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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1322954
審判番号 不服2015-18506  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-13 
確定日 2016-12-15 
事件の表示 特願2012-123275号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月12日出願公開、特開2013-248016号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年5月30日に特許出願されたものであって、平成26年6月16日付けで手続補正がなされたが、平成26年11月28日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対し平成27年2月2日付けで手続補正がなされたが、平成27年7月8日付けで補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成27年10月13日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1.本件補正の概要
平成27年2月2日付けの手続補正は既に補正却下の決定がなされている。そして、本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成26年6月16日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。

(補正前:平成26年6月16日付け手続補正)
「【請求項1】
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技者の第1の動作を検出する第1の検出手段と、
遊技者の前記第1の動作とは異なる第2の動作を検出する第2の検出手段と、
所定条件が成立したときに特別演出を実行する特別演出実行手段と、
遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出または遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出を実行する促進演出実行手段と、
を備え、
前記促進演出実行手段は、
前記第1の促進演出と前記第2の促進演出の少なくともいずれか一方について、演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能であって、
前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行するとともに、
前記第1の促進演出または前記第2の促進演出を実行するときには、期待度が異なるように、演出態様が異なる複数の促進演出のいずれかを実行し、
前記第1の促進演出が実行される期間は前記第2の促進演出の実行を制限する、
ことを特徴とする遊技機。」

(補正後:本件補正である平成27年10月13日付け手続補正)
「【請求項1】
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技者の第1の動作を検出する第1の検出手段と、
遊技者の前記第1の動作とは異なる第2の動作を検出する第2の検出手段と、
所定条件が成立したときに特別演出を実行する特別演出実行手段と、
遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出または遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出を実行する促進演出実行手段と、
を備え、
前記促進演出実行手段は、
前記第1の促進演出と前記第2の促進演出の少なくともいずれか一方について、演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能であって、
前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行するとともに、
前記第1の促進演出または前記第2の促進演出を実行するときには、期待度が異なるように、演出態様が異なる複数の促進演出のいずれかを実行し、
前記第1の促進演出が実行される期間は前記第2の促進演出の実行を制限し、
前記第1の促進演出が実行される前に、前記第1の促進演出が実行されることを報知する、
ことを特徴とする遊技機。」

2.補正の適否
本件補正によって、請求項1の記載は、上記1.の下線部が加わるように補正された。すなわち、補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記第1の促進演出」について、「実行される前に、前記第1の促進演出が実行されることを報知する」ことを特定することで、「前記第1の促進演出」についての構成を限定するものである。
そうすると、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。

3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。

(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1の補正の概要において示した次のとおりのものである(A?Fは本願補正発明を分説するため当審で付与した。)。

「A 各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
B 遊技者の第1の動作を検出する第1の検出手段と、
C 遊技者の前記第1の動作とは異なる第2の動作を検出する第2の検出手段と、
D 所定条件が成立したときに特別演出を実行する特別演出実行手段と、
E 遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出または遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出を実行する促進演出実行手段と、
を備え、
F 前記促進演出実行手段は、
前記第1の促進演出と前記第2の促進演出の少なくともいずれか一方について、演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能であって、
G 前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行するとともに、
H 前記第1の促進演出または前記第2の促進演出を実行するときには、期待度が異なるように、演出態様が異なる複数の促進演出のいずれかを実行し、
I 前記第1の促進演出が実行される期間は前記第2の促進演出の実行を制限し、
J 前記第1の促進演出が実行される前に、前記第1の促進演出が実行されることを報知する、
ことを特徴とする遊技機。」

(2)刊行物に記載された事項
(2-1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2011-177421号公報には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下、同様である。)。

(ア)「【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1?図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
【0010】
前面板6の前側には、図1及び図2に示すように、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の左端側に第1操作ボタン(第1操作検出手段)12が、略中央に第2操作ボタン(第2操作検出手段)13が、右端側に球貸し操作手段14が夫々配置されている。
【0011】
第1操作ボタン12は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1,図2に示すように例えば平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有し、この操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第1操作ボタン12は、後述する第1操作演出で用いられるもので、第1操作演出が開始されて第1操作ボタン12の操作を促す第1操作誘導報知が行われ、所定の第1操作有効期間中にこの第1操作ボタン12が押圧操作されることを条件に、後述する第1特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。
【0012】
第2操作ボタン13は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1?図3に示すように例えばドーム型の操作ボタン部16を有し、この操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第2操作ボタン13は、後述する第2操作演出で用いられるもので、第2操作演出が開始されて第2操作ボタン13の操作を促す第2操作誘導報知が行われ、所定の第2操作有効期間中にこの第2操作ボタン13が押圧操作されることを条件に、後述する第2特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。」

(イ)「【0024】
演出図柄表示手段54は、例えば特別図柄表示手段52による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段35の表示画面35aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段46が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口46a,46bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0025】
演出図柄には、例えば「0」?「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段54は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。」

(ウ)「【0026】
演出画像表示手段56は、第1操作演出中における第1操作誘導報知、第2操作演出中における第2操作誘導報知等を行うもので、例えば画像表示手段35の表示画面35a上の所定位置に設けられており、例えば第1操作演出中の所定の第1操作有効期間中に、例えば第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知を行い、また第2操作演出中の所定の第2操作有効期間中に、例えば第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を行うように構成されている。
【0027】
大入賞手段47は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板59を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段52の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。」

(エ)「【0036】
変動パターン選択手段78は、演出図柄の変動パターンを選択するもので、例えば特別利益状態抽選手段76による大当たり/外れの抽選結果が大当たり(当選)であった場合には1又は複数種類のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、大当たり/外れの抽選結果が外れであった場合には特別停止図柄選択手段77により選択された停止図柄がリーチ態様であるか否かに応じて1又は複数種類のリーチ外れ変動パターン又はリーチなし外れ変動パターンの何れかを、所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて選択するように構成されている。
【0037】
本実施形態では、図5に示すように、リーチなし外れ変動パターンとしてリーチなし外れ1、リーチなし外れ2の2種類が、リーチ外れ変動パターンとしてノーマルリーチ外れ1、ノーマルリーチ外れ2、スーパーリーチ外れ1、スーパーリーチ外れ2の4種類が、リーチ大当たり変動パターンとしてノーマルリーチ大当たり1、ノーマルリーチ大当たり2、スーパーリーチ大当たり1、スーパーリーチ大当たり2の4種類が夫々設けられており、特別利益状態抽選手段76による大当たり確率を1/100とすると、それら全10種類の変動パターンの選択率(%)は、図5に示すように夫々40,20,20,10,5,4,0.05,0.05,0.6,0.3に設定されているものとする。」

(オ)「【0041】
演出制御基板62は、演出図柄表示手段54、特別保留個数表示手段55、演出画像表示手段56、回転灯20、音声出力手段91、ランプ手段92等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段101、演出図柄制御手段102、操作演出制御手段103等を備えている。」

(カ)「【0065】
なお本実施形態では、仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても(図6のS1,S8)、第1操作有効期間と、第2操作ボタン13の操作が有効な第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されているものとする。従って、以上の第1操作誘導報知開始処理(S24)が実行された後は、S25以下の処理を行うことなく操作演出管理処理は終了するようになっている。」

(キ)【図5】(a)には、第1操作演出における、変動パターン、出現率、大当たり信頼度等について示されており、変動パターンには、スーパーリーチ外れ1、スーパーリーチ外れ2、スーパーリーチ大当たり1、スーパーリーチ大当たり2等が含まれている。そして、第1操作演出の大当たり信頼度は2.2%であることが示されている。
スーパーリーチ1、2の出現率として、スーパーリーチ外れ1は4%、スーパーリーチ外れ2は3.6%、スーパーリーチ大当たり1は0.42%、スーパーリーチ大当たり2は0.24%であることが示されている。
また、【図5】(b)には、第2操作演出における、変動パターン、出現率、大当たり信頼度等について示されており、変動パターンには、スーパーリーチ外れ1、スーパーリーチ外れ2、スーパーリーチ大当たり1、スーパーリーチ大当たり2等が含まれている。そして、第2操作演出の大当たり信頼度は27.4%であることが示されている。
スーパーリーチ1、2の出現率として、スーパーリーチ外れ1は0.5%、スーパーリーチ外れ2は0.8%、スーパーリーチ大当たり1は0.48%、スーパーリーチ大当たり2は0.3%であることが示されている。

以上の記載事項、図示内容から、刊行物1には以下の事項が記載されているといえる。

(a)上記(イ)には、複数の演出図柄を変動表示し、所定の順序で停止させ、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったら大当たり態様となり、特別図柄も大当たり態様となることが記載されている。
そして、上記(ウ)【0027】には、大入賞手段47は、特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放することが記載されている。
そして、これらは上記(ア)【0009】におけるパチンコ機の構成の一部であることは明らかである。
以上より、刊行物1には、複数の演出図柄を変動表示し、所定の順序で停止させ、3つの図柄が全て同じ図柄で揃い大当たり態様となると、大入賞手段47の開閉板59は所定の開放パターンに従って前側に開放するパチンコ機が記載されているといえる。

(b)上記(ア)【0010】に、上皿カバー11上には、左右方向の左端側に第1操作ボタン(第1操作検出手段)12が、略中央に第2操作ボタン(第2操作検出手段)13が配置されることが記載されている。そして、【0011】には、第1操作ボタン12は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有することが記載されている。また、上記【0012】には、第2操作ボタン13は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、ドーム型の操作ボタン部16を有することが記載されている。
以上より、刊行物1には、遊技者の押圧操作を検出可能で平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有する第1操作ボタン12と、遊技者の押圧操作を検出可能で、ドーム型の操作ボタン部16を有する第2操作ボタン13を有することが記載されているといえる。

(c)上記(エ)【0036】には、変動パターン選択手段78は、演出図柄の変動パターンを選択し、所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて選択することが記載され、【0037】には、リーチ変動パターンとして、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2が含まれることが記載されている。
そして、上記(オ)【0041】の演出図柄制御手段102が上記リーチ変動を含む変動パターンの演出図柄の変動を実行する手段であることは明らかである。
したがって、刊行物1には、所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて、スーパーリーチを実行する演出図柄制御手段102が記載されているといえる。

(d)上記(ウ)【0026】には、演出画像表示手段56は、第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知を行い、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を行うことが記載されている。
そして、上記(オ)【0041】の操作演出制御手段103が上記演出画像表示手段56の各誘導報知を実行する手段であることは明らかである。
以上より、刊行物1には、第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を実行する操作演出制御手段103が記載されているといえる。

(e)上記(キ)【図5】には、スーパーリーチ1、2の実行が決定されると、第1操作演出と第2操作演出を実行可能なことが示されている。そして、第1操作演出と第2操作演出の大当たり信頼度は異なるから、スーパーリーチ1、2の実行時の大当たり信頼度も第1操作演出と第2操作演出により異なることは明らかである(なお、上記(キ)における、スーパーリーチ1、2のはずれ、大当たりの出現率から計算すると、第1操作演出時のスーパーリーチ1、2の大当たり信頼度は約8%であるが、第2操作演出時のスーパーリーチ1、2の大当たり信頼度は約37、5%である)。
したがって、刊行物1には、スーパーリーチが演出図柄制御手段102により実行されるときに、大当たり信頼度が異なる第1操作演出(第1操作誘導報知)、第2操作演出(第2操作誘導報知)を実行可能であることが記載されているといえる。

(f)上記(カ)には、第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても第1操作有効期間と、第2操作ボタン13の操作が有効な第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されていることが記載されている。そして、上記(ウ)より、第1操作誘導報知は第1操作演出中の所定の第1操作有効期間中に行い、第2操作誘導報知等は第2操作演出中の所定の第2操作有効期間中に行うものである。
したがって、上記各ボタンの有効期間が互いに重ならないように設定されている以上、第1操作演出中に行う第1操作誘導報知と第2操作演出中に行う第2操作誘導報知の有効期間も互いに重ならないように設定されてることは明らかである。そして、これは上記操作演出制御手段103により制御されているといえる。

以上の(ア)?(キ)の記載内容、(a)?(f)の認定事項を総合すると、上記刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a?jは引用発明を分説するため当審で付与した。)。

「a 複数の演出図柄を変動表示し、所定の順序で停止させた3つの図柄が全て同じ図柄で揃い大当たり態様となると、大入賞手段47の開閉板59は所定の開放パターンに従って前側に開放するパチンコ機であって、
b 遊技者の押圧操作を検出可能で、平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有する第1操作ボタン12と、
c 遊技者の押圧操作を検出可能で、ドーム型の操作ボタン部16を有する第2操作ボタン13を有し、
d 所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて、スーパーリーチを実行する演出図柄制御手段102と、
e 第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を実行する操作演出制御手段103と、
f 操作演出制御手段103は、
g スーパーリーチが演出図柄制御手段102により実行されるときに、大当たり信頼度が異なる第1操作演出、第2操作演出を実行可能であり、
i 第1操作演出中に行う第1操作誘導報知と第2操作演出中に行う第2操作誘導報知の有効期間が互いに重ならないように設定された、
j 遊技機。」

(2-2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2007-105247号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に遊技者に有利な大当り遊技状態の制御を行うことが可能なパチンコ遊技機に関するものである。」

(イ)「【0095】
さらに、演出データ記憶手段であるプログラムROM302は、外部入力スイッチ10への操作を遊技者に促すためのデータであって、後述する大当り期待度決定手段により決定された大当りの期待度の種類に応じた演出データ(以下、当該演出データを「期待度示唆データ」という)を複数記憶している。
【0096】
例えば、上述した期待度示唆データとして、「PUSH!」という文字を液晶表示装置21に表示させるためのパターンA、閃光および「PUSH!」という文字を液晶表示装置21に表示させるためのパターンB、高速で点滅する閃光および「ゲキアツ!」という文字を液晶表示装置21に表示させるためのパターンC、高速で点滅する閃光および「大当り!」という文字を液晶表示装置21に表示させるためのパターンD等が挙げられる(図14参照)。」

(ウ)「【0115】
具体的には、期待度示唆演出選択手段は、大当り期待度決定手段により決定された大当り期待度が「低」である場合、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDの各期待度示唆データをそれぞれ80%、10%、5%、5%の割合で選択する。また、大当り期待度決定手段により決定された大当り期待度が「中」である場合、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDの各期待度示唆データをそれぞれ20%、30%、30%、20%の割合で選択する。そして、大当り期待度決定手段により決定された大当り期待度が「高」である場合、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDの各期待度示唆データをそれぞれ10%、20%、30%、40%の割合で選択する。このように、本実施の形態では、大当り期待度が高いほど後続のパターン(パターンCやパターンD等)が選択されやすくなっている。」

(2-3)刊行物3
本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2011-62252号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体による始動領域の通過により変動表示の実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件が成立したときに、各々を識別可能な複数種類の識別情報を変動表示する変動表示部を備え、該変動表示部に導出表示された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。」

(イ)「【0150】
図9は、操作演出としての単発操作演出と先読み予告としての単発操作演出予告とが行なわれるときの演出表示装置9の表示例を示す表示画面図である。ここで、単発操作演出とは、遊技者が操作ボタン130を1回押す操作(単発操作)に応じて、所定の演出が行なわれる操作演出をいう。また、単発操作演出予告とは、単発操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において単発操作演出が実行されることを予告する操作演出予告をいう。図9においては、単発操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において先読み予告として単発操作演出予告が行なわれ、その後の変動表示の単発操作演出において大当りとならないことが報知される例が示されている。
・・・
【0154】
そして、図9(D)のように1個目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示が開始され、その変動表示中において、先読み予告として、図9(E)のように「次の変動でボタンを押せ!」というメッセージ901、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903を表示する単発操作演出予告が行なわれ、その後、図9(F)のようにはずれ表示結果が停止表示されて変動表示が終了する。
【0155】
次に、図9(G)のように2個目の保留記憶(最後の保留記憶)に対応する演出図柄の変動表示が開始された後、図9(H)のように「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後、図9(I)のように、「ボタンを押して爆発させろ!」という操作案内メッセージ902、および、操作対象画像903が表示され、単発操作演出が開始される。この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示される。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。対比の見出しとしての(a)?(i)は引用発明の分説構成と対応させた。
(a)引用発明の「複数の演出図柄」、「変動表示」、「停止させた3つの図柄」、「大当たり態様」、「大入賞手段47は開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放」、「パチンコ機」は、それぞれ、本願補正発明の「識別可能な複数種類の識別情報」、「可変表示」、「表示結果」、「特定表示結果」、「遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御」、「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の「複数の演出図柄を変動表示し、所定の順序で停止させ、3つの図柄が全て同じ図柄で揃い大当たり態様となると、大入賞手段47は開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放するパチンコ機」は、本願補正発明の「各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機」に相当する。

(b)引用発明の「遊技者の押圧操作」、「平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有する第1操作ボタン」は本願発明の「第1の動作」、「第1の検出手段」に相当する。
したがって、引用発明の「遊技者の押圧操作を検出可能で、平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有する第1操作ボタン」は、本願補正発明の「遊技者の第1の動作を検出する第1の検出手段」に相当する。

(c)引用発明の「ドーム型の操作ボタン部16を有する第2操作ボタン13」は、「平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有する第1操作ボタン」と形状等が異なるから押圧操作も前記第1操作ボタンとは異なるといえる。
したがって、引用発明の「遊技者の押圧操作を検出可能で、ドーム型の操作ボタン部16を有する第2操作ボタン13」は、本願補正発明の「遊技者の前記第1の動作とは異なる第2の動作を検出する第2の検出手段」に相当する。

(d)引用発明の「所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値」には、スーパーリーチの変動パターンを行う乱数値も含まれている。そして、変動パターン乱数値としてスーパーリーチの変動パターンを行う乱数値が取得されることは、「所定条件」といえるから、引用発明の「スーパーリーチ」は、本願補正発明の「所定条件が成立したとき」の「特別演出」に相当する。また、引用発明の「演出図柄制御手段102」は本願補正発明の「特別演出実行手段」に相当する。
したがって、引用発明の「所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて、スーパーリーチを実行する演出図柄制御手段102」は、本願補正発明の「所定条件が成立したときに特別演出を実行する特別演出実行手段」に相当する。

(e)引用発明の「第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知」、「第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知」は、それぞれ、本願補正発明の「遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出」、「遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出」に相当する。そして、引用発明の「操作演出制御手段103」は本願補正発明の「促進演出実行手段」に相当する。
したがって、引用発明の「第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を実行する操作演出制御手段103」は、本願補正発明の「遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出または遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出を実行する促進演出実行手段」に相当する。

(f)引用発明の「操作演出制御手段103」(「促進演出実行手段」)は上記(e)の機能以外に、下記に関する機能も有することは明らかである。

(g)引用発明の「スーパーリーチが演出図柄制御手段102により実行されるとき」は、本願補正発明の「前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるとき」に相当する。そして、引用発明の「大当たり信頼度が異なる第1操作演出と第2操作演出を実行可能」である点と、本願補正発明の「期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行」する点は、「期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行可能」である点で共通する。

(i)引用発明の「第1操作誘導報知」と「第2操作誘導報知」の有効期間が互いに重ならないように設定することは、上記両方の誘導報知を同時に実行しないようにすることであり、いずれか一方が誘導報知をする際に他方の誘導報知を制限することであるともいえる。
したがって、引用発明の「第1操作演出中に行う第1操作誘導報知と第2操作演出中に行う第2操作誘導報知の有効期間が互いに重ならないように設定した」ことは、本願補正発明の「前記第1の促進演出が実行される期間は前記第2の促進演出の実行を制限」したことに相当する。

そうすると、両者は、
「A 各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
B 遊技者の第1の動作を検出する第1の検出手段と、
C 遊技者の前記第1の動作とは異なる第2の動作を検出する第2の検出手段と、
D 所定条件が成立したときに特別演出を実行する特別演出実行手段と、
E 遊技者に前記第1の動作を行うように促す第1の促進演出または遊技者に前記第2の動作を行うように促す第2の促進演出を実行する促進演出実行手段と、
を備え、
F’ 前記促進演出実行手段は、
G’ 前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行可能とし、
I 前記第1の促進演出が実行される期間は前記第2の促進演出の実行を制限する、
J’ 遊技機。」
である点で一致しており、次の点で相違する。

(相違点1)
本願補正発明は「前記第1の促進演出と前記第2の促進演出の少なくともいずれか一方について、演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能」としたのに対し、引用発明は、第1促進演出と第2促進演出において演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能であることは特定されていない点。

(相違点2)
本願補正発明は「前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行する」のに対し、引用発明は「前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行可能」とした点。

(相違点3)
本願補正発明は、「前記第1の促進演出または前記第2の促進演出を実行するときには、期待度が異なるように、演出態様が異なる複数の促進演出のいずれかを実行」するのに対し、引用発明はそのような特定がされていない点。

(相違点4)
本願補正発明は、「前記第1の促進演出が実行される前に、前記第1の促進演出が実行されることを報知する」のに対し、引用発明はそのような特定がされていない点。

(4)判断
(a)そこで、まず前記相違点1について検討する。
前記(2-2)の刊行物2には、パチンコ遊技機において、外部入力スイッチ10への操作を遊技者に促すための演出データとして、パターンA?パターンDがあることが記載されている。そして、大当り期待度が高いほど後続のパターン(パターンCやパターンD等)が選択されやすいことも記載されている。そして、演出データは促進演出といえ、パターンA?パターンDは演出態様が異なる複数の促進演出といえる。
つまり、刊行物2には、演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能とした点が記載されているといえる。
そして、引用発明も刊行物2に記載のものも、遊技機において促進演出を可能とした点で共通するから、引用発明の第1の促進演出と前記第2の促進演出の少なくともいずれか一方において、刊行物2に記載の演出態様が異なる複数の促進演出を実行可能とした構成を採用し、前記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(b)次に、相違点2について検討する。
引用発明は「前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行可能」としたもので、「実行可能」とあるように、必ず実行するとまで特定されたものではない。
しかし、スーパーリーチのような特別演出は、変動時間が通常長く、演出ボタン等を用いた演出を関連付けるように設定することは当業者が適宜行えることである。
したがって、引用発明において、「前記特別演出が前記特別演出実行手段によって実行されるときには、期待度が異なるように、前記第1の促進演出と前記第2の促進演出のいずれかを実行する」ようにし、前記相違点2に係る本願補正発明の構成にすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(c)更に相違点3について検討する。
前記相違点1で前述したように、刊行物2には、演出態様が異なる複数の促進演出として、パターンA?パターンDが記載され、後続のパターンほど大当り期待度が高いことが記載されているから、演出態様が異なる複数の促進演出において大当たり期待度が異なることが記載されているといえる。
したがって、引用発明の第1の促進演出または前記第2の促進演出において、刊行物2に記載されている、期待度が異なるように演出態様が異なる複数の促進演出のいずれかを実行する構成を採用し、前記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(d)最後に相違点4について検討する。
前記(2-3)の刊行物3には、遊技機において、「次の変動でボタンを押せ!」というメッセージ901、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903を表示する単発操作演出予告と、「ボタンを押して爆発させろ!」という操作案内メッセージ902、および、操作対象画像903が表示される単発操作演出が記載されている。
そして、後者の「ボタンを押して爆発させろ!」という操作案内メッセージ902、および、操作対象画像903が表示される単発操作演出は、本願補正発明でいう第1促進演出に相当するものである。そうすると、刊行物3における「次の変動でボタンを押せ!」というメッセージ901、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903を表示する単発操作演出予告は、第1促進演出が実行されることを事前に報知するものである。
引用発明も刊行物3に記載のものも、遊技機において促進演出を可能とした点で共通するから、引用発明の第1の促進演出において刊行物3に記載された構成を採用し、前記相違点4に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(e)また、本願補正発明の効果について、引用発明、刊行物2、3に記載された事項からみて格別なものではない。

(f)なお、請求人は審判請求書において、引用文献3について言及しているが、前記刊行物3は引用文献3と異なるものであるから、請求人の主張に対し言及することはできない。

(5)小括
よって、本願補正発明は引用発明及び刊行物2、3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成26年6月16日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

1.刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、2の記載事項、引用発明の認定は上記第2の3.(2)に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明は、基本的に本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1.の下線部の構成を省いたものである。そして、下線部の構成により前記相違点4が存在した。
そこで、本願発明と先の引用発明を対比すると、上記第2の3.(3)における相違点1-3で相違し、残余の点で一致する。
そして、相違点1-3については上記第2の3.(4)において、検討・判断したとおり、引用発明と刊行物2の記載事項に基づいて当業者が容易に行い得ることである。

そうすると、本願発明は原査定のとおり、引用発明と刊行物2の記載事項に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-10-11 
結審通知日 2016-10-18 
審決日 2016-11-02 
出願番号 特願2012-123275(P2012-123275)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣瀬 貴理  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 本郷 徹
小島 寛史
発明の名称 遊技機  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 溝渕 良一  
代理人 石川 好文  
代理人 重信 和男  

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