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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G02F
審判 全部申し立て 発明同一  G02F
管理番号 1322285
異議申立番号 異議2015-700265  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-03 
確定日 2016-10-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5726531号発明「光配向組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5726531号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり〔1-8〕について訂正することを認める。 特許第5726531号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第5726531号の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成20年12月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2007年12月21日 欧州特許庁(EP))を国際出願日としてされたとみなされる特許出願であって、平成27年4月10日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人張迪(以下、単に「特許異議申立人」という。)により請求項1ないし8に係る特許について特許異議の申立てがされ、平成28年2月29日付けで請求項1ないし8に係る特許について取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年5月31日に意見書の提出及び訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、同年6月22日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知がされ、意見を提出する機会が与えられたところ、指定期間内に特許異議申立人から意見が提出されず、代えて平成28年8月31日に特許異議申立人から上申書が提出されたものである。



第2 訂正の適否についての判断

1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の訂正事項(1)及び(2)のとおりである。
訂正事項(1) 請求項1の
「a) 0.001?20重量%の、光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)と、
b) 80?99.999重量%の、光配向基を含まない少なくとも1つの化合物(II)と、
c) 場合により少なくとも1つの反応性又は非反応性添加剤と、
d) 場合により少なくとも1つの溶媒と
を含む、光配向組成物(ただし、光配向性を示す構成単位を有する多官能マレイミド誘導体とアルケニル置換ナジイミド誘導体とを含有する光配向性組成物を除く)。」

「a) 0.001?20重量%の、下記式:
【化14】

(式中、芳香族環は、非置換であるか又は置換されており、
Fは、フッ素であり、
xは、0?15の整数であり;
Bは、フッ素置換又はフッ素非置換である直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、これは非置換であるか、又は、ジ-(C_(1)?C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)?C_(6)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び/若しくは塩素で置換されており、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
S_(1)及びS_(2)は、互いに独立して、単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンであるスペーサー単位を示し、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
結合基は、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-N<、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-及び-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-(ここで、 R^(1)は、水素原子又はC_(1)?C_(6)アルキルを表す);並びに/又は架橋基(II)を介して連結している非芳香族、芳香族、非置換若しくは置換の炭素環式若しくは複素環式基から選択され、より好ましくは、架橋基は、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-から選択され;
ここで、
架橋基(II)は、-CH(OH)-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-COCF_(2)-、-CF_(2)CO、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-O-CO-O、-CH_(2)-CH_(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CH=N-、-C(CH_(3))=N-、-N=N-若しくは単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンから選択され、
但し、結合基の酸素原子は互いに直接、結合していない)
で示される光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)と、
b) 80?99.999重量%の、光配向基を含まない少なくとも1つの化合物(II)と、
c) 場合により少なくとも1つの反応性又は非反応性添加剤と、
d) 場合により少なくとも1つの溶媒と
を含む、光配向性組成物(ただし、光配向性を示す構成単位を有する多官能マレイミド誘導体とアルケニル置換ナジイミド誘導体とを含有する光配向性組成物を除く)。」
と訂正する(請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし8も同様に訂正する。)。

2.訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項(1)の訂正は請求項1において、光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)について、本件特許明細書の段落【0027】、【0029】及び【0030】で特定していた「式:
【化14】

」(式の説明を省略する。)と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、これら訂正は一群の請求項ごとに適法に請求されたものである。

3.特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は、平成28年8月31日に提出した上申書において、段落【0029】の記載をみると、【化4】は直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)のフルオロアルキル基であるとあるから、「Bは、直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、」の記載は、フッ素置換されていることが前提と解釈され、また、「Bは、直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、これは非置換であるか、又は、ジ-(C_(1)?C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)?C_(6)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び/若しくは塩素で置換されており、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく」と記載されているが、この「これは非置換であるか」という記載は、最後の「結合基に置き換えられていてもよく」と対比されたものであることは明らかであり、結合基に置換されていないという意であると解され、フッ素置換がないと解釈するにはかなり無理がある一方、その次の「又は、フッ素置換基に加えて、・・・結合基に置き換えられていてもよく」は、非置換であるものと対比して結合基で置換されたものを説明しているが、フッ素置換基に加えてとあり、全てにおいてフッ素置換基があることを示しているのは明らかであるから、訂正事項(1)は、新規事項に該当する旨主張している。
しかしながら、本件の願書に最初に添付した明細書には、「Bは、直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、これは非置換であるか・・・」(段落【0029】)と記載されていることから、Bがフッ素置換されていない直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を包含するものであることは明らかであるといえ、全てにおいてフッ素置換基があることを示しているのを前提としているとまでは解釈することはできない。
そうすると、訂正事項(1)が新規事項であるとはいえず、特許異議申立人の意見は採用できない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし8について訂正を認める。



第3 本件発明について

上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は認められるから、本件請求項1ないし8に係る発明(以下、それぞれ順に「本件特許発明1」ないし「本件特許発明8」という。)は、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
a) 0.001?20重量%の、下記式:
【化14】

(式中、芳香族環は、非置換であるか又は置換されており、
Fは、フッ素であり、
xは、0?15の整数であり;
Bは、フッ素置換又はフッ素非置換である直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、これは非置換であるか、又は、ジ-(C_(1)?C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)?C_(6)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び/若しくは塩素で置換されており、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
S_(1)及びS_(2)は、互いに独立して、単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンであるスペーサー単位を示し、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
結合基は、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-N<、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-及び-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-(ここで、 R^(1)は、水素原子又はC_(1)?C_(6)アルキルを表す);並びに/又は架橋基(II)を介して連結している非芳香族、芳香族、非置換若しくは置換の炭素環式若しくは複素環式基から選択され、より好ましくは、架橋基は、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-から選択され;
ここで、
架橋基(II)は、-CH(OH)-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-COCF_(2)-、-CF_(2)CO、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-O-CO-O、-CH_(2)-CH_(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CH=N-、-C(CH_(3))=N-、-N=N-若しくは単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンから選択され、
但し、結合基の酸素原子は互いに直接、結合していない)
で示される光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)と、
b) 80?99.999重量%の、光配向基を含まない少なくとも1つの化合物(II)と、
c) 場合により少なくとも1つの反応性又は非反応性添加剤と、
d) 場合により少なくとも1つの溶媒と
を含む、光配向性組成物(ただし、光配向性を示す構成単位を有する多官能マレイミド誘導体とアルケニル置換ナジイミド誘導体とを含有する光配向性組成物を除く)。
【請求項2】
光配向物質の調製方法であって、
a)請求項1記載の組成物を適用すること;次に
b)場合により、乾燥すること;次に、
c)工程a)又は工程b)の後で得られた、適用された組成物(VII)を、配向光により照射して、異方性を誘導すること
を含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載された方法により得られる光配向物質。
【請求項4】
請求項1記載の組成物を含む光配向物質。
【請求項5】
非パターン化又はパターン化光学又は電気光学構成要素及びシステム、多層システム又は装置の調製における、光配向物質の使用。
【請求項6】
請求項3及び4に記載された、並びに請求項2記載の方法により調製された構造化又は非構造化光配向物質を含む、非パターン化又はパターン化光学又は電気光学素子、システム及び装置。
【請求項7】
有機又は無機化合物を配向させる、特に液晶を配向させる構造化又は非構造化光配向層としての、請求項3及び4に記載された、並びに請求項2記載の方法により調製された光配向物質の使用。
【請求項8】
表示装置導波管、機密又はブランド保護要素、バーコード、光回折格子、フィルター、リターダー、補正膜、反射偏光膜、吸収偏光膜、異方性拡散膜、補正及びリターダー膜、ねじれリターダー膜、液晶表示装置、コレステリック液晶膜、ゲスト-ホスト液晶膜、モノマー波形膜、スメクチック液晶膜、偏光子、圧電セル、非直線光沢特性を示す薄膜、装飾用光学素子、明度増強膜、波長帯域選択補正の構成要素、マルチドメイン補正の構成要素、マルチビュー液晶表示装置の構成要素、色消しリターダー、偏光状態補正/調整膜、光学又は電気光学センサーの構成要素、明度増強膜の構成要素、光系通信機器の構成要素、異方性吸収体を有するG/H偏光子、反射性円偏光子、反射性直線偏光子、MC(モノマー波形膜)、ねじれネマチック(TN)型液晶表示装置、ハイブリッド整列ネマチック(HAN)型液晶表示装置、電気制御複屈折(ECB)型液晶表示装置、超ねじれネマチック(STN)型液晶表示装置、光学補正複屈折(OCB)型液晶表示装置、パイセル液晶表示装置、面内スイッチング(IPS)型液晶表示装置、フリンジフィールドスイッチング(FFS)型液晶表示装置、垂直整列(VA)型液晶表示装置、マルチドメイン垂直整列(MVA)型液晶表示装置(前記の種類の表示装置は、全て透過又は反射又は半透過モードのいずれかにより適用される)の調製のための、請求項6記載の非パターン化又はパターン化光学又は電気光学素子の使用。」



第4 取消理由の概要

当審において平成28年2月29日付けで通知した取消理由の概要は、請求項1ないし8に係る発明は、本件特許の優先日前の平成19年6月21日に頒布された特開2007-156439号公報(特許異議申立人が提出した甲第1号証。以下、「甲1文献」という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は取り消すべきものであり(以下、「取消理由1-1」という。)、本件特許の優先日前の平成10年9月2日に頒布された特開平10-232400号公報(特許異議申立人が提出した甲第5号証。以下、「甲5文献」という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は取り消すべきものであり(以下、「取消理由1-5」という。)、請求項1ないし8に係る発明は、甲1に記載された発明あるいは甲5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その特許は取り消すべきものであり(以下、それぞれ「取消理由2-1」及び「取消理由2-5」という。)、また、請求項1ないし8に係る発明は、本件特許の優先日前の特許出願であって、本件特許の優先日後に出願公開がされた特願2007-283221号(特許異議申立人が対応する公開特許公報である特開2009-109831号公報として提出した甲第9号証。以下、「甲9出願」という。)の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は特許請求の範囲に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許の出願の発明者が本件特許の優先日前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許の優先日において、その出願人が上記特許の出願人と同一でもなく、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。(以下、「取消理由3」という。)、というものである。



第5 当審の判断

1.取消理由1-1の検討
(1)本件特許発明1に係る特許についての検討
甲1文献の請求項1、3及び4の記載から、甲1文献には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
「一般式(1)で表される化合物、及び、親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を含有する光配向膜用組成物であって、
前記親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を、組成物中の全不揮発成分に対して10?90質量%含み、
前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(1)におけるR3およびR4がスルホ基またはそのアルカリ金属塩である化合物(1-1)を含有する場合には、更に、一般式(2-1)で表される化合物、一般式(2-2)で表される化合物、及び、置換基としてヒドロキシル基を有するトリフェニレン(2-3)からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物(2)を含み、前記化合物(1-1)と、前記化合物(2)との比率が、1:0.1?1:10の範囲であるものを包含する、
光配向膜用組成物。
【化1】

(1)
(式中、R^(1)およびR^(2)は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基若しくはそのアルカリ金属塩、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、-OR^(5)(ただしR^(5)は、炭素原子数1?6のアルキル基、炭素原子数3?6のシクロアルキル基又は炭素原子数1?6のアルコキシ基で置換された炭素原子数1?6のアルキル基を表す)、炭素原子数1?4のヒドロキシルアルキル基、-CONR^(6)R^(7)(ただしR^(6)及びR^(7)は、各々独立して水素原子又は炭素原子数1?6のアルキル基を表す)、又はメトキシカルボニル基を表し、R^(3)およびR^(4)は各々独立して、カルボキシル基若しくはそのアルカリ金属塩、スルホ基若しくはそのアルカリ金属塩、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、又はヒドロキシル基を表す。)
【化2】

(2-1)
(一般式(2-1)中、R^(11)、R^(12)は、各々独立して、ヒドロキシル基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、X^(11)は、R^(11)がヒドロキシル基の場合、単結合を表し、R^(11)が重合性官能基の場合、-(A^(1)-B^(1))_(m)-で表される連結基を表し、X^(12)は、R^(12)がヒドロキシル基の場合、単結合を表し、R^(12)が重合性官能基の場合、-(A^(2)-B^(2))_(n)-で表される連結基を表す。ここで、A^(1)はR^(11)に結合するものとし、A^(2)はR^(12)に結合するものとする。A^(1)及びA^(2)は各々独立して単結合、又は二価の炭化水素基を表し、B^(1)及びB^(2)は各々独立して単結合、-O-、-CO-O-、-O-CO-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、又は-O-CO-NH-を表す。m及びnは各々独立して1?4の整数を表す。但し、m又はnが2以上のとき、複数あるA^(1)、B^(1)、A^(2)及びB^(2)は同じであっても異なっていても良い。但し、二つのB^(1)又はB^(2)の間に挟まれたA^(1)又はA^(2)は、単結合ではないものとする。
R^(13)およびR^(14)は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基若しくはそのアルカリ金属塩、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、-OR^(17)(ただしR^(17)は、炭素原子数1?6のアルキル基、炭素原子数3?6のシクロアルキル基又は炭素原子数1?6のアルコキシ基で置換された炭素原子数1?6のアルキル基を表す)、炭素原子数1?4のヒドロキシルアルキル基、又は-CONR^(18)R^(19)(R^(18)及びR^(19)は、各々独立して水素原子又は炭素原子数1?6のアルキル基を表す)、またはメトキシカルボニル基を表す。
R^(15)およびR^(16)は各々独立して、カルバモイル基、又はスルファモイル基を表す。)
【化3】

(2-2)
(一般式(2-2)中、R^(21)およびR^(22)は各々独立して、水素原子、炭素原子数1?6のアルキル基あるいは炭素原子数1?6のアルコキシ基を表し、A^(11)及びA^(12)は各々独立して、置換基としてアミノ基及びスルホ基若しくはそのアルカリ金属塩を有するナフタレン環、又は、置換基としてアミノ基及びスルホ基若しくはそのアルカリ金属塩を有するベンゼン環を表す。)。」

本件特許発明1と甲1発明とを対比すると、本件訂正請求により、光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)が減縮されたことにより、甲1発明における「一般式(1)で表される化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」又は「一般式(2-1)で表される化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」は、本件特許発明1における「光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)(式の記載及び式の説明を省略する。)」に相当するものであるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。

(2)本件特許発明2ないし8に係る特許についての検討
本件特許発明2ないし8は、本件特許発明1をさらに限定したもの、あるいはそれを直接的に又は間接的に引用するものであるから、上記(1)にて示した判断と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。

2.取消理由1-5の検討
(1)本件特許発明1に係る特許についての検討
甲5文献の請求項1の記載から、甲5文献には、以下の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されているといえる。
「ビニルシンナメート誘導体高分子とポリイミドを98:2ないし2:98の重量比で含むことを特徴とする光配向性組成物。」

本件特許発明1と甲5発明とを対比すると、本件訂正請求により、光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)が減縮されたことにより、甲5発明における「ビニルシンナメート誘導体高分子」は、本件特許発明1における「光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)(式の記載及び式の説明を省略する。)」に相当するものであるとはいえない。
甲5文献には、当該ビニルシンナメート誘導体高分子として、具体的にポリ(ビニルシンナメート)(PVCN)及びポリ(ビニルメトキシシンナメート)(PVMC)が記載されているに留まるものであって、甲5発明における「ビニルシンナメート誘導体高分子」として、本件特許発明1で特定する「光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)(式の記載及び式の説明を省略する。)」が、当業者にとり技術常識であるか、あるいは自明であるものとも認められない。
したがって、本件特許発明1は、甲第5号証に記載された発明であるとはいえない。

(2)本件特許発明2ないし8に係る特許についての検討
本件特許発明2ないし8は、本件特許発明1をさらに限定したもの、あるいはそれを直接的に又は間接的に引用するものであるから、上記(1)にて示した判断と同様の理由により、甲第5号証に記載された発明であるとはいえない。

3.取消理由2-1の検討
(1)本件特許発明1に係る特許についての検討
上記1.(1)で述べたとおり、甲1発明が「一般式(1)で表される化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」又は「一般式(2-1)で表される化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」を含有する点は、本件特許発明1との相違点であって、この点は、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(2)本件特許発明2ないし8に係る特許についての検討
本件特許発明2ないし8は、本件特許発明1をさらに限定したもの、あるいはそれを直接的に又は間接的に引用するものであるから、上記(1)にて示した判断と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

4.取消理由2-5の検討
(1)本件特許発明1に係る特許についての検討
上記2.(1)で述べたとおり、甲5発明が「ビニルシンナメート誘導体高分子」を含む点は、本件特許発明1との相違点であって、甲5文献に、当該ビニルシンナメート誘導体高分子として、ポリ(ビニルシンナメート)(PVCN)またはポリ(ビニルメトキシシンナメート)(PVMC)が具体的に記載されていること、及び、当業者にとっての技術常識や自明な事項を加味したとしても、甲5発明における「ビニルシンナメート誘導体高分子」として、本件特許発明1で特定する「光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)(式の記載及び式の説明を省略する。)」に想到することは、当業者が容易になし得るものでもない。
したがって、本件特許発明1は、甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(2)本件特許発明2ないし8に係る特許についての検討
本件特許発明2ないし8は、本件特許発明1をさらに限定したもの、あるいはそれを直接的に又は間接的に引用するものであるから、上記(1)にて示した判断と同様の理由により、甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

5.取消理由3の検討
(1)本件特許発明1に係る特許についての検討
甲9出願の願書に最初に添付された明細書又は特許請求の範囲(以下、併せて「甲9明細書」という。)の請求項1、3及び6の記載から、甲9明細書には、以下の発明(以下「甲9発明」という。)が記載されているといえる。
「一般式(1)で表されるアゾ化合物、親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、及び、一般式(1)で表されるアゾ化合物と相溶性を有する重合体を含有する光配向膜用組成物であって、
前記親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を、組成物中の不揮発成分に対して10?90質量%含み、
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物において、R^(5)、及び、R^(6)がスルホ基又はそのアルカリ金属塩である化合物(1-1)を含有する場合には、更に、一般式(2-1)で表されるアゾ化合物及び一般式(2-2)で表される化合物からなる化合物群(2)から選ばれる少なくとも一つの化合物を含有し、前記化合物(1-1)と前記化合物群(2)との比率が1:0.1?1:10の範囲であるものを包含する、
光配向膜用組成物。
【化1】

(一般式(1)中、R^(1)及びR^(2)は各々独立してヒドロキシ基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、
A^(1)及びA^(2)は各々独立して単結合又はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、B^(1)及びB^(2)は各々独立して単結合、-O-、-CO-O-、-O-CO-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-又は-O-CO-NH-を表すが、R^(1)及びR^(2)の結合において、-O-O-結合を形成することはなく、
m及びnは各々独立して0?4の整数を表すが、m又はnが2以上のとき、複数あるA^(1)、B^(1)、A^(2)及びB^(2)は同じであっても異なっていても良く、二つのB^(1)又はB^(2)の間に挟まれたA^(1)又はA^(2)はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、
R^(3)?R^(6)は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基若しくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基若しくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表す。)
【化3】

(式中、R^(11)及びR^(12)は各々独立してヒドロキシ基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、A^(1)及びA^(2)は各々独立して単結合又は二価の炭化水素基を表し、B^(1)及びB^(2)は各々独立して単結合、-O-、-CO-O-、-O-CO-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-又は-O-CO-NH-を表すが、R^(11)及びR^(12)の結合において、-O-O-結合を形成することはなく、m及びnは各々独立して0?4の整数を表すが、m又はnが2以上のとき、複数あるA^(1)、B^(1)、A^(2)及びB^(2)は同じであっても異なっていても良い。但し二つのB^(1)又はB^(2)の間に挟まれたA^(1)又はA^(2)は単結合でない、R^(13)?R^(16)は各々独立して、カルバモイル基又はスルファモイル基を表す。)
【化4】

(一般式(2-2)中、R^(21)及びR^(22)は各々独立して、水素原子、炭素原子数1?6のアルキル基あるいは炭素原子数1?6のアルコキシ基を表し、A^(11)、及び、A^(12)は各々独立して、置換基としてアミノ基及びスルホン酸基若しくはアルカリ金属を有するナフタレン環、又は、置換基としてアミノ基及びスルホン酸基若しくはそのアルカリ金属塩を有するベンゼン環を表す。)」

本件特許発明1と甲9発明とを対比すると、本件訂正請求により、光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)が減縮されたことにより、甲9発明における「一般式(1)で表されるアゾ化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」又は「一般式(2-1)で表されるアゾ化合物(式の記載及び式の説明を省略する。)」は、本件特許発明1における「光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)(式の記載及び式の説明を省略する。)」に相当するものであるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、甲第9号証に係る先願明細書に記載された発明であるとはいえない。

(2)本件特許発明2ないし8に係る特許についての検討
本件特許発明2ないし8は、本件特許発明1をさらに限定したもの、あるいはそれを直接的に又は間接的に引用するものであるから、上記(1)にて示した判断と同様の理由により、甲第9号証に係る先願明細書に記載された発明であるとはいえない。



第6 むすび

以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件特許発明1ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明1ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 0.001?20重量%の、下記式:
【化14】

(式中、芳香族環は、非置換であるか又は置換されており、
Fは、フッ素であり、
xは、0?15の整数であり;
Bは、フッ素置換又はフッ素非置換である直鎖又は分岐鎖C_(1)?C_(16)アルキル基を表し、これは非置換であるか、又は、ジ-(C_(1)?C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)?C_(6)アルコキシ、ニトロ、シアノ及び/若しくは塩素で置換されており、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
S_(1)及びS_(2)は、互いに独立して、単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンであるスペーサー単位を示し、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、互いに独立して結合基に置き換えられていてもよく;
結合基は、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-N<、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-及び-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-(ここで、R^(1)は、水素原子又はC_(1)?C_(6)アルキルを表す);並びに/又は架橋基(II)を介して連結している非芳香族、芳香族、非置換若しくは置換の炭素環式若しくは複素環式基から選択され;
ここで、
架橋基(II)は、-CH(OH)-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-COCF_(2)-、-CF_(2)CO、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-O-CO-O、-CH_(2)-CH_(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CH=N-、-C(CH_(3))=N-、-N=N-若しくは単結合、又は環状、直鎖若しくは分岐鎖、置換若しくは非置換のC_(1)?C_(24)アルキレンから選択され、
但し、結合基の酸素原子は互いに直接、結合していない)
で示される光配向基を含む少なくとも1つの光反応性化合物(I)と、
b) 80?99.999重量%の、光配向基を含まない少なくとも1つの化合物(II)と、
c) 場合により少なくとも1つの反応性又は非反応性添加剤と、
d) 場合により少なくとも1つの溶媒と
を含む、光配向性組成物(ただし、光配向性を示す構成単位を有する多官能マレイミド誘導体とアルケニル置換ナジイミド誘導体とを含有する光配向性組成物を除く)。
【請求項2】
光配向物質の調製方法であって、
a)請求項1記載の組成物を適用すること;次に
b)場合により、乾燥すること;次に、
c)工程a)又は工程b)の後で得られた、適用された組成物(VII)を、配向光により照射して、異方性を誘導すること
を含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載された方法により得られる光配向物質。
【請求項4】
請求項1記載の組成物を含む光配向物質。
【請求項5】
非パターン化又はパターン化光学又は電気光学構成要素及びシステム、多層システム又は装置の調製における、請求項3又は4記載の光配向物質の使用。
【請求項6】
請求項3又は4に記載された構造化又は非構造化光配向物質を含む、非パターン化又はパターン化光学又は電気光学素子。
【請求項7】
有機又は無機化合物を配向させる、構造化又は非構造化光配向層としての、請求項3又は4に記載された光配向物質の使用。
【請求項8】
表示装置導波管、機密又はブランド保護要素、バーコード、光回折格子、フィルター、リターダー、補正膜、反射偏光膜、吸収偏光膜、異方性拡散膜、補正及びリターダー膜、ねじれリターダー膜、液晶表示装置、コレステリック液晶膜、ゲスト-ホスト液晶膜、モノマー波形膜、スメクチック液晶膜、偏光子、圧電セル、非直線光沢特性を示す薄膜、装飾用光学素子、明度増強膜、波長帯域選択補正の構成要素、マルチドメイン補正の構成要素、マルチビュー液晶表示装置の構成要素、色消しリターダー、偏光状態補正/調整膜、光学又は電気光学センサーの構成要素、明度増強膜の構成要素、光系通信機器の構成要素、異方性吸収体を有するG/H偏光子、反射性円偏光子、反射性直線偏光子、MC(モノマー波形膜)、ねじれネマチック(TN)型液晶表示装置、ハイブリッド配向ネマチック(HAN)型液晶表示装置、電気制御複屈折(ECB)型液晶表示装置、超ねじれネマチック(STN)型液晶表示装置、光学補正複屈折(OCB)型液晶表示装置、パイセル液晶表示装置、面内スイッチング(IPS)型液晶表示装置、フリンジフィールドスイッチング(FFS)型液晶表示装置、垂直配向(VA)型液晶表示装置、マルチドメイン垂直配向(MVA)型液晶表示装置(前記の種類の表示装置は、全て透過又は反射又は半透過モードのいずれかにより適用される)の調製のための、請求項6記載の非パターン化又はパターン化光学又は電気光学素子の使用。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2016-09-30 
出願番号 特願2010-538452(P2010-538452)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (G02F)
P 1 651・ 161- YAA (G02F)
P 1 651・ 121- YAA (G02F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 赤坂 祐樹  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 小野寺 務
守安 智
登録日 2015-04-10 
登録番号 特許第5726531号(P5726531)
権利者 ロリク リミテッド
発明の名称 光配向組成物  
代理人 膝舘 祥治  
代理人 田中 洋子  
代理人 柴田 明夫  
代理人 膝舘 祥治  
代理人 三宅 俊男  
代理人 小國 泰弘  
代理人 特許業務法人 津国  
代理人 津国 肇  
代理人 特許業務法人津国  
代理人 三宅 俊男  
代理人 田中 洋子  
代理人 生川 芳徳  
代理人 柴田 明夫  
代理人 生川 芳徳  
代理人 小國 泰弘  
代理人 津国 肇  

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