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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61M
管理番号 1317402
審判番号 不服2014-23263  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-14 
確定日 2016-07-20 
事件の表示 特願2011-517426「エアロゾル薬物送達のためのコンテナ」拒絶査定不服審判事件〔平成22年1月14日国際公開、WO2010/005588、平成23年11月4日国内公表、特表2011-527602〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判請求に係る出願(以下、「本願」という。)は、2009年(平成21年)7月10日(パリ条約による優先権主張、外国庁受理2008年(平成20年)7月11日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成23年 1月 7日 国内書面提出
平成23年 2月23日 手続補正書の提出
平成24年 6月13日 出願審査の請求
平成25年 8月23日付け 拒絶理由の通知
平成26年 2月25日 意見書、手続補正書、誤訳訂正書の提出
平成26年 7月 7日付け 拒絶査定
平成26年11月14日 審判請求書、手続補正書の提出
平成27年 1月 9日付け 拒絶理由の通知(最後)

なお、平成27年1月9日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書等を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もなかった。


第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成26年11月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次の事項により特定されるものである。(以下、「本願発明」という。)
「総排出体積が20回分以下である、複数の排出体積の医薬が入った加圧キャニスターを含み、該加圧キャニスターが、ガラス、プラスチック、金属またはそれらの組み合わせから形成され、空気又は蒸気が計量チャンバ内に保持されず、次の使用の前に計量チャンバを医薬で再充填する必要のない計量弁であるプライミングの要らない弁を備え、
さらに、前記加圧キャニスターが、10mL未満の総体積を有し、医薬が、ジヒドロエルゴタミンまたはその塩である、加圧計量用量吸入器。」


第3 引用文献及び引用発明
1 引用文献1
特許法第162条の規定による審査官の審査(前置審査)における平成27年1月9日付けの拒絶理由で引用された、本願の優先日前に頒布された特表2004-520107号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面と共に以下の技術的事項が記載されている(摘記中の下線は理解を助けるため、当審にて付与した。)。
ア「【0001】
本発明は、呼吸器障害の治療で用いることができる、所定量の医薬製剤、特にサルメテロールキシナホエート製剤を投薬するのに使用される計量式吸入器(MDI)用容器を提供する。」

イ「【0004】
MDI用のバルブは、エアロゾル業界で周知の製造業者から、例えばフランスのバロア社(Valois)(例:DF10、DF30、DF60)、英国のベスパック社(Bespak plc)(例:BK300、BK356、BK357)および英国の3M-ネオテクニック社(3M-Neotechnic Limited)(例:スプレーマイザー(Spraymiser))から入手可能である。計量バルブは、医薬エアロゾル製剤を投薬するのに好適なアルミニウムキャニスターのような金属キャニスターなどの、市販されているキャニスターと組み合わせて使用される。」

ウ「【0076】
好ましくは本発明による容器は、アルミニウム製のキャニスターである。」

エ「【0083】
本明細書に記載の容器およびバルブは、例えば水の侵入の受け易さによる、薬剤付着および他の薬剤のロスなどの同様の製剤上の問題を生じるサルメテロールキシナホエート以外の医薬を入れるのにも好適である。一般にこれらの問題は、低用量で投与される強力な医薬で特に厳しい。」

オ「【0092】
「計量式吸入器」またはMDIという用語は、キャニスター、前記キャニスターの口を覆う圧着キャップ、前記キャップ内に設置された製剤計量バルブを有しているユニットを意味する。」

カ「【0093】
MDIキャニスターは……ガラス瓶または好ましくは金属製キャニスター(例えば、アルミニウムもしくはそれの合金の)などの、使用される推進剤の蒸気圧に耐えることができる容器からなる。」

キ「【0097】
本発明によるエアロゾル製剤の懸濁安定性は、……「ツイン・インピンジャー」分析法による従来からの方法によって測定することができる。本明細書で使用される場合の「ツイン・インピンジャー」アッセイは、……「装置Aを用いた、加圧型吸入での発射用量付着の測定」を意味する。」

ク「【0101】
都合よくは各充填済キャニスターは、使用の前に適切なチャネリング装置に取り付けて、患者の肺または鼻腔への医薬投与用の計量式吸入器系を形成させる。計量式吸入器は、起動または「パフ(一吹き)」当たり所定の単位用量の医薬、例えばパフ当たり10?5000μgの範囲の医薬を投与するように設計する。
【0102】
医薬の投与は、軽度、中等度、重度の急性もしくは慢性症状の治療、あるいは予防的処置に指示され得る。投与される正確な用量は、患者の年齢および状態、使用される特定の粒子状医薬および投与回数によって決まるものであり、最終的には担当医の裁量に委ねられるものであることは理解されよう。医薬の併用を行う場合、その組み合せの各成分の用量は、単独で用いられる場合に各成分に対して使用される用量となる。代表的には投与は、1回または複数回、例えば1日1?8回行うことができ、例えば各回1、2、3または4パフであってよい。
【0103】
好適な1日用量は、例えばサルメテロール50?200μgの範囲とすることができるが、疾患の重度によって決まる。
【0104】
従って例えば、各バルブ起動によって、サルメテロール(キシナホエートとして)25μgが投与される。代表的には、計量式吸入器システムで用いられる各充填キャニスターには、60、100、120、160または240計量用量またはパフ分の医薬が入っている。」

ケ「【0123】
……図1に示した非動作位置において、ショルダー17は下側ステムシール部材9に当接しており、半径方向通路11は下側ステムシール部材9の下で開口していることで、計量用チャンバー4は流路10から隔絶されており、内部の懸濁液が外に出ることができないようになっている。」

コ「【0125】
この装置を使用するには、本容器を最初に振盪して、容器内の懸濁液を均質とする。次に使用者は、バネ6の力に抗してバルブステム7を押す。バルブステムが押されると、通路15の両端が、計量用チャンバー4から遠い上側ステムシール部材12の側面に来る。その結果、フッ素化計量用チャンバー内で用量が計量される。バルブステムを続けて押すと、半径方向通路11が移動して計量用チャンバー4に入り、その一方で上側ステムシール部材12がバルブステム本体に当たって封止を行う。その結果計量用量を、半径方向通路11および出口流路10を通って放出することができる。
【0126】
バルブステムを放すと、バネ6の力によってそれは図示の位置に戻る。このあと通路15は再度、計量用チャンバー4とサンプリングチャンバー6の間を連通させる。従ってこの段階で、液体が加圧下に本容器からオリフィス26を通り、通路15を通って、計量用チャンバー4に流れ込んで、それを満たす。」

サ「【実施例】
【0129】
サンプル製造
表1?5にデータを示したMDIは、WO 96/32150に記載されているようにPTFE/PESポリマーブレンドでコーティングし、ベスパック(Bespak)バルブで封止されたアルミニウムキャニスター中に製造し、ガスケットはいずれも在来のニトリルゴム(比較例として)またはEPDMポリマー(本発明による)製とし、計量用チャンバーはPBT製……である。」


摘記事項ア及びケから、引用文献1に記載の計量式吸入器は、加圧された液体を用いるものであって、そのような加圧液体を用いるものは加圧型と呼称することは当技術分野において技術常識であるから(摘記事項キも参照のこと)、引用文献1に記載の計量式吸入器は、「加圧型計量式吸入器」であると認められる。

以上の摘記事項ア?サ及び認定事項シを技術常識に則り、本願発明に合わせて整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
<引用発明>
「総計量容量が60、100、120、160又は240回分である、複数の計量容量の医薬が入った推進剤の蒸気圧に耐えることができるキャニスターを含み、該キャニスターが、金属から形成され、隔絶された計量用チャンバー4を有するバルブを備え、
医薬がサルメテロールキシナホエートである、加圧型計量式吸入器。」

2 引用文献2
同様に、平成27年1月9日付けの原審の拒絶理由で引用された、本願の優先日前に頒布された米国特許出願公開第2007/0221213号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、図面と共に以下の技術的事項が記載されている(摘記中の下線及び参考仮訳は理解を助けるため、当審にて付与した。)。
ア「What is claimed is:
1 . A device for providing pharmaceutical active substances, active substance mixtures, and formulations, the device comprising a container filled with a pharmaceutical preparation, containing an active substance, an active substance mixture, or formulation in pressure-liquefied 1.1.1.2-tetrafluoroethane (HFC-134a) or 1.1.1.2.3.3.3-heptafluoropropane(HFC-227) or a mixture of HFC-134a and HFC-227 and a valve that is arranged so as to deliver single doses of a pharmaceutical preparation outside the device, characterised in that the mouthpiece tube of the device has a channel that has no or almost no dead volume.
……
5 . The device according to claim 1 , wherein the pharmaceutical preparation comprises an anticholinergic, betamimetic, steroid, phosphodiesterase-IV-inhibitor, LTD4-antagonist and EGFR-kinase inhibitor, antiallergic agent, ergot alkaloid derivative, triptan, CGRP-antagonist, or phosphodiesterase-V-inhibitor, or a combinations thereof. 」
(参考仮訳:特許請求の範囲
1.医薬活性物質、医薬活性物質混合物及び製剤を提供する為の装置であって、加圧液化1.1.1.2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)若しくは1.1.1.2.3.3.3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227)又はHFC-134a及びHFC-227の混合物中に、医薬活性物質、医薬活性物質混合物又は製剤を含む医薬製剤で満たされた容器、単回投与の医薬製剤を装置の外に運搬するように配置された弁を含み、装置のマウスピースチューブがほとんど又は全くデッドボリュームを有しないチャンネルを備えることを特徴とする装置。
……
5.抗コリン薬、β刺激薬、ステロイド、ホスホジエステラーゼ-IV-阻害剤、LTD4-アンタゴニスト及びEGFR-キナーゼ阻害剤、抗アレルギー薬、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP-アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ-V-阻害剤及び前記活性物質の組み合わせを含む医薬製剤を投与する為の請求項1に記載の装置。)

イ「[0005] The use of the delivery of aerosol formulations of medicaments by pressurised, dosage-measuring inhalers (MDIs, standing for "metered-dose inhalers") is widespread in therapy, as in the treatment of asthma and diseases that cause obstruction of the airways.」
(参考仮訳:[0005] 加圧式の投与量測定吸入器(MDI、定量吸入器)による医薬のエアロゾル製剤の吐出の使用は、気道の閉塞が引き起こす喘息及び疾患の治療のように、治療において広く普及している。)

ウ「[0031] It is clear from the description that the device according to the invention is suitable for administering suitable active substance, or any suitable active substance mixture or formulation as single doses.
[0032] Examples of pharmaceutically effective active substances, active substance mixtures, or formulations (pharmaceutical preparation) include all the inhalable compounds, such as, e.g., inhalable macromolecules, as disclosed in EP 1 003 478. Preferably active substances, active substance mixtures or formulations for the treatment of respiratory complaints which are taken by inhalation are used.
[0033] The compounds listed below may be used in the device according to the invention on their own or in combination. ……」
(参考仮訳:[0031] 本発明の装置が適切な活性物質又は任意の適切な活性物質混合物又は製剤を単回投与製剤として投与するのに適しているということが、記載から明らかである。
[0032] 医薬活性物質、活性物質混合物又は製剤(医薬調製物)の例は例えばEP 1003478に開示される吸入可能な高分子のようなすべての吸入可能な化合物を含む。好ましくは、吸入が採用される呼吸器疾患の治療の為の活性物質、活性物質混合物又は製剤が使用される。
[0033] 以下に列挙する化合物は、単独で又は組み合わせて本発明の装置で使用される。……)

エ「[0224] In addition, the compounds may come from the groups of ergot alkaloid derivatives, the triptans, the CGRP-inhibitors, the phosphodiesterase-V inhibitors, optionally in the form of the racemates, enantiomers, or diastereomers thereof, optionally in the form of the pharmacologically acceptable acid addition salts, the solvates, and/or hydrates thereof.」
(参考仮訳:[0224] さらに化合物は、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP-阻害剤、ホスホジエステラーゼ-V 阻害剤、任意でそれらのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、任意でそれらの医薬的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態からなる群由来のものであってもよい。)

オ「[0225] Examples of ergot alkaloid derivatives are dihydroergotamine and ergotamine. 」
(参考仮訳:[0225] 麦角アルカロイド誘導体の例はジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。)


第4 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「計量容量」とは、「パフ分」と同意であって(上記摘記事項ク参照)、「パフ」とは「一吹き」を意味する語である(上記摘記事項ク参照)。つまり、引用発明の「計量容量」とは、吹出される容量を意味するものであるから、本願発明の「排出体積」に相当する。

イ 引用発明の「推進剤の蒸気圧に耐えることができるキャニスター」とは、所定の加圧された物体を格納するキャニスターといえることから、本願発明の「加圧キャニスター」に相当する。

ウ 本願発明の「空気又は蒸気が計量チャンバ内に保持されず、次の使用の前に計量チャンバを医薬で再充填する必要のない計量弁」である「プライミングの要らない弁」とは、平成26年11月14日提出の審判請求書を参照すると、計量チャンバ内に蒸気や空気が保持されない計量弁である非保持弁を意味する。そして、本願明細書の段落【0009】を参照すると、当該非保持弁とはBespak357弁であると示されている。
引用発明の「隔絶された計量用チャンバー4を有するバルブ」は、計量用チャンバー4が適宜隔絶されており(上記摘記事項コに記載されたバルブの動作に関する記載も参照のこと)、空気又は蒸気が計量用チャンバー4内に保持されることは無いと認められるし、最充填の必要性の示唆も存在しなから、プライミングの要らない弁であると認められる。
また、引用発明のバルブについては、その実施例として、Bespakバルブを用いることが記載されており(上記摘記事項サ参照)、BespakバルブとしてBK357も併せて開示されていることから(上記摘記事項イ参照)、実質的に引用発明のバルブには、Bespak社製のBK357バルブを用いることが示唆されているといえる。上記のとおり、当該BK357バルブは、非保持弁であり、プライミングの要らない弁である。
以上を総合すれば、引用発明の「隔絶された計量用チャンバー4を有するバルブは、「空気又は蒸気が計量チャンバ内に保持されず、次の使用の前に計量チャンバを医薬で再充填する必要のない計量弁」であると認められ、プライミングが不要といえるから、本願発明の「プライミングの要らない弁」に相当する。

エ 引用発明の「金属」、「計量用チャンバー4」、「加圧型計量式吸入器」は、それぞれ本願発明の「金属」、「計量チャンバ」、「加圧計量用量吸入器」に相当する

オ よって、上記ア?エからみて、本願発明と引用発明との一致点、相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「総排出体積が所定回数分以下である、複数の排出体積の医薬が入った加圧キャニスターを含み、該加圧キャニスターが、金属から形成され、空気又は蒸気が計量チャンバ内に保持されず、次の使用の前に計量チャンバを医薬で再充填する必要のない計量弁であるプライミングの要らない弁を備えた加圧計量用量吸入器。」

<相違点1>
加圧キャニスターの総排出体積に関して、本願発明は「20回分以下」であるのに対し、引用発明は「60、100、120、160又は240回分」である点。
<相違点2>
加圧キャニスターの総体積に関して、本願発明は「10mL未満」であるのに対し、引用発明は不明である点。
<相違点3>
加圧計量用量吸入器に入れる医薬に関して、本願発明は「ジヒドロエルゴタミンまたはその塩」であるのに対し、引用発明は「サルメテロールキシナホエート」である点。


第5 判断
各相違点について検討する。
1 相違点1
引用文献1の上記摘記事項クにも見られるように、投与、処方される医薬の用量は、医薬の人体に対する影響や治験に応じて医師が適宜決定するものであると共に、政府等の規制、医薬の保存可能期間、用法に応じた利便性等種々の要素を考慮し、予め決定される事項である。また、1回の吐出体積と何回分の回数とするかが決まれば、缶の充填用量がおのずと決まることが知られているところである(例えば、特表2007-505136号公報の段落【0020】参照)。
よって、引用発明において、上記の事項を考慮して、総排出体積を決定することは、通常定められることであって、20回分以下の体積とすることに格別の困難性はない。

2 相違点2
総体積が数mL程度の加圧キャニスターは、周知である(例えば、拒絶査定時に周知技術を示す文献として引用された米国特許出願公開第2004/0211411号明細書の段落[0054]、上記特表2007-505136号公報の段落【0020】、特表2004-529108号公報の段落【0043】参照。)。
薬剤を収納するキャニスターの総体積は、収納する薬剤の用法・用量から指定されるものであるから、引用発明においても10mL未満とすることは、指定される体積とするのみであるから当業者が適宜なし得たことである。

3 相違点3
加圧計量用量吸入器に入れる医薬をジヒドロエルゴタミンとすることは、引用文献2の上記摘記事項オとして見られるとおり、公知である。また、引用文献1には、キャニスターにサルメテロールキシナホエート以外の医薬を入れることが示唆されている(上記引用文献1の摘記事項エ参照)。
とすれば、引用発明において入れる医薬に関して、係る公知の引用文献2を参考とすることで、サルメテロールキシナホエートに替えてジヒドロエルゴタミンとすることは、当業者が容易に想到し得たものということができ、係る相違点3は格別のものではない。

4 小括
上記1?3で検討したごとく、各相違点はいずれも格別のものではない。そして、相違点1?3を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、上記引用発明及び公知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。


第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-17 
結審通知日 2016-02-23 
審決日 2016-03-07 
出願番号 特願2011-517426(P2011-517426)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 黒嶋 慶子角田 貴章金丸 治之  
特許庁審判長 西村 泰英
特許庁審判官 平岩 正一
落合 弘之
発明の名称 エアロゾル薬物送達のためのコンテナ  
代理人 特許業務法人川口國際特許事務所  

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