• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1319738
審判番号 不服2015-4782  
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-11 
確定日 2016-09-23 
事件の表示 特願2010-214528「情報処理端末、情報処理システム、情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月26日出願公開、特開2012- 18657〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年9月24日(国内優先;平成22年6月11日(以下、「優先日という。))を出願日とする出願であって、その後の手続の経緯の概略は次のとおりである。

出願審査請求(提出日) 平成25年8月7日
拒絶理由通知(起案日) 平成26年5月28日
意見、手続補正(提出日) 平成26年7月31日
拒絶査定(起案日) 平成26年12月9日
拒絶査定謄本送達 平成26年12月11日
審判請求(提出日) 平成27年3月11日
手続補正(提出日) 平成27年3月11日
前置報告(作成日) 平成27年4月10日
拒絶理由通知(起案日) 平成27年10月30日
意見、手続補正(提出日) 平成27年12月22日
拒絶理由通知(起案日) 平成28年3月8日
意見、手続補正(提出日) 平成28年5月12日

第2 本願発明
本願の請求項1ないし41に係る発明は、平成28年5月12日付の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし41に記載された事項により特定されると認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものと認められる。

「自動的にサーバに接続する接続手段と、
前記サーバから1以上のプログラムの受信処理を自動的に行う受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記プログラムがインストールされていないときは、当該プログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行うインストール手段と、
前記インストールされたプログラムの一覧を作成し出力する一覧作成手段と、
前記情報処理装置への所定の操作に応じて、前記一覧からいずれかのプログラムを選択する第1の選択手段と、
前記選択されたプログラムのアンインストール処理を行うアンインストール手段と、
前記アンインストール手段によってアンインストールされたプログラムを特定するための削除プログラム特定情報を記憶する削除履歴記憶手段とを備え、
前記サーバから受信されるプログラムには、システムプログラムとアプリケーションプログラムの2種類のプログラムが存在し、
前記受信手段は、前記アプリケーションプログラムを自動的に受信し、
前記インストール手段は、前記アプリケーションプログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行い、
前記受信手段は、前記削除プログラム特定情報で特定されるアプリケーションプログラムについては、受信処理を行わない、情報処理装置。」

第3 引用文献
1.引用文献1
(1)引用文献1に記載されている技術的事項
本願の出願前(優先日;平成22年6月11日)に既に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、当審の平成28年3月8日付の拒絶理由通知において引用された文献である、特開2009-111530号公報(以下「引用文献1」という。)には、関連する図面とともに、次の事項が記載されている。(当審注;下線は、参考のために当審が付与した。)
ア.「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
…(中略)…また、再生装置では、BD-ROM上のコンテンツの再生を行いながら、バックグラウンドでネットワーク上のサブコンテンツをダウンロードすることが望ましいが、再生とダウンロードを同時に行うのはシステム負荷が高く、困難な場合が多い。また、BD-ROM上のコンテンツが再生停止状態であっても、再生装置のブロードバンド環境が十分でない場合には、サブコンテンツのダウンロードに時間がかかり、ユーザに待ち時間を与えてしまうこととなる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンテンツを記録した記録媒体が挿入されていない場合でも、当該コンテンツに関連するサブコンテンツをネットワーク上からダウンロードすることが可能な電子機器、当該電子機器における再生方法及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る電子機器は、コンテンツと、前記コンテンツに関連するサブコンテンツをネットワーク上の所定場所から受信可能なアプリケーションと、前記所定場所を示す場所情報を含む前記コンテンツのメタデータとが記録された可搬性の記録媒体を挿入可能な挿入部と、前記挿入部に挿入された前記記録媒体から前記メタデータを読み取る読み取り手段と、前記挿入部に前記記録媒体が挿入されていない場合に、前記読み取られたメタデータ中の前記場所情報を基に、前記アプリケーションによらずに前記場所情報を基に前記所定場所から前記サブコンテンツを受信する受信手段と、前記アプリケーションにより受信された前記サブコンテンツ及び前記アプリケーションによらずに受信された前記サブコンテンツを再生する再生手段とを具備する。
【0008】
ここでコンテンツとは例えば映画やドラマ等の映像コンテンツ、楽曲等の音声コンテンツ等である。サブコンテンツとは、例えば記録されているコンテンツが映画の場合、その映画の続編やその映画と提供元が共通である他の映画のトレイラー(予告編)、いわゆるメイキング映像、インタビュー映像、イベント映像、その映画の字幕情報、吹き替え音声情報、その映画に関連したゲームアプリケーション等である。また記録媒体とは、例えばBD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、CD(Compact Disc)-ROM等の光ディスクや、メモリカード等の半導体メモリである。また上記アプリケーションとは、例えばインタラクティブ機能を備えたJava(登録商標)アプリケーション(BD-J)等である。所定場所とは、サブコンテンツを蓄積するサーバのURLである。」

イ.「【0022】
上記電子機器において、前記記憶手段は、前記記憶されたサブコンテンツを消去する手段と、前記消去されたサブコンテンツの消去履歴情報を記憶する手段とを有し、前記受信手段は、前記消去履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記消去されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信するようにしてもよい。
【0023】
これにより、未記憶のサブコンテンツを受信するだけでなく、消去されたサブコンテンツが受信されないように制御できる。したがって、ユーザに常に最新のサブコンテンツを視聴させることができるだけでなく、ユーザにとって不要なサブコンテンツが視聴されるのを防ぐことができる。
…(中略)…
【0031】
各コンテンツサーバ22は、例えば映画配給会社等、コンテンツが記録されたBD-ROMの作成者(コンテンツ提供者)によって管理される。当該コンテンツサーバ22には、例えば最新映画のトレイラーや、BD-ROMに記録されていない言語による字幕情報、BD-ROMに記録されているコンテンツに関連するゲームアプリケーション、メイキング映像、インタビュー映像、イベント映像等、コンテンツ提供者の宣伝用のコンテンツ(以下、これらをまとめてサブコンテンツと称する)が記憶されている。これらサブコンテンツは、記録再生装置100により上記インターネット21を介してダウンロードされる。
…(中略)…
【0050】
レジデントアプリは、ローカルストレージに記憶されたサブコンテンツの再生/削除履歴情報36を記憶する。そして、ダウンロードマネージャー35は、この再生/削除履歴情報を参照して、再生及び削除されたサブコンテンツが再度ダウンロードされないように制御する。」

ウ.「【0078】
図6は、レジデントアプリがトレイラーをダウンロードする際の動作の流れを示したフローチャートである。
同図に示すように、まず、レジデントアプリのダウンロードマネージャー35は、ダウンロードタイミングが到来したか否かを判断する(ステップ71)。このダウンロードタイミングとは、上述したように、例えば記録再生装置100がスタンバイ中の毎日AM12:00等の時刻である。続いて、ダウンロードマネージャー35は、ディスクライブラリDB34から、オーガニゼーションID=nの配下の、ディスクID(ナンバー)=nのBD-ROMについてのメタデータを読み出す(ステップ72)。そして、ダウンロードマネージャー35は、読み出したメタデータ中のURLを用いて、コンテンツサーバ22へアクセスする(ステップ73)。
【0079】
続いて、ダウンロードマネージャー35は、コンテンツサーバ22上に新着トレイラーが存在するか否かを判断する(ステップ74)。この場合の新着トレイラーか否かの判断は、ダウンロードマネージャー35が、コンテンツサーバ22上のトレイラーリストと、ディスクライブラリDB34に記載されたトレイラーリストとを比較することで行われる。また、ダウンロードマネージャー35はそれに加えて、上記再生/削除履歴情報36も参照して、当該再生/削除履歴情報36中に記載されたトレイラーもダウンロードされないよう制御する。すなわち、ダウンロードマネージャー35は、ローカルストレージ38からBD-Jアプリまたはレジデントアプリにより既に再生されたトレイラーと、ローカルストレージ38上から削除されたトレイラーは、新着トレイラーとして扱わないこととする。これにより、コンテンツサーバ22上に存在するトレイラーのうち、ローカルストレージ38上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報36中にも記載されていないトレイラーが新着トレイラーと判断される。なお、この再生/削除履歴情報36は、上記固有トレイラー46と共通トレイラー47とで区別して記憶される。これにより、共通トレイラー47の再生及び削除は、上記マニフェストファイル44により当該共通トレイラー47とバインディングされる全ての固有トレイラー46が属するBD-ROMに反映される。この再生/削除履歴情報36の記憶処理については後述する。
【0080】
ダウンロードマネージャー35は、上記新着トレイラーが存在すると判断した場合(Yes)には、当該新着トレイラーをコンテンツサーバ22からダウンロードする(ステップ75)。そして、ダウンロードマネージャー35は、上記ローカルストレージ38上の、ディスクID=nの固有ディレクトリ42の配下に存在するマニフェストファイル44を参照することで、ダウンロードしたトレイラーが共通トレイラーであるか固有トレイラーであるかを判断する(ステップ76)。
【0081】
ダウンロードマネージャー35は、ダウンロードしたトレイラーが共通トレイラーであると判断した場合(Yes)には、当該トレイラーを、オーガニゼーションID=nの共通トレイラー47として共通ディレクトリ43の配下に記憶する(ステップ77)。
【0082】
ダウンロードマネージャー35は、ダウンロードしたトレイラーが固有トレイラーであると判断した場合(No)には、当該トレイラーを、オーガニゼーションID=nの配下のディスクID=nの固有トレイラーとして固有ディレクトリ42の配下に記憶する(ステップ78)。
…(中略)…
【0084】
以上の処理により、BD-ROMが記録再生装置100に挿入されていない場合でも、レジデントアプリが、上記ディスクライブラリDB34を基にコンテンツサーバ22にアクセスして新着トレイラーをバックグラウンドでダウンロードすることができる。これにより、記録再生装置100は、ユーザからトレイラーの再生要求が発生した場合には、コンテンツサーバ22へ再度アクセスすることなく既にダウンロードしたトレイラーを再生することができるため、記録再生装置100のブロードバンド環境が整っていない場合でも、ユーザの再生要求に応じて素早くトレイラーを再生することができる。
【0085】
図7は、レジデントアプリがトレイラーの再生/削除履歴情報36を更新する動作の流れを示したフローチャートである。
同図に示すように、まず、レジデントアプリは、ディスクライブラリDB34を読み出し(ステップ101)、上記図2において示したようなディスクライブラリ30をTV20の表示部に表示させる(ステップ102)。
【0086】
続いて、レジデントアプリは、上記ディスクライブラリDBと再生/削除履歴情報36とを参照して、ローカルストレージ38上に記憶されたトレイラーのうち、まだ再生されていない新着トレイラー(固有トレイラー46及び共通トレイラー47)があるか否かを判断する(ステップ103)。
【0087】
レジデントアプリは、未再生の新着トレイラーが存在すると判断した場合(Yes)には、上記ディスクライブラリ30上に、上記図2において示したNewアイコン33を重畳させて表示させる(ステップ104)。
【0088】
続いて、レジデントアプリは、例えばユーザのリモコン操作等により当該Newアイコン33を選択する操作が入力されると(ステップ105)、当該選択されたNewアイコン33に対応する新着トレイラーに関する情報を例えばリストボックスとして表示する(ステップ106)。
【0089】
図8は、ディスクライブラリ30上でリストボックスが表示される様子を示した図である。
同図に示すように、例えばNewアイコン33aが選択された場合、例えば当該Newアイコン33aに重畳させて、リストボックス81を表示する。当該リストボックス81には、当該Newアイコン33aに対応する新着トレイラーの基となるオリジナルコンテンツのタイトルや出演者等の情報が表示されるほか、当該新着トレイラーを再生するための再生ボタン82及び当該新着トレイラーをローカルストレージ38上から削除するための削除ボタン83が表示される。なお、1つのBD-ROMについて新着トレイラーが複数存在する場合には、リストボックス81上には、当該各新着トレイラー分のタイトル等の情報や、再生ボタン82及び削除ボタン83がリスト表示される。
【0090】
図7に戻り、レジデントアプリは、上記リストボックス81上で、再生ボタン82が選択されたか否かを判断し(ステップ107)、当該再生ボタン82が選択されたと判断した場合には当該新着トレイラーをローカルストレージ38上から読み出して再生する(ステップ108)。そして、レジデントアプリは、この再生された新着トレイラーについての再生履歴を、上記再生/削除履歴情報36において更新する(ステップ109)。
【0091】
また、レジデントアプリは、上記リストボックス81上で、削除ボタン83が選択されたか否かを判断し(ステップ110)、当該削除ボタン83が選択されたと判断した場合には当該新着トレイラーをローカルストレージ38上から削除する(ステップ111)。そして、レジデントアプリは、この削除された新着トレイラーについての削除履歴を、再生/削除履歴情報36上において更新する(ステップ112)。なお、上述したように、この再生/削除履歴情報36は、固有トレイラー46と、共通トレイラー47とでそれぞれ区別して記憶される。…(中略)…
【0092】
以上の処理により、BD-ROMが記録再生装置100に挿入されていない場合でも、レジデントアプリが、ディスクライブラリ30上で新着トレイラーの存在をNewアイコン33としてユーザに報知し、当該Newアイコン33を介して当該新着トレイラーを再生したり、削除したりすることができる。これにより、コンテンツ提供者による宣伝機会を増やすことができる。また、レジデントアプリが、その再生及び削除の履歴を再生/削除履歴情報36として記憶しておくことで、ユーザが視聴を所望しない不要なトレイラーがダウンロードされたり、ディスクライブラリ30上でNewアイコン33として表示されたりするのを防ぎ、視聴の無駄を防ぐことができる。」

(2)引用文献1に記載された発明
(ア)前記ウ.の「図6は、レジデントアプリがトレイラーをダウンロードする際の動作の流れを示したフローチャートである・・・レジデントアプリのダウンロードマネージャー35は、ダウンロードタイミングが到来したか否かを判断する・・・このダウンロードタイミングとは、上述したように、例えば記録再生装置100がスタンバイ中の毎日AM12:00等の時刻である。続いて、ダウンロードマネージャー35は、・・・読み出したメタデータ中のURLを用いて、コンテンツサーバ22へアクセスする・・・以上の処理により、BD-ROMが記録再生装置100に挿入されていない場合でも、レジデントアプリが、上記ディスクライブラリDB34を基にコンテンツサーバ22にアクセスして新着トレイラーをバックグラウンドでダウンロードすることができる」との記載から、「記録再生装置におけるダウンロードマネージャーは、ダウンロードタイミングが到来するとコンテンツサーバにアクセスする」ことをよみとることができる。

(イ)前記ア.の「コンテンツを記録した記録媒体が挿入されていない場合でも、当該コンテンツに関連するサブコンテンツをネットワーク上からダウンロードすることが可能な電子機器・・・を提供する・・・サブコンテンツとは、・・・コンテンツが映画の場合、・・・トレイラー(予告編)、いわゆるメイキング映像、・・・その映画に関連したゲームアプリケーション等である」との記載、前記イ.の「各コンテンツサーバ22は・・・、例えば最新映画のトレイラーや、・・・コンテンツに関連するゲームアプリケーション、メイキング映像、インタビュー映像、イベント映像等、コンテンツ提供者の宣伝用のコンテンツ(以下、これらをまとめてサブコンテンツと称する)が記憶されている。これらサブコンテンツは、記録再生装置100により上記インターネット21を介してダウンロードされる」との記載から、「ゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツ」の「ダウンロード」をよみとることができ、当該サブコンテンツは、コンテンツを記録した記録媒体が挿入されていない場合でも、ダウンロードされるものである。前記ア.の記載をふまえると、前記(ア)で言及した「新着トレイラーをバックグラウンドでダウンロードする」ことは、前記「トレイラーや、・・・コンテンツに関連するゲームアプリケーション、メイキング映像、インタビュー映像、イベント映像等、コンテンツ提供者の宣伝用のコンテンツ(以下、これらをまとめてサブコンテンツと称する)」との記載から、ダウンロードされるものが「新着トレイラー」等に限定されなければならない理由はなく、前記「まとめてサブコンテンツと称する」ところ「サブコンテンツ」に含まれるものとして「新着トレイラー」ないし「コンテンツに関連するゲームアプリケーション」などの場合があることは自明であり示されているといえる。以下、「サブコンテンツ」として「ゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツ」の場合に着目し、「サブコンテンツ」は「ゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツ」であっても何ら支障のないものである。そして、受信に関し、前記イ.の「前記受信手段は、前記消去履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記消去されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信するようにしてもよい」との記載、前記(ア)で言及したダウンロードタイミングが到来したあとの前記ウ.の図6の動作は「ユーザの介入がない」「自動的」に行われるものであるとみることができる点をふまえると、「コンテンツサーバからゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツを自動的に受信することができる受信手段」をよみとることができる。

(ウ)前記ウ.の「ダウンロードマネージャー35はそれに加えて、上記再生/削除履歴情報36も参照して、当該再生/削除履歴情報36中に記載されたトレイラーもダウンロードされないよう制御する。すなわち、ダウンロードマネージャー35は、・・・既に再生されたトレイラーと、ローカルストレージ38上から削除されたトレイラーは、新着トレイラーとして扱わないこととする。これにより、コンテンツサーバ22上に存在するトレイラーのうち、ローカルストレージ38上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報36中にも記載されていないトレイラーが新着トレイラーと判断される・・・ダウンロードマネージャー35は、ダウンロードしたトレイラーが共通トレイラーであると判断した場合・・・共通ディレクトリ43の配下に記憶する・・・ダウンロードマネージャー35は、ダウンロードしたトレイラーが固有トレイラーであると判断した場合・・・固有ディレクトリ42の配下に記憶する」との記載、前記ウ.の「記録再生装置100は、ユーザからトレイラーの再生要求が発生した場合には、・・・既にダウンロードしたトレイラーを再生することができる」との記載、および、前記(イ)で言及したようにトレイラー等を総称的に「サブコンテンツ」と呼ぶと、「ダウンロードマネージャーは、既に再生されたサブコンテンツと、ローカルストレージ上から削除されたサブコンテンツを、新着サブコンテンツとして扱わないこととし、コンテンツサーバ上に存在するサブコンテンツのうち、ローカルストレージ上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報中にも記載されていないサブコンテンツを新着サブコンテンツと判断し、ダウンロードマネージャーは、ダウンロードしたサブコンテンツを共通ディレクトリの配下ないし固有ディレクトリの配下に記憶するように制御し、ユーザからサブコンテンツの再生要求が発生した場合には、既にダウンロードした新着サブコンテンツを再生することができる」ことをよみとることができる。

(エ)前記ウ.の「レジデントアプリは、上記ディスクライブラリDBと再生/削除履歴情報36とを参照して、ローカルストレージ38上に記憶されたトレイラーのうち、まだ再生されていない新着トレイラー(固有トレイラー46及び共通トレイラー47)があるか否かを判断する・・・ レジデントアプリは、例えばユーザのリモコン操作等により当該Newアイコン33を選択する操作が入力されると・・・当該選択されたNewアイコン33に対応する新着トレイラーに関する情報を例えばリストボックスとして表示する・・・ 図8は、ディスクライブラリ30上でリストボックスが表示される様子を示した図である」との記載から、「レジデントアプリは、上記ディスクライブラリDBと再生/削除履歴情報とを参照して、ローカルストレージ上に記憶されたサブコンテンツのうち、まだ再生されていない新着サブコンテンツがあるか否かを判断し、レジデントアプリは、例えばユーザのリモコン操作等によりNewアイコンを選択する操作が入力されると当該選択されたNewアイコンに対応する新着サブコンテンツに関する情報を例えばリストボックスとして表示する」ことをよみとることができる。

(オ)前記ウ.の「例えばNewアイコン33aが選択された場合、例えば当該Newアイコン33aに重畳させて、リストボックス81を表示する。当該リストボックス81には、・・・当該新着トレイラーを再生するための再生ボタン82及び当該新着トレイラーをローカルストレージ38上から削除するための削除ボタン83が表示される・・・レジデントアプリは、上記リストボックス81上で、削除ボタン83が選択されたか否かを判断し(ステップ110)、当該削除ボタン83が選択されたと判断した場合には当該新着トレイラーをローカルストレージ38上から削除する」との記載から、「Newアイコンが選択された場合、当該Newアイコンに重畳させて、リストボックスを表示し、当該リストボックスには、当該新着サブコンテンツを再生するための再生ボタン及び当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除するための削除ボタンが表示され、
前記リストボックス上で、削除ボタンが選択されたか否かを判断し、当該削除ボタンが選択されたと判断した場合には当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除する手段」をよみとることができる。

(カ)前記ウ.の「レジデントアプリは、この削除された新着トレイラーについての削除履歴を、再生/削除履歴情報36上において更新する・・・この再生/削除履歴情報36は、・・・記憶される」との記載から「前記削除された新着サブコンテンツについての削除履歴を、再生/削除履歴情報上において更新し前記再生/削除履歴情報が記憶される記憶手段」をよみとることができる。

(キ)前記イ.の「前記受信手段は、前記消去履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記消去されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信するようにしてもよい・・・これにより、未記憶のサブコンテンツを受信するだけでなく、消去されたサブコンテンツが受信されないように制御できる。したがって、ユーザに常に最新のサブコンテンツを視聴させることができるだけでなく、ユーザにとって不要なサブコンテンツが視聴されるのを防ぐことができる」との記載、前記ウ.の「レジデントアプリが、その再生及び削除の履歴を再生/削除履歴情報36として記憶しておくことで、ユーザが視聴を所望しない不要なトレイラーがダウンロードされたり、ディスクライブラリ30上でNewアイコン33として表示されたりするのを防ぎ、視聴の無駄を防ぐことができる」との記載、前記「消去」は「削除」と技術的に同様とみることができ「削除」と換言すれば、「前記受信手段は、前記削除履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記削除されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信することにより、未記憶のサブコンテンツを受信するだけでなく、削除されたサブコンテンツが受信されないように制御できる」ことをよみとることができる。

前記(ア)?(キ)によれば、引用文献1には前記ア.に記載された「コンテンツを記録した記録媒体が挿入されていない場合でも、当該コンテンツに関連するサブコンテンツをネットワーク上からダウンロードすることが可能な電子機器を提供すること」を目的とした次の発明(以下「引用文献1発明」という。)が示されている。

「記録再生装置におけるダウンロードマネージャーは、ダウンロードタイミングが到来するとコンテンツサーバにアクセスし、
前記コンテンツサーバからゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツを自動的に受信することができる受信手段と、
ダウンロードマネージャーは、既に再生されたサブコンテンツと、ローカルストレージ上から削除されたサブコンテンツを、新着サブコンテンツとして扱わないこととし、コンテンツサーバ上に存在するサブコンテンツのうち、ローカルストレージ上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報中にも記載されていないサブコンテンツを新着サブコンテンツと判断し、ダウンロードマネージャーは、ダウンロードしたサブコンテンツを共通ディレクトリの配下ないし固有ディレクトリの配下に記憶するように制御し、ユーザからサブコンテンツの再生要求が発生した場合には、既にダウンロードした新着サブコンテンツを再生することができ、
レジデントアプリは、上記ディスクライブラリDBと再生/削除履歴情報とを参照して、ローカルストレージ上に記憶されたサブコンテンツのうち、まだ再生されていない新着サブコンテンツがあるか否かを判断し、レジデントアプリは、例えばユーザのリモコン操作等によりNewアイコンを選択する操作が入力されると当該選択されたNewアイコンに対応する新着サブコンテンツに関する情報を例えばリストボックスとして表示し、
Newアイコンが選択された場合、当該Newアイコンに重畳させて、リストボックスを表示し、当該リストボックスには、当該新着サブコンテンツを再生するための再生ボタン及び当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除するための削除ボタンが表示され、
前記リストボックス上で、削除ボタンが選択されたか否かを判断し、当該削除ボタンが選択されたと判断した場合には当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除する手段と、
前記削除された新着サブコンテンツについての削除履歴を、再生/削除履歴情報上において更新し前記再生/削除履歴情報が記憶される記憶手段と、
前記受信手段は、前記削除履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記削除されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信することにより、未記憶のサブコンテンツを受信するだけでなく、削除されたサブコンテンツが受信されないように制御できる、記録再生装置。」

2.引用文献2
本願の出願前に既に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、当審の平成28年3月8日付の拒絶理由通知において引用された文献である、栗林 裕,CHECK IN:Castanet[英語版]Javaアプリケーションを自動配信する注目のプッシュ型システムが日本上陸,netPC,日本,株式会社アスキー,1997年7月1日,第2巻,第7号(通巻15号),pp.66?67(特に第66頁左欄第18行?同頁中欄第6行及び第67頁左欄第1?3行を参照)(以下「引用文献2」という。)には、関連する図面とともに、次の事項が記載されている。

あ.「Castanetでは、プッシュ型と呼ばれるメカニズムを用いている。プッシュ型の情報発信では、必要な情報はサーバーから自動的にクライアントに送られる。Castanetでは、Javaアプリケーションの配布やアップデートなどが、サーバーからクライアントへ自動で配信され、インストールも行われる。しかもアプリケーションはクライアント上でいつも最新のものにアップデートされる」(第66頁左欄第18行?同頁中欄第6行)

3.引用文献3
本願の出願前に既に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、当審の平成28年3月8日付の拒絶理由通知において引用された文献である、国際公開第2009/070601号(以下「引用文献3」という。)には、関連する図面とともに、次の事項が記載されている。
引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
い.「[0040]…(中略)…These updates can include, but are not limited to, software updates for applications, the cell phone operating system 110, and the like. …(中略)… If any updates are found online, they can be downloaded and installed during the sleep mode.」
当審訳;「これらのアップデートは、限定されないが、アプリケーション、携帯電話のオペレーティングシステムのようなアップデートのためのソフトウェアを含む。…(中略)…もし、任意のアップデートがオンラインで発見されると、スリープモードの間にダウンロードされインストール可能である。」

第4 対比
本願発明と引用文献1発明とを対比する。
(1)引用文献1発明の「ダウンロードタイミングが到来するとコンテンツサーバにアクセス」することに関し、前記イ.に「インターネット21を介してダウンロード」と記載されていることから、インターネット接続がされることは必然であり、ダウンロードタイミングが到来すると「自動的に」接続して「アクセス」されるとみることができる。してみれば、引用文献1発明の「記録再生装置におけるダウンロードマネージャーは、ダウンロードタイミングが到来するとコンテンツサーバにアクセス」することと、本願発明の「自動的にサーバに接続する接続手段」とに実質的な差異はない。

(2)引用文献1発明の「ゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツ」と本願発明の「プログラム」とは、前記「ゲームアプリケーション」はゲームアプリケーション「プログラム」であるから、「プログラム」である点で一致する。よって、引用文献1発明の「前記コンテンツサーバからゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツを自動的に受信することができる受信手段」と、本願発明の「前記サーバから1以上のプログラムの受信処理を自動的に行う受信手段」とに実質的な差異はない。

(3)引用文献1発明の「新着サブコンテンツ」、「ローカルストレージ上に記憶」、「再生することができ」ることは、前記(イ)で言及したように「サブコンテンツ」が「ゲームアプリケーションを含むことができる(新着)サブコンテンツ」を含み、サブコンテンツのコンテンツの場合における、記憶し、再生可能である点は、前記ゲームアプリケーションの場合においては、記憶し、実行可能にすること(インストール)が相当しこの点は技術的常識であり示されているといえる。なお、プログラムのダウンロード、記憶、インストールの一連の周知技術として、引用文献2を参照されたい。引用文献2には「プッシュ型の情報発信では、必要な情報はサーバーから自動的にクライアントに送られ・・・アプリケーションの配布やアップデートなどが、サーバーからクライアントへ自動で配信され、インストールも行われる」と記載されているように、アプリケーション(プログラム)のダウンロードの場合、インストールは一連の技術である。(以下、引用文献1発明の「新着サブコンテンツ(ゲームアプリケーションを含むことができる(新着)サブコンテンツ)」、「ローカルストレージ上に記憶」、「再生することができ」ようになっていることが本願発明の「プログラム」、「インストール」に換言される点については、引用文献1発明のそれぞれの記載箇所において言及したものとする)。
してみれば、引用文献1発明の「ダウンロードマネージャーは、既に再生されたサブコンテンツと、ローカルストレージ上から削除されたサブコンテンツを、新着サブコンテンツとして扱わないこととし、コンテンツサーバ上に存在するサブコンテンツのうち、ローカルストレージ上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報中にも記載されていないサブコンテンツを新着サブコンテンツと判断し、ダウンロードマネージャーは、ダウンロードしたサブコンテンツを共通ディレクトリの配下ないし固有ディレクトリの配下に記憶するように制御し、ユーザからサブコンテンツの再生要求が発生した場合には、既にダウンロードした新着サブコンテンツを再生すること」と本願発明の「前記受信手段によって受信された前記プログラムがインストールされていないときは、当該プログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行うインストール手段」とに実質的な差異はない。

(4)前記(3)で言及した、引用文献1発明の「新着サブコンテンツ(ゲームアプリケーションを含むことができる(新着)サブコンテンツ)」、「ローカルストレージ上に記憶」、「再生することができ」ようになっていることが本願発明の「プログラム」、「インストール」に相当する点をふまえれば、引用文献1発明の「レジデントアプリは、上記ディスクライブラリDBと再生/削除履歴情報とを参照して、ローカルストレージ上に記憶されたサブコンテンツのうち、まだ再生されていない新着サブコンテンツがあるか否かを判断し、レジデントアプリは、例えばユーザのリモコン操作等によりNewアイコンを選択する操作が入力されると当該選択されたNewアイコンに対応する新着サブコンテンツに関する情報を例えばリストボックスとして表示」することと本願発明の「前記インストールされたプログラムの一覧を作成し出力する一覧作成手段」とに実質的な差異はない。

(5)引用文献1発明の「Newアイコンが選択された場合、当該Newアイコンに重畳させて、リストボックスを表示し、当該リストボックスには、当該新着サブコンテンツを再生するための再生ボタン及び当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除するための削除ボタンが表示され」ることと本願発明の「前記情報処理装置への所定の操作に応じて、前記一覧からいずれかのプログラムを選択する第1の選択手段」とに実質的な差異はない。

(6)本願明細書の段落【0284】には「アプリケーションの削除(アンインストール)」と記載されており、この記載によれば、引用文献1発明の「新着サブコンテンツ」の「削除」は本願発明の「プログラム」の「アンインストール」に相当する。してみれば、引用文献1発明の「前記リストボックス上で、削除ボタンが選択されたか否かを判断し、当該削除ボタンが選択されたと判断した場合には当該新着サブコンテンツをローカルストレージ上から削除する手段」と本願発明の「前記選択されたプログラムのアンインストール処理を行うアンインストール手段」とに実質的な差異はない。

(7)引用文献1発明の「前記削除された新着サブコンテンツについての削除履歴を、再生/削除履歴情報上において更新し前記再生/削除履歴情報が記憶される記憶手段」と本願発明の「前記アンインストール手段によってアンインストールされたプログラムを特定するための削除プログラム特定情報を記憶する削除履歴記憶手段」とに実質的な差異はない。

(8)引用文献1発明は、前記(2)で言及したように「前記コンテンツサーバからゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツを自動的に受信することができる受信手段」は、「コンテンツサーバから(ゲームアプリケーションを含むことができる)サブコンテンツを自動的に受信することができる」ものであり、前記「ゲームアプリケーション」はアプリケーションプログラムとみることができる点をふまえると、引用文献1発明の前記事項と本願発明の「前記サーバから受信されるプログラムには、システムプログラムとアプリケーションプログラムの2種類のプログラムが存在し」とは「前記サーバから受信されるプログラムには、アプリケーションプログラムが存在し」ている点で共通する。

(9)引用文献1発明の「前記コンテンツサーバからゲームアプリケーションを含むことができるサブコンテンツを自動的に受信することができる受信手段」は、当該「受信手段」を主語にしてみれば、本願発明の「前記受信手段は、前記アプリケーションプログラムを自動的に受信し」ていることと実質的な差異はない。

(10)引用文献1発明の「ダウンロードマネージャーは、既に再生されたサブコンテンツと、ローカルストレージ上から削除されたサブコンテンツを、新着サブコンテンツとして扱わないこととし、コンテンツサーバ上に存在するサブコンテンツのうち、ローカルストレージ上に記憶されておらず、かつ、再生/削除履歴情報中にも記載されていないサブコンテンツを新着サブコンテンツと判断し、ダウンロードマネージャーは、ダウンロードしたサブコンテンツを共通ディレクトリの配下ないし固有ディレクトリの配下に記憶するように制御し、ユーザからサブコンテンツの再生要求が発生した場合には、既にダウンロードした新着サブコンテンツを再生することができ」ること、において、前記サブコンテンツのダウンロード、記憶、再生に係る「ダウンロードマネージャー」は、本願発明の「インストール手段」に相当し、してみれば、引用文献1発明の前記事項と本願発明の「前記インストール手段は、前記アプリケーションプログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行」うこととに実質的な差異はない。

(11)引用文献1発明の「前記受信手段は、前記削除履歴情報を基に、前記記憶されていないサブコンテンツのうち、前記削除されたサブコンテンツを除いたサブコンテンツを受信することにより、未記憶のサブコンテンツを受信するだけでなく、削除されたサブコンテンツが受信されないように制御できる」ことと本願発明の「前記受信手段は、前記削除プログラム特定情報で特定されるアプリケーションプログラムについては、受信処理を行わない」こととに実質的な差異はない。

(12)引用文献1発明の「記録再生装置」が情報処理を行うことは明らかであるから本願発明の「情報処理装置」と実質的な差異はない。

以上の対比によれば、本願発明と引用文献1発明とは次の事項を有する点で一致し、そして相違する。
〈一致点〉
自動的にサーバに接続する接続手段と、
前記サーバから1以上のプログラムの受信処理を自動的に行う受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記プログラムがインストールされていないときは、当該プログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行うインストール手段と、
前記インストールされたプログラムの一覧を作成し出力する一覧作成手段と、
前記情報処理装置への所定の操作に応じて、前記一覧からいずれかのプログラムを選択する第1の選択手段と、
前記選択されたプログラムのアンインストール処理を行うアンインストール手段と、
前記アンインストール手段によってアンインストールされたプログラムを特定するための削除プログラム特定情報を記憶する削除履歴記憶手段とを備え、
前記サーバから受信されるプログラムには、アプリケーションプログラムが存在し、
前記受信手段は、前記アプリケーションプログラムを自動的に受信し、
前記インストール手段は、前記アプリケーションプログラムの情報処理装置への新規インストール処理を自動的に行い、
前記受信手段は、前記削除プログラム特定情報で特定されるアプリケーションプログラムについては、受信処理を行わない、情報処理装置。

〈相違点〉
サーバから受信されるプログラムに関し、本願発明は「システムプログラム」とアプリケーションプログラムの「2種類の」プログラムが存在しているのに対し、引用文献1発明はそのような特定がされていない点。

第5 当審判断
〈相違点〉について
引用文献3には「アップデートは、限定されないが、アプリケーション、携帯電話のオペレーティングシステムのようなアップデートのためのソフトウェアを含む・・・任意のアップデートがオンラインで発見されると、スリープモードの間にダウンロードされインストール可能である」ことが記載されており、前記「オペレーティングシステム」は「システムプログラム」といえるものであり、前記記載から「スリープモードの間にダウンロードされインストール可能であるプログラム」として「アプリケーションプログラムとシステムプログラム」である技術をよみとることができる。
本願発明において「システムプログラムとアプリケーションプログラムの2種類のプログラムが存在して」いることが如何なる技術的思想を伴うものであるのか、そして、他の構成とどのように関係し如何なる作用効果を果たすのか全く記載されておらず、してみれば、引用文献1発明において、サーバから受信されるプログラムに関し、「システムプログラムとアプリケーションプログラムの2種類のプログラム」が存在していると成すことは、前記引用文献3に記載された技術を参酌することにより当業者が適宜になし得ることである。

そして、本願発明の構成により奏する効果も、引用文献1発明、引用文献2ないし引用文献3に記載された技術、周知技術から当然予測される範囲内のものにすぎない。

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明、周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-07-21 
結審通知日 2016-07-26 
審決日 2016-08-09 
出願番号 特願2010-214528(P2010-214528)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 坂庭 剛史  
特許庁審判長 石井 茂和
特許庁審判官 高木 進
須田 勝巳
発明の名称 情報処理端末、情報処理システム、情報処理プログラム  
代理人 特許業務法人 小笠原特許事務所  
代理人 石原 盛規  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ