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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
審判 査定不服 特174条1項 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
審判 査定不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01S
管理番号 1318911
審判番号 不服2015-12663  
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-03 
確定日 2016-09-27 
事件の表示 特願2012-503456「周波数量子もつれ光子の生成及び検出」拒絶査定不服審判事件〔平成22年10月7日国際公開、WO2010/114665、平成24年9月27日国内公表、特表2012-522983、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2010年(平成22年)3月3日(パリ条約による優先権主張2009年4月4日、米国)を国際出願日とする国際出願であって、平成25年12月27日付けの拒絶理由通知に対し平成26年4月18日に意見書及び誤訳訂正書が提出され、同年10月16日付けの最後の拒絶理由通知に対し平成27年1月26日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同手続補正書でした補正について同年2月26日付けで補正の却下の決定がなされるとともに同日付けで拒絶査定(同年3月3日謄本送達)がなされたものであり、これに対して、同年7月3日に拒絶査定不服審判が請求され、同年8月12日に手続補正(方式)がなされ、その後、当審において平成28年5月11日付けで拒絶理由が通知され、同年8月15日に意見書及び誤訳訂正書が提出されたものである。

第2 原審における補正の却下の決定の当否
[補正の却下の決定の当否の結論]
平成27年2月26日付け補正の却下の決定を取り消す。

[理由]
審判請求人は、審判請求書において、平成27年2月26日付けの補正の却下の決定は誤りであり、平成26年10月16日付け拒絶理由通知の理由により拒絶すべきものとした拒絶査定には理由がない、との旨、主張している。
そこで、平成27年2月26日付けでなされた補正の却下の決定の当否について検討するにあたり、まずは、平成26年10月16日付け拒絶理由通知を最後の拒絶理由通知とした点について検討する。
平成26年10月16日付けの2回目の拒絶理由通知において対象となった特許請求の範囲は、平成25年12月27日付けの1回目の拒絶理由通知に対し平成26年4月18日に提出された誤訳訂正書により補正されたものではあるが、上記各拒絶理由通知において対象となった特許請求の範囲の記載、並びに、各拒絶理由通知における説示内容及び引用された文献とその内容を検討すると、上記2回目の拒絶理由通知は、「最初の拒絶理由通知に対する応答時の補正によって通知することが必要になった拒絶理由のみを通知するもの」とは認められないから、原審においてこれを最後の拒絶理由通知としたことは、妥当であるとはいえない。
そして、上記2回目の拒絶理由通知を、特許法第17条の2第1項第3号に規定する最後の拒絶理由通知としたことが妥当でない以上、平成27年2月26日付けでなされた補正の却下の決定には理由がないから、取り消すべきである。

第3 本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成28年8月15日付け誤訳訂正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されたとおりの、以下のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
物体を追跡する方法であって、前記方法は、
周波数量子もつれ光子の生成及び検出を利用して前記物体を含む画像を撮影することと、
撮影画像に基づいて前記物体の位置を推定することとを含む方法であって、
前記周波数量子もつれ光子の生成及び検出を利用することは、
UVレーザを使用してコヒーレント光を発生させることと、
コヒーレント光を下方変換して、周波数量子もつれ光子の対を生成することと、
量子もつれ光子の各対に関して、第1光子を第1光路に沿って、第2光子を第2光路に沿って、それぞれ伝送することと、
シングルフォトン領域内において、第1検出器を使用して、第1光路に沿って伝送されるこれらの光子を検出し、第2検出器を使用して、第2光路に沿って伝送されるこれらの光子を検出することと、
検出器の出力に対して同時計数を行なうことであって、第1及び第2検出器の出力の立ち上がりエッジを時間窓内で比較することを含み、
第1及び第2検出器によって検出される光子の複素電場の2次相関をとり、第2検出器のx-y座標の関数として同時計数値をマッピングすることにより、画像を相関平面に形成することであって、同時計数によって、第1検出器で測定される複素電場に第2検出器で測定される複素電場を乗算して得られる積の時間平均を測定することであって、前記複素電場は、位相及び振幅で表わされる、形成することとを含み、
前記第1光子が、大気遮蔽物を通過する波長を有し、前記第2光子が、前記物体の細部を該撮影画像内で識別することが可能な波長を有し、
前記物体が航空機、海上の物体、水面下にある物体、または陸上輸送手段であり、前記大気遮蔽物が前記航空機及び前記海上の物体に対しては空気、埃、雲、煙および霧を含み、前記水面下にある物体に対しては水を含み、前記陸上輸送手段に対しては空気、埃、煙および霧を含む、方法。
【請求項2】
第1及び第2検出器がシングルフォトン領域で動作する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1及び第2光路に同じ実効長を与える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各検出器がパルスを出力して光子の検出を通知し、各時間窓の始点が第2検出器によって供給されるパルスの立ち上がりエッジに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
N番目のN00N状態(N≧2)において光子を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記物体の画像を形成することと、画像を分析していずれかの構造変化を特定することとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
物体を追跡するシステムであって、
周波数量子もつれ光子の対を生成し、光子の各対に関して、第1光子を第1光路に沿って、第2光子を第2光路に沿って伝送するレーザ利用システムと、
第1光路に沿って伝送される個々の光子を検出する第1光子検出器と、
第2光路に沿って伝送される個々の光子を検出する第2光子検出器と、
検出器の出力に応答して、光子対の同時計数を行なう回路であって、第1及び第2検出器の出力の立ち上がりエッジを時間窓内で比較することにより同時性を判断することを含む回路と、
第1及び第2検出器によって検出される光子の複素電場の2次相関をとり、第2検出器のx-y座標の関数として同時計数値をマッピングすることにより、画像を相関平面に形成し、同時計数によって、第1検出器で測定される複素電場に第2検出器で測定される複素電場を乗算して得られる積の時間平均を測定することであって、前記複素電場は、位相及び振幅で表わされる、画像形成手段と、
を備え、
前記第1光子が、大気遮蔽物を通過する波長を有し、前記第2光子が、前記物体の細部を該撮影画像内で識別することが可能な波長を有し、
前記物体が航空機、海上の物体、水面下にある物体、または陸上輸送手段であり、前記大気遮蔽物が前記航空機及び前記海上の物体に対しては空気、埃、雲、煙および霧を含み、前記水面下にある物体に対しては水を含み、前記陸上輸送手段に対しては空気、埃、煙および霧を含む、システム。
【請求項8】
前記レーザ利用システムが、紫外線レーザと、レーザの出力を下方変換する非線形結晶とを含んでおり、第1及び第2光子検出器が、アバランシェダイオードを含むことにより、上方変換が下方変換の前には行なわれない、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記レーザ利用システムが、連続波モードで動作して1度に1組の光子対を生成するレーザを含んでいる、請求項7に記載のシステム。」

そして、本願については、原査定の拒絶理由及び当審において通知した拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-09-13 
出願番号 特願2012-503456(P2012-503456)
審決分類 P 1 8・ 55- WYA (G01S)
P 1 8・ 4- WYA (G01S)
P 1 8・ 537- WYA (G01S)
P 1 8・ 113- WYA (G01S)
P 1 8・ 121- WYA (G01S)
P 1 8・ 56- WYA (G01S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 櫻井 健太小川 亮  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 須原 宏光
大和田 有軌
発明の名称 周波数量子もつれ光子の生成及び検出  
代理人 園田・小林特許業務法人  

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