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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 B60C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60C
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 B60C
管理番号 1324263
審判番号 不服2015-21610  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-04 
確定日 2017-02-14 
事件の表示 特願2011- 11030号「空気入りタイヤ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 8月16日出願公開、特開2012-153157号、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年1月21日の出願であって、平成26年7月2日付けで拒絶理由が通知され、同年8月18日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成27年1月28日付けで拒絶理由(最後の拒絶理由)が通知され、同年4月2日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月3日付けで同年4月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされた。これに対し、同年12月4日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正書が提出され、その後、当審において平成28年9月15日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年11月11日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の特許を受けようとする発明は、平成28年11月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、
前記ショルダー周方向溝間で、タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝と、
前記センター周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列と、
前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプと、
全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、
前記センター周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝と、
タイヤ周方向に隣り合う前記幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝と、
を備え、
前記幅方向細溝は、前記陸部列のタイヤ幅方向の一端から他端において、タイヤ周方向に互いに逆向きに凸となる一対の凸部が形成されるように屈曲しており、
前記周方向細溝は、隣り合う前記幅方向細溝間において、互いに凸が向き合う前記凸部の頂点同士を連結している、空気入りタイヤ。」

第3 原査定の理由について
1 原査定の理由の概要
本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物等
引用文献1: 米国特許第6142200号明細書
引用文献2: 特表2001-508725号公報

引用文献1(FIG-5、FIG-7?FIG-10等)には、センター周方向溝とショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列を有するものにおいて、陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプと、全ての溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、溝底サイプに沿って形成され、センター周方向溝及びショルダー周方向溝よりも浅く、陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝と、タイヤ周方向に隣り合う幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝と、を設ける点が開示されている。
してみれば、平成26年8月18日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、引用文献1、又は、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。

2 原査定の理由の判断
(1) 刊行物等の記載事項
引用文献1には、次の記載がある(下線は当審で付与。以下同様。)。なお、摘示の後に付した翻訳文は合議体が作成したものである。

(1a) BRIEF DESCRIPTIONS OF THE DRAWINGS

FIG. 3 is a perspective elevation view of the tread 12 of FIG. 1.

FIG. 5 is a view of a portion of the tread pattern of the tread shown in FIG. 3.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a tire 10 according to the present invention.

FIG. 9 is a sectional view of the lateral grooves 20 in the center row 28 and riding rows 26 taken along the lines 9--9 of FIG. 5. (第2欄第35行?第54行)
「図の簡単な説明

図3は、図1のトレッド12の斜視立面図である。

図5は、図3に示すトレッドのトレッドパターンの一部を示す図である。
図6は、本発明に係るタイヤ10の断面図である。

図9は、中央列28の横溝20と図5の9-9線に沿ったライディング列26の断面図である。」

(1b) DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENT
Referring now to the drawings wherein the showings are for purposes of illustrating a preferred embodiment of the invention only and not for purposes of limiting the same, FIGS. 1-6 show a pneumatic radial ply truck tire 10 for use on the steering axles that has a tread 12 with a non-skid depth D. The tread 12 provides a high wear rate and an even wear profile as will be discussed further below. The tread 12 includes four circumferential grooves including two centerline grooves 14 and two shoulder grooves 16 that divide the tread 12 into five rib parts 18. Lateral grooves 20 extend across the five rib parts 18 of the tread 12 to form five rows of circumferentially separated block elements 22 including two shoulder rows 24, two riding rows 26 and a center row 28. (第3欄第50行?第65行)
「好ましい実施態様の詳細説明
本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定する目的のためではない図面を参照すると、図1?6は、滑り止めの深さDを伴うトレッド12を有するステアリング車軸に使用する空気入りラジアルプライトラックタイヤ10を示す。トレッド12は、以下でさらに論じるように、高い摩耗率および均一な摩耗プロフィールを提供する。トレッド12は、トレッド12を5つのリブ部分18に分割する、2つの中心線溝14と2つのショルダー溝16とを含む4つの周方向溝を含む。横溝20は、トレッド12の5つのリブ部分18を横切って延び、2つのショルダー列24、2つのライディング列26および中央列28を含む5列の円周方向に分離されたブロック要素22を形成する。」

(1c) With reference now to FIGS. 1-6 and 9, the lateral grooves 20 that extend across the two riding rows 26 and the center row 28 have top portions 58 and bottom portions 60 respectively. The top portions have first widths W1 and first depths D3 that extend to less than 20% of the tread non-skid depth D. The bottom portions 60 have second widths W2 and second depths D4 that extend to at least 50% of tread non-skid depth D. This design provides block elements 22 that will provide even wear, high mileage and safe wet performance. It is most preferred that the second depths D4 extend to at least 75% of tread non-skid depth D. The bottom portions 60 are formed by blades (not shown) inserted into the truck tire molds (not shown). These blades provide for bottom portions 60 that extend to a constant depth level. (第4欄第64行?第5欄第10行)
「ここで図1-6および図9を参照すると、2つのライディング列26および中央列28を横切って延びる横溝20は、それぞれ頂部58および底部60を有する。頂部は、トレッドの滑り止めの深さDの20%未満に延びる第1の幅W1および第1の深さD3を有する。底部60は、トレッドの滑り止めの深さDの少なくとも50%まで延びる第2の幅W2および第2の深さD4を有する。この設計は、均等な摩耗、高い走行距離及び安全ウェット性能を提供するブロック要素22を提供する。第2の深さD4は、トレッドの滑り止め深さDの少なくとも75%に及ぶことが最も好ましい。底部部分60は、トラックタイヤモールド(図示せず)に挿入されたブレード(図示せず)によって形成される。これらのブレードは、一定の深さレベルに延びる底部60を提供する。」

(1d) with reference now to FIGS. 1-6, the tread 12 also includes circumferentially extending circumferential grooves 72 within the riding rows 26. It also includes nearly circumferential grooves 74 in the center row 28 that link the lateral grooves 20 in the center row 28. These grooves 74, 76, are relatively shallow having a depth preferably equal to the first depth D3 and have a width less than 3.0 mm. To maintain a high wear rate, it is also preferred that the tread 12 has a relatively high net-to-gross ratio. Most preferably the net-to-gross ratio is over 80%. (第6欄第13行?第22行)
「ここで図1?6を参照すると、トレッド12はまた、ライディング列26内に円周方向に延びる周方向溝72を含む。また、中央列28の横溝20を連結するほぼ円周方向の溝74を中央列28に含む。これらの溝74、76は、第1の深さD3に等しい深さを有する比較的浅く、3.0mm未満の幅を有する。高い摩耗率を維持するためには、トレッド12が比較的高いネット対グロス比を有することも好ましい。最も好ましくは、ネット対グロス比は80%以上である。」

(1e) 引用文献1のFIG-3、FIG-5、FIG-6及びFIG-9には、以下の図が示されている。





3 引用文献に記載された発明
(1) 引用文献1には、
ア 空気入りラジアルプライトラックタイヤ10(摘示(1b))に関し、

(ア) トレッド12は、2つの中心線溝14と、2つのショルダー溝16とを含むこと(摘示(1b))、
(イ) 2つの中心線溝14と、2つのショルダー溝16とは、トレッド12を5つのリブ部分18に分割すること(摘示(1b))、
(ウ) 5つのリブ部分18のうち、中心線溝14とショルダー溝16とで区画されるリブ部分18は、2つのライディング列26であること(摘示(1b)、摘示(1e)のFIG-3及びFIG-5)、
ウ 横溝20は、トレッド12の5つのリブ部分18を横切って延びること(摘示(1b))、

(ア) 横溝20は、頂部58および底部60を有すること(摘示(1c))、
(イ) 頂部は、トレッドの滑り止めの深さDの20%未満に延びる第1の幅W1および第1の深さD3を有すること(摘示(1c))、
(ウ) 底部60は、トレッドの滑り止めの深さDの少なくとも50%まで延びる第2の幅W2および第2の深さD4を有すること(摘示(1c))、
オ トレッド12は、ライディング列26内に円周方向に延びる周方向溝72を含むこと(摘示(1d))、
が記載されている。また、
カ 上記「イ(イ)」及び「ウ」より、横溝20は、2つのライディング列26を横切って延びるものであること、

(ア) 上記「エ」の「底部60」は、トラックタイヤモールドに挿入されたブレードによって形成される(摘示(1c))ものであるから、技術常識からみてサイプであって、頂部58の底に形成されたもの(摘示(1e)FIG-9)であること、
(イ) 上記「エ(イ)」に関し、「トレッドの滑り止めの深さD」は中心線溝14及びショルダー溝16の深さであること(摘示(1e)FIG-6)から、頂部58の深さD3は中心線溝14及びショルダー溝16の深さDより浅いこと、
ク 上記「オ」の「周方向溝72」は、摘示(1e)のFIG-5より、横溝20を互いに連通させていること、
が明らかである。

(2) これらのことから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「トレッド12は、2つの中心線溝14と、2つのショルダー溝16とを含み、
2つのライディング列26は、中心線溝14とショルダー溝16とで区画され、
横溝20は、2つのライディング列26を横切って延び、
横溝20は、頂部58および底部60を有し、
頂部58の深さD3は中心線溝14及びショルダー溝16の深さDより浅く、底部60は、頂部58の底に形成されたサイプであり、
トレッド12は、ライディング列26内に、円周方向に延び、横溝20を互いに連通させる周方向溝72を含む、
空気入りラジアルプライトラックタイヤ10。」

4 対比・判断
(1) 本願発明と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「トレッド12」は、本願発明の「タイヤトレッド」に相当し、以下同様に、「ショルダー溝16」は「ショルダー周方向溝」に、「ライディング列26」は「陸部列」に、「周方向溝72」は「周方向細溝」に、「空気入りラジアルプライトラックタイヤ10」は「空気入りタイヤ」に、それぞれ相当する。
イ 引用発明1の「横溝20」に関し、
(ア) その形状からみて、引用発明1の「頂部58」は本願発明の「幅方向細溝」に相当する。
(イ) 引用発明1の「底部60」は「頂部58の底に形成されたサイプ」であるから、本願発明の「溝底サイプ」に相当する。
ウ 上記「ア」、「イ」の相当関係より、
(ア) 引用発明1の「トレッド12は、2つの中心線溝14と、2つのショルダー溝16とを含」むことは、本願発明の「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、前記ショルダー周方向溝間で、タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝と」を備えることと、「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、前記ショルダー周方向溝間に形成された周方向溝と」を備える限度で一致する。
(イ) 引用発明1の「2つのライディング列26は、中心線溝14とショルダー溝16とで区画され」ることは、本願発明の「前記センター周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列」を備えることと、「前記周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列」を備える限度で一致する。
(ウ) 引用発明1において、「横溝20は、2つのライディング列26を横切って延び」るから、当該横溝20を構成する「底部60」は本願発明の「前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプ」に相当する。
(エ) 引用発明1の「横溝20は、頂部58および底部60を有し、頂部58の深さD3は中心線溝14及びショルダー溝16の深さDより浅く、底部60は、頂部58の底に形成されたサイプであ」るとの事項に関し、摘示(1e)より、ライディング列26には横溝20の底部60以外にサイプが存在しないことから、横溝20の頂部58は、当該底部60に沿って形成されたものといえる。よって、当該事項は、本願発明の「全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、前記センター周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝」を備えることと、「全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、前記周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝」を備える限度で一致する。
(オ) 引用発明1の「円周方向に延び、横溝20を互いに連通させる周方向溝72」は、本願発明の「タイヤ周方向に隣り合う前記幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝」に相当する。

(2) 以上のことから、本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、
前記ショルダー周方向溝間に形成された周方向溝と、
前記周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列と、
前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプと、
全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、前記周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝と、
タイヤ周方向に隣り合う前記幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝と、
を備える空気入りタイヤ。」

[相違点1]
本願発明では、ショルダー周方向溝間に形成された「周方向溝」は、「タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝」であるのに対し、引用発明1では、「2つの中心線溝14」である点。

[相違点2]
本願発明では、「前記幅方向細溝は、前記陸部列のタイヤ幅方向の一端から他端において、タイヤ周方向に互いに逆向きに凸となる一対の凸部が形成されるように屈曲しており、前記周方向細溝は、隣り合う前記幅方向細溝間において、互いに凸が向き合う前記凸部の頂点同士を連結している」のに対し、引用発明1ではそのような構成を備えていない点。

(3) 判断
事案に鑑み、相違点2について検討する。
ア 引用文献2には、タイヤ1(本願発明の「空気入りタイヤ」に相当)において、横断溝20(本願発明の「幅方向細溝」に相当)の形状を、タイヤ周方向に互いに逆向きに凸となる一対の凸部が形成されるように屈曲させることが記載されている(図2及び図3参照)ものの、その長手方向スリット25(本願発明の「周方向細溝」に相当)は当該凸部の頂点同士を連結するものではない。よって、引用発明1に引用文献2に記載の事項を適用しても、相違点2に係る本願発明の構成に至らないことは明らかである。
イ そして、本願発明は、相違点2に係る構成によって、「周方向細溝43は、互いに向き合っている一方の幅方向細溝40の凸部40Aと他方の幅方向細溝40の凸部40Bとを連結するように形成されているので、周方向細溝43と幅方向細溝40との間の角度を大きくとることができ、角度が小さい場合と比較して、第1陸部列34の偏摩耗を抑制することができる。」(【0053】)という効果を奏するものであるから、相違点2に係る本願発明の構成は、当業者が適宜なし得る設計変更ともいえない。
したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用発明1、引用文献1及び2の記載事項に基いて当業者が容易に想到し得るものとはいえない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明は、当業者が引用発明1、引用文献1及び2の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4) 小括
本願の請求項2?6に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるから、本願発明と同様に、当業者が引用発明1、引用文献1及び2の記載事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について
1 当審拒絶理由の概要
[理由1]本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
[理由2]本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
[理由3]平成26年8月18日付け手続補正書でした補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。



刊行物等
引用文献A: 特開平10-86613号公報
引用文献B: 特表2001-508725号公報
引用文献C: 特開平8-282213号公報

[理由1について]
引用文献A(【0011】、【0015】、【0017】、【0018】、【0022】、【0027】、【0033】?【0035】、【0038】、図2及び図5(A))には、「トレッド部2に形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ赤道C上を通る縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2と、縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2とによって区分されたタイヤ周方向に延びる2つのリブ状陸部R1と、主溝深さより浅く、リブ状陸部R1を横切る横細溝Yと、横細溝Yの溝底に設けられ、途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させた横のサイプSyと、タイヤ周方向に連続してのび、タイヤ周方向に隣り合う細溝Yを互いに連通させる縦細溝Gと、を備え、前記横細溝Yは、ヘ字状をなし、前記縦細溝Gは、ジグザグ状をなし、隣り合う横細溝Y間において1回屈曲する、空気入りタイヤ1」が記載されているから、平成27年12月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、2、4に係る発明は、引用文献Aに記載された発明である。

[理由2について]
平成27年12月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項3、4、6及び8に係る発明は、引用文献A及び周知技術(引用文献B及びC)に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。

[理由3について]
明細書の【0035】において、「屈曲角度θ1、θ2、θ3は、5°?30°程度とされている。」との記載を「屈曲角度θ1、θ2、θ3は、120°?170°程度とされている。」とする補正に関し、屈曲角度θ1、θ2、又はθ3が120°?170°程度であることは、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には記載も示唆もされていない。

2 当審拒絶理由の判断
本願発明は、平成27年12月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項5(請求項1及び3を引用するもの)に係る発明に相当するから、当該拒絶理由は解消したものといえるが、念のため、以下に理由1及び2について検討する。

(1) 刊行物等の記載事項
引用文献Aには、次の記載がある。
(Aa) 「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。図1、2において、空気入りタイヤ1は、本例では、ブロックパターンを有する全天候型の重荷重用ラジアルタイヤであって、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびるサイドウォール部3と、各サイドウオール部3のタイヤ半径方向内端に配されるビード部4とを具える。又前記ビード部4、4間を跨るトロイド状のカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2内方には、強靭なベルト層7がタガ効果を有して配され、トレッド部2を補強しかつタイヤ剛性を高めている。

【0015】本例では、図2に示すように、タイヤ赤道C上を通る中の縦主溝M1とその両側の外の縦主溝M2、M2とによって、トレッド部2は、縦主溝M1、M2間の内のリブ状陸部R1、及び縦主溝間M2とトレッド縁TEとの間の外のリブ状陸部R2に区分される。又この4本のリブ状陸部R1、R2のうち、接地圧が大となるタイヤ赤道側、すなわち内のリブ状陸部R1に、このリブ状陸部R1を横切りる横細溝Yとタイヤ周方向に連続してのびる1本以上、本例では1本の縦細溝Gとを設け、これによって各内のリブ状陸部R1を、2つのブロック列に区分している。

【0017】又前記縦細溝G及び横細溝Yは、図3に示すようにリブ状陸部R1の両側を通る前記縦主溝M1、M2よりも小巾かつ浅底をなし、その細溝巾Wg、Wy及び細溝深さDg、Dyを、全長に亘り実質的に一定とした平行溝として形成される。縦細溝Gは、前記リブ状陸部R1のほぼ中央を通る、本例ではジグザグ状をなし、そのジグザグピッチを縦主溝M1、M2のジグザグと同ピッチとしている。又横細溝Yは、本例ではタイヤ軸方向に対して20?40度の角度αで傾斜してのびる、例えばヘ字状をなし、前記ジグザグピッチと略同間隔で周方向に隔置する。なお前記横細溝Yが傾斜することによって、ブロックBのコーナーには、前記縦細溝Gと横細溝Yとが鋭角に交わる頂部10が形成される。従って、本例では前記頂部10の角度を広げ、この頂部10におけるブロック欠けを抑制するための拡巾部11を、前記細溝深さDg又はDyと略同深さで部分的に形成している。
【0018】ここで前記細溝巾Wg、Wyは、前記主溝巾WMの0.05?0.60倍の範囲であって、又例えば2?5mmの範囲とすることが好ましい。…」

(Ab) 「【0020】又縦細溝Gの溝底には、タイヤ周方向に連続してのびる縦のサイプSgが配されるとともに、横細溝Yの溝底には、この横細溝Yに沿ってのびる横のサイプSyが形成される。各サイプSg、Syは、本例では、細溝G、Yの各溝中心に沿って形成され、従って、縦のサイプSgはジグザグ状をなすとともに、横のサイプSyは、前記角度αで傾くヘ字状に形成される。

【0022】しかし、例えば図5(A)に示すように、途切れ部12、14を設けることなく横のサイプSyを、縦のサイプSgに交差させかつ両端部e2を縦主溝M又はバットレス13で開口させた時には、ブロック剛性が大巾に不足し、ドライ走行性及び耐偏摩耗性の低下を招くとともに、駆動、制動時に作用する大きな応力によって、ブロック欠けや横のサイプSyの底にクラックを発生させやすく耐久性を損ねる。なおバットレス13とは、トレッド縁TEからサイドウオール部3外面に至る、トレッド部2の外側面として形成される。

【0027】ここで各サイプSg、Syは、サイプ巾を0.3?1.5mmの範囲とした切込み状体であって、タイヤ接地時の圧縮力によってその開口を閉じ、ブロック剛性の低下を抑制する。なおサイプ巾が0.3mm未満では、成形金型によるサイプの形成が困難であり、又1.5mmを越えると、接地時に開口を閉じることが不十分となりブロック剛性が著減し、ドライ走行性、耐偏摩耗、耐ブロック欠け性等の問題が生じる。従って、好ましくは1.0mm以下が好ましい。」

(Ac) 「【0033】なお本例では、外のリブ状陸部R2には、縦細溝を有することなく、浅底の横細溝19が前記横細溝Yと略同ピッチで隔設され、横長かつ大きいブロック20の列に区分する。これによって、旋回時に必要な大きなコーナリングフォースの発生が保証される。又この横細溝19にも、両端に途切れ部14、14を有する横のサイプ21が配される。該横細溝19及び横のサイプ21は、夫々前記横細溝Y及び横のサイプSyと略同構成を具える。
【0034】又本願のトレッドパターンは、少なくとも1本のリブ状陸部Rが前記サイプ付きの縦細溝G及び横細溝Yでブロック化されていればよく、従って、他のリブ状陸部Rは、周方向に連続するリブとして形成してもよく、又他の形状のブロック列として形成してもよい。また、本願のトレッドパターンは、全天候型タイヤの他、夏用タイヤにも適用でき、又重荷重車両、乗用車車両等、種々な車両用タイヤにも用いうる。
【0035】
【実施例】図1の構造をなすタイヤサイズが295/80R22.5のタイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、試供タイヤの耐久性、及び0%摩耗時(新品時)、50%摩耗時におけるウエット性能を測定し、その結果を比較例タイヤと比較した。」

(Ad) 引用文献Aの【0038】には、以下の表1が示されている。



(Ae) 引用文献Aの図2及び図5(A)には、それぞれ以下の図が示されている。



(2) 引用文献Aに記載された発明
ア 引用文献Aには、
(ア) 空気入りタイヤ1の実施例として(摘示(Aa)【0011】)、
a タイヤ赤道C上を通る中の縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2とを有すること(摘示(Aa)【0015】)、
b 縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2とによって、トレッド部2は、縦主溝M1、M2間の2つのリブ状陸部R1に区分されること(摘示(Aa)【0015】、摘示(Ae)図2)、
c
(a) リブ状陸部R1を横切る横細溝Yを設けること(摘示(Aa)【0015】)、
(b) 横細溝Yは、縦主溝M1及びM2よりも浅底であること(摘示(Aa)【0017】)、
(c) 横細溝Yは、ヘ字状をなすこと(摘示(Aa)【0017】、摘示(Ae)図2及び図5(A))、
d 横細溝Yの溝底には、この横細溝Yに沿ってのびる横のサイプSyが形成されること(摘示(Ab)【0020】)、
e
(a) タイヤ周方向に連続してのびる縦細溝Gを設けること(摘示(Aa)【0015】)、
(b) 前記縦細溝Gは、ジグザグ状をなし(摘示(Aa)【0017】)、隣り合う横細溝Y間において1回屈曲していること(摘示(Ae)図2及び図5(A))、
(イ) 比較例品1として、摘示(1c)の【0035】及び摘示(Ad)の表1より、
a 比較例品1は、摘示(Ae)の図5(A)のトレッドパターンを有するものであって、当該トレッドパターンは、横細溝Yの溝底の横のサイプSyを、途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させたものであること(摘示(Ab)【0020】、摘示(Ab)【0022】、摘示(Ae)図5(A))、
b 比較例品1は、主溝深さDM(16mm)より、細溝Yの深さDy(5mm)が浅いこと(摘示(Ad))、
が記載されている。
イ また、引用文献Aにおいて、
(ア) 空気入りタイヤ1の実施例に関し、
a 摘示(Ae)の図2より、縦主溝M1及び両側の2本の縦主溝M2はトレッド部2に形成され、タイヤ周方向に沿って延びるものであること、
b 摘示(Ae)の図2より、リブ状陸部R1はタイヤ周方向に延びるものであること、
(イ) 比較例品1に関し、
a 比較例品1は、縦細溝Gの深さDgと細溝Yの深さDyが等しい(5mm)ものであって、縦細溝Gと細溝Yは互いに連通したものといえることから、縦細溝Gは、タイヤ周方向に隣り合う細溝Yを互いに連通させるものであること、
b 比較例品1が実施例品1と比較するためのものであること、及び、摘示(Ae)の図5(A)に記載された主溝M等の形状が実施例である摘示(Ae)の図2のものと同様の形状であることから、比較例品1は溝底の横のサイプSyの形状が上記「a」のものである以外は、実施例と同様、上記「(ア)」の「a」?「e」及び上記「(ア)」の構成を備えていること、
が明らかである。

ウ これらのことから、引用文献Aには比較例品1に係り、次の発明(以下、「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。
「トレッド部2に形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ赤道C上を通る縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2と、
縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2とによって区分されたタイヤ周方向に延びる2つのリブ状陸部R1と、
主溝深さより浅く、リブ状陸部R1を横切る横細溝Yと、
横細溝Yの溝底に設けられ、途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させた横のサイプSyと、
タイヤ周方向に連続してのび、タイヤ周方向に隣り合う細溝Yを互いに連通させる縦細溝Gと、
を備え、
前記横細溝Yは、ヘ字状をなし、
前記縦細溝Gは、ジグザグ状をなし、隣り合う横細溝Y間において1回屈曲する、
空気入りタイヤ1。」

(3) 対比・判断
(3-1) 理由1について
ア 本願発明と引用発明Aとを対比する。
(ア)
a 引用発明Aの「空気入りタイヤ1」、「トレッド部2」、「タイヤ赤道C上を通る縦主溝M1」、及び、「2つのリブ状陸部R1」はそれぞれ、本願発明の「空気入りタイヤ」、「タイヤトレッド」、「タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝」、及び、「複数の陸部列」に相当する。
b 引用発明Aの「2本の縦主溝M2」は、それらの外側には主溝が存在しないことから、本願発明の「タイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝」に相当する。
c 上記「a」及び「b」の相当関係より、引用発明Aの「トレッド部2に形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ赤道C上を通る縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2と、縦主溝M1とその両側の2本の縦主溝M2とによって区分されたタイヤ周方向に延びる2つのリブ状陸部R1」は本願発明の「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、前記ショルダー周方向溝間で、タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝と、前記センター周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列」に相当する。
(イ) 引用発明Aの「横細溝Yの溝底に設けられ、途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させた横のサイプSy」は本願発明の「陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプ」に相当する。
(ウ)
a 引用発明Aの「主溝深さより浅く、リブ状陸部R1を横切る横細溝Y」は本願発明の「センター周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝」に相当する。
b 引用発明Aにおいて「途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させた横のサイプSy」は「横細溝Yの溝底に設けられ」たものであって、他に両端部を縦主溝Mで開口させた横のサイプは存在しないこと、及び、横細溝Yは当該横のサイプSyに対してトレッド2の踏面側に位置しているものであることから、引用発明Aの「横細溝Y」は全ての「途切れ部を設けることなく両端部e2を縦主溝Mで開口させた横のサイプSy」のトレッド2の踏面側に当該横のサイプSyに沿って形成されたものといえる。
c 上記「a」、「b」及び「(イ)」の相当関係より、引用発明Aの「主溝深さより浅く、リブ状陸部R1を横切る横細溝Y」は、本願発明の「全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、前記センター周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝」に相当する。
(エ) 引用発明Aの「タイヤ周方向に連続してのび、タイヤ周方向に隣り合う細溝Yを互いに連通させる縦細溝G」は本願発明の「タイヤ周方向に隣り合う前記幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝」に相当する。

イ 以上のことから、本願発明と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「タイヤトレッドに形成され、タイヤ周方向に沿って延びるタイヤ幅方向最外側の1対のショルダー周方向溝と、前記ショルダー周方向溝間で、タイヤ赤道面上に形成されたセンター周方向溝と、前記センター周方向溝と前記ショルダー周方向溝により区画されタイヤ周方向に延びる複数の陸部列と、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する溝底サイプと、全ての前記溝底サイプのタイヤトレッド踏面側に、前記溝底サイプに沿って形成され、前記センター周方向溝及び前記ショルダー周方向溝よりも浅く、前記陸部列をタイヤ幅方向に横断する幅方向細溝と、タイヤ周方向に隣り合う前記幅方向細溝を互いに連通させる周方向細溝と、を備えた、空気入りタイヤ。」

[相違点A]
本願発明は、「前記幅方向細溝は、前記陸部列のタイヤ幅方向の一端から他端において、タイヤ周方向に互いに逆向きに凸となる一対の凸部が形成されるように屈曲しており、前記周方向細溝は、隣り合う前記幅方向細溝間において、互いに凸が向き合う前記凸部の頂点同士を連結している」のに対し、引用発明Aは、そのような構成を有していない点。

ウ そうすると、本願発明と引用発明Aとの間には、上記相違点Aのとおり相違点が存在するから、本願発明は、引用文献Aに記載された発明ではない。

(3-2) 理由2について
ア 相違点Aについて検討すると、引用文献B(引用文献2と同じ文献)には、上記「第3 3(3)ア」に記載した事項が記載されているが、当該事項を引用発明Aに適用しても、相違点Aに係る本願発明の構成に至らないことは明らかである。また、引用文献Cには相違点Aに係る本願発明の構成は記載も示唆もされていない。
そして、本願発明は、相違点Aに係る構成によって、上記「第3 3(3)イ」に記載の効果を奏するものであるから、相違点Aに係る本願発明の構成は、当業者が適宜なし得る設計変更ともいえない。
イ したがって、本願発明は、引用発明A及び引用文献A?Cの記載事項に基づいて当業者が容易になし得る発明ではない。

(4) 小括
ア 以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者が引用発明A及び引用文献A?Cの記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。
本願の請求項2?6に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるから、本願発明と同様に、引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者が引用発明A及び引用文献A?Cの記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。
イ また、平成28年11月11日付けの手続補正において、理由3に係る明細書の記載は削除されたから、理由3についての拒絶理由は解消した。
ウ そうすると、もはや、当審拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-30 
出願番号 特願2011-11030(P2011-11030)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B60C)
P 1 8・ 113- WY (B60C)
P 1 8・ 55- WY (B60C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡▲さき▼ 潤  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 小原 一郎
平田 信勝
発明の名称 空気入りタイヤ  
代理人 中島 淳  
代理人 福田 浩志  
代理人 加藤 和詳  

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