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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1319068
審判番号 不服2014-20699  
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-14 
確定日 2016-09-07 
事件の表示 特願2009-542308「PET/MRI複合撮像システムにおける動き補正」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 6月26日国際公開、WO2008/075265、平成22年 4月30日国内公表、特表2010-512907〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成19年12月13日(パリ条約による優先権主張2006年12月19日、欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、平成24年9月4日付けで拒絶理由が通知され、同年12月11日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、平成25年5月24日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年12月4日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、平成26年6月20日付けで平成25年12月4日付けの手続補正に対する補正の却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成26年10月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされた。そして、その後、当審により平成27年12月1日付けで拒絶理由が通知され、平成28年2月2日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、さらに、当審において同年2月2日付け意見書及び手続補正書の内容について意見を求めたところ、請求人は、同年3月4日及び17日付けFAX通信連絡書で回答している。

第2 本願発明
この出願の請求項1に係る発明は、平成28年2月2日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「- 磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴検査システム、
- 原子核崩壊信号を収集する放射型トモグラフィシステム、
- 前記磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成することなく、前記磁気共鳴信号から動き補正を取得する分析モジュール、及び
- 前記動き補正に基づいて、前記原子核崩壊信号から、動き補正された放射トモグラフィ画像を再構成する再構成モジュール、
を有し、
- 前記磁気共鳴検査システムは、k空間の中心領域を冗長的に繰り返しサンプリングするように構成され、且つ
- 前記分析モジュールは、繰り返しサンプリングされたk空間の前記中心領域の間での変化から前記動き補正を取得するように構成されている、
診断撮像装置。」

第3 原査定の拒絶理由の概要

原査定の拒絶理由の概要は、
「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1-8
・引用文献 1-4
〔備考〕
・請求項1について
引用文献1には、MRIの測定とPETの測定を同時に行うMRIとPETの複合機において、MRIで取得するナビゲーター信号により、例えば腸などの生体構造の動きをリアルタイムで検出し、検出された生体構造の動きに合わせて励起スライスの位置の調整を行うこと、及び、MRIのナビゲーター信号から検出された体動情報に基づいて、動き補正されたPETの測定画像を取得することが記載されている(特に、P26のSimultaneous MR-PET Measurements 参照)。
ここで、引用文献1に記載された発明のMRIでは、体動情報をナビゲーター信号から検出しており、「前記磁気共鳴検査システムは、k空間の中心領域を冗長的に走査するように構成され、且つ前記分析モジュールは、k空間の前記中心領域の相次ぐサンプリングの間での変化から前記動き補正を取得するように構成されている」ことについては引用文献1には明記されていない。
しかし、冗長的に走査したk空間の中心領域の相次ぐサンプリングの間での変化から体動情報を取得することは、MRIの分野において周知技術である(例:引用文献2 段落0005、 引用文献3 P963?P966の「THEORY」 参照)。
したがって、引用文献1に記載された発明における体動情報の検出方法として、引用文献2,3に記載された上記周知技術を採用することで請求項1に係る発明を導き出すことは、当業者が容易になし得ることである。
・・・
引 用 文 献 等 一 覧
1.Markus Schwaiger, et al.,“MR-PET:Combining Function, Anatomy, and More”,Medical Solutions, Special Edition, Molecular Imaging,Siemens medical,2005年 9月,P25-P30,URL:http://www.medical.siemens.com/siemens/en_US/rg_marcom_FBAs/files/brochures/magazin_special2005/Sonderheft_komplett.pdf
2.特開2004-344183号公報
3.James G.Pipe,“Motion Correction With PROPELLER MRI: Application to Head Motion and Free-Breathing Cardiac Imaging”,Magnetic Resonance in Medicine,1999年,Vol.42,P963-P969
4.特開2005-160553号公報」

第4 引用例

1 引用例の記載事項

(1)本願の優先日前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された「Markus Schwaiger, et al.,“MR-PET:Combining Function, Anatomy, and More”,Medical Solutions, Special Edition, Molecular Imaging,Siemens medical,2005年 9月,P25-P30」(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下線は当審において付加したものである。以下同様。)

「 Simultaneous MR-PET Measurements
A further advantage of performing PET in a high magnetic field is resolution enhancement due to reduced positron range. While this was the motivation for initial research of combined PET and MR [2], now the focus has shifted to simultaneous MR-PET measurements, since very high magnetic fields are needed to improve resolution for commonly used positron emitters such as F-18 or C-11.

Measurement times for a complete multislice image or 3D dataset in MRI are typically long compared to physiological timescales such as breathing or heartbeat.This is very similar to the PET measurement, which usually takes several minutes per bed position. In MRI, several techniques have been developed to overcome this problem. Some of them rely on the possibility of MR to measure navigator signals very quickly. For example, the position of the intestinum can be detected in realtime with MRI. This information can be used immediately in MRI to adjust the excited slice position in order to follow the moving anatomy. For the PET data, this information can be used retrospectively to rebin the detected events accordingly. Similar techniques are imaginable for cardiac applications.

Techniques, currently being developed for PET/CT, may be transferable to the situation in MR-PET. Optimized breathing protocols were developed for PET/CT systems, that limit alignment artifacts [3]. If the acquisition is already optimized, retrospective software processing has the potential to improve the situation. A variety of algorithms are available [4] and show acquisition inaccuracies in the order of only 2 mm in brain studies [5] and less than 10 mm in oncological studies of the thorax [6, 7].

One possibility to combine PET and MR in a single device would be similar to the axially shifted integration of PET and CT in the current PET/CT systems (Figure 1A), but this would not allow simultaneous acquisition. Only the full integration of a PET device inside the MR magnet (Figure 1B) would provide true simultaneous imaging. This would open the door to exciting new areas of application. 」(P26左欄29行?右欄26行)
(当審訳:MR-PETの同時測定
高磁場でPETを実行することの別の利点は、位置範囲の縮小による解像度の強化である。これは結合PET及びMRの初期研究に対する動機となったが [2]、現在では焦点はMR-PETの同時測定に移った。F-18またはC-11のような一般に使用されている位置エミッタの解像度を改善するには非常に高い磁場が必要だからである。

完全マルチスライス画像またはMRIの3Dデータセットの測定時間は、呼吸または心拍などの生理学的時間尺度に比べて、通常は長い。これは、通常はベッド・ポジション当たり数分を要するPET測定に非常に類似している。MRIでは、この問題を克服するために複数の技術が開発された。その一部はナビゲータ信号を非常に迅速に測定できるMRの可能性に頼る。例えば、MRIでは腸の位置をリアルタイムで検出することができる。MRIではこの情報を即時に利用して、動く人体を追跡するために、励起スライス位置を調整することができる。PETデータの場合は、この情報を遡及的に利用して、検出した事象をそれに従って再びビン化することができる。同様の技法は心臓用途に考えられる。

PET/CT用に現在開発中の技法は、MR-PETの状況に移転可能である。最適化された呼吸プロトコルがPET/CTシステム用に開発されたが、これはアラインメント・アーチファクトを制限するものである [3]。
取得がすでに最適化されている場合、遡及的ソフトウェア処理にはこの状況を改善する余地がある。様々なアルゴリズムが利用可能であり [4]、取得の不正確度は脳研究でわずか2mm程度 [5]、胸部の腫瘍学研究で10mm未満である [6,7] ことを示している。

PETとMRを結合して単一の装置にする可能性の1つは、現在のPET/CTシステムにおけるPETとCTの軸移動統合に類似しているが(図1A)、これは同時取得を許すものではない。MRマグネットの内部にPET装置を完全に組み込む方法(図1B)だけが、真の同時イメージングをもたらす。これは刺激的な新しい領域の応用に扉を開くものである。)

(2)本願の優先日前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された「James G.Pipe,“Motion Correction With PROPELLER MRI: Application to Head Motion and Free-Breathing Cardiac Imaging”,Magnetic Resonance in Medicine,1999年,Vol.42,P963-P969」(以下、「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。

「Patient motion is known to produce artifacts in MR imaging. These artifacts can arise as a result of tissue displacement during the quiescent period between each data sampling period and the following excitation rf (referred to here as type I artifact), and also as a result of spin phase induced by motion through magnetic field gradients between an excitation rf pulse and the subsequent data sampling period (type II artifact). Many methods have been used to mitigate these motion artifacts; a limited number are discussed in this article.
Center-out imaging methods such as projection-reconstruction (1) and spiral (2,3) MRI have been shown to reduce motion artifacts. This is attributable in part to oversampling of central k-space, which reduces artifact in a manner similar to multiple averaging in conventional imaging. Additionally, when data collection begins at the center of k-space, in-plane gradient moments are greatly reduced in the central region of k-space, minimizing type II artifacts (4).
Another method for motion artifact reduction involves measurement of motion or motion-related phase through extra collected data, referred to as navigator echoes (5). These navigator echoes can be used to correct for bulk motion between phase encodings to reduce type I artifact. Application of navigator echoes is also used with diffusionweighted MRI to remove linear phase in image space caused by bulk motion (type II artifact) (6). Navigator echoes may also be used to ‘‘throw out’’ data collected when there is significant motion, trading longer data collection times for reduced motion artifacts (7).
This work presents a new method of data collection and reconstruction for reducing motion artifact, called Periodically Rotated Overlapping ParallEL Lines with Enhanced Reconstruction (PROPELLER) MRI. The method has the advantages of oversampling at the center of k-space and obtains inherent ‘‘navigator’’ information, which may be used in ways similar to those discussed above. The latter aspect of PROPELLER MRI permits correction for in-plane displacement and rotation (type I artifacts), image phase due to motion (type II artifacts), and through-plane motion. In this paper, the data collection and reconstruction process are discussed, followed by applications of head motion (bulk rigid body motions) and respiratory motion in cardiac imaging, in which only local motions of the left ventricle are used for correction.」(P963右欄15行?左欄11行)
(当審訳:患者の運動はMR画像にアーチファクトを生成することが知られている。このアーチファクトは、各サンプリング期間と次の活性化高周波パルスの間の休止期間中の組織の変位の結果生じる(ここでは、タイプ I のアーチファクトと呼ぶ)のと、活性化高周波パルスとその後のデータサンプリング期間の間の磁場勾配によって運動で誘起されたスピン位相の結果として生じる(タイプII のアーチファクト)のがある。この運動に因るアーチファクトを減らすのに、多くの方法が用いられているが、この論文では限られた数を取り上げて議論を行う。
投影再構成MRI法(1)や螺旋軌道(2,3)MRI法などの中心外画像法が、運動に因るアーチファクトを減らすことは明らかになっている。これは、部分的にはk空間中央でのオーバーサンプリングの寄与であり、従来の画像での多重平均に似た方法でアーチファクトを減らしている。更に、データ収集がk空間の中心に於いて開始される時には、面内の勾配モーメントはk空間の中央部で非常に減少されて、タイプII のアーチファクトを最小化する(4)。
運動に因るアーチファクトを減らすもう一つの方法は、ナビゲーターエコー法(5)と呼ばれ、余分に収集したデータによって、運動の位相もしくは運動に関連した位相の測定を含んでいる。このナビゲーターエコー法は、タイプ I のアーチファクトを減らすために位相のエンコード間の容積運動を補正するのに用いることができる。ナビゲーターエコー法の応用は、拡散加重のMRI法と共に、容積運動によって生じる画像空間の線形位相(タイプII のアーチファクト)を除くためにも用いられる(6)。ナビゲーターエコー法は、運動に因るアーチファクトを減らすためのデータ収集が長時間にわたる大きな運動がある場合には、また集めたデータを「処分する」ために用いることができる(7)。
この研究では、運動に因るアーチファクトを減らすためのデータ収集とデータ再構成に関して、強化再構成を伴う周期的回転の重畳した平行線(PROPELLER)MRI法と呼ばれる新しい方法を報告する。この方法は、k空間中心でのオーバーサンプリングといった特長を持ち、上記で考察したのと類似の方法で用いられる、固有の「ナビゲーター」情報を獲得する。PROPELLER MRI法の後者の態様では、面内変位・面内運動(タイプ I のアーチファクト)、運動に因る画像位相(タイプII のアーチファクト)および交差面内運動に関する補正をすることができる。本論文では、データ収集とデータ再構成に就いて議論し、その後に、頭部の運動(容積の剛体運動)と、左心室の局部的運動だけが補正に用いられる心臓画像での呼吸運動に関する応用について考察する。)

2 引用例1に記載された発明

上記「1(1)」の記載を総合すると、引用例1には、
「MR-PETの同時測定に用いるPETとMRを結合した単一の装置であって、
完全マルチスライス画像またはMRIの3Dデータセットの測定時間は、呼吸または心拍などの生理学的時間尺度に比べて、通常は長く、これは、通常はベッド・ポジション当たり数分を要するPET測定に非常に類似しており、MRIでは、この問題を克服するために複数の技術が開発され、その一部はナビゲータ信号を非常に迅速に測定できるMRの可能性に頼り、MRIではこの情報を即時に利用して、動く人体を追跡するために、励起スライス位置を調整することができ、PETデータの場合は、この情報を遡及的に利用して、検出した事象をそれに従って再びビン化することができる、装置。」について記載されている(以下、「引用発明」という。)。

第5 本願発明と引用発明との対比

1 引用発明の「PETとMRを結合した単一の装置」のうちの「MR」は、本願発明の「磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴検査システム」に相当する。

2 引用発明の「PETとMRを結合した単一の装置」のうちの「PET」は、本願発明の「原子核崩壊信号を収集する放射型トモグラフィシステム」に相当する。

3 引用発明において、「MR」で「非常に迅速に測定できる」「ナビゲータ信号」は、磁気共鳴信号であり、前記「ナビゲータ信号」「の情報を即時に利用して、動く人体を追跡するために、励起スライス位置を調整することができ」ものであるから、本願発明の「前記磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成することなく、前記磁気共鳴信号から」「取得する」「動き補正」に相当するといえる。
よって、引用発明の「ナビゲータ信号を非常に迅速に測定できるMR」が、本願発明の「前記磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成することなく、前記磁気共鳴信号から動き補正を取得する分析モジュール」を含むことは明らかである。

4 引用発明において、「PETデータの場合は、」「ナビゲータ信号」「の情報を遡及的に利用して、検出した事象をそれに従って再びビン化することができる」ことは、「検出した事象を」「ナビゲータ信号」「の情報」に「従って再びビン化する」ことであり、ビンとはヒストグラムの棒を意味する統計分野の用語であるところ、「再びビン化」した「検出した事象」が、動き補正された「PETデータ」として再構成されていることは明らかである。この点を踏まえると、引用発明の「検出した事象」及び動き補正された「PETデータ」は、それぞれ本願発明の「原子核崩壊信号」及び「動き補正された放射トモグラフィ画像」に相当するといえる。
よって、引用発明の「PETデータの場合は、」「ナビゲータ信号」「の情報を遡及的に利用して、検出した事象をそれに従って再びビン化することができる」「PET」は、本願発明の「前記動き補正に基づいて、前記原子核崩壊信号から、動き補正された放射トモグラフィ画像を再構成する再構成モジュール」を含むことは明らかである。

5 引用発明の「PETとMRを結合した単一の装置」は、本願発明の「診断撮像装置」に相当する。

第6 本願発明と引用発明の一致点・相違点
してみると、本願発明と引用発明は、次の点で一致する。

(一致点)
「- 磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴検査システム、
- 原子核崩壊信号を収集する放射型トモグラフィシステム、
- 前記磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成することなく、前記磁気共鳴信号から動き補正を取得する分析モジュール、及び
- 前記動き補正に基づいて、前記原子核崩壊信号から、動き補正された放射トモグラフィ画像を再構成する再構成モジュール、
を有する、
診断撮像装置。」

また、本願発明と引用発明は、次の点で相違する。

(相違点)
磁気共鳴信号から取得する動き補正について、本願発明では、「- 前記磁気共鳴検査システムは、k空間の中心領域を冗長的に繰り返しサンプリングするように構成され、且つ
- 前記分析モジュールは、繰り返しサンプリングされたk空間の前記中心領域の間での変化から前記動き補正を取得するように構成されている」のに対し、引用発明では、磁気共鳴信号から取得する動き補正に相当する「ナビゲータ信号」を採用している点。

第7 当審の判断

1 相違点について
磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴検査システムにおいて、k空間の中心領域を冗長的に繰り返しサンプリングし、且つ、繰り返しサンプリングされたk空間の前記中心領域の間での変化から、磁気共鳴画像を再構成することなく、動き補正を取得する、いわゆるプロペラ収集シーケンスを用いて動き補正を取得することは、例えば、上記引用例2などに記載されているように周知技術である。
そして、引用発明は、「完全マルチスライス画像またはMRIの3Dデータセットの測定時間は、呼吸または心拍などの生理学的時間尺度に比べて、通常は長く、これは、通常はベッド・ポジション当たり数分を要するPET測定に非常に類似しており、MRIでは、この問題を克服するために複数の技術が開発され、その一部」の「ナビゲータ信号」を動き補正に用いたものであり、上記引用例2においても、「第4 1(2)」のとおり、プロペラMRI法は、投影再構成MRI法や螺旋軌道MRI法などの中心外画像法、及びナビゲーターエコー法と類似の方法で用いられる固有の「ナビゲーター」情報を獲得するものであることが説示されていることから、引用発明において、磁気共鳴信号から動き補正を取得するために、「複数の技術が開発され、その一部」の「ナビゲータ信号」に代えて、上記引用例2に代表される周知技術に鑑み、いわゆるプロペラ収集シーケンスを採用し、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項のように構成することは、当業者が容易になし得たことである。
なお、請求人は、平成28年3月4日及び17日付けFAX通信連絡書において、「前記磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成することなく、前記磁気共鳴信号から動き補正を取得する」ことは、引用例2に記載されているように周知である旨回答している。

2 本願発明の奏する作用効果
そして、本願発明によってもたらされる作用効果は、引用例1に記載された事項及び上記周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

3 まとめ
してみると、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その他の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-29 
結審通知日 2016-04-05 
審決日 2016-04-18 
出願番号 特願2009-542308(P2009-542308)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 島田 保  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 ▲高▼見 重雄
麻生 哲朗
発明の名称 PET/MRI複合撮像システムにおける動き補正  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
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