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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1321894
審判番号 不服2016-3520  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-07 
確定日 2016-12-10 
事件の表示 特願2013-225671「商品販売管理サーバ及びインターネット販売促進システム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年5月7日出願公開、特開2015-87938、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成25年10月30日に特許出願したものあって,平成27年7月15日付けで拒絶理由が通知され,それに対し,平成27年9月10日に意見書及び手続補正書が提出され,平成27年12月7日付けで拒絶査定がされ,これに対し,平成28年3月7日に拒絶査定不服審判が請求され,同時に手続補正がされたものである。

第2 平成28年3月7日の手続補正(以下,「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
本件補正は,特許請求の範囲について,
「 【請求項1】
オンラインショップにおいて販売される商品に対してユーザからアクセスがあったとき、該アクセスの履歴を記録し管理する商品販売管理サーバであって、
商品についてユーザからアクセスがあった場合に、前記ユーザが最後に商品を購入してから所定期間経過したと判断したとき、前記アクセスのあった商品の販売を促進するインセンティブを前記ユーザに対して付与し、前記インセンティブの内容を示すインセンティブ情報を前記アクセスがあった商品について作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザにより操作されるユーザ端末へ送信することを特徴とする商品販売管理サーバ。
【請求項2】
商品についてユーザからアクセスがあった場合に、過去に該商品と関連性の高い別の商品にアクセスがあり、前記ユーザが最後に商品を購入してから所定期間経過したと判断したとき、前記インセンティブ情報を前記アクセスがあった商品について作成することを特徴とする請求項1記載の商品販売管理サーバ。
【請求項3】
商品の提供元同士の関連性を管理するデータベースを備え、
該データベースを参照して、前記関連性の高い商品として該商品の提供元に関連性のある他の提供元の商品を認定することを特徴とする請求項2記載の商品販売管理サーバ。
【請求項4】
オンラインショップで販売される商品の個別のWebページを、前記ユーザ端末からの閲覧要求に応じて送信可能に格納し、
前記アクセスのあった商品として前記商品個別のWebページの閲覧がされた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記閲覧要求をしたユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の商品販売管理サーバ。
【請求項5】
前記アクセスの履歴として前記ユーザによる商品個別のWebページの閲覧履歴を管理し、
前記商品個別のWebページが閲覧された商品と関連性の高い商品について前記アクセスがあった場合、該アクセスがあった商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項4記載の商品販売管理サーバ。
【請求項6】
前記オンラインショップは、前記ユーザが商品を購入するとき、該商品を仮想カートに一旦格納してから購入決定をして商品を購入する方式を採用しており、
前記仮想カートに商品を入れたことを示す情報を前記ユーザ端末から受信すると、前記アクセスのあった商品として前記仮想カートに入れた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の商品販売管理サーバ。
【請求項7】
前記アクセスの履歴として前記ユーザにより前記仮想カートに商品を入れたことを示す履歴を管理し、
前記仮想カートに入れた商品と関連性の高い商品について前記アクセスがあった場合、該アクセスがあった商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項6記載の商品販売管理サーバ。
【請求項8】
前記ユーザが購入予定の商品を示す情報を前記ユーザ端末から受信すると、該受信した情報に示される購入予定の商品を並べた購入予定商品リストを各ユーザごとに作成し、
前記アクセスのあった商品として前記購入予定商品リストに並べられた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の商品販売管理サーバ。
【請求項9】
前記購入予定商品リストに現在並べられている、又は以前に並べられていた商品と関連性の高い商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項8記載の商品販売管理サーバ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載される前記商品販売管理サーバと、
前記ユーザ端末とを有して構成されることを特徴とするインターネット販売促進システム。」

とあるのを,

「 【請求項1】
オンラインショップにおいて販売される商品に対してユーザからアクセスがあったとき、該アクセスの履歴を記録し管理する商品販売管理サーバであって、
過去にアクセスがあった商品と関連性の高い商品(過去にアクセスのあった商品と同一のものは除く)についてユーザからアクセスがあった場合に、前記ユーザが最後に商品を購入してから所定期間以上経過したと判断したとき、
前記ユーザによる前記オンラインショップの利用機会が少なくなってきていると認識し、該ユーザによる該オンラインショップの利用を引き戻すために、前記アクセスのあった商品の販売を促進するインセンティブを前記ユーザに対して付与し、前記インセンティブの内容を示すインセンティブ情報を前記アクセスがあった商品について作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザにより操作されるユーザ端末へ送信することを特徴とする商品販売管理サーバ。
【請求項2】
商品の提供元同士の関連性を管理するデータベースを備え、
該データベースを参照して、前記関連性の高い商品として該商品の提供元に関連性のある他の提供元の商品を認定することを特徴とする請求項1記載の商品販売管理サーバ。
【請求項3】
オンラインショップで販売される商品の個別のWebページを、前記ユーザ端末からの閲覧要求に応じて送信可能に格納し、
前記アクセスのあった商品として前記商品個別のWebページの閲覧がされた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記閲覧要求をしたユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1又は2記載の商品販売管理サーバ。
【請求項4】
前記アクセスの履歴として前記ユーザによる商品個別のWebページの閲覧履歴を管理し、
前記商品個別のWebページが閲覧された商品と関連性の高い商品について前記アクセスがあった場合、該アクセスがあった商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項3記載の商品販売管理サーバ。
【請求項5】
前記オンラインショップは、前記ユーザが商品を購入するとき、該商品を仮想カートに一旦格納してから購入決定をして商品を購入する方式を採用しており、
前記仮想カートに商品を入れたことを示す情報を前記ユーザ端末から受信すると、前記アクセスのあった商品として前記仮想カートに入れた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の商品販売管理サーバ。
【請求項6】
前記アクセスの履歴として前記ユーザにより前記仮想カートに商品を入れたことを示す履歴を管理し、
前記仮想カートに入れた商品と関連性の高い商品について前記アクセスがあった場合、該アクセスがあった商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項5記載の商品販売管理サーバ。
【請求項7】
前記ユーザが購入予定の商品を示す情報を前記ユーザ端末から受信すると、該受信した情報に示される購入予定の商品を並べた購入予定商品リストを各ユーザごとに作成し、
前記アクセスのあった商品として前記購入予定商品リストに並べられた商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の商品販売管理サーバ。
【請求項8】
前記購入予定商品リストに現在並べられている、又は以前に並べられていた商品と関連性の高い商品について前記インセンティブ情報を作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項7記載の商品販売管理サーバ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載される前記商品販売管理サーバと、
前記ユーザ端末とを有して構成されることを特徴とするインターネット販売促進システム。」

とする補正である。

2.補正の適否
(1)請求項1に係る補正について

本件補正の請求項1に係る補正は,補正前の請求項1を削除して,補正前の請求項2を請求項1とするものであるから,請求項の削除を目的とするものである。

さらに,補正後の請求項1の発明特定事項である「過去にアクセスがあった商品と関連性の高い商品」について,拒絶査定において引用された特願2007-299104号公報(引用文献7)に記載の発明との相違を示すために「過去にアクセスのあった商品と同一のものは除く」との限定を付し,さらに,補正後の請求項1の発明特定事項である「インセンティブ」の目的・効果について限定を付したものである。 そして,補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものにも該当する。

また,特許法第17条の2第3項,第4項に違反するところはない。

そこで,補正後の請求項1に記載された発明(以下,「補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

ア 引用文献1の記載事項
原査定で引用された特開2007-72730号公報(以下,「引用文献1」という。)には,以下のことが記載されている。

(ア)
「【0002】
インターネットの普及に伴い、ECサイトを通じたオンラインショッピングも商品購入の一手段として一般化している。かかる状況下でECサイト間の競争も激化しており、多くのECサイトでは、新規の顧客開拓やリピート率の向上を目指して、割引クーポンの発行、送料の無料キャンペーンなどの様々なプロモーション活動が行われるようになっている。」

(イ)
「【0026】
図2は、本発明にかかるプロモーションシステムの構成の一例を示している。ECサイトサーバ10は、ECサイトの運営に用いられるWebサーバであって、パーソナルコンピュータ等の顧客端末20からインターネットを通じてアクセスして、ECサイトサーバ10が提供するECサイトにおける商品ページ等を会員登録等の制限なく閲覧することが可能になっている。
【0027】
ECサイトサーバ10には、Webページ表示制御部11、Webページ格納部12、閲覧履歴格納部13、インセンティブルール格納部14、購入リクエスト受付部15、クーポン情報格納部16が備えられている。尚、Webページ表示制御部11と購入リクエスト受付部15は、各々が実行する機能を特定したものであって、ECサイトサーバ10に備えられたメインメモリに各々の処理を実行するためのアプリケーションプログラムを読み出し、CPUが演算処理を行うことによって、Webページの表示や購入リクエストの受付などに必要な処理を実行する。Webページ格納部12、閲覧履歴格納部13、インセンティブルール格納部14、クーポン情報格納部16は、各々に関するデータがECサイトサーバ10のHDDに所定のデータ形式で格納されるが、いずれもECサイトサーバ10と接続された他のデータベースサーバに格納されることとしてもよい。」

(ウ)
「【0035】
閲覧履歴格納部13においては、閲覧履歴を格納するテーブルには、端末コードと商品コードの組合せ毎にレコードが設けられ、各々の端末から商品ページを閲覧した回数等が記録される。図3は、閲覧履歴格納部13に設けられるテーブルの一例であるが、端末コードと商品コードの組合せ毎に設けられたレコードには、当該端末より当該商品ページを参照した回数が参照カウントに記録されており、ECサイトサーバ10が商品ページの閲覧リクエストを受け付けると、原則として対応するレコードの参照カウントが増加する。「60分に10回以内」「5日連続」などの様々な条件設定を可能にするために、初回参照日時と前回参照日時に関する情報も記録されている。また、これらの記録と合わせて、リクエストには当該商品ページの前に閲覧していたサイトのURLをリファラー等から取得することとしてもよいが、当該URLについては取得時に速やかに必要な判定を行えば、必ずしも記録しなければならないものではない。
【0036】
商品ページ閲覧のリクエストを受けて閲覧履歴の記録が終了すると、当該商品ページ閲覧のリクエストが商品の値引き等のインセンティブを送信する対象であるかを判定する。判定のためのルールはインセンティブルール格納部14に格納されているが、例えば、同一の商品ページを短期間に何度も閲覧しており商品の購入を迷っていることが推測される、競合するECサイトや価格比較サイト経由で商品ページを閲覧しており、他のECサイトで購入する場合との条件の比較をしている、といった商品の購入まであと一押しといった状況を想定したルールが設定されている。このようなケースで値引きや送料無料などのインセンティブを即座に商品ページに表示することによって、購入を迷う顧客の「背中を一押し」することが可能になる。」

(エ)
「【0047】
Webページ表示制御部11において、インセンティブルール格納部14に格納されたルールを参照してインセンティブ情報を送信することが必要と判定されると、商品ページにおいて所定のインセンティブ情報が表示されるように、レスポンスとして送信する商品ページの表示ファイルにインセンティブ情報が埋め込まれ、顧客端末20に送信される。インセンティブ情報の埋め込み方法は特に限定されるものではなく、商品ページを表示するHTMLファイル等にインセンティブ情報を示すテキストを埋め込んでもよいし、インセンティブ情報が表示されるイメージファイルを埋め込むこととしてもよい。また、インセンティブ情報がポップアップ表示される実行ファイルを埋め込むこととしてもよい。インセンティブ情報の送信が不要と判定された場合には、Webページ格納部12から読み出した商品ページの表示ファイルが、そのままレスポンスとして送信される。」

引用発明の認定
そうすると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

「オンラインショッピングに用いるECサイトサーバ10は,ECサイトの運営に用いられるWebサーバであって,
ECサイトサーバ10には,Webページ表示制御部11,Webページ格納部12,閲覧履歴格納部13,インセンティブルール格納部14,購入リクエスト受付部15,クーポン情報格納部16が備えられており,
前記閲覧履歴格納部13においては,閲覧履歴を格納するテーブルには,端末コードと商品コードの組合せ毎にレコードが設けられ,各々の端末から商品ページを閲覧した回数等が記録され,
インセンティブルール格納部14は,例えば,同一の商品ページを短期間に何度も閲覧しており商品の購入を迷っていることのような,商品の購入まであと一押しといった状況を想定したルールが格納しており,
Webページ制御部11は,商品ページ閲覧のリクエストが,前記インセンティブルール格納部14に格納されたルールに該当するかを確認し,インセンティブ情報を送信することが必要と判定されると,商品ページにおいて所定のインセンティブ情報が表示されるように,レスポンスとして送信する商品ページの表示ファイルにインセンティブ情報が埋め込み,顧客端末20に送信することを特徴とするECサイトサーバ。」

ウ 対比
補正発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「ECサイトサーバ」は,オンラインショッピングのECサイトの運営に用いられるWebサーバであって,各端末から商品ページを閲覧した回数等を記録する閲覧履歴格納部を有することから,この点は,補正発明の「オンラインショップにおいて販売される商品に対してユーザからアクセスがあったとき、該アクセスの履歴を記録し管理する商品販売管理サーバ」に相当する。

さらに,引用発明の「ECサイトサーバ」は,商品ページ閲覧のリクエストについて,インセンティブ情報を送信することが必要と判定されると、商品ページにおいて所定のインセンティブ情報を埋め込み、顧客端末20に送信するから,この点は,補正発明の「前記アクセスのあった商品の販売を促進するインセンティブを前記ユーザに対して付与し、前記インセンティブの内容を示すインセンティブ情報を前記アクセスがあった商品について作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザにより操作されるユーザ端末へ送信すること」に相当する。

したがって,補正発明と引用発明とは,
「 オンラインショップにおいて販売される商品に対してユーザからアクセスがあったとき、該アクセスの履歴を記録し管理する商品販売管理サーバであって、
前記アクセスのあった商品の販売を促進するインセンティブを前記ユーザに対して付与し、前記インセンティブの内容を示すインセンティブ情報を前記アクセスがあった商品について作成し、該作成したインセンティブ情報を前記ユーザにより操作されるユーザ端末へ送信することを特徴とする商品販売管理サーバ。」
の点で一致している。

他方,補正発明は,「過去にアクセスがあった商品と関連性の高い商品(過去にアクセスのあった商品と同一のものは除く)についてユーザからアクセスがあった場合に、前記ユーザが最後に商品を購入してから所定期間以上経過した」ことをインセンティブを付与する判断の条件とするのに対し,引用発明は,商品の購入まであと一押しといった状況を想定したルールであり,同一の商品ページを短期間に何度も閲覧しているなどの例示はあるものの,「過去にアクセスがあった商品と関連性の高い商品についてユーザからアクセスがあった」ことと,「ユーザが最後に商品を購入してから所定期間以上経過したこと」を条件とすることはない点で相違する(以下,単に「相違点」という。)。

エ 判断
相違点は,前述のとおり,引用文献1に記載も示唆もない。また,審査において引用された他の文献にも記載も示唆もない。相違点は,オンラインショップの利用機会が少なくなっているユーザに対して,そのオンラインショップの利用を引き戻すという効果があるところ,単に設計的事項ということもできない。

したがって,補正発明は,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。また,他に拒絶をすべき理由を発見しない。
よって,本件補正の請求項1に係る事項は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

(2)請求項2?9に係る補正について

本件補正の請求項2?9に係る補正は,補正前の請求項1を削除して,補正前の請求項2を請求項1としたことに伴い,補正前の請求項3?10をそれぞれ請求項2?9として繰り上げるものであるから,請求項の削除を目的とするものである。

さらに,補正後の請求項2?9は,いずれも補正後の請求項1を引用するものであり,(1)で述べたとおり,補正後の請求項1に係る補正は,補正前の請求項2に限定を付すものであり,補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。よって,請求項2?9に係る補正は,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして,補正発明が引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないことは,(1)で述べたとおりであり,補正後の請求項2?9は,いずれも補正発明を包含するものであるから,これらも引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。また,補正後の請求項2?9について,拒絶をすべき理由を発見しない。

よって,本件補正の請求項2?9に係る事項は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

また,特許法第17条の2第3項,第4項に違反するところはない。

3.むすび
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項から第6項までの規定に適合する。

第3 本願発明
本件補正は上記のとおり,特許法第17条の2第3項から第6項までの規定に適合するから,本願の請求項1?9に係る発明は,本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定されるとおりのものである。

そして,本願の請求項1?9に係る発明は,上記第2の2.(1)及び(2)のとおり,当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

したがって,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-11-21 
出願番号 特願2013-225671(P2013-225671)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
P 1 8・ 575- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松野 広一  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 野崎 大進
星野 昌幸
発明の名称 商品販売管理サーバ及びインターネット販売促進システム  
代理人 橘 哲男  
代理人 藤本 正紀  

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