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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 C07D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C07D
管理番号 1324598
審判番号 不服2014-14370  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-07-23 
確定日 2017-02-10 
事件の表示 特願2012- 95094「新規化合物、組成物、及び使用方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月27日出願公開、特開2012-184234〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成20年11月26日(パリ条約による優先権主張 2007年11月27日(US)米国、2008年 9月 4日(US)米国)を国際出願日とする特願2010-536189号の一部を平成24年 4月18日に新たな特許出願としたものであって、平成25年 5月14日に手続補正書が提出されたのち、同年11月25日付けで拒絶理由が通知され、平成26年 2月26日に意見書、手続補正書が提出されたが、同年 3月18日付けで拒絶査定がなされた。これに対し、同年 7月23日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成26年 7月23日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年 7月23日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
この補正は、
補正前の、

「 【請求項1】
下記構造式の構造を有する化合物もしくはその薬学的に許容できる塩の薬剤の製造のための使用。
【化1】



【請求項2】
前記化合物がナトリウム塩であることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
痛風を治療するための請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
高尿酸血症を治療するための請求項1又は2記載の使用。
【請求項5】
血清尿酸を減少させるための請求項1又は2記載の使用。
【請求項6】
アロプリノールと併用されることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の使用。
【請求項7】
フェブクソスタト(febuxostat)と併用されることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の使用。
【請求項8】
薬学的に許容できるキャリア、及び下記構造式の構造を有する化合物もしくはその薬学的に許容できる塩を備えることを特徴とする医薬組成物。
【化2】(省略、【化1】と同じ)
【請求項9】
前記化合物がナトリウム塩であることを特徴とする請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
分離したユニット(discrete unit)としての経口使用に適合されたことを特徴とする請求項8又は9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
痛風の治療に有効な第二の薬剤をさらに備えることを特徴とする請求項8記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第二の薬剤が、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、又はキサンチンオキシドレダクターゼ阻害剤であることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第二の薬剤が、アロプリノール、フェブクソスタト(febuxostat)、4-(5-ピリジン-4-イル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(FYX-051)、又はそれらの組合せより選択されることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
下記構造式の構造を有する化合物の薬学的に許容できる塩。
【化3】(省略、【化1】と同じ)

【請求項15】
前記薬学的に許容できる塩がナトリウム塩であることを特徴とする請求項14記載の薬学的に許容できる塩。」



「 【請求項1】
下記構造式の構造を有する化合物もしくはその薬学的に許容できる塩の、痛風を治療するため、高尿酸血症を治療するため、又は血清尿酸を減少させるための薬剤の製造のための使用。
【化1】



【請求項2】
前記化合物がナトリウム塩であることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
アロプリノールと併用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
フェブクソスタト(febuxostat)と併用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
薬学的に許容できるキャリア、及び下記構造式の構造を有する化合物もしくはその薬学的に許容できる塩を備えることを特徴とする医薬組成物。
【化2】(省略、【化1】と同じ)
【請求項6】
前記化合物がナトリウム塩であることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
分離したユニット(discrete unit)としての経口使用に適合されたことを特徴とする請求項5又は6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
痛風の治療に有効な第二の薬剤をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記第二の薬剤が、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、又はキサンチンオキシドレダクターゼ阻害剤であることを特徴とする請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第二の薬剤が、アロプリノール、フェブクソスタト(febuxostat)、4-(5-ピリジン-4-イル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(FYX-051)、又はそれらの組合せより選択されることを特徴とする請求項8記載の医薬組成物。
【請求項11】
下記構造式の構造を有する化合物の薬学的に許容できる塩。
【化3】(省略、【化1】と同じ)
【請求項12】
前記薬学的に許容できる塩がナトリウム塩であることを特徴とする請求項11記載の薬学的に許容できる塩。」

とするものである。

上記請求項1についてした補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である薬剤について、補正前の請求項3?5に規定されていた、「痛風を治療するため、高尿酸血症を治療するため、又は血清尿酸を減少させるための薬剤」と限定したものであり、また、該補正によって、発明が解決しようとする課題や産業上の利用分野は変更されていない。
そうすると、上記補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、補正後の請求項2は、補正前の請求項2に対応し、請求項1を引用するものであるから、請求項2についてした補正は、請求項1におけると同様、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、補正前の請求項3?5は削除された。該補正に伴い、補正前の請求項6、7は、それぞれ、補正後の請求項3、4に対応することとなり、その被引用請求項は補正後の請求項1、2とされたものである。
そうすると、請求項3?5を削除する補正、及び補正前の請求項6、7を補正後の請求項3、4とする補正は、それぞれ、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除、及び同法同条第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、補正前の請求項8?請求項15は、各々、請求項番号が繰り上げられて、補正後の請求項5?請求項12となった。

そこで、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正がなされた、補正後の請求項1?4に記載した発明(以下、総称して「本願補正発明」、あるいは、各請求項に記載した発明毎に「本願補正発明1」?「本願補正発明4」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下、検討する。

(2)同日出願特許発明
本願と同日に出願された、特願2010-536189号出願は、平成24年10月 5日に特許第5099794号(以下、「同日出願特許」という。)として登録されたものである。

(2)-1 薬剤の製造のための、化合物等の使用
同日出願特許の特許請求の範囲には、薬剤の製造のための、化合物、もしくはその薬学的に許容できる塩、その溶媒和物、又はその互変異性体の使用、に関し、以下の記載がある。

【請求項5】薬剤の製造のための、化合物、もしくはその薬学的に許容できる塩、その溶媒和物、又はその互変異性体の使用であって、該化合物は構造式(III)で表され、
【化5】



ここで、構造式(III)の式中、
XがCH又はNであり、
WがO、S、S(O)、S(O)_(2)、NH、N(アルキル)、NC(O)(アルキル)、又はCH_(2)であり、
R^(1)はH、Cl、Br、I、NH_(2)、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、CF_(3)、CHF_(2)、又はCH_(2)Fであり、
R^(3)及びR^(3')は、H及び低級アルキルより独立に選択される、もしくはR^(3)及びR^(3')はこれらが結合する炭素と共に、N、S、及びOより選択される1個又は2個のヘテロ原子を任意に含む4、5、又は6員環を形成し、
R^(2)は(a)、(b)、(c)、及び(d)から成る群より選択され、
【化6】((b)?(d)省略)



ここで、
=は炭素‐炭素単結合、又は炭素‐炭素二重結合を表わし、
Q及びQ'は、N及びCHより独立に選択され、
R^(P)はメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロプロピルメチルであり、
R^(8)、R^(9)及びR^(10)は、H、F、Cl、Br、CH_(3)、CF_(3)、CFH_(2)、CF_(2)H、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、メトキシ、OH、OCF_(3)、NH_(2)、及びNHCH_(3)より独立に選択され、
R^(11)はCl、Br、I、CH_(3)、CF_(3)、メトキシ、i-プロピル、シクロプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、又はメチルであり、そして、
R^(12)、R^(13)、R^(14)及びR^(15)は、独立にH又はメチルであることを特徴とする使用。
【請求項11】
前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする請求項5記載の使用。
【化7】



【請求項12】
前記化合物がナトリウム塩であることを特徴とする請求項11記載の使用。
【請求項14】
痛風の治療における請求項11又は12に記載の使用。
【請求項27】
アロプリノール、フェブクソスタト(febuxostat)、又はFYX-051を組み合わせて、痛風の治療に使用するための、請求項5乃至12いずれかに記載の使用。
【請求項29】
高尿酸血症を治療するための薬剤の製造のための、請求項10又は11記載の使用。
【請求項31】
血清尿酸を減少させる薬剤の製造のための、請求項10又は11記載の使用。
【請求項32】
前記構造式(III)の化合物が下記の式で表される化合物であることを特徴とする請求項14記載の使用。
【化17】



【請求項33】
前記構造式(III)の化合物が下記の式で表される化合物であることを特徴とする請求項29記載の使用。
【化18】(省略、【化17】と同じ)
【請求項34】
前記構造式(III)の化合物が下記の式で表される化合物であることを特徴とする請求項31記載の使用。
【化19】(省略、【化17】と同じ)
【請求項35】
アロプリノールと併用されることを特徴とする請求項32乃至34いずれか一つに記載の使用。

(3)本願補正発明と同日出願特許発明の対比及び判断
(3)-1 本願補正発明1
(3)-1-1 痛風を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項14に記載された発明のうち、請求項11を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「痛風の治療における薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
上記【化7】のうち、左端に記載の構造式で表される化合物を使用した場合の発明は、本願補正発明1の、痛風を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-1-2 高尿酸血症を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項29に記載された発明のうち、請求項11を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「高尿酸血症を治療するための薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
これは、本願補正発明1の、高尿酸血症を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-1-3 血清尿酸を減少させるための薬剤
同日出願特許の請求項31に記載された発明のうち、請求項11を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「血清尿酸を減少させるための薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
上記【化7】のうち、左端に記載の構造式で表される化合物を使用した場合の発明は、本願補正発明1の、血清尿酸を減少させるための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-2 本願補正発明2
(3)-2-1 痛風を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項14に記載された発明のうち、請求項12を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「痛風の治療における薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物のナトリウム塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
上記【化7】のうち、左端に記載の構造式で表される化合物を使用した場合の発明は、本願補正発明2の、痛風を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-3 本願補正発明3
(3)-3-1 痛風を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項35に記載された発明のうち、請求項32を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「アロプリノールと併用されることを特徴とする、痛風の治療における薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、その薬学的に許容できる塩、又はそのナトリウム塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化17】(省略)」
これは、本願補正発明3の、痛風を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-3-2 高尿酸血症を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項35に記載された発明のうち、請求項33を引用する発明であって、請求項33が引用する請求項29に記載された発明のうち、請求項11を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「アロプリノールと併用されることを特徴とする、高尿酸血症を治療するための薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化18】(省略、【化17】と同じ)」
これは、本願補正発明3の、請求項1を引用する、高尿酸血症を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-3-3 血清尿酸を減少させるための薬剤
同日出願特許の請求項35に記載された発明のうち、請求項34を引用する発明であって、請求項34が引用する請求項31に記載された発明のうち、請求項11を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「アロプリノールと併用されることを特徴とする、血清尿酸を減少させるための薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化19】(省略、【化17】と同じ)」
これは、本願補正発明3の、請求項1を引用する、血清尿酸を減少させるための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(3)-4 本願補正発明4
(3)-4-1 痛風を治療するための薬剤
同日出願特許の請求項27に記載された発明のうち、請求項11又は12を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「アロプリノール又はフェブクソスタトを組み合わせて、痛風の治療に使用するための、薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、その薬学的に許容できる塩、又はそのナトリウム塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
アロプリノール又はフェブクソスタトを組み合わせて、とは、【化7】、又はそのナトリウム塩にアロプリノール又はフェブクソスタトを併用することを意味するのは明らかであるから、上記の形式上の選択肢がフェブクソスタトである場合は、本願補正発明4の、痛風を治療するための薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

以上のとおり、本願の補正後の、請求項1;請求項2;請求項3;請求項4に係る発明は、順に、本願と同日に出願された、特許第5099794号の、請求項14、29、31;請求項14;請求項35;請求項27に係る特許発明と同一と認められ、かつ、上記出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。

本件審判請求人は、審判請求書において、本願の補正後の請求項に係る化合物は一つの特別な化合物であるのに対し、同日出願特許の請求項の範囲は、様々な化合物をカバーする、より広いものであり、本願の補正後の請求項は同日出願特許の請求項に含まれていないから、本願の補正後の請求項は同日出願特許の請求項と同じではない旨主張する。
しかし、同日出願特許の請求項14に【化7】として、択一的に記載されている3つの化合物のうち、左端に記載の構造式で表される化合物は、本願の補正後の請求項1に【化1】として記載されている化合物と同じであり、両発明が化合物において相違しないといえることは、前記(3)-1-1においてすでに検討したとおりであって、本件審判請求人の上記主張を受け入れることはできない。

(4)むすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成26年 7月23日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲に記載された発明、すなわち、請求項1?15に係る発明は、平成26年 2月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定される、前記「2(1)補正後の本願発明」に、補正前の発明として記載したとおりのものと認める。(以下、総称して「本願発明」、あるいは、各請求項に記載した発明毎に「本願発明1」?「本願発明15」という。)

(1)同日出願特許発明
原査定の拒絶の理由に引用された同日出願特許の特許請求の範囲には、前記「2(2)-1 薬剤の製造のための、化合物等の使用」に記載したほか、以下の記載がある。

(1)-1 医薬組成物
その特許請求の範囲のうち、化合物、もしくはその薬学的に許容できる塩、その溶媒和物、又はその互変異性体を備えてなる医薬組成物に係る発明、に関し、以下の記載がある。

【請求項15】
薬学的に許容できるキャリア、及び
(i)構造式(III)の化合物、もしくは
(ii)構造式(III)の化合物の薬学的に許容できる塩、構造式(III)の化合物の溶媒和物、又は構造式(III)の化合物の互変異性体
を備える医薬組成物であって、
【化8】(省略、【化5】と同じ)
XはCH又はNであり、
WはO、S、S(O)、S(O)_(2)、NH、N(アルキル)、NC(O)(アルキル)、又はCH2であり、
R^(1)はH、Cl、Br、I、NH_(2)、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、CF_(3)、CHF_(2)、又はCH_(2)Fであり、
R^(3)及びR^(3')は、H及び低級アルキルより独立に選択される、もしくはR^(3)及びR^(3')はこれらが結合する炭素と共に、N、S、及びOより選択される1個又は2個のヘテロ原子を任意に含む4、5、又は6員環を形成し、
R^(2)は(a)、(b)、(c)、及び(d)から成る群より選択され、
【化9】(省略、【化6】((b)?(d)省略)と同じ)
ここで、
=は炭素‐炭素単結合、又は炭素‐炭素二重結合を表わし、
Q及びQ'は、N及びCHより独立に選択され、
R^(P)はメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロプロピルメチルであり、
R^(8)、R^(9)及びR^(10)は、H、F、Cl、Br、CH_(3)、CF_(3)、CFH_(2)、CF_(2)H、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、メトキシ、OH、OCF_(3)、NH_(2)、及びNHCH_(3)より独立に選択され、
R^(11)はCl、Br、I、CH_(3)、CF_(3)、メトキシ、i-プロピル、シクロプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、又はメチルであり、そして、
R^(12)、R^(13)、R^(14)及びR^(15)は、独立にH又はメチルであることを特徴とする医薬組成物。
【請求項17】
前記構造式(III)の化合物が請求項11において定義される化合物であることを特徴とする請求項15記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記構造式(III)の化合物が請求項12において定義される化合物であることを特徴とする請求項15記載の医薬組成物。
【請求項19】
経口使用に適している、分離したユニット(discrete units)としての請求項15乃至18いずれかに記載の医薬組成物。

(1)-2 化合物等
その特許請求の範囲のうち、化合物、もしくはその薬学的に許容できる塩、その溶媒和物、又はその互変異性体に係る発明、に関し、以下の記載がある。
【請求項1】
構造式(III)の化合物、もしくはその薬学的に許容できる塩、その溶媒和物、又はその互変異性体であって、
【化1】(省略、【化5】と同じ)
ここで、構造式(III)の式中、
XはCH又はNであり、
WはO、S、S(O)、S(O)_(2)、NH、N(アルキル)、NC(O)(アルキル)、又はCH2であり、
R^(1)はCl、Br、I、NH_(2)、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、CF_(3)、CHF_(2)、又はCH_(2)Fであり、
R^(3)及びR^(3')は、H及び低級アルキルより独立に選択される、もしくはR^(3)及びR^(3')はこれらが結合する炭素と共に、N、S、及びOより選択される1個又は2個のヘテロ原子を任意に含む4、5、又は6員環を形成し、
R^(2)は(a)、(b)、(c)、及び(d)から成る群より選択され、
【化2】(省略、【化6】((b)?(d)省略)と同じ)
ここで、
=は炭素‐炭素単結合、又は炭素‐炭素二重結合を表わし、
Q及びQ'は、N及びCHより独立に選択され、
R^(P)はメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロプロピルメチルであり、
R^(8)、R^(9)及びR^(10)は、H、F、Cl、Br、CH_(3)、CF_(3)、CFH_(2)、CF_(2)H、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、メトキシ、OH、OCF_(3)、NH2、及びNHCH_(3)より独立に選択され、
R^(11)はCl、Br、I、CH_(3)、CF_(3)、メトキシ、i-プロピル、シクロプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、又はメチルであり、そして、
R^(12)、R^(13)、R^(14)及びR^(15)は、独立にH又はメチルであり、
構造式(III)の化合物が、2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)酢酸、又はリチウム2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)アセテートでないことを条件とすることを特徴とする化合物。
【請求項4】
2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)酢酸ナトリウム、
2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-2-メチルプロパン酸、
2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-2-メチルプロパン酸ナトリウム、
2-(5-ブロモ-4-(4-エチルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)酢酸、又は、2-(5-ブロモ-4-(4-エチルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)酢酸ナトリウム、
より選択される請求項1記載の化合物。

(2)本願発明と同日出願特許発明の対比及び判断
(2)-1 本願発明1
同日出願特許の請求項11に記載された発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
上記【化7】のうち、左端に記載の構造式で表される化合物を使用した場合の発明は、本願発明1の、薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(2)-2 本願発明2
同日出願特許の請求項12に記載された発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「薬剤の製造のための、構造式(III)の化合物のナトリウム塩の使用であって、前記構造式(III)の化合物が、下記構造を有することを特徴とする使用。
【化7】(省略)」
上記【化7】のうち、左端に記載の構造式で表される化合物を使用した場合の発明は、本願発明2の、薬剤の製造のための使用に係る発明と同じである。

(2)-3 本願発明3?5
本願発明3?5のうち、請求項1を引用する発明は、本願発明1の「薬剤」について、その用途を、各々、「痛風を治療するための」、「高尿酸血症を治療するための」、「血清尿酸を減少させるための」ものに限定した発明である。そして、それら薬剤の用途に関する上記限定は、本願補正発明1の「痛風を治療するため、高尿酸血症を治療するため、又は、血清尿酸を減少させるための」との規定のいずれか一の選択肢に相当することは明らかである。
そして、本願補正発明1が、同日出願特許の請求項14、請求項29、請求項31と同一の発明であることは、前記「2(3) 本願補正発明と同日出願特許発明の対比及び判断 (3)-1 本願補正発明1」に記載したとおりであるから、同様の理由により、同日出願特許発明と同一の発明である。

また、本願発明3?5のうち、請求項2を引用する発明は、請求項2が請求項1を引用していることから、上記請求項1を引用する発明について検討したのと同様、本願発明2の「薬剤」について、その用途を限定した発明である。
そして、本願補正発明2が、同日出願特許の請求項14と同一の発明であることは、前記「2(3) 本願補正発明と同日出願特許発明の対比及び判断 (3)-2 本願補正発明2」に記載したとおりであるから、同様の理由により、同日出願特許発明と同一の発明である。

(2)-4 本願発明6
本願発明6のうち、請求項3?5を引用する発明は、その用途が、本願補正発明3の「痛風を治療するため、高尿酸血症を治療するため、又は血清尿酸を減少させるための」という、「薬剤」の用途についての規定のいずれか一の選択肢に該当する発明である。
そして、本願補正発明3が、同日出願特許の請求項35に記載された発明と同一であることは、前記「2(3) 本願補正発明と同日出願特許発明の対比及び判断 (3)-3 本願補正発明3」に記載したとおりであるから、同様の理由により、本願発明6は、同日出願特許発明と同一の発明である。

(2)-5 本願発明7
本願発明7のうち、請求項3を引用する発明は、その用途が、本願補正発明4の、「薬剤」の用途についての規定の一の選択肢である、「痛風を治療するための」に該当する発明である。
そして、本願補正発明4が、同日出願特許の請求項27に記載された発明と同一であることは、前記「2(3) 本願補正発明と同日出願特許発明の対比及び判断 (3)-4 本願補正発明4」に記載したとおりであるから、同様の理由により、本願発明7は、同日出願特許発明と同一の発明である。

(2)-6 本願発明8
同日出願特許の請求項17に記載された発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「薬学的に許容できるキャリア、及び
(i)構造式(III)の化合物、もしくは
(ii)構造式(III)の化合物の薬学的に許容できる塩、
を備える医薬組成物であって、
前記構造式(III)の化合物が、下記構造を有することを特徴とする医薬組成物。
【化7】(省略)」
これは、本願発明8の、医薬組成物に係る発明と同じである。

(2)-7 本願発明9
同日出願特許の請求項18に記載された発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「薬学的に許容できるキャリア、及び
(ii)構造式(III)の化合物のナトリウム塩
を備える医薬組成物であって、
前記構造式(III)の化合物が、下記構造を有することを特徴とする医薬組成物。
【化7】(省略)」
これは、本願発明9の、医薬組成物に係る発明と同じである。

(2)-8 本願発明10
同日出願特許の請求項19に記載された発明のうち、請求項17又は請求項18を引用する発明は、他の請求項を引用せずに書き下すと、以下のとおりである。
「経口使用に適している、分離したユニット(discrete units)としての医薬組成物であって、
該医薬組成物は、薬学的に許容できるキャリア、及び
(i)構造式(III)の化合物、もしくは
(ii)構造式(III)の化合物の薬学的に許容できる塩、又はそのナトリウム塩
を備える医薬組成物であって、
前記構造式(III)の化合物が、下記構造を有することを特徴とする医薬組成物。
【化7】(省略)」
これは、本願発明10の、医薬組成物に係る発明と同じである。

(2)-9 本願発明15
同日出願特許の請求項4には、2-(5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)酢酸ナトリウムが、化合物の選択肢の一つとして記載されている。そして、該化合物は、本願発明15において引用されている本願発明14に、化3として、その構造式をもって記載されている化合物のナトリウム塩である。
よって、本願発明15は、同日出願特許の請求項4に記載された発明と同じである。

以上のとおり、本願の請求項1;請求項2;請求項3?5;請求項6;請求項7;請求項8;請求項9;請求項10;請求項15は、、順に、本願と同日に出願された特許第5099794号の、請求項11;請求項12;請求項14、29、31;請求項35;請求項27;請求項17;請求項18;請求項19;請求項4に係る発明と同一と認められ、かつ、上記出願に係る発明は特許されており協議を行うことができない。

請求人は、審理終結通知後の平成27年11月12日付けで審理再開を求める上申書を提出し、補正後の請求項1、及びこれを引用する補正後の請求項2?4は、新規性及び進歩性を有する発明である旨主張する。
しかし、補正後の請求項1?4が新規性及び進歩性を有する発明であるか否かはさておき、同請求項に係る発明は、上記検討のとおり、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、審理を再開する必要は認められない。

(3)むすび
本願の請求項1?10、15に係る発明は、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-09-29 
結審通知日 2015-09-30 
審決日 2016-09-29 
出願番号 特願2012-95094(P2012-95094)
審決分類 P 1 8・ 4- Z (C07D)
P 1 8・ 575- Z (C07D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 天野 宏樹冨永 保  
特許庁審判長 服部 智
特許庁審判官 横山 敏志
穴吹 智子
発明の名称 新規化合物、組成物、及び使用方法  
代理人 清原 義博  
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