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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H01L 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H01L 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H01L 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H01L |
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管理番号 | 1321468 |
審判番号 | 訂正2016-390097 |
総通号数 | 205 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-01-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2016-07-22 |
確定日 | 2016-09-20 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5946228号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5946228号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4、6-10、12、13〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5946228号は、2012年1月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年2月17日、ロシア)を国際出願日とする出願であって、その請求項1ないし13に係る発明について、平成28年6月10日に特許権の設定登録がなされ、平成28年7月22日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の要旨 1 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件訂正審判に係る特許第5946228号の特許請求の範囲を、本件訂正審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4、6ないし10、12、13について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 訂正事項(以下「訂正事項1」という。) 訂正前の請求項4の「前記除熱ベースが突出部を備えて前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る」を「前記除熱ベースは、前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る突出部を備える」に訂正する。 2 一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項4、6ないし10、12、13について、訂正前の請求項6ないし10、12、13は、訂正前の請求項4の記載を直接的又は間接的に引用しているものであるから、訂正前の請求項4、6ないし10、12、13は、一群の請求項を構成するものであり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。 第3 当審の判断 1 請求項4、6ないし10、12、13からなる一群の請求項に係る訂正について 訂正前の請求項1ないし13の記載は、以下のとおりである(なお、下線は、当審で付した。以下同じ。)。 「【請求項1】 1つ以上の発光ダイオードと、前記発光ダイオードが固定される表面を有する除熱ベースと、変換材料層として設計されてその表面に当たる発光ダイオードの一次放射光を二次放射光に変換する放射光変換器で一次光源から離れたところに位置する変換器とから構成される一次放射光源を備える照明器であって、当該除熱ベースは、放射光出力用の開口部を有し、前記発光ダイオードによって照射される前記変換器の前記表面は、凹面状であり、その凹形が前記開口部および前記発光ダイオードに向き合い、かつ前記発光ダイオードが前記開口部の周囲付近に配置され、前記変換器は、光学的に透明な材料で製造された積載素子の凹状の内面に配置される、照明器。 【請求項2】 前記変換器の前記表面が回転楕円体、特に、球体または放物体の形状であり、その主軸が除熱ベースの開口部面に垂直であり、前記除熱ベースの開口部面に平行な平面で切断される、請求項1に記載の照明器。 【請求項3】 前記変換器の前記表面が円筒形状であり、前記除熱ベースの開口部面に平行な平面で切断される、請求項1に記載の照明器。 【請求項4】 前記除熱ベースが突出部を備えて前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る、請求項1から3の何れか1項に記載の照明器。 【請求項5】 前記変換器の前記表面が複数の平坦な小面またはセグメントで形成される、請求項2に記載の照明器。 【請求項6】 一次放射光により照射される当該凹面の反対側の変換器凸面と前記積載素子の凹面とが直接接触する、請求項1から5の何れか1項に記載の照明器。 【請求項7】 前記変換器の凸面と前記積載素子の凹面が光学的に透明な媒体で分けられている、請求項1から5の何れか1項に記載の照明器。 【請求項8】 前記積載素子が艶消しされた材料または艶消しされた表面を有する光学的に透明な材料で製造される、請求項1から7の何れか1項に記載の照明器。 【請求項9】 前記突出部がさらに平坦なミラー部を備え、そこに入射される一次放射光を前記平坦なミラー部の反対側にある前記変換器の前記表面に差し向ける、請求項4に記載の照明器。 【請求項10】 各発光ダイオードの放射指向性図の軸と変換器の対称軸との交差する角度が、90度と前記発光ダイオードの各々の指向性図の半値幅との間の差に等しいかそれ未満となるように発光ダイオードが除熱ベースに固定される、請求項7に記載の照明器。 【請求項11】 各発光ダイオードの放射指向性図の軸が前記変換器の対称軸と平行または鋭角を成すように前記発光ダイオードが前記除熱ベースに固定され、前記変換器の前記表面と前記発光ダイオードとの間の前記除熱ベースが傾斜した反射ミラー部を備えて、そこに当たる一次放射光を前記変換器の向き合う面に差し向ける、請求項3に記載の照明器。 【請求項12】 前記開口部が光学的に透明もしくは艶消しされた材料または艶消しされた表面を有する透明な材料で製造された窓でシールされる、請求項1から11の何れか1項に記載の照明器。 【請求項13】 前記変換材料層の厚みが5?500μmの範囲である、請求項1から12の何れか1項に記載の照明器。」 (1)訂正事項1の訂正の目的、及び当該訂正事項1が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正前の請求項4においては、訂正前の請求項1ないし3の何れかの「照明器」を構成する「除熱ベース」について、「突出部を備えて前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る」と特定されていた。 これに対して、訂正後の請求項4においては、訂正後の請求項1ないし3の何れかの「照明器」を構成する「除熱ベース」について、「前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る突出部を備える」と特定、つまり、一次放射光の直接放出を遮るものが「突出部」であることが特定されていることから、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1は、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項1が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて ア 本件訂正審判の請求に係る特許5946228号の願書に添付した明細書及び図面には以下の記載がある。 (ア)「【0032】 発明の開示は、その提案される照明器の断面を線図的に示す図8に説明される。 【0033】 照明器は、1つ以上のLEDをもつ一次放射光源1、開口部3と外囲部4を有する除熱ベース2(前記LED1が取り付けられる)、一次放射光6を二次放射光7に変換する変換層5(LED1に向き合う凹面8を有する)、および変換層5がLED1から離れて配置される第2凸面9を備える。」 (イ)「【0057】 しかしながら、LED一次放射光の比較的小さな一定部分は、照明器の開口部から直接外向きに伝播し、そしてLED光がユーザーの眼に直接入る可能性を回避するため、図10に示すように、熱伝導ベース2が突出部12を備えて、照明器の外に一次放射光が直接生じるのを遮り、変換器5の表面8をバイパスさせてもよい。LED一次放射光のより完全な利用を確保するため、熱伝導ベース2の前記突出部12は、追加の反射器である平坦なミラー部13を備え、そこに当たる一次放射光を変換器5の表面8に差し向ける。 【0058】 本実施例の照明器は、図8に示されて、図8と同様に番号を振った素子に加えて、変換器5の表面9と接触する内側11を有する光学的に透明な積載素子10、および反射コーティング13を有する突出部12を含む。」 (ウ)図8は、以下のものである。 (エ)図10は、以下のものである。 イ 上記アの記載から、図8及び図10に示された図番1及び図番2は、それぞれ、「LED」及び「除熱ベース」であって、図10(右下側)に示された図番12が「突出部」であり、「除熱ベース2」の備える「突出部12」が、照明器の開口部から直接外向きに伝播し、「(LED1の)一次放射光6」がユーザーの眼に直接入る可能性を回避させることが理解できる。 ウ してみると、願書に添付された明細書及び図面には 「除熱ベース2」が、開口部3への一次放射光6の直接放出を遮る突出部12を備えるという事項が開示されているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。 (3)訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであることについて 訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるから、 訂正後の請求項4、6ないし10、12、13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けられるものでなければならないが、訂正後の請求項4、6ないし10、12、13に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けられないとすべき理由を発見しない。 してみると、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおり,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし,かつ同条第3項及び第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 1つ以上の発光ダイオードと、前記発光ダイオードが固定される表面を有する除熱ベースと、変換材料層として設計されてその表面に当たる発光ダイオードの一次放射光を二次放射光に変換する放射光変換器で一次光源から離れたところに位置する変換器とから構成される一次放射光源を備える照明器であって、当該除熱ベースは、放射光出力用の開口部を有し、前記発光ダイオードによって照射される前記変換器の前記表面は、凹面状であり、その凹形が前記開口部および前記発光ダイオードに向き合い、かつ前記発光ダイオードが前記開口部の周囲付近に配置され、前記変換器は、光学的に透明な材料で製造された積載素子の凹状の内面に配置される、照明器。 【請求項2】 前記変換器の前記表面が回転楕円体、特に、球体または放物体の形状であり、その主軸が除熱ベースの開口部面に垂直であり、前記除熱ベースの開口部面に平行な平面で切断される、請求項1に記載の照明器。 【請求項3】 前記変換器の前記表面が円筒形状であり、前記除熱ベースの開口部面に平行な平面で切断される、請求項1に記載の照明器。 【請求項4】 前記除熱ベースは、前記開口部への一次放射光の直接放出を遮る突出部を備える、請求項1から3の何れか1項に記載の照明器。 【請求項5】 前記変換器の前記表面が複数の平坦な小面またはセグメントで形成される、請求項2に記載の照明器。 【請求項6】 一次放射光により照射される当該凹面の反対側の変換器凸面と前記積載素子の凹面とが直接接触する、請求項1から5の何れか1項に記載の照明器。 【請求項7】 前記変換器の凸面と前記積載素子の凹面が光学的に透明な媒体で分けられている、請求項1から5の何れか1項に記載の照明器。 【請求項8】 前記積載素子が艶消しされた材料または艶消しされた表面を有する光学的に透明な材料で製造される、請求項1から7の何れか1項に記載の照明器。 【請求項9】 前記突出部がさらに平坦なミラー部を備え、そこに入射される一次放射光を前記平坦なミラー部の反対側にある前記変換器の前記表面に差し向ける、請求項4に記載の照明器。 【請求項10】 各発光ダイオードの放射指向性図の軸と変換器の対称軸との交差する角度が、90度と前記発光ダイオードの各々の指向性図の半値幅との間の差に等しいかそれ未満となるように発光ダイオードが除熱ベースに固定される、請求項7に記載の照明器。 【請求項11】 各発光ダイオードの放射指向性図の軸が前記変換器の対称軸と平行または鋭角を成すように前記発光ダイオードが前記除熱ベースに固定され、前記変換器の前記表面と前記発光ダイオードとの間の前記除熱ベースが傾斜した反射ミラー部を備えて、そこに当たる一次放射光を前記変換器の向き合う面に差し向ける、請求項3に記載の照明器。 【請求項12】 前記開口部が光学的に透明もしくは艶消しされた材料または艶消しされた表面を有する透明な材料で製造された窓でシールされる、請求項1から11の何れか1項に記載の照明器。 【請求項13】 前記変換材料層の厚みが5?500μmの範囲である、請求項1から12の何れか1項に記載の照明器。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-08-22 |
結審通知日 | 2016-08-24 |
審決日 | 2016-09-09 |
出願番号 | 特願2013-554416(P2013-554416) |
審決分類 |
P
1
41・
854-
Y
(H01L)
P 1 41・ 851- Y (H01L) P 1 41・ 856- Y (H01L) P 1 41・ 841- Y (H01L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 俊彦 |
特許庁審判長 |
恩田 春香 |
特許庁審判官 |
星野 浩一 近藤 幸浩 |
登録日 | 2016-06-10 |
登録番号 | 特許第5946228号(P5946228) |
発明の名称 | 離れたフォトルミネセンス変換器を備える白色LED光源 |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |