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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1317486
審判番号 不服2015-6637  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-08 
確定日 2016-07-26 
事件の表示 特願2013-501402「可搬型内蔵式ノードコンピュータのための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月29日国際公開、WO2011/119619、平成25年 7月18日国内公表、特表2013-529323〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2011年3月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年3月26日(以下,「優先日」という。),米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成24年 9月25日 :国内書面,出願審査請求書の提出
平成25年12月 2日付け :拒絶理由の通知
平成26年 4月10日 :意見書,手続補正書の提出
平成26年11月28日付け :拒絶査定
平成27年 4月 8日 :審判請求書,手続補正書の提出
平成27年 6月29日 :前置報告
平成27年10月13日 :上申書の提出


第2 本願発明

本願の請求項1乃至56に係る発明は,上記平成27年4月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至56に記載されたとおりのものであると認められるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。

「オペレーティングシステムを備える処理システムを備えるノード装置であって,
前記処理システムが,ホスト装置に直接接続された1つまたは複数の周辺装置を有する前記ホスト装置への接続を確立するように構成され,
前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスを参照するように構成され,
前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能し,
前記処理システムがさらに,専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートを操作するように構成され,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートが,前記ノード装置に格納され,前記ホスト装置に接続されると前記ノード装置から直接実行され,
前記処理システムが,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートの実行中に生成されたデータを暗号化し,デジタル署名し,前記暗号化され,デジタル署名されたデータをリモート記憶デバイスに格納するようにさらに構成される,
ノード装置。」


第3 引用例

1 本願の優先日前に頒布され,原審の拒絶査定の理由である平成25年12月2日付けの拒絶理由通知において引用された,特表2009-518702号公報(平成21年5月7日公表,以下,「引用例1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0020】
今,図1を参照すると,1つの実施形態に従う,持ち運び可能なトークンデバイスを図示するブロック図が示されている。示されているのは,インターフェース100と,プロセッサ104と,そしてメモリ106である。例えば,追加的なプロセッサ,生体認証の構成要素,電源等のような,他のさまざまな構成要素を,このデバイスは有してよい。
【0021】
持ち運び可能なトークンデバイスは,USBデバイス,スマートカード,または他の,容易に持ち運び可能な,小さな埋め込みデバイスの形であってよい。一般には,その持ち運び可能なトークンデバイスは,キーボードや,ディスプレイスクリーンや,または他の入力/出力機能(インターフェース100を介して与えられるものを除く)を含まないであろう。
【0022】
メモリ106は,さまざまな実施形態に従って,ROM,フラッシュメモリの両方,及び/または RAMを含むことができる。メモリは,1以上の物理的メモリ記憶デバイス及び/または プロセッサ回路に直接付随しているメモリを含むことができる。通常のUSBデバイスとは対照的に,持ち運び可能なトークンデバイスは,その持ち運び可能なトークンデバイス上でトークンデバイスアプリケーションを動作させるためのプロセッサ104を含む。そのアプリケーションはここにおいて特別のアプリケーション,トークンデバイスアプリケーション 及び/または 仮想サーバアプリケーションと呼ばれるであろう。これら各々は単に,トークンデバイスのプロセッサ104上で実行されるアプリケーションのことを言っている。
【0023】
1つの実施形態に従えば,プロセッサ104は特別のマイクロプロセッサである。プロセッサ104は,しかしながら,ここにおいて上述したような多くのさまざまなタイプのプロセッサであってよい。選択的に,プロセッサ104は,オペレーティングシステムを動作させる安全なプロセッサか,または特別のアプリケーションを動作させるために設計された,特別の安全なマイクロプロセッサを含んでよい。
【0024】
1つの実施形態において,持ち運び可能なトークンデバイスは1以上の特別のアプリケーション(例えば,銀行取引,ファイルビューア,ファイルエディタ,または経済取引アプリケーション)のために使われる。その特別のアプリケーション(ここにおいては,トークンデバイスアプリケーションとも呼ばれている)は持ち運び可能なトークンデバイスのメモリ106に記憶され,そしてプロセッサ104によって動作する。加えて,その持ち運び可能なトークンデバイスは,メモリ106に1以上のファイルを記憶することができ,また選択的に,ホストコンピュータ上で動作するよう設計されたクライアントアプリケーションを記憶することもできる。そのクライアントアプリケーションは,持ち運び可能なトークンデバイスのプロセッサ104上で動作する特別のアプリケーションのための,仮想インターフェースを提供する。このように,ホストコンピュータを利用して特別のアプリケーションと交信することができる。例えばユーザは,トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信するために,ホストコンピュータのキーボードやマウスを使うことができる。」

B 「【0034】
ステップ300において,トークンデバイスはインターフェースを介してホストコンピュータに繋がれる。例えば,トークンデバイスがホストコンピュータのUSBポートに挿入(プラグ接続)される。次にステップ302において,ドライブ(例えば読み取り専用ドライブ)がホストコンピュータに与えられる。ドライブは1以上のアプリケーションファイルを備え,好ましくは仮想インターフェースクライアントを備える。上述の通り,好ましくは最高の互換性のために,仮想クライアントアプリケーションはJavaで記述されるのであるが,しかしながら特に目標とするコンピュータ環境のために,多くの異なった技術を用いて記述してもよい。加えて,上述の通り,仮想クライアントアプリケーションは既にホストコンピュータ上に置かれていてもよいし,またはホストコンピュータがトークンデバイス以外のソースから仮想クライアントアプリケーションをダウンロード可能であってもよい。
【0035】
ステップ304において,仮想クライアントアプリケーションがドライブに置かれているならば,ユーザは,例えばその仮想クライアントアプリケーションをダブルクリックすることで,仮想クライアントアプリケーションを起動できる。代わりに,トークンデバイスがインターフェースを介してホストコンピュータに接続されたときに,仮想クライアントアプリケーションがプログラムで起動されてもよい。
【0036】
続いて,ステップ306において,仮想クライアントアプリケーションを用いて,ユーザはトークンデバイスにログインするための適正なパスワードを与えることができる。代わりに,ユーザを認証するために生体認証を利用することができる。 …(中略)…
再び,特別のアプリケーションはトークンデバイス上で動作しているのであって,ホストコンピュータにロードされるのではないということに注意すべきである。ホストコンピュータは仮想クライアントアプリケーションを動作させるだけである。
【0037】
次に,ステップ310において,特別のアプリケーションが,他の任意のコンピュータアプリケーションと同様に動作する。すなわち,ホストデバイスをインターフェースとして用いて,ユーザはそのアプリケーションと交信できる。例えば,ユーザはトークンデバイス上で動作するアプリケーションと交信するために,マウスを動かすかまたはキーボードをタイプすることができる。選択的に,ホストコンピュータのネットワーク(例えば,インターネット)接続がUSB接続を介してトンネルされて,トークンデバイスによって利用可能となってもよい。例えば,離れたサーバやプリントにアクセスするために,ネットワーク接続が利用されてよい。 …(後略)…」

C 「【0041】
上述の問題と,従来のオンライン銀行取引に関連する他の問題を克服するために,図4に示されるシステムを実装することができる。トークンデバイス406は,例えば,特別のアプリケーションを1つ記憶する(例えば,銀行取引アプリケーション)。トークンデバイス406のメモリには1以上のファイルが記憶されてよい。
…(中略)…
【0043】
次に,例えば,通常のUSB記憶デバイスのように見えるドライブが,ホストコンピュータのデスクトップ上に現れる。しかしながら,好ましくは,そのドライブには(削除不可能な)アプリケーションが1つだけ備わっている。選択的に,他のファイルまたはアプリケーションが,できる限りは読み取り専用ファイルとして,共通領域に記憶されてもよい。例えば前記アプリケーションのユーザマニュアルが,メモリのこの領域に記憶されていてよい。次に,例えばプログラムで,またはユーザがそのアプリケーションを選択することにより,アプリケーションが起動される。アプリケーションは,例えば前述の仮想クライアントアプリケーションのような,仮想クライアントアプリケーションとして動く。起動され次第,通常のアプリケーションウインドウがホストコンピュータ404上で開き,そしてトークンデバイス406上で動作するオペレーティング環境への仮想インターフェースを与える。例えば,仮想インターフェースは,ユーザがトークンデバイス406上で動作する銀行取引アプリケーションと交信することを可能にする。
【0044】
ホストコンピュータのインターネット接続をトークンデバイス406上の銀行取引アプリケーションに接続するために,ネットワークブリッジが作成される。インターネットブリッジは,銀行取引アプリケーションがネットワーク(例えば,インターネットやローカルネットワーク)を介して銀行サーバ400と通信することを可能とする。トークンデバイス上の銀行取引アプリケーションは,例えば,離れた銀行サーバ400に直接接続するために,ネットワークブリッジを利用する。銀行取引のような,プライバシーとセキュリティが要求されるアプリケーションのために,銀行サーバ400とトークンデバイス406との間の情報の送信は,如何なる仲介者にも読み取られることのないよう,暗号化されるべきである。ホストコンピュータ404は,単にトークンデバイス406と銀行サーバ400との間の通信をルーティングするパイプとして動作する。ホストコンピュータ404は,(インテグリティが破損しない限りは)送信される情報を見ることも修正することもできない。銀行取引アプリケーションはトークンデバイス406のプロセッサ上で動作しているので,ホストコンピュータ404は暗号化されていない如何なる情報にもアクセスできない。さらには,銀行取引アプリケーションと,選択的にオペレーティングシステムとは,完全にトークンデバイス406上で動作しているのであり,それ故ホストコンピュータ404上には,動作しているアプリケーションの形跡は存在しない。 …(後略)… 」


2 ここで,引用例1に記載されている事項を検討する。

ア 上記Aの「今,図1を参照すると,1つの実施形態に従う,持ち運び可能なトークンデバイスを図示するブロック図が示されている。示されているのは,インターフェース100と,プロセッサ104と,そしてメモリ106である。 …(中略)… 持ち運び可能なトークンデバイスは,その持ち運び可能なトークンデバイス上でトークンデバイスアプリケーションを動作させるためのプロセッサ104を含む。そのアプリケーションはここにおいて特別のアプリケーション,トークンデバイスアプリケーション 及び/または 仮想サーバアプリケーションと呼ばれるであろう。」との記載からすると,「トークンデバイス」は,インターフェースと,アプリケーションを動作させるプロセッサと,メモリとを含むことが読み取れ,また,上記Aの「選択的に,プロセッサ104は,オペレーティングシステムを動作させる安全なプロセッサか,または特別のアプリケーションを動作させるために設計された,特別の安全なマイクロプロセッサを含んでよい。」との記載からすると,「トークンデバイス」に含まれる「プロセッサ」が「オペレーティングシステム」を動作させる態様が読み取れるから,引用例1には,
“インターフェースと,オペレーティングシステムやアプリケーションを動作させるプロセッサと,メモリとを含むトークンデバイス”
が記載されていると解される。

イ 上記Aの「このように,ホストコンピュータを利用して特別のアプリケーションと交信することができる。例えばユーザは,トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信するために,ホストコンピュータのキーボードやマウスを使うことができる。」との記載からすると,「トークンデバイス」上で動作する特別のアプリケーションと交信するために,「ホストコンピュータ」に接続されたキーボードやマウスを使用することができることを読み取ることができ,また,上記Bの「ステップ300において,トークンデバイスはインターフェースを介してホストコンピュータに繋がれる。例えば,トークンデバイスがホストコンピュータのUSBポートに挿入(プラグ接続)される。 …(中略)… すなわち,ホストデバイスをインターフェースとして用いて,ユーザはそのアプリケーションと交信できる。例えば,ユーザはトークンデバイス上で動作するアプリケーションと交信するために,マウスを動かすかまたはキーボードをタイプすることができる。選択的に,ホストコンピュータのネットワーク(例えば,インターネット)接続がUSB接続を介してトンネルされて,トークンデバイスによって利用可能となってもよい。例えば,離れたサーバやプリントにアクセスするために,ネットワーク接続が利用されてよい。」との記載からすると,「トークンデバイス」が「ホストコンピュータ」に繋がれると,該「ホストコンピュータ」に接続されたキーボードやマウスを「トークンデバイス」のインターフェースとして用いることが読み取れるから,引用例1には,
“トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信”する
ことが記載されていると解される。

ウ 上記Aの「1つの実施形態において,持ち運び可能なトークンデバイスは1以上の特別のアプリケーション(例えば,銀行取引,ファイルビューア,ファイルエディタ,または経済取引アプリケーション)のために使われる。その特別のアプリケーション(ここにおいては,トークンデバイスアプリケーションとも呼ばれている)は持ち運び可能なトークンデバイスのメモリ106に記憶され,そしてプロセッサ104によって動作する。」との記載からすると,「トークンデバイス」は1以上の特別のアプリケーションをメモリに記憶し,プロセッサで実行することが読み取れ,また,上記Bの「ステップ300において,トークンデバイスはインターフェースを介してホストコンピュータに繋がれる。例えば,トークンデバイスがホストコンピュータのUSBポートに挿入(プラグ接続)される。次にステップ302において,ドライブ(例えば読み取り専用ドライブ)がホストコンピュータに与えられる。 …(中略)… ステップ304において,仮想クライアントアプリケーションがドライブに置かれているならば,ユーザは,例えばその仮想クライアントアプリケーションをダブルクリックすることで,仮想クライアントアプリケーションを起動できる。代わりに,トークンデバイスがインターフェースを介してホストコンピュータに接続されたときに,仮想クライアントアプリケーションがプログラムで起動されてもよい。 …(中略)… 次に,ステップ310において,特別のアプリケーションが,他の任意のコンピュータアプリケーションと同様に動作する。すなわち,ホストデバイスをインターフェースとして用いて,ユーザはそのアプリケーションと交信できる。」との記載からすると,「トークンデバイス」が「ホストコンピュータ」に繋がれると,「ホストコンピュータ」で仮想クライアントアプリケーションが起動されることに応じて,「トークンデバイス」では特別のアプリケーションが実行される態様が読み取れるから,引用例1には,
“トークンデバイスは1以上の特別のアプリケーションをメモリに記憶し,プロセッサが実行し,前記トークンデバイスがホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータで仮想クライアントアプリケーションが起動されるとともに,前記トークンデバイスでは前記特別のアプリケーションが実行され”る
ことが記載されていると解される。

エ 上記Cの「トークンデバイス406は,例えば,特別のアプリケーションを1つ記憶する(例えば,銀行取引アプリケーション)。トークンデバイス406のメモリには1以上のファイルが記憶されてよい。」との記載からすると,「トークンデバイス」上で銀行取引アプリケーションのような特別のアプリケーションが実行される態様が読み取れ,このような態様においても,上記Aの「1つの実施形態において,持ち運び可能なトークンデバイスは1以上の特別のアプリケーション(例えば,銀行取引,ファイルビューア,ファイルエディタ,または経済取引アプリケーション)のために使われる。 …(中略)… このように,ホストコンピュータを利用して特別のアプリケーションと交信することができる。例えばユーザは,トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信するために,ホストコンピュータのキーボードやマウスを使うことができる。」との記載からすると,ユーザと「特別のアプリケーション」との交信では,「ホストコンピュータ」に接続された「キーボードやマウス」をインターフェースとして用いていると解される。
また,上記Cの「トークンデバイス上の銀行取引アプリケーションは,例えば,離れた銀行サーバ400に直接接続するために,ネットワークブリッジを利用する。銀行取引のような,プライバシーとセキュリティが要求されるアプリケーションのために,銀行サーバ400とトークンデバイス406との間の情報の送信は,如何なる仲介者にも読み取られることのないよう,暗号化されるべきである。ホストコンピュータ404は,単にトークンデバイス406と銀行サーバ400との間の通信をルーティングするパイプとして動作する。ホストコンピュータ404は,(インテグリティが破損しない限りは)送信される情報を見ることも修正することもできない。」との記載からすると,「トークンデバイス」から離れた銀行サーバに送信される情報は銀行取引アプリケーションが生成した情報であることは明らかであり,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて送信されることが読み取れるから,引用例1には,
“トークンデバイス上で実行される特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される”
ことが記載されていると解される。

3 以上,ア乃至エの検討によれば,引用例1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

「インターフェースと,オペレーティングシステムやアプリケーションを動作させるプロセッサと,メモリとを含むトークンデバイスであって,
前記トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信し,
前記トークンデバイスは1以上の特別のアプリケーションを前記メモリに記憶し,前記プロセッサが実行し,前記トークンデバイスが前記ホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータで仮想クライアントアプリケーションが起動されるとともに,前記トークンデバイスでは前記特別のアプリケーションが実行され,
前記トークンデバイス上で実行される前記特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される
ことを特徴とするトークンデバイス。」


第4 参考文献

1 参考文献1に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布された,特開2003-256379号公報(平成15年9月12日出願公開,以下,「参考文献1」という。)には,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

D 「【0029】商品購入依頼は,ユーザーが金融機関サイト40から受け取った証明書付きデジタル・キャッシュを購入依頼文に添付し,通信販売サイト30に対し送るものである。
【0030】3-1:ユーザーのパソコン10は,金融機関サイト40からメールを受け取ると復号化を行い,金融機関サイトの公開キーによってデジタル署名を復号し,データ改竄がないことを確認する。
【0031】3-2:次に,ユーザーのパソコン10は,金融機関サイト40からのメールに添付された証明書付きデジタル・キャッシュを確認し,通信販売サイト30に対してデジタル・キャッシュを添付した購入依頼を行う。ここでも,メールについては上記と同様にデジタル署名と暗号化を行う。」

2 参考文献2に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布された,特開2006-59330号公報(平成18年3月2日出願公開,以下,「参考文献2」という。)には,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

E 「【0108】
リスト管理部140は,図2に示したリスト管理部3に対応する構成要素である。このリスト管理部140は,例えば,コンテンツ処理装置10が保有するソースIDリストLを更新する機能を有する。
【0109】
例えば,上記グループ登録時には,リスト管理部140は,グループ登録部130から受け取ったリーフIDにサービスIDを付加して,当該サービスIDが付加されたリーフIDをグループIDに変換して,このグループIDをソースIDリストLに追加する。
…(中略)…
【0111】
なお,ソースIDリストLは,コンテンツ処理装置10のストレージ装置111,若しくはROM102などに,安全に格納されている。このソースIDリストLは,ユーザによる不正な改竄を防止すべく,例えば,暗号化され,デジタル署名が付された状態で格納される。」


第5 対比

1 本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「トークンデバイス」は,「オペレーティングシステムやアプリケーションを動作させるプロセッサと,メモリとを含む」装置であって,「インターフェース」を介して「ホストコンピュータ」に繋がれると連携して動作することは明らかであるから,引用発明の「トークンデバイス」は本願発明の「ノード装置」に対応し,引用発明の「プロセッサ」,「ホストコンピュータ」はそれぞれ,本願発明の「処理システム」,「ホスト装置」に相当すると言える。
よって,引用発明の「インターフェースと,オペレーティングシステムやアプリケーションを動作させるプロセッサと,メモリとを含むトークンデバイス」と,本願発明の「オペレーティングシステムを備える処理システムを備えるノード装置」とは,“オペレーティングシステムを備える処理システムを備えるノード装置”である点で一致すると言える。

(2)引用発明では,「トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」するところ,「キーボードやマウス」は「ホストコンピュータ」に接続され,ユーザが「トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」するための「インターフェース」として利用するものであるから,引用発明の「キーボードやマウス」は本願発明の「周辺デバイス」に相当すると言え,引用発明の「トークンデバイス」においては,「プロセッサ」が「ホストコンピュータ」との接続を確立することは明らかである。
また,引用発明では,ユーザが「ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウス」を「トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」するための「インターフェース」として利用する時には,「トークンデバイス」が「キーボードやマウス」からの入力を参照するように構成されていると言える。
そうすると,引用発明の「トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」することと,本願発明の「処理システムが,ホスト装置に直接接続された1つまたは複数の周辺装置を有する前記ホスト装置への接続を確立するように構成され,前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスを参照するように構成され,前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能」することとは,後記する点で相違するものの,“処理システムが,ホスト装置に直接接続された複数の周辺装置を有する前記ホスト装置への接続を確立するように構成され,前記ノード装置が,前記複数の周辺デバイスを参照するように構成され”る点で共通すると言える。

(3)引用発明では,「トークンデバイスは1以上の特別のアプリケーションを前記メモリに記憶し,前記プロセッサが実行」するところ,引用例1の上記Cの「トークンデバイス406は,例えば,特別のアプリケーションを1つ記憶する(例えば,銀行取引アプリケーション)。トークンデバイス406のメモリには1以上のファイルが記憶されてよい。」との記載からすると,引用発明の「特別のアプリケーション」は,「トークンデバイス」の「プロセッサ」が操作する銀行取引アプリケーションのような専用のアプリケーションを態様に含むことから,本願発明の「専用のアプリケーション」に相当すると言える。
また,引用発明では,「トークンデバイスが前記ホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータで仮想クライアントアプリケーションが起動されるとともに,前記トークンデバイスでは前記特別のアプリケーションが実行され」るところ,「トークンデバイス」が「ホストコンピュータ」に接続されると,「特別のアプリケーション」は「トークンデバイス」から直接実行されるとみることができる。
そうすると,引用発明の「トークンデバイスは1以上の特別のアプリケーションを前記メモリに記憶し,前記プロセッサが実行し,前記トークンデバイスが前記ホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータで仮想クライアントアプリケーションが起動されるとともに,前記トークンデバイスでは前記特別のアプリケーションが実行され」ることは,本願発明の「処理システムがさらに,専用アプリケーション」「を操作するように構成され,前記専用アプリケーション」「が,前記ノード装置に格納され,前記ホスト装置に接続されると前記ノード装置から直接実行され」ることに相当すると言える。

(4)引用発明では,「トークンデバイス上で実行される前記特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される」ところ,暗号化されて「離れたサーバ」に送信される情報は「特別のアプリケーション」の実行中に作成された情報を含むと解され,「離れたサーバ」では受信した情報を記憶する手段を有することは明らかであるから,引用発明の「離れたサーバ」と本願発明の「リモート記憶デバイス」は“リモート装置”である点で共通すると言える。
そうすると,引用発明の「トークンデバイス上で実行される前記特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される」ことと,本願発明の「処理システムが,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートの実行中に生成されたデータを暗号化し,デジタル署名し,前記暗号化され,デジタル署名されたデータをリモート記憶デバイスに格納するようにさらに構成される」こととは,後記する点で相違するものの,“処理システムが,前記専用アプリケーションの実行中に生成されたデータを暗号化し,前記暗号化されたデータをリモート装置に送信するようにさらに構成される”点で共通すると言える。

2 以上から,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

<一致点>

「オペレーティングシステムを備える処理システムを備えるノード装置であって,
前記処理システムが,ホスト装置に直接接続された複数の周辺装置を有する前記ホスト装置への接続を確立するように構成され,
前記ノード装置が,前記複数の周辺デバイスを参照するように構成され,
前記処理システムがさらに,専用アプリケーションを操作するように構成され,前記専用アプリケーションが,前記ノード装置に格納され,前記ホスト装置に接続されると前記ノード装置から直接実行され,
前記処理システムが,前記専用アプリケーションの実行中に生成されたデータを暗号化し,前記暗号化されたデータをリモート装置に送信するようにさらに構成される,
ノード装置。」

<相違点1>

本願発明では,「ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能」するのに対して,引用発明では,「トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」するものの,「トークンデバイス」が複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能することについて明示的に特定されていない点。

<相違点2>

本願発明では,「処理システムが,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートの実行中に生成されたデータを暗号化し,デジタル署名し,前記暗号化され,デジタル署名されたデータをリモート記憶デバイスに格納する」のに対して,引用発明では,「トークンデバイス上で実行される前記特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される」ものの,「離れたサーバ」に暗号化されて送信される情報にデジタル署名がされ,「離れたサーバ」に格納されることについて特定されていない点。


第6 当審の判断

上記相違点1,2について検討する。

1 相違点1について

引用発明では,「トークンデバイスはホストコンピュータに繋がれると,前記ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスをインターフェースとして用いて,前記トークンデバイス上で動作する特別のアプリケーションと交信」するところ,引用例1の上記Bの「加えて,上述の通り,仮想クライアントアプリケーションは既にホストコンピュータ上に置かれていてもよいし,またはホストコンピュータがトークンデバイス以外のソースから仮想クライアントアプリケーションをダウンロード可能であってもよい。 …(中略)… 代わりに,トークンデバイスがインターフェースを介してホストコンピュータに接続されたときに,仮想クライアントアプリケーションがプログラムで起動されてもよい。 …(中略)… 続いて,ステップ306において,仮想クライアントアプリケーションを用いて,ユーザはトークンデバイスにログインするための適正なパスワードを与えることができる。 …(中略)… ホストデバイスをインターフェースとして用いて,ユーザはそのアプリケーションと交信できる。 …(中略)… 選択的に,ホストコンピュータのネットワーク(例えば,インターネット)接続がUSB接続を介してトンネルされて,トークンデバイスによって利用可能となってもよい。」との記載を参酌すると,「トークンデバイス」は,「ホストコンピュータ」上で動作する「仮想クライアントアプリケーション」を介して,「ホストコンピュータ」に接続したキーボードやマウスなどの周辺デバイスと対話するマスタ装置として実質的に機能すると言える。
そして,「トークンデバイス」が「ホストコンピュータ」に接続したキーボードやマウスなどの周辺デバイスと対話する時に,「ホストコンピュータ」で動作する「仮想クライアントアプリケーション」を用いるかどうかは当業者であれば適宜選択し得た設計的事項である。
また,引用例1の上記Cの「ホストコンピュータのインターネット接続をトークンデバイス406上の銀行取引アプリケーションに接続するために,ネットワークブリッジが作成される。インターネットブリッジは,銀行取引アプリケーションがネットワーク(例えば,インターネットやローカルネットワーク)を介して銀行サーバ400と通信することを可能とする。トークンデバイス上の銀行取引アプリケーションは,例えば,離れた銀行サーバ400に直接接続するために,ネットワークブリッジを利用する。銀行取引のような,プライバシーとセキュリティが要求されるアプリケーションのために,銀行サーバ400とトークンデバイス406との間の情報の送信は,如何なる仲介者にも読み取られることのないよう,暗号化されるべきである。ホストコンピュータ404は,単にトークンデバイス406と銀行サーバ400との間の通信をルーティングするパイプとして動作する。」との記載からすると,「トークンデバイス」は,「ホストコンピュータ」に接続したネットワークを介して銀行サーバなどの周辺デバイスと対話するマスタ装置として実質的に機能すると言える。
そうすると,引用発明において,トークンデバイスを複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能させること,すなわち,上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

2 相違点2について

引用発明では,「トークンデバイス上で実行される前記特別のアプリケーションにより生成された情報は,如何なる仲介者にも読み取られることのないように暗号化されて,離れたサーバに送信される」ところ,情報の秘匿を目的として,情報の送信や格納に当たり,情報を暗号化することに加えてデジタル署名を付加することは,例えば,参考文献1(上記Dを参照),参考文献2(上記Eを参照)に記載されるように本願の優先日前には当該技術分野の周知技術であった。
また,引用発明の「離れたサーバ」が受信情報を記憶するための記憶手段など,情報を格納する記憶デバイスを有する装置であることは明らかである。
そうすると,引用発明において上記周知技術を適用し,離れたサーバに代えてリモート記憶デバイスを情報の送信先とし,適宜,暗号化して送信する情報にデジタル署名を付加してリモート記憶デバイスに格納すること,すなわち,上記相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

3 小括

上記で検討したごとく,相違点1,2に係る構成は当業者が容易に想到し得たものであり,そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本願発明の奏する作用効果は,引用発明及び当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。


第7 請求人の主張について

平成27年4月8日付け提出の審判請求書において請求人は,
「引用文献1および2の何れにも,本願独立請求項1等の「前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートがトークンデバイス(ノード装置)に格納され,ホストデバイス(ホスト装置)に接続されるとトークンデバイスから直接実行され,トークンデバイスが,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートの実行中に生成されたデータを暗号化し,デジタル署名し,前記暗号化されデジタル署名されたデータをリモート記憶デバイスに格納する」点については開示されていないと思料致します。
したがいまして,少なくともかかる点において,本願発明は引用文献1および2に対して進歩性を有するものであると思料致します。」
と主張している。

しかしながら,「第5 対比」の「2」の<一致点>で検討のとおり,本願発明と引用発明とを比較すると両者は,
「専用アプリケーションを操作するように構成され,前記専用アプリケーションが,前記ノード装置に格納され,前記ホスト装置に接続されると前記ノード装置から直接実行され,
前記処理システムが,前記専用アプリケーションの実行中に生成されたデータを暗号化し,前記暗号化されたデータをリモート装置に送信するようにさらに構成される」などの点で一致し,
「第6 当審の判断」の「1 相違点1について」で検討のとおり,引用発明において,トークンデバイスを複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能させることは当業者が容易に想到し得たことであり,また,「第6 当審の判断」の「2 相違点2について」で検討のとおり,引用発明において周知技術を適用し,離れたサーバに代えてリモート記憶デバイスを情報の送信先とし,適宜,暗号化して送信する情報にデジタル署名を付加してリモート記憶デバイスに格納することも当業者が容易に想到し得たことである。
よって,審判請求書における請求人の主張は採用できない。

また,平成27年10月13日付け提出の上申書において請求人は以下の補正案(請求項1のみ摘記した。下線は,請求人が付与したものである。)
「【請求項1】
オペレーティングシステムを備える処理システムを備える,自己完結型かつ取外し可能な可搬型のノード装置であって,
前記処理システムが,ホスト装置に直接プラグ接続された1つまたは複数の周辺装置を有する前記ホスト装置への接続を確立するように構成され,
前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスを表示するように構成され,
前記ノード装置が,前記1つまたは複数の周辺デバイスと直接対話するマスタデバイスとして機能し,
前記処理システムがさらに,専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートを操作するように構成され,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートが,前記ノード装置に格納され,前記ホスト装置に接続されると前記ノード装置から直接実行され,
前記処理システムが,前記専用アプリケーションまたはアプリケーションスイートの実行中に生成されたデータを暗号化し,デジタル署名し,前記暗号化され,デジタル署名されたデータをリモート記憶デバイスに格納するようにさらに構成され,
前記ホスト装置が,前記オペレーティングシステムとは異なる,第2のオペレーティングシステムと関連付いている,
ノード装置。」
を提示し,
「かかる補正は主に,ノード装置が携帯電話のように自己完結型かつ可搬型のものであり,ノード装置はホスト装置とは異なるオペレーティングシステムと関連付いているものであることを明確にするものであります。
かかる補正により,審査官殿の御認定を覆せるものと思料致します。具体的には,引用文献1には本願発明のノード装置に対応するものとしてトークンデバイスが開示されておりますが,かかるトークンデバイスは,コンピュータにプラグインされてコンピュータのコンポーネントや周辺機器を使用するためのオペレーティングシステムやディスプレイを有する自律型もしくは自己完結型のデバイスではありません。一方,本願発明では,そのようなデバイスを意図するものであります。少なくとも本願出願時前には,携帯電話のようなデバイスをコンピュータに接続して,コンピュータの周辺機器(プリンタ,記憶部等)を,携帯電話のオペレーティングシステムを通じて利用するという技術は存在しないものと思料致します。」
と主張している。

しかしながら,携帯電話のようなホストコンピュータに接続可能な自己完結型かつ可搬型デバイスは本願の優先日前には周知のデバイスであり,そのような自己完結型かつ可搬型デバイスについても,「トークンデバイス」と同様に,ホストコンピュータに接続されたキーボードやマウスなどの周辺装置と直接対話が可能であれば利便性が向上することは自明である。
また,引用例1の明細書の発明の詳細な説明(段落【0016】)の記載からすると,引用発明の「ホストコンピュータ」がオペレーティングシステムを有していることは明らかであり,「トークンデバイス」で動作するオペレーティングシステムと同じである必要はないと解される。
そうすると,引用発明において,可搬型の「トークンデバイス」に代えて携帯電話のような自己完結型かつ可搬型の装置をマスタデバイスとして「ホストコンピュータ」に接続し,「ホストコンピュータ」のオペレーティングシステムと異なるようにすることも,当業者が容易に想到し得たことである。
よって,平成27年10月13日付け提出の上申書における請求人の主張は採用できない。


第8 むすび

以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-15 
結審通知日 2016-02-22 
審決日 2016-03-14 
出願番号 特願2013-501402(P2013-501402)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木村 励  
特許庁審判長 高木 進
特許庁審判官 須田 勝巳
辻本 泰隆
発明の名称 可搬型内蔵式ノードコンピュータのための方法および装置  
代理人 黒田 晋平  
代理人 村山 靖彦  

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