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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F21S
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 F21S
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 F21S
管理番号 1323826
審判番号 不服2015-5828  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-30 
確定日 2017-02-02 
事件の表示 特願2012-257767号「全般照明用の固体照明器具」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 2月28日出願公開、特開2013- 41853号、請求項の数(34)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、2007年4月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年4月21日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2009-506542号(以下、「原出願」という。)の一部を平成24年11月26日に新たな特許出願としたものであって、平成25年5月27日付けで拒絶理由が通知され、同年12月2日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月13日付けで拒絶理由が通知され、平成26年6月17日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成27年3月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、同年4月28日に審判請求書の請求の理由を補正する手続補正書(方式)が提出された。その後、当審において、平成28年1月19日付けで拒絶理由が通知され、同年7月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月19日付けで拒絶理由が通知され、同年10月31日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月25日付けで拒絶理由が通知され、同年11月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月20日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1?34に係る発明は、平成28年12月20日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?34に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1、15、31に係る発明(以下、「本願発明1、15、31」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
照明パネルの主平面に平行な第1の面を有する少なくとも1つのタイルと、
前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上に配置され、光を発するように構成された複数の固体照明デバイスと、
前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上の反射シートであって、入射した光を反射し散乱させるように構成された前記反射シートと、
前記反射シートの上の輝度増強フィルムと、
前記反射シートと前記輝度増強フィルムとの間に設けられた拡散シートと、
を備え、
前記反射シートは、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置されており、
前記輝度増強フィルムは、前記反射シートの上に直接に配置される前記拡散シートによって前記反射シートから分離され、第1の方向を有する光を前記照明パネルから優先的に放出し、前記第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して前記拡散シートへ戻すように構成され、
前記反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されていることを特徴とする照明パネル。
【請求項15】
全般照明に適合された照明器具であって、
少なくとも1つのタイルと、電気的に接続されて列を形成し、前記少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され、主波長の光を発するように構成された複数の固体照明デバイスと、前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上の反射シートであって、入射した光を反射し散乱させるように構成された前記反射シートと、前記反射シートの上の輝度増強フィルムと、前記反射シートと前記輝度増強フィルムとの間に設けられた拡散シートと、を有する照明パネルであって、前記反射シートが、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置されており、前記輝度増強フィルムは、前記反射シートの上に直接に配置される前記拡散シートによって前記反射シートから分離され、第1の方向を有する光を前記照明パネルから優先的に放出し、前記第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して前記拡散シートへ戻すように構成され、前記反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている照明パネルと、
制御信号に応答して前記列にオン状態駆動電流を供給するように構成された電流供給回路と、
前記複数の固体照明デバイスのうちの少なくとも1つの固体照明デバイスから光を受け取るように配置された光センサと、
前記光センサから出力信号を受け取り、前記光センサの前記出力信号に応じて前記制御信号を調整し、それによって、前記電流供給回路によって前記列に供給される平均電流を調整するように構成された制御システムと
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項31】
少なくとも1つのタイルと、少なくとも、前記少なくとも1つのタイルの第1の面の上にあって、第1の主波長の光を発するように構成された固体照明デバイスの第1の列、および、前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上にあって、前記第1の主波長とは異なる第2の主波長の光を発するように構成された固体照明デバイスの第2の列と、前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上の反射シートであって、入射した光を反射し散乱させるように構成された前記反射シートと、前記反射シートの上の輝度増強フィルムと、前記反射シートと前記輝度増強フィルムとの間に設けられた拡散シートと、を有する照明パネルであって、前記反射シートが、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置されており、前記輝度増強フィルムは、前記反射シートの上に直接に配置される前記拡散シートによって前記反射シートから分離され、第1の方向を有する光を前記照明パネルから優先的に放出し、前記第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して前記拡散シートへ戻すように構成され、前記反射して前記拡散シートへ戻された光が、前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている照明パネルと、
第1の制御信号に応答して前記第1の列にオン状態駆動電流を供給するように構成された第1の電流供給回路と、
第2の制御信号に応答して前記第2の列にオン状態駆動電流を供給するように構成された第2の電流供給回路と、
前記第1の列内の少なくとも1つの固体照明デバイス、および、前記第2の列内の少なくとも1つの固体照明デバイスから光を受け取るように配置された光センサと、
前記光センサから出力信号を受け取り、前記光センサの前記出力信号に応じて前記第1の制御信号および/または前記第2の制御信号を調整し、それによって、前記第1の電流供給回路によって前記第1の列に供給される平均電流を調整し、かつ/または前記第2の電流供給回路によって前記第2の列に供給される平均電流を調整するように構成された制御システムであって、前記光センサ、前記制御システム並びに前記第1および第2の電流供給回路が、前記照明パネルに対するフィードバックループを形成する制御システムと
を備え、
前記第1および第2の制御信号はパルス幅変調(PWM)信号を含み、
前記制御システムは、前記第1および/または第2の制御信号のデューティサイクルを変化させることによって、前記第1および/または第2の列に供給される平均電流を制御するように構成されていることを特徴とする照明器具。」

第2 原査定の理由について
1.原査定の理由の概要
本願発明1、15、31は、原出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.特開2002-72901号公報
引用文献2.国際公開第2006/003913号
引用文献3.国際公開第2005/073621号
引用文献4.特開2006-40864号公報
引用文献5.特開2004-281352号公報
引用文献6.特開2004-111355号公報
引用文献7.特開2003-92011号公報
備考
本願発明1、15、31は、引用文献1記載の発明と、引用文献2?7に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

2.原査定の理由の判断
(1)引用文献1に記載された事項及び記載された発明
引用文献1には、【特許請求の範囲】の【請求項1】?【請求項3】、【発明の詳細な説明】の段落【0008】?【0013】の記載、及び【図1】?【図4】の記載(【図1】から、硬質回路板15は、バックライト装置13の光出光面に略平行であると看取しうる。)からみて、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

〔引用発明〕
「複数の発光ダイオード14と、
前記発光ダイオード14が接続される、バックライト装置13の光出光面に略平行である硬質回路板15と、
前記硬質回路板15の前方に配設され前記発光ダイオード14に各々対応する開口部16aを有し前記発光ダイオード14の光を反射させる反射板16と、
複数のプリズム部22aを有する輝度上昇フィルムからなるプリズムシート22を前記反射板16の前方に配設し、
前記硬質回路板15及び前記反射板16を収容するケース体17を設け、
前記ケース体17の内側面に前記発光ダイオード14の光を反射させる反射フィルム23を設け、
前記プリズムシート22は、後面22bに斜めから入射した光Lを屈折させて、発光ダイオード22の光を垂直方向に集めることで、バックライト装置13の明るさを向上させることができ、後面22bに略垂直に入射した光L’を、斜面22cにより後方に反射し、
プリズムシート22のプリズム部22aの斜面22cにより後方に反射された光L’は、反射板16によって再び前方に反射される、
バックライト装置13。」

(2)対比・判断
ア 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
後者の「バックライト装置13」は、前者の「照明パネル」に相当する。
後者の「バックライト装置13の光出光面に略平行である硬質回路板15」は、前者の「照明パネルの主平面に平行な第1の面を有する少なくとも1つのタイル」に相当する。
後者の「複数の発光ダイオード14」は、硬質回路板15に接続されるので、前者の「少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され、光を発するように構成された複数の固体照明デバイス」に相当する。
後者の「硬質回路板15の前方に配設され発光ダイオード14に各々対応する開口部16aを有し発光ダイオード14の光を反射させる反射板16」は、前者の「少なくとも1つのタイルの第1の面の上の反射シートであって、入射した光を反射し散乱させるように構成された反射シート」と、「少なくとも1つのタイルの上の反射シートであって、入射した光を反射させるように構成された反射シート」である限りにおいて一致する。
後者の「複数のプリズム部22aを有する輝度上昇フィルムからなるプリズムシート22」は、「反射板16の前方に配設」されるので、前者の「反射シートの上の輝度増強フィルム」に相当する。
後者の「硬質回路板15」の前方に「反射板16」が位置し、さらにその前方に「プリズムシート22」が位置する構成は、前者の「反射シートは、少なくとも1つのタイルと輝度増強フィルムとの間に配置」されることに相当する。
後者の「プリズムシート22は、後面22bに斜めから入射した光Lを屈折させて、発光ダイオード22の光を垂直方向に集めることで、バックライト装置13の明るさを向上させることができ、後面22bに略垂直に入射した光L’を、斜面22cにより後方に反射」は、前者の「輝度増強フィルムは」、「第1の方向を有する光を前記照明パネルから優先的に放出し、前記第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して前記拡散シートへ戻すように構成され」ることに相当する。
後者の「プリズムシート22のプリズム部22aの斜面22cにより後方に反射された光L’は、反射板16によって再び前方に反射される」ことは、前者の「反射して拡散シートへ戻された光が、反射シートの拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、反射シートによって反射および散乱された光の拡散シートによる拡散とによって、拡散シートの内部で再循環されるように構成されている」ことと、「反射して戻された光が、反射シートによって、反射されるように構成されている」限りにおいて一致する。
そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
「照明パネルの主平面に平行な第1の面を有する少なくとも1つのタイルと、
前記少なくとも1つのタイルの前記第1の面の上に配置され、光を発するように構成された複数の固体照明デバイスと、
前記少なくとも1つのタイルの上の反射シートであって、入射した光を反射させるように構成された前記反射シートと、
前記反射シートの上の輝度増強フィルムと、
を備え、
前記反射シートは、前記少なくとも1つのタイルと前記輝度増強フィルムとの間に配置されており、
前記輝度増強フィルムは、第1の方向を有する光を前記照明パネルから優先的に放出し、前記第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して前記拡散シートへ戻すように構成され、
前記反射して戻された光が、前記反射シートによって、反射されるように構成されている照明パネル。」
〔相違点〕
本願発明1は、「反射シート」は少なくとも1つのタイルの「第1の面の上」に位置し、入射した光を反射し「散乱させる」ように構成され、「拡散シート」は「反射シートと輝度増強フィルムとの間に設けられ」、「輝度増強フィルム」は「反射シートの上に直接に配置される拡散シートによって反射シートから分離され」ており、輝度増強フィルムから「反射して拡散シートへ戻された光が、反射シートの拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、反射シートによって反射および散乱された光の拡散シートによる拡散とによって、拡散シートの内部で再循環されるように構成されている」ものであるのに対して、引用発明は、反射板16は単に反射させるとしか特定されておらず、拡散シートを有しておらず、プリズムシート22からの反射光を前記のように再循環するのか特定されていない点。

上記相違点について以下検討する。
引用文献4には、バックライト装置において、光源の前方に拡散シートを配置することが記載されているが(段落【0041】参照)、拡散シートを反射シートの上に直接配置することは記載されておらず、また他の引用文献にもそのような事項を示されていない。
してみれば、引用発明を、相違点に係る本願発明1の構成のうちの、輝度増強フィルムから「反射して拡散シートへ戻された光が、反射シートの拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、反射シートによって反射および散乱された光の拡散シートによる拡散」することは、引用文献2?7に記載の事項から、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

イ 本願発明15及び31について
本願発明15及び31と本願発明1とは、
「少なくとも1つのタイルの第1の面の上に配置され」、「光を発するように構成された」複数の「固体照明デバイス」と、
「少なくとも1つのタイルの第1の面の上の反射シートであって、入射した光を反射し散乱させるように構成された前記反射シート」と、
「反射シートの上の輝度増強フィルム」と、
「反射シートと輝度増強フィルムとの間に設けられた拡散シート」とを備え、
「反射シートが、少なくとも1つのタイルと輝度増強フィルムとの間に配置されており、
輝度増強フィルムは、反射シートの上に直接に配置される拡散シートによって反射シートから分離され、第1の方向を有する光を照明パネルから優先的に放出し、第1の方向とは異なる第2の方向を有する光を優先的に反射して拡散シートへ戻すように構成され、
反射して拡散シートへ戻された光が、反射シートの拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と、前記反射シートによって反射および散乱された光の前記拡散シートによる拡散とによって、前記拡散シートの内部で再循環されるように構成されている照明パネル」
との共通の技術事項を有している。
そうすると、本願発明15及び31と引用発明とを対比すると、本願発明1と対比したと同様に、少なくとも上記「ア」で検討した「相違点」で相違するといえる。

そして、上記「ア」で検討したと同様に、引用発明を、相違点に係る本願発明15または31の構成のようにすることは、引用文献2?7に記載の事項及び周知の事項から、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

(3)小括
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1、15、31は、引用発明及び引用文献2?7に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2?14、16?30、32?34に係る発明は、本願発明1、15、31をさらに限定したものであるので、同様に、引用発明及び引用文献2?7に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第3 当審拒絶理由について
1.平成28年11月24日付け当審拒絶理由の概要
(理由1)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(理由2)この出願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(理由1について)
請求項1、15、31の「前記反射シートによって反射された光」との記載では、その直前の「前記反射シートの前記拡散シートと直接接する領域での反射および散乱と」との記載と整合していない。
(理由2について)
請求項35に記載の事項は、明細書の発明の詳細な説明の記載を参照しても、どのように実施するのか不明である。

2.当審拒絶理由の判断
(1)理由1について
平成28年12月20日の手続補正書により、理由1で指摘した請求項1、15、31の事項は「前記反射シートによって反射および散乱された光」と補正された。(下線は補正箇所を示す。)
よって、当審拒絶理由の理由1は解消した。
(2)理由2について
平成28年12月20日の手続補正書により、請求項35は削除された。
よって、当審拒絶理由の理由2は解消した。

第4 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-17 
出願番号 特願2012-257767(P2012-257767)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (F21S)
P 1 8・ 536- WY (F21S)
P 1 8・ 121- WY (F21S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柿崎 拓米山 毅  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 和田 雄二
平田 信勝
発明の名称 全般照明用の固体照明器具  
代理人 特許業務法人浅村特許事務所  

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