の実施の形態との違いは、押圧ブロック29a、29b(押圧部材)が横方向に可動するような構成とした点である。」

オ 「【0061】
図16(a)に示すように、下側の押圧ブロック29bの端部には軸受け30と軸受け30内で回転するローラー31(連結部材)が固定されており、そのローラー31上に上側の押圧板29aが配置され、矢印C方向に可動する。上側の押圧ブロック29aにはストッパー32が配置されており可動する上側の押圧ブロック29aが過剰に移動して外れないように移動量を規制している。そして図16(b)に示すように生体信号検出装置4に心拍などに起因する振動が印加された場合、ローラー31上を移動した上側の押圧ブロック29aの凹凸5は圧電センサ8を下側の押圧板29bの凹凸5に横方向に押しつけるように変形させ高い感度で信号を出力することが出来る。一般的に人体は、心臓の拍動による振動成分と供に、心臓から動脈へ拍出される血流の反作用などによる振動成分を持っているためマットレス及び生体信号検出装置4には縦方向のみならず横方向の振動成分も加わるためこのような構成で生体信号を検出することが可能である。またこのような構成とすることでベッドの中央に就寝した場合でもベッドの端部に就寝した場合でも同様に押圧ブロック29aが動くので、就寝位置によらず高い感度で生体信号を検出可能することができる。
【0062】
生体信号検出装置4の大きさは実施の形態第1から第3と同様でも良いが、図17に示すようにマットレス14と同程度の大きさにしてマットレス14と床板12との摩擦により押圧ブロック29aの横方向の動きが抑制されないようにした方がより高い感度で生体信号が検出可能となる。」

カ 図1


キ 図2


ク 図16


ケ 図17


(2)引用例1に記載された発明
ア 上記(1)イ、エの記載から、第4の実施の形態における生体信号検出装置4は、平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する2枚の押圧部材29a、29bと、可撓性を有する感圧手段8とからなるものであり、感圧手段8は、1本のケーブル状の圧電センサ8を用い、押圧部材29a、29bの間に蛇行配置されるものであること、人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動は、マットレス14を介して生体信号検出装置4に達するものであることがいえる。

イ 図17より、生体信号検出装置4は、人体15を横たえることができるマットレス14と床板12との間に配置されるものであることが見て取れる。

ウ 上記(1)オの記載及び、ク(図16)、ケ(図17)から、矢印C方向は、地面に対して水平方向であるといえる。

エ 以上のことから、引用例1には、つぎの発明が記載されていると認められる。

「心拍などの信号を検出する生体信号検出装置4であって、
生体信号検出装置4は、平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する2枚の押圧部材29a、29bと、可撓性を有する感圧手段8とからなり、
感圧手段8としては1本のケーブル状の圧電センサ8を用い、押圧部材29a、29bの間に蛇行配置され、
生体信号検出装置4は、人体15を横たえることができるマットレス14と同程度の大きさであり、マットレス14と床板12との間に配置され、
人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動は、マットレス14を介して伝わり生体信号検出装置4に達し、
押圧部材29bの端部には軸受け30と軸受け30内で回転するローラー31(連結部材)が固定されており、そのローラー31上に押圧部材29aが配置され、地面に対して水平方向に可動し、
押圧部材29aにはストッパー32が配置されており可動する押圧部材29aが過剰に移動して外れないように移動量を規制し、
生体信号検出装置4に心拍などに起因する振動が印加された場合、ローラー31上を移動した押圧部材29aの凹凸は圧電センサ8を押圧部材29bの凹凸に横方向に押しつけるように変形させ信号を出力すること
を特徴とする生体信号検出装置4。」(以下、「引用発明」という。)

第4 本願発明と引用発明との対比
1 引用発明の「人体15からの心拍などの信号を検出する生体信号検出装置4」と、本願発明の「対象の心拍及び/又は心拍変動を測定するよう構成される心拍測定装置」とは、「対象の心拍を測定するよう構成される装置」という点で共通する。

2 引用発明の「マットレス14」は、「人体15を横たえることができる」ものであり、「生体信号検出装置4」の「押圧部材29a」上に配置され、「人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動」を「生体信号検出装置4」に伝えるものである。そして、「押圧部材29a」は、「地面に対して水平方向に可動」するものであるから、「押圧部材29a」上に配置されている「マットレス14」も、「地面に対して水平方向に可動」するものであるといえる。
よって、引用発明の「人体15を横たえることができる」とともに、「地面に対して水平方向に可動」する「マットレス14」は、本願発明の「横たわる」「前記対象の身体部分」「を坦持するよう構成され、且つ、」「地面に対して水平方向に可動であるよう構成され」た「ホルダ」に相当する。

3 引用発明の「生体信号検出装置4」は、その上に「マットレス14」を配置し、「人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動」を「マットレス14を介して」検出するものであるから、「生体信号検出装置4」と「マットレス14」とは動作上接続されているものといえる。
よって、引用発明の上部に「マットレス14」を配置し、「人体15からの心拍などの生体信号に起因する振動」を「マットレス14を介して」検出する「生体信号検出装置4」は、本願発明の「前記ホルダへ動作上接続されるモーションセンサ」に相当する。

4 引用発明の「生体信号検出装置4」は、「生体信号検出装置4に心拍などに起因する振動が印加された場合、ローラー31上を移動した押圧部材29aの凹凸は圧電センサ8を押圧部材29bの凹凸に横方向に押しつけるように変形させ信号を出力する」ものであり、「押圧部材29a」は、「地面に対して水平方向に可動」するものであるから、「生体信号検出装置4」は、「地面に対」する「水平方向」における「心拍などに起因する振動」によって生成される信号を検出するものである。そして、「生体信号検出装置4」が「心拍などに起因する振動」によって生成される信号を検出する際に、測定を行っていることは技術的に明らかである。
よって、引用発明における、「心拍などに起因する振動が印加された場合、ローラー31上を移動した押圧部材29aの凹凸は圧電センサ8を押圧部材29bの凹凸に横方向に押しつけるように変形させ信号を出力する」「生体信号検出装置4」は、本願発明における、「前記ホルダへ動作上接続される」とともに、「前記水平方向における前記対象の動きによって生成される信号を測定するよう構成され」る「モーションセンサ」に相当する。

5 引用発明の「生体信号検出装置4」は、「平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する2枚の押圧部材29a、29bと、可撓性を有する感圧手段8とからなり、感圧手段8としては1本のケーブル状の圧電センサ8を用い」るものであるから、電気式であるといえる。また、引用発明の「生体信号検出装置4」は、「マットレス14と床板12との間に配置され」るものであるから、「押圧部材29a」の上には「マットレス14」が配置され、「押圧部材29b」は「床板12」の上に配置されていることは明らかである。そして、引用発明の「床板12」は、「生体信号検出装置4」を配置するためのものであるから、本願発明の「地面」に相当する。
よって、引用発明の「平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する2枚の押圧部材29a、29bと、可撓性を有する感圧手段8とからなり、感圧手段8としては1本のケーブル状の圧電センサ8を用い」るとともに、「マットレス14と床板12との間に配置され」る「生体信号検出装置4」と、本願発明の「第1の電極と第2の電極との間に形成される電気容量を有するキャパシタを備える電気式モーションセンサに対応し、前記第1の電極は地面に対して固定され、前記第2の電極は前記ホルダに対して固定される」「モーションセンサ」とは、「第1の部材と第2の部材とを備える電気式モーションセンサに対応し、前記第1の部材は地面の上に配置され、前記第2の部材の上に前記ホルダが配置されるモーションセンサ」という点で共通する。

6 上記2ないし5で検討したとおり、引用発明の「マットレス14」、「生体信号検出装置4」は、本願発明の「ホルダ」、「モーションセンサ」に対応するものであるから、引用発明の「マットレス14」と「生体信号検出装置4」とからなる装置は、本願発明の「ホルダ」と、「モーションセンサ」とを有する「心拍測定装置」に相当するものといえる。
さらに、上記1で検討したとおり、引用発明の「人体15からの心拍などの信号を検出する生体信号検出装置4」と、本願発明の「対象の心拍及び/又は心拍変動を測定するよう構成される心拍測定装置」とは、「対象の心拍を測定するよう構成される装置」という点で共通するものである。
以上のことからすれば、引用発明の「マットレス14」と「人体15からの心拍などの信号を検出する生体信号検出装置4」とからなる装置は、本願発明の「対象の心拍を測定するよう構成される心拍測定装置」に相当する。

7 以上のことを踏まえると、本願発明と、引用発明とは、つぎの一致点で一致し、各相違点において相違する。

<一致点>
「対象の心拍を測定するよう構成される心拍測定装置であって、
ホルダと、
前記ホルダへ動作上接続されるモーションセンサと
を有し、
前記ホルダは、当該ホルダに横たわる前記対象の身体部分を坦持するよう構成され、且つ、地面に対して水平方向に可動であるよう構成され、
前記モーションセンサは、前記水平方向における前記対象の動きによって生成される信号を測定するよう構成され、
前記モーションセンサは、第1の部材と第2の部材とを備える電気式モーションセンサに対応し、
前記第1の部材は平面の上に配置され、前記第2の部材の上に前記ホルダが配置される、心拍測定装置。」

<相違点1>
「モーションセンサ」が、本願発明は「第1の電極と第2の電極との間に形成される電気容量を有するキャパシタ」を備えるものであるのに対して、引用発明は「平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する2枚の押圧部材29a、29bと、可撓性を有する感圧手段8とからな」るものである点。

<相違点2>
「第1の部材」および「第2の部材」が、本願発明は「第1の電極」および「第2の電極」であって、「前記第1の電極は地面に対して固定され、前記第2の電極は前記ホルダに対して固定される」のに対して、引用発明は「押圧部材29b」および「押圧部材29a」であって、「押圧部材29b」は床板12の上に配置され、「押圧部材29a」の上に「マットレス14」が配置される点。

第5 当審の判断
1 相違点1について
一方の面に凹凸を形成した固定電極と移動電極とを有し、両者の凹凸面を対向させ、移動電極の移動に応じて静電容量を変化させて、測定対象物の移動量を検出するセンサは、周知である(例えば、特開昭55-75614号公報の1頁右下欄2-8行、実願昭61-116246号(実開昭63-21815号のマイクロフィルム)の2頁3-10行参照)。そして、引用発明における「生体信号検出装置4」は、「心拍などに起因する振動が印加された場合、ローラー31上を移動した押圧部材29aの凹凸は圧電センサ8を押圧部材29bの凹凸に横方向に押しつけるように変形させ信号を出力する」ものであるから、押圧部材の相対移動を部材間に生じる力に変換して検出しているものであるところ、両部材の相対移動を測定する手段として、上記周知のセンサを用いてみようとすることは、当業者が当然想起し得ることである。
よって、引用発明における「生体信号検出装置4」にかえて、上記周知のセンサを適用して、本願発明の相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

また、引用発明の「押圧部材29a、29b」は、「平行でほぼ等間隔に並んだ複数の凹凸を有する」ものであることに鑑みると、上記周知のセンサに基づいて、引用発明の「生体信号検出装置」の「押圧部材29b」および「押圧部材29a」を電極とし、「押圧部材29a」の移動に応じて静電容量を変化させて、測定対象物の移動量を検出するセンサとすることで、本願発明の相違点1に係る構成とすることも、当業者が容易になし得ることである。

2 相違点2について
本願発明における「固定」の意味するところは、「第1の電極」が「地面」に対して動かないようにすること、「第2の電極」が「ホルダ」に対して動かないようにすることである。一方、引用発明における「配置」も、「押圧部材29b」が「床板12」に対して動かないようにしていること、「押圧部材29a」が「マットレス14」に対して動かないようにしていることは、「生体信号検出装置4」の動作原理に鑑みれば明らかである。
したがって、上記相違点2については、本願発明と引用発明との間に差異はない。

また、本願発明における「固定」が固定手段によって固定することを意味したものであったとしても、2つの部材を固定する固定手段は周知技術であるから、引用発明において、「押圧部材29b」を床板12の上に配置し、「押圧部材29a」の上に「マットレス14」を配置するにあたって、「押圧部材29b」を床板12の上に固定手段によって固定し、「押圧部材29a」の上に「マットレス14」を固定手段によって固定することで、本願発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

3 そして、本願発明の作用効果は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測し得る程度のことであって格別のものとはいえない。

4 小括
してみると、本願発明は、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その他の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、上記結論のとおり、審決する。
 
審理終結日 2016-01-27 
結審通知日 2016-02-02 
審決日 2016-02-16 
出願番号 特願2012-511379(P2012-511379)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 裕司  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 ▲高▼見 重雄
麻生 哲朗
発明の名称 心拍測定装置  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  

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