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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G21G
管理番号 1324326
審判番号 不服2016-4930  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-05 
確定日 2017-02-15 
事件の表示 特願2012-112352「放射性同位元素製造装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月28日出願公開、特開2013-238515、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2012年(平成24年)5月16日に出願された特願2012-112352号であって、平成27年6月30日付け(7月7日発送)で拒絶理由が通知され、同年9月7日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされ、同年12月28日付け(平成28年1月5日送達)で拒絶査定がされ、これに対して、平成28年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。なお、平成28年4月5日付けの手続補正においては、特許請求の範囲の請求項1については、補正がなされていない。

第2 本願発明
本願の請求項1-4に係る発明は、平成28年4月5日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである。
「ターゲットに荷電粒子線を照射することにより放射性同位元素を製造する放射性同位元素製造装置であって、
前記ターゲットを収容するためのターゲット収容部と、
前記ターゲット収容部に向かう前記荷電粒子線を通過させる荷電粒子線通路と、
前記荷電粒子線通路中に配置され、前記荷電粒子線が透過する際に当該荷電粒子線のエネルギーを減衰させる減衰部と、
を備え、
前記減衰部は、製造する前記放射性同位元素の種類に合わせて、前記荷電粒子線の前記エネルギーの減衰量を変更可能とされている、放射性同位元素製造装置。」

第3 原査定の理由の概要
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



引用文献1:特開2007-95553号公報
2:特表2002-542457号公報

引用文献1において、「ターゲットに荷電粒子線を照射することにより放射性同位元素を製造する放射性同位元素製造装置であって、前記ターゲットを収容するためのターゲット収容部と、前記ターゲット収容部に向かう前記荷電粒子線を通過させる荷電粒子線通路と、前記荷電粒子線の前記エネルギーが変更可能な、放射性同位元素製造装置」の発明が記載されている(段落「0001」、「0010」?「0037」、「0054」?「0056」、図1、3、4参照)。
そして、荷電粒子線照射装置において、「荷電粒子線通路中に配置され、前記荷電粒子線が透過する際に当該荷電粒子線のエネルギーの減衰量を変更可能な減衰部を備え」ることは周知である(引用文献2段落「0001」、「0043」?「0048」、図1参照)。
してみると、引用文献1記載の発明に前記周知技術を適用して、本願請求項1に係る発明とすることは当業者にとって容易である。

第4 当審の判断
1 引用文献の記載事項
(1)引用文献1の記載事項
引用文献1には次の事項が記載されている。(下線は当審において付したものである。)
a「【0001】
本発明は、1台の加速器が出力する荷電粒子ビームを、複数のターゲットに照射するように構成され、核反応により多種類の生成粒子または生成元素を生成させることが可能な加速器利用システムに関するものである。特に、病院内のホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)に適用することが可能な熱中性子もしくは熱外中性子を生成する技術、または陽電子放出断層撮像(PET:Positron Emission Tomography)用の放射性同位元素を製造する技術に関する。」
b「【0010】<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の加速器利用システム100(以下、本システムともいう)の全体構成を表す図である。本システムは、病院内あるいは病院に隣接した敷地内に設置されている。図2はその一部を拡大して示す図である。図1において、加速器室1内には荷電粒子ビーム5(本実施形態では陽子ビーム)を出射する加速器110が設置されている。加速器110はイオン源101、高周波四重極線型加速器(RFQ:Radio Frequency Quadrupole)102、ドリフトチューブ線形加速器(DTL:Drift Tube Linac)103a、103bからなる線型加速器である。
【0011】
イオン源101には、ガス圧調整器101aを介してガスボンベ101bから水素ガスが供給される。またイオン源101にはプラズマ発生用電源101cから電力が供給される。加速器本体のRFQ加速器102、DTL加速器103a、103bには、高電圧電源102a、クライストロン102b等の高周波(RF:Radio Frequency)発振管を介してRF電力が供給される。
これらイオン源101、RFQ加速器102、DTL加速器103a、103bはそれぞれターボ分子ポンプ104a、104b、104c、ロータリポンプ105等からなる真空排気系とゲートバルブ106a、106b、106c等の真空バルブを介して接続されている。図1では、イオン源101、加速器110のそれぞれに個別の真空ポンプが配置されているが、排気すべき容積・コンダクタンスと真空ポンプの排気能力とのかねあいで、これら真空ポンプの一部を共用で使用することも可能である。このように構成されている加速器110の統合的な制御は、制御指令装置4により行われる。
【0012】
PET用RI製造室2a、2bには、高速荷電粒子ビーム(陽子ビーム)5が照射されるPET用ターゲット201a、201bが、それぞれ減速体202a、202b、遮蔽体203a、203bで包囲されたPET用ターゲット収納室20a、20b内に収納されている。そして、これらのPET用ターゲット201a,201bは、真空気密に保たれているターゲット駆動機構204a、204bにより、荷電粒子ビーム5を横切るように移動可能になっている。それぞれのターゲット収納室20a、20bは真空気密のビーム輸送管6を介して加速器110の出射口100aと直線的に連通している。ターゲット収納室20a、20bを包囲する遮蔽体203a、203bの外側のビーム上流側および下流側には、ゲートバルブ205a、205bが配置されている。
【0013】
そして、この一対のゲートバルブ205a、205bに挟まれるビーム輸送管6の領域には、この領域を個別に大気開放/真空排気させる真空排気手段106が設けられている。またターゲット収納室20a、20b、30a、30bのビーム上流側にはビーム調整用磁場コイル7が配置されている。これらビーム調整用磁場コイル7は、図2に示されるように通常、水平方向ビーム収束用四重極磁場コイル7a、垂直方向ビーム収束用四重極磁場コイル7b、水平・垂直方向ビーム再調整用四重極磁場コイル7c等が用いられる。
【0014】
図1に戻って、BNCT室3a、3bには、高速な荷電粒子ビーム(陽子ビーム)5が照射されるBNCT用ターゲット(本実施形態ではベリリウム)301a、301bが、減速体302a、302b、遮蔽体303a、303bで包囲されたターゲット収納室30a、30bに収納されている。そして、ターゲット301a、301bは、同様に真空気密に保たれているターゲット駆動機構304a、304bにより、荷電粒子ビーム5を横切るように移動可能になっている。
【0015】
それぞれのBNCT用ターゲット収納室30a、30bは真空気密のビーム輸送管6を介してPET用ターゲット収納室内20a、20bを経て加速器110の出射口100aと直線的に連通している。BNCT用ターゲット収納室30a、30bを包囲する遮蔽体303a、303bおよび減速体302a、302bの外側のビーム上流側および下流側には、ゲートバルブ305a、305bが配置され、またビーム上流側にはビーム調整用磁場コイル7が配置されている。
そして、BNCT用ターゲット301a、301bのビーム照射面は、照射角付与手段312a、312bにより、ビーム5の照射軸に対して所定の角度(本実施形態では約45度)をなすように固定されている。
【0016】
本実施形態では、4個のターゲット201a、201b、301a、301bのうちBNCT用ターゲットの1つ301bのみが、ターゲット駆動機構304bにより陽子ビーム5に照射される位置に配置され、他の3個のターゲット201a、201b、301aはそれぞれターゲット駆動機構204a、204b、304aにより陽子ビーム5が照射されない配置に設定されている。すなわち本実施形態ではBNCT室3bで患者ががん治療を受ける状態を示している。」
c「【0021】
図3はターゲット201a、201b、301a、301bがベリリウム(Be)の場合とリチウム(Li)の場合の陽子エネルギーに対する陽子ビーム単位電流あたりの中性子発生率をプロットした特性曲線を示したグラフである。リチウムの場合は低いエネルギーで中性子の発生がおこる(閾値のエネルギーが小さい(1.881MeV))が、高エネルギー領域(>6MeV)では陽子のエネルギーの増加に対して中性子の発生率は飽和する傾向がある。
【0022】
一方、ベリリウムの場合は中性子発生の閾値のエネルギーは2.059MeVとリチウムの場合に対して高いが、高エネルギー領域(たとえば?15MeV程度)まで中性子発生率は陽子エネルギーの増加に対して飽和することなく、増加することがわかる。
両特性曲線は陽子エネルギーが約5MeVの点で交差し、この交差点を境に高エネルギー側ではベリリウムが、低エネルギー側ではリチウムが中性子発生率の観点から有利となることがわかる。」
d「【0054】<第10実施形態>
本発明の第10実施形態は、荷電粒子が陽子でターゲットがリチウムの場合を示し、陽子ビームの加速エネルギーが5MeV以下、たとえば4MeVの例を挙げる。本実施形態の基本構成は、第1実施形態(図1参照)とほぼ同じである。
【0055】
すでに図3に示したようにこのエネルギー領域では、ターゲットがベリリウムの場合よりもリチウムの場合の方が単位電流あたりの中性子発生率が大きいので、より効率的に、具体的にはより少ないビーム電流で所定の中性子を発生させることができる。また陽子の加速エネルギーが低いので、遮蔽体や減速体の構成が簡単になるという効果が得られる。さらに加速器自身もたとえばRFQ加速器(4MeV)1台のみで構成することができ、システム全体が簡単になり、保守等が容易になるという効果が得られる。
【0056】<第11実施形態>
本発明の第11実施形態として、図9に、主要加速器が静電加速器130である構成例を示す。この静電加速器130以外の構成については、図1に示される本システム100とほぼ同じであるので、説明は省略する。本実施形態では、荷電粒子の加速エネルギーを連続的に変更できるという利点があり、さらにビームの大電流化が他の加速器に比べて容易であるという効果が得られる。」
e「【図1】


f「【図3】



上記aないしfの記載から、引用文献1には、
「加速器が出力する荷電粒子ビームを、複数のターゲットに照射するように構成され、核反応により多種類の生成粒子または生成元素を生成させる放射性同位元素製造装置であって、病院内のホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)に適用することが可能な放射性同位元素製造装置において、
BNCT室3a、3bには、高速な荷電粒子ビーム5が照射されるBNCT用ターゲット301a、301bが、減速体302a、302b、遮蔽体303a、303bで包囲されたターゲット収納室30a、30bに収納され、
BNCT用ターゲット収納室30a、30bは真空気密のビーム輸送管6を介してPET用ターゲット収納室内20a、20bを経て加速器110の出射口100aと直線的に連通しており、
ターゲット301a、301bがベリリウム(Be)の場合とリチウム(Li)の場合では、荷電子粒子の高エネルギー側ではベリリウムが、低エネルギー側ではリチウムが中性子発生率の観点から有利となることがわかるところ、加速器により荷電粒子の加速エネルギーを連続的に変更できる放射性同位元素製造装置。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

(2)引用文献2の記載事項
引用文献2には次の事項が記載されている。(下線は当審において付したものである。)
a「【0001】
本発明は、請求項1?20の前文に係るイオンビーム走査システム及び該システムの操作方法に関する。」
b「【0011】
本発明によるイオンビーム走査システムにおいて、イオン加速システムは最大の透過深度を得るために必要なイオンの加速を設定可能であり、この走査システムは、標的体積とイオンビーム放出ウィンドウとの間のイオンビームの経路に配置されるエネルギー吸収手段を備え、これはイオンビームの中心を横断し、イオンビームのエネルギーを変化させるために、イオンビームの中心を横断して移動できる。イオンビームの深度を調節するために、この目的で本発明にしたがって、エネルギー吸収手段はリニアモータにより、イオンビームを横断して移動し、都合の良いことに、標的体積においては、標的体積の体積要素の深度差走査を迅速に連続して実施可能である。
【0012】
こうしたイオンビーム走査システムは、深度調節に基づいており、ラスタ走査システムのガントリシステムへの設置及び組み込みに関して、有利な改善を提供する。本発明に従ったシステムでは、ラスタ走査システムで達成されるものと同様の線量分布が可能となるが、複雑性が大幅に減少した制御システムを要する。更に、このシステムは、超伝導磁石と連動させた場合でもコンパクトな構築が可能であり、このシステムでは、任意の望ましいフィールドサイズを達成できる。最後に、このシステムでは、腫瘍組織の上にある健康な組織への影響が大幅に減少し、特に皮膚への影響が少なくなる。更に、本発明によるイオンビーム走査システムは、固定イオンビーム誘導システム及び回転可能イオンビーム誘導システムの両方で共通して使用可能である。
【0013】
このイオンビーム走査システムの好適な実施形態において、エネルギー吸収手段は、イオンビームの中心を横断して移動可能なアブソーバウェッジを有し、このアブソーバウェッジは高性能リニアモータにより駆動され、ビーム強度制御式深度走査が実施可能である。このアブソーバウェッジシステムは、減速度によりビームの透過深度を調節し、つまり腫瘍深度上でブラッグの最大値が調節される。横方向の移動は、患者を2方向、例えば平面のx及びy方向に移動させることで達成される。これは、イオンビーム誘導システム全体で制御する必要があるのが固定エネルギーの微細ペンシルビームのみであるという利点を有する。システムにおけるビームの固定位置は、有利なことに、機械的に固定されるアパーチャダイヤフラムにより保証することが可能であり、小さな局所的な解像カウンタによりチェックすることもできる。ビーム強度は、体積要素あたりのビーム線量を追加するために、単純なイオン化チャンバで測定できる。」
c「【0044】
イオン加速システム(表示なし)により、最初に最大の透過深度を得るために必要なイオンの加速が設定される。このエネルギーは治療全体を通じて変化せず、イオンビームが標的体積の最深のポイントまで組織を透過できる状態を確保する。標的体積5とイオンビームの中心を横断するイオンビーム放出ウィンドウ2との間に配置され、イオンビームのエネルギーを変化させるために、イオンビームの中心を横断して矢印Aの方向に移動可能なエネルギー吸収手段7により、最大の透過深度のブラッグの最大値は、エネルギー吸収を増加させることで低い透過深度へと移行される。この手順は、深度調節又は深度走査が発生するように継続的又はステップ毎に実施することが可能で、これらは以下では深度走査とも呼ばれる。エネルギー吸収の変化は、エネルギー吸収手段において、互いに対をなして向き合って配置されたアブソーバウェッジ13をリニアモータ8により互いに向けて矢印Aの方向で横に移動させることにより達成され、そのため標的体積の体積要素の深度差走査は迅速に連続して実施できる。」
d「【図1】



上記aないしdの記載から、引用刊行物2には、
「イオンビーム走査システムにおいて、イオンビームの中心を横断して移動可能なアブソーバウェッジを有し、このアブソーバウェッジは高性能リニアモータにより駆動され、このアブソーバウェッジシステムによる減速度によりビームの透過深度を調節してビーム強度制御式深度走査を実施可能とするエネルギー吸収手段。」
という技術事項が記載されている。


2 対比
本願発明と引用発明とを対比すると、
「ターゲットに荷電粒子線を照射することにより放射性同位元素を製造する放射性同位元素製造装置であって、
前記ターゲットを収容するためのターゲット収容部と、
前記ターゲット収容部に向かう前記荷電粒子線を通過させる荷電粒子線通路と、
前記荷電粒子線のエネルギーを変更する変更部と、
を備え、
前記変更部は、ターゲットに荷電粒子線を照射することにより生じるものに応じて荷電粒子線のエネルギーを変更する放射性同位元素製造装置。」
の点で一致している。
他方、本願発明と引用発明とは、次の各点で相違する。
(相違点1)
荷電粒子線のエネルギーを変更する手段が、本願発明においては「荷電粒子線通路中に配置され、前記荷電粒子線が透過する際に荷電粒子線のエネルギーを減衰させる減衰部」であるのに対し、引用発明においてはその点の特定がない点。
(相違点2)
ターゲットに荷電粒子線を照射することにより生じるものに応じて荷電粒子線のエネルギーを変更することが、本願発明においては「製造する前記放射性同位元素の種類に合わせて、前記荷電粒子線の前記エネルギーの減衰量を変更」するものであるのに対し、引用発明においてはその特定がない点。

3 判断
上記相違点1,2について、総合して検討する。
「荷電粒子線通路中に配置され、前記荷電粒子線が透過する際に荷電粒子線のエネルギーを減衰させる減衰部」は、引用文献2に「エネルギー吸収手段」として記載されているといえる。
しかしながら、
(1)引用発明は、「加速器により荷電粒子の加速エネルギーを連続的に変更できる」ものであるから、荷電粒子のエネルギーを変更(設定)するのに、「減衰部」を用いる余地はないこと、
(2)引用発明における荷電粒子のエネルギー変更の目的が「中性子発生率の観点から有利」になるようにすることにあるのに対し、引用文献2に記載の「エネルギー吸収手段(減衰部)」は、「ビームの透過深度を調節する」目的で用いられるものであるので、両者の技術課題が全く異なること、
に鑑みれば、引用発明に上記の引用文献2に記載の「エネルギー吸収手段(減衰部)」を適用する動機付けがないといえる。すなわち、引用発明に引用文献2に記載の技術を適用して相違点1に係る本願発明の構成を得ることが容易であるということはできない。
また、引用発明に、「ビームの透過深度を調節する」目的で用いられる「エネルギー吸収手段(減衰部)」を適用して、「製造する前記放射性同位元素の種類に合わせて、前記荷電粒子線の前記エネルギーの減衰量を変更」すること、すなわち、相違点2に係る本願発明の構成を得ることが当業者にとって容易であるともいえない。

本願の請求項2-4に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるから、本願発明と同様に、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1-4に係る発明は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-25 
出願番号 特願2012-112352(P2012-112352)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G21G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 林 靖  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 森林 克郎
松川 直樹
発明の名称 放射性同位元素製造装置  
代理人 小島 誠  

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