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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C07F
管理番号 1319420
審判番号 訂正2016-390054  
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-04-11 
確定日 2016-08-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5847806号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5847806号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?17について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5847806号(以下「本件特許」という。)は、2011年4月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年5月14日(DE)ドイツ)を国際出願日とする出願(特願2013-510511号)であって、その請求項1?17に係る発明について、平成27年12月4日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、平成28年4月11日に本件訂正審判の請求がされ、同年5月10日付けで訂正拒絶理由が通知され、指定期間内の同年6月30日に意見書が提出されたものである。

第2 本件発明
本件特許の請求項1?17に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明17」という。)は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?17に記載された事項により特定されるとおりのものであり、請求項2?17は、請求項1を直接又は間接に引用して記載したものである。
本件発明1は、概略、以下の式(1)
M(L)_(n)(L’)_(m) 式(1)
で表される化合物(金属錯体)に関するものであって、
M(L)_(n) は、以下の式(4)?(20)から選択され、

Mは、イリジウム、ロジウム、白金及びパラジウムから選択される金属で、
nは、金属が前二者のとき1、2又は3、後二者のとき1又は2であり、
L’は、任意の所望の共配位子で、
mは、0、1、2、3又は4であり、
上記式(4)?(20)に現れるYは、単結合、C(R^(1))_(2)、C(=O)、O、S、SO、SO_(2)、NR^(1)、PR^(1) 若しくはP(=O)R^(1) から選択される二価の基であるか、1以上のR^(3) により置換されていてもよい5?60個の原子を有する脂肪族、芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素であり、
同じくWは、以下の式(66)?(71)、(78)?(89)から選択され、

その点線は、WとYとの接続を表し、
さらに、上記各式に現れるX、Q及びVの部分構造並びにR^(1)、R^(1) の定義に現れるR^(2)、及びR^(3) が、それぞれ特定されたものである。

第3 訂正の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第5847806号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?17について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、訂正の内容は、本件特許に係る願書に添付した特許請求の範囲の請求項1の中の記載を下記訂正事項1及び2のとおりに訂正するというものである。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「TおよびUが、互いに独立して、-C(R^(1))_(2)、-NR^(1)、-Oまたは-Sからなる群から選択され;」とのTおよびUの定義を追加する。(請求項1の記載を引用する請求項2?17も同様に訂正する。)

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、「qは、0または1であり;」とのqの定義を追加する。(請求項1の記載を引用する請求項2?17も同様に訂正する。)

第4 当審の判断

1 一群の請求項ごとに訂正を請求することについて
本件請求は、二以上の請求項が記載された特許請求の範囲の訂正を請求するものであるので、本件請求が、特許法第126条第3項に規定する要件を満たすものであるかを検討する。
訂正事項1及び2は、請求項2?17の記載を訂正するものではないが、以下のとおり、本件請求は、実質的にみて、請求項2?17についての訂正を含むものであるといえる。すなわち、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項1又は2を引用し、請求項4は請求項1?3を引用し、請求項5は請求項1?4を引用し、請求項6は請求項1?5を引用し、請求項7は請求項1?6を引用し、請求項8?10は何れも請求項1?7を引用し、請求項11は請求項10を引用し、請求項12は請求項1?7を引用し、請求項13は請求項12を引用し、請求項14は請求項13を引用し、請求項15は請求項14を引用し、請求項16は請求項15を引用し、請求項17は請求項12?16を引用するものであるから、請求項1についての訂正事項1及び2により、実質的に請求項2?17について訂正されるものである。
本件請求は、上記の一群の請求項がある特許請求の範囲について、当該一群の請求項である請求項1?17について訂正を請求するものであるから、特許法第126条第3項に適合するものである。

2 訂正の目的について
本件発明1は、概略、上記第2に示したとおりであり、Wの部分構造を表す式に現れるT及びU並びにM(L)_(n) の部分構造を表す式に現れる-(Y)_(q)-のqが特定されていない。
訂正事項1は、請求項1にT及びUの定義を追加しようとするものであり、訂正事項2は、請求項1にqの定義を追加するもので、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると認める。
以上のとおり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると認める。

3 新規事項の追加の有無について

(1)特許明細書等のT、U及びqについての記載
特許明細書等には、T及びUの選択肢は、様々な階層で記載されている。
段落【0007】には、式(1)の化合物のM(L)_(n) の部分構造につき、本件発明のM(L)_(n) におけるよりも上位概念の、以下の式(2)(段落【0005】)

に関連するものとして、Wが、本件発明1におけるよりも上位概念の以下の式(3)(段落【0006】)であるか、又はその式(3)において環Aが式(3a)(段落【0006】)

であるものについて、「T、Uは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、-C(R^(1))_(2)、-Si(R^(1))_(2)、N、-NR^(1)、-O、-S、-C(=O)、-S(=O)、-SO_(2)、-CF_(2)、-SF_(4)、-P、-P(=O)R^(1)、-PF_(2)、-P(=S)R^(1)、-As、-As(=O)、-As(=S)、-Sb、-Sb(=O)および-Sb(=S)からなる群から選択され」及び「q、rは、互いに独立して、0または1であり」(以下、これらの範囲で特定されるT及びUを「上位概念のT」、「上位概念のU」又は「上位概念のT及びU」という。)と記載されている。
続く段落【0008】において、「本発明の好ましい実施形態において」として、M(L)_(n) の部分構造について、式(4)?式(20)が記載されている。
段落【0037】に、Wの部分構造について、「本発明の好ましい実施形態において、Wは、TおよびUが、互いに独立して、-C(R^(1))_(2)、-N、-NR^(1)、-O、または-Sからなる群から選択される」(以下、これらの範囲で特定されるT及びUを「中位概念のT」、「中位概念のU」又は「中位概念のT及びU」という。)と記載され、続く段落【0038】にWの特に好ましい実施形態として以下の式(64)

が記載され、続く段落【0039】にさらに特に好ましいものとして以下の式(65)

が記載され、続く段落【0041】?【0045】に、特に好ましい化合物として式(66)?(71)、好ましい化合物として式(72)?(77)、同じく式(78)?(83)、さらに好ましい化合物として式(84)?(89)が記載され、続く段落【0046】には、「式(84)?(89)の化合物は、特に、Uが-C(R^(1))_(2) に等しい場合好ましい」と記載されている。続く段落【0047】?【0048】に、Wの、好ましいものとして式(90)?(95)、さらに好ましいものとして式(96)?(101)が記載され、続く段落【0049】には、「式(96)?(101)の化合物は、特に、Uが-C(R^(1))_(2) に等しい場合好ましい」と記載されている。
qについては、上記の段落【0007】に「q、rは、互いに独立して、0または1であり」と記載されている。他には、qを定義する記載はない。

(2)上記(1)によれば、特許明細書等には、Wが式(66)?(71)、(78)?(89)から選択される場合に、そのTとUにつき、上位概念のT及び上位概念のUから選択するという技術思想が、記載されていると認められる。また、そのTとUにつき、中位概念のT及び中位概念のUから選択するという技術思想が、記載されていると認められる。
ここで、上位概念のT及び上位概念のUは、「-C(R^(1))_(2)、-Si(R^(1))_(2)、N、-NR^(1)、-O、-S、-C(=O)、-S(=O)、-SO_(2)、-CF_(2)、-SF_(4)、-P、-P(=O)R^(1)、-PF_(2)、-P(=S)R^(1)、-As、-As(=O)、-As(=S)、-Sb、-Sb(=O)および-Sb(=S)からなる群から選択され」の範囲で特定されるT及びUである。ただし、選択肢のうちのN、-P、-PF_(2)、-As、-As(=O)、-As(=S)、-Sb、-Sb(=O)及び-Sb(=S)は、結合状態からみて明らかにT及びUとして不適なものである。
ここで、中位概念のT及び中位概念のUは、「-C(R^(1))_(2)、-N、-NR^(1)、-O、または-Sからなる群から選択される」の範囲で特定されるT及びUである。ただし、選択肢のうちのNは、結合状態からみて明らかにT及びUとして不適なものである。
また、qについては、「0又は1」とすることが記載されていると認められる。

(3)そうすると、訂正事項1は、請求項1に、「TおよびUが、互いに独立して、-C(R^(1))_(2)、-NR^(1)、-Oまたは-Sからなる群から選択され;」とのTおよびUの定義を追加するものであり、上記(2)の、TとUにつき中位概念のT及び中位概念のUから選択するという事項に対応する事項を、明らかに不適な選択肢Nを除いて、記載しようとするものであり、また、訂正事項2は、請求項1に、「qは、0または1であり;」とのqの定義を追加するものであるから、これらの訂正は、願書に添付した特許請求の範囲及び明細書に記載した事項の範囲内においてするものであると認める。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

4 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項1及び2は、本件発明1において全く不明であったT、U及びqの定義を追加しようとするものである。
このような訂正は、もともと存在しなかった定義によって新たに特許請求の範囲に記載される内容を特定しようとするものであるから、通常、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものである。
ただ、特許請求の範囲の請求項1にT、U及びqの定義が記載されていないため、請求項1の記載は不明瞭で、特許を受けようとする発明が明確であるとはいえないので(上記1参照)、請求項1に記載された発明を理解するために、発明の詳細な説明の記載を参酌すると、上記3で述べたとおり、特許明細書等には、Wが式(66)?(71)、(78)?(89)から選択される場合に、そのTとUにつき、上位概念のT及び上位概念のUから選択するという技術思想が、記載されていると認められ、また、そのTとUにつき、中位概念のT及び中位概念のUから選択するという技術思想が、記載されていると認められ、この2通りのみが記載されているといえる。
そうすると、訂正事項1に係る訂正は、特許明細書等の記載の全体からみて一義的に定まる事項を記載するものであるとまでは、いえないとしても、特許明細書等に記載される上記の2通りのうちの、より限定されたものである、TとUにつき中位概念のT及び中位概念のUから選択するという事項に対応する事項を、明らかに不適な選択肢Nを除いて、請求項1に記載しようとするものということができるから、訂正前の請求項1に含まれていたと当業者が認識できる範囲を限定したものといえ、訂正の前後で、特許請求の範囲の拡張又は変更はないということができる。
また、訂正事項2については、特許明細書等の記載の全体からみて一義的に定まる事項を記載するものといえ、訂正の前後で、特許請求の範囲の拡張又は変更はないということができる。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項、同条第3項、同条第5項及び同条第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
M(L)_(n)(L’)_(m) 式(1)
(ここで、
前記化合物は、式(4)?(20)を有する化合物の群から選択される部分M(L)_(n)を含み、
【化1-1】

【化1-2】

【化1-3】

Mは、Xおよび炭素原子Cを介して任意の所望の二座配位子Lに結合しており、使用された記号および添え字には以下が適用される:
Mは、イリジウム、ロジウム、白金およびパラジウムからなる群から選択される金属であり;
Xは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、CR^(1)またはNであり;
Yは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、単結合、またはC(R^(1))_(2)、C(=O)、O、S、SO、SO_(2)、NR^(1)、PR^(1)もしくはP(=O)R^(1)から選択される二価の基;5?60個の原子を有する脂肪族、芳香族もしくはヘテロ芳香族炭化水素(これは、各場合において、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい)であり;
Qは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、R^(1)C=CR^(1)、R^(1)C=N、O、S、SeまたはNR^(1)であり;
Vは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、O、S、Se、NR^(1)またはC(R^(1))_(2)であり、
R^(1)は、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R^(2))_(2)、CN、NO_(2)、Si(R^(2))_(3)、B(OR^(2))_(2)、C(=O)R^(2)、P(=O)(R^(2))_(2)、S(=O)R^(2)、S(=O)_(2)R^(2)、OSO_(2)R^(2)、1?40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または2?40個のC原子を有する直鎖アルケニルもしくはアルキニル基、または3?40個のC原子を有する分枝もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルR^(2)により置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH_(2)基は、R^(2)C=CR^(2)、C≡C、Si(R^(2))_(2)、Ge(R^(2))_(2)、Sn(R^(2))_(2)、C=O、C=S、C=Se、C=NR^(2)、P(=O)(R^(2))、SO、SO_(2)、NR^(2)、O、SもしくはCONR^(2)により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO_(2)により置きかえられていてもよい)、または5?60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各場合において、1以上のラジカルR^(2)により置換されていてもよい)、または5?60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR^(2)により置換されていてもよい)、または10?40個の芳香族環原子を有するジアリールアミノ基、ジヘテロアリールアミノ基もしくはアリールヘテロアリールアミノ基(これは、1以上のラジカルR^(2)により置換されていてもよい)であり;
R^(2)は、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R^(3))_(2)、CN、NO_(2)、Si(R^(3))_(3)、B(OR^(3))_(2)、C(=O)R^(3)、P(=O)(R^(3))_(2)、S(=O)R^(3)、S(=O)_(2)R^(3)、OSO_(2)R^(3)、1?40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または2?40個のC原子を有する直鎖アルケニルもしくはアルキニル基、または3?40個のC原子を有する分枝もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH_(2)基は、R^(3)C=CR^(3)、C≡C、Si(R^(3))_(2)、Ge(R^(3))_(2)、Sn(R^(3))_(2)、C=O、C=S、C=Se、C=NR^(3)、P(=O)(R^(3))、SO、SO_(2)、NR^(3)、O、SもしくはCONR^(3)により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO_(2)により置きかえられていてもよい)、または5?60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各場合において、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい)、または5?60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい)、または10?40個の芳香族環原子を有するジアリールアミノ基、ジヘテロアリールアミノ基もしくはアリールヘテロアリールアミノ基(これは、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい);であり
R^(3)は、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、H、D、F、または1?20個のC原子を有する脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカル(ここにおいて、さらに、1以上のH原子がFにより置きかえられていてもよい)であり;
L’は、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、任意の所望の共配位子であり;
Wは、式(66)?(71)および(78)?(89)の化合物から選択され;
【化2-1】

【化2-2】

ここで、点線は、WとYとの間の接続を表し;
TおよびUが、互いに独立して、-C(R^(1))_(2)、-NR^(1)、-O、または-Sからなる群から選択され;
qは、0または1であり;
tは、0、1または2である;
nは、Mがイリジウムまたはロジウムに等しい場合、1、2または3であり、Mが白金またはパラジウムに等しい場合、1または2であり;
mは、0、1、2、3または4であり;
ここで、添え字nおよびmは、当該金属上の配位数が、Mがイリジウムまたはロジウムに等しい場合、6に相当するように、およびMが白金またはパラジウムに等しい場合、4に相当するように選択され;
ここでまた、複数の配位子Lが互いに連結していてもよく、または、Lが任意の所望の架橋Zを介してL’に連結し、かくして三座、四座、五座または六座配位子系を形成していてもよい)。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、前記部分M(L)_(n)は、式(4)、(9)、(12)および(18)から選択されることを特徴とする化合物。
【化3】


【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物であって、前記部分M(L)_(n)が、式(4)および(12)から選択されることを特徴とする化合物。
【化4】

【請求項4】
請求項1?3のいずれか一項に記載の化合物であって、記号Xが、出現する毎に、Mに直接結合していない全ての原子についてCR^(1)を表すことを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項1?4のいずれか一項に記載の化合物であって、前記部分M(L)_(n)が、式(25)?(28)から選択されることを特徴とする化合物。
【化5】

【請求項6】
請求項1?5のいずれか一項に記載の化合物であって、Yは、出現する毎に、同一であるかまたは異なり、単結合、または5?60個の原子を有する脂肪族、芳香族もしくはヘテロ芳香族炭化水素(これは、各場合において、1以上のラジカルR^(3)により置換されていてもよい)であることを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項1?6のいずれか一項に記載の化合物であって、ラジカルYが、式(33)?(63)の化合物から選択されることを特徴とする化合物
【化6-1】


【化6-2】


(ここで、
X’は、O、S、Se、NR^(1)、C(R^(1))_(2)またはS(=O)_(2)の群から選択され、点線は、Wに対する、または金属Mに直接結合している有機配位子の一部に対する連結を表す)。
【請求項8】
対応する遊離配位子の、式(155)の金属アルコキシド、式(156)の金属ケトケトネート、または式(157)の金属ハライドとの反応により、請求項1?7のいずれか一項に記載の化合物を製造するための方法
【化7】


記号M、nおよびR^(1)は、上記の意味を有し、Hal=F、Cl、BrまたはIである)。
【請求項9】
請求項1?7のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種の溶媒とを含む配合物。
【請求項10】
電子デバイスにおける、請求項1?7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
電子デバイスは、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED、PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検波器、有機光受容体、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザ)からなる群から選択される電子デバイスにおける、請求項10に記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1?7のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む電子デバイス。
【請求項13】
有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED、PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検波器、有機光受容体、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザ)からなる群から選択される請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、請求項1?7のいずれか一項に記載の化合物が、1以上の発光層における発光化合物として使用されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、請求項1?7のいずれか一項に記載の化合物が、マトリックス材料と組み合わされることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項16】
請求項15に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、前記マトリックス材料は、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、インデノカルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、双極性マトリックス材料、シラン、アザボロール、ボロン酸エステル、トリアジン誘導体、亜鉛錯体、ジアザ-もしくはテトラアザシロール誘導体またはジアザホスホール誘導体、あるいはこれらのマトリックス材料の混合物からなる群から選択されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項17】
疾患および/または美容状態の治療、予防および/または診断のための、請求項12?16いずれか一項に記載のデバイス。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-07-19 
結審通知日 2016-07-21 
審決日 2016-08-02 
出願番号 特願2013-510511(P2013-510511)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (C07F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上村 直子松本 淳  
特許庁審判長 井上 雅博
特許庁審判官 冨永 保
中田 とし子
登録日 2015-12-04 
登録番号 特許第5847806号(P5847806)
発明の名称 金属錯体  
代理人 河野 直樹  
代理人 鵜飼 健  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 鵜飼 健  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 河野 直樹  

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