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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1319100
審判番号 不服2015-10957  
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-10 
確定日 2016-09-07 
事件の表示 特願2013-189749「ポータブル送信機用装置、方法、システム、及びユーザ・インタフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月13日出願公開、特開2014- 30229〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、2008年(平成20年)7月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年7月27日、米国、2007年7月27日、米国、2007年7月27日、米国)を国際出願日とする出願(特願2010-517479号)の一部を平成25年9月12日に新たな出願としたものであって、平成26年6月10日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成26年12月17日付けで手続補正がなされたが、平成27年2月2日付け(発送日同年2月10日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成27年6月10日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に手続補正がなされた。

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
請求項1?85に係る発明は、下記の引用文献に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2003-224750号公報

第2 補正却下の決定
平成27年6月10日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成27年6月10日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成27年6月10日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正である。
本件補正のうち、請求項1についての補正は次のとおりである。

補正前の請求項1
「ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェースであって、
一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段であって、前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段と、
前記ディジタル・メディア・ファイルを前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先にディジタル・メディア出力インタフェース・アレイを介して送出する手段であって、前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む手段と
を備えるユーザ・インタフェース。」

を、次のとおり補正後の請求項1に補正するものである。

「ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェースであって、
一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段であって、前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段と、
前記ディジタル・メディア・ファイルを前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先にディジタル・メディア出力インタフェース・アレイを介して送出する手段であって、前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む手段であって、まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する手段と
を備えるユーザ・インタフェース。」

2 補正の適合性
(1)補正の目的
本件補正は、請求項1における「前記ディジタル・メディア・ファイルを前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先にディジタル・メディア出力インタフェース・アレイを介して送出する手段であって、前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む手段」を「まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。

(2)独立特許要件
上記のとおり本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後における発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを、以下に検討する。

(3)補正後発明
補正後の請求項1?12に係る発明のうち請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「補正後発明」という。)。

(補正後発明)
(A)ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェースであって、
(B)一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段と、
(C)前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段と、
(D)前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段と、
(E)前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段であって、前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む手段と、
(F)前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段と、
(G)前記ディジタル・メディア・ファイルを前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先にディジタル・メディア出力インタフェース・アレイを介して送出する手段であって、前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む手段であって、まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する手段と
(H)を備えるユーザ・インタフェース。

((A)?(H)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

(4)引用文献1の記載及び引用文献1に記載された発明
ア 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-224750号公報(上記引用文献1、以下「引用文献1」という。)には、「デジタルカメラおよび画像編集システム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラおよびこのデジタルカメラを用いた画像編集システムに関する。」

「【0019】図1は本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図であり、1は撮影レンズ、2はメカニカルシャッタ、3はCCD(cherge coupled divice)、4はCCD3からのCCD信号を相関二重サンプリングおよびA/D変換する変換部、5は、変換部4からのデジタル信号をデジタル信号を輝度Y,色差U,V信号に変換したり、そのYUVデータをJPEG圧縮、また画像サイズを変更する画像処理プロセッサ、6は、撮影レンズ1のフォーカス駆動、メカニカルシャッタ2のシャッタ開閉動作を行うドライバ部、7はCCD3を駆動するCCD駆動回路、8はデジタルカメラ全体を制御するCPU、9は、カメラ本体に内蔵され、撮像した画像データやメモリカードに記憶されたファイルからのリードデータを一時期保持するメモリを示し、このメモリ9は画像処理プロセッサ5およびCPU8のワークメモリとして使用される。
【0020】10はクレードルI/Fを示し、このクレードルI/F10を介して図示しないクレードルにカメラ本体を接続し、さらにクレードルにPCを接続して、デジタルカメラで撮影した画像のPCへの転送、あるいはPCで編集した設定内容のデジタルカメラへの転送が行われる。11はデジタルカメラ本体に着脱可能なメモリカード17に接続するメモリカードI/F、12は、画像処理プロセッサ5からの映像出力信号を液晶表示可能な信号に変換する表示コントローラと、実際に映像を表示する液晶モニタとからなる表示部、13はレリーズスイッチ,ズーム操作用のT/Wキー,電源キー等のSW部、14は音声CODECを示し、この音声CODEC14は、入力アナログ部14aからの信号をデジタル変換して音声データとしてメモリ9に蓄積し、ファイルとしてメモリカードに保存し、あるいは再生時に音声ファイルをアナログ変換して出力部スピーカにて再生させるものであり、動画音付きの画像の記録/再生、あるいはアフレコといった用途に使用される。15はシステム全体に電源を供給する電源部、16は、モデムカード,無線LANカード,有線LANカードなどの通信カード18に接続し、通信カード18を介して、撮影画像をE-Mail送信,FTP送信するI/O通信カードI/Fを示す。
【0021】図2はデジタルカメラの外観を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は平面図であり、20はカメラ本体、21はストロボ、22はファインダ、23は上蓋、24はカメラ本体20に上蓋23を回動可能に支持させるヒンジ、26は液晶モニタ、27はレリーズスイッチ、28はモード切換ダイヤル、29は操作パネル、30は編集モード切換スイッチ、31は上蓋開閉検知スイッチ、32は撮影レンズ1を保護するバリア(図示しない)を開閉させるバリア開閉つまみを示す。
【0022】上蓋23を閉じた状態においてカメラ本体は略直方体の形状をなし、撮影レンズ1、ストロボ21およびファインダ22はカメラ本体の正面に、レリーズスイッチ27、モード切換ダイヤル28、操作パネル29、編集モード切換スイッチ30および上蓋開閉検知スイッチ31はカメラ本体の平面側に設けられ、さらに、カメラ本体における操作パネル29近傍の縁部に上蓋23がヒンジ24によって回動可能に取り付けられている。この上蓋23の表面にはサブLCD25が設けられ、裏面には液晶モニタ26が設けられている。
【0023】上蓋23を開いて上蓋開閉検知スイッチ31が開放を検知した場合には、液晶モニタ26を駆動して画像表示が行われ、上蓋23が閉じられたことを上蓋開閉検知スイッチ31が検知した場合には、液晶モニタ26の駆動が停止される。上蓋23が閉じられた時には操作パネル29と液晶モニタ26とが対向するようになる。
【0024】液晶モニタ26の表面にはタッチパネルが設けられており、液晶モニタ26に表示されたタイトル名の部分をタッチペン(図示せず)等によって押下することにより、対応する信号がCPU8に送信される。
【0025】モード切換ダイヤル28の操作によって、撮影モード、再生モード、初期設定用のセットアップモード、PCに画像ファイルを転送するPCモード、画像ファイルを通信回線を介して送信する送信モード等に切り換わり、各モードに対応して液晶モニタ26の画面表示が切り換わる。
【0026】編集モード切換スイッチ30は、撮影画像に添付するテキスト情報からなるメモを編集するモード(以下、編集モードと称する)に切り換えるためのものである。本実施形態においては、撮影モードにおいてレリーズスイッチ27を押下することにより、Exif(exchangeable image file format)によって定められたフォーマット規格のファイル形式で画像データがメモリカード17に保存される。ここで、編集モードにおいて作成されたテキスト情報は、Exifフォーマットのヘッダに記憶され、例えば、PCモードにおいてPCに画像ファイルを転送した際、画像データとともにテキストデータが転送されるようになる。」

「【0039】撮影後、モード切換ダイヤル28の操作によって再生モードに切り換えると、メモリカード17に記憶された画像ファイルから撮影データを読み出し、図9に示すように、液晶モニタ26に撮影画像とともにメモの内容が表示される。撮影画像の周囲には、画像の編集、メモ編集、複写/移動、送信、クイック送信、画像の削除、画像選択等のソフトキーが表示される。この状態でメモ編集をタッチペンによって選択すると、図10に示すように、メモの内容の編集画面に切り替わる。メモの内容に変更がある場合には、ソフトキーボードを立ち上げて編集する。編集後、OKキーを選択することにより、図9に示す編集画面に切り替わり、変更がなければセーブキーを選択することにより、メモリカード17における再生中の撮影データに対応する画像ファイルに記憶されているメモの内容が更新される。
【0040】また、複数のタイトル名が設定されており、液晶モニタ26に表示されないメモの内容を編集する場合には、再生モードにおいて編集モード切換スイッチ30を押下して編集モードを立ち上げることにより、編集画面にタイトル名とともにメモの内容が表示される。メモの内容に変更がある場合には、ソフトキーボードを立ち上げて編集する。編集後、OKキーを選択することにより、液晶モニタ26に表示されるメモの内容およびメモリカード17に記憶されているメモの内容が更新される。」

「【0041】次に、撮影画像の通信機能について説明する。
【0042】図9に示したように、再生モードにおける再生画面中に送信キー(図中、SEND)、クイック送信キー(図中、QUICK SEND)が表示されており、いずれかのキーを選択することにより、再生中の画像に基づく送信ファイルが作成され、送信トレイに蓄積される。そして、モード切換ダイヤル28の操作によって回線モードに切り換え、電話回線を接続することにより予め設定されている通信方式によって送信ファイルが送信される。
【0043】送信キーを選択した場合には、予め用意された複数の通信方式、例えば、E-Mail方式/FTP方式の中から所望の方式を選択してから送信される。クイック送信キーの場合には、通信方式が予め設定されているため、送信キーを選択した場合における通信方式を指定する作業が省略される。
【0044】図11はクイック送信の設定画面を示し、セットアップモードにおいて送信先、ダイヤルアップ、電話番号、画像サイズ、関係ファイル添付の可/不可、クイック送信の設定が行われる。図11に示す例においては通信方式としてE-Mail方式が設定される。
【0045】図12は、デジタルカメラ内に搭載された、通信関連のソフトウエアを示すブロック図である。通信カードI/Fは、PCMCIAや、USBなどの通信カードのインタフェース部である。通信カードは、近年では無線LANや、携帯電話のモデムなどが普及している。通信カードドライバは、通信カードをアクセスするためのドライバソフトウエアである。その上には、インターネットのプロトコルであるTCP/IPソフトウエア、さらにその上には、E-Mailの標準的なプロトコルであるSMTPプロトコル、あるいはFTPファイル転送プロトコルなどをカメラ内のソフトウエアに持つ。図12においては、2つの通信方式を記述しているが、前述したようにセットアップモードにおいて標準で使用するプロトコルを選択可能にし、クイック送信が選ばれると、標準として指定された通信方式で送信され、通常の送信では、通信方式がユーザによって指定されてから送信される。なお、通常の送信を指定した場合に液晶モニタ26に表示される設定画面には、セットアップモードにおいて標準で使用するプロトコルとして指定された通信方式が指定された状態で表示される。」

「【図1】



イ 引用文献1に記載された発明
引用文献1には、デジタルカメラの回路構成を示すブロック図が示されており(図1)、CPU8が、デジタルカメラ全体を制御する(段落【0019】)ことが記載されている。
段落【0039】には、再生モードにおいてメモ編集をすることが記載されており、段落【0041】?【0045】には、撮影画像の通信機能について記載されている。
上記のようにCPU8がデジタルカメラ全体を制御しているから、段落【0039】に記載されたメモ編集、段落【0041】?【0045】に記載された撮像画像の通信は、CPU8が制御していると認められ、これらの動作の主体をCPU8が制御する手段として認定する。

引用文献1に記載されたデジタルカメラ(以下「当該デジタルカメラ」という。)は、「メモリカード17に記憶された画像ファイルから撮影データを読み出」し、「液晶モニタ26に撮影画像とともにメモの内容が表示され」(段落【0039】)るから、「液晶モニタに表示される画像ファイルを読み出す手段」を備えている。
当該デジタルカメラは、「撮影画像の周囲には、」「メモ編集」の「ソフトキーが表示され」、「メモ編集をタッチペンにより選択すると」、「メモ内容の編集画面に切り替わ」り、「メモの内容に変更がある場合には、ソフトキーボードを立ち上げて編集」し、「編集後、OKキーを選択することにより、」「メモリカード17における再生中の撮影データに対応する画像ファイルに記憶されているメモの内容が更新され」(段落【0039】)るから、「画像ファイルにおけるメモ編集命令を受信する手段」及び「メモ編集命令に基づいて画像ファイルに記憶されているメモの内容を更新する手段」を備えているといえる。
当該デジタルカメラは、「再生モードにおける再生画面中に送信キー」「が表示されており、」「キーを選択することにより、再生中の画像に基づく送信ファイルが作成され、送信トレイに蓄積され」(段落【0042】)、「送信キーを選択した場合には、予め用意された複数の通信方式、例えば、E-Mail方式/FTP方式の中から所望の方式を選択してから送信される」(段落【0043】)から、「通信方式の選択を受信している」といえる。そして、通信方式の選択は再生中の画像に基づく送信ファイルについてのものといえる。そうすると、当該デジカルカメラは、「通信方式の、再生中の画像に基づく送信ファイルについての選択を受信する手段」を備えている。
また、送信ファイルは、所望の方式を選択してから送信されるのであるから、通信方式によって送信ファイルは構成されているといえ、当該デジタルカメラは、「通信方式によって送信ファイルを構成する手段」を備えている。
当該デジタルカメラは、「通信カードI/F及び通信カード」(段落【0046】)を備えており、送信ファイルは、通信カードI/F及び通信カードを介して送信されるから、「送信ファイルを通信カードI/F及び通信カードを介して送信する手段」を備えている。

そうすると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
(a)CPUが制御するデジタルカメラであって、
(b)液晶モニタに表示される画像ファイルを読み出す手段と、
(c)画像ファイルにおけるメモ編集命令を受信する手段と、
(d)メモ編集命令に基づいて画像ファイルに記憶されているメモの内容を更新する手段と、
(e)通信方式の、再生中の画像に基づく送信ファイルについての選択を受信する手段と、
(f)通信方式によって送信ファイルを構成する手段と、
(g)送信ファイルを通信カードI/F及び通信カードを介して送信する手段と
(h)を備えるデジタルカメラ。

((a)?(h)は当審で付与した。以下各構成を「構成a」等という。)

(5)対比
ア 補正後発明と引用発明との対比
(ア)構成要件Aと構成aとを対比する。
引用発明の「デジタルカメラ」は、「メモ編集命令を受信する」(構成c)、「通信方式の、・・・選択を受信する」(構成e)ものであり、また、「液晶モニタに表示される画像ファイルを読み出す手段」(構成b)を備えており、液晶モニタに画像を表示するものである。そうすると、引用発明の「デジタルカメラ」は、ユーザが情報を入力をしたり、ユーザへ情報を出力するものであるから、「ユーザ・インターフェース」といえる。
また、引用発明の「デジタルカメラ」はCPUが制御するから、「プロセッサ実施ユーザ・インターフェース」といえる。
さらに、引用発明の「デジタルカメラ」は、「メモ編集命令に基づいて画像ファイルに記憶されているメモの内容を更新する手段」(構成d)を備えており、「画像ファイル」を処理しているから、「ディジタル・メディアを処理するための」ものといえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェース」として、一致する。

(イ)構成要件Bと構成bとを対比する。
引用発明の「デジタルカメラ」は、「メモ編集命令に基づいて画像ファイルに記憶されているメモの内容を更新する手段」(構成d)を備えているから、「メディア編集」するものであり、引用発明の「デジタルカメラ」は、「通信方式の、再生中の画像に基づく送信ファイルについての選択を受信する手段」(構成e)、「通信方式によって送信ファイルを構成する手段」(構成f)、「送信ファイルを通信カードI/F及び通信カードを介して送信する手段」(構成g)を備えているから、「伝送インターフェース」といえる。したがって、引用発明の「デジタルカメラ」は、上記のとおり、「メディア編集」するものであるとともに「伝送インターフェース」ともいえるものであるから、「一体化されたメディア編集及び伝送インタフェース」といえる。
構成bにおける「液晶モニタ」、「画像ファイル」は、構成要件Bにおける「表示画面」、「ディジタル・メディア・ファイル」に相当する。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段」を備える点で一致する。

(ウ)構成要件Cと構成cとを対比する。
引用発明の「デジタルカメラ」は、「一体化されたメディア編集及び伝送インタフェース」といえることは、上記(イ)のとおりである。
また、構成cにおける「画像ファイルにおけるメモ編集命令」は、構成要件Cにおける「ディジタル・メディア・ファイル編集命令」に相当する。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段」を備える点で一致する。

(エ)構成要件Dと構成dとを対比する。
構成dの「メモ編集命令に基づいて画像ファイルに記憶されているメモの内容を更新する」ことは、構成要件Dの「ディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する」ことに相当する。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段」を備える点で一致する。

(オ)構成要件Eと構成eとを対比する。
構成eの「通信方式」は、構成要件Eの「ディジタル・メディア伝送形式」に相当する。
構成eの「再生中の画像に基づく送信ファイル」における「再生中の画像」は、「表示画面上に表示」されているものであり、「通信方式の、再生中の画像に基づく送信ファイルについての選択」は、「ディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段」を備える点で共通する。
しかしながら、補正後発明は、「前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む」のに対し、引用発明は、そのように限定されていない点(相違点1)で、補正後発明と相違する。

(カ)構成要件Fと構成fとを対比する。
構成fは、「通信方式によって送信ファイルを構成する手段」であり、構成要件Fにおける「前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段」に相当する。
「通信方式によって送信ファイルを構成」するのであるから、「通信方式は送信ファイルに特有である」といえ、「通信方式によって送信ファイルを構成する手段」は、「前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段」を備える点で一致する。

(キ)構成要件Gと構成gとを対比する。
構成gにおける「通信カードI/F及び通信カード」は、「ディジタル・メディア出力インタフェース」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは「前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段」として共通する。
しかしながら、補正後発明においては、
「少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」に送出するのに対し、
引用発明においては、そのように限定されていない点(相違点2)で相違する(なお、補正後発明においては「前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」であるが、「少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」の前に「少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」の記載はなく、「前記」は誤記と認められる)。
また、補正後発明においては、「ディジタル・メディア出力インタフェース」が「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」であって、「前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む」のに対し、
引用発明においては「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」ではないため、
「前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含」まない点(相違点3)で相違する。
さらに、「前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段」が、
補正後発明においては、「まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する」のに対し、
引用発明においては、そのように限定されていない点(相違点4)で相違する。

(ク)構成要件Hと構成hとを対比する。
引用発明の「デジタルカメラ」が、「プロセッサ実施ユーザ・インターフェース」といえることは、上記(ア)のとおりである。
したがって、補正後発明と引用発明とは「ユーザ・インターフェース」として一致する。

イ 一致点、相違点
以上より、補正後発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェースであって、
一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段と、
前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段と、
前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段と、
前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段と
を備えるユーザ・インタフェース。

(相違点1)
「前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段」が、
補正後発明においては
「前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む」のに対し、
引用発明は、そのように限定されていない点

(相違点2)
「前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段」が、
補正後発明においては、「少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」に送出するのに対し、
引用発明においては、そのように限定されていない点

(相違点3)
「前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段」における「ディジタル・メディア出力インタフェース」が、
補正後発明においては「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」であって、「前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む」のに対し、
引用発明においては「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」ではないため、「前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含」まない点

(相違点4)
「前記ディジタル・メディア・ファイルをディジタル・メディア出力インタフェースを介して送出する手段」が、
補正後発明においては、「まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する」のに対し、
引用発明においては、そのように限定されていない点

(6)相違点の判断
ア 相違点1について
引用発明は、「前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段」を備えているものであり、引用文献1には、「予め用意された複数の通信方式、例えば、E-Mail方式/FTP方式の中から所望の方式を選択」(段落【0043】)すること、「通信カードI/Fは、PCMCIAや、USBなどの通信カードのインタフェース部である。通信カードは、近年では無線LANや、携帯電話のモデムなどが普及している。」(段落【0045】)ことが記載されていることを勘案すれば、「前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点2について
データを送信する際に、宛先を指定することは普通のことであるから、引用発明において、「少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先」にファイルを送信することは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 相違点3について
引用文献1には、「予め用意された複数の通信方式、例えば、E-Mail方式/FTP方式の中から所望の方式を選択」(段落【0043】)すること、「通信カードI/Fは、PCMCIAや、USBなどの通信カードのインタフェース部である。通信カードは、近年では無線LANや、携帯電話のモデムなどが普及している。」(段落【0045】)ことが記載されている。
そうすると、通信方式の選択をする時に、通信カードとして、無線LANや携帯電話のモデムを用いるものを、選択することも普通に想定でき、その際に、通信カードを付け替えることは不便であるから、複数の通信カードI/Fを設け、通信方式を選択できるようにすることは、当業者が容易に着想することであり、このように構成することにより、「ディジタル・メディア出力インタフェース」は、「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」となる。
したがって、引用発明において、「ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイ」とし、「前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

エ 相違点4について
特開2001-339556号公報(以下「引用文献2」という。)には、サーバ装置が、記憶手段に保持されている各原画像データ(「画像のフル分解能バージョン」に相当)に対するサムネイル画像(「低分解能のプレビュー画像」に相当)を管理情報に対応付けて生成し、生成された各サムネイル画像および管理情報をクライアント装置に送信し、クライアント装置から画像取得要求により要求された原画像データを記憶手段から読み出してクライアント装置に送信することが記載されている(特に、特許請求の範囲参照のこと)。
引用発明は、画像を伝送する技術であるから、上記技術を引用発明に適用して、引用発明において、「まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

オ そして、補正後発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

キ したがって、補正後発明は、引用文献1、2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成27年6月10日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?85に係る発明は、平成26年12月17日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?85に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

(本願発明)
(A)ディジタル・メディアを処理するための、プロセッサ実施ユーザ・インタフェースであって、
(B)一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースを介して表示画面上に表示するためにディジタル・メディア・ファイルを供給する手段と、
(C)前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令を受信する手段と、
(D)前記少なくとも1つのディジタル・メディア・ファイル編集命令に基づいて前記ディジタル・メディア・ファイルを修正する手段と、
(E)前記一体化されたメディア編集及び伝送インタフェースから少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択を受信する手段であって、前記伝送形式の前記ディジタル・メディア・ファイルについての選択が、携帯電話ネットワーク形式、無線伝送形式、イーサネット(登録商標)形式、及びUSB形式のうちの何れかを含む手段と、
(F)前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式によって前記ディジタル・メディア・ファイルを構成する手段であって、前記構成の結果、前記少なくとも1つのディジタル・メディア伝送形式は前記ディジタル・メディア・ファイルに特有である手段と、
(G’)前記ディジタル・メディア・ファイルを前記少なくとも1つの宛先指定によって指定された宛先にディジタル・メディア出力インタフェース・アレイを介して送出する手段であって、前記ディジタル・メディア出力インタフェース・アレイが、少なくとも前記携帯電話ネットワーク形式、及び無線伝送形式に適合した伝送機能を提供する出力構成部分を含む手段と
(H)を備えるユーザ・インタフェース。」

((A)?(H)は当審で付与した。補正後発明と同じ構成要件には同じ符号を付与した。(G’)は構成要件Gに対応するものの、構成要件Gと異なることを意味している。)

2 対比・判断
本願発明は、補正後発明の構成要件Gにおける「まず、低分解能のプレビュー画像が生成され、伝送され、次いで、プレビュー・バージョンの承認が受信されたときに、画像のフル分解能バージョンを伝送する」の限定(上記相違点4)がないものである。
引用発明は、上記第2の2(4)イの引用発明を援用する。
本願発明と引用発明とを対比すると、一致点、相違点は、上記第2の2(5)イの一致点、相違点1?3と同じである。
相違点1?3の判断は、上記第2の2(6)ア?ウを援用する。
そして、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものと認められる。

3 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-03-30 
結審通知日 2016-04-05 
審決日 2016-04-18 
出願番号 特願2013-189749(P2013-189749)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白石 圭吾石田 信行  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡辺 努
小池 正彦
発明の名称 ポータブル送信機用装置、方法、システム、及びユーザ・インタフェース  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  

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