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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A61F 審判 全部申し立て 2項進歩性 A61F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61F 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 A61F |
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管理番号 | 1321258 |
異議申立番号 | 異議2016-700558 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-06-22 |
確定日 | 2016-11-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5836883号発明「吸収性物品の液透過性のトップシート用の血液改質剤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5836883号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1.手続の経緯 特許第5836883号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成24年3月23日(優先権主張 平成23年3月31日、平成23年9月2日)に特許出願された特願2012-67703の一部を平成24年5月11日に新たな特許出願としたものであって、平成27年11月13日にその特許権の設定登録がされたものである。 その後、その特許について、特許異議申立人荒井夏代により特許異議の申立てがなされ、当審において平成28年8月15日付けで取消理由を通知し、平成28年10月17日付けで意見書が提出され、平成28年10月27日付けで特許異議申立人より上申書が提出された。 第2.本件発明 本件請求項1ないし6に係る発明(以下「本件特許発明1」ないし「本件特許発明6」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし6にそれぞれ記載された以下のとおりのものと認められる。 【請求項1】 0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する、吸収性物品の液透過性のトップシート用の血液改質剤。 【請求項2】 前記血液改質剤が、次の(i)?(iii)、 (i)炭化水素、 (ii) (ii-1)炭化水素部分と、(ii-2)前記炭化水素部分のC-C単結合間に挿入された、カルボニル基(-CO-)及びオキシ基(-O-)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、及び (iii) (iii-1)炭化水素部分と、(iii-2)前記炭化水素部分のC-C単結合間に挿入された、カルボニル基(-CO-)及びオキシ基(-O-)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基と、(iii-3)前記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(-COOH)及びヒドロキシル基(-OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、 並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、 ここで、(ii)又は(iii)の化合物において、オキシ基が2つ以上挿入されている場合には、各オキシ基は隣接していない、 請求項1に記載の血液改質剤。 【請求項3】 前記血液改質剤が、次の(i’)?(iii’)、 (i’)炭化水素、 (ii’) (ii’-1)炭化水素部分と、(ii’-2)前記炭化水素部分のC-C単結合間に挿入された、カルボニル結合(-CO-)、エステル結合(-COO-)、カーボネート結合(-OCOO-)、及びエーテル結合(-O-)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合とを有する化合物、及び (iii’) (iii’-1)炭化水素部分と、(iii’-2)前記炭化水素部分のC-C単結合間に挿入された、カルボニル結合(-CO-)、エステル結合(-COO-)、カーボネート結合(-OCOO-)、及びエーテル結合(-O-)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合と、(iii’-3)前記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(-COOH)及びヒドロキシル基(-OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、 並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、 ここで、(ii’)又は(iii’)の化合物において、2以上の同一又は異なる結合が挿入されている場合には、各結合は隣接していない、 請求項1又は2に記載の血液改質剤。 【請求項4】 前記血液改質剤が、次の(A)?(F)、 (A) (A1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2?4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル、 (B) (B1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2?4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル、 (C) (C1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2?4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル、 (D)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分のC-C単結合間に挿入された、エーテル結合(-O-)、カルボニル結合(-CO-)、エステル結合(-COO-)、及びカーボネート結合(-OCOO-)から成る群から選択されるいずれか1つの結合とを有する化合物、 (E)ポリオキシC_(3)?C_(6)アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル、及び (F)鎖状炭化水素、 並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1?3のいずれか一項に記載の血液改質剤。 【請求項5】 前記血液改質剤が、(a_(1))鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a_(2))鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a_(3))鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(b_(1))鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b_(2))鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b_(3))鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(c_(1))4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素テトラカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c_(2))3個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素トリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c_(3))2個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ジカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(d_(1))脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテル、(d_(2))ジアルキルケトン、(d_(3))脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル、(d_(4))ジアルキルカーボネート、(e_(1))ポリオキシC_(3)?C_(6)アルキレングリコール、(e_(2))ポリオキシC_(3)?C_(6)アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(e_(3))ポリオキシC_(3)?C_(6)アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、及び(f_(1))鎖状アルカン、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1?4のいずれか一項に記載の血液改質剤。 【請求項6】 請求項1?5のいずれか一項に記載の血液改質剤を含む、液体を透過する構造を有するシート状材料。 第3.取消理由の概要 当審において、請求項1ないし6に係る特許に対して通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 本件特許は、明細書、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号、第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献(甲第2号証):特開2003-12490号公報 [理由1](36条) 本件特許の請求項1?6の「血液改質」の意味等が不明確である。また、明細書の記載は、どのようにすれば発明の効果が得られるのかが、当業者が理解できる程度の記載となっていない。 [理由2](29条1項3号) 引用文献には、本件特許の請求項6に係る発明の血液改質剤の具体例であるヤシ油脂肪酸グリセリドが記載されているから、本件特許の請求項6に係る発明は、引用文献に記載された発明である。 [理由3](29条1項3号、2項) 本件特許の請求項1?5に係る発明は、引用文献に記載された発明である。または、引用文献に記載されたものから容易に想到し得た程度のものである。 第4.判断 1.理由1について (1)特許法第36条第6項第2号 上記理由1のうち、「本件特許の請求項1?6の『血液改質』の意味等が不明確である。」は、「本件特許明細書のどこにも、本件特許発明1の化合物が、広辞苑に記載されている『改質』を行うことについて記載がなく、『血液改質』の対象である『血液』が含む範囲も不明である。また、『血液改質』の意味が不明確であるところ、明細書の記載を参酌しても、『血液改質剤』の範囲が不明である。」からである。 吸収性物品の分野において、「改質」ないし「改質剤」の意味は、必ずしも、広辞苑等に記載されている一般的な意味に限定されるものではないところ、本件特許明細書の段落【0107】の「上記血液改質剤は、実施例と共に詳細に考察するが、血液の粘度及び表面張力を下げる作用を少なくとも有することが見出された。」との記載から、本件における「血液改質」とは、「血液の粘度及び表面張力を下げる」ことを意味することは明らかである。 また、「血液改質」の対象である「血液」とは、本件特許明細書の段落【0107】ないし【0108】の「吸収性物品が吸収すべき経血は、高粘度となりやすく、トップシートが不織布又は織布である場合には、経血が繊維の間に目詰まりしやすく、着用者はベタつき感を覚えやすく、そしてトップシートの表面で経血が拡散し、漏れやすくなる。本開示の吸収性物品では、トップシートが、血液の粘度及び表面張力を下げる作用を少なくとも有することが見出された血液改質剤を含むため、トップシートが不織布又は織布である場合には、トップシートの繊維の間に経血が目詰まりしにくく、経血をトップシートから吸収体に迅速に移行させることが可能となる。」との記載から、経血のように純粋な血液を一部に含んでいれば良いものであることも明らかである。 そうすると、本件特許の請求項1ないし6の「血液改質」とは、経血のように純粋な血液を一部に含むものに対する「血液の粘度及び表面張力を下げる」ことを意味することは明らかである。 そして、本件特許の請求項1ないし6における「血液改質剤」とは、前記「血液改質」の用途に用いる剤であることは明らかであるから、「血液改質剤」の意味する範囲が明らかでないということはできない。 したがって、上記取消理由によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことができない。 (2)特許法第36条第4項第1号 上記理由1のうち、「明細書の記載は、どのようにすれば発明の効果が得られるのかが、当業者が理解できる程度の記載となっていない。」は、「本件特許明細書の【表2-1】に記載されたNo.1?22の化合物は、本件特許発明1に含まれる実施例であり、【表2-2】に記載されたNo.23?47の化合物は、本件特許発明1に含まれない比較例であるところ、比較例であるNo.28、33、35、36、42及び43の化合物は、表2によると、課題解決を評価する項目である『リウェット率』、『吸収体移行速度』及び『トップシートの白さ』の各評価項目において、実施例であるNo.12?14の化合物と同等若しくはこれら化合物以上の評価が得られることから、本件特許発明1に含まれる化合物であっても、発明の効果が得られない場合があると解されるので、明細書の記載は、どのようにすれば発明の効果が得られるのかが、当業者が理解できる程度の記載となっていない。」からである。 本件特許発明は、「粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしている吸収性物品を提供することを目的とする」ものであり、また、「粘度の高い経血を、トップシート上に残存させにくく、着用者が視覚的に不快感を覚えにくい吸収性物品を提供することを目的とする」ものである。(本件特許明細書の段落【0007】を参照。) ここで、No.28、33、35、36、42及び43の化合物は、いずれも、本件特許発明1の「1,000未満の重量平均分子量とを有する」との構成要件を満たしていないものであるところ、本件特許明細書の段落【0024】には「重量平均分子量が約1,000以上であると、血液改質剤そのものにタック性が生じ、着用者に不快感を与える傾向がある」との記載があるから、No.28、33、35、36、42及び43の化合物は、血液改質剤そのものにタック性が生じ、着用者に不快感を与えるため、上記本件特許発明の目的に適合しないものである。 してみると、No.12?14の化合物と、No.28、33、35、36、42及び43の化合物は、いずれも、「リウェット率」、「吸収体移行速度」及び「トップシートの白さ」の各評価項目においては、発明の効果が得られているが、No.12?14の化合物は、タック性についても発明の効果が得られているのに対し、No.28、33、35、36、42及び43の化合物は、タック性については発明の効果が得られていないと理解できる。 よって、本件特許発明1に含まれる実施例であるNo.1?22の化合物は全て、本件発明の効果が得られているのに対し、本件特許発明1に含まれない比較例であるNo.28、33、35、36、42及び43の化合物は、上記発明の効果について得られない。 したがって、上記取消理由によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことができない。 (3)小括 上記(2)で示したとおり、理由1によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことができない。 2.理由2について (1)引用文献の記載 引用文献には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「吸収性物品の液透過性のトップシート用のエモリエント剤としてのヤシ油脂肪酸トリグリセリドを含む、生理用ナプキンの表面シート。」 (2)対比 ヤシ油脂肪酸トリグリセリドは、「0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する」ものであると認められるから、引用発明1における「吸収性物品の液透過性のトップシート用のエモリエント剤としてのヤシ油脂肪酸トリグリセリド」は、「0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する、吸収性物品の液透過性のトップシート用の剤」という限りにおいて、本件特許発明6の「請求項1?5のいずれか一項に記載の血液改質剤」と共通する。 また、引用発明1における「生理用ナプキンの表面シート」は、本件特許発明6の「液体を透過する構造を有するシート状材料」に相当する。 よって、本件特許発明6は、シート状材料が含む剤が「血液改質剤」として用いられているのに対し、引用発明1は「エモリエント剤」として用いられている点で一応相違する。 (3)判断 本件特許発明6の「血液改質剤」は、上記1.(1)に示したとおり、経血のように純粋な血液を一部に含むものを対象として、血液の粘度及び表面張力を下げるという用途に用いる剤であるのに対し、引用発明1の「エモリエント剤」は、引用文献の段落【0016】より、皮膚を柔らかくし、緩和し、しなやかにし、被覆し、なめらかにし、加湿しまたは清潔にするという用途に用いられる剤であるから、本件特許発明6の「血液改質剤」と、引用発明1の「エモリエント剤」とは、用途が異なる。 さらに、引用文献において、引用発明1の「エモリエント剤」が、経血のように純粋な血液を一部に含むものを対象として、血液の粘度及び表面張力を下げるという作用を奏することの記載も示唆も見当たらない。 したがって、引用文献には、シート材料が含む剤が「血液改質剤」として用いられているシート状材料の発明が記載されているとはいえない。 よって、上記一応の相違点は、実質的な相違点である。 したがって、理由2によって、請求項6に係る特許を取り消すことができない。 3.理由3について (1)引用文献の記載 引用文献には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 「吸収性物品の液透過性のトップシート用のエモリエント剤としてのヤシ油脂肪酸トリグリセリド。」 (2)対比 ヤシ油脂肪酸トリグリセリドは、「0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する」ものであると認められるから、引用発明2における「吸収性物品の液透過性のトップシート用のエモリエント剤としてのヤシ油脂肪酸トリグリセリド」は、「0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する、吸収性物品の液透過性のトップシート用の剤」という限りにおいて、本件特許発明1の「0.00?0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00?0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する、吸収性物品の液透過性のトップシート用の血液改質剤」と共通する。 よって、本件特許発明1は、剤が「血液改質剤」であるのに対し、引用発明2は「エモリエント剤」である点で一応相違する。 (3)判断 上記2.(3)に示した理由より、引用文献には「血液改質剤」は記載されていないから、本件特許発明1は、引用文献に記載された発明ではなく、上記一応の相違点は、実質的な相違点である。 また、引用文献には、引用発明2が、経血のように純粋な血液を一部に含むものを対象として、血液の粘度及び表面張力を下げるという作用を奏することの記載も示唆もなく、さらに、引用発明2を「エモリエント剤」の用途ではなく「血液改質剤」の用途で使用することが当業者には自明であるともいえないから、本件特許発明1は、引用発明2から当業者が容易に想到し得たものでもない。 したがって、理由3によって、請求項1に係る特許を取り消すことができない。 請求項2ないし5は、いずれも請求項1を引用しており、本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1の構成を全て含むので、理由3によって、請求項2ないし5に係る特許を取り消すことができない。 第5.むすび したがって、上記取消理由によっては、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことができない。 また、他に請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-10-31 |
出願番号 | 特願2012-109590(P2012-109590) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(A61F)
P 1 651・ 113- Y (A61F) P 1 651・ 537- Y (A61F) P 1 651・ 536- Y (A61F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 新田 亮二 |
特許庁審判長 |
久保 克彦 |
特許庁審判官 |
千葉 成就 山田 由希子 |
登録日 | 2015-11-13 |
登録番号 | 特許第5836883号(P5836883) |
権利者 | ユニ・チャーム株式会社 |
発明の名称 | 吸収性物品の液透過性のトップシート用の血液改質剤 |
代理人 | 奥野 剛規 |
代理人 | 出野 知 |
代理人 | 胡田 尚則 |
代理人 | 蛯谷 厚志 |
代理人 | 小野田 浩之 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 鈴木 康義 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 鈴木 啓靖 |
代理人 | 上野 美紀 |
代理人 | 古賀 哲次 |
代理人 | 藤本 健治 |