• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1321196
審判番号 不服2015-16751  
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-11 
確定日 2016-11-22 
事件の表示 特願2014-528689「複数のデバイスからの通信を確認応答するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 3月 7日国際公開、WO2013/033693、平成26年 9月29日国内公表、特表2014-525720、請求項の数(42)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由
第1 手続の経緯

本願は、平成24年9月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年9月2日、米国、2012年8月31日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年1月19日付けで拒絶理由が通知され、平成27年4月9日付けで手続補正がされ、平成27年4月27日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成27年9月11日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされ、平成27年11月27日に前置報告がなされ、平成28年6月21日付けで当審から拒絶理由が通知され、平成28年9月27日付けで手続補正がされたものである。


第2 原査定の理由の概要と前置報告の内容及び当審の拒絶理由

1.原査定の理由の概要

この出願については、平成27年 1月19日付け拒絶理由通知書に記載した理由Aによって、拒絶をすべきものです。
なお、意見書並びに手続補正書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。

●理由A(特許法第29条第2項)について

・請求項 1-52
・引用文献等 1,2
平成27年4月9日付け手続補正書による補正後の請求項1に係る発明は、当該補正前の請求項11と同等のものである。また、補正後の他の独立請求項についても同様である。
よって、補正後の請求項1およびその他の独立請求項については、平成27年1月19日付け拒絶理由通知書の[請求項1について]および[請求項11について]に記載したのと同様の理由で当業者が容易に想到しうるものである。
すなわち、引用文献1に記載された発明は、送信されたダウンリンクGACKパケット220(本願発明の「以前の確認応答」に対応。)に対応して、Rtx-1応答パケット230(本願発明の「1つまたは複数のパケット」に対応。)を送信するといえ、当該パケットを正確に復号されているか否かを判定する期間(すなわち、本願でいう「時間間隔」。)は、当然にRtx-1応答パケット230の送信に対応する。したがって、当該期間は、ダウンリンクGACKパケット220が送信された時に対するものであるといえ、当該事項と、本願発明の「前記少なくとも1つのワイヤレスデバイスと関連付けられている前記時間間隔は、以前の確認応答が前記少なくとも1つのワイヤレスデバイスに送信された時に対するものである」こととの間に差異は無い。

また、補正後の各独立請求項を引用する請求項についても同様である。

また、出願人は、平成27年4月9日付け意見書において以下のとおり、主張している。
「この補正によって「時間間隔」をパケットの送信期間以外に限定することにより、引用文献1に記載の構成と本願請求項1の構成とは異なるものとなったと思料いたします。
また、引用文献1と2を組み合わせても、補正後の本願請求項1の構成にはなりません。
なお、補正後の本願請求項1の構成は、本願明細書の段落[0057]に記載の、下記の技術的意義を有します。
「これらの実施形態において、指示子402?412の各々は、以前のグループACK以来、通信または他の情報が対応するワイヤレスデバイスから受信または正確に復号されたか否かを表す。」
かかる技術的意義を有する本願請求項に係る発明を容易に想到できたとする、論理も動機付けもないことから、本願請求項1および他の独立請求項、およびこれらに従属する請求項係る発明は、進歩性を有する発明です。したがって、拒絶理由Aは解消されたものと確信いたします。」

出願人の主張について検討すると、補正後の請求項1には「前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである」と記載されており、「時間間隔」をパケットの送信期間以外に限定するものではないから、出願人の主張は請求項の記載に基づかないものである。また、出願人の主張する段落[0057]に記載された効果は、「以前のグループACK以来、」との記載が不明確であり意味不明であるものの、”指示子402?412の各々は、通信または他の情報が対応するワイヤレスデバイスから受信または正確に復号されたか否かを表す”との機能は、慣用技術である一般的なACKの通常の機能に過ぎず、格別のものではない。
したがって、出願人の主張は採用できない。

よって、請求項1-52に係る発明は、引用文献1,2に記載された発明に基づいて、当業者であれば容易になし得たものであるから、依然として、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.国際公開第2010/076868号
2.特表2008-509622号公報(周知技術を示す文献)

2.前置報告の内容

請求項1についての「・・・前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、前記複数の指示子を備えるグループ確認応答を、前記アクセスポイントによってブロードキャストする」という補正は、複数の指示子に関して、補正前においては判断の結果を表すものであったのに対して、補正後においては、更に、以前の通信を識別する情報を含むとしたものである。
つまり、複数の指示子に関して、具体例を追加したものである。

したがって、この補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
そして、この出願は原査定の理由に示したとおり拒絶されるべきものである。特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。

なお、グループACKのデータとして通信のシーケン番号を用いることは設計事項にすぎない。例えば、引用文献3を参照されたい。


<引用文献等一覧>
1.国際公開第2010/076868号
2.特表2008-509622号公報
3.高森 昌樹,グループACKを使用したマルチコード受信SS-CSMA/CAにおけるスループットと伝送遅延の評価 Throughput and Delay Performance of Multi-Code Reception SS-CSMA/CA with Group Acknowledgement Method,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.110 No.340 IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,第110巻

3.当審の拒絶理由

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

請求項1について

請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明1」という。)

「アクセスポイント、および前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法であって、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されているか否かを、前記アクセスポイントにおいて判断することと、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、
前記複数の指示子を備えるグループ確認応答を、前記アクセスポイントによってブロードキャストすることと
を備える、方法。」

電子情報通信学会技術研究報告 Vol.110 No.340 RCS2010-168 高森昌樹、山尾泰「グループACKを使用したマルチコード受信SS-CSMA/CAにおけるスループットと伝送遅延の評価」2010年12月9日発行(以下「引用例1」という。)には、

「2.SS-CSMA/CA-グループACK方式
2.1.マルチコード受信SS-CSMA/CA
マルチコード受信SS-CSMA/CAは、互いに直交した拡散符号を用いたスペクトル拡散によって、同一周波数での同時通信を可能にした方式である。
図1に示すように親ノードであるデータ受信ノードは、ネットワーク構築時に子ノードである各データ送信ノードに対して、直交した拡散符号S1...Snを重複しないように割り当てる。これらの拡散符号は親ノードからのビーコン信号を基準としてチップレベルで同期が取れている。さらに、近距離通信を想定しているため、伝搬チャネルの遅延分散の影響は少ないため無視できる。データ送信ノードは、割り当てられた拡散符号を用いて送信信号を拡散し、データ受信ノード宛てに送信する。データ受信ノードは、複数の送信信号が重畳した信号を受信し、その受信信号に対してデータ送信ノードで使用されている拡散符号全てについて逆拡散を行って信号の復調を試みる。これによって元の送信信号を得ることができる。データ受信ノードが同時受信可能な最大信号数は拡散率に等しい。」

「2.2.グループACK方式と通信フレームの分割
マルチコード受信SS-CSMA/CA方式を用いた場合において、複数のデータ送信ノードへ効率良くACKの伝送を行うために、グループACK方式を提案する。グループACK方式では図3に示すように、通信フレームをデータ通信期間とACK通信期間に分割する。データ通信期間において、データ送信ノードはデータパケットをそれぞれ送信し、データ受信ノードはマルチコード受信を用いて同一周波数で複数信号の同時受信を行う。データ通信期間直後のACK通信期間において、データ受信ノードはデータ送信ノードへACKの伝送を行う。ACKの伝送にはグループACK信号を用いる。グループACK信号とは、直前のデータ通信期間で正常に受信できた複数の信号に対する全てのACK情報を含み、1つの信号として構成された信号である。データ通信期間はデータ長よりも長く設定する。ACK通信期間は、グループACK信号の最大長と等しい長さに設定する。
ACKの伝送に用いるグループACK信号は、図4に示すように固定部分と可変部分に分かれている。固定部分には物理層ヘッダとMAC層で扱う情報が含まれている。物理層ヘッダには同期を行うための情報とグループACK信号長に関する情報が含まれている。またMAC層で扱う情報にはパケットの種類やチェックサム、データ受信ノードのPersonal Area Network ID(PAN ID)、データ受信ノードのアドレスが含まれている。可変部分には送信が成功したデータ送信ノードアドレスとデータパケットシーケンス番号が含まれている。グループACK信号を受信したデータ送信ノードは、可変部分に自分のノードアドレスとデータパケットシーケンス番号が含まれているか確認する。もし含まれていれば自分が送信したデータが正常に受信されたと判断し、含まれていなければデータの送信が失敗したと判断する。データの送信が失敗した場合、データ送信ノードはデータパケットシーケンス番号を確認して、欠落しているデータパケットの再送を行う。欠落データパケットの再送はACK通信期間直後のデータ送信期間に行う。再送するデータパケットは、自ノードの送信すべきデータの中で最優先に送信される。グループACK信号の可変部分は受信に成功したデータパケット数に依存する。グループACK信号長をLaとすると、以下の式(1)で表される。
La=14+3n (byte)・・・(1)
nはデータ受信ノードが受信に成功したデータ数である。」

の記載と共に、図3及び図4が下記のとおり記載されている。


従って、引用例1には、

「マルチコード受信SS-CSMA/CAは、互いに直交した拡散符号を用いたスペクトル拡散によって、同一周波数での同時通信を可能にした方式であり、
親ノードであるデータ受信ノードは、子ノードである各データ送信ノードに対して、直交した拡散符号を重複しないように割り当て、
通信フレームをデータ通信期間とACK通信期間に分割し、
データ通信期間において、データ送信ノードはデータパケットをそれぞれ送信し、データ受信ノードはマルチコード受信を用いて同一周波数で複数信号の同時受信を行い、
データ通信期間直後のACK通信期間において、データ受信ノードはデータ送信ノードへACKの伝送を行い、ACKの伝送にはグループACK信号を用い、グループACK信号とは、直前のデータ通信期間で正常に受信できた複数の信号に対する全てのACK情報を含み、1つの信号として構成された信号であり、
グループACK信号は、固定部分と可変部分に分かれており、
可変部分には送信が成功したデータ送信ノードアドレスとデータパケットシーケンス番号が含まれている。
方法。」

の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

引用発明の「データ送信ノード」は「子ノード」であるから、本願発明の「ワイヤレスデバイス」に相当し、
引用発明の「データ受信ノード」は「親ノード」であるから、本願発明の「アクセスポイント」に相当する。

引用発明の「データパケット」は、本願発明の「1つまたは複数のパケット」に相当し、
引用発明の「グループACK信号」は、本願発明の「グループ確認応答」に相当する。
そして、引用発明の「グループACK信号」は、通信フレームの「データ通信期間」のデータパケットについてのACKであるから、「各ワイヤレスデバイスと関連づけられている時間間隔内」で判断を行っているといえる。

引用発明の「グループACK信号」には、「送信が成功したデータ送信ノードアドレス」と「データパケットシーケンス番号」が含まれているから、「ワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子」に対する「判断の結果」を示しており、「以前の通信を識別する情報」が含まれているといえる。


したがって、本願発明と引用発明とは、

「アクセスポイント、および前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法であって、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されているか否かを、前記アクセスポイントにおいて判断することと、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、
前記複数の指示子を備えるグループ確認応答を、前記アクセスポイントによって送信することと
を備える、方法。」

で一致し、下記の点で相違する。

相違点

グループ確認応答に関し、本願発明は「ブロードキャスト」するのに対し、引用発明は「データ送信ノード」へ行う点。

相違点についての判断

2008年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 B-5-109 高岸智、小畠直人、山尾泰「大規模・省電力アドホックネットワーク用SS-CSMA/CA MACプロトコル」2008年9月2日発行(以下「引用例2」という。)には、

「2.提案方式
大規模なアドホックネットワークの構築が容易な階層化ツリーネットワークにおいて、サブネットワーク(SNW)毎にビーコンを用いて間欠動作させる間欠アクセス方式が提案されている[1]。一方、スペクトル拡散とマルチコード受信を行うSS-CSMA/CA[2]では2重拡散コードを用い、図1のようにネットワーク構築時にロングコードをSNW毎に割り当て、拡散率に等しい数のショートコードをSNW内の子ノードに割り当てる。この拡散コードを用いてSNW内の子ノードは親ノードへデータパケットを送信し、親ノードはマルチコード受信を行うことで複数の子ノードからの信号を受信する[2]。SNW内の上りデータパケットの送受信の流れを図2に示す。
間欠動作によるスリープ期間が終わると、まず親ノードからSNW同期用のビーコンが送信される。次のデータ期間でSNW内の子ノードがデータパケットを親ノードへ送信するが、通常、データ期間の開始時点にアクセスが集中する。この時、アクセスする子ノードがショートコードの数より多いと、同一拡散コードを用いた複数の送信によって衝突が発生する。この衝突を防ぐためには
(1)データ送信タイミングを意図的に分散させることが有効であり、以下の2つの方法を提案する。
方法1.初回からランダムバックオフすることで送信開始タイミングを変えてアクセスを分散させる。
方法2.1に加え、データパケット長がデータ期間の半分未満の場合、データ期間の前半を使用するか後半を使用するかを確立的に決定してデータを送信する。
(2)またいずれの場合においても、送信前に自信の使用する拡散コードをキャリアセンスし、衝突防止をより確実にする。
上り/下り方向共に同一周波数の使用を想定すると、親ノードはデータの受信とACKの送信を同時に行うことはできない。そこでACKを送信するための下りACK期間を設ける。親ノードは、直前のデータ期間中に正常に受信できたパケット全ての情報を1つのACKパケットに含め、SNW共通の拡散コードを用いて子ノードに送信する。これにより、拡散コードの数にかかわらずSNW内の多数の端末に効率的にACKを返すことができる。」

図2は下記のとおりである。


の記載があるから、親ノードがグループACKを送信するにあたり、サブネットワーク共通の拡散コードを用いることは、引用例2に記載されるように周知である。
そして、サブネットワーク共通の拡散コードを用いて通信することは、サブネットワーク内にブロードキャストするといえる。

上記によれば、引用発明においてグループACKをブロードキャストすることは当業者が容易に想到しうることである。

請求項14、27-28について

同様の理由である。

請求項2-13、15-26について

いずれも引用例1に記載されているか周知である。

請求項29-52について

引用例1には、

「グループACK信号を受信したデータ送信ノードは、可変部分に自分のノードアドレスとデータパケットシーケンス番号が含まれているか確認する。もし含まれていれば自分が送信したデータが正常に受信されたと判断し、含まれていなければデータの送信が失敗したと判断する。」

と記載されているように、データ送信ノードの動作についても記載されている。



なお、上申書における補正案では、間欠受信動作を行うシステムにおいて、グループACKを送信するタイミングを指定する内容が記載されているから、上申書の補正案についても検討を行う。

引用例2には、上記の記載の他に、

「参考文献
[1]高岸智、山尾泰、“階層化ツリーネットワークにおけるIEEE802.15.4/ZigBee MACビーコンモードの適用と時間シフトグループアクセスの提案”信学技報 RCS2007-14,Jun 2007。
[2]小畠直人、高岸智、山尾泰、“SS-CSMA/CA方式のスループット解析”2007年総合大会 B-5-162。」

の記載もある。
ここで、ビーコンを用いて間欠動作を行っている間欠アクセス方式の詳細を記載している参考文献[1]である電子情報通信学会技術研究報告 Vol.107 No.113 RCS2007-14 高岸智、山尾泰、「階層化ツリーネットワークにおけるIEEE802.15.4/ZigBee MACビーコンモードの適用と時間シフトグループアクセスの提案」2007年6月21日発行には、

「2.クラスタツリーネットワークでのZigBeeビーコンモード
マルチホップ通信においてネットワークトポロジは重要である。ZigBeeにおける階層化クラスタツリーネットワークトポロジを図1に示す。このトポロジにおいて、1つのノードが持てる最大子ノード数はCm、PAN全体の最大深さ(階層数)をLmとする。PANコーディネータとルータノードは、各サブネットの親ノードとなり、各サブネット内の子ノードへビーコンをブロードキャストし、図2のフレーム構造を知らせる。子ノードはビーコンを受信することにより、スリープ状態へ移行することができ、消費電力を少なくすることができる。特に小さなアクティブ期間比率を選択することにより、子ノードは消費電力を大幅に少なくすることができる[6]。しかしアクティブ期間比率を小さくすると、ネットワークのスループットが低下し、さらにスリープ期間が長くなるとこれによる遅延が増加する。」

の記載がある。

つまり、ビーコンをブロードキャストすることでフレーム構造を端末へ通知することにより、端末の受信動作を行わせることが記載されているから、引用例2の間欠動作を行うグループACKを行うシステムは、グループACKを送信するタイミングを端末へ通知しておくことにより間欠動作を行っているシステムであるといえる。

したがって、上申書における補正案についても、引用例1乃至3に基づいて容易に発明をすることができたものである。

引 用 文 献 等 一 覧

1.電子情報通信学会技術研究報告 Vol.110 No.340 RCS2010-168 高森昌樹、山尾泰「グループACKを使用したマルチコード受信SS-CSMA/CAにおけるスループットと伝送遅延の評価」2010年12月9日発行
2.2008年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 B-5-109 高岸智、小畠直人、山尾泰「大規模・省電力アドホックネットワーク用SS-CSMA/CA MACプロトコル」2008年9月2日発行
3.電子情報通信学会技術研究報告 Vol.107 No.113 RCS2007-14 高岸智、山尾泰「階層化ツリーネットワークにおけるIEEE802.15.4/ZigBee MACビーコンモードの適用と時間シフトグループアクセスの提案」2007年6月21日発行


第3 本願発明

【請求項1】
アクセスポイント、および前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法であって、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つのワイヤレスデバイスから受信されるメッセージに応答してグループ確認応答をブロードキャストすることを要求するメッセージを、前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信することと、
前記複数のワイヤレスデバイスに確認メッセージを送信することと、
前記アクセスポイントにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ることと、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されているか否かを、前記アクセスポイントにおいて判断することと、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、
前記複数の指示子を備える前記グループ確認応答を、前記アクセスポイントによってブロードキャストすることと
を備える、方法。
【請求項2】
前記複数のワイヤレスデバイスと関連付けられている前記時間間隔はすべて互いに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの第1のワイヤレスデバイスと関連付けられている第1の時間間隔は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちの第2のワイヤレスデバイスと関連付けられている第2の時間間隔とは等しくない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生成することは、前記複数の指示子を備える情報要素を生成することを備え、前記グループ確認応答は、前記情報要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記情報要素は、
前記情報要素の長さと、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数のアソシエーション識別情報と、
前記複数の指示子を表現するためのビットマップと
を備え、
前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記複数のアソシエーション識別情報は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちのいずれのワイヤレスデバイスに対して各指示子が生成されているかを識別する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生成することは、前記複数の指示子を表現するためのビットマップを生成することを備え、前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記グループ確認応答は前記ビットマップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の指示子のうちの各指示子の位置は、その対応するワイヤレスデバイスを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記グループ確認応答を備えるビーコンをブロードキャストすることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記グループ確認応答は、ビーコンのブロードキャストの後のスケジュールされている時間にブロードキャストされる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのワイヤレスデバイスについて、前記少なくとも1つのワイヤレスデバイスと関連付けられている前記時間間隔は、以前の確認応答が前記少なくとも1つのワイヤレスデバイスに送信された時に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワークにおいて通信するための装置であって、
前記複数のワイヤレスデバイスにおいて、受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入り、各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で少なくとも1つのパケットが正確に復号されているか否かを、前記各ワイヤレスデバイスについて判断するように構成されており、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を生成するようにさらに構成されているプロセッサであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスからの前記少なくとも1つのパケットが、正確に復号されているか否かを示し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、プロセッサと、
前記装置からの予想される通信がグループ確認応答のブロードキャストにより確認応答されることを要求するメッセージを前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信するための、前記プロセッサに結合されている受信機と、
前記複数のワイヤレスデバイスの各々に確認メッセージを送信し、前記複数の指示子を備える前記グループ確認応答をブロードキャストするための、前記プロセッサに結合されている送信機と
を備える、装置。
【請求項12】
前記複数のワイヤレスデバイスと関連付けられている前記時間間隔は各々互いに等しい、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの第1のワイヤレスデバイスと関連付けられている第1の時間間隔は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちの第2のワイヤレスデバイスと関連付けられている第2の時間間隔とは等しくない、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記複数の指示子を備える情報要素を生成することによって前記複数の指示子を生成するように構成されており、前記グループ確認応答は、前記情報要素を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記情報要素は、
前記情報要素の長さと、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数のアソシエーション識別情報と、
前記複数の指示子を表現するためのビットマップと
を備え、
前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記複数のアソシエーション識別情報は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちのいずれのワイヤレスデバイスに対して各指示子が生成されているかを識別する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記複数の指示子を表現するためのビットマップを生成するように構成されており、前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記グループ確認応答は前記ビットマップを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の指示子のうちの各指示子の位置は、対応するワイヤレスデバイスを示す、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記グループ確認応答はビーコンを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記グループ確認応答は、ビーコンのブロードキャストの後のスケジュールされている時間にブロードキャストされる、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記グループ確認応答は、ビーコンの一部としてスケジュールされている時間にブロードキャストされる、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワークにおいて通信するための装置であって、
前記装置からの予想される通信がグループ確認応答のブロードキャストにより確認応答されることを要求するメッセージを前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信するための手段と、
前記複数のワイヤレスデバイスに確認メッセージを送信するための手段と、
前記装置において、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入るための手段と、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で少なくとも1つのパケットが正確に復号されているか否かを判断するための手段と、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を生成するための手段であって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断するための手段の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成するための手段と、
前記複数の指示子を備える前記グループ確認応答をブロードキャストするための手段とを備える、装置。
【請求項22】
装置によって実行されると、前記装置に、アクセスポイント、および、前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワークにおいて通信する方法を実行させる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
前記アクセスポイントによって、前記複数のワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つのワイヤレスデバイスから受信されるメッセージに応答してグループ確認応答をブロードキャストすることを要求するメッセージを、前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信することと、
前記複数のワイヤレスデバイスに確認メッセージを送信することと、
前記アクセスポイントにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ることと、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で少なくとも1つのパケットが正確に復号されているか否かを、前記アクセスポイントにおいて判断することと、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、
前記複数の指示子を備える前記グループ確認応答を、前記アクセスポイントによってブロードキャストすることと
を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
アクセスポイントおよび複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法であって、
前記アクセスポイントに対するメッセージを第1のワイヤレスデバイスによって送信することと、ここにおいて、前記メッセージは、前記アクセスポイントに対する予想される通信がグループ確認応答のブロードキャストにより確認応答されることを要求する、
前記アクセスポイントから確認メッセージを受信することと、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ることと、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、第1の通信を前記アクセスポイントに送信することと、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、前記アクセスポイントから前記グループ確認応答を受信することであって、前記グループ確認応答は、前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を備え、前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記アクセスポイントが、対応するワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で前記対応するワイヤレスデバイスからの通信を正確に復号したか否かを表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、受信することと、 前記第1のワイヤレスデバイスに対応する前記指示子に基づいて、前記第1の通信が前記アクセスポイントによって正確に復号されたか否かを、前記第1のワイヤレスデバイスにおいて判断することと
を備える、方法。
【請求項24】
前記複数の指示子は情報要素内に含まれる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記情報要素は、
前記情報要素の長さと、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数のアソシエーション識別情報と、
前記複数の指示子を表現するためのビットマップと
を備え、
前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記複数のアソシエーション識別情報は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちのいずれのワイヤレスデバイスに対して各指示子が生成されているかを識別する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の指示子はビットマップ内に含まれる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記ビットマップ内の1ビットから成る、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記グループ確認応答はビーコンを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
ビーコンを受信することをさらに備え、前記グループ確認応答は前記ビーコンを受信した後のスケジュールされている時間に受信される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
ビーコンを受信することをさらに備え、前記グループ確認応答は前記ビーコンの一部としてスケジュールされている時間に受信される、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の通信の送信後に前記第1のワイヤレスデバイスを電力節約モードにおいて動作させることと、
前記第1のワイヤレスデバイスを前記電力節約モードにおいて動作させた後、定期的にスケジュールされている時間に対応する時間において、前記第1のワイヤレスデバイスを、前記グループ確認応答を受信するためのモードにおいて動作させることと、
前記定期的にスケジュールされている時間において前記グループ確認応答を、前記第1のワイヤレスデバイスにおいて受信することと
をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信するための、前記複数のワイヤレスデバイスに属する第1のワイヤレスデバイスであって、
第1の通信を前記アクセスポイントに送信するように構成されている送信機と、
前記アクセスポイントから確認メッセージを受信し、前記アクセスポイントからグループ確認応答を受信するように構成されている受信機であって、前記グループ確認応答は、前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を備え、前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記アクセスポイントが、対応するワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で前記対応するワイヤレスデバイスからの通信を正確に復号したか否かを表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、受信機と、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入り、前記第1のワイヤレスデバイスに対応する前記指示子に基づいて、前記第1の通信が前記アクセスポイントによって正確に復号されたか否かを判断するように構成されているプロセッサと、ここにおいて、前記プロセッサは、前記アクセスポイントに対する予想される通信が、前記グループ確認応答をブロードキャストしている前記アクセスポイントによって確認応答されるべきであることを要求するメッセージを生成し、前記送信機に、前記アクセスポイントに前記メッセージを送信させるように構成されている、
を備える、第1のワイヤレスデバイス。
【請求項33】
前記複数の指示子は情報要素内に含まれる、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項34】
前記情報要素は、
前記情報要素の長さと、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数のアソシエーション識別情報と、
前記複数の指示子を表現するためのビットマップと
を備え、
前記複数の指示子のうちの各指示子は前記ビットマップ内の1ビットによって表現され、前記複数のアソシエーション識別情報は、前記複数のワイヤレスデバイスのうちのいずれのワイヤレスデバイスに対して各指示子が生成されているかを識別する、請求項33に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項35】
前記複数の指示子はビットマップ内に含まれる、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項36】
前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記ビットマップ内の1ビットから成る、請求項35に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項37】
前記グループ確認応答はビーコンを備える、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項38】
前記受信機は、ビーコンを受信するようにさらに構成されており、前記グループ確認応答は前記ビーコンを受信した後のスケジュールされている時間に受信される、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項39】
前記受信機は、ビーコンを受信するようにさらに構成されており、前記グループ確認応答は前記ビーコンの一部としてスケジュールされている時間に受信される、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記第1の通信の送信後に前記第1のワイヤレスデバイスを電力節約モードにおいて動作させ、定期的にスケジュールされている時間に対応する時間において、前記受信機を、前記定期的にスケジュールされている時間において前記グループ確認応答を受信するためのモードにおいて動作させるようにさらに構成されている、請求項32に記載の第1のワイヤレスデバイス。
【請求項41】
アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信するための、前記複数のワイヤレスデバイスに属する第1のワイヤレスデバイスであって、
前記アクセスポイントに対するメッセージを前記第1のワイヤレスデバイスによって送信する手段と、ここにおいて、前記メッセージは、前記アクセスポイントに対する予想される通信がグループ確認応答のブロードキャストにより確認応答されることを要求する、 前記アクセスポイントから確認メッセージを受信する手段と、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入る手段と、
前記アクセスポイントに第1の通信を送信するための手段と、
前記アクセスポイントから前記グループ確認応答を受信するための手段であって、前記グループ確認応答は、前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を備え、前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記アクセスポイントが、対応するワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で前記対応するワイヤレスデバイスからの通信を正確に復号したか否かを表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、受信するための手段と、
前記第1のワイヤレスデバイスに対応する前記指示子に基づいて、前記第1の通信が前記アクセスポイントによって正確に復号されたか否かを判断するための手段と
を備える、第1のワイヤレスデバイス。
【請求項42】
第1のワイヤレスデバイスによって実行されると、前記第1のワイヤレスデバイスに、アクセスポイント、および、前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワークにおいて通信する方法を実行させる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記第1のワイヤレスデバイスは前記複数のワイヤレスデバイスに属し、前記方法は、
前記アクセスポイントに対するメッセージを前記第1のワイヤレスデバイスによって送信することと、ここにおいて、前記メッセージは、前記アクセスポイントに対する予想される通信がグループ確認応答のブロードキャストにより確認応答されることを要求する、 前記アクセスポイントから確認メッセージを受信することと、
前記第1のワイヤレスデバイスにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ることと、
前記アクセスポイントに第1の通信を送信することと、
前記アクセスポイントから前記グループ確認応答を受信することであって、前記グループ確認応答は、前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を備え、前記複数の指示子のうちの各指示子は、前記アクセスポイントが、対応するワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で前記対応するワイヤレスデバイスからの通信を正確に復号したか否かを表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、受信することと、
前記第1のワイヤレスデバイスに対応する前記指示子に基づいて、前記第1の通信が前記アクセスポイントによって正確に復号されたか否かを判断することと
を備える、コンピュータ可読記憶媒体。

以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」という。


第4 当審の判断

1.引用発明

(1)当審の拒絶理由に用いられた引用発明

引用発明1は、前記「第2 原査定の理由の概要と前置報告の内容及び当審の拒絶理由」の「3.当審の拒絶理由」に記載したとおりである。


(2)原査定及び前置報告の理由に用いられた引用発明

原査定及び前置報告の理由に用いられた、国際公開第2010/076868号(以下「引用例2」という。当審訳として、ファミリ文献の特表2012-510734号公報を参考にする。下線は当審が付与。)には、

「[0016]
According to one embodiment of the invention, Figure 2 shows - scheduling of downlink and uplink transmissions in the time domain 290 within one communication cycle that is called super-frame 280. The super- frame 280 in each cycle includes a maximum of three uplink transmissions and three downlink transmissions.
[0017]
The downlink transmissions include a broadcast polling packet 200, a group acknowledgment packet (GACK-I) packet 220, and a GACK-2 packet 240. The uplink transmissions include slave responses 210, 1st slave response retransmission (Retx-1) packets 230, and 2 nd slave response retransmission (Retx-2) packets 250. The order of these six transmissions is: Broadcast polling packet 200, slave responses 210, GACK-I packet 220, Retx-1 packets 230, GACK-2 packet 240, and Retx-2 packets 250, as shown in Figure 2. Between two consecutive transmissions, there is a fixed time- interval called the turn around time 295, which enables the transceivers to switch between transmit mode and receive modes.」
(当審訳:【0016】-【0017】を参考
[0016]
本発明の1つの実施の形態によれば、図2は、スーパーフレーム280と呼ばれる1つの通信サイクル内の、時間領域290におけるダウンリンク送信およびアップリンク送信のスケジューリングを示している。各サイクル内のスーパーフレーム280は、最大で3つのアップリンク送信および3つのダウンリンク送信を含む。
[0017]
ダウンリンク送信は、ブロードキャストポーリングパケット200と、グループ肯定応答(GACK-1)パケット220と、GACK-2パケット240とを含む。アップリンク送信は、スレーブ応答210と、第1のスレーブ応答再送信(Retx-1)パケット230と、第2のスレーブ応答再送信(Retx-2)パケット250とを含む。これらの6つの送信の順序は、図2に示すように、ブロードキャストポーリングパケット200、スレーブ応答210、GACK-1パケット220、Retx-1パケット230、GACK-2パケット240、そしてRetx-2パケット250である。2つの連続した送信間に、ターンアラウンドタイム295と呼ばれる固定の時間間隔が存在し、これによって、送受信機が送信モードと受信モードとを切り換えることが可能になる。)

「[0038]
After broadcasting the packet 200, the master 110 waits for the response period timer 205 to expire. Upon expiration of the timer 205, the master processes the successfully received slave responses 210. The master broadcasts the GACK 220.
[0039]
The master also sets a second timer 215, which is the GACK period timer. Slave IDs are implicitly known to the master node because of orthogonal transmission resources (frequency sub-carrier etc). Therefore, slave IDs are no carried in the uplink packets 210, 230, 250.
[0040]
The downlink GACK 220 {220.240} packets comprises the following fields as shown in Figure 5.」
(当審訳:【0038】-【0040】を参考
[0038]
パケット200をブロードキャストした後、マスター110は、応答期間タイマー205が満了するのを待つ。タイマー205が満了すると、マスターは、受信に成功したスレーブ応答210を処理する。マスターは、GACK220をブロードキャストする。
[0039]
マスターは、第2のタイマー215も設定する。第2のタイマー215は、GACK期間タイマーである。スレーブIDは、直交送信リソース(周波数サブキャリア等)に起因してマスターノードに暗黙的に知られている。したがって、スレーブIDは、アップリンクパケット210、230、250において搬送されない。
[0040]
ダウンリンクGACK220{220、240}パケットは、図5に示すように、以下のフィールドを含む。)

図5は下記のとおり。


「[0046]
Downlink retransmission data {530-540}: In the broadcast polling packet 300, data are broadcast for the slaves 120. If the slaves, which the master expected a response in the response period 305, fail to transmit a response, the master 110 assumes that those slaves did not receive their data in the broadcast polling packet 300. Therefore, the data in the broadcast polling packet for those slaves are copied and retransmitted in the GACK packet 320 in this allocated field 820.
[0047]
Resource allocation for retransmitting slaves 830: In this field, resource allocations are reported to the slaves for their retransmission. Slaves that successfully transmitted their responses release their communication resources (e.g., OFDM sub-carriers, frequency channels etc) for the use of failed slaves in their retransmission. The master 110 distributes the available resources among the failed slaves to increase their chances of successful retransmission in the 1 st GACK period 215 and 2 nd GACK period 225.
[0048]
CRC 560: A cyclic redundancy check is added to the resource allocation field for reliability.
[0049]
After receiving a downlink GACK packet 220, a slave first checks the bitmap field 520 and the value of the corresponding bit for itself. If the bit indicates that retransmission is needed from that particular slave, the slave transmits the 'Rtx-1 response' packet 230, which is a copy of its original response 210. During the GACK period 215, the master continues to update its bookkeeping of the successfully received slave responses.
[0050]
After the GACK period timer expires, the master 110 requests a second retransmission from the slaves of which retransmissions failed by preparing and transmitting a second GACK 240, and then sets a GACK2 period expiration timer 225. The structure of the second GACK 240 is the same as that of the first GACK 220.」
(当審訳:【0046】-【0050】を参考
[0046]
ダウンリンク再送信データ{530?540}:ブロードキャストポーリングパケット300において、データがスレーブ120にブロードキャストされる。マスターが応答を予期するスレーブが、応答期間305において応答の送信に失敗した場合、マスター110は、これらのスレーブがブロードキャストポーリングパケット300において、該スレーブのデータを受信しなかったと仮定する。したがって、ブロードキャストポーリングパケットにおけるこれらのスレーブに対するデータはコピーされ、この割り当てられたフィールド820においてGACKパケット320内で再送信される。
[0047]
再送信するスレーブのためのリソース配分830:このフィールドにおいて、スレーブの再送信のために該スレーブにリソース配分が報告される。自身の応答の送信に成功したスレーブは、自身の通信リソース(たとえば、OFDMサブキャリア、周波数チャネル等)を、失敗したスレーブが該スレーブの再送信において使用するために解放する。マスター110は、利用可能なリソースを失敗したスレーブ間に分配して、該スレーブが第1のGACK期間215および第2のGACK期間225において再送信に成功するチャンスを増加させる。
[0048]
CRC560:信頼性のために、巡回冗長検査がリソース配分フィールドに付加される。
[0049]
スレーブは、ダウンリンクGACKパケット220を受信した後、まず、ビットマップフィールド520および自身に対応するビットの値をチェックする。ビットがその特定のスレーブからの再送信が必要であることを示す場合、該スレーブは、「Rtx-1応答」パケット230を送信する。該「Rtx-1応答」パケット230は、その元の応答210のコピーである。GACK期間215中、マスターは、受信に成功したスレーブ応答の自身の記録を更新し続ける。
[0050]
マスター110は、GACK期間タイマーが満了した後、第2のGACK240を準備し送信することによって、再送信が失敗したスレーブからの第2の再送信を要求し、次に、GACK2期間満了タイマー225を設定する。第2のGACK240の構造は、第1のGACK220の構造と同じである。)

の記載があるから、引用例2には、

「ダウンリンク送信は、ブロードキャストポーリングパケット200と、グループ肯定応答(GACK-1)パケット220と、GACK-2パケット240とを含み、アップリンク送信は、スレーブ応答210と、第1のスレーブ応答再送信(Retx-1)パケット230と、第2のスレーブ応答再送信(Retx-2)パケット250とを含み、これらの6つの送信の順序は、ブロードキャストポーリングパケット200、スレーブ応答210、GACK-1パケット220、Retx-1パケット230、GACK-2パケット240、そしてRetx-2パケット250である方法において、
ブロードキャストポーリングパケット300において、データがスレーブ120にブロードキャストされ、マスターが応答を予期するスレーブが、応答期間305において応答の送信に失敗した場合、マスター110は、これらのスレーブがブロードキャストポーリングパケット300において、該スレーブのデータを受信しなかったと仮定して、ブロードキャストポーリングパケットにおけるこれらのスレーブに対するデータはコピーされ、この割り当てられたフィールド820においてGACKパケット320内で再送信される
方法」

が記載されている。(以下「引用発明2」という。)

2.本願発明1と引用発明の比較

(1)本願発明1と引用発明1の比較

引用発明1の「データ送信ノード」は「子ノード」であるから、本願発明1の「ワイヤレスデバイス」に相当し、
引用発明1の「データ受信ノード」は「親ノード」であるから、本願発明1の「アクセスポイント」に相当する。

引用発明1の「データパケット」は、本願発明1の「1つまたは複数のパケット」に相当し、
引用発明1の「グループACK信号」は、本願発明1の「グループ確認応答」に相当する。
そして、引用発明1の「グループACK信号」は、通信フレームの「データ通信期間」のデータパケットについてのACKであるから、「各ワイヤレスデバイスと関連づけられている時間間隔内」で判断を行っているといえる。

引用発明1の「グループACK信号」には、「送信が成功したデータ送信ノードアドレス」と「データパケットシーケンス番号」が含まれているから、「ワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子」に対する「判断の結果」を示しており、「以前の通信を識別する情報」が含まれているといえる。


したがって、本願発明1と引用発明1とは、

「アクセスポイント、および前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法であって、
前記複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されているか否かを、前記アクセスポイントにおいて判断することと、ここにおいて、前記時間間隔は、以前のグループ確認応答が前記複数のワイヤレスデバイスに送られた時に対するものである、
前記複数のワイヤレスデバイスと1対1で対応する複数の指示子を、前記アクセスポイントにおいて生成することであって、各指示子は対応するワイヤレスデバイスに関する前記判断の結果を表し、前記複数の指示子のうちの1つまたは複数の指示子は、前記対応するワイヤレスデバイスから受信した以前の通信を識別する情報を含む、生成することと、
前記複数の指示子を備えるグループ確認応答を、前記アクセスポイントによって送信することと
を備える、方法。」

で一致し、下記の点で相違する。

相違点1

グループ確認応答に関し、本願発明1は「ブロードキャスト」するのに対し、引用発明1は「データ送信ノード」へ行う点。

相違点2

グループ確認応答を行うにあたり、本願発明1は、
「前記複数のワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つのワイヤレスデバイスから受信されるメッセージに応答してグループ確認応答をブロードキャストすることを要求するメッセージを、前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信することと、
前記複数のワイヤレスデバイスに確認メッセージを送信することと、
前記アクセスポイントにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ること」
により、グループ確認応答通信モードに入るのに対し、引用発明1は、「グループ確認応答通信モード」が存在するかどうか記載されておらず、該「グループ確認応答通信モード」にどのように入るかの記載も無い点。

相違点についての判断

相違点1について

相違点1については、前記「第2 原査定の理由の概要と前置報告の内容及び当審の拒絶理由」の「3.当審の拒絶理由」の「相違点についての判断」に記載したとおりである。

相違点2について

グループ確認応答を行うにあたり、「グループ確認応答通信モード」にどのように入るかはいずれの引用例にも記載されておらず、これにより、「AP104およびSTA106の動作モードを連携させる」(本願明細書【0075】参照)ことができるという効果も存在する。

したがって、本願発明1は、引用発明1より容易に発明をすることができたとはいえない。


(2)本願発明1と引用発明2の比較

本願発明1の「グループ確認応答」は、「複数の指示子」を備えるものであって、各指示子は、「ワイヤレスデバイス」に関する「判断の結果」を示し、該「判断」は、アクセスポイントで行われるもので、「ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されている」か否かを判断している。
つまり、本願発明1の「グループ確認応答」は、アクセスポイントが受信したデータについて「正しく復号できたかどうか」を複数のワイヤレスデバイスについて報告するパケットである。

一方、引用発明2の「グループ肯定応答(GACK)」は、「マスターが応答を予期するスレーブが、応答期間305において応答の送信に失敗した場合」に、マスターが送信するパケットであり、その内容は、「再送信されるデータ」が含まれている。つまり、マスターが送信した「ブロードキャストポーリングパケット」の受信に失敗したスレーブに対して再送信されるパケットである。

そうすると、本願発明1の「グループ確認応答」と、引用発明2の「グループ肯定応答」は、その内容は異なるものであって、引用発明2の「グループ肯定応答」が引用発明1の「グループ確認応答」に対応しているとはいえない。

引用発明2の「スレーブ」は、本願発明1の「ワイヤレスデバイス」に相当する。
引用発明2の「マスター」は、複数のスレーブがアクセスする装置であるから、「アクセスポイント」であるといえる。

したがって、本願発明1と引用発明2は、

「アクセスポイント、および前記アクセスポイントと関連付けられている複数のワイヤレスデバイスを有するワイヤレスネットワーク内で通信する方法。」

で一致し、下記の点で相違する。

相違点1

本願発明1は、アクセスポイントが、「複数のワイヤレスデバイスのうちの各ワイヤレスデバイスについて、前記各ワイヤレスデバイスと関連付けられている時間間隔内で1つまたは複数のパケットが正確に復号されているか否か」を判断して、各ワイヤレスデバイスに関する判断の結果を「指示子」として生成し、複数の指示子を備えるグループ確認応答をブロードキャストするのに対し、引用発明2は、グループ確認応答を行うかどうか記載が無い点。

相違点2

グループ確認応答を行うにあたり、本願発明1は、
「前記複数のワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つのワイヤレスデバイスから受信されるメッセージに応答してグループ確認応答をブロードキャストすることを要求するメッセージを、前記複数のワイヤレスデバイスの各々から受信することと、
前記複数のワイヤレスデバイスに確認メッセージを送信することと、
前記アクセスポイントにおいて、前記受信されたメッセージに従ってグループ確認応答通信モードに入ること」
により、グループ確認応答通信モードに入るのに対し、引用発明2は、「グループ確認応答通信モード」が存在するかどうか記載されておらず、該「グループ確認応答通信モード」にどのように入るかの記載も無い点。

相違点についての判断

相違点2について、上記「(1)本願発明1と引用発明1の比較」の「相違点2について」で記載したのと同様の理由により、本願発明1は、引用発明2より容易に発明をすることができたとはいえない。


3.判断

したがって、本願発明1は、当業者が引用発明1あるいは引用発明2に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。

本願の請求項2-42に係る発明も、いずれも、少なくとも上記「相違点2」と同様の相違点を有するから、本願発明1と同様に、当業者が引用発明1あるいは引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。


第5 むすび

以上のとおり、本願の請求項1-42に係る発明は、いずれも、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-11-08 
出願番号 特願2014-528689(P2014-528689)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 野元 久道小池 堂夫  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 吉田 隆之
北岡 浩
発明の名称 複数のデバイスからの通信を確認応答するためのシステムおよび方法  
代理人 奥村 元宏  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 井関 守三  
代理人 福原 淑弘  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ