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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03G
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G03G
管理番号 1322838
審判番号 不服2015-21831  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-09 
確定日 2017-01-10 
事件の表示 特願2011-101167「定着装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月29日出願公開、特開2012-233972、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年4月28日の出願であって、平成27年4月16日付けで手続補正がされ、同年9月7日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年12月9日付けで拒絶査定に対する不服審判請求がなされると同時に手続補正がなされ、その後、当審において、平成28年8月25日付けで拒絶の理由を通知したところ、これに対し、同年10月27日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1乃至6に係る発明は、上記平成28年10月27日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1乃至6に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める(以下請求項1乃至6に係る発明を、それぞれ、「本願発明1」、乃至「本願発明6」といい、これらを総称して「本願発明」という。)。
「【請求項1】
記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置であって、
可撓性を有する筒状部材と、
前記筒状部材の内側に配置されたヒータと、
前記筒状部材の内周面に摺接するように配置され、前記ヒータからの輻射熱を受けるニップ部材と、
前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材の両端部を支持するステイであって、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記ステイの上流側支持部によって支持される位置と前記ステイの下流側支持部によって支持される位置との間に規定するステイと、
前記ニップ部材との間で前記筒状部材を挟むバックアップ部材であって、前記ステイの上流側支持部よりも前記搬送方向の下流側かつ前記ステイの下流側支持部よりも前記搬送方向の上流側の位置で、前記記録シートに転写された現像剤像を熱定着するニップ部を前記ニップ部材との間で形成するバックアップ部材と、を備え、
前記ヒータは、
ガラス管内に発熱体を封入して両端部を閉じることで形成され、両端部を閉じるときに形成される封止部が、前記ガラス管の径方向に長く延びる板状をなし、かつ、前記ガラス管の軸方向から見て前記ガラス管の表面から突出するように形成され、
前記ヒータと前記ニップ部材が対向する対向方向及び前記ガラス管の軸方向と直交する方向であって、前記搬送方向と同一の方向である直交方向の前記封止部及び前記ガラス管の最大長さが、前記ガラス管の径と等しくなるように、前記封止部が所定の向きを向いて配置されていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置であって、
可撓性を有する筒状部材と、
前記筒状部材の内側に配置されたヒータと、
前記筒状部材の内周面に摺接するように配置され、前記ヒータからの輻射熱を受けるニップ部材と、
前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、前記ヒータからの輻射熱を前記ニップ部材に向けて反射する反射部材であって、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記反射部材の上流側支持部によって支持される位置と前記反射部材の下流側支持部によって支持される位置との間に規定する反射部材と、
前記ニップ部材との間で前記筒状部材を挟むバックアップ部材であって、前記反射部材の上流側支持部よりも前記搬送方向の下流側かつ前記反射部材の下流側支持部よりも前記搬送方向の上流側の位置で、前記記録シートに転写された現像剤像を熱定着するニップ部を前記ニップ部材との間で形成するバックアップ部材と、を備え、
前記ヒータは、
ガラス管内に発熱体を封入して両端部を閉じることで形成され、両端部を閉じるときに形成される封止部が、前記ガラス管の径方向に長く延びる板状をなし、かつ、前記ガラス管の軸方向から見て前記ガラス管の表面から突出するように形成され、
前記ヒータと前記ニップ部材が対向する対向方向及び前記ガラス管の軸方向と直交する方向であって、前記搬送方向と同一の方向である直交方向の前記封止部及び前記ガラス管の最大長さが、前記ガラス管の径と等しくなるように、前記封止部が所定の向きを向いて配置されていることを特徴とする定着装置。
【請求項3】
前記ヒータは、前記ガラス管内に前記発熱体とともにガスが封入され、ガスを封入するときに形成されるチップ部が、前記ガラス管の軸方向から見て、前記ガラス管の表面から、前記対向方向における前記ニップ部材から前記ヒータに向かう側に向けて突出するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記封止部と前記チップ部は、前記ガラス管の軸方向から見て、少なくとも一部が重なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記ヒータは、前記チップ部が、前記ガラス管の軸方向から見て、前記ガラス管の表面から前記封止部の長手方向に向けて突出するように配置されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記ステイは、前記ヒータからの輻射熱を前記ニップ部材に向けて反射する反射面を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。」


第3 原査定の理由について
1.原査定の理由の概要
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

請求項:1、3、5?8
引用文献:1、2、3、4

<引用文献等一覧>
1.特開2008-224878号公報
2.特開2005-216734号公報
3.特開2010-231971号公報
4.特開2000-321909号公報

2.原査定の理由の判断
(1)刊行物の記載事項
ア.刊行物1
本願の出願日前である平成20年9月25日に頒布された特開2008-224878号公報には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項1】
記録媒体表面に形成されたトナー像を加熱して溶融する可撓性をもった定着部材と、前記定着部材の一方面に配置された加圧部材と、前記定着部材を挟んで前記加圧部材と一定幅のニップ部を形成する当接部材と、前記当接部材を加熱する加熱手段と、前記当接部材を保持する保持部材と、を備え、前記当接部材は、断面が略凹字の弾性薄板状部材からなり、該弾性薄板状部材の側面端部で前記保持部材により保持されていることを特徴とする定着装置。」
(イ)「【0020】
次に、図2乃至図7に示した本発明に係る定着装置及びそれらを用いた画像形成装置の実施態様例について説明する。
図2は、本発明の定着装置20の一例を示す側面概要構成図、図3(a)、(b)は、定着装置20の一部を示す図、図4は、当接部材の平面図(加圧部材から受ける加圧方向から見た図)、図5は、当接部材が保持部材に保持されている箇所の部分拡大図、図6は、反射部材を幅方向からみた斜視図、図7は、当接部材の幅方向両端部の係止状態を示す側面図、図8は、当接部材と加圧部材との当接部分の拡大図である。
先ず、定着装置20は図2に示すように、定着部材としての定着フィルム21、当接部材としての加熱板22、反射部材としての反射板23、保持部材24、加熱手段としての赤外線ヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、検知手段としての光学センサ40を備えており、必要に応じ記録媒体Pを搬送するガイド板35、37、等が近接配置されている。
【0021】
定着部材としての定着フィルム21は、薄肉で可撓性を有する筒状あるいはベルト状のエンドレスフィルムであって、後述するように加圧ローラ31の回転に伴って、図2中の矢印方向(時計方向)に回転する。定着フィルム21の材料としては、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等が用いられるが、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)を担保するために、定着フィルム21の表層に、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等からなる離型層を形成することもできる。
このように定着部材として熱容量の小さい定着フィルム21を用いることによって、加熱量を少なくして省電力化を図りつつ、しかも画像定着可能状態に至るまでの立ち上がり時間が短いオンデマンド方式に適した定着装置を提供することができる。
【0022】
定着フィルム21の内部(内周面側)には、赤外線ヒータ25(加熱手段)、加熱板(当接部材)22、反射板23、保持部材24、等が固設されており、定着フィルム21は、加熱板22と加圧ローラ31との間に形成されたニップ部Nに挟み込まれた状態で、加圧ローラ31の回転に伴って図中矢印(時計回り)に回転するように構成されている。
なお、当接部材としての加熱板22は、この例では、板厚が0.1mm程度の金属板を材料として構成されているが、セラミックやポリイミド樹脂からなる板材であってもよく、この加熱板22は、赤外線ヒータ25によって加熱(例えば、輻射熱による加熱)されるとともに、定着フィルム21を介して加圧ローラ31に当接して所望のニップ部を形成する。ここで、加熱板22は、平板であっても構わないが、図2や図3あるいは他の図面に示すように、長手方向(幅方向)に直行する方向から見た断面が概ね凹字状になるように両端部に直行側面を有するように折り曲げられていることによって、幅方向に細長い形状となっても折り曲げ方向に対する強度を確保するとともに、必要な可撓性や弾力性を備えることによって、後述するように加熱板22を若干変形させることによって、着脱可能に構成した点が特徴である。
【0023】
また、図3に記すように、加熱板22は薄板であるため加圧ローラ31からの圧力により撓むことを防ぐために、保持部材としての保持部24のステー部で強度を補完している。即ち、図3に示すように、保持部材としての保持部24の端部には、当接部材の側面に直行する方向に一つ以上の凸部Sを備え、この凸部Sに加熱板(当接部材)22の端部が押し当てられることによって、加圧ローラ(加圧部材)31の加圧に抗するように保持部材に係止されている。このように加熱板22の薄板を端面でスポット的な小面積の凸部Sにより保持することによって、加熱板22と保持部24(保持部材)の保持ステー部との接触面積を減らし、熱伝達を最小に抑えることができる(請求項1)。」
(ウ)「【0029】
図8は、本発明の他の変形実施例を示す図である。この例では、加熱板(加圧部材)22と保持部24との当接部分の一方であって、加圧ローラ31の回転方向に対する上流側を、板バネやスプリング等29によって付勢する構造にすることによって、加熱板22の熱膨張率と保持部24の熱膨張率の違いによる加熱板22の変形を防止したものである。即ち、加圧ロ-ラ31に駆動が与えられている状態では、定着フィルム21は時計方向に回転しているため、加熱板22は定着フィルム21から搬送方向下流方向の力を受けているので、例えば、金属板等の熱膨張率の大きな加熱板22の熱膨張が、保持部24の熱膨張より大きいことにより、加熱板22に大きな力が加わる虞がある。そこで、図8に示すように、弾性部材としての板バネ29によって搬送方向下流方向に付勢しておけば、加熱板22の膨張を吸収して、その変形を防止することが可能であり、加圧ローラ31とのニップ部の変形を防止する効果がある。
また、加熱板(当接部材)22が強固に構成されていて、変形しにくい場合であっても、板バネやスプリング29に抗してスライドすることによって、加熱板(当接部材)22を取り外すことが可能となる(請求項13)。
【0030】
…加熱手段として特許文献2に記載されているように、励磁コイルに対向して電磁誘導加熱板備えた電磁誘導方式、あるいは赤外線加熱方式、ハロゲンランプ方式等、種々のものが採用可能である。…」
(エ)上記(イ)、(ウ)及び図8より、定着フィルム(定着部材)の内側で赤外線ヒータ(加熱手段)を覆うように配置され、記録媒体(記録紙)の搬送方向における加熱板(当接部材)の上流側を支持する保持部(保持部材)の上流側支持部、及び加熱板(当接部材)の下流側を支持する保持部(保持部材)の下流側支持部、並びに、保持部(保持部材)の上流側支持部と保持部(保持部材)の下流側支持部によって加熱板(当接部材)の両端部を保持する保持部(保持部材)であって、加熱板(当接部材)のうちの赤外線ヒータ(加熱手段)からの輻射熱を受ける部分が、保持部(保持部材)の上流側支持部によって支持される位置と保持部(保持部材)の下流側支持部によって支持される位置との間である保持部(保持部材)が看取できる。

そうすると、上記(ア)乃至(エ)の記載事項から、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「記録媒体表面に形成されたトナー像を加熱して溶融する可撓性をもった定着部材と、前記定着部材の一方面に配置された加圧部材と、前記定着部材を挟んで前記加圧部材と一定幅のニップ部を形成する当接部材と、前記当接部材を加熱する加熱手段と、前記当接部材を保持する保持部材と、を備え、前記当接部材は、断面が略凹字の弾性薄板状部材からなり、該弾性薄板状部材の側面端部で前記保持部材により保持され、
定着部材としての定着フィルムは、薄肉で可撓性を有する筒状あるいはベルト状のエンドレスフィルムであって、加圧ローラの回転に伴って、回転し、
定着フィルムの内部(内周面側)には、赤外線ヒータ(加熱手段)、加熱板(当接部材)、反射板、保持部材、等が固設されており、定着フィルムは、加熱板と加圧ローラとの間に形成されたニップ部に挟み込まれた状態で、加圧ローラの回転に伴って回転するように構成され、
当接部材としての加熱板は、赤外線ヒータによって加熱(例えば、輻射熱による加熱)されるとともに、定着フィルムを介して加圧ローラに当接して所望のニップ部を形成し、
定着部材の内側で加熱手段を覆うように配置され、記録媒体の搬送方向における当接部材の上流側を保持部材の上流側支持部が支持し、当接部材の下流側を保持部材の下流側支持部が支持することにより、当接部材の両端部を保持する保持部材であって、当接部材のうちの加熱手段からの輻射熱を受ける部分が、保持部材の上流側支持部によって支持される位置と保持部材の下流側支持部によって支持される位置との間である保持部材を備え、ハロゲンランプ方式の加熱手段である、定着装置。」

イ.刊行物2
本願の出願日前である平成17年8月11日に頒布された特開2005-216734号公報には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項1】
各々両端にピンチシール部を有するバルブを具えた3本以上の棒状のランプが、互いに平行に伸びるよう配置され、これらのランプの両端部において共通の連結部材によって連結されてなるランプユニットにおいて、
複数本のランプは、隣り合うランプの中心の各々を結んだ仮想直線の複数によって正多角形が構成され、かつ、各々のランプにおけるピンチシール部の扁平な面が互いに異なる仮想直線と平行となる状態で、配置されており、バルブにおけるピンチシール部以外の直管状部分が互いに接触する状態、または隣り合うランプにおける直管状部分の外周面の離間距離の大きさが1mm以下となるよう接近した状態とされていることを特徴とするランプユニット。」
(イ)「【0010】
しかしながら、使用される実際の棒状のヒータランプには、バルブにおける直管状部分の外周面よりランプの径方向に突出する部分が存在する。具体的には、ヒータランプの両端部には、上述したように、ランプの気密性を保持しつつ、内部のフィラメントに電力を供給するためのピンチシール部が形成されており、このピンチシール部は、例えば直管状のバルブ形成材料の端部を加熱し、バルブ形成材料の内部にフィラメントの一端が接続された導電性箔を挟んだ状態で、バルブ形成材料を両側から機械的に圧接することにより形成され、ピンチシール部の扁平な面方向における幅寸法がバルブの直管状部分の外径寸法より大きい状態、具体的には、例えばバルブの直管状部分の直径が6mmであるランプの場合には、ピンチシール部の扁平な面方向の幅は約7mm程度となり、ランプの径方向の両側に、バルブの直管状部分の外周面より約0.5mm程度ずつ突出した状態となる。
また、ランプを作製するに際して、バルブ形成材料には、ピンチシール部が形成されたバルブ形成材料の内部空間から不要なガスを排気し、ハロゲンガス等のガスを封入するためのガス排気導入管が取り付けられるが、このガス排気導入管を取り除いた跡が、バルブの直管状部分の外周面より3mm程度盛り上がった状態で残ってしまう。
従って、単に、ヒータランプ同士をバルブの直管状部分を接触または極めて接近させた状態で配置してランプユニットを構成しようとした場合には、隣り合うヒータランプにおける上記のピンチシール部やガス排気導入管の残留部が互いに干渉することがあり、ランプユニットの小型化を図ることができない、という問題が生ずる。」
(ウ)「【0014】
以下、本発明について、例えば加熱ローラ定着方式の加熱定着装置における加熱源として用いられる、3本の棒状のランプを具えてなるランプユニットを例に挙げて説明する。」
(エ)【0018】
このランプユニットにおいては、図2に示されているように、3本のヒータランプ10A,10B,10Cが下記の条件(イ)および条件(ロ)を満足する状態で配置されている。これにより、3本のヒータランプ10A,10B,10Cを、隣り合うヒータランプにおけるピンチシール部15,15が互いに干渉することなしに、発光管部11A,11Aを互いに接触させた状態または極めて接近させた状態で、配置することができる。
条件(イ);ヒータランプに直交する平面において、隣り合うヒータランプの中心の各々を結ぶ3本の仮想直線L1,L2,L3によって正三角形が構成される状態。
条件(ロ);各々のヒータランプにおけるピンチシール部の扁平な面が互いに異なる仮想直線と平行に伸びる状態。」
(オ)上記(ウ)より、ランプユニットは加熱ローラ定着方式の加熱定着装置の加熱源として用いられるものといえる。

そうすると、上記(ア)乃至(オ)の記載事項から、刊行物2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。
「ハロゲンガス等のガスが封入され、各々両端にバルブの直管状部分の外周面より約0.5mm程度ずつ突出したピンチシール部を有するバルブを具えた3本の棒状のランプが、互いに平行に伸びるよう配置され、これらのランプの両端部において共通の連結部材によって連結されてなるランプユニットを加熱源として用いる加熱ローラ定着方式の加熱定着装置において、
複数本のランプは、隣り合うランプの中心の各々を結んだ仮想直線の複数によって正多角形が構成され、かつ、各々のランプにおけるピンチシール部の扁平な面が互いに異なる仮想直線と平行となる状態で、配置されており、バルブにおけるピンチシール部以外の直管状部分が互いに接触する状態、または隣り合うランプにおける直管状部分の外周面の離間距離の大きさが1mm以下となるよう接近した状態とされ、
3本のヒータランプ10A,10B,10Cが下記の条件(イ)および条件(ロ)を満足する状態で配置されているランプユニットを加熱源として用いる加熱ローラ定着方式の加熱定着装置。
条件(イ);ヒータランプに直交する平面において、隣り合うヒータランプの中心の各々を結ぶ3本の仮想直線L1,L2,L3によって正三角形が構成される状態。
条件(ロ);各々のヒータランプにおけるピンチシール部の扁平な面が互いに異なる仮想直線と平行に伸びる状態。」

ウ.刊行物3
本願の出願日前である平成22年10月14日に頒布された特開2010-231971号公報には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項2】
内部に発熱源が設けられた第1筒体と、
前記第1筒体と並んで配置され、内部に発熱源が設けられた第2筒体と、
前記第1筒体及び前記第2筒体の周りを回転する管体と、
前記管体へ固定され、管体の内側へ突出するギアキー部と、
前記管体へ装着される軸受け又はギアの抜け止めであり、管体の内側へ突出する抜け止め部材と、
を備え、
前記管体の同心円上であって、前記ギアキー部と接する第2同心円との間に予め定めた隙間を設けて形成された第2仮想同心円、及び、前記管体の同心円上であって、前記抜け止め部材と接する第3同心円との間に予め定めた隙間を設けて形成された第3仮想同心円内に前記第1筒体及び第2筒体が配置された加熱部材。
【請求項3】
前記第1筒体が、両端部に設けられ前記発熱源に電力を供給する板状の第1電力供給部と、前記第1電力供給部の幅方向に沿って前記第1筒体の外周面から第1筒体の半径方向へ突出し、第1筒体内へガスを供給する第1ガス導入部と、を備え、
前記第2筒体が、両端部に設けられ前記発熱源に電力を供給する板状の第2電力供給部と、前記第2電力供給部の幅方向に沿って前記第2筒体の外周面から第2筒体の半径方向へ突出し、前記第1ガス導入部と干渉しない位置に設けられ、第2筒体内へガスを供給する第2ガス導入部と、を備えて、
前記第1ガス導入部と前記第2ガス導入部を互いに近づけて配置し、前記第1ガス導入部及び前記第2ガス導入部が、前記管体の内周面との間に予め定めた隙間を設けて形成された第4仮想同心円内に配置され、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部が、前記第2仮想同心円及び前記第3仮想同心円内に配置された請求項2に記載の加熱部材。
【請求項6】
請求項1?5の何れか1項に記載の加熱部材と、
前記加熱部材に未定着の画像が転写された被転写媒体を押し付ける加圧部材と、
を有する定着装置。」
(イ)「【0049】
一方、発光管68、70の両端部には、フィラメントと接続された板状端子(電力供給部)72、74がそれぞれ設けられている。この板状端子72、74は、ニッケル、ステンレス鋼等の薄肉金属板であり、発光管68、70を封止すると共に、この板状端子72、74に設けられたコネクタ75、77を介して、それぞれ図示しない電源に接続され、ランプヒータ48、50へ電力が供給可能とされる。
【0050】
また、発光管68、70の外周面からは、その半径方向に沿ってガス導入部76、78がそれぞれ突出している。このガス導入部76、78は、発光管68、70内へハロゲン及び不活性ガスを導入するために設けられたものであり、発光管68、70の外周面に痕として残ってしまう。また、ガス導入部76、78の突出方向は、板状端子72、74の幅方向に沿うようにしている。つまり、図6に示すように、板状端子72、74の幅方向に沿った線L1、L2に沿って、ガス導入部76、78が突出している。」
(ウ)「【0057】
つまり、板状端子72及び板状端子74の外角部72A、74Aは、芯金62の内周面62Aから突出した、キー部54又はC形止め輪64の内面と干渉しないように、ランプヒータ48及びランプヒータ50を配置しなければならない。」

そうすると、上記(ア)乃至(ウ)の記載事項から、刊行物3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。
「内部に発熱源が設けられた第1筒体と、
前記第1筒体と並んで配置され、内部に発熱源が設けられた第2筒体と、
前記第1筒体及び前記第2筒体の周りを回転する管体と、
前記管体へ固定され、管体の内側へ突出するギアキー部と、
前記管体へ装着される軸受け又はギアの抜け止めであり、管体の内側へ突出する抜け止め部材と、
を備え、
前記管体の同心円上であって、前記ギアキー部と接する第2同心円との間に予め定めた隙間を設けて形成された第2仮想同心円、及び、前記管体の同心円上であって、前記抜け止め部材と接する第3同心円との間に予め定めた隙間を設けて形成された第3仮想同心円内に前記第1筒体及び第2筒体が配置され、
前記第1筒体が、両端部に設けられ前記発熱源に電力を供給する板状の第1電力供給部と、前記第1電力供給部の幅方向に沿って前記第1筒体の外周面から第1筒体の半径方向へ突出し、第1筒体内へハロゲン及び不活性ガスを供給する第1ガス導入部と、を備え、
前記第2筒体が、両端部に設けられ前記発熱源に電力を供給する板状の第2電力供給部と、前記第2電力供給部の幅方向に沿って前記第2筒体の外周面から第2筒体の半径方向へ突出し、前記第1ガス導入部と干渉しない位置に設けられ、第2筒体内へハロゲン及び不活性ガスを供給する第2ガス導入部と、を備えて、
前記第1ガス導入部と前記第2ガス導入部を互いに近づけて配置し、前記第1ガス導入部及び前記第2ガス導入部が、前記管体の内周面との間に予め定めた隙間を設けて形成された第4仮想同心円内に配置され、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部が、前記第2仮想同心円及び前記第3仮想同心円内に配置された加熱部材と、
前記加熱部材に未定着の画像が転写された被転写媒体を押し付ける加圧部材と、を有する定着装置。」

エ.刊行物4
本願の出願日前である平成12年11月24日に頒布された特開2000-321909号公報には、以下の記載がある。
(ア)「【0030】一方、ハロゲンランプ16の両端には矩形状の封止部26が設けられており、封止部26にはハロゲンランプ16の中心軸線に沿って棒状の端子28が突出している。」
(イ)「【0054】次に、本形態に係る定着装置に用いられるハロゲンランプ16の取付け方法について説明する。

【0058】次に、本形態に係る定着装置に用いられるハロゲンランプ16の取外し方法について説明する。」

そうすると、上記(ア)及び(イ)の記載事項から、刊行物4には、次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されているものと認められる。
「両端に矩形状の封止部が設けられたハロゲンランプを用いた定着装置。」

(2)対比
そこで、本願発明1と引用発明1とを対比すると、
ア.後者の「記録媒体」、「トナー像」及び「定着部材」は、それぞれ、前者の「記録シート」、「現像剤像」及び「定着装置」に相当する。
イ.後者の「定着フィルム」は、薄肉で可撓性を有する筒状あるいはベルト状のエンドレスフィルムであるから、前者の「可撓性を有する筒状部材」、又は「筒状部材」に相当する。
ウ.後者の「赤外線ヒータ(加熱手段)」は、定着フィルムの内部(内周面側)に固設されているものであるから、前者の「筒状部材の内側に配置されたヒータ」に相当する。
エ.後者の「加熱板(当接部材)」は、定着フィルムの内部(内周面側)に固設され、赤外線ヒータによって加熱(例えば、輻射熱による加熱)されるとともに、定着フィルムを介して加圧ローラに当接して所望のニップ部を形成するものであるから、前者の「筒状部材の内周面に摺接するように配置され、ヒータからの輻射熱を受けるニップ部材」に相当する。
オ.後者の「保持部材」は、定着部材の内側で加熱手段を覆うように配置され、記録媒体の搬送方向における当接部材の上流側を保持部材の上流側支持部が支持し、当接部材の下流側を保持部材の下流側支持部が支持することにより、加熱板(当接部材)の両端部を保持し、当接部材のうちの加熱手段からの輻射熱を受ける部分が、保持部材の上流側支持部によって支持される位置と保持部材の下流側支持部によって支持される位置との間であるものであるから、前者の「前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材の両端部を支持するステイであって、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記ステイの上流側支持部によって支持される位置と前記ステイの下流側支持部によって支持される位置との間に規定するステイ」に相当する。
カ.後者の「加圧ローラ」は、加熱板(当接部材)との間にニップ部を形成し、当接部材のうちの加熱手段からの輻射熱を受ける部分が、保持部材の上流側支持部によって支持される位置と保持部材の下流側支持部によって支持される位置との間であるから、後者は、「前記ニップ部材との間で前記筒状部材を挟むバックアップ部材であって、前記ステイの上流側支持部よりも前記搬送方向の下流側かつ前記ステイの下流側支持部よりも前記搬送方向の上流側の位置で、前記記録シートに転写された現像剤像を熱定着するニップ部を前記ニップ部材との間で形成するバックアップ部材」を有するといえる。

したがって、両者は、
「記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置であって、
可撓性を有する筒状部材と、
前記筒状部材の内側に配置されたヒータと、
前記筒状部材の内周面に摺接するように配置され、前記ヒータからの輻射熱を受けるニップ部材と、
前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材の両端部を支持するステイであって、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記ステイの上流側支持部によって支持される位置と前記ステイの下流側支持部によって支持される位置との間に規定するステイと、
前記ニップ部材との間で前記筒状部材を挟むバックアップ部材であって、前記ステイの上流側支持部よりも前記搬送方向の下流側かつ前記ステイの下流側支持部よりも前記搬送方向の上流側の位置で、前記記録シートに転写された現像剤像を熱定着するニップ部を前記ニップ部材との間で形成するバックアップ部材と、を備える定着装置。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明1が、「ヒータは、ガラス管内に発熱体を封入して両端部を閉じることで形成され、両端部を閉じるときに形成される封止部が、前記ガラス管の径方向に長く延びる板状をなし、かつ、前記ガラス管の軸方向から見て前記ガラス管の表面から突出するように形成され、前記ヒータと前記ニップ部材が対向する対向方向及び前記ガラス管の軸方向と直交する方向であって、前記搬送方向と同一の方向である直交方向の前記封止部及び前記ガラス管の最大長さが、前記ガラス管の径と等しくなるように、前記封止部が所定の向きを向いて配置されている」ものであるのに対し、引用発明1は、ハロゲンランプ方式の加熱手段である点。

(3)判断
上記相違点1について検討する。
引用発明2の「ピンチシール部」は、ハロゲンガス等のガスが封入され、各々両端にバルブの直管状部分の外周面より約0.5mm程度ずつ突出したものであり、引用発明3の「板状の第1の電力供給部」及び「板状の第2の電力供給部」は、筒体の外周面から筒体の半径方向へ突出し、筒体は内部に発熱源が設けられハロゲン及び不活性ガスが供給されたものであり、並びに引用発明4の「矩形状の封止部」は、ハロゲンランプの両端に設けられたものであるから、いずれも、その形状及び機能から、本願発明1の「ガラス管内に発熱体を封入して両端部を閉じることで形成され、ガラス管の径方向に長く延びる板状をなし、かつ、前記ガラス管の軸方向から見て前記ガラス管の表面から突出するように形成された封止部」に相当する。
しかし、いずれの発明にも、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項の「前記ヒータと前記ニップ部材が対向する対向方向及び前記ガラス管の軸方向と直交する方向であって、前記搬送方向と同一の方向である直交方向の前記封止部及び前記ガラス管の最大長さが、前記ガラス管の径と等しくなるように、前記封止部が所定の向きを向いて配置されている」点は記載されていないし、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。
したがって、引用発明1において、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものとすることは、当業者が容易に想到し得るものではない。

そして、本願発明1は、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を具備することにより、本願明細書に記載の「ニップ板やステイを直交方向に小型化することができる。」(【0007】)及び「定着装置の小型化を図ることができるとともに、ニップ板の熱容量が小さくなるので、ヒータによりニップ板を迅速に加熱することができ、定着装置の立ち上がり時間の短縮化を図ることができる。」(【0008】)という作用効果を奏するものである。

したがって、本願発明1は、引用発明1乃至4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(4)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の「前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、『前記ニップ部材の両端部を支持するステイであって、』前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記ステイの上流側支持部によって支持される位置と前記ステイの下流側支持部によって支持される位置との間に規定する『ステイ』と」なる発明特定事項を、「前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、『前記ヒータからの輻射熱を前記ニップ部材に向けて反射する反射部材であって、』記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記反射部材の上流側支持部によって支持される位置と前記反射部材の下流側支持部によって支持される位置との間に規定する『反射部材』と」と特定したものである。
そうすると、本願発明2と引用発明1とを対比すると、両者は、上記相違点1に加え、以下の点で相違する。

[相違点2]
本願発明2が、「前記筒状部材の内側で前記ヒータを覆うように配置され、前記ヒータからの輻射熱を前記ニップ部材に向けて反射する反射部材であって、記録シートの搬送方向における前記ニップ部材の上流側を上流側支持部が支持し、前記ニップ部材の下流側を下流側支持部が支持することにより、前記ニップ部材のうちの前記ヒータからの輻射熱を受ける部分を、前記反射部材の上流側支持部によって支持される位置と前記反射部材の下流側支持部によって支持される位置との間に規定する反射部材」であるのに対し、引用発明1は、定着フィルムの内部(内周面側)に固設される反射板である点。

そうすると、上記「(3)判断」で検討したとおり、引用発明1において、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものとすることは、当業者が容易に想到し得るものではないから、引用発明1において、上記相違点1に係る本願発明2の発明特定事項を備えるものとすることは、当業者が容易に想到し得るものではない。
よって、上記相違点2について検討するまでもなく、本願発明2は、引用発明1乃至4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
そして、本願発明2は、上記相違点1に係る本願発明2の発明特定事項を具備することにより、本願明細書に記載の「ニップ板やステイを直交方向に小型化することができる。」(【0007】)及び「定着装置の小型化を図ることができるとともに、ニップ板の熱容量が小さくなるので、ヒータによりニップ板を迅速に加熱することができ、定着装置の立ち上がり時間の短縮化を図ることができる。」(【0008】)という作用効果を奏するものである。

したがって、本願発明2は、引用発明1乃至4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(5)本願発明3乃至6について
本願発明3乃至6は、本願発明1または本願発明2の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本願発明3乃至6は、上記(3)または(4)と同様の理由により、引用発明1乃至4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。


第4 当審拒絶理由について
1.当審拒絶理由の概要
(理由)
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項1及び2の特定では、ガラス管と封止部の関係が曖昧であり、その結果、ガラス管及び封止部の配置における向きが特定し得ない。

2.当審拒絶理由の判断
平成28年10月27日に提出された手続補正書において、上記第2のとおり、請求項1乃至6の記載は補正されたことにより、請求項1乃至6に係る発明は明確となった。
したがって、当審拒絶理由は解消した。


第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1乃至4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとものとすることはできないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-12-19 
出願番号 特願2011-101167(P2011-101167)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03G)
P 1 8・ 537- WY (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 八木 智規杉山 輝和  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 植田 高盛
藤本 義仁
発明の名称 定着装置  

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