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審決分類 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正しない G07B
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正しない G07B
管理番号 1323427
審判番号 訂正2015-390094  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-08-20 
確定日 2017-01-04 
事件の表示 特許第3995133号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
出願 平成12年5月8日(特願2000-174476号)
登録 平成19年8月10日
訂正審判請求 平成21年12月4日(訂正2009-390150号)
訂正容認審決 平成22年3月24日(送達日 平成22年4月5日)
訂正審判請求 平成27年8月20日(本件訂正請求)
訂正拒絶理由通知 平成27年11月4日(発送日 平成27年11月6日)
意見書 平成27年12月4日

第2 本件審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判請求は、特許第3995133号の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである。

1 請求項1に係る訂正
(1)訂正事項1
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1の「該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機」との記載を、「該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機であって、各指定座席の利用状況を表示するための端末機」と訂正しようとするものである。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1の「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、」との記載を、「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき座席表示情報を作成する手段であって、かつ、前記各指定座席の利用状況を前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて前記端末機側に表示させるための座席表示情報を作成する作成手段と、」と訂正しようとするものである。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項1の「備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」との記載を、「備えて成り、前記表示手段は、前記端末機が備えられた座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示し、前記作成手段は、前記券情報と前記発券情報との両情報から1つの前記座席表示情報を作成することを特徴とする座席管理システム。」と訂正しようとするものである。

2 請求項2に係る訂正
(1)訂正事項4
訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項2の「該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機」との記載を、「該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機であって、各指定座席の利用状況を表示するための端末機」と訂正しようとするものである。

(2)訂正事項5
訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項2の「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、」との記載を、「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき座席表示情報を作成する手段であって、かつ、前記各指定座席の利用状況を前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて前記端末機側に表示させるための座席表示情報を作成する作成手段と、」と訂正しようとするものである。

(3)訂正事項6
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項2の「備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」との記載を、「備えて成り、前記表示情報は、前記端末機が備えられた座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示し、前記作成手段は、前記券情報と前記発券情報との両情報から1つの前記座席表示情報を作成することを特徴とする座席管理システム。」と訂正しようとするものである。

第3 訂正拒絶理由の概要
平成27年11月4日付けで当審が通知した訂正拒絶理由の概要は、本件訂正は、訂正事項2、3、5、6について、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であって、特許法第126条第6項の規定に適合しないから、請求項1に係る訂正及び請求項2に係る訂正は、いずれも認めることができないというものである。

第4 当審の判断
1 はじめに
本件訂正に関し、請求人は、審判請求書において、訂正事項1及び4は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項2、3、5、6は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、そうでないとしても特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると主張している。
特に、訂正事項2、3、5、6に関して、請求人は「本件特許発明の本来の技術的思想」は、「座席表示情報を券情報と発券情報との両情報に基づいて作成した点」(請求書18頁14?15行)にあると主張し、本件特許の特許請求の範囲の記載では、その点が明確に表現されていないと主張している。
そこで本件の事案に鑑み、本件訂正についての検討に先立ち、本件特許の特許請求の範囲請求項1に係る発明及び同請求項2に係る発明(両者を併せて以下、「本件特許発明」という。)の「座席表示情報」の技術的意義について検討する。

(1)本件明細書の記載
平成22年3月24日付けの審決により訂正が認められた本件明細書には、以下の記載がある。

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】 カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータと、該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機とから成る、指定座席を管理する座席管理システムであって、
前記ホストコンピュータが、前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と、
前記端末機が、前記伝送手段によって伝送された前記座席表示情報を入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と、
を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。
【請求項2】 カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータと、該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、複数の座席管理地に備えられる端末機とから成る、指定座席を管理する座席管理システムであって、
前記ホストコンピュータが、前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とを、複数の前記座席管理地又は前記端末機を識別する座席管理地識別情報又は端末機識別情報別に集計する集計手段と、該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と、
前記端末機が、前記伝送手段によって伝送された当該座席管理地識別情報又は端末機識別情報の前記座席表示情報を入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と、
を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」

イ 「【発明の詳細な説明】
【0002】【従来の技術】
従来、指定座席を管理する座席管理システムとしては、カードリーダで読取られた座席指定券の券情報及び券売機等で発券された座席指定券の発券(座席予約)情報等を、例えば列車車内において、端末機(コンピュータ)で受けて記憶し表示して、指定座席の利用状況を車掌が目視できるようにして車内検札を自動化する座席指定席利用状況監視装置(特公H5-47880号公報)が発明されている。
【0003】
図2は、前記座席指定席利用状況監視装置に備えられる端末機の概略図を示すもので、券情報入力15で受けたカードリーダで読取られた座席指定券の券情報と、発券情報入力16で受けた券売機等で発券された座席指定券の発券情報等の情報をCPU17に記憶して情報処理して、各指定座席の使用及び空席等の利用状況をディスプレイ18に表示して、該表示を車掌が目視できるようにして、車内検札を自動化した座席管理装置である。
【0004】
このように、前記座席指定席利用状況監視装置は、共に指定座席の使用及び空席等の利用状況を表示する座席表示情報となり、かつ、車内検札を自動化するのに絶対不可欠な前記券情報或いは前記発券情報を用いて、列車車内において各指定座席の利用状況を表示するようにしたことで、初めて車内検札を自動化した画期的な発明である。さらに共に表示情報として作用する前記券情報と前記発券情報との両情報を独立して表示できるとともに、前記発券情報による表示を前記券情報による表示に優先して表示して発券されていない例えば変造や偽造の座席指定券の使用を防止できるようにしているが、例えばこれ等の両情報を地上の管理センターから受ける場合、伝送される情報は2種になるために通信回線の負担を1種の場合に比べて2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記発明の座席指定席利用状況監視装置は上記券情報と上記発券情報とに基づいて各座席指定席の利用状況を表示するにはこれ等の両情報を地上の管理センターから受ける場合、伝送される情報量が2倍になるために、該情報を伝送する通信回線の負担を2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明は、上記管理センターに備えられるホストコンピュータが、カ-ドリーダで読取られた座席指定券の券情報と券売機等で発券された座席指定券の発券情報とを入力して、これ等の両情報に基づいて表示する座席表示情報を作成して、作成された前記座席表示情報を、前記ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機へ伝送して、該端末機が、前記座席表示情報を入力して表示してするように構成したことを主要な特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明は、これ等の構成によって、上記ホストコンピュータから上記端末機へ伝送される情報量が上記券情報と上記発券情報との両表示情報から1つの表示情報となる上記座席表示情報にすることで半減され、これによって通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度とを半減する。」

ウ 「【0010】CPU6は、券情報入力3から入力された前記券情報及び発券情報入力4から入力された前記発券情報それに制御情報入力5から入力された前記発券情報等を記憶するとともに、これ等の情報に基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて、例えば前記券情報及び前記発券情報の両情報又は前記券情報若しくは前記発券情報が存在するときは「1」(使用席)とし、両情報が存在しないときは「0」(空席)として、各指定座席の利用状況を表示する座席表示情報を作成して、これを記憶するとともに、該座席表示情報を、制御情報入力5から前記伝送指令情報が入力されたとき表示情報出力8へ出力する。
【0011】
ディスプレイ7はCPU6に記憶された前記座席表示情報を受けて表示し、さらに表示情報出力8は、制御情報入力5が前記伝送指令情報を受けてCPU6に入力したときCPU6から出力された前記座席表示情報を通信回線に乗せて端末機2へ伝送する。また操作部9は、CPU6のプログラムのシーケンスを制御して、前記した各種情報の入力の受付や、前記座席表示情報を受けて表示されるディスプレイ7の画像をスクロールする等の操作をする。」

エ 「【0012】
次に、端末機2において、表示情報入力10は、ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて、伝送された前記座席表示情報を受けてこれをCPU11へ入力する。
【0013】
CPU11は表示情報入力10から入力された前記座席表示情報を受けてこれを記憶するとともに、ホストコンピュータ1へ情報の伝送を指令する伝送指令情報を記憶する。さらにディスプレイ12はCPU11に記憶された前記座席表示情報を受けて、当該座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示する。」

オ 「【0016】これ等のことから、本発明の座席管理システムは、カードリーダ(改札機等)で読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータ1が、前記券情報と前記発券情報、それに、ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機2からの、当該座席管理地で発券された座席指定券の発券情報等を受けて、これ等の情報に基づいて、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて座席表示情報を作成して、これを表示するとともに、作成された座席表示情報を、端末機2からの前記座席表示情報の伝送を指令する伝送指令情報を受けて伝送して、さらに、端末機2が、ホストコンピュータ1から伝送された前記座席表示情報を受けてこれを表示するとともに、当該座席管理地において、座席指定券が発券されたときの発券情報によって前記座席表示情報及びその表示が更新されて、座席管理者が各指定座席の利用状況を目視できるようにしている。」

カ 「【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の座席管理システムは、上記管理センターに備えられるホストコンピュータが、カードリーダ(改札機等)で読取られた座席指定券の券情報と券売機等で発券された座席指定券の発券情報とを入力して、これ等の両情報に基づいて表示する座席表示情報を作成して、作成された前記座席表示情報を、前記ホストコンピュータと通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機へ伝送して、該端末機が前記座席表示情報を入力して表示してするようにしたことで、該端末機がする各指定座席の利用状況の表示を前記券情報と前記発券情報との両表示情報から1つの表示情報となる前記座席表示情報で実現できるようになり、これによって前記ホストコンピュータから前記端末機へ伝送する情報量が半減され、通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度等を軽減するとともに、端末機のコストダウンが計られて、本発明のシステムの構築を容易にする。」

(2)検討
まず、請求項1には、「座席表示情報」に関し、
ホストコンピュータが、「前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と、」を備えること、
端末機が、「前記伝送手段によって伝送された前記座席表示情報を入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と、」を備えることが記載されている。
請求項2においても、同様に、
ホストコンピュータが、「前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とを、複数の前記座席管理地又は前記端末機を識別する座席管理地識別情報又は端末機識別情報別に集計する集計手段と、該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と、」を備えること、
端末機が、「前記伝送手段によって伝送された前記座席表示情報を入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と、」 を備えることが記載されている。(下線は、当審で付したものである。)

さらに、発明の詳細な説明には、
本件特許発明が解決しようとする課題に関して、「【0005】本発明が解決しようとする課題は、上記発明の座席指定席利用状況監視装置は上記券情報と上記発券情報とに基づいて各座席指定席の利用状況を表示するにはこれ等の両情報を地上の管理センターから受ける場合、伝送される情報量が2倍になるために、該情報を伝送する通信回線の負担を2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの点にある。」(上記記載事項イ参照。)と記載され、
その課題を解決するための具体的な情報処理の態様として、「【0010】CPU6は、券情報入力3から入力された前記券情報及び発券情報入力4から入力された前記発券情報それに制御情報入力5から入力された前記発券情報等を記憶するとともに、これ等の情報に基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて、例えば前記券情報及び前記発券情報の両情報又は前記券情報若しくは前記発券情報が存在するときは「1」(使用席)とし、両情報が存在しないときは「0」(空席)として、各指定座席の利用状況を表示する座席表示情報を作成」(上記記載事項ウ参照。)すること、「【0011】ディスプレイ7はCPU6に記憶された前記座席表示情報を受けて表示し・・・前記座席表示情報を受けて表示されるディスプレイ7の画像をスクロールする」(上記記載事項ウ参照。)こと、「【0016】これ等のことから、本発明の座席管理システムは、カードリーダ(改札機等)で読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータ1が、前記券情報と前記発券情報、それに、ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機2からの、当該座席管理地で発券された座席指定券の発券情報等を受けて、これ等の情報に基づいて、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて座席表示情報を作成」(上記記載事項オ参照。)することが記載され、
そして、本件特許発明の作用に関して、「【0007】【作用】 本発明は、これ等の構成によって、上記ホストコンピュータから上記端末機へ伝送される情報量が上記券情報と上記発券情報との両表示情報から1つの表示情報となる上記座席表示情報にすることで半減され、これによって通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度とを半減する」(上記記載事項イ参照。)ことが記載されている。

これらの記載を総合して、本件特許発明における「座席表示情報」の技術的意義を検討すると、「座席表示情報」とは、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」とに基づき、かつ、「指定座席のレイアウト」に基づいて作成手段により作成される情報であって、ホストコンピュータにおいて、「券情報」、「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報を1つの情報に統合することによって、これを端末機に送信すれば、格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示し、目視することができる情報と認めることができる。

(3) 請求人の主張する「本件特許発明本来の技術的思想」について
(3-1) 審判請求書の主張について
請求人は、審判請求書において、明細書段落【0003】?【0005】、【0006】、【0007】、【0013】、【0020】の記載を根拠として、「本件特許発明本来の技術的思想」は、「座席表示情報を券情報と発券情報との両情報に基づいて作成した点」(請求書4頁11行?6頁10行、16頁15行?18頁15行)にあると主張する。

しかしながら、上記(2)で検討したとおり、本件特許発明における「座席表示情報」とは、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」とに基づき、かつ、「指定座席のレイアウト」に基づいて作成手段により作成される情報、すなわち、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」と「指定座席のレイアウト」との3つの情報が1つの情報に統合されたものであって、請求人の主張する「券情報と発券情報との両情報に基づいて作成した」もの、すなわち、「指定座席のレイアウト」の情報を含むことなく、「券情報」と「発券情報」との2つの情報が1つの情報に統合されたものではない。

よって、請求人の主張する「本件特許発明本来の技術的思想」は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められ、その際、明細書の記載及び図面を考慮して特許請求の範囲に記載された用語の意味を解釈することにより把握された本件特許発明における「座席表示情報」とは整合しないから、請求人の当該主張は採用することができない。

(3-2) 平成27年12月4日付け意見書の主張について
請求人は、平成27年12月4日付け意見書において、審判合議体は本件特許発明における「座席表示情報」の解釈について、下記ア?カのとおり主張するが、いずれも理由がない。

ア 審判合議体のように「基づき」と「基づいて」との両者が共に「作成する」に係ると解釈した場合、「表示する」の基づくものが無く、単に「表示する座席表示情報」という文章となり、日本語として不自然である。さらに、文法からみて「基づき」は「作成する」に係り、「基づいて」は「表示する」に係ると解すべきである。(意見書1頁下から4行?3頁17行)

しかしながら、単に「表示する座席表示情報」という文章となっても、座席表示情報が表示するものであることを意味していることが理解でき、日本語として不自然ではないし、さらにその技術的な意味からみても、上記(2)で検討した「座席表示情報」の技術的意義と整合しており、何ら不自然とはいえない。また、請求項1及び請求項2の「前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段」との記載は、「前記券情報と前記発券情報とに基づき」と「前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて」とは「かつ」で接続されて、並列的に記載されているのであるから、「基づき」、「基づいて」はいずれも「作成する」に係ると解するのが、2つ以上の文言を並列的に接続する接続詞である「かつ」を含む文章の通常の解釈である。
そして、そのように解すべきことは、上記(1)オに摘記した「【0016】・・・ホストコンピュータ1が、前記券情報と前記発券情報、それに、ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて、指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機2からの、当該座席管理地で発券された座席指定券の発券情報等を受けて、これ等の情報に基づいて、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて座席表示情報を作成して、これを表示するとともに、作成された座席表示情報を、端末機2からの前記座席表示情報の伝送を指令する伝送指令情報を受けて伝送して」との記載からも、裏付けられている。
一方、請求人の主張するように、「基づき」は「作成する」に係り、「基づいて」は「表示する」に係ると解釈するとすれば、「かつ」が存在する意味が無くなってしまい、不合理な解釈となってしまう。
よって、請求人の主張は採用することができない。

イ 明細書に記載された本件特許発明本来の技術的思想は、「座席表示情報を券情報と発券情報との両情報に基づいて作成した点」にあり、審判合議体の、ホストコンピュータにおいて作成される「座席表示情報」は、「券情報」と「発券情報」とに座席管理地に設置される指定座席のレイアウトを統合して作成しているという解釈は、これに反する。
また、「座席表示情報」を作成する作成手段により作成される「座席表示情報」は、あくまでも、座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示されるものであり、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」とに基づき作成するというものであって、審判合議体の解釈は、「座席表示情報」を作成する作成手段を考慮しないままに解釈されたものであり、誤りである。(意見書3頁18行?5頁23行)

しかしながら、上記アで指摘したとおり、請求項1及び請求項2の通常の解釈からみて、本件特許発明における「座席表示情報」とは、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」とに基づき、かつ、「指定座席のレイアウト」に基づいて作成手段により作成される情報であって、ホストコンピュータにおいて、「券情報」、「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報が1つの情報に統合されたものである。さらに、上記(2)で検討したように、明細書及び図面の記載を総合的に考慮しても、この認定に誤りはない。
また、「座席表示情報」の作成手段が考慮されていないとの主張は、結局は「座席表示情報」の解釈が誤りであることを前提としたものであって、上記のように解釈に誤りはないのであるから、その前提を欠く主張である。そして、明細書には、「座席表示情報」の作成手段は直接的に記載されていないが、段落【0010】には、ホストコンピュータ1のCPU6は、「券情報」、「発券情報」、「指定座席のレイアウト」の3つのデータに基づいて「座席表示情報」を作成するという一種のアルゴリズムが開示されており、上記(2)で示した「座席表示情報」の認定も、当該アルゴリズムに則ったものであることは明らかである。
よって、請求人の主張は採用することができない。

ウ 審判合議体は、「座席表示情報」を、格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示する画像情報として捉えているが、段落【0010】の記載からみて、本件特許発明の「座席表示情報」は、「券情報」と「発券情報」とで構成されるデジタル情報(表示情報)であって、各指定座席の利用状況(「券情報」と「発券情報」との有無)を指定座席のレイアウトの上に表示した状態のものではない、すなわち、ホストコンピュータにおいて作成される「座席表示情報」は、「券情報」と「発券情報」とに座席管理地に設置される指定座席のレイアウトを統合して作成しているというものではない。(意見書5頁下から9行?6頁下から3行)

しかしながら、段落【0010】の指摘部分は、CPU6は・・・「券情報」・・・「発券情報」・・・「に基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づ」くことを前提として、「券情報」と「発券情報」の存在の組合せによって、「1」(使用席)とするか「0」(空席)として、各指定座席の利用状況を表示する「座席表示情報」を作成することを記載しているにすぎず、「座席表示情報」が、「券情報」と「発券情報」に指定座席のレイアウト情報が統合されていないデジタル情報であることを示唆するものではないから、請求人の主張は採用することができない。

エ 審判合議体は、本件特許発明の「座席表示情報」は、「・・・格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示し、目視することができる情報」と認定しているが、それでは格段に大きな情報量となってしまい、本件特許発明の目的である通信回線の負担軽減に逆効する。(意見書6頁下から2行?3頁17行)

しかしながら、本件特許発明における「座席表示情報」を上記(2)で認定したとおりの、ホストコンピュータにおいて、「券情報」と「発券情報」とに基づき、かつ、「指定座席のレイアウト」に基づいて作成手段により作成される情報であって、ホストコンピュータにおいて、「券情報」、「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報が1つの情報に統合されたものとしても、それらの情報を個々に送信していた従来技術に比べて、ホストコンピュータから端末機に伝送する情報量の削減、通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度との軽減という本件特許発明の目的、効果を達成できることは明らかであるから、請求人の主張は採用することができない。

オ 審判合議体は、本件特許発明の「座席表示情報」は、「・・・ホストコンピュータにおいて、「券情報」、「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報を1つの情報に統合することによって、これを端末機に送信すれば、格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示し、目視することができる」と認定しているが、段落【0013】の記載からすると、端末機が、「座席表示情報」を基に情報処理して、画像情報を作成して、各指定座席の利用状況を表示し目視できるようにしている。さらに、端末機側が、指定座席のレイアウトに基づいて座席表示情報を各指定座席の利用状況に変換して表示するのであるから、ホストコンピュータが送信する「座席表示情報」は、端末機が表示する「各指定座席の利用状況」自体ではなく、「各指定座席の利用状況」の表示に利用される情報である。(意見書18頁3行?9頁2行)

しかしながら、段落【0013】の記載は、端末機2のディスプレイ12が、各指定座席の利用状況を表示する座席表示情報を、それがホストコンピュータ1で作成される際に用いた「座席管理地に設置される指定座席のレイアウト」に基づいた態様で「表示する」ことを意味しているにすぎず、端末機2において「座席表示情報」とこれとは別の「座席管理地に設置される指定座席のレイアウト」を用いた情報処理を行っていることを意味するものではないから、請求人の主張は採用することができない。

カ 審判合議体は、「座席表示情報」を、格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示する画像情報として捉えているが、ホストコンピュータに集約されデータベース化された情報を情報処理して作成する場合、作成されたものが「表示情報」(「座席表示情報」)とあれば「画像情報」を作成する場合の基になる文字情報を意味し、それを基に端末機にある状態を画像として表示する「画像情報」を作成するという当該技術の常套手段(常識)でもあることから、審判合議体の解釈は誤りである。(意見書9頁3?22行)

しかしながら、作成されたものが「表示情報」とあれば「画像情報」を作成する場合の基になる文字情報を意味し、それを基に端末機にある状態を画像として表示する「画像情報」を作成するというような、単に作成された情報の名称のみから情報の内容並びに情報の取り扱い手法が一義的に特定されるとの主張は到底首肯できるものではないし、そのような技術常識の存在も何ら立証されていないから、請求人の主張は採用することができない。

2 本件訂正についての検討
明細書の訂正が認められるためには、その目的が特許法第126条第1項ただし書各号のいずれかに該当するとともに上記ただし書各号のうち第1号又は第2号を目的とするものである場合には同条第7項の規定を満たすものであること、さらに同条第5項及び第6項の規定を満たすものであることが必要となるので、本件訂正請求がそれらを満たすものであるか、以下請求項ごとに検討する。

(1)請求項1に係る訂正についての検討
最初に、訂正事項2と3について検討する。

ア 訂正事項2
訂正事項2は、請求項1の「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、」との記載を、「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき座席表示情報を作成する手段であって、かつ、前記各指定座席の利用状況を前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて前記端末機側に表示させるための座席表示情報を作成する作成手段と、」と訂正しようとするものである。

訂正事項2に係る訂正の内容を検討すると、当該訂正において「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき」の直後に新たに「座席表示情報を作成する手段であって」との語句が加えられることにより、その後に続く「かつ」で並列的に接続される対象が、訂正前の「・・・基づき」と「・・・基づいて」から、訂正後には「・・・座席表示情報を作成する手段」と「・・・座席表示情報を作成する作成手段」に変化することになる。そして、「かつ」の前後でそれぞれ「座席表示情報を作成する(作成)手段」の内容が説明され、「かつ」以前の部分から、「座席表示情報」を作成する際に用いる情報は、「券情報」と「発券情報」であると解されることになる。
つまり、「座席表示情報」を作成する際に用いる情報が、上記1(2)で検討したとおり訂正前には「券情報」と「発券情報」と「指定座席のレイアウト」であったのに対して、当該訂正により「券情報」と「発券情報」に変更されることとなる。
なお、訂正事項2に係る訂正により、「座席表示情報」を作成する際に用いる情報が、「券情報」と「発券情報」と解されることになる点については、審判請求書第7頁に記載された「(ア3)訂正事項2により明瞭となった事実」において、請求人も「「座席表示情報を券情報と発券情報との両情報に基づいて作成した点」を明確にするために、「該入力手段によって入力された前記券情報と発券情報とに基づき座席表示情報を作成する手段であって、」と訂正した。」と記載しているとおりである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、ホストコンピュータにおいて「座席表示情報」を作成する際に用いる情報として特定されていた「指定座席のレイアウト」を除外することになるから、発明特定事項を削除するものであって、特許請求の範囲を拡張することとなる。
よって、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものである。

請求人は、審判請求書第7?8頁に記載された「(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと」のなかで、訂正前に既に限定されていた「作成手段」の構成に対し発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない旨主張する。

しかしながら、先に指摘したとおり、訂正事項2に係る訂正は「座席表示情報」を作成する際に用いる情報として特定されていた「指定座席のレイアウト」を除外するものであって、発明特定事項を直列的に付加するものとはいえず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当する。よって、請求人の主張は採用することはできない。
さらに、請求人は、裁判例を複数挙げて訂正事項2の適法性を主張するようであるが、いずれも本件と直接関係のない事件についてのものであって、本件の場合に妥当しない。

以上のとおり、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であって、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

イ 訂正事項3
訂正事項3は、請求項1の「備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」との記載を、「備えて成り、前記表示手段は、前記端末機が備えられた座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示し、前記作成手段は、前記券情報と前記発券情報との両情報から1つの前記座席表示情報を作成することを特徴とする座席管理システム。」と訂正するものである。
このうち、「前記作成手段」は、請求項1の管理センターに備えられるホストコンピュータが備える「作成手段」を指すことが明らかである。
そして、当該訂正事項3は、上記訂正事項2と同様に、ホストコンピュータにおいて「座席表示情報」を作成する際に用いる情報として特定されていた「指定座席のレイアウト」を除外することになるから、訂正前の発明特定事項を削除するものであって、特許請求の範囲を拡張することとなる。つまり、訂正事項3も実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当する。

請求人は、訂正事項3の訂正を、「表示手段」の発明特定事項についての訂正(訂正事項3-1)と、「作成手段」の発明特定事項についての訂正(訂正事項3-2)とに分け、訂正事項3-1については訂正前に既に限定されていた「表示手段」の構成に対し、発明特定事項を直列的に付加するものであり、しかも本件特許発明本来の技術的思想が明確に表現された記載に訂正する訂正事項2の一環として行ったものであるから、実質上特許請求の範囲を変更するものには該当しない、訂正事項3-2については訂正前に既に限定されていた「作成手段」の構成に対し、発明特定事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない旨を主張する。

しかしながら、先に検討したとおり、訂正事項3は訂正前の発明特定事項を削除するものであって、発明特定事項を直列的に付加するものであるとの請求人の主張は採用することができない。さらに、訂正事項2と同様に、請求人の主張する「本件特許発明本来の技術的思想」自体が、本件特許発明における「座席表示情報」と整合しないものであるから、それを前提とした請求人の主張も採用することができない。

以上のとおり、訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であって、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

ウ 請求項1に係る訂正についてのまとめ
したがって、訂正事項2及び3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合しないから、訂正事項1を検討するまでもなく、請求項1に係る訂正を認めることができない。

(2) 請求項2に係る訂正について
最初に、訂正事項5と6について検討する。

ア 訂正事項5及び6について
訂正事項5は、請求項2の「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき、かつ、前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と、」との記載を、「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき座席表示情報を作成する手段であって、かつ、前記各指定座席の利用状況を前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて前記端末機側に表示させるための座席表示情報を作成する作成手段と、」と訂正しようとするものである。
訂正事項6は、請求項2の「備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」との記載を、「備えて成り、前記表示情報は、前記端末機が備えられた座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示し、前記作成手段は、前記券情報と前記発券情報との両情報から1つの前記座席表示情報を作成することを特徴とする座席管理システム。」と訂正しようとするものである。
つまり、訂正事項5は上記訂正事項2と、また訂正事項6は上記訂正事項3と、実質的に同じ内容の訂正をしようとするものといえる。
そして、上記2(1)において、訂正事項2及び3に対して指摘した事項は、訂正事項5及び6においても変わるところはないから、訂正事項5及び6に係る訂正は、上記訂正事項2及び3と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であって、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

イ 請求項2に係る訂正についてのまとめ
したがって、訂正事項5及び6に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合しないから、訂正事項4を検討するまでもなく、請求項2に係る訂正を認めることができない。

3 むすび
以上のとおり、本件審判の請求は、特許法第126条第6項の規定に適合しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-01-25 
結審通知日 2016-01-27 
審決日 2016-02-10 
出願番号 特願2000-174476(P2000-174476)
審決分類 P 1 41・ 854- Z (G07B)
P 1 41・ 855- Z (G07B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 門前 浩一  
特許庁審判長 高木 彰
特許庁審判官 内藤 真徳
熊倉 強
登録日 2007-08-10 
登録番号 特許第3995133号(P3995133)
発明の名称 座席管理システム  

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