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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H02G
管理番号 1321910
審判番号 不服2016-4655  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-30 
確定日 2016-12-16 
事件の表示 特願2014-147838「間接活線作業用絶縁操作棒及び間接活線工具」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月 8日出願公開、特開2016- 25726、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月18日の出願であって、平成27年10月20日付けで拒絶理由が通知され、同年11月30日付けで手続補正がされ、同年12月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年3月30日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?5に係る各発明は、平成27年11月30日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
先端工具が先端部に取り付けられる主軸部と、該主軸部に同方向に延びるように主軸部の基端部に連設され、作業者に把持されるグリップ部とを備えた絶縁性の間接活線作業用絶縁操作棒であって、
前記グリップ部は、前記主軸部に固定される主グリップ部と、該主グリップ部から出退する補助グリップ部とを備え、補助グリップ部が主グリップ部に退入したときのグリップ部の最短長は、主グリップ部を片手で把持した状態で、グリップ部の基端部が前記作業者の肘に当接可能な長さで、且つ補助グリップ部が主グリップ部から突出したときのグリップ部の最大長は、主グリップ部を片手で把持した状態で、補助グリップ部の基端部が前記作業者の脇に嵌めることが可能な長さに設定されていることを特徴とする間接活線作業用絶縁操作棒。」

第3 原査定の理由の概要
引用文献1(図1、図4及び、段落[0020]、[0032]-[0033]等)には、
把持具20(本願発明の「先端工具」に相当)が先端部に取り付けられる「グリップ部50を除く主軸10」(本願発明の「主軸部」に相当)と、主軸10の終端側に設けられた筒状体のグリップ部50(本願発明の「主グリップ部」に相当)と、グリップ部50に出し入れ自在に内挿される棒状の伸長軸81と、を備えた絶縁性の間接活線作業用絶縁操作棒の発明が記載されている。

そして、引用文献1の「伸長軸81」は肩当て部70に連接されており、作業者が間接活線作業用絶縁操作棒を使用する際に、肩付近に位置する伸長軸81を把持可能であることは自明であるから、伸長軸81は本願発明の「補助グリップ部」に相当する。

本願発明では、グリップ部が最短長の状態では、肘支点で操作でき、グリップ部が最大長の状態では、脇支点で操作できるため、作業内容や状況に応じて長さを変えて操作支点を変更できるため、作業性が飛躍的に向上するという点について、
電線配設工事で使用する高所作業用操作棒の構成において、操作棒の最短長と最大長で200mm程度の差を設ける構成は周知である。
例えば、引用文献3(図4,5及び段落[0019]-[0021]等)には、先端側操作棒5の端部に、第1種基端側操作棒1(長さ:390mm)又は第2種基端側操作棒2(長さ:590mm)を適宜選択して装着させることにより、種々の遠隔作業に適応可能である高所作業用操作棒の発明が開示されている。
してみると、引用文献1に記載された発明においても、伸長軸81をグリップ部50に内挿することにより、操作棒の最短長と最大長で200mm程度の差を設けることは、当業者が容易に為しえることである。
その際に、当該200mm程度の差を利用して、操作棒が最短長の状態では伸長軸81の後端部に取り付けられるゴムキャップ83(図4を参照)を作業者の肘に当接させること、さらに、操作棒が最大長の状態では伸長軸81を作業者の脇に嵌めることは、必要に応じて当業者が適宜為しえることである。

引用発明1は、グリップ部の基端部から進退可能に伸長軸が向けられており、伸長することを目的とする点について、
操作棒の規定の長さをどの程度に設定して製造するかは、操作棒を使用する作業場所等に応じて変化するものである。従って、引用文献1に記載の操作棒において、最大長の状態を規定の長さに設定するように製造し、伸縮機構を利用して規定の長さから短くすることに格別な困難性は認められない。

引用発明1では、グリップ部をバンドによって腕に固定することが記載されています。バンドを腕に巻く作業、腕に固定されることによって、間接活線作業中において肘からグリップ部の突出部位を逃がすことが難しくなる点、及び、引用発明1では、肩当て部を腕の付け根に当てつつ、肩当て部を支点にして操作棒を操作することになる点について、
引用文献1(図4、段落[0033]、[0036])には、固定バンド60及び肩当て部70を取り外して操作棒を使用する発明が記載されている。

よって、本願発明は引用文献1に記載された発明及び、引用文献3に記載された周知技術に基づいて当業者であれば容易に為しえるものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2007-49852号公報
2.特開2000-83308号公報
3.特開2010-239839号公報

第4 当審の判断
1.引用例の記載事項、引用例記載の発明
原査定で引用された、特開2007-49852号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

a)「【0020】
図1に示す如く、本実施形態に係る間接活線作業用絶縁操作棒1は、絶縁性の主軸10と、該主軸10の先端部に設けられる被把持物(対象物)を把持するための把持具20と、前記主軸10の後端側に設けられる前記把持具20を操作するための操作部30と、該操作部30よりも後端側に設けられる手で把持するためのサイドバー40と、前記主軸10の後端側のグリップ部50と、前記サイドバー40よりも後端側に設けられる主軸10(操作棒1)を腕に固定するための固定バンド60と、操作棒1の後端部に設けられる腕の付け根に当接させて主軸10(操作棒1)を支持し易くするための肩当て部70と、前記操作部30の後端部と前記肩当て部70との間に設けられ、操作部30からの距離を調節するための伸長部80とを備える。
【0021】
主軸10は、絶縁性のパイプ状(絶縁棒)に形成されている。この主軸10は、吸湿性の少ないエポキシ樹脂系強化プラスチック、ポリエステル樹脂系強化プラスチック等の変形し難く且つ絶縁性が低下しない部材から形成されている。主軸10は、その内部の両側には詰栓を行い、浸水を防ぐために接着剤にて表面をコーティング処理する等の防水処理が施されている。
【0022】
主軸10の中間部には、感電事故を防ぐために握って(把持して)良い部分とそれ以外の部分との境界を明確にするための安全限界つば11を嵌合固定している。主軸10先端の把持具20の下部から安全限界つば11の上部までの長さは、600mm(安全限界距離)以上の間隔を有する。また、降雨時対策として、把持具20の下部から安全限界つば11上部との中間部に、水きり用のつば(水きりつば)12が嵌合固定されている。これら安全限界つば11及び水きりつば12は、軟質性の合成ゴムから形成されている。」(【0020】?【0022】の記載。下線は当審で付与。以下、同様。)

b)「【0028】
グリップ部50は、主軸10の表面に、雨天時においても滑りにくい素材の取り替え可能な滑り止め部材(例えば、ネオプレーンで形成されたグリップチューブ)が取り付けられた部分であり、主軸10の安全限界つば11よりも後方側の部分である。尚、本実施形態においては、滑り止め部材は取り替え可能であるが、主軸10の表面に貼着されていて取り替え可能でなくても良い。」(【0028】の記載。)

c)「【0033】
伸長部80は、前記連結棒13に形成された伸長部15と同様の構成であり、主軸10に出し入れ自在に内挿される棒状の伸長軸81と、締め付けネジ82とで構成される。そして、前期同様に締め付けネジ82を回転させることによって、伸長軸81を主軸10から必要な長さだけ送出した状態で固定でき、反対方向に回転させることで伸長軸81の固定状態が解放される。また、伸長軸81は、その後端部に肩当て部70が着脱可能に取り付けられる。この肩当て部70を取り外した場合には、伸長軸81の後端部にはゴムキャップ83(図4参照)が取り付けられる。」(【0033】の記載。)

d)「【0034】
以上が、操作棒1の構成であり、次にその使用方法を説明する。
【0035】
環状のバンド部61に腕を通した状態にして、帯状バンド63の先端部の係止位置を調整してバンド部61を締め付けて腕(肘より少し手先側部分)に固定する。この固定された方の手でサイドバー40及び操作レバー31を一緒に把持する。その後、肩当て部70が、固定された方の腕の付け根前方側に当接するように伸長部80で調整する。この状態で、サイドバー40及び操作レバー31をさらに握り込む。そうすると操作レバー31は、図1の矢印A方向に回動して、連結棒13が矢印B方向に引き下げられる。その結果、回動把持片22が枢着ピン24を中心にして矢印C方向に回動して固定把持片21の先端と回動把持片12の先端とが接近して把持具20は閉じ、被把持物を把持する。一方、操作レバー31を矢印Aと反対方向に回動させると、連結棒13は、矢印Bと反対方向に押し上げられ、回動把持片12は、矢印Cと反対方向に回動して、被把持物を離す。
【0036】
また、図4に示す如く、操作棒1に着脱可能に設けられているサイドバー40、固定バンド60及び肩当て部70を取り外す。次に、連結棒13後端部の伸長部15における締め付けネジ17を緩め、伸長軸16を連結棒13から送出する。このようにすることで、操作レバー31の先端がグリップ部50と接近する。即ち、操作レバー31とグリップ部50とのなす角αが小さくなる。この状態で締め付けネジ17を締め付け、伸長軸16を固定する。そうすると、従前からの両手で支持して作業する操作棒と同様の構成となり、従前の操作棒同様の使用が可能となる。
【0037】
以上のように使用されるが、操作棒1は、固定バンド60によって腕に固定されているため、サイドバー40と固定バンド60の2箇所で支持されることから重量が分散され、片手で長時間安定的に支持して作業できるようになる。
【0038】
また、サイドバー40が主軸10と直交する方向に設けられているため、主軸10に沿ったグリップ部50を把持する時よりも手首を曲げなくて良いため手首への負担が少なくなる。そのため、長時間の作業を行っても手首への負担が少なくて済む。
【0039】
また、操作棒1を軸芯を中心に回転させる動作を行う際、グリップ部50を把持して回転させるよりも、主軸10と直交する方向に設けられているサイドバー40を把持して回転させた方が、手首への負担が少なく且つより強いトルクを与えることができるようになる。また、回転させた状態で維持する際にも、手首にかかる負担が極めて少ないため長時間の作業が可能となる。
【0040】
さらに、肩当て部70が操作棒1の後端部に設けられていることから、操作棒1の先端を上に向けての作業を行う際に、操作棒1の重量がサイドバー40を把持する手、バンド部61で固定されている腕及び肩当て部70が当接している腕の付け根部に分散されるため、長時間の安定した作業を行うことができるようになる。」(【0034】?【0040】の記載。)

上記下線部及び関連箇所の記載によれば、引用例1には以下の発明(以下、「引用例記載の発明」という。)が記載されている。

「間接活線作業用絶縁操作棒1は、絶縁性の主軸10と、該主軸10の先端部に設けられる被把持物(対象物)を把持するための把持具20と、前記主軸10の後端側に設けられる前記把持具20を操作するための操作部30と、前記主軸10の後端側のグリップ部50と、操作部30からの距離を調節するための伸長部80とを備え、
主軸10の中間部には、感電事故を防ぐために握って(把持して)良い部分とそれ以外の部分との境界を明確にするための安全限界つば11を嵌合固定し、
グリップ部50は、主軸10の表面に、雨天時においても滑りにくい素材の取り替え可能な滑り止め部材が取り付けられた部分であり、主軸10の安全限界つば11よりも後方側の部分であり、
伸長部80は、主軸10に出し入れ自在に内挿される棒状の伸長軸81と、締め付けネジ82とで構成され、締め付けネジ82を回転させることによって、伸長軸81を主軸10から必要な長さだけ送出した状態で固定でき、反対方向に回転させることで伸長軸81の固定状態が解放される
間接活線作業用絶縁操作棒1。」

2.対比
本願発明と引用例記載の発明とを対比する。

ア.引用例記載の発明は、「主軸10の先端部に設けられる被把持物(対象物)を把持するための把持具20」を備えるものであるから、引用例記載の発明の「把持具20」は、本願発明の「先端工具」に相当し、引用例記載の発明の「主軸10」は、本願発明の「先端工具が先端部に取り付けられる主軸部」に相当する。

イ.引用例記載の発明の「グリップ部50」は、「主軸10の後端側」であり、「主軸10の表面に、雨天時においても滑りにくい素材の取り替え可能な滑り止め部材が取り付けられた部分であり、主軸10の安全限界つば11よりも後方側の部分」であるから、本願発明の「主軸部に同方向に延びるように主軸部の基端部に連設され、作業者に把持されるグリップ部」に相当する。

ウ.引用例記載の発明の「間接活線作業用絶縁操作棒1」は、「絶縁性の主軸10と、該主軸10の先端部に設けられる被把持物(対象物)を把持するための把持具20と、前記主軸10の後端側に設けられる前記把持具20を操作するための操作部30と、前記主軸10の後端側のグリップ部50と、操作部30からの距離を調節するための伸長部80とを備え」るものであるから、上記ア.、イ.の対比を考慮すれば、引用例記載の発明の「間接活線作業用絶縁操作棒1」は、本願発明の「先端工具が先端部に取り付けられる主軸部と、該主軸部に同方向に延びるように主軸部の基端部に連設され、作業者に把持されるグリップ部とを備えた絶縁性の間接活線作業用絶縁操作棒」に相当する。

エ.引用例記載の発明の「グリップ部50」は、「主軸10の後端側」であり「主軸10の表面に、雨天時においても滑りにくい素材の取り替え可能な滑り止め部材が取り付けられた部分」であるから、「主軸に固定される主グリップ部」ともいい得るものであり、本願発明の「主軸部に固定される主グリップ部」に相当するともいえる。

オ.引用例記載の発明の「伸長部80」は、「操作部30からの距離を調節するため」、「主軸10に出し入れ自在に内挿される棒状の伸長軸81と、締め付けネジ82とで構成され、締め付けネジ82を回転させることによって、伸長軸81を主軸10から必要な長さだけ送出した状態で固定でき、反対方向に回転させることで伸長軸81の固定状態が解放される」ものであり、「グリップ部50」である「主軸10の後端側」から出し入れ自在であり、把持可能な部位であることは明らかであるから、引用例記載の発明の「伸長部80」は、本願発明の「主グリップ部から出退する補助グリップ部」に相当する。

カ.上記エ.、オ.の対比を考慮すれば、引用例記載の発明の「グリップ部50」は、本願発明の「グリップ部は、前記主軸部に固定される主グリップ部と、該主グリップ部から出退する補助グリップ部とを備え」ることに相当する構成を有するといえる。

したがって、両者は以下の一致点と相違点とを有する。

〈一致点〉
「先端工具が先端部に取り付けられる主軸部と、該主軸部に同方向に延びるように主軸部の基端部に連設され、作業者に把持されるグリップ部とを備えた絶縁性の間接活線作業用絶縁操作棒であって、
前記グリップ部は、前記主軸部に固定される主グリップ部と、該主グリップ部から出退する補助グリップ部とを備える間接活線作業用絶縁操作棒。」

〈相違点〉
本願発明は、「補助グリップ部が主グリップ部に退入したときのグリップ部の最短長は、主グリップ部を片手で把持した状態で、グリップ部の基端部が前記作業者の肘に当接可能な長さで、且つ補助グリップ部が主グリップ部から突出したときのグリップ部の最大長は、主グリップ部を片手で把持した状態で、補助グリップ部の基端部が前記作業者の脇に嵌めることが可能な長さに設定されている」のに対し、引用例記載の発明は、「グリップ部50」がそのような長さに設定されたものではない点。

3.判断
〈相違点についての判断〉
引用例1の【0035】に「環状のバンド部61に腕を通した状態にして、帯状バンド63の先端部の係止位置を調整してバンド部61を締め付けて腕(肘より少し手先側部分)に固定する。この固定された方の手でサイドバー40及び操作レバー31を一緒に把持する。その後、肩当て部70が、固定された方の腕の付け根前方側に当接するように伸長部80で調整する。」と記載され、【0037】に「操作棒1は、固定バンド60によって腕に固定されているため、サイドバー40と固定バンド60の2箇所で支持されることから重量が分散され、片手で長時間安定的に支持して作業できる」と、【0040】に「さらに、肩当て部70が操作棒1の後端部に設けられていることから、操作棒1の先端を上に向けての作業を行う際に、操作棒1の重量がサイドバー40を把持する手、バンド部61で固定されている腕及び肩当て部70が当接している腕の付け根部に分散されるため、長時間の安定した作業を行うことができる」と記載されるように、引用例1に記載された「間接活線作業用絶縁操作棒1」は、「サイドバー」と「固定バンド」とに、または、「サイドバー」と「固定バンド」と「肩当て部」とに「操作棒1」の重量を分散させ、長時間の安定した作業を可能とするものであり、「主グリップ部を片手で把持した状態で、グリップ部の基端部が前記作業者の肘に当接」した状態や「主グリップ部を片手で把持した状態で、補助グリップ部の基端部が前記作業者の脇に嵌」んだ状態で「操作棒1」を使用することを想定したものではなく、引用例1自体には、グリップ部の長さをそのような状態で使用する長さとする、あるいは、そのような状態で使用する長さとすることを示唆する記載はない。
なお、引用例1の【0036】には、「サイドバー40」、「固定バンド60」、「肩当て部70」を取り外し「操作棒1」を使用することも記載されているが、当該記載は、両手による「従前の操作棒同様の使用が可能」であることを示すものであり、「操作棒1」の「グリップ部」の長さを、「主グリップ部を片手で把持した状態で、グリップ部の基端部が前記作業者の肘に当接」した状態や「主グリップ部を片手で把持した状態で、補助グリップ部の基端部が前記作業者の脇に嵌」んだ状態で「操作棒1」を使用する長さとすることを示す記載、あるいは、そのような状態で使用する長さとすることを示唆する記載ではない。
また、原査定の拒絶の理由で引用された、特開2000-83308号公報(以下、「引用例2」という。)には、「活線用異物除去具」を「合成樹脂等の絶縁材料から成形された伸縮動可能な複数段の長尺のポール2」から構成することが記載(段落【0007】等の記載参照。)され、原査定で提示された、特開2010-239839号公報(以下、「引用例3」という。)には、「遠隔操作棒セット」の「第1種基端側操作棒1」は「短寸(具体的には、例えば全長390mm)形成し、「第2種基端側操作棒2」は「長寸(具体的には、例えば全長590mm)形成することが記載(段落【0019】?【0021】等の記載参照。)されているものの、引用例2及び引用例3のいずれにも、「操作棒1」の「グリップ部」の長さを、「主グリップ部を片手で把持した状態で、グリップ部の基端部が前記作業者の肘に当接」した状態や「主グリップ部を片手で把持した状態で、補助グリップ部の基端部が前記作業者の脇に嵌」んだ状態で「操作棒1」を使用する長さとすること、あるいは、そのような状態で使用する長さとすることを示唆する記載はない。
したがって、引用例1?3によっては、引用例記載の発明において上記相違点に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
本願の請求項2?5に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、当業者が引用例記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1?5に係る発明は、いずれも、当業者が引用例記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶するべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-12-06 
出願番号 特願2014-147838(P2014-147838)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H02G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神田 太郎藤原 敬子  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 山澤 宏
山田 正文
発明の名称 間接活線作業用絶縁操作棒及び間接活線工具  
代理人 藤本 昇  
代理人 中谷 寛昭  
代理人 北田 明  

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