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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1323247 |
審判番号 | 不服2016-117 |
総通号数 | 206 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-01-05 |
確定日 | 2017-01-17 |
事件の表示 | 特願2014-518887「アライメントされていないデータの結合」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月10日国際公開、WO2013/006293、平成26年 9月 8日国内公表、特表2014-523032、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2012年6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年7月11日(以下,「優先日」という。),米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成25年12月27日 :国内書面の提出 平成26年 2月21日 :翻訳文,出願審査請求書,手続補正 書の提出 平成27年 1月23日付け :拒絶理由の通知 平成27年 4月 8日 :意見書,手続補正書の提出 平成27年 5月21日付け :拒絶理由(最後)の通知 平成27年 8月20日 :意見書の提出 平成27年 9月11日付け :拒絶査定 平成28年 1月 5日 :審判請求書,手続補正書の提出 平成28年 1月28日 :前置報告 平成28年 7月19日 :上申書の提出 第2 平成28年1月5日付けの手続補正の適否 1 補正の内容 平成28年1月5日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,特許請求の範囲の請求項1を, 「 メモリ・セルのアレイと, 前記アレイに動作可能に接続され, 複数の論理ページに跨る第1のデータであって,アライメントされている部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりでそれぞれ開始および終了する第1の部分と,アライメントされていない部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりの少なくとも一方とは異なる位置で開始または終了する第2の部分と,を有する第1のデータに関連する第1の書き込みコマンドを受信し, 前記第1のデータ内の前記第1の部分の前記アレイへの書き込み処理を実行すると共に,前記第2の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第2の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納して,前記第1のデータ内の前記第2の部分の前記アレイへの書き込み処理を保留し, 第2のデータに関連する第2の書き込みコマンドを受信し, 前記第2のデータがアライメントされていない部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりの少なくとも一方とは異なる位置で開始または終了する第3の部分を有し,前記第3の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第3の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,且つ前記第3の部分の論理ページが前記第1のデータ内の前記第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内の格納位置を示すそれぞれの論理アドレスが互いに重複しない場合に,前記第1のデータの内の前記第2の部分と前記第2のデータの内の前記第3の部分を結合し,前記第2の部分および前記第3の部分を含む論理ページと,前記論理ページ内のそれぞれの格納場所を示す論理アドレスの各々と,を結合識別データ構造に格納するように構成された, コントローラと,を含むシステム。」 (当審注:下線は,請求人が付与したものである。以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項1」という。) とする補正(以下,「補正事項1」という。)を含んでいる。 2 補正の適否 本件補正の補正事項1は,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のデータ内の前記第1の部分の前記アレイへの書き込み処理を実行すると共に,前記第1のデータ内の前記第2の部分の前記アレイへの書き込み処理を保留」することについて, 「前記第2の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第2の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納して,」との限定を加えるものであって, また,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第2のデータがアライメントされていない部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりの少なくとも一方とは異なる位置で開始または終了する第3の部分を有し,且つ当該第3の部分の論理ページが前記第1のデータ内の前記第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内の格納位置を示すそれぞれの論理アドレスが互いに重複しない場合に,前記第1のデータの内の前記第2の部分と前記第2のデータの内の前記第3の部分を結合する」ことについて, 「前記第3の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第3の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,」,「前記第2の部分および前記第3の部分を含む論理ページと,前記論理ページ内のそれぞれの格納場所を示す論理アドレスの各々と,を結合識別データ構造に格納する」との限定を加えるものである。 補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 加えて,特許法第17条の2第3項,第4項に違反するところはない。 そこで,補正事項1は特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むことから,補正後の前記請求項1に記載された発明(以下,「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (1)引用例 (1-1)引用例1に記載される技術的事項および引用発明 ア 本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり,原審の拒絶査定の理由である平成27年5月21日付けの拒絶理由通知において引用された,米国特許出願公開第2010/0287330号明細書(2010年11月11日出願公開,以下,「引用例1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。 A 段落[0044]-[0046],図6の記載からすると,引用例1には, “メモリセルアレイ231を含むとメモリユニットと, マイクロプロセッサユニット211を含むコントロールユニットと, を備えるフラッシュメモリ。” が記載されていると解される。 B 段落[0051],[0068],[0071]-[0072],図7,10Aの記載からすると,引用例1には, “ホスト1から,複数の論理ページを含むターゲットデータD0とその書き込みコマンド(論理アドレスとターゲットデータの長さを含む)を受信すると,前記ターゲットデータD0を揮発性記憶ユニット219に一旦記憶し, 前記論理アドレスは論理/物理アドレスマッピングユニットで物理アドレスに変換され, 前記ターゲットデータD0のうち,アライメントされている部分データを所定の物理メモリブロックに書き込み,アライメントされていない部分データは,別の物理メモリブロックに書き込”むこと が記載されていると解される。 C 段落[0074]-[0075],図10Bの記載からすると,引用例1には, “ホスト1から,複数の論理ページを含み,論理アドレスがターゲットデータD0の直後から指定されている,ターゲットデータD1とその書き込みコマンド(論理アドレスとターゲットデータの長さを含む)を受信すると, 前記ターゲットデータD1の長さと論理アドレスを確定した後,以前に別の物理メモリブロックに格納しておいたアライメントされていない部分データD02と,前記ターゲットデータD1の部分データD10とを結合し,結合されたデータが1つの物理メモリページ分になるよう,前記所定の物理メモリブロックにページの切れ目なく書き込む”こと が記載されていると解される。 イ 以上,A乃至Cで示した事項から,引用例1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認める。 「 メモリセルアレイ231を含むとメモリユニットと, ホスト1から,複数の論理ページを含むターゲットデータD0とその書き込みコマンド(論理アドレスとターゲットデータの長さを含む)を受信すると,前記ターゲットデータD0を揮発性記憶ユニット219に一旦記憶し, 前記論理アドレスは論理/物理アドレスマッピングユニットで物理アドレスに変換され, 前記ターゲットデータD0のうち,アライメントされている部分データを所定の物理メモリブロックに書き込み,アライメントされていない部分データは,別の物理メモリブロックに書き込み, 前記ホスト1から,複数の論理ページを含み,論理アドレスがターゲットデータD0の直後から指定されている,ターゲットデータD1とその書き込みコマンド(論理アドレスとターゲットデータの長さを含む)を受信すると, 前記ターゲットデータD1の長さと論理アドレスを確定した後,以前に別の物理メモリブロックに格納しておいたアライメントされていない部分データD02と,前記ターゲットデータD1の部分データD10とを結合し,結合されたデータが1つの物理メモリページ分になるよう,前記所定の物理メモリブロックにページの切れ目なく書き込む,マイクロプロセッサユニット211を含むコントロールユニットと, を備えるフラッシュメモリ。」 (1-2)引用例2に記載される技術的事項 本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり,原審の拒絶査定の理由である平成27年5月21日付けの拒絶理由通知において引用された,特開平5-151068号公報(平成5年6月18日出願公開,以下,「引用例2」という。)には,段落【0017】-【0021】,図1,3の記載からすると,以下の技術的事項が記載されていると解される。 D 「A/D判別回路14でアドレスデータA0,A1,A2が抽出されると,バッファメモリ13上には,図3(a)に示すように,EEPROM12上でアドレスL,L+1,L+2,L+3にそれぞれ対応する位置にデータD0,D1,D2,D3が順次記録され,その後,アドレス判別回路14は,次に入力されたアドレスデータA3,A4,A5が先のアドレスデータA0,A1,A2と同一ページであるか否かを判別し,同一ページである場合,該アドレスデータA3,A4,A5をBMAC回路17にプリセットするので,バッファメモリ13上には,EEPROM12上でアドレスMに対応する位置にデータD4が記録され,その後,バッファメモリ13の1ページ分のアドレス空間の内容が,EEPROM12に一括してページ書き込みされること」 (1-3)引用例3に記載される技術的事項 本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり,原審の拒絶査定の理由である平成27年5月21日付けの拒絶理由通知において引用された,特開2009-15364号公報(平成21年1月22日出願公開,以下,「引用例3」という。)には,段落【0031】-【0041】,【0099】-【0101】,図1,7の記載からすると,以下の技術的事項が記載されていると解される。 E 「2番目の書き込みコマンドが受信され,この2番目の書き込み要求により特定された論理セクタ(LBN#0,LPN#0の論理ページ内のLSN#0?LSN#15に対応するLBA#0?LBA#15の論理セクタ)のユーザデータが,バッファ120に書き込まれ,その後に,3番目の書き込みコマンドが受信され,この3番目の書き込みコマンドにより特定される書き込み先は,LBN#0,LPN#0の論理ページ内のLSN#16?LSN#31(LBA#16?LBA#31)の論理セクタであり,その論理ページ(LBN#0,LPN#0の論理ページ)は,バッファ内の既存ユーザデータの論理ページ(2番目の書き込み要求により特定された論理ページであるLBN#0,LPN#0の論理ページ)と一致するため,3番目の書き込み要求により特定された論理セクタ(LSN#16?LSN#31に対応するLBA#16?LBA#31の論理セクタ)のユーザデータが,バッファ120に書き込まれ,その後に,バッファ内の既存ユーザデータが,フラッシュメモリに書き込まれること」 (2)対比 本件補正発明と引用発明とを対比すると,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。 <一致点> 「 メモリ・セルのアレイと, 前記アレイに動作可能に接続され, 複数の論理ページに跨る第1のデータであって,アライメントされている部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりでそれぞれ開始および終了する第1の部分と,アライメントされていない部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりの少なくとも一方とは異なる位置で開始または終了する第2の部分と,を有する第1のデータに関連する第1の書き込みコマンドを受信し, 前記第1のデータ内の前記第1の部分の前記アレイへの書き込み処理を実行し, 第2のデータに関連する第2の書き込みコマンドを受信し, 前記第2のデータがアライメントされていない部分として一つの論理ページの始まりおよび終わりの少なくとも一方とは異なる位置で開始または終了する第3の部分を有し, 前記第1のデータの内の前記第2の部分と前記第2のデータの内の前記第3の部分を結合し,前記論理ページに書き込むように構成された, コントローラと,を含むシステム。」 <相違点1> 第2の部分に関し,本件補正発明では,「第1のデータ内の前記第1の部分の前記アレイへの書き込み処理を実行すると共に,前記第2の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第2の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納して,前記第1のデータ内の前記第2の部分の前記アレイへの書き込み処理を保留」するのに対して,引用発明では,「ターゲットデータD0のうち,アライメントされている部分データを所定の物理メモリブロックに書き込み,アライメントされていない部分データは,別の物理メモリブロックに書き込」む点。 <相違点2> 第2の部分と第3の部分との結合に関し,本件補正発明では,「第3の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第3の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,且つ前記第3の部分の論理ページが前記第1のデータ内の前記第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内の格納位置を示すそれぞれの論理アドレスが互いに重複しない場合に,前記第1のデータの内の前記第2の部分と前記第2のデータの内の前記第3の部分を結合」するのに対して,引用発明では,「ターゲットデータD1の長さと論理アドレスを確定した後,以前に別の物理メモリブロックに格納しておいたアライメントされていない部分データD02と,前記ターゲットデータD1の部分データD10とを結合し,結合されたデータが1つの物理メモリページ分になるよう」にするものの,インジケータについては言及されておらず,また,第2の部分と第3の部分とを結合するかどうか判定していない点。 <相違点3> 結合した後の処理に関し,本件補正発明では,「第2の部分および前記第3の部分を含む論理ページと,前記論理ページ内のそれぞれの格納場所を示す論理アドレスの各々と,を結合識別データ構造に格納する」のに対して,引用発明では,そのように特定されていない点。 (3)判断 上記相違点1乃至3について検討する。 ア 相違点1について 引用発明では,「ターゲットデータD0のうち,アライメントされている部分データを所定の物理メモリブロックに書き込み,アライメントされていない部分データは,別の物理メモリブロックに書き込」むところ,第2の部分(アライメントされていない部分データ)の書き込みを保留することなく,物理メモリブロックに書き込むことから,第2の部分の論理ページと,論理ページ内の第2の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,論理アドレスを用いて保留データの管理をする動機付けを直ちに見い出すことはできない。 また,物理メモリの同一のページに書き込むべきデータが全部揃うまで,データ書き込みを保留してバッファメモリに一時的にストアし,物理メモリの同一のページに書き込むべきデータが全部揃った時点でバッファメモリから物理メモリへのデータ書き込みを実行することは,例えば,引用例2(上記Dを参照),引用例3(上記Eを参照)に記載されるように本願優先日前には既に知られていたものの,複数の論理ページに跨るデータのうち,アライメントされていない部分の物理メモリへの書き込みを保留し,保留したアライメントされていない部分のデータの論理ページと,論理ページ内の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,論理アドレスを用いて保留データの管理をすることが当該技術分野における周知技術であったとはいえない。 そうすると,引用発明において,第1のデータ内の第1の部分のアレイへの書き込み処理を実行すると共に,第2の部分の論理ページと,前記論理ページ内の前記第2の部分の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納して,前記第1のデータ内の前記第2の部分の前記アレイへの書き込み処理を保留すること,すなわち,上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が適宜なし得たものであるとすることはできない イ 相違点2,3について 引用発明では,第2の部分と第3の部分との結合に関し,「ターゲットデータD1の長さと論理アドレスを確定した後,以前に別の物理メモリブロックに格納しておいたアライメントされていない部分データD02と,前記ターゲットデータD1の部分データD10とを結合し,結合されたデータが1つの物理メモリページ分になるよう」にするところ,第2のデータ(ターゲットデータD1)の論理アドレスは第1のデータ(ターゲットデータD0)の直後から指定されており,「第3の部分の論理ページが前記第1のデータ内の前記第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内の格納位置を示すそれぞれの論理アドレスが互いに重複しない」かどうかの判定の必要はないと解されるから,本件補正発明のような,第2の部分と第3の部分とを適切な組み合わせで選択し,結合して物理メモリの同一のページに書き込むことを目的とするものではない。 また,物理メモリの同一のページに書き込むべきデータが全部揃うまで,データ書き込みを保留してバッファメモリに一時的にストアし,物理メモリの同一のページに書き込むべきデータが全部揃った時点でバッファメモリから物理メモリへのデータ書き込みを実行することは,例えば,引用例2(上記Dを参照),引用例3(上記Eを参照)に記載されるように本願優先日前には既に知られていたものの,第2のデータ内の第3の部分の論理ページが第1のデータ内の前記第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内のそれぞれの論理アドレスが互いに重複しないかどうかを判定し,第2の部分と第3の部分とを適切な組み合わせで選択し,結合して物理メモリの同一のページに書き込むこと,第2の部分および第3の部分を含む論理ページと,前記論理ページ内のそれぞれの格納場所を示す論理アドレスの各々と,を結合識別データ構造に格納することが当該技術分野における周知技術であったとはいえない。 そうすると,引用発明において,第3の部分の論理ページと,前記論理ページ内の格納場所を示す論理アドレスと,を参照するインジケータを格納し,且つ前記第3の部分の論理ページが第1のデータ内の第2の部分の論理ページと同一であると共に,それらの論理ページ内の格納位置を示すそれぞれの論理アドレスが互いに重複しない場合に,前記第2の部分と前記第3の部分を結合し,前記第2の部分および前記第3の部分を含む論理ページと,論理アドレスの各々と,を結合識別データ構造に格納すること,すなわち,上記相違点2,3に係る構成とすることは,当業者が適宜なし得たものであるとすることはできない ウ 小括 上記で検討したごとく,本件補正発明は,当業者が引用発明および引用例2,3に記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたとは言えない。 よって,本件補正の補正事項1は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 また,補正後の請求項2乃至4に係る発明は,本件補正発明をさらに限定したものであるので,同様に,当業者が容易に発明をすることができたものとすることができないものである。 したがって,本件補正のその余の補正事項についても,特許法第17条の2第3項乃至第6項に違反するところはない。 3 むすび 以上のように,本件補正は,特許法第17条の2第3項乃至第6項の規定に適合する。 第3 本願発明 本件補正は上記のとおり,特許法第17条の2第3項乃至第6項の規定に適合するから,本願の請求項1乃至4に係る発明は,本件補正により補正された平成28年1月5日付け手続補正書に記載の特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして,本願の請求項1乃至4に係る発明は,当業者が引用発明および引用例2,3に記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものではないから,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-01-04 |
出願番号 | 特願2014-518887(P2014-518887) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 桜井 茂行、中野 裕二 |
特許庁審判長 |
高木 進 |
特許庁審判官 |
辻本 泰隆 須田 勝巳 |
発明の名称 | アライメントされていないデータの結合 |
代理人 | 野村 泰久 |
代理人 | 大菅 義之 |