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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65D
管理番号 1317790
審判番号 不服2015-16446  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-07 
確定日 2016-08-04 
事件の表示 特願2014-119159「包装商品」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月24日出願公開、特開2015-231855〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件は、平成26年6月10日の出願であって、平成26年9月9日付けで拒絶理由が通知され、平成26年10月15日に面接を行い、平成26年11月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年2月5日付けで、最後の拒絶理由が通知され、平成27年3月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年6月5日付けで平成27年3月9日付けの手続補正を却下する決定及び拒絶査定がなされた。
これに対して、平成27年9月7日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされ、平成27年11月19日付けで当審より拒絶理由が通知され、平成28年1月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成28年2月18日付けで、特許法第17条の2第3項(理由1)、同第36条第4項第1号及び第6項第2号(理由2)、並びに同第29条第2項(理由3)の規定を理由とする最後の拒絶理由が通知され、平成28年4月15日に面接を行い、平成28年4月25日に、意見書及び特許請求の範囲の請求項2の削除を補正の目的とする手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年4月25日付けで補正され、請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「所定の商品の全部又は一部を小包装体で包んだ複数の小包装品と、前記複数の小包装品を収納する大包装体と、を備える包装商品であって、
前記小包装体には、所定の地域内に存在する観光スポットを紹介する紹介情報が表され、
前記紹介情報は、前記観光スポットを紹介するための画像情報及び文字情報からなるとともに、前記観光スポットが前記地域内に複数存在することにより、それぞれの前記観光スポットに対応する複数の前記紹介情報があり、
前記複数の小包装品それぞれに対応する各小包装体には、一の前記観光スポットに対応する一の前記紹介情報が表され、
前記画像情報及び前記文字情報は、前記小包装体の外装における同じ面において、それぞれが線により囲まれて表されており、
前記地域において発行されるかるたの絵札を前記画像情報の全部として利用し、
前記かるたの読み札の内容を前記文字情報の全部として利用した
ことを特徴とする包装商品。」

3.当審の拒絶理由
(1)当審において平成28年2月18日付けで通知した拒絶の理由のうち、理由3(特許法第29条第2項)の概要は、本願出願は、その出願前日本国内において頒布された、特開2001-358号公報(以下、「引用文献」という。)に記載された発明、及び周知の技術的事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

(2)そして、この引用文献には、以下の発明及び技術的事項が記載されている。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】表面に装飾を施した袋に含浸剤とともに不織布を密封収納した単位ウエットティシュ包装体を、袋と共通する装飾が施された収容箱に複数収納してなることを特徴とするウエットティッシュ包装体。」
イ 「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題点を解決すべくなされたもので、携帯に適し、必要な枚数だけを取り出すことができ、かつ、宣伝媒体として使用できるウエットティシュ包装体を提供することを目的とする。さらに本発明は、不織布に含浸させる含浸剤成分を改良して、保湿効果にすぐれたウエットティシュ包装体を提供することを目的とする。」
ウ 「【0012】表面に装飾を施した袋に含浸剤とともに不織布を密封収納した単位ウエットティシュ包装体は、例えば印刷可能なシート材にアルミニュウム箔をラミネートした遮光性及び防水性のある複合シート材を用い、不織布を収納した後三方シールして密封し、ヒートシール部にはVノッチ等の易開封手段を形成することによって完成したものである。収納袋は、使用者は、Vノッチ部分から収納袋の一辺に沿って収納袋を切り裂くことにより、収納袋を開封して内部に収納されている不織布を取り出せるようになっている。これらの単位ウエットティシュ包装体は袋と共通する装飾が施された収容箱に複数収納する。」
エ 「【0013】蓋付き収容箱は、平行六面体形状を有し、前壁、後壁、前壁と後壁とを連結する側壁、並びに底壁を備え、さらに、後壁の上端に蓋体が蝶着されたものであり、収納箱は、単位ウエットティッシュ包装体を例えば、10?20個程度収納できる大きさのものであり、例えば、ボ-ル紙のような厚紙を用いて形成されているものであり、内容物である単位ウエットティシュ包装体に施した装飾と関連のある装飾を施してある。なお、装飾とは絵柄に限らず写真、文章等を含むものである。」
オ 「【0014】収容箱及び単位ウエットティシュ包装体に施す装飾の例としては、観光地図と観光名所、企業名と製品、野球場と選手、遊園地と人気キャラクタ、等があり、それらの装飾に物語性を持たせると使用者の興味が増し宣伝効果が向上する。」

引用文献の上記アの記載によれば、「ウエットティッシュ包装体」が、「単位ウエットティシュ包装体」を、「収容箱に複数収納」したものであり、その「単位ウエットティシュ包装体」は「表面に装飾を施した袋」からなり、「収容箱」は「袋と共通する装飾が施された」ものであり、
引用文献の上記オの記載によれば、「収容箱及び単位ウエットティシュ包装体に施す装飾」は、「観光地図と観光名所、企業名と製品、野球場と選手、遊園地と人気キャラクタ等」であることから、
引用文献には、「表面に装飾を施した袋からなる単位ウエットティシュ包装体を、袋と共通する装飾が施された収容箱に複数収納したウエットティッシュ包装体であって、収容箱及び単位ウエットティシュ包装体に施す装飾は、観光地図と観光名所、企業名と製品、野球場と選手、遊園地と人気キャラクタ等からなるウエットティッシュ包装体。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(3)また、平成28年2月18日付けの当審よりの拒絶理由通知には、以下の周知例が例示されている。
ア 周知例1として例示された周知例(以下、同様に「周知例1」という。)には、おみやげ品の「伊東八景ひとくち羊羹」と表示された箱に、羊羹が包まれた8個の小包装を収納することが示され、それぞれの小包装の包み紙の表面には、「城ヶ崎」や「大室山」等の、地域の名所名が表示さるとともに、その名所名にあわせたイラストが表示されていることが示されている。
・周知例1-1:西島彰,"伊東八景ひとくち羊羹",[online],2012.4.26,[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://n-akira729.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-bda5.html>
・周知例1-2:周知例1-1の記事中の1つ目の画像をクリックすると表示される拡大 画像,[online],[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://n-akira729.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/26/dscf1944.jpg>
・周知例1-3:周知例1-1の記事中の2つ目の画像をクリックすると表示される拡大 画像,[online],[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://n-akira729 .cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/26/dscf1945.jpg>
・周知例1-4:周知例1-1の記事中の3つ目の画像をクリックすると表示される拡大 画像,[online],[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://n-akira729.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/26/dscf1946.jpg>
・周知例1-5:周知例1-1の記事中の4つ目の画像をクリックすると表示される拡大 画像,[online],[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://n-akira729.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/26/dscf1947.jpg>
・周知例1-6:"売店の新商品♪",[online],2012.5.14,ホテル伊東ガーデン,[検索日2015.02.04],インターネット<URL:http://www.ito-garden.com/tdiary/?date=20120514>

イ 周知例2として例示された周知例(以下、同様に「周知例2」という。)には、菓子「なんばん往来」の外箱の中に個別包装された小箱が6箱収容され、その小箱の裏面には、ひらがなの一文字が丸で囲まれ、その囲まれたひらがなで始まる文章と、その文章に関連した「ボタン」、「オランダ坂」等の長崎地域に由来する事物のイラストが、かるたの形式で表示されるとともに、その事物の説明文と併せて、線により囲まれて表示されていることが示されている。
・周知例2-1:"いただきました",[online],2013.6.4,[検索日:2015.10.19],インターネット<URL:http://blog.goo.ne.jp/phantom3825/e/90707c7a6dca9936f4a6dcc90df215c7>
・周知例2-2:"512層ものバターたっぷりパイ生地に包まれた香り豊かなアーモンドケーキが素晴らしい「なんばん往来」",[online],2012.7.29,[検索日:2015.10.19],インターネット <URL:http://tabelog.com/en/fukuoka/A4007/A400702/40021599/dtlrvwlst/4329564/>
・周知例2-3:周知例2-2の記事中の左下の画像に対応するオリジナルの画像,[online],[検索日:2015.10.19],インターネット<URL:http://tabelog.com/imgview/original?id=r7257514072981>
・周知例2-4:"さかえ屋のなんばん往来",[online],2011.8.23,[検索日:2015.10.19],インターネット<URL:http://blog.goo.ne.jp/hiroshimakashihaku2013/e/6c5177dc631b9a84951d0a510089a866>
・周知例2-5:三村晴美,"◆なんばん往来☆さかえ屋",[online],2010.3.17,[検索日:2015.10.19],インターネット<URL:http://aries.tenkomori.tv/e158053.html>

4.当審の判断
(1)本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「ウエットティッシュ」と本願発明の「商品」とは、ともに包装することが可能な「被包装物品」という限りにおいて一致し、「被包装物品」としての「ウエットティッシュ」を包む引用発明の「袋」は、同じく「被包装物品」としての「商品」を包む本願発明の「小包装体」に相当し、「被包装物品」としての「ウエットティッシュ」及びその「袋」からなる引用発明の「単位ウエットティシュ包装体」は、同じく「被包装物品」としての「商品」及びそれを包む「小包装体」からなる「小包装品」に相当し、引用発明の「収容箱」は、その「単位ウエットティシュ包装体」を、複数、収納するものであるから、本願発明の「大包装体」に相当するものといえる。
また、引用発明の「単位ウエットティシュ包装体」を構成する「袋」に施された「観光地図と観光名所、企業名と製品、野球場と選手、遊園地と人気キャラクタ等」の装飾と、本願発明の「小包装体」の外装に表された「画像情報」及び「文字情報」は、使用者に「小包装体」の外装に表された「情報」という限りにおいて一致する。
そして、複数の「単位ウエットティシュ包装体」と「収容箱」からなる引用発明の「ウエットティッシュ包装体」と、複数の「小包装品」と「大包装体」からなる本願発明の「包装商品」とは、「複数の包装物品を収納した包装体」という限りにおいて一致する。
そうすると、本願発明と引用発明は、「所定の物品の全部又は一部を小包装体で包んだ複数の小包装品と、前記複数の小包装品を収納する大包装体と、を備える複数の包装物品を収納した包装体であって、小包装体の外装には、情報が表されている、複数の包装物品を収納した包装体。」で一致し、以下の点で相違する。

《相違点》
包装される被包装物品について、本願発明では、「商品」であるのに対し、引用発明では、「ウエットティッシュ」であり、
小包装体に表される情報について、本願発明では、「小包装体には、所定の地域内に存在する観光スポットを紹介する紹介情報が表され、
前記紹介情報は、前記観光スポットを紹介するための画像情報及び文字情報からなるとともに、前記観光スポットが前記地域内に複数存在することにより、それぞれの前記観光スポットに対応する複数の前記紹介情報があり、
複数の小包装品それぞれに対応する各小包装体には、一の前記観光スポットに対応する一の前記紹介情報が表され、
前記画像情報及び前記文字情報は、前記小包装体の外装における同じ面において、それぞれが線により囲まれて表されており、
前記地域において発行されるかるたの絵札を画像情報の全部として利用し、前記かるたの読み札の内容を文字情報の全部として利用した」ものであるのに対し、
引用発明では、「袋」の表面に施す装飾が、「観光地図と観光名所、企業名と製品、野球場と選手、遊園地と人気キャラクタ等」である点。

(2)上記相違点について検討する。
ア 本願発明の「商品」について、本願明細書の段落【0024】には、「商品11の品種は特に限定されない」旨記載されているところ、商取引の対象とすることができるものは全て、「商品」となり得るのが一般的である。
一方、ウエットティッシュは、商品として、広く市場に流通しているものであり、引用発明の「ウエットティッシュ」を「商品」とするか否かは、当業者が市場動向等を考慮して、適宜決定し得ることにすぎない。
そして、引用発明は、宣伝媒体として使用できることを課題としているところ(前記3.(2)イ)、商品の包装袋を観光名所等の宣伝に利用することは、本願出願前に周知の事項(例えば、周知例1、2等を参照)であることを踏まえると、引用発明の「ウエットティッシュ」を商品とすることは、何ら困難なこととはいえない。

イ 本願発明の「前記小包装体には、所定の地域内に存在する観光スポットを紹介する紹介情報が表され、前記紹介情報は、前記観光スポットを紹介するための画像情報及び文字情報からなるとともに、前記観光スポットが前記地域内に複数存在することにより、それぞれの前記観光スポットに対応する複数の前記紹介情報があり、前記複数の小包装品それぞれに対応する各小包装体には、一の前記観光スポットに対応する一の前記紹介情報が表され」ることについて、宣伝媒体として使用できることも目的の一つとする引用発明では、袋の表面に施された装飾として、観光地図と観光名所が含まれており、その装飾は、引用文献の段落【0013】によれば、「絵柄に限らず写真、文章等を含むもの」とされている。
そして、複数の小包装の個々に、地域に由来する事物(名所)の名やイラスト、説明文を、その事物(名所)ごとに表示することは、上記3.(3)ア、イで言及した周知例1及び周知例2に示すように周知の技術的事項であり、その採否は、伝えたい情報の内容に応じて、当業者が適宜決定し得るものである。
よって、引用発明の袋の表面に施された装飾について、観光名所等を宣伝するために、その装飾を観光スポットを紹介するための画像情報及び文字情報とし、各袋ごとに、一の観光スポットに対応する一の紹介情報が表されるようにすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

ウ また、本願発明の「前記画像情報及び前記文字情報は、前記小包装体の外装における同じ面において、それぞれが線により囲まれて表されて」いることについて、引用発明の「表面に装飾を施した袋」も、「袋」の表面に装飾が施されているところ、画像情報及び文字情報を同じ面に表すことや、それぞれを線により囲むことは、前記周知例2のイラストや説明文のように、従来より広く行われてきた表示手法であって格別のものではない。

エ さらに、本願発明の「前記地域において発行されるかるたの絵札を画像情報の全部として利用し、前記かるたの読み札の内容を文字情報の全部として利用した」ことについても、包装体表面の表示内容は、当業者が適宜選択する事項であって、かるたの形式を利用して表示することも、前記周知例2のかるたの表示のように、従来より広く行われてきた表現手法であり格別のものではない。

なお、この「前記地域において発行されるかるたの絵札を画像情報の全部として利用し、前記かるたの読み札の内容を文字情報の全部として利用した」との事項は、平成28年1月21日付け意見書での「画像情報を有する部分を『絵札』、文字情報を有する部分を『読み札』とする本格的な『かるた遊び』を分離された形態を有する複数の小包装体を用いて行うことができるという特有の効果」を奏する旨の主張を伴い、同日付けの手続補正で請求項1に追加された事項である。
これに対し、上記効果は本願明細書に記載されておらず、上記主張を伴う上記事項は、特許法第17条の2第3項の規定(新規事項)に該当するとして、平成28年2月18日付けで拒絶理由を通知したところ、請求人は、平成28年4月25日付け意見書において、上記主張を取り下げる旨の釈明をしている(同意見書「2.理由1及び理由2について」を参照)。
このような経緯を踏まえると、上記事項は、前記周知例2のかるたの表示に対して、何ら新たな技術的思想を開示するものではないことが明らかである。

オ しかも、本願発明により得られる作用効果は、引用発明及び周知の技術的事項から、当業者であれば予測し得る範囲のものであって格別なものではない。
よって、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)請求人の意見書における主張について
ア 請求人は、平成28年4月25日付けの意見書(「3.理由3について」「(1)構成1について」)において、
「『画像情報及び文字情報が小包装体の外装かつ同じ面に表されている』という構成1については、いずれの引用発明においても開示されていません。
このような構成1を備えることにより、以下のような作用効果を発揮します。
第1の効果として、小包装品を開封することなく、かつ、小包装品の表裏をひっくり返すことなく、画像情報及び文字情報が同時に取得できます。
・・・・
また、第2の効果として、複数の小包装品を収納する大包装体の少なくとも一部を透明に形成した場合において、本願発明では、大包装体を開封することなく、複数の小包装品のうちの少なくとも一部の小包装品において、大包装体の外部から一対の画像情報及び文字情報を視認することができます。
・・・・
このように、本願発明は、構成1を備えることにより、引用発明では奏し得ない有利な効果を発揮します。」と主張する。

しかし、請求人が第1の効果として主張する、小包装品を開封することなく、かつ、小包装品の表裏をひっくり返すことなく、画像情報及び文字情報が同時に取得できるとの効果については、本願の明細書には記載されておらず、いわゆる後付けの効果を主張するものと考えざるをえない。しかも、周知例1の小包装が、文字情報としての名所名と、画像情報としてのイラストを、小包装の外側の同じ面に表示するように、小包装品表面の同じ面に、画像情報と文字情報を表示することは、商品の包装体の表示手法として周知のものであり、小包装品の裏表をひっくり返すことなく、一度に画像情報と文字情報が取得できるとの効果は、当業者が容易に予測できるものである。
したがって、請求人の主張を採用することができない。
また、複数の小包装品を収納する大包装体の少なくとも一部を透明に形成した場合において、大包装体の外部から一対の画像情報及び文字情報を視認することができるとの効果については、本願発明には、大包装体の少なくとも一部を透明にすることは特定されていないし、本願明細書にも記載されていないから、請求人が意見書で主張する構成1の第2の効果は、特許請求の範囲及び明細書の記載に基づかない主張であって採用することができない。

イ さらに、請求人は、同じく意見書(「3.理由3について」「(2)構成2について」)において、
「『画像情報及び文字情報それぞれが線により囲まれている』という構成2については、いずれの引用発明においても開示されていません。
このような構成2に係る構成を備えることにより、以下のような作用効果を発揮します。
第1の効果として、各小包装品において画像情報及び文字情報それぞれの所在が明確になります。
また、第2の効果として、構成1との組合せ、すなわち、「画像情報及び文字情報が小包装体の外装かつ同じ面に表される」こととの組合せにより、同じ面に表される画像情報及び文字情報が一対の情報であることを明確にできます。
さらに、第3の効果として、構成3との組合せ、すなわち、「地域において発行されるかるたの絵札を画像情報の全部として利用し、かるたの読み札の内容を文字情報の全部として利用する」こととの組合せにより、線により囲まれた「画像情報」と「文字情報」をそれぞれかるたの「絵札」と「読み札」の表示形態とすることができます。
・・・・
そうすると、本願発明と周知例2とでは、同じかるたをモチーフにしているものの、見た目の印象が異なることになり、仮に小包装体に表されている情報の内容が同じであっても、情報の取得しやすさなどの視覚を通じての知得特性に差異が生じます。
また、本願発明では、かるたの表示形態により、単なる地域の紹介情報の提供ではない印象を購買者に与えることができます。
このように、本願発明は、構成2を備えるとともに、構成1及び構成3との組合せにより、引用発明では奏し得ない有利な効果を発揮します。」とも主張する。

しかし、請求人が主張する上記第1?第3の効果のいずれについても、本願の明細書に記載されていたものではない。しかも、表示する情報を、線により囲むこと自体は、上記(2)ウで述べたように、周知例2に示されるように、従来より広く行われてきた表示手法であって格別のものではない。
そして、表示される情報を、情報の種別(画像と文字)や情報の内容(例えば、肯定意見と否定意見、事実を示すデータとそれに基づく判断)等により、見やすいように区分けして線で囲んで表示することも、従来より広く行われていることであり、画像情報と文字情報を、それぞれ区分けして線で囲んで表示することは困難なことではないから、請求人の主張を採用することはできない。

(4)まとめ
以上によれば、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-06-02 
結審通知日 2016-06-07 
審決日 2016-06-20 
出願番号 特願2014-119159(P2014-119159)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白川 敬寛  
特許庁審判長 渡邊 豊英
特許庁審判官 井上 茂夫
蓮井 雅之
発明の名称 包装商品  
代理人 渡邊 喜平  
代理人 今井 哲也  
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