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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G03B
管理番号 1321461
審判番号 訂正2016-390096  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-07-14 
確定日 2016-09-15 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5836870号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5836870号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2012-89306号は、平成24年4月10日の特許出願であるところ、平成27年9月30日に特許査定され、その後、請求項1から10までに係る発明について、平成27年11月13日に特許権の設定の登録がされた(特許第5836870号、以下「本件特許」という。)。

2 本件特許について
(1)発明の詳細な説明の記載
本件特許の発明の詳細な説明には、図面とともに、概略、以下の記載がある。

ア 「【0011】
<レンズマウントの構造>
図1は、本発明の実施形態に係るレンズマウントを備える撮像装置本体200に交換レンズ100を取り付けてなる撮像装置の外観を示す正面斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を、撮像装置本体200の正面側から見て示す分解斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を、撮像装置本体200の背面側から見て示す分解斜視図である。図4は、交換レンズ100のマウント部110の一部を示す正面斜視図である。
【0012】
撮像装置本体200の正面側に交換レンズ100を着脱するためのレンズマウントが設けられている。交換レンズ100は、従来のバヨネット式レンズマウントに準じた構造を有するマウント部110を備えている。すなわち、交換レンズ100において、撮像装置本体200に設けられたレンズマウントに着脱されるマウント部110は、レンズ側マウント面111及びバヨネット爪部112a,112b,112cを有する。そして、図4に示されるように、バヨネット爪部112a?112cは、バヨネット爪接触面113a,113b,113cを有する。
【0013】
撮像装置本体200に設けられたレンズマウントは、大略的に、第1の固定部210、固定マウント部220、可動マウント部240及び腕部260a,260bによって構成される。撮像装置本体200のフレーム(不図示)等に固定される第1の固定部210は、第1の締結部211a,211b,211c,211dを有し、第1の締結部211a?211dにはタップが切られている。
【0014】
固定マウント部220は、本体側マウント面221、開口部222、雌ねじ部(第1のねじ部)223、貫通穴部224a,224b,224c,224d、第1の当接面231及び第2の当接面232を有する。本体側マウント面221は、交換レンズ100が撮像装置本体200に装着されたときに、交換レンズ100のレンズ側マウント面111と当接する。また、開口部222には、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cが挿通される。雌ねじ部223は、光軸を中心にして形成されている。貫通穴部224a?224dを挿通したビスが第1の固定部210の第1の締結部211a?211dに締結され、これにより、固定マウント部220は第1の固定部210に固定される。
【0015】
可動マウント部240は、爪部241a,241b,241c、雄ねじ部(第2のねじ部)243及び締結部244a,244b,244c,244dを有する。爪部241a?241cはそれぞれ、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cのバヨネット爪接触面113a?113cと当接する爪接触面242a,242b,242cを有する。雄ねじ部243は、固定マウント部220の雌ねじ部223と螺合する。締結部244a?244dにはタップが切られている。
【0016】
腕部260a,260bは同等構造を有する。腕部260a,206bはそれぞれ、腕部当接面265,266を有する。また、腕部260aは貫通穴部264a,264bを有し、腕部260bは貫通穴部264c,264dを有する。腕部260a,260bは、第1の固定部210と固定マウント部220とに挟まれた領域において、可動マウント部240に対して突設される。貫通穴部264a?264dに挿通されたビスは、締結部244a?244dに締結され、これにより腕部260a,260bは可動マウント部240に固定される。腕部当接面265,266の機能については、後述する。」

イ 「【0017】
<交換レンズ100の撮像装置本体200に対する着脱方法>
図5は、交換レンズ100を撮像装置本体200に取り付けるときのレンズマウントの要素の動作を示す正面図である。
【0018】
図5(a)は、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cと可動マウントの爪部241a?241cとが光軸投影上で重なっておらず、交換レンズ100が撮像装置本体200に対して着脱可能な位置を示している。なお、「爪部どうしが光軸投影上で重なっていない」とは、各爪部を光軸方向から重ねてみたときに、それぞれの爪部が重なっていないことをいう。
【0019】
図5(b)は、可動マウント部240を固定マウント部220に対して、光軸を中心にして撮像装置本体200の正面から見て反時計回りに回転させ、バヨネット爪部112a?112cと爪部241a?241cとが光軸投影上で重なった状態を示す。なお、可動マウント部240の回転方法については後述する。
【0020】
図5(c)は、爪接触面242a?242cとバヨネット爪接触面113a?113cとが当接するまで可動マウント部240を回転させ、交換レンズ100が、撮像装置本体200に対して取り付けられた状態を示す。
【0021】
図6(a)は、図5(a)中に示す矢視A-A断面図であり、図6(b)は、図5(b)中に示す矢視B-B断面図であり、図6(c)は、図5(c)中に示す矢視C-C断面図である。また、図7(a)は、図5(a)中に示すD部の拡大図であり、図7(b)は、図5(b)中に示すE部の拡大図であり。図7(c)は、図5(c)中に示すF部の拡大図である。
【0022】
図6(b)に示すように、本実施形態では、交換レンズ100のマウント部110のレンズ側マウント面111からバヨネット爪接触面113aまでの距離を「距離α」とする。また、固定マウント部220の本体側マウント面221と可動マウント部240の爪接触面242aとの間の距離を「距離β」とする。
【0023】
図5(a)の状態では、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cを固定マウント部220の開口部222に挿通させ、交換レンズ100のレンズ側マウント面111と撮像装置本体200の本体側マウント面221とを当接させている。すなわち、図5(a)の状態は、交換レンズ100を撮像装置本体200に落とし込んだ状態である。
【0024】
図5(b)の状態では、可動マウント部240の爪部241a?241cは、雌ねじ部223と雄ねじ部243とが螺合しているため、可動マウント部240の回転にしたがって光軸方向に沿って第1の固定部210に向かって移動している。
【0025】
図5(c)の状態では、可動マウント部240の回転が終了している。可動マウント部240の爪部241a?241cの爪接触面242a?242cは、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cのバヨネット爪接触面113a?113cと当接している。つまり、交換レンズ100は、撮像装置本体200に対して、がたつきのない状態で固定されている。
【0026】
ここで、本実施形態に係るレンズマウントを従来のレンズマウントと対比する。ねじ式レンズマウントの場合、図6(c)で当接している爪接触面242a?242cとバヨネット爪接触面113a?113cの役割を持つ面を、撮像装置本体200の本体側マウント面221よりも交換レンズ100側に設ける必要がある。そのため、ねじ式レンズマウントは、撮像装置本体200の小型化に不向きである。一方、一般的なバヨネット式レンズマウントの場合、本実施形態(図6(c))において当接している可動マウント部240の爪接触面242a?242cと交換レンズ100のバヨネット爪接触面113a?113cとの間に、隙間が存在する。つまり、“距離α>距離β”の関係となっており、その隙間を埋めるためにバネ部材を用いているが、このバネ部材のたわみ分だけ、交換レンズががたつくこととなる。
【0027】
これに対して、本実施形態に係るレンズマウントは、撮像装置本体200の本体側マウント面221よりも第1の固定部210側(撮像装置本体200の内部側)に、交換レンズ100を撮像装置本体200に固定する構造を持つ。そのため、ねじ式レンズマウントよりも、撮像装置本体200の小型化に有利である。また、従来のバヨネット式レンズマウントと比較すると、可動マウント部240の爪接触面242a?242cと交換レンズ100のバヨネット爪接触面113a?113cとの間に隙間が無いため、交換レンズ100のがたつきが防止される点で有利である。
【0028】
なお、本実施形態では、雄ねじ部243と雌ねじ部223を、例えば、左ねじ、ねじ送り量:2mm、ねじピッチ:1mmで構成することができる。また、雄ねじ部243と雌ねじ部223とは、既存のバヨネット式レンズマウントの交換レンズ100の取り付け回転方向が撮像装置本体200に対して時計回りであれば左ねじとなり、反時計回りであれば右ねじとなる。
【0029】
ねじ送り量が大きいほど、少ない回転操作量で大きな光軸方向の移動距離が得られる。つまり、ねじ送り量を大きくすると、回転操作量に対する距離βの移動量が大きくなる。例えば、距離αが交換レンズ100のマウント部110の個体差に起因してばらついていても、このばらつきを上回る距離を少ない回転動作量で移動可能になるため、交換レンズ100を確実に締結し、固定することができる。逆に、ねじ送り量が小さいと、締め付け軸力が大きくなる。つまり、交換レンズ100を取り付けたときの締結力を大きくする場合は、ねじ送り量を小さくする必要がある。このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がる。
【0030】
また、雄ねじ部243と雌ねじ部223において、螺合するねじ山の数を多くすると、雄ねじ部243と雌ねじ部223への応力集中を分散させることができる。よって、狭いスペースで螺合するねじ山の数を多くし、且つ、確実な締結と大きな締め付け軸力とを得るためには、ねじピッチが小さく、且つ、ねじ送り量の大きい、多条ねじを用いることが好ましい。なお、本実施形態における雄ねじ部243と雌ねじ部223との間には、摺動グリスが塗布される。これにより、雄ねじ部243と雌ねじ部223との摺動回転時のざらつきを抑え、耐久性能と摺動感を向上させることができる。」

(2)図面の記載
ア 「【図1】



イ 「【図2】



ウ 「【図3】



エ 「【図4】



オ 「【図5】



カ 「【図6】



キ 「【図7】



ク 「【図8】



(3)請求項1及び請求項10の記載
本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び請求項10の記載は、以下のとおりである。
「【請求項1】
バヨネット爪部を備える交換レンズを撮像装置本体に対して着脱するために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントであって、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像装置本体に設けられた撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される第1の固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記第1の固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とするレンズマウント。」
「【請求項10】
撮像素子を有する撮像装置本体と、バヨネット爪部を有する交換レンズの前記撮像装置本体に対する着脱を自在に行うために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントと、を有する撮像装置であって、
前記レンズマウントは、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とする撮像装置。」

3 請求の趣旨及び訂正の内容
平成28年7月14日、特許権者は、訂正審判を請求した。
請求の趣旨は、「特許第5836870号の明細書及び特許請求の範囲を審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を表す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項1】に、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」とあるのを、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の【請求項10】に、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」とあるのを、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」に訂正する。

(3)訂正事項3
明細書の段落【0007】に、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」とあるのを、
「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」に訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の段落【0029】に、
「このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がる。」とあるのを、
「このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がある。」に訂正する。

第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1及び請求項10を、それぞれ、「訂正前請求項1」及び「訂正前請求項10」といい、両者を「訂正前請求項」と総称する。また、訂正前請求項1に係る発明及び訂正前請求項10に係る発明を、それぞれ、「訂正前発明1」及び「訂正前発明10」といい、両者を「訂正前発明」と総称する。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」などという。

1 請求項1及び請求項10の記載
(1)訂正前請求項の記載は、前記「第1」2(3)のとおりである。

(2)訂正後請求項の記載は、次のとおりである。
「【請求項1】
バヨネット爪部を備える交換レンズを撮像装置本体に対して着脱するために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントであって、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像装置本体に設けられた撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される第1の固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記第1の固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とするレンズマウント。」
「【請求項10】
撮像素子を有する撮像装置本体と、バヨネット爪部を有する交換レンズの前記撮像装置本体に対する着脱を自在に行うために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントと、を有する撮像装置であって、
前記レンズマウントは、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とする撮像装置。」

2 特許法第126条第1項ただし書について
(1)訂正事項1
ア 本件特許の明細書の「【0011】・・・略・・・図2は、本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を、撮像装置本体200の正面側から見て示す分解斜視図であり、」(上記第1の2(1)ア)の記載からみて、「撮像装置本体200の正面側」とは「被写体側」を意味することが明らかである。また、本件特許の図8に、「第1の固定部210」の背後に「撮像素子210」を備える「撮像素子ユニット310」が位置していることが記載されている。そうすると、本件特許の図2において、「マウント部110」、「固定マウント部220」及び「可動マウント部240」の相互の位置関係は、「被写体側」から「撮像素子に近い側」へ順に「マウント部110」、「固定マウント部220」及び「可動マウント部240」が位置するといえる。
イ 上記アの事項、及び、本件特許の図6における「マウント部110」、「固定マウント部220」及び「可動マウント部240」の配置態様からみて、上記第1の2(2)カでいう図6の下側(図6の「(a)」ないし「(c)」が記載されている側)が「撮像素子に近い側」で、上記第1の2(2)カでいう図6の上側(図6の「(a)」ないし「(c)」が記載されていない側)が「被写体側」といえる。
ウ 上記イからみて、本件特許の図6(b)において、「バヨネット爪接触面113a」は、「爪接触面242a」よりも「撮像素子に近い側」に位置するといえる。本件特許の【0015】等の記載からみて、「バヨネット爪接触面113a」を有する部位が「バヨネット爪部112a?112c」であり、「爪接触面242a」を有する部位が「可動マウント部の爪部241a?241c」である。そうすると、本件特許の図6には、交換レンズのバヨネット爪部が可動レンズの爪部よりも「撮像素子に近い側」にあることが記載されているといえる。
エ 仮に、訂正前請求項1のように、交換レンズのバヨネット爪部が可動レンズの爪部よりも「被写体側」にあるとすると、そもそも、図6(c)や【0026】に記載されているような、可動レンズの爪部の一部である「爪接触面242a?242c」と、交換レンズのバヨネット爪部の一部である「バヨネット爪接触面113a?113c」とが接触して、交換レンズのバヨネット爪部と可動レンズの爪部とが係合することができず、本件特許発明の課題を解決できないものとなる。
オ 以上のとおり、本件特許の明細書及び図面の記載からみて、訂正前請求項1の「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも被写体側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」の記載が誤りで、訂正後請求項1の「前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部」の記載が正しいことは、当業者に明らかであり、当業者であれば、そのことに気付いて前記訂正前請求項1の記載を前記訂正後請求項1の記載の趣旨に理解することは当然といえるから、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正である。
カ また、請求項2から9は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2から9についても訂正されることとなるところ、請求項2から9についての訂正が、誤記の訂正を目的とする訂正であることは、明らかである。

(2)訂正事項2
請求項10についての訂正についても、請求項1の訂正と同様であるから、請求項10についての訂正も、誤記の訂正を目的とする訂正である。

(3)訂正事項3
訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とする訂正である。

(4)訂正事項4
訂正事項4は、訂正前明細書の段落【0029】の「このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がる。」を「このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がある。」と訂正するものであり、誤記の訂正を目的とする訂正である。

(5)小括
訂正事項1ないし4は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。

3 特許法第126条第5項について
(1)訂正事項1について
請求項1の訂正についてみると、上記2(1)で検討したように、訂正後発明1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されているといえる。
また、請求項2から9は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2から9についても訂正されることとなるところ、これら請求項についての訂正も、同様である。
したがって、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(2)訂正事項2について
請求項10の訂正についても、請求項1の訂正と同様であるから、請求項10についての訂正も、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項3は、訂正事項1と同様の理由により、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、上記2(4)のとおり、明らかな誤記を訂正するものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(5)小括
訂正事項1ないし4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

4 特許法第126条第6項について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正であって、本件特許の明細書及び図面の記載に接した当業者ならば、訂正前発明1の要旨を訂正後発明1の要旨のとおり理解したことは当然である。
したがって、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
また、請求項2から9は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2から9についても訂正されることとなるところ、請求項2から9についての訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもないことは、明らかである。

(2)訂正事項2について
請求項10の訂正についても、請求項1の訂正と同様であるから、請求項10についての訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
訂正事項3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、上記2(4)のとおり、明らかな誤記を訂正するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(5)小括
訂正事項1ないし4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

5 特許法第126条第7項について
訂正後発明1及び10が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1ないし4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
レンズマウント及び撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換が可能な撮像装置のレンズマウントに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子を内蔵する撮像装置として、状況に応じて画角や焦点深度、F値等を変えて撮影を行うことができるように、単焦点レンズやズームレンズ、広角レンズ、望遠レンズ、マクロレンズ等(以下「交換レンズ」と称する)を交換可能な撮像装置が知られている。交換レンズを撮像装置本体に対して着脱自在とするためのレンズマウント方式としては、バヨネット式レンズマウントが広く用いられている。
【0003】
バヨネット式レンズマウントでは、一般的に、撮像素子までの距離が調整されるように撮像装置本体に設けられたマウント面に爪形状部を形成し、一方、交換レンズのマウント面にも爪形状部を形成する。そして、互いのマウント面を当接させた状態で交換レンズ撮像装置本体とを相対的に回転させることで、互いの爪形状部を嵌合させる。このとき、撮像装置本体に内蔵されたバネ部材が、交換レンズの爪形状部を撮像装置本体の内部に向けて付勢することにより交換レンズが撮像素子側に付勢され、これにより交換レンズは撮像装置本体に保持される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-102005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のバヨネット式レンズマウントでは、バネ部材の付勢力により交換レンズを保持しているため、バネ部材の撓みの分だけ交換レンズががたつくという問題がある。特に、大型の交換レンズを取り付けた場合には、レンズマウント部でのがたつきが生じやすくなり、レンズマウント部のがたつきによって撮影画像の画質が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、交換レンズを撮像装置本体に対して容易に着脱することができるようにすると共に、交換レンズが撮像装置本体に取り付けられた状態において交換レンズのがたつきを抑えることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るレンズマウントは、バヨネット爪部を備える交換レンズを撮像装置本体に対して着脱するために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントであって、前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像装置本体に設けられた撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される第1の固定部と、前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記第1の固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、交換レンズを撮像装置本体に対して容易に取り付けることができ、取り付けられた状態での交換レンズのがたつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るレンズマウントを備える撮像装置本体に交換レンズを取り付けてなる撮像装置の外観を示す正面斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を撮像装置本体の正面側から見て示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を撮像装置本体の背面側から見て示す分解斜視図である。
【図4】交換レンズのマウント部の一部を示す正面斜視図である。
【図5】交換レンズを撮像装置本体に取り付けるときのレンズマウントの要素の動作を示す正面図である。
【図6】図5中に示す矢視A-A断面図、矢視B-B断面図及び矢視C-C断面図である。
【図7】図5中に示すD部、E部及びF部の拡大図である。
【図8】本発明の実施形態に係るレンズマウントの全体構成を撮像装置本体の正面側から見て示す分解斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るレンズマウントの全体構成を撮像装置本体の背面側から見て示す分解斜視図である。
【図10】図9に示すG部を詳細に示す拡大図である。
【図11】撮像装置本体に対して交換レンズを着脱する様子を示す斜視図である。
【図12】レンズマントの全体構成における、腕部の光軸に垂直な断面図である。
【図13】交換レンズを撮像装置本体に取り付ける際のレンズマウント(全体構成)の動作を経時的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<レンズマウントの構造>
図1は、本発明の実施形態に係るレンズマウントを備える撮像装置本体200に交換レンズ100を取り付けてなる撮像装置の外観を示す正面斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を、撮像装置本体200の正面側から見て示す分解斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係るレンズマウントの要部を、撮像装置本体200の背面側から見て示す分解斜視図である。図4は、交換レンズ100のマウント部110の一部を示す正面斜視図である。
【0012】
撮像装置本体200の正面側に交換レンズ100を着脱するためのレンズマウントが設けられている。交換レンズ100は、従来のバヨネット式レンズマウントに準じた構造を有するマウント部110を備えている。すなわち、交換レンズ100において、撮像装置本体200に設けられたレンズマウントに着脱されるマウント部110は、レンズ側マウント面111及びバヨネット爪部112a,112b,112cを有する。そして、図4に示されるように、バヨネット爪部112a?112cは、バヨネット爪接触面113a,113b,113cを有する。
【0013】
撮像装置本体200に設けられたレンズマウントは、大略的に、第1の固定部210、固定マウント部220、可動マウント部240及び腕部260a,260bによって構成される。撮像装置本体200のフレーム(不図示)等に固定される第1の固定部210は、第1の締結部211a,211b,211c,211dを有し、第1の締結部211a?211dにはタップが切られている。
【0014】
固定マウント部220は、本体側マウント面221、開口部222、雌ねじ部(第1のねじ部)223、貫通穴部224a,224b,224c,224d、第1の当接面231及び第2の当接面232を有する。本体側マウント面221は、交換レンズ100が撮像装置本体200に装着されたときに、交換レンズ100のレンズ側マウント面111と当接する。また、開口部222には、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cが挿通される。雌ねじ部223は、光軸を中心にして形成されている。貫通穴部224a?224dを挿通したビスが第1の固定部210の第1の締結部211a?211dに締結され、これにより、固定マウント部220は第1の固定部210に固定される。
【0015】
可動マウント部240は、爪部241a,241b,241c、雄ねじ部(第2のねじ部)243及び締結部244a,244b,244c,244dを有する。爪部241a?241cはそれぞれ、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cのバヨネット爪接触面113a?113cと当接する爪接触面242a,242b,242cを有する。雄ねじ部243は、固定マウント部220の雌ねじ部223と螺合する。締結部244a?244dにはタップが切られている。
【0016】
腕部260a,260bは同等構造を有する。腕部260a,206bはそれぞれ、腕部当接面265,266を有する。また、腕部260aは貫通穴部264a,264bを有し、腕部260bは貫通穴部264c,264dを有する。腕部260a,260bは、第1の固定部210と固定マウント部220とに挟まれた領域において、可動マウント部240に対して突設される。貫通穴部264a?264dに挿通されたビスは、締結部244a?244dに締結され、これにより腕部260a,260bは可動マウント部240に固定される。腕部当接面265,266の機能については、後述する。
【0017】
<交換レンズ100の撮像装置本体200に対する着脱方法>
図5は、交換レンズ100を撮像装置本体200に取り付けるときのレンズマウントの要素の動作を示す正面図である。
【0018】
図5(a)は、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cと可動マウントの爪部241a?241cとが光軸投影上で重なっておらず、交換レンズ100が撮像装置本体200に対して着脱可能な位置を示している。なお、「爪部どうしが光軸投影上で重なっていない」とは、各爪部を光軸方向から重ねてみたときに、それぞれの爪部が重なっていないことをいう。
【0019】
図5(b)は、可動マウント部240を固定マウント部220に対して、光軸を中心にして撮像装置本体200の正面から見て反時計回りに回転させ、バヨネット爪部112a?112cと爪部241a?241cとが光軸投影上で重なった状態を示す。なお、可動マウント部240の回転方法については後述する。
【0020】
図5(c)は、爪接触面242a?242cとバヨネット爪接触面113a?113cとが当接するまで可動マウント部240を回転させ、交換レンズ100が、撮像装置本体200に対して取り付けられた状態を示す。
【0021】
図6(a)は、図5(a)中に示す矢視A-A断面図であり、図6(b)は、図5(b)中に示す矢視B-B断面図であり、図6(c)は、図5(c)中に示す矢視C-C断面図である。また、図7(a)は、図5(a)中に示すD部の拡大図であり、図7(b)は、図5(b)中に示すE部の拡大図であり。図7(c)は、図5(c)中に示すF部の拡大図である。
【0022】
図6(b)に示すように、本実施形態では、交換レンズ100のマウント部110のレンズ側マウント面111からバヨネット爪接触面113aまでの距離を「距離α」とする。また、固定マウント部220の本体側マウント面221と可動マウント部240の爪接触面242aとの間の距離を「距離β」とする。
【0023】
図5(a)の状態では、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cを固定マウント部220の開口部222に挿通させ、交換レンズ100のレンズ側マウント面111と撮像装置本体200の本体側マウント面221とを当接させている。すなわち、図5(a)の状態は、交換レンズ100を撮像装置本体200に落とし込んだ状態である。
【0024】
図5(b)の状態では、可動マウント部240の爪部241a?241cは、雌ねじ部223と雄ねじ部243とが螺合しているため、可動マウント部240の回転にしたがって光軸方向に沿って第1の固定部210に向かって移動している。
【0025】
図5(c)の状態では、可動マウント部240の回転が終了している。可動マウント部240の爪部241a?241cの爪接触面242a?242cは、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cのバヨネット爪接触面113a?113cと当接している。つまり、交換レンズ100は、撮像装置本体200に対して、がたつきのない状態で固定されている。
【0026】
ここで、本実施形態に係るレンズマウントを従来のレンズマウントと対比する。ねじ式レンズマウントの場合、図6(c)で当接している爪接触面242a?242cとバヨネット爪接触面113a?113cの役割を持つ面を、撮像装置本体200の本体側マウント面221よりも交換レンズ100側に設ける必要がある。そのため、ねじ式レンズマウントは、撮像装置本体200の小型化に不向きである。一方、一般的なバヨネット式レンズマウントの場合、本実施形態(図6(c))において当接している可動マウント部240の爪接触面242a?242cと交換レンズ100のバヨネット爪接触面113a?113cとの間に、隙間が存在する。つまり、“距離α>距離β”の関係となっており、その隙間を埋めるためにバネ部材を用いているが、このバネ部材のたわみ分だけ、交換レンズががたつくこととなる。
【0027】
これに対して、本実施形態に係るレンズマウントは、撮像装置本体200の本体側マウント面221よりも第1の固定部210側(撮像装置本体200の内部側)に、交換レンズ100を撮像装置本体200に固定する構造を持つ。そのため、ねじ式レンズマウントよりも、撮像装置本体200の小型化に有利である。また、従来のバヨネット式レンズマウントと比較すると、可動マウント部240の爪接触面242a?242cと交換レンズ100のバヨネット爪接触面113a?113cとの間に隙間が無いため、交換レンズ100のがたつきが防止される点で有利である。
【0028】
なお、本実施形態では、雄ねじ部243と雌ねじ部223を、例えば、左ねじ、ねじ送り量:2mm、ねじピッチ:1mmで構成することができる。また、雄ねじ部243と雌ねじ部223とは、既存のバヨネット式レンズマウントの交換レンズ100の取り付け回転方向が撮像装置本体200に対して時計回りであれば左ねじとなり、反時計回りであれば右ねじとなる。
【0029】
ねじ送り量が大きいほど、少ない回転操作量で大きな光軸方向の移動距離が得られる。つまり、ねじ送り量を大きくすると、回転操作量に対する距離βの移動量が大きくなる。例えば、距離αが交換レンズ100のマウント部110の個体差に起因してばらついていても、このばらつきを上回る距離を少ない回転動作量で移動可能になるため、交換レンズ100を確実に締結し、固定することができる。逆に、ねじ送り量が小さいと、締め付け軸力が大きくなる。つまり、交換レンズ100を取り付けたときの締結力を大きくする場合は、ねじ送り量を小さくする必要がある。このように、雄ねじ部243と雌ねじ部223のねじ送り量は、必要な特性が得られるように、適切に設定する必要がある。
【0030】
また、雄ねじ部243と雌ねじ部223において、螺合するねじ山の数を多くすると、雄ねじ部243と雌ねじ部223への応力集中を分散させることができる。よって、狭いスペースで螺合するねじ山の数を多くし、且つ、確実な締結と大きな締め付け軸力とを得るためには、ねじピッチが小さく、且つ、ねじ送り量の大きい、多条ねじを用いることが好ましい。なお、本実施形態における雄ねじ部243と雌ねじ部223との間には、摺動グリスが塗布される。これにより、雄ねじ部243と雌ねじ部223との摺動回転時のざらつきを抑え、耐久性能と摺動感を向上させることができる。
【0031】
<レンズマウントへの機能部の配置>
次に、上述したレンズマウントの要部に機能部を追加した構成であるレンズマウントの全体構成について説明する。図8は、レンズマウントの全体構成を撮像装置本体200の正面側から見て示す分解斜視図である。図9は、レンズマウントの全体構成を撮像装置本体200の背面側から見て示す分解斜視図であり、図10は、図9中のG部を詳細に示す拡大図である。
【0032】
交換レンズ100は、鏡筒部170、マウント部110及び電気通信接点部180を有する。撮像装置本体200のレンズマウントは、第1の固定部210、固定マウント部220、可動マウント部240、腕部260a,260b、撮像素子ユニット310、リング部320、第2の固定部340及び操作部330を有する。また、撮像装置本体200のレンズマウントは、弾性部材350、金属球体360、電気通信接点部380及び回転検出部370を備える。
【0033】
撮像素子ユニット310は、撮像素子311、撮像素子311が実装される基板312、及び、基板312を保持する保持板材313を有し、保持板材313には貫通穴部314a,314b,314cが形成されている。基板312に実装された撮像素子311は、交換レンズ100から入ってきた光を映像信号に変換する。
【0034】
第1の固定部210には第2の締結部212a,212b,212cが形成されており(図9参照)、ビスを、貫通穴部314a?314cに挿通させて、第2の締結部212a?212cに締結する。このとき、保持板材313と第1の固定部210との間に任意の厚みのワッシャ(不図示)を挟むことによって、撮像素子311と固定マウント部220の本体側マウント面221との距離(フランジバック量)を調整する。こうして、撮像素子ユニット310は第1の固定部210に固定される。
【0035】
リング部320は、開口部321、環状凸部322、切り欠き環状凸部323及び貫通穴部326a,326b,326c,326dを有する。開口部321は、固定マウント部220が有する筒部225(図8参照)と隙間嵌めの寸法関係で摺動係合し、固定マウント部220に対して回転自在に配設される。ここで、隙間嵌めの寸法関係であることから、リング部320と固定マウント部220との隙間は狭く、この隙間からの水滴やごみ、光の侵入を防ぐことができる。つまり、リング部320と固定マウント部220とによって、防滴、防塵及び遮光機能が発揮される構成となっている。なお、摺動係合の隙間に摺動グリスを塗布することにより、摺動性を高めることができると共に、隙間に満たされた摺動グリスにより、防滴、防塵機能を強化することができる。
【0036】
環状凸部322は、リング部320の外周に設けられている。切り欠き環状凸部323は、固定マウント部220の外周全域に設けられた環状凹部226と対向する位置に設けられている。図8に示すように、貫通穴部326a,326bは腕部260aが有するタップの切られた締結部261a,261bと、貫通穴部326c,326dは腕部260bが有するタップの切られた締結部261c,261dと、それぞれ、ビスにより締結される。
【0037】
操作部330は、指係り部331と、貫通穴部332a,332bとを有する。貫通穴部332a,332bに挿通したビスは、更にリング部320の貫通穴部326a,326bを挿通し、腕部260aの締結部261a,261bに締結される。こうして、操作部330は腕部260aを介して可動マウント部240と連結されるため、撮影者は、指係り部331に指を掛けて、可動マウント部240の回転方向に操作部330を回動させることで、可動マウント部240の回転操作を行うことができる。なお、操作部330は、リング部320の貫通穴部326c,326dにも配設することができる。
【0038】
第2の固定部340は、環状凹部341、第1の指置き部342、第2の指置き部343及び貫通穴部344a,344b,344c,344dを有する。環状凹部341は、リング部320の環状凸部322と係合する。これにより、係合面積が広くなると共に係合する隙間の形状が屈曲するため、リング部320と第2の固定部340との間の隙間からの水滴やごみ等の異物の侵入や光の侵入を防ぐことができる。
【0039】
第1の指置き部342と第2の指置き部343は、操作部330の回動軌跡に干渉しない位置に設けられる。ビスが、貫通穴部344a?344dに挿通され、固定マウント部220に設けられたタップの切られた締結部227a?227dに締結される。これにより、第2の固定部340は固定マウント部220に固定される。
【0040】
交換レンズ100が撮像装置本体200に取り付けられると、電気通信接点部180,380どうしが一定の力で接触して導通した状態となる。これにより、撮像装置本体200から交換レンズ100への給電が行われ、交換レンズ100と撮像装置本体200との間で制御信号の送受信が可能になる。
【0041】
回転検出部370は、可動マウント部240と締結されたリング部320の切り欠き環状凸部323により、電気通信接点部180と電気通信接点部380との電気通信のオン/オフを切り替える。弾性部材350及び金属球体360の機能については後述する。
【0042】
<撮像装置本体200に対する交換レンズ100の着脱操作>
図11は、撮像装置本体200に対して交換レンズ100を着脱する様子を示す斜視図であり、図11(a)は取り付け時の様子を、図11(b)は取り外し時の様子をそれぞれ示している。
【0043】
撮像装置本体200に交換レンズ100を取り付ける場合、図11(a)に示すように、操作部330の指係り部331に指を掛け、第2の固定部340の第1の指置き部342には別の指を置く。
【0044】
例えば、指係り部331のみを把持して操作部330を回動させることにより交換レンズ100を撮像装置本体200に取り付けようとすると、撮像装置本体200にも回動操作の力が加わる。そのため、撮像装置本体200を押さえた状態で操作部330の回動操作を行う必要が生じる。
【0045】
これに対して、図11(a)に示す方法によれば、第1の指置き部342には、操作部330の回動操作時には、指係り部331に作用する力と反する力が加わるため、撮像装置本体200を押さえながら回動操作を行う必要が無くなる。また、握力を使って操作部330の回動操作を行うため、指係り部331のみを把持して回動操作を行う場合よりも強い締め付け軸力が発生し、撮像装置本体200と交換レンズ100とを強く締結することができる。
【0046】
撮像装置本体200から交換レンズ100を取り外す場合、図11(b)に示すように、指係り部331に指を掛け、第2の指置き部343に別の指を置く。撮像装置本体200から交換レンズ100を取り外す場合も、撮像装置本体200に交換レンズ100を取り付ける場合と同様に、撮像装置本体200を押さえながら操作部330の回動操作を行う必要はない。
【0047】
図12は、レンズマントの全体構成における、腕部260aの光軸に垂直な断面図である。腕部260aは、筒状凹部262と、底面263とを有する。筒状凹部262には、圧縮コイルバネである弾性部材350が摺動係合し、弾性部材350の一方の端が、底面263と当接する。弾性部材350において底面263と当接していない端には、金属球体360が配置される。これにより、弾性部材350は金属球体360を固定マウント部220の側面228(図8参照)に向けて付勢し、金属球体360は側面228に圧接する。
【0048】
固定マウント部220の側面228には、切り欠き部229が設けられている。交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112bと可動マウント部240の爪部241a?241cとが光軸投影上で重ならない状態(つまり、交換レンズ100の着脱が可能な状態)において、金属球体360は切り欠き部229に落とし込まれる。逆に、バヨネット爪部112a?112bと爪部241a?241cとが光軸投影上で重なる状態では、金属球体360は切り欠き部229から側面228に乗り上げた状態となる。
【0049】
こうして、金属球体360の動きにより、撮影者に対するクリック感を創出される。また、金属球体360は、落とし込まれた位置から一定の荷重が加わらない限り、同位置を保持し続けることが可能となる。よって、ユーザが可動マウント部240を交換レンズ100の着脱可能位置に合わせやすくなる。
【0050】
なお、金属球体360は、固定マウント部220の第1の当接面231と腕部260a,260bの腕部当接面265とが当接する前に、切り欠き部229に落とし込まれる必要がある。また、本実施形態では、交換レンズ100の着脱可能位置に切り欠き部229を設けたが、これに限られず、交換レンズ100の着脱可能位置以外の場所でも、切り欠き溝を設けて保持力を発生させることができる。
【0051】
<交換レンズ100を撮像装置本体200に取り付けるときのレンズマントの動作>
図13は、交換レンズ100を撮像装置本体200に取り付ける際のレンズマウント(全体構成)の動作を経時的に示す正面図である。なお、図13では、交換レンズ100のマウント部110としては、図4に示したマウント部110の一部のみを記載している。また、図13(a)?(e)の各状態における、固定マウント部220に対する可動マウント部240の回転角度(以下「回転角度」と略記する)を「θ」で示している。
【0052】
図13(a)は、交換レンズ100のバヨネット爪部112a?112cと可動マウント部240の爪部241a?241cとが光軸投影上で重なっておらず、交換レンズ100の着脱が可能な位置を示す。このとき、金属球体360は切り欠き部229に落とし込まれた状態となっている。なお、交換レンズ100が図13(a)の着脱可能位置にあるときの回転角度θaを“0°”とする。
【0053】
図13(b)は、操作部330を回動操作し、バヨネット爪接触面113a?113cと爪接触面242a?242cとが、光軸投影上で重なり始める状態を示す。このとき、回転角度は、θa(=0°)からθbへ変化している。この状態では、互いの爪部が重なり合っているため、交換レンズ100が撮像装置本体200から脱落することはない。
【0054】
図13(c)は、操作部330を更に回動操作し、バヨネット爪接触面113a?113cと爪接触面242a?242cとが接触した状態において、可動マウント部240の回転角度が最も小さい状態を示している。このときの回転角度θcは、交換レンズ100のマウント部110の個体差により距離α(図6参照)が最小、且つ、任意の位置における固定マウント部220と可動マウント部240における距離β(図6参照)が最小の場合に、両接触面が接触する角度である。つまり、回転角度θcは、接触面同士の係り量が最小の状態で締結される角度である。
【0055】
図13(d)は、更に操作部330を回動操作し、バヨネット爪接触面113a?113cと爪接触面242a?242cとが接触した状態において、可動マウント部240の回転角度が最も大きい状態を示している。回転角度θdは、図13(c)の場合とは反対に、交換レンズ100のマウント部110の個体差により距離αが最大、且つ、任意の位置における固定マウント部220と可動マウント部240における距離βが最大の場合に、両接触面が接触する角度である。つまり、回転角度θdは、接触面同士の係り量が最大の状態で締結される角度である。
【0056】
図13(e)は、操作部330を更に回動操作し、固定マウント部220の第2の当接面232と、腕部260a,260bの腕部当接面266とが接触している状態を示す。この状態では、交換レンズ100のマウント部110、撮像装置本体200の固定マウント部220及び可動マウント部240のいずれかは変形していることになる。そのため、これらの各部が弾性変形域を超えないようにするため、固定マウント部220に設けた第2の当接面232と、腕部260a,260bに設けた腕部当接面266とを当接させる。これにより、固定マウント部220に対する可動マウント部240の回転量を規制することで、各部の変形による破壊を防ぐことができる。なお、交換レンズ100の締結が確実に行えない事態とならないように、回転角度θeは、回転角度θd以上(θd≦θe)である必要がある。
【0057】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るレンズマウントでは、従来のバヨネット式レンズマウントの交換レンズ100を、簡単に撮像装置本体200に取り付けることができ、取り付けられた状態でのがたつきをなくすことができる。
【0058】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100 交換レンズ
110 マウント部
111 レンズ側マウント面
112a?112c バヨネット爪部
200 撮像装置本体
210 第1の固定部
220 固定マウント部
221 本体側マウント面
223 雌ねじ部(第1のねじ部)
231 第1の当接面
232 第2の当接面
240 可動マウント部
241a?241c 爪部
243 雄ねじ部(第2のねじ部)
260a,260b 腕部
265,266 腕部当接面
320 リング部
330 操作部
340 第2の固定部
342,343 第1,第2の指置き部
350 弾性部材
360 金属球体
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バヨネット爪部を備える交換レンズを撮像装置本体に対して着脱するために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントであって、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像装置本体に設けられた撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される第1の固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記第1の固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とするレンズマウント。
【請求項2】
前記光軸と直交する外周方向に前記可動マウント部から突出するように前記可動マウント部に固定される腕部とを備え、
前記固定マウント部に対して相対的に前記腕部が前記光軸を中心として回転したときに、前記腕部の移動に応じて前記可動マウント部が前記光軸を中心として回転することを特徴とする請求項1に記載のレンズマウント。
【請求項3】
前記固定マウント部に対して回転自在に配設されるリング部と、
前記リング部を介して前記腕部の少なくとも一方と締結され、前記可動マウント部の回転操作に用いられる操作部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のレンズマウント。
【請求項4】
前記固定マウント部に固定され、前記操作部を回動させる際に用いられる指置き部を有する第2の固定部を更に有することを特徴とする請求項3に記載のレンズマウント。
【請求項5】
前記固定マウント部と前記腕部のそれぞれに当接面が設けられ、前記固定マウント部の当接面と前記腕部の少なくとも一方の当接面が互いに当接して前記可動マウント部の回転量を規制することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のレンズマウント。
【請求項6】
前記固定マウント部は、その側面に形成された切り欠き部を有し、
前記可動マウント部は、金属球体を前記固定マウント部の側面に対して付勢する弾性部材を有し、
前記金属球体は、前記交換レンズのバヨネット爪部と前記可動マウント部の爪部とが光軸方向にみて互いに重ならない状態では前記切り欠き部に嵌入し、前記バヨネット爪部と前記爪部とが光軸方向にみて互いに重なる状態では前記固定マウント部の側面に乗り上げることを特徴とする請求項1に記載のレンズマウント。
【請求項7】
前記交換レンズが前記撮像装置本体に装着された状態で、前記交換レンズに設けられたレンズ側接点端子部に対して付勢されて前記レンズ側接点端子部と接触する本体側接点端子部を更に有し、
前記固定マウント部には前記交換レンズのレンズ側マウント部が嵌入する開口部が形成され、前記レンズ側マウント部が前記固定マウント部の前記開口部に嵌入されるときに前記レンズ側接点端子部と前記本体側接点端子部とが光軸に略垂直な方向に擦れ合うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレンズマウント。
【請求項8】
前記固定マウント部は、前記レンズ側マウント部を前記固定マウント部の前記開口部に嵌入させる際に前記レンズ側マウント部を案内する案内部を有することを特徴とする請求項7に記載のレンズマウント。
【請求項9】
前記可動マウント部の回転により、前記交換レンズのバヨネット爪部と前記可動マウント部の爪部とが光軸方向にみて重なっていない状態から重なる状態に移行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズマウント。
【請求項10】
撮像素子を有する撮像装置本体と、バヨネット爪部を有する交換レンズの前記撮像装置本体に対する着脱を自在に行うために前記撮像装置本体に設けられるレンズマウントと、を有する撮像装置であって、
前記レンズマウントは、
前記交換レンズのレンズ側マウント面と当接可能な本体側マウント面と、第1のねじ部とを有する固定マウント部と、
前記固定マウント部に固定されると共に、前記固定マウント部よりも前記撮像素子に近い位置にあって前記撮像装置本体に固定される固定部と、
前記交換レンズの前記バヨネット爪部と係合する爪部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部とを有する可動マウント部と、を備え、
光軸を中心とした前記可動マウント部の回転により前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とが螺合し、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との螺合にしたがって前記可動マウント部が前記固定部に向かって移動し、前記可動マウント部の前記移動により、前記可動マウント部の前記爪部が当該爪部よりも前記撮像素子に近い側にある前記交換レンズのバヨネット爪部と、前記固定マウント部の本体側マウント面が当該本体側マウント面よりも被写体側にある前記交換レンズのレンズ側マウント面と、それぞれ当接することを特徴とする撮像装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-08-24 
結審通知日 2016-08-26 
審決日 2016-09-06 
出願番号 特願2012-89306(P2012-89306)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G03B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 雅明  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 鉄 豊郎
渡邉 勇
登録日 2015-11-13 
登録番号 特許第5836870号(P5836870)
発明の名称 レンズマウント及び撮像装置  
代理人 別役 重尚  
代理人 別役 重尚  

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