• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04J
管理番号 1317544
審判番号 不服2015-11008  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-10 
確定日 2016-07-27 
事件の表示 特願2013-523463「アップリンク制御シグナル送信方法、アップリンク送信装置及びアップリンク復調基準信号搬送装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 2月16日国際公開,WO2012/019398,平成25年10月17日国内公表,特表2013-539269〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 出願の経緯・本願発明
本願は,2010年11月24日(パリ条約による優先権主張 2010年8月12日 (CN)中華人民共和国)を国際出願日とする特許出願であって,平成27年2月5日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成26年6月10日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに,同日付けで手続補正がなされたものであって,請求項1に係る発明は,平成27年6月10日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める(以下,「本願発明」という。)。

「 アップリンク制御シグナル送信方法であって,
アップリンク制御シグナルに対して,チャネルコーディング,スクランブリング,変調,時間領域拡散及びプリコーディング変換をそれぞれ行い,又はチャネルコーディング,スクランブリング,変調,プリコーディング変換及び時間領域拡散をそれぞれ行い,
前記アップリンク制御シグナルを,前記アップリング制御シグナルの搬送に利用される直交波周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルへマッピングし,
前記OFDMシンボルに保持された前記アップリング制御シグナルを送信し,
前記アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボルであり,
前記アップリンク制御シグナル及びサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)が1つのサブフレームにより搬送される場合に,サブフレームの2番目のタイムスロットの最後のOFDMシンボルにおいて,アップリンク制御シグナルとアップリンク復調基準信号のいずれも搬送されず,
前記アップリンク制御シグナルに対して時間領域拡張を行う際,
直交シーケンスを利用して,処理された前記アップリンク制御シグナルシーケンスをアップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルに拡張し,
前記直交シーケンスの長さは,1つのタイムスロットにおいて,アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルの数であり,
前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,
復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,
ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,
拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である
ことを特徴とする方法。」

第2 引用発明及び周知事項
1 引用発明
(1)引用発明1
原査定の拒絶の理由に引用された Ericsson, ST-Ericsson,PUCCH Design for CA,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #61b (R1-103506),2010年6月28日(以下「引用例1」という。)には,「PUCCH Dsgign for CA」([当審仮訳]:CAのためのPUCCHの設計)に関して図面とともに以下の事項が記載されている。

ア 「2.1 PUCCH Transmission
2.1.1 Carrier Aggregation HARQ Feedback Transmission Scheme
We propose to use the transmission scheme presented in [2] and shown in Figure 1 for the transmission of HARQ feedback bits due to carrier aggregation. The multiple HARQ feedback bits are encoded by the (32, O) RM code with circular buffer rate matching [5] into 48 coded bits, where O=n with spatial bundling and O=2n without spatial bundling. The number n denotes the number of configured component carriers. It is worthwhile to mention that this is encoder is already used in Rel-8/9. The coded bits are scrambled with cell-specific and possible DFTS-OFDM symbol dependent sequences. 24 bits are transmitted within the first slot and the other 24 bits are transmitted within the second slot. The 24 bits are converted into 12 QPSK symbols, DFT precoded, spread across five DFTS-OFDM symbols and transmitted within one resource blocks (bandwidth) and five DFTS-OFDM symbols (time). The spreading sequence is UE specific and enables multiplexing of up to five users within the same resource blocks. The used spreading sequences are DFT sequences of length five. Frequency hopping is applied at slot boundaries to achieve frequency diversity.
For the reference signals cyclic shifted CAZAC sequences, e.g. the computer optimized sequences in [7] can be used.
Proposal 1: Carrier aggregation PUCCH is based on DFTS-OFDM transmission.」(1ページ目)
([当審仮訳]:
2.1 PUCCH伝送
2.1.1 キャリアアグリゲーション HARQフィードバック 伝送スキーム
我々は,キャリアアグリゲーションにおけるHARQフィードバックビットの伝送のために,[2]及び図1に示される伝送スキームを使用することを提案する。複数のHARQフィードバックビットは,48ビットへの循環バッファレートマッチング[5]を使用した(32,O)RM符号(ここで,空間バンドリングを使用する場合にはO=nであり,空間バンドリングを使用しない場合にはO=2n)により符号化される。nは,配置されるコンポーネントキャリアの数を意味する。この符号化器はリリース8/9において既に使用されていることに言及することには意味がある。符号化ビットは,セル固有であり,考えられる(possible)DFTS-OFDMシンボルから独立したシーケンスによりスクランブルされる。24ビットは最初のスロット内で伝送され,他方の24ビットは2番目のスロット内で伝送される。24ビットは,12個のQPSKシンボルに変換され,DFTSによりプリコードされ,5つのDFTS-OFDMシンボルにわたって拡散され,1つのリソースブロック(周波数)及び5つのDFTS-OFDMシンボル(時間)内で伝送される。拡散シーケンスは,UE固有で,同じリソースブロック内で5ユーザまでの多重化を可能とする。使用される拡散シーケンスは,長さ5のDFTシーケンスである。周波数ダイバシティを達成するために,スロット境界で周波数ホッピングが使用される。
基準信号のために,巡回シフトされたCAZACシーケンス,例として[7]のコンピュータ最適化シーケンスが使用される。
提案1:キャリアアグリゲーションPUCCHは,DFTS-OFDM伝送に基づく。」

イ 「

Figure 1: Block diagram to feed back HARQ feedback bits due to carrier aggregation. In the first slot (shown here) the first 24 coded bits are transmitted, in the second slot (not shown) the remaining 24 coded bits.
」(2ページ目)
([当審仮訳](図面省略):
図1:キャリアアグリゲーションのために,HARQフィードバックビットをフィードバックするブロック図。最初のスロット(図示)において,最初の24符号化ビットが伝送され,2番目のスロット(図示せず)において,残りの24符号化ビットが送信される。)

ウ 「2.1.3 Carrier Aggregation HARQ Feedback Transmission in same Subframe as SRS
In subframes that are configured for SRS transmissions the last OFDM symbol needs to be punctured. This needs even to be done by terminals that do not transmit SRS in such a subframe to avoid collisions with SRS transmissions from other terminals.
This can be easily achieved by the proposed carrier aggregation PUCCH with minor modifications, see Figure 2. Nothing changes for the first slot (i.e. Figure 1 is still valid) but in the second slot the last DFTS-OFDM symbol is punctured.
The multiplexing capacity is reduced from five to four users since the orthogonal cover applied to the second slot is only four elements long. DFT sequences of length four are used as orthogonal cover sequences.」(3ページ目)
([当審仮訳]:
2.1.3 SRSと同じサブフレームにおけるキャリアアグリゲーションHARQフィードバック伝送
SRS伝送のために構成されるサブフレームにおいては,最後のOFDMシンボルは,パンクチャされる必要がある。これは,他の端末からのSRS伝送との衝突を回避するために,そのようなサブフレームにおいてSRSを伝送しない端末に対しても要求される。
これは,図2にあるように,提案したキャリアアグリゲーションPUCCHを少し修正するだけで簡単に達成することができる。最初のスロットには変更はなく(つまり,図1は依然として有効),しかし,2番目のスロットにおいて,最後のDFTS-OFDMシンボルはパンクチャされる。
2番目のスロットに適用される直交カバーは4つの要素長さしかないため,多重化の収容能力は,5から4に減る。長さ4のDFTSシーケンスが,直交カバーシーケンスとして使用される。」

エ 「

Figure 2: Block diagram of the transmission scheme to be used in subframes that are configured for SRS transmissions. Above figure shows the block diagram for the second slot.」(3ページ目)
([当審仮訳](図面省略):
図1:SRS伝送のため構成されるサブフレームに使用される伝送スキームのブロック図。
上図は,2番目のスロットのブロック図を示す。)

(ア)引用例1のタイトル及び上記アより,引用例1は,PUCCHにおけるHARQフィードバックビットの伝送方法に関するものである。

(イ)前記アより,引用例1においては,「HARQフィードバックビット」に対して,「符号化」,「スクランブル」,「QPSKシンボルへの変換」,「DFTSによるプリコード」及び「拡散」を行っているといえる。
また,出願時の技術常識(例えば,LETの規格リリース8又はリリース9等)を考慮すれば,前記イ(図1)及びエ(図2)における,「ACK/NACK」,「FEC」,「Bit→Sym」及び「DFT」はそれぞれ,「HARQフィードバックビット」,「符号化」,「QPSKシンボルへの変換」及び「DFTSによるプリコード」に相当することが明らかである。
また,「拡散」に関し,上記アには「5つのDFTS-OFDMシンボルにわたって拡散」すること,「拡散」を「拡散シーケンス」により行い,当該「拡散シーケンス」は,「多重化」を実現するものであること,及び,「拡散シーケンス」が,「DFTシーケンス」であることが記載されている。そして,上記ウには,「DFTシーケンス」が,「直交カバーシーケンス」であることが記載されているから,これらを総合すると,「拡散」を行う「拡散シーケンス」として所定の長さの「直交カバー」を用いることが記載されている。また,そして,「直交カバー」(orthogonal cover)の頭文字は,「oc」であることを考慮すれば,上記イ及びエに記載の「oc0」ないし「oc4」は,上記アに記載の「長さ5のDFTシーケンス」すなわち,長さ5の「直交カバーシーケンス」であるといえ,上記エに記載の「oc0」ないし「oc3」は,上記ウに記載の「長さ4のDFTSシーケンス」すなわち長さ4の「直交カバーシーケンス」であるといえる。
そうすると,前記イ(図1)及びエ(図2)を参酌し,処理の順序を考慮すれば,引用例1には,「HARQフィードバックビット」に対して,「符号化」,「スクランブル」,「QPSKシンボルへの変換」,「DFTシーケンスである直交カバーシーケンスによる拡散」及び「DFTSによるプリコード」をそれぞれ行うことが記載されている。

(ウ)前記イ(図1)及びエ(図2)より,DFTによりプリコードされたHARQフィードバックビットは,IFFT(逆高速フーリエ変換)の処理を介して,各シンボル0ないし6にマッピング(配置)されていることが見てとれる。また,上記アより,各シンボルは,「DFTS-OFDMシンボル」である。そうすると,引用例1には,「前記HARQフィードバックビット」を,「DFTS-OFDMシンボル」にマッピングすることが記載されている。

(エ)前記ア,イ及びエより,IFFTの処理を介してHARQフィードバックビットがマッピングされたDTFS-OFDMシンボルがPUCCH上で伝送されることは自明である。

(オ)前記ウにおいて,「SRS伝送のために構成されるサブフレーム」とは,SRSが伝送されるサブフレームであるといえる。そして,前記ア及びウからして,前記エの図2は,SRSが伝送されるサブフレームの2番目のスロットにおけるPUCCHの構造,前記イの図1は,SRSが伝送されないサブフレームの1番目及び2番目のスロット並びにSRSが伝送されるサブフレームの1番目のスロットにおけるPUCCHの構造を示していると解される。
そして,SRSが伝送されるサブフレームのPUCCHにおいては,前記ウより,2番目のスロットにおいて,最後のDFTS-OFDMシンボルはパンクチャされ,前記エの図2より,2番目のスロットの最後のDFTS-OFDMシンボルには,「0」がマッピングされている一方,0番目,2番目,3番目及び4番目のDFTS-OFDMシンボルには,HARQフィードバックビットがマッピングされている。そして,当該「0」は,「HARQフィードバックビット」でも「RS」でもないことは明らかである。
これらの事項を総合すると,引用例1には,「HARQフィードバックビットとSRSが1つのサブフレームにより伝送される場合に,サブフレームの2番目のスロットの最後のDFTS-OFDMシンボルにおいて,HARQフィードバックビットとRSのいずれも伝送され」ないことが記載されている。

(カ)一方,SRSが伝送されないサブフレームのPUCCHにおける1番目及び2番目のスロット,並びに,SRSが伝送されるサブフレームのPUCCHにおける1番目のスロットは,前記イより,RSがマッピングされる1番目と5番目のDFTS-OFDMシンボルを除いた,0番目,2ないし4番目及び6番目のDFTS-OFDMシンボルに,HARQフィードバックビットがマッピングされている。また,SRSが伝送されるサブフレームのPUCCHにおける2番目のスロットにおいては,RSがマッピングされる1番目と5番目のDFTS-OFDMシンボルに加え,SRSの伝送に伴いパンクチャされる6番目のDFTS-OFDMシンボルを除いたDFTS-OFDMシンボルにHARQフィードバックビットがマッピングされている。また,サブフレームのPUCCHにおいて,RSがDFTS-OFDMシンボルにマッピングされることは,当該DFTS-OFDMシンボルを占有しているに等しい。
これらを総合すると,引用例1には,「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」は,1つのサブフレームにおいて,「RSによって占有されるDFTS-OFDMシンボル」と「SRSの伝送に伴いパンクチャされるDFTS-OFDMシンボル」を除く「DFTS-OFDMシンボル」であることが記載されているといえる。

(キ)前記アないしエ及び前記(イ)より,引用例1において,「HARQフィードバックビット」に対して「拡散」を行う際には,「直交カバーシーケンス」を利用して,「QPSKシンボルに変換されたHARQフィードバックビット」を「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」に拡散しているといえる。
また,「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」の数が5の場合(図1,すなわち,SRSを伝送しないサブフレームの1番目のスロット及び2番目のスロット,SRSを伝送するサブフレームの1番目のスロット)においては,長さ5の「直交カバーシーケンス」を用い,「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」の数が4の場合(図2,すなわち,SRSを伝送するサブフレームの2番目のスロット)においては,長さ4の「直交カバーシーケンス」を用いており,かつ,前記イ(図1)及びエ(図2)より,「直交カバーシーケンス」(「oc0」ないし「oc4」又は「oc0」ないし「oc3」)は,「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」のみに適用されていることから,「直交カバーシーケンスの長さ」は,「1つのスロット」において,「HARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルの数」であることは自明である。

(ク)上記イ(図1)及びエ(図2)より,「HARQフィードバックビット」を伝送する場合,「RS」を,各スロットの7個のDFTS-OFDMシンボルのうちの2個の「DFTS-OFDMシンボル」にマッピングしていることが明らかである。また,各スロットにおいて,「RS」をマッピングするDFTS-OFDMシンボルの数を「k」と称することは任意である。

上記アないしエ及び(ア)ないし(ク)の検討から,引用例1には,以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されている。

「 PUCCHにおけるHARQフィードバックビットの伝送方法であって,
HARQフィードバックビットに対して,符号化,スクランブル,QPSKシンボルへの変換,DFTシーケンスである直交カバーシーケンスによる拡散及びDFTによるプリコードをそれぞれ行い,
前記HARQフィードバックビットを,DTFS-OFDMシンボルへマッピングし,
前記HARQフィードバックビットがマッピングされる前記DFTS-OFDMシンボルを伝送し,
前記HARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,RSによって占有されるDFTS-OFDMシンボルとSRSの伝送に伴いパンクチャされるDFTS-OFDMシンボルとを除くDFTS-OFDMシンボルであり,
HARQフィードバックビットとSRSが1つのサブフレームにより伝送される場合に,サブフレームの2番目のスロットの最後のDFTS-OFDMシンボルにおいて,HARQフィードバックビットとRSのいずれも伝送されず,
前記HARQフィードバックビットに対して直交カバーシーケンスによる拡散を行う際,
直交カバーシーケンスを利用して,QPSKシンボルに変換された前記HARQビットをHARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルに拡散し,
前記直交カバーシーケンスの長さは,1つのスロットにおいて,HARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルの数であり,
HARQフィードバックビットを伝送する場合,
RSを,各スロットの7個のDFTS-OFDMシンボルのうちk個のDFTS-OFDMシンボルにマッピングし,
k=2である,
ことを特徴とする方法。」

(2)引用発明2
原査定の拒絶の理由に引用された ZTE,Multiplexing of Sounding RS and PUCCH,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #50 (R1-103506),2007年8月20日(以下「引用例2」という。)には,「Multiplexing of Souding RS and PUCCH」([当審仮訳]:サウンディングRSとPUCCHの多重化)に関して図面とともに以下の事項が記載されている。

オ 「In #49bis meeting, control channel transmission structures in uplink, i.e. PUCCH carrying ACK/NACK and/or CQI were agreed. The working assumption of ACK/NACK is as figures 1 and figure 2. However, when the SRS (Sounding RS) is transmitted with PUCCH simultaneously, ACK transmission structures have to be modified in order to maintain the single carrier property.
(…中略…)

(…中略…)The different number in the block denotes different time-frequency resource in one slot. The same number and color in the block denotes the ACK/NACK users in the same time-frequency resource with intra-subframe hopping.」(1ページ目)
([当審仮訳]:#49bis会議において,アップリンク制御チャネル伝送構造,例えばPUCCHが,ACK/NACK及び/又はCQIを搬送することが合意された。ACK/NACKに関する作業仮説は,図1及び図2に示されている。しかしながら,SRS(サウンディングRS)がPUCCHと同時に伝送される場合,ACK伝送構造は,シングルキャリア構造を維持するために,修正されなければならない。
(…中略…)
(図面省略)
図1.短CPのためのACK/NAK伝送構造
(図面省略)
図2.長CPのためのACK/NAK伝送構造)
(…中略…)
ブロックにおける異なる数は,1つのスロットにおける,異なる時間-周波数リソースを示している。ブロックにおける同じ数及び色は,サブフレーム内ホッピングを伴う,同じ時間-周波数リソースにおけるACK/NACKユーザを示す。」

カ 「2 Discussion of multiplexing of uplink SRS and PUCCH
From the contributions of some companies, we see the suggestions of multiplexing of uplink SRS and PUCCH as follows.

2.1 Reserve one LB of PUCCH for SRS to sound all bandwidth
This design requires all users using the same transmission structure format, whatever PUCCH is transmitted with SRS or without SRS. That is: every ACK/NACK user reserves one LB not using for ACK/NACK transmission and SRS may be transmitted in the whole bandwidth of this LB [1]. The reserved LB for SRS might be obtained by reducing one LB of ACK/NACK data or ACK/NACK RS, as figure 3 and figure 4.
Single carrier property is maintained in the above design and the whole bandwidth can be measured. However, it is unfair for the ACK/NACK users without SRS. Because the ACK/NACK users without SRS can not use the reserved LB for ACK/NACK transmission, its performance will be decreased. If ACK/NACK users without SRS use the reserved LB, the interference will be introduced between ACK/NACK signals of the user without SRS and sounding signals of the users with SRS in the same resource.

」(2?3ページ目)

([当審仮訳]:
2 アップリンクSRSとPUCCHの多重化に関する議論
いくつかの企業の寄稿から,我々は,以下のような,アップリンクSRSとPUCCHの多重化についての提案が認められた。

2.1 すべての周波数帯にわたるSRSのため,PUCCHの1つのLBの保留
この設計では,PUCCHの伝送に,SRSを伴うか,SRSを伴わないかに関わらず,すべてのユーザが同じ伝送構造フォーマットを利用することが必要である。すなわち,すべてのACK/NACKのユーザは,ACK/NACK伝送に利用されない1つのLBを保留することにより,SRSは,このLBの周波数帯域の全域にわたって伝送することができる[1]。図3及び図4に示されるように,ACK/NACKデータ又はACK/NACK RSの1つのLBを削減することにより,SRSのために保留されたLBが得られる。
上記の設計において単一キャリアの特性は維持され,周波数帯域の全域が測定される。しかしながら,SRSを要しないACK/NACKのユーザにとっては不公平である。なぜなら,SRSを要しないACK/NACKのユーザは,保留されたLBをACK/NACKの伝送に利用できず,その性能が低減するからである。もし,SRSを伴わないACK/NACKのユーザが保留されたLBを使用するなら,SRSを伴わないそのユーザによるACK/NACK信号と,同じリソースによるSRSを伴う利用者によるSRSサウンディング信号との間には,干渉が生じる。
(図面省略)
図3.すべての周波数帯域をサウンディングする場合における,ACK/NAK伝送構造1
(図面省略)
図4.すべての周波数帯域をサウンディングする場合における,ACK/NAK伝送構造2)

(ケ)前記オの図1及び図2は,出願時の技術常識を考慮すれば,ACK/NACKとRSとを同じサブフレームにマッピングする場合における,サブフレームの2つのスロットのPUCCHの構造を示したものである。
そして,各スロットにおいて,LBにマッピングされるRSの数は,図1によれば,短CPにおいては7個のLBのうちの3個であり,図2によれば,長CPにおいては6個のLBのうちの2個である。

(コ)前記カの図3及び図4は,出願時の技術常識を考慮すれば,ACK/NACKとRSとSRSとを同じサブフレームにマッピングする場合における,サブフレームの2つのスロットのPUCCHの構造を示したものである。
また,図3及び図4は,スロットに含まれるLBの数は図1と同じ7つであるから,短CPにおけるサブフレームの構造を示したものであることが明らかである。
そして,各スロットにおいて,LBにマッピングされるRSの数は,図3によれば,短CPにおいて3個であり,図4によれば,短CPにおいて2個又は3個である。

(サ)前記カより,周波数帯域の全域にわたるSRSを伴ってACK/NACKを伝送する場合には,PUCCHの周波数帯域にもSRSが伝送されることとなり,したがって,当該周波数帯域には,ACK/NACKもRSも伝送されない。そうすると,PUCCHの周波数帯域に着目すると,ACK/NACKがマッピングされるLBは,1つのサブフレームにおいて,RSとSRSによって占有されるLBを除くLBであるといえる。

前記オ及びカ及び(ケ)ないし(サ)の検討から,引用例2には,以下の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されている。

「 PUCCHにおいて,ACK/NACKがマッピングされるLBは,1つのサブフレームにおいて,RSとSRSによって占有されるLBを除くLBであること,及び,
ACK/NACKを搬送するPUCCHにおいて,各スロットにおいてRSがマッピングされるLBの数は,
短CPのサブフレームにおいて,7個のLBのうちの2個又は3個,
長CPのサブフレームにおいて,6個のLBのうちの2個であること。」

(3)引用発明3
原査定の拒絶の理由に引用された SHARP,Embedded Coding for PUCCH Transmissions of CQI+ACK/NACK,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #51b (R1-080509),2008年1月14日(以下「引用例3」という。)には,「Embedded Coding for PUCCH Transmissions of CQI+ACK/NACK」([当審仮訳]:CQI+ACK/NACKのPUCCH伝送のための埋込符号)に関して図面とともに以下の事項が記載されている。

キ 「

」(第3ページ)
([当審仮訳]:



(シ)引用例3のタイトルからして,引用例3は,CQIとACK/NACKを伝送するためのPUCCHに関するものであり,前記キ(Table 3)より,ACK/NACKを含む情報ビットを送信するスロットごとのRS数は,短CPの場合に2,長CPの場合に1である。

前記キ及び(シ)の検討から,引用例3には,以下の発明(以下,「引用発明3」という。)が記載されている。

「 ACK/NACKを搬送するPUCCHにおいて,各スロットにおけるRSの数は,
短CPにおいて,2個,
長CPにおいて,1個であること。」

(4)周知事項
本願の優先日前に公知となった,E. Dhalman, ほか3名著, 服部武,ほか2名監訳,3G Evolutionのすべて LTEモバイルブロード方式技術,丸善株式会社,2009年12月25日,初版,第423-462ページ(以下,「周知文献1」という。)には,LTEにおける上りリンク伝送方式に関して,図面とともに以下の事項が記載されている。

ク 「17.2 上りリンク基準信号
17.2.1 上りリンク復調用基準信号
下りリンクと同様に,上りリンクにおいても受信側で異なる物理チャネルの同期検波を実現するために基準信号が必要である。これらの基準信号はより正確には上りリンクの「復調用基準信号(DRS)」とよばれ,17.2.2項で述べる上りリンク「サウンディング基準信号(SRS)」と区別される。簡単のため,本節では上りリンク基準信号という場合は上りリンクDRSを指すものとする。上りリンク基準信号は,UL-SCHがマッピングされる物理上り共用チャネル(PUSCH)の同期検波のために必要である。上りリンク基準信号は,17.3節で述べる異なる種類のLI/L2制御信号を伝送するための物理上り制御チャネル(PUCCH)の同期検波のためにも必要となる。基本的にPUSCH用とPUCCH用の上りリンク基準信号は同じ構成であるが,以下に述べるようにいくつかの相違点がある。
17.2.1.1 上りリンクDRSの基本伝送法
上りリンクにおいては送信電力の時間変動(PAR)が小さいことが望ましいため,上りリンクの基準信号の伝送法は,下りリンクと大きく異なる。すなわち,ある端末が基準信号と他の上りリンク伝送信号を周波数多重して送信するのはPARの観点から望ましくない。そこで上りリンクでは,サブフレーム内の一部のDFTS-OFDMシンボルを基準信号の送信専用に用いる。つまり,ある同一の端末の送信において上りリンクの基準信号は他の上りリンク伝送信号に対して時間多重される。
より詳細には,PUSCHの伝送では基準信号は各上りリンクスロットの第4シンボルを使って送信される^(*3)(図17.4)。 したがって,各サブフレームでは2つの基準信号が送信されることになる。一方,PUCCHの伝送時には,基準信号伝送に用いるDFTS-OFDMシンボル数とスロットにおけるこれらのシンボルの正確な位置は,PUCCHのフォーマットに応じて異なる。」(第426ページ第8行?第427ページ第6行)

ケ 「通常のサイクリックプレフィクスでは1スロットあたり7つのOFDMシンボルが存在する(拡張サイクリックプレフィクスの場合は6)。」(第442ページ第7?8行)

前記クより,以下の事項は,LTEにおける周知事項と解される。

『PUCCH用の基準信号には,上りリンク「復調用基準信号(DRS)」と上りリンクの「サウンディング基準信号(SRS)」とがあり,上りリンクの「復調用基準信号(DRS)」は,簡単のために上りリンクの「基準信号」ともいうこと。』(以下,「周知事項1」という。)及び

「上りリンクの復調用基準信号(DRS)を伝送するDFTS-OFDMのシンボル数と位置は,PUCCHのフォーマットに応じて異なること。」(以下,「周知事項2」という。)

また,前記ケより,以下の事項は,LTEにおける周知事項と解される。

「1スロットあたりのOFDMシンボルは,通常のサイクリックプレフィクスの場合は7つであり,拡張サイクリックプレフィクスの場合は6つであること。」(以下,「周知事項3」という。)

本願の優先日前に公知となった米国特許出願公開第2008/0232325号明細書(以下,「周知文献2」という。)には,移動局からの応答信号(上りリンク伝送)に関して,図面とともに以下の事項が記載されている。

コ 「[0044] FIG. 1C shows a TTI with, one time slot considered for 3GPP LTE. The TTI has a duration of 0.5 ms. The TTI includes cyclic prefixes (CP) 24 , long blocks (LB) 22 , and short blocks (SB) 23 . The symbols in the short blocks can be used to transmit pilot tones 25 . The long blocks are used to transmit information or control symbols (user data). Thus, the TTI includes six LBs and two SBs.
[0045] FIG. 1C shows another 0.5 ms TTI with one time slot considered for 3GPP LTE. In this case, all the OFDM symbols are of the same length and are long blocks. One or more of the LBs in the time slot are used to transmit pilot tones, while the other LBs are used to transmit information (data). In effect, this TTI consists of seven LBs.」(第2?3ページ)
([当審仮訳]:
[0044] 図1Cは,3GPPのLTEで検討されている1つのタイムスロットにおけるTTIを示している。TTIは,0.5msの期間を有している。TTIは,巡回プレフィックス(CP)24,ロングブロック(LB)22及びショートブロック(SB)23を含む。ショートブロックにおけるシンボルは,パイロットトーン25を伝送するために使用することができる。ロングブロックは,情報又は制御シンボル(ユーザデータ)を伝送するために使用される。よって,TTIは,6つのLBと2つのSBを含む。
[0045] 図1C([当審注]:「図1D」の誤記と思われる。)は,3GPPのLTEで検討されている,1タイムスロットあたり0.5msのTTIの別の例を示す。この場合,すべてのOFDMシンボルは,ロングブロックと同じ長さである。タイムスロットにおける1つ又は複数のLBは,パイロットトーンを伝送するために使用され,他のLBは,情報(データ)を伝送するために使用される。具体的には,このTTIは,7つのLBを含む。)

(ス)前記コの[0044]より,「LB」は,「ロングブロック」の略称であり,[0045]より,「ロングブロック」は,「OFDMシンボル」と同じ長さを有していることから,「OFDMシンボル」と同義である。

前記コ及び(ス)の検討より,以下の事項は,LTEにおける周知事項と解される。

『「LB」は,OFDMシンボルと同義であること。』(以下,「周知事項4」という。)

第3 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明1とを対比する。

(1)引用発明1の「PUCCH」は,Physical Uplink Control CHannel(物理アップリンク制御チャネル)の略語であることは出願時の技術常識であるから,引用発明1の「HARQフィードバックビット」は,アップリンク制御チャネルにより伝送されるビットであり,当該ビットは,伝送される際には,信号すなわちシグナルとして伝送されることは自明である。そうすると,引用発明1の「HARQフィードバックビット」は,本願発明の「アップリンク制御シグナル」に相当する。
そして,「伝送」と「送信」は同義であるから,引用発明1の「PUCCHにおけるHARQフィードバックの伝送方法」は,本願発明の「アップリンク制御シグナル送信方法」に相当する。

(2)引用発明1において,「符号化」は,「PUCCH」すなわち制御チャネルに対するものであり,「符号化」は,「コーディング」と同義である。よって,引用発明1の「符号化」は,本願発明の「チャネルコーディング」に相当する。
また,引用発明1の「スクランブル」と本願発明の「スクランブリング」とは,表現の差異があるだけで,実質的には同じ処理である。
また,引用発明1の「QPSKシンボルへの変換」において,「QPSK」が,四位相偏移変調であることは出願時の技術常識から明らかである。そうすると,前記「QPSKシンボルへの変換」とは,実質的に「QPSKシンボル」へ「変調」していることに他ならない。よって,引用発明1の「QPSKシンボルへの変換」は,本願発明の「変調」に含まれている。
また,本願明細書の段落【0076】には,「時間領域拡散とは,直交シーケンスを利用して,コーディング後のシーケンスを,ACK/NACKメッセージのサブフレームにおける占有されるOFDMシンボルに拡張することである。直交シーケンスは,DFTシーケンス…(中略)…を利用してもよい。」と記載されていることから,本願発明の,「時間領域拡散」とは,「DFTシーケンス」等の「直交シーケンス」により,コーディング後のシーケンスをOFDMシンボルに拡張(拡散)することである。そして,上記「第2」の「1 引用発明」の「(1)引用発明1」の(イ)を参酌すると,引用発明1において,「直交カバーシーケンスによる拡散」は,符号化され,QPSKシンボルに変換(変調)されたシンボルのシーケンスに,DFTシーケンスである直交シーケンスを適用しているから,当該符号化され,QPSKシンボルに変換(変調)されたシンボルのシーケンスを,OFDMシンボルに拡散(拡張)していることに等しい。
よって,引用発明1の「直交カバーシーケンスによる拡散」は,本願発明の「時間領域拡散」に相当する。
また,本願明細書の段落【0078】には,「プリコーディング変換とは,OFDMシンボルにおける変調シーケンスに対してDFT演算を行うことである。」と記載されている。一方,引用発明1の「DFTによるプリコード」は,「HARQフィードバックビット」を「QPSKシンボルに変換」(変調)された後になされるから,QPSKシンボルのシーケンスに対してDFT演算を行うことよりプリコードを行うことに等しく,また,DFT演算によりシーケンスに何らかの「変換」がなされることは自明であるから,本願発明の「プリコーディング変換」に相当する。
以上より,前記(1)を参酌すると,引用発明1の「HARQフィードバックビットに対して,符号化,スクランブル,QPSKシンボルへの変換,直交カバーシーケンスによる拡散及びDFTSによるプリコードをそれぞれ行い」は,本願発明の「アップリンク制御シグナルに対して,チャネルコーディング,スクランブリング,変調,時間領域拡散及びプリコーディング変換をそれぞれ行い」に相当する。

(3)引用発明1の「DFTS-OFDMシンボル」は,本願発明の「直交波周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル」に含まれるものである。また,引用発明1では,「前記HARQフィードバックビットがマッピングされる前記DFTS-OFDMシンボルを伝送」するから,「DFTS-OFDMシンボル」は,「HARQフィードバック」を「搬送」するためのものであることが明らかである。すると,前記(1)を参酌すると,引用発明1の「前記HARQフィードバックビットを,DTFS-OFDMシンボルへマッピング」は,本願発明の「前記アップリンク制御シグナルを,前記アップリング制御シグナルの搬送に利用される直交波周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルへマッピング」に相当する。

(4)引用発明1において,「HARQフィードバックビット」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」は,「HARQフィードバックビット」を「保持」するものといえるから,前記(1)及び(3)を参酌すると,引用発明1の「前記HARQフィードバックビットがマッピングされる前記DFTS-OFDMシンボルを伝送」することは,本願発明の「前記OFDMシンボルに保持された前記アップリング制御シグナルを送信」することに相当する。

(5)本願発明の「アップリンク基準信号」に関し,本願の明細書には,次のように記載されている。
「【0079】
Nの値が,システムにおいて利用される巡回プレフィックスのタイプ及びアップリンク基準信号(復調基準信号(DM RS)及びサウンディング基準信号(SRS))に占有されるOFDMシンボルの数に関係することは,以下のことを意味する。
【0080】
すなわち,システムにおいて利用される巡回プレフィックスのタイプに応じて,現在のタイムスロットのOFDMシンボルの数を取得することができ,それからタイムスロットにおけるアップリンク基準信号に占有されるOFDMシンボルの数を引くことによって,1つのタイムスロットにおけるACK/NACKメッセージに占有されるOFDMシンボルの数を取得することができ,これによって,1つのサブフレームにおけるACK/NACKメッセージに占有されるOFDMシンボルの数Nを取得することができることを示す。
【0081】
ここで,1つのタイムスロットにおけるアップリンク復調基準信号に占有されるOFDMシンボルの数は3,2,又は1であり,アップリンクサウンディング基準信号に占有されるOFDMシンボルの数は1である。
【0082】
マッピングされたOFDMシンボル位置がアップリンク基準信号の位置に関係することは,前処理されたACK/NACKメッセージを,アップリンク基準信号の位置を除く他のOFDMシンボルにマッピングすることを示す。」

この記載を参酌すると,本願発明の「アップリンク基準信号」は,「アップリンク復調基準信号」と「アップリンクサウンディング基準信号」(SRS)の両者を含むものと解される。また,この記載の【0081】を参酌すると,「アップリンクサウンディング基準信号」によっても「OFDMシンボル」が「占有」され得ると解される。したがって,本願発明の「アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボル」は,「アップリンクサウンディング基準信号」(SRS)によって占有されるOFDMシンボルを含んでいる。

「RS」が,reference signal すなわち,「基準信号」の略称であることは出願時の技術常識である。また,引用発明1において,「RS」は,「PUCCH」すなわち,アップリンクに使用される信号である。
すると,引用発明1の「RS」と,本願発明の「アップリンク基準信号」(特に,これに含まれる「アップリンク復調基準信号」)とは,「アップリンクの基準信号」である点において共通する。
また,引用発明1において,「RS」がマッピングされる「DFTS-OFDMシンボル」は,PUCCHの周波数帯域でみれば「RS」によって「占有」されている。しかしながら,SRSの伝送に伴いパンクチャされるDFTS-OFDMシンボルは,SRSによって「占有」されていない。
以上のことから,前記(1)及び(3)を参酌すると,引用発明1の「前記HARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,RSによって占有されるDFTS-OFDMシンボルとSRSの伝送に伴いパンクチャされるDFTS-OFDMシンボルとを除くDFTS-OFDMシンボル」であることと,本願発明の「前記アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボル」であることとは,「前記アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,少なくともアップリンクの基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボル」であることにおいて共通する。

(6)引用発明1の「SRS」及び「スロット」はそれぞれ,本願発明の「サウンディング基準信号(SRS)」及び「タイムスロット」に相当する。
よって,引用発明1の「HARQフィードバックビットとSRSが1つのサブフレームにより伝送される場合に,サブフレームの2番目のスロットの最後のDFTS-OFDMシンボルにおいて,HARQフィードバックビットとRSのいずれも伝送されず」と,本願発明の「前記アップリンク制御シグナル及びサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)が1つのサブフレームにより搬送される場合に,サブフレームの2番目のタイムスロットの最後のOFDMシンボルにおいて,アップリンク制御シグナルとアップリンク復調基準信号のいずれも搬送されず」とは,前記(1),(3)及び(5)を参酌すると,「前記アップリンク制御シグナル及びサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)が1つのサブフレームにより搬送される場合に,サブフレームの2番目のタイムスロットの最後のOFDMシンボルにおいて,アップリンク制御シグナルとアップリンクの基準信号のいずれも搬送されず」である点において共通する。

(7)前記(2)及び(3)を参酌すると,引用発明1の「前記HARQフィードバックビットに対して直交カバーシーケンスによる拡散を行う際,直交カバーシーケンスを利用して,QPSKシンボルに変換された前記HARQビットをHARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルに拡散し,前記直交カバーシーケンスの長さは,1つのスロットにおいて,HARQフィードバックビットがマッピングされるDFTS-OFDMシンボルの数であり,」は,本願発明の「前記アップリンク制御シグナルに対して時間領域拡張を行う際,直交シーケンスを利用して,処理された前記アップリンク制御シグナルシーケンスをアップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルに拡張し,前記直交シーケンスの長さは,1つのタイムスロットにおいて,アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルの数であり,」に相当する。

(8)本願発明の「復調基準信号」は,「アップリンク復調基準信号」と同義であることは明細書及び図面の記載からみて自明なことである。そして,前記(3)及び(5)を参酌すると,引用発明1の「HARQフィードバックビットを伝送する場合,RSを,各スロットのk個のDFTS-OFDMシンボルにマッピングし,k=2である」と,本願発明の「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」とは,「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,アップリンクの基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,k=2である」という点において共通する。

2 一致点・相違点
前記1から,本願発明と引用発明1とは,以下の点で一致ないし相違している。

(1)一致点
「 アップリンク制御シグナル送信方法であって,
アップリンク制御シグナルに対して,チャネルコーディング,スクランブリング,変調,時間領域拡散及びプリコーディング変換をそれぞれ行い,
前記アップリンク制御シグナルを,前記アップリング制御シグナルの搬送に利用される直交波周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルへマッピングし,
前記OFDMシンボルに保持された前記アップリング制御シグナルを送信し,
前記アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,少なくともアップリンクの基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボルであり,
前記アップリンク制御シグナル及びサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)が1つのサブフレームにより搬送される場合に,サブフレームの2番目のタイムスロットの最後のOFDMシンボルにおいて,アップリンク制御シグナルとアップリンクの基準信号のいずれも搬送されず,
前記アップリンク制御シグナルに対して時間領域拡張を行う際,
直交シーケンスを利用して,処理された前記アップリンク制御シグナルシーケンスをアップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルに拡張し,
前記直交シーケンスの長さは,1つのタイムスロットにおいて,アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボルの数であり,
前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,
アップリンクの基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,
k=2である
ことを特徴とする方法。」

(2)相違点
ア 相違点1
「アップリンクの基準信号」が,本願発明は,「(アップリンク)復調基準信号」であるのに対し,引用発明は,「RS」である点。よって,「前記アップリンク制御シグナル及びサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)が1つのサブフレームにより搬送される場合に,サブフレームの2番目のタイムスロットの最後のOFDMシンボルにおいて」,本願発明は,「アップリンク制御シグナルとアップリンク復調基準信号のいずれも搬送され」ないのに対し,引用発明1は,HARQフィードバックビットとRSのいずれも伝送され」ない点。

イ 相違点2
「アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボル」が,本願発明は,「アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボル」であるのに対し,引用発明1は,RSによって占有されるDFTS-OFDMシンボルとSRSの伝送に伴いパンクチャされるDFTS-OFDMシンボルとを除くDFTS-OFDMシンボル」である点。

ウ 相違点3
「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合」,本願発明は,「復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」のに対し,引用発明1は,RSを,各スロットのk個のDFTS-OFDMシンボルにマッピングし,k=2である」点。

(3)判断
上記各相違点について検討する。

ア 相違点1について
上記周知事項1にあるように,『PUCCH用の基準信号には,上りリンク「復調用基準信号(DRS)」と上りリンクの「サウンディング基準信号(SRS)」とがあり,上りリンクの「復調用基準信号(DRS)」は,簡単のために上りリンクの「基準信号」ともいうこと。』は,本願の優先日において,LTEにおける周知技術にすぎない。したがって,引用発明1の「RS」は,「SRS」とは異なる基準信号であることから,上記周知技術を参酌すると,アップリンクの「復調用基準信号」といえるものである。そうすると,引用発明1における「RS」は,本願発明の「アップリンク復調基準信号」に相当し,よって,当該相違点2は,実質的な差異ではない。

イ 相違点2について
引用発明2にあるように,PUCCHにおいて,「ACK/NACKがマッピングされるLBは,1つのサブフレームにおいて,RSとSRSによって占有されるLBを除くLBであること」は,本願の優先日において公知技術である。そして,上記周知事項1を参酌すると,引用発明2に係る「RS」は,本願発明の「アップリンク復調基準信号」に相当し,そうすると,引用発明2において,「RS」と「SRS」の両者は,本願発明の「アップリンク基準信号」に相当する。
また,上記周知事項4にあるように,『「LB」は,OFDMシンボルと同義であること。』は周知技術であるから,引用発明2に係る「LB」は,「OFDMシンボル」と同義である。
よって,周知技術を参酌すると,引用発明2は,「ACK/NACKがマッピングされるOFDMシンボルは,1つのサブフレームにおいて,アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボルであること」と読み替えられる。
そして,引用発明1と引用発明2とは,いずれもPUCCHに関するものである点で共通しているから,引用発明1における「アップリンク制御シグナルを搬送するOFDMシンボル」について,引用発明2に係る公知技術を適用し,「アップリンク基準信号によって占有されるOFDMシンボルを除くOFDMシンボル」とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 相違点3について
周知事項3にあるように,「1スロットあたりのOFDMシンボルは,通常のサイクリックプレフィクスの場合は7つであり,拡張サイクリックプレフィクスの場合は6つであること。」は,LTEにおける周知技術である。すると,引用発明1において,「RSを,各スロットの7個のDFTS-OFDMシンボルのうちk個のDFTS-OFDMシンボルにマッピングし,k=2である」は,各スロットを構成するOFDMシンボルの数が7個であることから,サブフレームが,「通常のサイクリックプレフィックス」すなわち,「ノーマル巡回プレフィックス」の場合を示している。また,周知事項1を参酌すると,引用発明1の「RS」は,「(アップリンク)復調基準信号」のことである。
そうすると,引用発明1の,「RSを,各スロットの7個のDFTS-OFDMシンボルのうちk個のDFTS-OFDMシンボルにマッピングし,k=2である」は,「復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2である」と読み替えることができる。
よって,引用発明1は,本願発明のうち,「ノーマル巡回プレフィックスのサブフレーム」において,「k=2」である点において一致する。
また,引用発明2にあるように,「ACK/NACKを搬送するPUCCHにおいて,各スロットにおいてRSがマッピングされるLBの数は,短CPのサブフレームにおいて,7個のLBのうちの2個又は3個,長CPのサブフレームにおいて,6個のLBのうちの2個であること。」は公知技術である。ここで,周知事項4を参酌すると,「LB」は「OFDMシンボル」と同義であり,周知事項3を参酌すると,「短CP」は,7個のOFDMシンボルからなることから,「ノーマル巡回プレフィックス」に相当し,「長CP」は,6個のOFDMシンボルからなることから,「拡張巡回プレフィックス」に相当する。そうすると,引用発明2は,「ACK/NACKを搬送するPUCCHにおいて,各スロットにおいて復調基準信号がマッピングされるOFDMシンボルの数は,ノーマル巡回プレフィックスにおいて,2個又は3個,拡張巡回プレフィックスにおいて,2個であること。」と読み替えることができる。
そして,復調基準信号がマッピング(搬送)されるOFDMシンボルの数を「k」とすると,引用発明2は,本願発明のうち,「ノーマル巡回プレフィックスのサブフレーム」において,「k=2又は3」であること,及び,「拡張巡回プレフィックスのサブフレーム」において,「k=2」である点において一致する。
また,引用発明3にあるように,「ACK/NACKを搬送するPUCCHにおいて,各スロットにおけるRSの数は,短CPにおいて,2個,長CPにおいて,1個であること。」は,本願の優先日における公知技術である。周知事項1,周知事項3,周知事項4等の出願時の技術常識を参酌すれば,引用発明3における「短CP」及び「長CP」はそれぞれ,「ノーマル巡回プレフィックスのサブフレーム」及び「拡張巡回プレフィックスのサブフレーム」を意味すること,及び,「RS」の数とは,「RS」すなわち「復調基準信号」がマッピング(搬送)される「OFDMシンボルの数」を意味することは明らかである。
そして,復調基準信号が搬送されるOFDMシンボルの数を「k」とすると,引用発明3は,本願発明のうち,「ノーマル巡回プレフィックスのサブフレーム」において,「k=2」であること,及び,「拡張巡回プレフィックスのサブフレーム」において,「k=1」である点において一致する。
周知事項2にあるように,「上りリンクの復調用基準信号(DRS)を伝送するDFTS-OFDMのシンボル数と位置は,PUCCHのフォーマットに応じて異なること。」は,LTEにおける周知技術であるから,引用発明1において,当該周知技術を参酌して,種々のPUCCHのフォーマットを適用しようとすることは当業者ならば容易に想到し得ることであり,その具体化において,引用発明2及び3に記載された公知技術にあるPUCCHのフォーマットを適用し,「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」との本願発明に対応する構成とすることは,当業者が適宜になし得ることである。

(4) 請求人の主張
請求人は,審判請求書において,
『引用文献6には,CQI送信時のパイロットの構造が記載されているのに対して,補正後の本願請求項1には,HARQ-ACK送信時のパイロットの構造が記載されております。しかし,HARQ-ACKを送信する性能要件は,CQIを送信する性能要件と全く相違しております。また,HARQ-ACK送信時のチャンネル化構造は,CQI送信時のチャンネル化構造と全く相違しております。更に,HARQ-ACK送信時のパイロットに対する要求仕様も,CQI送信時のパイロットに対する要求仕様と全く相違しております。
また,引用文献6に記載されている「Short CPにおいて第1シンボルと第5シンボルでRSを送信し,Long CPにおいて第3シンボルでRSを送信する」との技術的特徴は,補正後の本願請求項1に記載されている「各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」との技術的特徴と全く相違しております。本願請求項1の技術案について,引用文献6には,記載も示唆もなされておりません。
更に,補正後の本願請求項1に記載されている「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」との技術的特徴について,引用文献1?5には,記載も示唆もなされておりません。
』と主張している。
上記主張の中で,「補正後の本願請求項1には,HARQ-ACK送信時のパイロットの構造が記載されております。」は,本願発明(請求項1)の記載に基づいたものではないから採用することができない。すなわち,請求項1には,「アップリンク制御シグナル」がどのような信号であるのか具体的に限定されておらず,また,請求項1を引用する請求項8には,「前記アップリンク制御シグナルは,アップリンクフィードバックされた肯定/否定応答(ACK/NACK)情報又はチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)である」と記載されていることから,請求項1に係る「アップリンク制御シグナル」が「CSI」である態様を含み,「HARQ-ACK」に限らないことは明らかである。
同様の理由により,「しかし,HARQ-ACKを送信する性能要件は,CQIを送信する性能要件と全く相違しております。」との主張も採用することができない。
また,引用例3(上記主張における「引用文献6」に相当。)について,上記キで参照した表3(Table 3)の「情報ビット数」(Number of information bits)の欄には,「CQI:8ビット, ACK/NACK: 2ビット」と「CQI:5ビット, ACK/NACK: 1ビット」を情報ビット(本願発明の「アップリンク制御シグナル」に相当。)として用いることが記載されていることから,引用例3には,「CQI」のみならず,「ACK/NACK」を送信する場合の事例について実質的に記載されているといえるから,引用例3に係るPUCCHのフォーマットを,引用発明1に組み合わせることに技術的な阻害要因はない。
さらに,『更に,補正後の本願請求項1に記載されている「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」との技術的特徴について,引用文献1?5には,記載も示唆もなされておりません。』との主張に関し,前記「(3)判断」の「エ 相違点4」の項で述べたように,引用発明1(上記主張における「引用文献1」に相当。)には,「復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2である」ことについて,また,引用発明2(上記主張における「引用文献2」に相当。)には,「ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又は3」であること,及び,「拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2」であることについて記載若しくは示唆がなされている。そして,周知事項2にあるように,「上りリンクの復調用基準信号(DRS)を伝送するDFTS-OFDMのシンボル数と位置は,PUCCHのフォーマットに応じて異なること。」は,LTEにおける周知技術であるから,引用発明1において,当該周知技術を参酌して,種々のPUCCHのフォーマットを適用しようとすることは当業者ならば容易に想到し得ることであり,その具体化において,引用発明2及び3に記載された公知技術にあるPUCCHのフォーマットを適用し,「前記アップリンク制御シグナルを送信する場合,復調基準信号を,各タイムスロットのk個のOFDMシンボルにより搬送し,ノーマル巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=3であり,拡張巡回プレフィックスのサブフレームにおいて,k=2又はk=1である」との本願発明に対応する構成とすることは当業者にとって適宜なし得たことである。
よって,上記主張は,いずれも採用することができない。

第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明1ないし引用発明3に基づいて,周知技術を参酌することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は,その余の請求項に論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-23 
結審通知日 2016-03-01 
審決日 2016-03-14 
出願番号 特願2013-523463(P2013-523463)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 速水 雄太長谷川 篤男大野 友輝  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 山中 実
林 毅
発明の名称 アップリンク制御シグナル送信方法、アップリンク送信装置及びアップリンク復調基準信号搬送装置  
代理人 中村 哲平  
代理人 金山 慎太郎  
代理人 吉田 望  
代理人 大森 純一  
代理人 折居 章  
代理人 金子 彩子  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ