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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 F21S
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 F21S
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F21S
管理番号 1323029
審判番号 不服2015-12682  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-03 
確定日 2017-01-10 
事件の表示 特願2011-280069号「全般照明用の固体照明器具」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月22日出願公開、特開2012- 59716号、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、2007年4月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年4月21日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2009-506542号(以下、「原出願」という。)の一部を平成23年12月21日に新たな特許出願としたものであって、平成24年1月20日に手続補正書が提出され、平成25年5月27日付けで拒絶理由が通知され、同年12月2日に意見書及び手続補正書が提出され、平成26年6月30日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年2月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年7月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出された。その後、当審において、平成28年4月20日付けで拒絶理由が通知され、同年10月21日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月24日付けで拒絶理由が通知され、同年11月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1?14に係る発明は、平成28年11月30日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
全般照明に適合された照明器具であって、
少なくとも1つのタイルと、電気的に接続されて少なくとも第1および第2の列を形成し、前記少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され、主波長の光を発するように構成された複数の固体照明デバイスと、前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上の反射シートと、前記反射シートの上に直接に配置される拡散シートと、前記拡散シートの上に直接に配置される輝度増強フィルムとを有する照明パネルであって、前記反射シートが、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置された照明パネルと、
第1および第2の制御信号に応答して前記第1および第2の列にオン状態駆動電流を供給するように構成された電流供給回路と、
前記複数の固体照明デバイスのうちの少なくとも1つの固体照明デバイスから光を受け取るように配置された光センサと、
前記光センサから出力信号を受け取り、前記光センサの前記出力信号に応じて前記制御信号を調整し、それによって、前記電流供給回路によって前記第1および/または第2の列に供給される平均電流を調整するように構成された制御システムとを備え、
前記第1および第2の制御信号はパルス幅変調(PWM)信号を含み、
制御システムは、前記第1および/または第2の制御信号のデューティサイクルを変化させることによって、前記第1および/または第2の列に供給される平均電流を制御するように構成され、前記第1の制御信号のパルスの前縁は、前記第2の制御信号のパルスの前縁とは異なる時刻に発生し、
前記輝度増強フィルムで反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されていることを特徴とする照明器具。」

第2 原査定の理由について
1.原査定の理由の概要
本願発明は、原出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2005-302737号公報
引用文献2.特開2002-72901号公報
引用文献3.特開2004-186159号公報
備考
引用文献1記載の発明に、引用文献2、3に記載の技術事項及び周知の事項を適用し、本願発明の発明特定事項とすることは、当業者にとって容易である。

2.原査定の理由の判断
(1)引用文献
ア 引用文献1に記載された事項及び記載された発明
引用文献1には、【特許請求の範囲】の【請求項1】、【請求項3】、【請求項4】、【発明の詳細な説明】の段落【0069】?【0077】、【0107】?【0118】の記載、及び【図7】、【図10】の記載からみて、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

〔引用発明〕
「発光色が異なるLEDからなる複数種の光源2a、2b、2cと、
前記複数種の光源2a、2b、2cのうち少なくとも一つの光源の発光強度をモニタする光センサ4と、
前記複数種の光源2a、2b、2cすべての点灯するタイミング及び消灯させるタイミングをずらすようにパルスを供給することで、前記複数種の光源2a、2b、2cのすべてを所定の発光輝度で同時に発光させる発光期間と、前記複数種の光源2a、2b、2cのうちの1つを消灯させ、前記複数種の光源2a、2b、2cのすべてを同時に発光させる発光期間とは異なる発光強度とする監視期間とを設けるように制御する発光制御手段11、12とを備えた発光装置10Cであって、
前記発光制御手段11、12は、前記監視期間における前記光センサ4からの発光強度情報を用いて、前記複数種の光源2a、2b、2cのうち少なくとも一つの光源をパルス幅制御し発光強度を制御する、発光装置10C。」

イ 引用文献2に記載された事項及び記載された技術事項
引用文献2には、【特許請求の範囲】の【請求項1】?【請求項3】、【発明の詳細な説明】の段落【0008】?【0013】の記載、及び【図1】?【図4】の記載からみて、次の技術事項が記載されているといえる。

〔引用文献2に記載の技術事項〕
「複数の発光ダイオード14と、
前記発光ダイオード14が接続される硬質回路板15と、
前記硬質回路板15の前方に配設され前記発光ダイオード14に各々対応する開口部16aを有し前記発光ダイオード14の光を反射させる反射板16と、
複数のプリズム部22aを有する輝度上昇フィルムからなるプリズムシート22を前記反射板16の前方に配設し、
前記硬質回路板15及び前記反射板16を収容するケース体17を設け、
前記ケース体17の内側面に前記発光ダイオード14の光を反射させる反射フィルム23を設け、
前記プリズムシート22は、後面22bに斜めから入射した光Lを屈折させて、発光ダイオード22の光を垂直方向に集めることで、バックライト装置13の明るさを向上させることができ、後面22bに略垂直に入射した光L’を、斜面22cにより後方に反射し、
プリズムシート22のプリズム部22aの斜面22cにより後方に反射された光L’は、反射板16によって再び前方に反射される、
バックライト装置13。」

ウ 引用文献3に記載された事項及び記載された技術事項
引用文献3には、【発明の詳細な説明】の段落【0011】?【0013】の記載、及び【図1】の記載からみて、「LEDアレイLAの付近に配置された光センサSEの出力信号により、LEDアレイを流れる電流を変調し平均電流を調整すること」(以下、「引用文献3に記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。

(2)対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
後者の「発光装置10C」は、前者の「全般照明に適合された照明器具」と、「照明器具」である限りにおいて一致する。
後者の「発光色が異なるLEDからなる複数種の光源2a、2b、2c」は、「すべての点灯するタイミング及び消灯させるタイミングをずらす」ことができるので、光源2a、2b、2cのそれぞれが系列をなしているといえ、前者の「電気的に接続されて少なくとも第1および第2の列を形成し」、「主波長の光を発するように構成された複数の固体照明デバイス」に相当する。
後者の「複数種の光源2a、2b、2cのうち少なくとも一つの光源の発光強度をモニタする光センサ4」は、前者の「複数の固体照明デバイスのうちの少なくとも1つの固体照明デバイスから光を受け取るように配置された光センサ」に相当する。
後者の「発光制御手段11、12」は、「複数種の光源2a、2b、2cすべての点灯するタイミング及び消灯させるタイミングをずらすようにパルスを供給する」ので、前者の「第1および第2の制御信号に応答して第1および第2の列にオン状態駆動電流を供給するように構成された電流供給回路」を備えているといえる。
後者の「発光制御手段11、12」は、「光センサ4からの発光強度情報を用いて、複数種の光源2a、2b、2cのうち少なくとも一つの光源をパルス幅制御し発光強度を制御する」ものであり、パルス幅制御により発光強度を制御することは平均電流を調整することにほかならないので、前者の「光センサから出力信号を受け取り、前記光センサの前記出力信号に応じて制御信号を調整し、それによって、電流供給回路によって第1および/または第2の列に供給される平均電流を調整するように構成された制御システム」に相当するとともに、前者の「第1および第2の制御信号はパルス幅変調(PWM)信号を含」むこと、「制御システムは、第1および/または第2の制御信号のデューティサイクルを変化させることによって、第1および/または第2の列に供給される平均電流を制御するように構成され」ることを備えている。
後者の「複数種の光源2a、2b、2cすべての点灯するタイミング及び消灯させるタイミングをずらすこと」は、前者の「第1の制御信号のパルスの前縁は、第2の制御信号のパルスの前縁とは異なる時刻に発生」することに相当する。
そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
「照明器具であって、
電気的に接続されて少なくとも第1および第2の列を形成し、主波長の光を発するように構成された複数の固体照明デバイスと、
第1および第2の制御信号に応答して前記第1および第2の列にオン状態駆動電流を供給するように構成された電流供給回路と、
前記複数の固体照明デバイスのうちの少なくとも1つの固体照明デバイスから光を受け取るように配置された光センサと、
前記光センサから出力信号を受け取り、前記光センサの前記出力信号に応じて前記制御信号を調整し、それによって、前記電流供給回路によって前記第1および/または第2の列に供給される平均電流を調整するように構成された制御システムとを備え、
前記第1および第2の制御信号はパルス幅変調(PWM)信号を含み、
制御システムは、前記第1および/または第2の制御信号のデューティサイクルを変化させることによって、前記第1および/または第2の列に供給される平均電流を制御するように構成され、前記第1の制御信号のパルスの前縁は、前記第2の制御信号のパルスの前縁とは異なる時刻に発生する、
照明器具。」
〔相違点1〕
本願発明は、「全般照明に適合された」照明器具であるのに対して、引用発明は、「発光装置10C」がそのように特定されていない点。
〔相違点2〕
本願発明は、「少なくとも1つのタイル」と「前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上の反射シートと、前記反射シートの上に直接に配置される拡散シートと、前記拡散シートの上に直接に配置される輝度増強フィルムとを有する照明パネルであって、前記反射シートが、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置された照明パネル」とを備え、複数の固体照明デバイスが「前記少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され」、「前記輝度増強フィルムで反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている」ものであるのに対して、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

事案に鑑み、相違点2について検討する。
〔相違点2について〕
引用文献2に記載の技術事項の「硬質回路板15」、「反射板16」、「プリズムシート22」は、その機能からみて、本願発明の「タイル」、「反射シート」、「輝度増強フィルム」にそれぞれ相当する。
そうすると、引用文献2には、相違点2に係る本願発明の構成のうちの、「少なくとも1つのタイル」と「前記少なくとも1つのタイルの」「上の反射シートと」、「輝度増強フィルムとを有する照明パネルであって、前記反射シートが、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置された照明パネル」とを備え、複数の固体照明デバイスが「前記少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され」、「前記輝度増強フィルムで反射して」「戻された光が、前記反射シート」で反射する構成を示唆するものの、「反射シート」が少なくとも1つのタイルの「第1の面の上」に位置すること、「前記反射シートの上に直接に配置される拡散シート」、及び、輝度増強フィルムが「前記拡散シートの上に直接に配置される」構造は示されておらず、そのような「反射シート」、「拡散シート」、「輝度増強フィルム」の構造により、「前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱」すること、「前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成され」ることも示されていない。また、そのような「反射シート」、「拡散シート」、「輝度増強フィルム」の構造が周知ともいえない。
引用文献3には、LEDアレイLAの電流調整に関わる事項は記載されているものの、拡散シートについては何ら示唆されていない。
してみれば、引用発明を、相違点2に係る本願発明の構成のようにすることは、引用文献2、3に記載の技術事項及び周知の事項から、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

(3)小括
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明は、引用発明、引用文献2、3に記載の技術事項及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2?14に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、同様に、引用発明、引用文献2、3に記載の技術事項及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第3 当審拒絶理由について
1.平成28年11月24日付け当審拒絶理由の概要
(理由1)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(理由2)この出願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(理由1について)
(1)請求項1、15の「前記反射して前記照明パネルへ戻された光」と記載では、それ以前に光が反射して戻されるための構成は記載されていないので、どこからの反射か特定できず明確でない。
(2)請求項1、15の「前記反射シートを介して前記照明パネルの前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている」との記載では、再循環に係る構成が明確でない。
(理由2について)
請求項18に記載の事項は、明細書の発明の詳細な説明の記載を参照しても、どのように実施するのか不明である。

2.当審拒絶理由の判断
(1)理由1について
平成28年11月30日付けの手続補正により、理由1で指摘した請求項1の記載は「前記輝度増強フィルムで反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている」と補正され(下線は補正箇所を示す。)、請求項15は削除された。
よって、当審拒絶理由の理由1は解消した。
(2)理由2について
平成28年11月30日付けの手続補正により、請求項18は削除された。
よって、当審拒絶理由の理由2は解消した。

第4 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-12-27 
出願番号 特願2011-280069(P2011-280069)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (F21S)
P 1 8・ 536- WY (F21S)
P 1 8・ 121- WY (F21S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 米山 毅  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 尾崎 和寛
平田 信勝
発明の名称 全般照明用の固体照明器具  
代理人 特許業務法人浅村特許事務所  

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