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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B
管理番号 1324728
審判番号 不服2014-21340  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-22 
確定日 2017-02-09 
事件の表示 特願2012-539910「高い慣性モーメントを有するフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 5月26日国際公開、WO2011/062699、平成25年 4月 4日国内公表、特表2013-511331〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1. 手続の経緯
手続の経緯の概要は以下のとおりである。
本願は,平成22年10月7日(パリ条約による優先権主張2009年11月19日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成25年10月17日付けの拒絶理由の通知に対して平成26年4月22日に意見書及び手続補正書が提出され,同年6月18日付けで拒絶の査定がなされ,これに対し,同年10月22日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに,手続補正書が提出された。
当審において,平成27年6月2日付けで拒絶理由を通知したところ,同年9月30日付けで意見書及び手続補正書が提出され,さらに,同年12月4日付けの最後の拒絶理由の通知に対して,平成28年6月6日付けで意見書及び手続補正書が提出された。

2. 平成28年6月6日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年6月6日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1) 補正の内容
平成28年6月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により,特許請求の範囲は,
「【請求項1】
ヒール部分,トウ部分,クラウン部分,ソール部分,および後部分を含む,クラブヘッドボディ,および
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された,該トウ部分から該ヒール部分まで延びる,可変性のフェース厚を有する打球フェースであって,打球フェースが,第一のフェース厚を有する中央区域,該第一のフェース厚より薄い第二のフェース厚を有する周囲区域,および該第一のフェース厚から該第二のフェース厚まで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し,該移行領域が打球フェースとは反対側のクラブヘッドの内部に位置しており,厚めの中央区域と薄めの周囲区域との間でフェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移させる,打球フェース
を含み,該クラブヘッドボディおよび該打球フェースが体積を規定する,フェアウェイウッドタイプクラブヘッドと,
該クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したホーゼル部材と,
ゴルフクラブが40?42インチの長さを有するように該ホーゼル部材と係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって,
該打球フェースが,該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み
該体積が300cc?460ccの範囲内であり,かつ,該ロフト角が16?28°の範囲内であり,
該ソール部分が該打球フェースに隣接する前側の面と,中央面と,該クラブヘッドボディの該後部分に隣接する後側の面とを含み,
該前側の面は該打球フェースの下縁に向けて上に傾斜しており,該中央面は概して水平であり,かつ,該後側の面は該クラブヘッドボディの後方の縁に向けて上に傾斜しており,
該ソール部分は該中央面上に最下点を有し,該最下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜している,
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項2】
体積が,300cc?400ccの範囲内である,請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項3】
体積が,400cc?460ccの範囲内である,請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項4】
ロフト角が20?25°である,請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項5】
クラブヘッドが,4.5?5.0インチの範囲の前記ヒール部分から前記トウ部分までの最大長さ寸法を有し,4.5?5.0インチの範囲の前記打球フェースから前記後部分までの最大幅寸法を有し,1.25?2.5インチの範囲の前記ソール部分から前記クラウン部分までの最大高さ寸法を有し,少なくとも400 ccの体積を有し,少なくとも0.80の反撥係数を有し,少なくとも4200 g-cm^(2)の慣性モーメントIzzを有し,かつ,180?240グラムの範囲の重量を有する,請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項6】
ヒール部分,トウ部分,クラウン部分,ソール部分,および後部分を含むクラブヘッドボディと,
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された打球フェースであって,可変厚を有し,かつ,第一の厚さを有する第一の区域,第二の厚さを有する第二の区域,および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する,打球フェースと
を含み,該クラブヘッドボディおよび該打球フェースが体積を規定する,フェアウェイウッドタイプクラブヘッド,ならびに,
該クラブヘッドと係合したシャフト部材であって,ゴルフクラブが40?42インチのクラブ長を有する,シャフト部材
を含む,フェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって,
該打球フェースが,該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み,
該クラブヘッドが,4.5?5.5インチの範囲の前記ヒール部分から前記トウ部分までの最大長さ寸法を有し,4.5?5.5インチの範囲の前記打球フェースから前記後部分までの最大幅寸法を有し,1.25?3インチの範囲の前記ソール部分から前記クラウン部分までの最大高さ寸法を有し,少なくとも4500g-cm^(2)の慣性モーメントIzzを有しかつ,180?240グラムの範囲の重量を有し,
該体積が400cc?460ccの範囲内であり,かつ,該ロフト角が16?28°の範囲内であり,
該ソール部分が地面係合面を含み,該地面係合面が,互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された複数の実質的に平坦な面で形成されたキールを有し,該実質的に平坦な面の全てが,該ソール部分のヒールからトウの方向および前方から後方の方向の中央の近くの集合点で集合し,かつ,
該複数の実質的に平坦な面のうち少なくとも2つが,該打球フェースの下縁から延びる,
フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項7】
前記クラブヘッドが少なくとも5500g-cm^(2)の慣性モーメントIzzを有する,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項8】
前記クラブヘッドが少なくとも5900g-cm^(2)の慣性モーメントIzzを有する,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項9】
体積が,420cc?460ccの範囲内である,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項10】
前記クラブヘッドが少なくとも0.80の反撥係数を有する,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項11】
クラブヘッドボディがマルチパーツ構成を構成する,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項12】
クラブヘッドボディの大部分が,チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの部材から構成されている,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項13】
打球フェースの大部分が,チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている,請求項12記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項14】
クラブヘッドボディの90%超が,チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項15】
打球フェースの90%超が,チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている,請求項14記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項16】
ロフト角が20?25°である,請求項6記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。」と補正された。(下線は審決で付した。以下同じ。)

なお,平成28年6月6日付けの手続補正書の請求項1には,「厚めの中央領域と薄めの周囲領域」と記載されているが,当審で「厚めの中央区域と薄めの周囲区域」の誤記と認めて,上記のように認定した。

本件補正は,補正前(平成27年9月30日付け手続補正による補正)の請求項1及び6において,発明を特定するための必要な事項である「ゴルフクラブのクラブ長」に関し,補正前の「37?43インチ」から「40?42インチ」と補正するもの(以下,「補正事項1」という。),及び請求項1において,「ソール部分の傾斜」に関し,補正前の「該ソール部分は該中央面の近くに下点を有し,該下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜している」から「該ソール部分は該中央面上に最下点を有し,該最下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜している」と補正するもの(以下,「補正事項2」という。)である。
補正事項1は,発明を特定するための必要な事項である「ゴルフクラブのクラブ長」の範囲を限定するものであって,補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明は,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
補正事項2は,平成27年12月4日付けの拒絶理由に係る拒絶の理由に示す事項についてするものであって,補正前の不明瞭な記載を明瞭にするものであるから,明りようでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
本件補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項1を含むものであるから,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について,以下検討する。

(2) 刊行物に記載された事項
平成27年12月4日付け拒絶の理由に引用し,本願の優先日前である平成16年1月15日に頒布された特開2004-8345号公報(以下「刊行物1」という。)には,図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のゴルフクラブ1の全体斜視図を示す。本実施形態のゴルフクラブ1は,断面円形かつパイプ状をなすシャフト2と,該シャフト2の先端部2a側に固着した中空形状のヘッド3と,前記シャフト2の後端部2b側に固着されたグリップ4とから構成されたいわゆるウッド型ゴルフクラブで,とりわけその1番手であるドライバーを例示している。
【0010】
また図2,図3にはシャフト2の軸中心線CLを垂直面VP内に配するとともに,ヘッド3を規定のライ角β,ロフト角αで水平面HPに接地させた基準状態における正面図,側面図をそれぞれ示す。前記ヘッド3は,ボールを打撃するフェース面Fを表面とするフェース部3aと,前記フェース面Fの上縁Eaに連なりかつヘッド上面をなすクラウン部3bと,前記フェース面Fの下縁Ebに連なりヘッド底面をなすソール部3cと,前記クラウン部3bとソール部3cとの間をフェース面Fのトウ側縁Ecからバックフェースを通りヒール側縁Edまでのびヘッド側面を形成するサイド部3dと,前記シャフト2が装着されるネック部3eとを具えたものが例示される。該ヘッド3は,本例では金属材料からなりかつ内部に中空部i(図4に示す)を有する中空形状をなしている。」

イ 「【0011】
また,本発明のゴルフクラブ1では,前記ヘッド3は,ロフト角αが14?18°かつヘッド体積が250(cm^(3))以上,しかもスイートスポット点SSがフェース中心Fcよりも下方かつ1?5mmの垂直方向の距離Lを隔てて構成されている。
【0012】
ロフト角αを上記角度の範囲に限定したのは,アベレージゴルファの低いヘッドスピードでも適切な打球の打ち出し角度を得るためである。前記ロフト角αが14°未満では,後述のシャフト2と組み合わせてもアベレージゴルファの低いヘッドスピードでは打ち出し角度が小さくなり,ボールが十分に高く上がらないためキャリーを損ねる一方,18°を超えると,後述のシャフト2と組み合わせたときには打ち出し角度が過度に大きくなりボールが高く上がりすぎて飛距離を損ねる。特に好ましくはロフト角αを15?17°とするのが好適である。
【0013】
前記「ロフト角」は,シャフト2の軸中心線CLを垂直面VPに固定しかつヘッド3をライ角βに傾けるとともに,フェース角を0°に設定した状態で,垂直面VPに対する傾き角度であるいわゆる「リアルロフト角」とする。またフェース面Fは通常,曲面をなすため,本明細書ではフェース中心Fcの位置でロフト角を測定している。また「フェース中心Fc」は,図2に示すように,フェース面Fの巾Wとフェース面Fの垂直方向の高さHとの各中間点を結ぶ位置として定める。
【0014】
またヘッド体積を限定したのは,ヘッド3の重心設計の自由度を高めると同時に,ボールをより打ちやすくするためである。前記ヘッド体積が250cm^(3)未満であると,ヘッド3が小型化するため,その重心設計の自由度が失われるとともに,ヘッド3の慣性モーメントも小さくなり,ミスショットに対する許容度が小さくなる。これは,打球の方向性の悪化を招き易くなる。一方,ヘッド体積が大きすぎても,ヘッド重量が増しスイングバランスを損ねるなどの問題がある。好ましくは,ヘッド体積を270?500cm^(3),特に好ましくは300?450cm^(3)程度とするのが望ましい。」

ウ 「【0019】
また図4に示したように,前記垂直断面において,最もバックフェース側に位置するヘッド後端点BPの前記水平面HPからの高さhを規定することも,ヘッド重心Gをより低く設計するのに有効となる。前記高さhは,例えば5?30mm,より好ましくは5?20mmとすることが望ましい。なお図示していないが,比重が大きい錘部材などをヘッドに装着してヘッド重心Gの位置を設計する手段なども単独でまた前記方法と併用しうるのは言うまでもない。」

エ 「【0026】
ゴルフクラブ1の全長は,特に限定されないが,好ましくは,43?48インチ,さらに好ましくは43?47インチとすることが望ましい。このように,クラブの全長を規定したときには,その長さに応じてヘッドスピードを高めるのに役立つ。」

オ ヘッドの垂直断面を表す【図4】から,以下の技術的事項が看取できる。
・フェース部の打球面は平坦であって,ヘッドの内部において厚さが変化している。
・スイートスポット(SS)を含む平坦部分(以下,「中央部分」という。)において,フェース厚は最も厚い。
・フェース部のクラウン部3bとの接続部(以下,「上部接続部」という。),及び,フェース部のソール部3cとの接続部(以下,「下部接続部」という。)の厚さは,上記中央部分よりも薄い。
・上記中央部分から,上部接続部及び下部接続部に向かって,厚みに徐々に勾配をつけて推移させて移行する傾斜面がある。
以上,ア乃至オの記載,及び図面を総合すると,刊行物1には,
「ヘッド3は,ボールを打撃するフェース面Fを表面とするフェース部3aと,前記フェース面Fの上縁Eaに連なりかつヘッド上面をなすクラウン部3bと,前記フェース面Fの下縁Ebに連なりヘッド底面をなすソール部3cと,前記クラウン部3bとソール部3cとの間をフェース面Fのトウ側縁Ecからバックフェースを通りヒール側縁Edまでのびヘッド側面を形成するサイド部3dと,前記シャフト2が装着されるネック部3eとを具え,
フェース部3aは,垂直断面において,中央部分と,中央部分の厚さより薄い上部接続部及び下部接続部と,中央部分から上部接続部及び下部接続部まで厚さが連続的に変化する傾斜面とをフェース面Fとは反対側のヘッド3の内部に有しており,該傾斜面は厚めの中央部と薄めの上部接続部及び下部接続部との間で,フェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移させる,ウッド型ゴルフクラブであって,
ゴルフクラブの全長は43?48インチの範囲内であり,ヘッド体積は270?500cm^(3),特に好ましくは300?450cm^(3)の範囲内であり,ロフト角は15?17°の範囲内である,中空形状のウッド型ゴルフクラブ。」の発明が開示されていると認めることができる。(以下,この発明を「刊行物1発明」という。)

平成27年12月4日付け拒絶の理由に引用し,本願の優先日前である平成18年11月9日に頒布された特開2006-305170号公報(以下「刊行物2」という。)には,図面と共に次の事項が記載されている。
カ 「【0015】
図1から図6は,本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブ10を示す。
本実施形態のゴルフクラブ10は,例えば繊維強化樹脂あるいは金属で管状構造に形成したシャフト12の先端に中空構造のヘッド14を取付け,天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性材料や軟質材料で形成したグリップ12aを基端に取付け,地面に直接置かれたボールを打球するフェアウェイで使用可能なフェアウェイウッドとして形成してある。ヘッド14は,例えば,80?180cm^(3) が好ましい60?200cm^(3) で,ヘッド重量が200?230gに形成され,フェース部に所定のロフト角が例えば12?27度で付けられる。このヘッド14には,シャフト12の中心軸12cとの取付け角度である所定のライ角αが例えば54度から65度に取付け,形成されている。このライ角αは,ヘッド14のソール部22を接地させてゴルフクラブ10をセットしたとき,このソール部22および地面を通る基準水平面に対するシャフト12の中心軸12cの角度を規定するものである。
【0016】
図2から図6に示すように,このゴルフクラブ10は,ステンレス合金,チタンあるいはチタン合金等の金属材から鋳造あるいは鍛造により中空の一体構造に形成されたヘッド本体14aを備える。このヘッド本体14aは,ボールを打球するフェース部16の上縁部16aおよび下縁部16bからバック部18側に向けてそれぞれクラウン部20とソール部22とを延設し,これらのクラウン部20とソール部22との間で,フェース部16のトウ部24側からバック部18側を介してフェース部16のヒール部26側まで,湾曲した断面形状を有するサイド部28が延設されている。
【0017】
このヘッド本体14aは,一体構造に形成し,あるいは,例えばフェース部16に別部材のフェース部材14bを設ける等,各部を別部材で形成し,これらの複数の部材を互いに接合して形成してもよい。このような複数の部材を接合して形成する場合には,ヘッド本体14aの少なくとも一部に繊維強化樹脂材料を用いることもできる。いずれの場合にも,フェース部材14bはステンレス合金,チタンあるいはチタン合金等の金属材料で形成することができ,他の部分すなわちヘッド本体12aよりも高硬度の材質や高剛性の材質,更に,高強度の材料を用いることが好ましい。また,ヘッド14は,フェース部16の下縁部16bすなわちリーディングエッジの略中央部およびこれに続くソール部22を僅かに下方に突出する稜線状の突出部23を形成し,地面に衝突した際に地面から受ける抵抗を小さくさせると共に,ヘッド14をそのスイングコースに沿って振り抜くことができるように,案内させることが好ましい。
【0018】
このヘッド14は,クラウン部20のヒール部26側からホーゼル30が突出する。このホーゼル30は,トウ部24の方向にわずかに傾斜した状態で,クラウン部20からソール部22側に突出させた筒状部32(図5)の頂部で形成されており,この筒状部32に形成したシャフト止着孔32aに,シャフト12の先端を挿入して接着することにより,シャフト12をヘッド14に止着することができる。この筒状部32のクラウン部20からの突出量すなわちホーゼル30の長さは,適宜に調整することができ,筒状部32の端部をクラウン部20と同一面に配置した場合には,ホーゼル30を持たないヘッド14に形成することができる。シャフト挿通孔32を形成する筒状部32は,ヘッド本体14aと同一材料で一体的に形成されている。無論,筒状部32をヘッド本体14aとは別体でかつ異なる材料を用いて形成することも可能である。」
キ 【図4】から,以下の技術的事項が看取できる。
・ソール部22には,フェース部16に隣接する面と,バック部18に隣接する面と,それらに挟まれた面(以下,「中央面」という。)がある。
・中央面は,「G線」に接しており,該G線はヘッド本体14a,ホーゼル30,シャフト12がなす姿勢から,水平を示す線である。
・フェース部16に隣接する面はフェース部16の下縁に向けて上に傾斜している。
・バック部18に隣接する面はバック部18の下縁に向けて上に傾斜している。

以上,カ乃至キの記載,及び図面を総合すると,刊行物2には,
「ヘッド本体14aは一体構造に形成されるとともに,ボールを打球するフェース部16の上縁部16aおよび下縁部16bからバック部18側に向けてそれぞれクラウン部20とソール部22とを延設し,これらのクラウン部20とソール部22との間で,フェース部16のトウ部24側からバック部18側を介してフェース部16のヒール部26側まで,湾曲した断面形状を有するサイド部28が延設され,
フェース部16の下縁部16bすなわちリーディングエッジの略中央部およびこれに続くソール部22を僅かに下方に突出する稜線状の突出部23を形成し,
クラウン部20のヒール部26側からホーゼル30が突出し,
ソール部22には,フェース部16に隣接する面と,バック部18に隣接する面と,それらに挟まれた中央面があって,該中央面は水平であり,フェース部16に隣接する面はフェース部16の下縁に向けて上に傾斜し,バック部18に隣接する面はバック部18の下縁に向けて上に傾斜しているフェアウェイウッド」(以下,この発明を「刊行物2発明」という。)

(3)対比
本願の請求項1に記載された発明(以下,「本願発明1」という。)と刊行物1発明とを対比する。
後者の「ヘッド3」は,前者の「クラブヘッド」に相当する。
後者の「クラウン部3b」,「ソール部3c」は,前者の「クラウン部分」,「ソール部分」に相当する。
後者の「ヒール側縁Ed」,「トウ側縁Ec」はフェース部3aにおけるフェース面Fの部位を示しており,ゴルフクラブヘッド全体を構成する部位を示すものではないが,該記載及びゴルフクラブヘッドの技術常識を考え合わせると,後者のヘッド3に,前者の「ヒール部分」,「トウ部分」に相当する部位が備わっていることは自明である。
後者の「フェース部3a」は,前者の「打球フェース」に相当する。
後者の「シャフト2」は,前者の「シャフト部材」に相当する。
後者の「ヘッド体積は270?500cm^(3),特に好ましくは300?450cm^(3)の範囲」は,前者の「該体積が300cc?460ccの範囲内」を包含している。
後者の「ロフト角は15?17°の範囲」は,前者の「該ロフト角が16?28°の範囲」の「16?17°の範囲」において一致している。
後者において,前者の「後部分」に相当する部位の明記はないが,後者のゴルフクラブがウッド型ゴルフクラブである以上,前者の「後部分」に相当する部位を有していることは自明であり,該後部分が,ヒール部,トウ部,クラウン部,ソール部とともにクラブヘッドボディを構成し,クラブヘッドボディおよび打球フェースが体積を規定することは自明である。
後者において明記はないが,後者のゴルフクラブが中空形状のウッド型ゴルフクラブである以上,前者の「クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された,打球フェース」に相当する構成を有していることは自明である。
後者において「(シャフト2が装着される)ネック部3e」と記載されていて,「ホーゼル部材」については記載がないが,ゴルフクラブヘッドの技術常識から考えて,シャフト2はホーゼル部材を介してネック部3eに固定されていることは自明である。
後者の「フェース部3a」は,「垂直断面において,中央部分と,中央部分の厚さより薄い上部接続部及び下部接続部と,中央部分から上部接続部及び下部接続部まで厚さが連続的に変化する傾斜面とをフェース面Fとは反対側のヘッド3の内部に有しており,該傾斜面は厚めの中央部と薄めの上部接続部及び下部接続部との間で,フェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移」させるものであるから,「可変性のフェース厚を有する」ものといえる。
後者の「ウッド型ゴルフクラブ」は,「ウッドタイプクラブヘッド」という概念において,後者の「フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」と共通する。
以上のことから,両者は,
〈一致点〉
ヒール部分,トウ部分,クラウン部分,ソール部分,および後部分を含む,クラブヘッドボディ,および
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された,該トウ部分から該ヒール部分まで延びる,可変性のフェース厚を有する打球フェース
を含み,該クラブヘッドボディおよび該打球フェースが体積を規定する,ウッドタイプクラブヘッドと,
該クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したホーゼル部材と,
該ホーゼル部材と係合したシャフト部材とを含むウッドタイプゴルフクラブであって,
該打球フェースが,該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み
該体積が300cc?460ccの範囲内であり,かつ,該ロフト角が16?28°の範囲内である,前記ウッドタイプゴルフクラブ。
である点で一致し,以下の点で相違している。

〈相違点1〉
打球フェースに関して,本願補正発明が「第一のフェース厚を有する中央区域,該第一のフェース厚より薄い第二のフェース厚を有する周囲区域,および該第一のフェース厚から該第二のフェース厚まで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し,該移行領域が打球フェースとは反対側のクラブヘッドの内部に位置しており,厚めの中央区域と薄めの周囲区域との間でフェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移」させるのに対して,刊行物1発明では,「可変性のフェース厚を有し,中央部分と,中央部分の厚さより薄い上部接続部及び下部接続部と,中央部分から上部接続部及び下部接続部まで厚さが連続的に変化する傾斜面とをフェース面Fとは反対側のヘッド3の内部に有しており,該傾斜面は厚めの中央部と薄めの上部接続部及び下部接続部との間で,フェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移」させているものの,垂直断面における形状以外,どのような形状であるかが明らかではない点。
〈相違点2〉
ゴルフクラブの長さに関して,本願補正発明が「40?42インチ」であるのに対して,刊行物1発明では「43?48インチ」である点。
〈相違点3〉
ソール部分に関して,本願補正発明が「打球フェースに隣接する前側の面と,中央面と,該クラブヘッドボディの該後部分に隣接する後側の面とを含み,
該前側の面は該打球フェースの下縁に向けて上に傾斜しており,該中央面は概して水平であり,かつ,該後側の面は該クラブヘッドボディの後方の縁に向けて上に傾斜しており,
ソール部分は該中央面上に最下点を有し,該最下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜」しているのに対して,刊行物1発明では,そのような形状ではない点。
〈相違点4〉
ゴルフクラブのタイプに関して,本願補正発明が「フェアウェイウッド」であるのに対して,刊行物1発明では「ウッド型」である点。

(4)判断
〈相違点1〉について
相違点1にかかる本願補正発明の発明特定事項は,出願人が平成26年4月22日に提出した意見書によれば,本願当初明細書段落0058および0067,ならびに図7C?図7Dを根拠としている。
そして,上記の根拠箇所から,一定面積を有する「中央区域712c(領域「A」)」,該中央区域712cを一定の幅で囲繞する「移行領域(領域「B」)」,打球フェースにおいて領域A及びB以外の「周囲区域712p(領域「C」)が読み取れ,本願補正発明における「中央区域」,「移行領域」,「周囲区域」に,それぞれ相当している。
刊行物1発明における,垂直断面での「中央部分」,「上部接続部及び下部接続部」,「傾斜面」について,ゴルフクラブの技術常識を踏まえると,「中央部分」は一定面積を有する領域であり,「傾斜面」は該中央部分を一定の幅で囲繞する領域であり,「上部接続部及び下部接続部」はフェース部において中央部分及び傾斜面以外の領域である,つまり,刊行物1発明が相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項を備えているとすることは,技術的にきわめて自然である。
また,相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は周知技術(以下,「周知技術1」という。)であり,刊行物1発明に周知技術1を適用することに格別の技術的困難性はなく,適用した結果,格別な作用効果が生じるものでもない。
したがって,相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は,当業者が容易に想到し得たものである。

〈相違点2〉について
また,請求人が平成28年6月6日付けの意見書で「本補正前の請求項1および6(ともに独立項)について,ゴルフクラブの長さの範囲を,本補正前の「37?43インチ」というものから,本願当初明細書段落0036に「例えば,…標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約40?42インチのクラブ長を有してもよく,…」と具体的に例示された「40?42インチ」の範囲とするよう,補正しました。」と主張するように,本願補正発明における「ゴルフクラブが40?42インチの長さを有する」という発明特定事項は,標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブのクラブ長にすぎず,この点については周知技術(以下,「周知技術2」という。)である。
とすれば,刊行物1発明の「ウッド型ゴルフクラブ」を「5番ウッドのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」の標準的な長さにすることに格別の技術的困難性はなく,適用した結果,格別な作用効果が生じるものでもない。
よって,相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項は,刊行物1発明と周知技術2とから,当業者が容易に想到し得たものである。

〈相違点3〉について
刊行物2発明の「(ソール部22の)フェース部16に隣接する面」は,本願補正発明の「(打球フェースに隣接する)前側の面」に相当する。
以下同様に,「(ソール部22の)バック部18に隣接する面」は,「後部分に隣接する後側の面」に,
「(ソール部22のフェース部16に隣接する面と,バック部18に隣接する面に)挟まれた中央面」は,「中央面」に相当する。そして,「中央面」が水平であることは,「(2) 刊行物に記載された事項 キ」で検討したとおりである。
刊行物2発明の「フェース部16に隣接する面はフェース部16の下縁に向けて上に傾斜」することは,本願補正発明の「前側の面は該打球フェースの下縁に向けて上に傾斜」することに相当し,同様に「バック部18に隣接する面はバック部18の下縁に向けて上に傾斜」することは,「後側の面は該クラブヘッドボディの後方の縁に向けて上に傾斜」することに相当する。
刊行物2発明の「フェース部16の下縁部16bすなわちリーディングエッジの略中央部およびこれに続くソール部22を僅かに下方に突出する稜線状の突出部23を形成」することは,本願補正発明の「ソール部分は該中央面上に最下点を有し,該最下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜」しているに相当する。
以上のことより,刊行物2発明は相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項を全て備えるものであって,刊行物1発明と刊行物2発明とは,「ウッドタイプゴルフクラブ」の技術分野で共通しているから,刊行物1発明に刊行物2発明を適用することに,格別の技術的困難性はなく,適用した結果,格別な作用効果が生じるものでもない。
よって,相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項は,刊行物1発明と刊行物2発明とから,当業者が容易に想到し得たものである。

〈相違点4〉について
ウッドタイプゴルフクラブにおいて,1番ウッドをドライバーと呼び,それ以外(例えば3番,4番,5番など)のウッドタイプゴルフクラブをまとめて,フェアウェイウッドと総称すること,及び,フェアウェイウッドタイプゴルフクラブが,ティからの使用にかぎらず,フェアウェイからの使用も含めて設計されることは,当該技術分野において常識である。
そして,刊行物1発明の「ウッド型ゴルフクラブ」は,相違点4に係る本願補正発明の発明特定事項である「フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」を包含する概念を有しており,刊行物1発明の「ウッド型ゴルフクラブ」を,相違点4に係る本願補正発明の発明特定事項である「フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」と限定することに,格別の技術的困難性はなく,限定した結果,格別な作用効果が生じるものでもない。
とすれば,刊行物1発明の「ウッド型ゴルフクラブ」を「フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ」とすることに格別の技術的困難性はなく,適用した結果,格別な作用効果が生じるものでもない。
よって,相違点4に係る本願補正発明の発明特定事項は,刊行物1発明から,当業者が容易に想到し得たものである。

以上のように,本願補正発明は,刊行物1発明,刊行物2発明及び周知技術1,2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして,本願補正発明の発明特定事項全体によって奏される作用効果も,刊行物1発明,刊行物2発明及び周知技術1,2から,当業者が予測しうる程度のものである。
したがって,本願補正発明は,特許法第29条第2項の規定により,その特許出願の際に独立して特許を受けることができない。

周知技術1に関して,必要であれば,以下の文献を参照されたい。
周知文献1:特開2002-165903号公報(【0016】,【図2】)
周知文献2:特開平9-192273号公報(【0009】,【図3】)

周知技術2に関して,必要であれば,以下の文献を参照されたい。
周知文献3:特開2003-771号公報(【0014】?【0016】)
周知文献4:特開2008-154674号公報(【0018】)
周知文献5:特開2009-247399号公報(【0068】)
周知文献6:特開2011-5253号公報(【0011】)

(5)本願補正発明についてのまとめ
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明及び刊行物1に記載された発明
平成28年6月6日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,請求項に係る発明は,平成27年9月30日付け手続補正により補正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものである。
そして,その請求項1により特定される発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】
ヒール部分,トウ部分,クラウン部分,ソール部分,および後部分を含む,クラブヘッドボディ,および
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された,該トウ部分から該ヒール部分まで延びる,可変性のフェース厚を有する打球フェースであって,打球フェースが,第一のフェース厚を有する中央区域,該第一のフェース厚より薄い第二のフェース厚を有する周囲区域,および該第一のフェース厚から該第二のフェース厚まで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し,該移行領域が打球フェースとは反対側のクラブヘッドの内部に位置しており,厚めの中央領域と薄めの周囲領域との間でフェース厚に徐々に勾配をつけてフェース厚を推移させる,打球フェース
を含み,該クラブヘッドボディおよび該打球フェースが体積を規定する,フェアウェイウッドタイプクラブヘッドと,
該クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したホーゼル部材と,
ゴルフクラブが37?43インチの長さを有するように該ホーゼル部材と係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって,
該打球フェースが,該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み
該体積が300cc?460ccの範囲内であり,かつ,該ロフト角が16?28°の範囲内であり,
該ソール部分が該打球フェースに隣接する前側の面と,中央面と,該クラブヘッドボディの該後部分に隣接する後側の面とを含み,
該前側の面は該打球フェースの下縁に向けて上に傾斜しており,該中央面は概して水平であり,かつ,該後側の面は該クラブヘッドボディの後方の縁に向けて上に傾斜しており,
該ソール部分は該中央面の近くに下点を有し,該下点からヒール方向およびトウ方向に上に傾斜している,
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。」

(2)引用例
一方,平成27年12月4日付けの拒絶理由に引用された刊行物及びその記載内容は,前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は,本願補正発明の「40?42インチ」,「中央面上に」,「最下点」という発明特定事項を「37?43インチ」,「中央面の近くに」,「下点」とするものである。
「37?43インチ」については,刊行物1に記載されるゴルフクラブの長さは「43?48インチ」であるから,「43インチ」において一致している。
そうすると,本願発明と刊行物1発明とを対比した場合の相違点は,上記「2.(3)対比」で挙げた相違点1,3及び4のみとなるから,上記「2.(4)判断」における検討内容を踏まえれば,本願発明は,刊行物1発明,刊行物2発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
「中央面の近くに」,「下点」については,不明瞭な記載である。
したがって,本願発明は,平成27年12月4日付け拒絶理由通知書に記載した理由1及び2の理由により,拒絶されるべきものである。

(3)むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物1発明,刊行物2発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また,本願発明は明瞭でないから,特許法第36条第6項2号の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は,他の請求項について検討するまでもなく,拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-09-08 
結審通知日 2016-09-12 
審決日 2016-09-29 
出願番号 特願2012-539910(P2012-539910)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 藤本 義仁
吉村 尚
発明の名称 高い慣性モーメントを有するフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ  
代理人 五十嵐 義弘  
代理人 大関 雅人  
代理人 春名 雅夫  
代理人 小林 智彦  
代理人 井上 隆一  
代理人 清水 初志  
代理人 佐藤 利光  
代理人 新見 浩一  
代理人 刑部 俊  
代理人 山口 裕孝  
代理人 川本 和弥  

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