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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F02M
管理番号 1317276
審判番号 不服2015-8054  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-30 
確定日 2016-05-12 
事件の表示 特願2014-541879「気密性診断装置および気密性診断方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月24日国際公開、WO2014/061135〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2012(平成24)年10月18日を国際出願日とする出願であって、平成26年10月31日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年2月10日付けで拒絶査定がされ、同年4月30日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において同年10月30日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成28年1月8日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1ないし8に係る発明は、平成28年1月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲、平成27年1月9日に提出された手続補正書により補正された明細書及び願書に最初に添付された図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「 【請求項1】
燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタで回収してパージソレノイドバルブを介してエンジンへ導入する蒸発燃料処理システムの気密性を診断する気密性診断装置において、
前記蒸発燃料処理システムの内部圧力を変更するエアポンプと、
前記キャニスタと大気とを連通する配管に設置された電磁弁と、
前記エアポンプの駆動制御および前記電磁弁の開閉制御を行い、前記蒸発燃料処理システムの内部圧力を検出して気密性を診断する制御部とを備え、
前記制御部は、前記パージソレノイドバルブが閉弁した状態で、所定の条件を満たす場合、前記電磁弁を閉弁して前記蒸発燃料処理システムを大気から遮断した状態で前記エアポンプを駆動して前記内部圧力を加圧または減圧した後、前記エアポンプを停止した状態で前記内部圧力の変動に基づいて気密性を診断する第1の診断方式を実施し、前記所定の条件を満たさない場合、前記電磁弁を閉弁して前記蒸発燃料処理システムを大気から遮断した状態で前記内部圧力の変動に基づいて気密性を診断する第2の診断方式を実施することを特徴とする気密性診断装置。」

第3 引用文献
1 引用文献の記載
当審拒絶理由で引用され、本願の優先日前に外国において頒布された刊行物である特開2005-2965号公報(以下、「引用文献」という。)には、「蒸発燃料処理装置のリーク診断装置」に関して、図面とともに概ね次の記載がある。なお、下線は、理解の一助のため当審で付した。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクにて発生する燃料蒸気を捕集して処理する蒸発燃料処理装置におけるリークを診断する装置であって、詳しくは、燃料タンクやキャニスタなどの診断対象区間を閉塞し、該閉塞区間の圧力変化に基づいてリークを診断する技術に関する。」(段落【0001】)

イ 「【0002】
【従来の技術】
従来、蒸発燃料処理装置のリーク診断装置としては、特許文献1に開示されるようなものがあった。
【0003】
このものは、診断対象とする閉塞区間に機関の吸気管負圧を導入して減圧し、このときの圧力変化量に基づいてリークの有無を診断する構成である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11-343927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、機関の吸気管負圧を利用して診断区間を減圧する構成であると、キャニスタからの蒸発燃料の脱離量が多い条件では、リーク診断に伴ってキャニスタから脱離された多量の蒸発燃料が機関に吸引され、機関の空燃比を大きく変動させることになってしまう。
【0006】
このため、リーク診断は、キャニスタからの蒸発燃料の脱離量が少ない条件で行なわせることが必要となるが、係る条件下でリーク診断を行なわせる構成では、充分な診断機会を確保できないという問題があった。
【0007】
また、減圧に伴う圧力変化量のみに基づいてリークの有無を診断する構成では、比較的小さい径のリーク穴の有無を精度良く診断することが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、リーク診断の機会を確保でき、かつ、精度良くリーク診断を行なえる蒸発燃料処理装置のリーク診断装置を提供することを目的とする。」(段落【0002】ないし【0008】)

ウ 「【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1に係る発明は、診断対象の区間を閉塞し、該閉塞区間内をエアポンプで加圧したときの圧力上昇特性、及び、前記加圧停止後の圧力下降特性に基づいて、前記診断対象の区間におけるリークを診断する構成とした。
【0010】
かかる構成によると、診断時には診断区間を閉塞し、エアポンプによって前記閉塞区間に空気を供給することで、前記閉塞区間を加圧する。
そして、加圧による閉塞区間の圧力上昇特性を検出し、更に、エアポンプによる加圧を停止させてからの圧力下降特性を検出し、これら圧力上昇特性及び圧力下降特性に基づいてリークの有無を診断する。
【0011】
従って、機関運転中に診断を行なわせる必要がなく、機関停止後に確実に診断させることができ、診断機会を確保できる一方、加圧による圧力上昇特性と加圧停止後の圧力下降特性との双方に基づいて診断を行なうことで、リークの有無を精度良く診断できる。
(中略)
【0018】
従って、空間容積・揮発性の違いによる圧力変化特性の違いに対応でき、以って、リーク診断の精度を維持できる。」(段落【0009】ないし【0018】)

エ 「【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は実施形態における内燃機関のシステム構成図である。
【0020】
この図1において、内燃機関1は、図示省略した車両に搭載されるガソリン機関である。
前記内燃機関1の吸気系には、スロットル弁2が設けられていて、これにより機関1の吸入空気量が制御される。
【0021】
また、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部には、気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が設けられている。
前記燃料噴射弁4は、コントロールユニット20から機関回転に同期して出力される噴射パルス信号により開弁して燃料噴射を行い、噴射された燃料は機関1の燃焼室内で燃焼する。
【0022】
蒸発燃料処理装置としては、燃料タンク5にて発生する蒸発燃料を蒸発燃料導入通路6により導いて一時的に吸着するキャニスタ7が設けられている。
前記キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものである。
【0023】
また、前記キャニスタ7には、新気導入口9が形成されると共に、パージ通路10が導出されている。
前記パージ通路10は、常閉型のパージ制御弁11を介して、スロットル弁2下流の吸気管3に接続されている。
【0024】
前記パージ制御弁11は、前記コントロールユニット20から出力されるパージ制御信号により開弁するようになっている。
従って、燃料タンク5にて発生した蒸発燃料は、蒸発燃料導入通路6によりキャニスタ7に導かれて、ここに吸着捕集される。
【0025】
そして、機関1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11が開制御され、これにより機関1の吸入負圧がキャニスタ7に作用する結果、新気導入口9から導入される新気によってキャニスタ7に吸着されていた蒸発燃料が脱離される。
【0026】
そして、この脱離した蒸発燃料を含むパージガスがパージ通路10を通って吸気管3内に吸入され、その後、機関1の燃焼室内で燃焼処理される。
係る蒸発燃料処理装置のリーク診断を行なうために、キャニスタ7の新気導入口9側に、電動式エアポンプ13が設けられる。
【0027】
そして、キャニスタ7の新気導入口9を、大気開放口12と、エアポンプ13の吐出口とに選択的に接続する電磁式の切換弁14が設けられる。
尚、前記切換弁14はOFF状態で大気開放口12側、ON状態でエアポンプ13側に切換えられるようになっており、通常はOFFで大気開放口12側に切換えられ、キャニスタ7の新気導入口9を大気開放口12に連通させている。
【0028】
また、前記大気開放口12と前記エアポンプ13の吸込口とに共通のエアフィルター17が設けられている。
前記コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力される。
【0029】
前記各種センサとしては、機関1の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ21、機関1の吸入空気量を計測するエアフローメータ22、車速を検出する車速センサ23、燃料タンク内5の圧力を検出する圧力センサ24、燃料タンク5内の燃料残量を検出するタンク残量センサ(燃料計)25が設けられている。
【0030】
ここにおいて、コントロールユニット20は、機関運転条件に基づいて燃料噴射弁4の作動を制御し、また、機関運転条件に基づいてパージ制御弁11の作動を制御する。」(段落【0019】ないし【0030】)

オ 「【0031】
更に、コントロールユニット20は、図2のフローチャートに示すようにして、蒸発燃料処理装置のリーク診断を行う。
図2のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、機関1の運転中に吸気管負圧を利用したリーク診断を行なう(図3参照)。
【0032】
該ステップS1におけるリーク診断は、所定の診断条件が成立したときに、前記切換弁14によってキャニスタ7の新気導入口9を遮蔽し、また、前記パージ制御弁11を開制御して、パージ制御弁11?キャニスタ7?燃料タンク5の診断対象の閉塞区間に機関1の吸気管負圧を導入させる。
【0033】
そして、第1の所定時間だけ前記閉塞区間を減圧させた後、前記パージ制御弁11を閉じて負圧を閉じ込め、前記パージ制御弁11を閉じてから第2の所定時間内に、閉塞区間の圧力(燃料タンク5内の圧力)が所定値以上上昇した場合にはリーク有りを判定し、閉じ込めた負圧が維持された場合には、リーク無しと判定する。
【0034】
ステップS2では、前記吸気管負圧を利用したリーク診断の結果、リーク有りと判定されたか否かを判断し、リーク有りと判定されているときには、ステップS3へ進んで、車両の運転席付近等に設けた警告灯を点灯させ、運転者にリーク発生を警告する。
【0035】
尚、前記警告灯は、蒸発燃料処理装置におけるリークの発生を警告する文字表示であっても良いし、単に修理を促す警告であっても良い。
このようにして、機関の運転中の診断によってリーク有りの判定がなされたときには、後述する機関停止後のリーク診断は実施されない。
【0036】
一方、リーク穴が検出されなかったときには、ステップS4へ進む。
ステップS4では、キースイッチがOFFされたか否かを判断し、キースイッチがOFFされるまでは、ステップS1へ戻って、吸気管負圧で診断区間を減圧させるリーク診断を、診断条件成立時に行なわせる。」(段落【0031】ないし【0036】)

カ 「【0037】
キースイッチのOFFが判定されると(換言すれば、機関1が停止されると)、ステップS5へ進む。
尚、機関停止後のリーク診断においては、後述するようにエアポンプ13を用いるため、エアポンプ13の電源となるバッテリの電圧が所定値以上あることを診断開始の条件として、リーク診断のためにバッテリが消耗して、機関の再始動が行なえなくなることを防止することが好ましい。
【0038】
ステップS5では、前記切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を大気解放し、前記診断対象区間内の圧力を大気圧に初期設定する。
ステップS6では、前記切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を遮蔽し、燃料タンク5内の燃料の蒸発で、診断対象の区間の圧力Pが上昇する状態とする。
【0039】
そして、燃料蒸気による圧力上昇特性から、燃料性状(揮発性)を推定する。
即ち、燃料の揮発性の違いによって、燃料蒸気による圧力の時間的変化が異なるから、基準の揮発性の燃料を用いたときの圧力変化である基準の時間的変化と実際の時間的変化との差分を演算し、該差分に基づいて燃料性状(揮発性)を推定する。
【0040】
ステップS7では、タンク残量センサ(燃料計)25で検出されるそのときの燃料タンク5内の燃料残量が所定量以下であるか否かを判別し、燃料残量が所定量以下であるとき(燃料タンク5がほとんど空であるとき)には、機関停止後の加圧によるリーク診断を行なうことなく終了させる。
【0041】
尚、前記終了処理は、コントロールユニット20が電源を自己遮断することを示す。
燃料残量が少ないと診断対象区間の空間容積が大きくなり、空間容積が大きいとリークの有無による圧力変化の検出感度が低下して、リーク穴の診断精度が低下する。
【0042】
そこで、本実施形態では、燃料残量が所定量よりも多く、診断対象区間の空間容積が所定値よりも小さいときに、加圧によるリーク診断を行なわせるようになっている。
【0043】
また、ステップS8では、閉塞区間(燃料タンク5内)の圧力が所定時間内で所定値以上上昇したか否かを判断することで、燃料タンク5のフィラーキャップの開状態であるか否かを判断する。
【0044】
ステップS8へ進むのは、機関1の停止直後でかつ診断対象区間が密閉される状態であるから、通常であれば燃料の蒸発が進んで圧力上昇するはずである。
従って、予測される圧力上昇を示さない場合には、フィラーキャップが開いていたり、又は、特大のリーク穴が開いているものと推定されるが、いずれの要因によって圧力上昇しない状態であるかを区別できないので、この場合も、機関停止後の加圧によるリーク診断を行なうことなく終了させる。」(段落【0037】ないし【0044】)

キ 「【0045】
尚、フィラーキャップの開閉を検出するスイッチを備え、該スイッチのON・OFFに基づいて診断をキャンセルするか否かを判断させるようにしても良い。
ステップS9では、前記切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を大気解放し、前記診断対象区間内の圧力を再度大気圧に初期設定する。
【0046】
ステップS10では、前記切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9をエアポンプ13の吐き出し口に接続し、エアポンプ13による空気の供給(加圧)を開始させる。
【0047】
ステップS11では、所定時間t1の加圧によって、診断区間内の圧力Pが所定量α以上上昇したか否か、即ち、加圧開始時点の圧力と所定時間t1だけ加圧した時点の圧力との差が所定量α以上になっているか否かを判別する。
【0048】
加圧による圧力上昇量Aが所定量α未満であるときには、ステップS12へ進んで、比較的大きなリーク穴があるものと判断し、リーク発生を警告する警告灯を点灯させる。
【0049】
一方、加圧による圧力上昇量Aが所定量α以上であったときには、ステップS13へ進んで、圧力上昇量Aを記憶する(図4(a)参照)。
ステップS14では、加圧によって診断対象区間内の圧力Pが目標圧Ptにまで達しているか否かを判定する。
【0050】
診断対象区間内の圧力Pが目標圧Ptに到達していない場合には、診断精度が低下するので、ステップS15以降のリーク診断に進むことなく、診断制御を終了させる。
【0051】
一方、ステップS14で、診断対象区間内の圧力Pが目標圧Ptに到達していると判別されたときには、ステップS15へ進んで、エアポンプ13の作動を停止させ、診断対象区間の加圧を停止させる。
【0052】
次のステップS16では、加圧を停止してから所定時間t2における圧力下降量Bを検出して記憶する(図4(b)参照)。
加圧を停止すると、閉塞される診断対象区間に圧力が閉じ込められ、漏れがないとすると、加圧停止後も圧力を保持することになるが、リーク穴があると穴径が大きいほど、圧力が大きく低下することになる。
【0053】
ステップS17では、燃料タンク5内の燃料残量に基づいて前記圧力上昇量A及び圧力下降量Bを補正する。
即ち、燃料タンク5内の燃料残量によって診断対象区間(加圧空間)の容積が変化し、これによって同じリーク穴径でも異なる圧力変化を示すようになるため、燃料残量に応じて前記圧力上昇量A及び圧力下降量Bを基準容積での圧力変化量に変換する。
【0054】
また、ステップS17では、前記ステップS6で推定した燃料の揮発性に応じた補正を、前記圧力上昇量A及び圧力下降量Bに施す。
これは、加圧中及び加圧停止後も、燃料蒸気による圧力変化が、圧力上昇量A及び圧力下降量Bに影響を与えるためである。
【0055】
ステップS18では、前記圧力上昇量Aが閾値a(>所定量α)よりも大きく、かつ、前記圧力下降量Bが閾値bよりも小さいか否かを判別する。
診断対象区間にリーク穴があると、圧力上昇量Aが小さく、圧力下降量Bが大きくなり、リーク穴がない場合には、圧力上昇量Aが大きく、圧力下降量Bが小さくなる。
【0056】
そこで、前記圧力上昇量Aが閾値aよりも大きく、かつ、前記圧力下降量Bが閾値bよりも小さいと判断された場合に、ステップS19へ進んで、リーク穴がないか又は許容レベルの径のリーク穴であるものと判断する。
【0057】
一方、前記圧力上昇量Aが閾値a以下、及び/又は、前記圧力下降量Bが閾値b以上であるときには、ステップS20へ進み、ステップS12で判定されるより小さい径のリーク穴があると判断し、リーク発生を警告する警告灯を点灯させる。
【0058】
ここで、判定したリーク穴径を警告しても良いし、単に、リーク穴の発生のみを警告して、リーク穴径の判定結果は、整備情報として記憶させるようにしても良い。
【0059】
尚、燃料タンク5内の燃料残量・燃料の揮発性に基づいて前記圧力上昇量A及び圧力下降量Bを補正する代わりに、燃料タンク5内の燃料残量・燃料の揮発性に基づいて前記閾値a,bを可変に設定しても良い。
【0060】
尚、燃料性状(揮発性)は、ノッキングの検出に基づく点火時期のフィードバック補正の結果として判断することも可能である。
ステップS21では、前記切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を大気解放して診断制御を終了させる。
【0061】
但し、閉塞区間内の圧力を急激に解放させると、燃料蒸気が新気導入口9から噴出する可能性があるため、開度を徐々に増大させたり、開時間割合を徐々に増大させるなどすることが好ましい。
【0062】
上記構成によると、機関運転中は、機関の吸気管負圧による減圧処理による圧力変化に基づいてリーク診断を行い、更に、機関停止直後にはエアポンプによる加圧処理による圧力変化に基づいてリーク診断を行なうので、診断頻度が向上する。
【0063】
また、機関停止直後のリーク診断においては、加圧による圧力上昇量A及び加圧停止後の圧力下降量Bに基づいてリーク診断を行なうので、比較的小さいリーク穴を精度良く診断できる。
【0064】
更に、燃料残量の違いによる閉塞区間の容積変化に対応して、圧力変化量を正規化するので、燃料残量が異なっても精度良くリーク診断を行なえる。
また、リーク診断のために加圧した閉塞区間を開放して大気圧に戻すときに、開度制限を行なうようにすることで、燃料蒸気が新気口から噴出することを回避できる。」(段落【0045】ないし【0064】)

ク 「【0065】
図5のフローチャートは、リーク診断の第2実施形態を示す。
図5のフローチャートにおいては、図2のフローチャートに示した第1実施形態に対して、圧力上昇特性を示すパラメータとして、圧力変化の曲率を求める点が異なり、図5のフローチャートは、図2のフローチャートに対してステップS13A,ステップS18Aの部分のみが異なる。
【0066】
ステップS13Aでは、エアポンプ13による加圧中における圧力変化の曲率A(加速度)を算出して記憶する。
そして、ステップS18Aでは、前記曲率Aの絶対値が閾値aよりも小さく、かつ、圧力下降量Bが閾値bよりも小さいか否かを判別する。
【0067】
リークがない場合には、エアポンプ13による加圧で略一定速度(加速度=0)で圧力が上昇するのに対し、リークがあると、圧力上昇速度が徐々に鈍る結果、圧力変化の加速度の絶対値が大きくなる。
【0068】
従って、エアポンプ13による加圧状態での圧力変化の曲率Aの絶対値が閾値a以上である場合には、ステップS20へ進んで、小径リーク穴有りの判定を下す。
【0069】
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1?4のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、前記診断対象の区間として燃料タンク内を含み、該燃料タンク内の燃料残量が所定以下であるときに、リーク診断をキャンセルすることを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0070】
かかる構成によると、燃料タンク内を含む診断対象区間を閉塞し、エアポンプによる加圧を行なってリークの有無を診断するが、燃料タンク内の燃料残量が所定以下で、診断対象区間の容積が大きいときにはリーク診断をキャンセルする。
【0071】
従って、加圧する容積が大きいためにリークの有無による圧力変化特性の違いが小さく、リークの検出感度が低下するときにリーク診断がキャンセルされ、リーク診断結果の信頼性を維持できる。
(ロ)請求項1?4のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、前記内燃機関の停止直後に診断を行なう構成であって、かつ、前記診断対象の区間として燃料タンク内を含み、
前記診断対象の区間を閉塞したときの燃料の蒸発による圧力上昇が所定以下であるときに、前記リーク診断をキャンセルすることを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0072】
かかる構成によると、機関の停止直後に燃料タンク内を含む診断対象の区間を閉塞し、該閉塞区間をエアポンプで加圧して診断するが、加圧前に燃料の蒸発による圧力上昇を判断し、圧力上昇が所定以下であるときにはリーク診断をキャンセルする。
【0073】
従って、燃料タンクのフィラーキャップが開いていて診断対象区間を閉塞できていない場合(或いは特大の穴が診断対象区間に開いている場合)に、加圧による診断が行なわれることが回避され、リークの有無が誤診断されることを防止できる。
(ハ)請求項1?4のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、
機関運転中に、前記閉塞区間内に機関の吸気管負圧を導入したときの圧力変化に基づいて、前記診断対象の区間におけるリークを診断すると共に、
前記機関の停止直後に、前記閉塞区間内をエアポンプで加圧したときの圧力上昇特性、及び、前記加圧停止後の圧力下降特性に基づいて、前記診断対象の区間におけるリークを診断することを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0074】
かかる構成によると、機関運転中においては、閉塞した診断対象区間に機関の吸気管負圧を導入させて減圧し、このときの圧力変化に基づいてリーク診断を行い、機関が停止されると、閉塞した診断対象区間をエアポンプで加圧し、該加圧による圧力上昇特性、及び、加圧停止後の圧力下降特性に基づいてリークを診断する。
【0075】
従って、機関運転中及び機関停止後の双方でリーク診断を行なう機会が得られ、リーク診断の頻度を向上させることができる。
(ニ)請求項1記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、
前記加圧により圧力上昇しない場合に、大径リーク穴有りを判定する一方、
前記大径リーク穴有りの判定がなされなかった場合、前記加圧開始後の所定時間内における圧力上昇量が第1の閾値以下、及び/又は、前記加圧停止後の所定時間内における圧力下降量が第2の閾値以上であるときに、小径リーク穴有りを判定することを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0076】
かかる構成によると、エアポンプによって閉塞区間を加圧しても圧力が上昇しない場合には、大径リーク穴有りを判定する一方、加圧によって圧力上昇しても、その変化量が第1の閾値以下であるか、及び/又は、加圧停止後の圧力下降量が第2の閾値以上であるときには、小径リーク穴有りを判定する。」(段落【0065】ないし【0076】)

2 引用文献の記載から分かること
上記1及び図面の記載から、引用文献には、次の事項が記載されていることが分かる。

サ 上記1 アないしク(特にエを参照。)及び図面の記載から、引用文献には、燃料タンク5の蒸発燃料をキャニスタ7で回収してパージ制御弁11を介して内燃機関1へ導入する蒸発燃料処理装置のリーク診断を行う、蒸発燃料処理装置のリーク診断装置が記載されていることが分かる。

シ 上記1 エ及びカないしク及び図面の記載から、引用文献に記載された蒸発燃料処理装置のリーク診断装置は、空気を供給することにより診断対象区間の圧力を加圧するエアポンプ13と、前記キャニスタ2と大気とを連通する配管に設置された電磁式の切換弁14と、前記エアポンプ13の駆動制御及び前記電磁式の切換弁14の切換え制御を行い、燃料タンク5内の圧力を検出する圧力センサ24からの信号が入力され、リーク診断行うコントロールユニット20を備えることが分かる。

ス 上記1 エ及びキ及び図面の記載から、引用文献に記載された蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、コントロールユニット20は、図2のステップS10で電磁式の切換弁14を制御してキャニスタ7の新規導入口9をエアポンプ13の吐き出し口に接続することにより診断区間を閉塞してエアポンプ13による空気の供給(加圧)を行い(段落【0046】、ステップS14では、加圧によって診断対象区間内の圧力Pが目標圧Ptにまで達しているか否かを判定し(段落【0049】)、診断対象区間内の圧力Pが目標圧Ptに到達していると判別されたときには、ステップS15へ進んで、エアポンプ13の作動を停止させて診断対象区間の加圧を停止させ(段落【0051】)、次のステップS16では、加圧を停止してから所定時間t2における圧力下降量Bを検出して記憶する(段落【0052】)ことが分かる。
さらに、ステップS17では、燃料タンク5内の燃料残量に基づいて前記圧力上昇量A及び圧力下降量Bを補正し(段落【0053】)、ステップS18では、前記圧力上昇量Aが閾値a(>所定量α)よりも大きく、かつ、前記圧力下降量Bが閾値bよりも小さいか否かを判別し(段落【0055】)、前記圧力上昇量Aが閾値a以下、及び/又は、前記圧力下降量Bが閾値b以上であるときには、ステップS20へ進み、ステップS12で判定されるより小さい径のリーク穴があると判断し、リーク発生を警告する警告灯を点灯させる(段落【0057】)ことが分かる。
すなわち、エアポンプ13停止後、所定時間t2における圧力下降量Bが、閾値b以上であるときには、比較的小さい径のリーク穴があると診断することが分かる。
以下、この診断の方式を「第1の診断方式」という。

セ 上記1 カ(特に段落【0037】)及び図面の記載から、引用文献に記載された蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、機関停止後のリーク診断においては、エアポンプ13を用いるため、エアポンプ13の電源となるバッテリの電圧が所定値以上あることを診断開始の条件とすることが好ましいことが分かる。
さらに、上記1 カ(特に段落【0044】)及び図面の記載から、エアポンプ13による加圧を使用するリーク診断を行うのは、「フィラーキャップが開いていたり、又は、特大のリーク穴が開いていたりしない場合」であることが分かる。
以下、「バッテリの電圧が所定値以上あること」及び「フィラーキャップが開いていたり、又は、特大のリーク穴が開いていたりしないこと」を「所定の条件」という。

ソ 上記1 カ(特に段落【0038】ないし【0044】)及び図面の記載から、引用文献に記載された蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、ステップS6では、切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を遮蔽して、燃料タンク5内の燃料の蒸発で診断対象の区間の圧力Pが上昇する状態とし、ステップS8では、診断対象区間である閉塞区間(燃料タンク5内の圧力センサにより測定する)の圧力が所定時間内で所定値以上上昇したか否かを判断し、予測される圧力上昇を示さない場合には、燃料タンク5のフィラーキャップが開いていたり、又は、特大のリーク穴が開いているものと推定することが分かる。
すなわち、機関停止後に切換弁14を制御してキャニスタ7の新気導入口9を遮蔽し、診断対象区間の圧力が所定時間内で所定値以上の圧力上昇を示さない場合には、燃料タンク5のフィラーキャップが開いていたり、又は、特大のリーク穴が開いている可能性があると推定(すなわち診断(以下、この診断の方式を「第2の診断方式」という。))することが分かる。
なお、この第2の診断方式を行うのは、内燃機関1の停止直後でかつ診断対象区間が密閉されている場合(段落【0044】を参照。)である。


3 引用発明及び引用技術
上記1及び2から、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「燃料タンク5の蒸発燃料をキャニスタ7で回収してパージ制御弁11を介して内燃機関1へ導入する蒸発燃料処理装置の気密性を診断するリーク診断装置において、
前記蒸発燃料処理装置の診断対象区間の圧力を変更するエアポンプ13と、
前記キャニスタ7と大気とを連通する配管に設置された電磁式の切換弁14と、
前記エアポンプ13の駆動制御および前記切換弁14の開閉制御を行い、前記蒸発燃料処理装置の内部圧力を検出して気密性を診断するコントロールユニット20とを備え、
前記コントロールユニット20は、前記パージ制御弁11が閉弁した状態で、所定の条件を満たす場合、前記切換弁14を制御して前記蒸発燃料処理装置を大気から遮断した状態で前記エアポンプ13を駆動して前記診断対象区間の圧力を加圧した後、前記エアポンプ13を停止した状態で前記診断対象区間の圧力の変動に基づいて気密性を診断する第1の診断方式を実施する、リーク診断装置。」

また、上記1及び2から、引用文献には、次の技術(以下、「引用技術」という。)が記載されていると認める。

「燃料タンク5の蒸発燃料をキャニスタ7で回収してパージ制御弁11を介して内燃機関1へ導入する蒸発燃料処理装置の気密性を診断するリーク診断装置において、
コントロールユニット20は、内燃機関1が停止している場合に、切換弁14を制御して前記蒸発燃料処理装置を大気から遮断した状態で診断対象区間の圧力の変動に基づいて気密性を診断する第2の診断方式を実施する技術。」

第4 対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明における「燃料タンク5」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「燃料タンク」に相当し、以下、同様に、「キャニスタ7」は「キャニスタ」に、「パージ制御弁11」は「パージソレノイドバルブ」に、「内燃機関1」は「エンジン」に、「蒸発燃料処理装置」は「蒸発燃料処理システム」に、「リーク診断装置」は「気密性診断装置」に、「診断対象区間の圧力」は「内部圧力」に、「エアポンプ13」は「エアポンプ」に、「(電磁式の)切換弁14」は「電磁弁」に、「コントロールユニット20」は「制御部」に、「パージ制御弁11」は「パージソレノイドバルブ」に、それぞれ、相当する。
また、引用発明において「切換弁14を制御して蒸発燃料処理装置を大気から遮断」することは、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明において「電磁弁を閉弁して蒸発燃料処理システムを大気から遮断」することに相当する。
また、引用発明において「内部圧力を加圧」することは、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明において「内部圧力を加圧または減圧」することに包含される。
したがって、本願発明と引用発明は、以下の点で一致する。

「燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタで回収してパージソレノイドバルブを介してエンジンへ導入する蒸発燃料処理システムの気密性を診断する気密性診断装置において、
前記蒸発燃料処理システムの内部圧力を変更するエアポンプと、
前記キャニスタと大気とを連通する配管に設置された電磁弁と、
前記エアポンプの駆動制御および前記電磁弁の開閉制御を行い、前記蒸発燃料処理システムの内部圧力を検出して気密性を診断する制御部とを備え、
前記制御部は、前記パージソレノイドバルブが閉弁した状態で、所定の条件を満たす場合、前記電磁弁を閉弁して前記蒸発燃料処理システムを大気から遮断した状態で前記エアポンプを駆動して前記内部圧力を加圧または減圧した後、前記エアポンプを停止した状態で前記内部圧力の変動に基づいて気密性を診断する第1の診断方式を実施する、気密性診断装置。」

そして、以下の点で相違する。
<相違点>
本願発明においては、「所定の条件を満たさない場合に、電磁弁を閉弁して蒸発燃料処理システムを大気から遮断した状態で内部圧力の変動に基づいて気密性を診断する第2の診断方式を実施する」のに対し、
引用発明においては、所定の条件を満たさない場合に、どのようにして気密性を診断するか明らかでない点(以下、「相違点」という。)。

第5 相違点に対する判断
相違点について、以下に検討する。
(1)背景技術
本願明細書の「背景技術」(段落【0002】ないし【0007】の欄にも記載されているように、車両における蒸発燃料の配管漏れを診断する方法として、「エンジン負圧方式」、「EONV(Engine Off Natural Vaccum)方式」及び「エアポンプ方式」が周知技術である(例えば、「エンジン負圧方式」については、原査定の拒絶理由に引用された特許第4655278号公報(例えば段落【0003】を参照。)及び引用文献、「EONV方式」については、特許第4655278号公報(例えば請求項1を参照。)、「エアポンプ方式」については、特許第4655278号公報(例えば請求項1及び段落【0003】を参照。)、特許第4643477号公報(例えば請求項1及び段落【0002】ないし【0006】を参照。)及び特開2008-25469号公報(例えば段落【0002】を参照。))。

(2)本願発明の技術的意義
本願発明は、上記周知技術のうち、「EONV方式」及び「エアポンプ方式」を採用し、パージソレノイドバルブが閉弁した状態で、所定の条件を満たす場合に第1の診断方式である「エアポンプ方式」を実施し、所定の条件を満たさないときには第2の診断方式である「EONV方式」を実施するというものである。
なお、本願の明細書(例えば段落【0013】及び【0062】を参照。)には、「第2の診断方式」として、「EONV方式」に代えて「エンジン負圧方式」の診断を実施する例も記載されているが、平成27年1月9日付けの手続補正書により「前記パージソレノイドバルブが閉弁した状態で」と補正され、平成28年1月8日付け意見書によれば「これは、パージソレノイドバルブを閉じた状態で、診断を実施する前に第1の診断方式または第2の診断方式のいずれを実施するかを決めて、いずれの診断方式の場合でもパージソレノイドバルブを閉じた状態のまま診断を実施することを示しています。」(3.理由1および理由2についての欄)というものであるから、パージソレノイドを開いて行う「エンジン負圧方式」は、本願発明における「第2の診断方式」には含まれないものとなった。
ここで、本願発明における「EONV方式」は、エンジン停止時に行われる(本願明細書の段落【0026】及び【0035】の記載を参照。)ものであるから、本願発明における「所定の条件を満たさない場合」は、「エンジン停止時」に限定される。すなわち、本願発明における「所定の条件を満たさない場合」とは、「エンジン停止時であって、所定の条件を満たさない場合」という意味と解される。

(3)相違点についての検討
上記(2)を踏まえれば、本願発明における「前記所定の条件を満たさない場合」とは、実質的には、「エンジン停止時であって、所定の条件を満たさない場合」という意味である。
一方、引用文献には、上記第3の3のとおりの引用技術が記載されており、これを本願発明の用語を用いて表現すると、
「燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタで回収してパージソレノイドバルブを介してエンジンへ導入する蒸発燃料処理システムの気密性を診断する気密性診断装置において、
制御部は、エンジンが停止している場合に、電磁弁を閉弁して前記蒸発燃料処理システムを大気から遮断した状態で内部圧力の変動に基づいて気密性を診断する第2の診断方式を実施する技術。」
となる。
すなわち、引用技術は、「エンジン停止時」に、「第2の診断方式」である「EONV方式」を実施する技術であるといえる。
また、上記(1)のように、「EONV方式」は、周知技術(以下、「周知技術1」という。)でもある。
そして、引用発明において、「第1の診断方式」である「エアポンプ方式」を行うのに適さない場合(例えば、エアポンプ13の電源となるバッテリの電圧が所定値未満の場合など)には、「エアポンプ方式」に代えて他の診断方式を行う要求が当然生じることになり、そのような場合であってエンジン停止時(又はパージ制御弁11の閉止時)には、「エンジン負圧方式」を行うことができないから、周知技術1である「EONV方式」を行うしかない。
そうすると、所定の条件を満たさず、「第1の診断方式」である「エアポンプ方式」を行わない場合には、周知技術1である「EONV方式」を行うことが、ごく自然である。
してみれば、引用発明において、引用技術及び周知技術1を考慮して、「所定の条件を満たさない場合」に、周知技術1である「EONV方式」を行うようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。

そして、本願発明を全体としてみても、本願発明が、引用発明及び引用技術並びに周知技術1からみて、格別顕著な効果を奏するともいえない。

第6 むすび
上記第5のとおり、本願発明は、引用発明及び引用技術並びに周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-01 
結審通知日 2016-03-15 
審決日 2016-03-28 
出願番号 特願2014-541879(P2014-541879)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F02M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤間 充  
特許庁審判長 伊藤 元人
特許庁審判官 金澤 俊郎
松下 聡
発明の名称 気密性診断装置および気密性診断方法  
代理人 濱田 初音  
代理人 辻岡 将昭  
代理人 河村 秀央  
代理人 坂元 辰哉  
代理人 田澤 英昭  
代理人 中島 成  
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