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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A63F |
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管理番号 | 1324853 |
異議申立番号 | 異議2016-700351 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-04-25 |
確定日 | 2016-12-26 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5804531号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5804531号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第5804531号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5804531号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成27年9月11日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされたものであり、平成28年7月11日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年9月12日付けで特許権者である株式会社三共より意見書の提出及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より、平成28年11月2日付けで意見書が提出されたものである。 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求による本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、」とあるのを、 「各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、」に訂正する。(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。) (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に 「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」 とあるのを、 「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1に 「表示結果が導出される前に、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」とあるのを、 「表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」に訂正する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に 「前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、」とあるのを、 「前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、」に訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1の「第3遊技状態移行手段と」の後に、 「前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、」を加える。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項1に 「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、」とあるのを、 「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、」に訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項1に 「前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備える」とあるのを、 「前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、」に訂正する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1に、上記訂正事項7の「前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、」に続けて、 「前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、 を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、」を加える。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項1に 「前記導出制御手段は、 前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う」を加える。 (10) 訂正事項10 願書に添付した明細書の段落【0009】に 「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 を備え、 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果(小役GR(1)?(6))が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段(操作手順報知)をさらに備える ことを特徴としている。」とあるのを、 「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 を備え、 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、 前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容する旨を単独で決定する第1の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第2の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特別入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第3の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨、前記第2の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特別入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第4の決定を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、 前記導出制御手段は、 前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う ことを特徴としている。」に訂正する。 2 訂正の適否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 上記訂正事項1の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え」とあるのを、「各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え」とする訂正は、変動表示可能な可変表示部の態様が「周期的に移動させることにより」変動表示可能とするものであることを明らかにして限定すると共に、可変表示部が複数であることを明らかにして限定したものであって、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、」とあるのを、「各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0013】の「前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)は、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(リール2L、2C、2R)を有し、」との記載、段落【0020】の「リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。」との記載及び段落【0021】の「各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R (図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。」との記載に基づくものである。 すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数(リール2L、2C、2R)備えていることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書又は図面(以下、「本件特許明細書等」という)に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 上記訂正事項2の「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」とあるのを、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」とする訂正は、可変表示部が複数であることと、「表示結果」の態様が「第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せ」であることに限定して、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項2は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2の「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」とあるのを、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0013】の「前記複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域を通る複数の入賞ライン(入賞ラインL1?L5)のうちいずれかの入賞ライン上に導出された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能であって、」との記載及び段落【0037】の「入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち下向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち上向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4の5種類が入賞ラインとして定められている。」との記載に基づくものである。 すなわち、可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ライン(入賞ラインL1?L5)のうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能であることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 上記訂正事項3の「表示結果が導出される前に、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」とあるのを、「表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」とする訂正は、「事前決定手段」が発生を許容するか否かを決定する対象の複数種類の入賞について、新たに「遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞」を加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項3は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項3の「表示結果が導出される前に、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」とあるのを、「表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0009】の「前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB、RB)への移行を伴う特別入賞(特別役)を含む入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)」との記載、段落【0145】の「入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。」との記載及び段落【0147】の「このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナス(1)(2)をBB(1)(2)とする)が、小役としてチェリー、1枚(1)(2)、12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、ベルが、再遊技役としてリプレイ(1)?(6)が定められている。」との記載に基づくものである。 すなわち、「事前決定手段(内部抽選)」が、表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞(特別役;レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(1)(2)(BB(1)(2))と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞(リプレイ(1)?(6))と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞(チェリー、1枚(1)(2)、12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、ベル)と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定するものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的について 上記訂正事項4の「前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、」とあるのを、「前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、」とする訂正は、「導出制御手段」が行う「表示結果を導出する制御」について、「導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御」と限定して、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項4の「前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、」とあるのを、「前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0013】の「前記導出操作手段が操作されたときに、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて前記複数の可変表示領域それぞれに表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、」との記載及び段落【0174】の「また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。」との記載に基づくものである。 すなわち、「導出制御手段」が、導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲(停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲)内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行うものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的について 上記訂正事項5の「前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「持越手段」の構成を加えるものであり、具体的には、持越手段が、特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越すものであることを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項5は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項5の「前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、」なる発明特定事項を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0009】の「前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定(特別役の当選フラグ)を次ゲーム以降に持ち越す持越手段」との記載及び段落【0146】の「尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。」との記載に基づくものである。 すなわち、「持越手段」が、特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定(特別役の当選フラグ)を次ゲーム以降に持ち越すものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的について 上記訂正事項6の「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、」とあるのを、「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、」とする訂正は、「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、」を「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、」と減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項6の「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、」とあるのを、「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0266】の「このように本実施例では、RT(1)に滞在している場合には、直接、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行させる場合には、RT(1)において必ずしも成立するとは限らない移行役が成立することで移行するRT(0)を必ず介して移行することとなる。さらにRT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行させる場合にも、RT(0)において必ずしも成立するとは限らないリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させる必要がある。すなわちRT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。」との記載に基づくものである。 すなわち、第1の遊技状態(RT(1))から第3の遊技状態(RT(3)、RT(4))へ遊技状態を移行させる場合には、必ず第2の遊技状態(RT(0))を経由する必要があることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (7)訂正事項7 ア 訂正の目的について 上記訂正事項7の「報知手段をさらに備える」とあるのを、「報知手段をさらに備え、」とする訂正は、後述する訂正事項8及び訂正事項9による発明特定事項の加入に伴い、整合をとるために表現を変更したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項7は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8 ア 訂正の目的について 上記訂正事項8の「前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、 を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「事前決定手段」の構成を加えるものであり、具体的には、前記事前決定手段が、同一ゲームにおける決定対象として、前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、前記第1の小役人賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、を行うことが可能であり、同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行うものであることを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項8は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項8の「前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、 を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、 同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、」なる発明特定事項を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0203】の「そして本実施例では、図9(a)及び(b)-(1)に示すように、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C+E)に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)の比率よりもチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D+F)に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)の比率が高くなる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。」との記載に基づくものである。 すなわち、「事前決定手段(内部抽選)」が、同一ゲームにおける決定対象として、特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞(チェリー)の発生を許容する旨を単独で決定する第1の決定(チェリー)、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞(1枚)の発生を許容する旨を同時に決定する第2の決定(チェリー+1枚)、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特別入賞(BB、RB)の発生を許容する旨を同時に決定する第3の決定(BB+チェリー、RB+チェリー)、前記第1の小役入賞の発生を許容する旨、前記第2の小役入賞の発生を許容する旨及び前記特別入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第4の決定(BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚)を行うことが可能であり、同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率(チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C+E)に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)の比率)、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率(チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D+F)に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)の比率)のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定(チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選)を行うものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (9)訂正事項9 ア 訂正の目的について 上記訂正事項9の「前記導出制御手段は、前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「導出制御手段」の構成を加えるものであり、具体的には、導出制御手段が、第1の決定または第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に第1の入賞ラインに第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び第2の入賞ラインに第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち第1の表示位置のみ位置する場合に第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置の双方が位置する場合に第1の表示位置を導出する制御を行い、第2の決定または第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置のうち第1の表示位置のみ位置する場合に第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置の双方が位置する場合に第2の表示位置を導出する制御を行うものであることを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項9は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項9の「前記導出制御手段は、前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う」なる発明特定事項を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0200】の「そこで本実施例では、チェリー、BB(BB(1)(2))+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB(BB(1)(2))+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインに「チェリー-ANY-ANY」を揃える制御を行うが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリ一-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5のみに揃える制御を行うのに対して、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1?L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1に揃える制御を行い、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみ「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5に揃える制御を行うようになっている。」との記載に基づくものである。 すなわち、「導出制御手段」が、第1の決定または第3の決定がなされた第1の条件(チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー)が成立したときに、導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に第1の入賞ラインに第1の小役入賞を構成する識別情報(チェリー)が停止する第1の表示位置(入賞ラインL2?L5)及び第2の入賞ラインに第1の小役入賞を構成する識別情報(チェリー)が停止する第2の表示位置(入賞ラインL1)のうち第1の表示位置のみ位置する場合に第1の表示位置(入賞ラインL2?L5)を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置の双方が位置する場合に第1の表示位置(入賞ラインL2?L5)を導出する制御を行い、第2の決定または第4の決定がなされた第2の条件(チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚)が成立したときに、導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置のうち第1の表示位置のみ位置する場合に第1の表示位置(入賞ラインL2?L5)を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において予め定められた引込範囲内に第1の表示位置及び第2の表示位置の双方が位置する場合に第2の表示位置(入賞ラインL1)を導出する制御を行うものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (10)訂正事項10 ア 訂正の目的について 上記訂正事項10は、上記訂正事項1?9に係る訂正により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0009】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項10は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 エ 明細書又は図面の訂正と関係する請求項についての説明 上記訂正事項10は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、請求項1に関係する訂正である。 したがって、上記訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第4項に適合するものである。 3 まとめ したがって、本件訂正の訂正事項1?6、8?9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合し、訂正事項7、10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するので、本件訂正請求にかかる訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。(記号は分節のため当審で付した) 「【請求項1】 A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、 B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 E 前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、 F 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 G 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 H 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 I 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 J 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 K 前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 を備え、 L 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、 M 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 N 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 O 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 P 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、 Q 前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 Q1 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 Q2 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 Q3 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 Q4 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第4の決定、 を行うことが可能であり、 Q5 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、 R 前記導出制御手段は、 R1 前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、 R2 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 R3 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 R4 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、 R5 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 R6 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う S ことを特徴とするスロットマシン。」 2 特許異議申立の理由の概要 特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張している。 (証拠方法) 甲第1号証:特開2008-200165号公報 3 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年7月11日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 【理由1】訂正前の請求項1に係る発明は、その遡及する出願日前(以下「遡及日前」という)に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものである。 【理由2】訂正前の請求項1に係る発明は、その遡及日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その遡及日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 甲第1号証:特開2008-200165号公報 甲第1号証には、通常遊技(第1の遊技状態)からRT遊技状態(第3の遊技状態)に直接移行させることがなく、通常遊技(第1の遊技状態)からRT遊技への移行は、特定遊技(第2の遊技状態)を介在させた点(段落【0061】、図8参照)、通常遊技(第1の遊技状態)中において、ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれか)が停止表示されたとき、ベルの小役の入賞表示結果である「赤セブン-ベル-ベル」または「青セブン-ベル-ベル」または「バー-ベル-ベル」が入賞ライン上に停止表示され、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄が停止表示されなかった場合は、Replay-ベル-ベルからなる特定図柄の組み合わせ(特定の非入賞表示結果)が停止表示され、特定図柄の組み合わせが停止表示された場合に特定遊技(第2の遊技状態)が開始される点(段落【0054】、【0067】、【0068】、図6参照)、ベルA、ベルB、ベルCの当選確率は通常遊技状態、特定遊技状態、RT遊技状態で同一の確率(ベルAが1334/65536、ベルBが1334/65536、ベルCが1333/65536)で決定される点(図9?11参照)、RT遊技(第3の遊技状態)中にベル小役に内部当選したと判定された場合には、演出表示装置10などを用いてベル小役の種類とともにベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知することで、容易にベル小役の入賞を成立させることができる点(段落【0123】?【0126】参照)が記載されている。 そして、請求項1に係る発明は、特許異議申立書第9頁第26行?第36頁第14行に記載の理由により、甲第1号証記載の発明と実質的に同一であるか、または甲第1号証記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号または特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 4 平成28年9月12日付け意見書(特許権者)の概要 特許権者は、平成28年9月12日付け意見書において、訂正事項8?9については、甲第1号証に開示ないし示唆されてないから、本発明は甲第1号証記載の発明と実質的に同一ではなく、また甲第1号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない旨主張している。 5 平成28年11月2日付け特許異議申立人の意見書の概要 特許異議申立人は、平成28年11月2日付け意見書において、証拠方法として甲第2?5号証を提出し、訂正事項1?7については甲第1号証に開示され、訂正事項4、8については甲第2号証記載の周知の事項を引用例1に適用することにより、訂正事項9については甲3?5号証記載の周知の事項を引用例1に適用することにより、容易に想到できる旨主張している。 (証拠方法) 甲第2号証:特開2009-61073号公報 甲第3号証:特開2007-14491号公報 甲第4号証:北斗の拳2天覇の章、パチスロ攻略マガジンドラゴン VOL.102 9月号、株式会社双葉社、2007年8月21日、第6巻第9号、第6-9頁 甲第5号証:青ドン、パチスロ必勝本2007年8月号、辰巳出版株式会社、2007年8月1日、第6-9頁 6 刊行物の記載 (1)甲第1号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2008-200165号公報)には以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同じ。)。 (1-ア)「【0029】 操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a、20b、20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38cなどが設けられている。なお、回胴停止ボタン38a、38b、38cが本発明の停止操作手段に相当している。」 (1-イ)「【0034】 筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a、20b、20cが設けられており、各回胴20a?20cの外表面には、後述のように複数種類の図柄が表示されている。これら回胴20a?20cの上方には、遊技全体の制御を司る主制御基板200(図4参照)が格納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための回胴基板260(図4参照)が格納された回胴基板ユニット111が設けられている。回胴20a、20b、20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための電源基板280(図4参照)が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源ユニット120sも設けられている。」 (1-ウ)「【0044】 遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a?20cが一斉に回転を開始する。それぞれの回胴20a?20cの外周面には複数の図柄が描かれているため、回胴20a?20cが回転すると、これら図柄が変動表示されることになる。また、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a?38cが設けられている(図1参照)。回胴20a?20cの回転中に回胴停止ボタン38a?38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a?20cの回転を停止させると、それぞれの回胴でいずれかの図柄が停止表示される。回胴20a?20cの停止は、主制御基板200のCPU200cが後述の回胴回転停止処理S107で行うように構成されている。したがって、主制御基板200のCPU200cが本発明の停止制御手段に相当している。 【0045】 本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴20a?20cあたり3つずつの図柄が表示される大きさに設定されている。このため、3つの回胴20a?20cが停止表示されると、表示窓20には、縦横3列ずつ、合計9つの図柄が表示されるようになっている。これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。 【0046】 図5は、本実施例の遊技機1に設定されてる入賞ラインを示す説明図である。図5に示すように、本実施例では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上向きの入賞ラインL4と、右斜め下向きの入賞ラインL5からなる合計5本の入賞ラインが設定されている。遊技メダルを1枚だけベットした場合には中段の入賞ラインL2だけが有効になり、遊技メダルを3枚ベットした場合には5本全部の入賞ラインL1?L5が有効になる。そして、3つの回胴20a?20cが停止すると、有効な入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることとなる。なお、図5に示す例では、5種類の直線状の入賞ラインL1?L5を設定したが、これに限らず、例えば、左回胴20aの上段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの上段位置とを結ぶ入賞ラインや、左回胴20aの下段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの下段位置とを結ぶ入賞ラインなどの非直線状の入賞ラインなどを加えて、より多種類の入賞ラインを設定しておくこともできる。 【0047】 そして、有効な入賞ライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。図6は、本実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せを示している。図6(a)は、遊技役の種類に図柄組合せと付与される特典を対応付けて示した説明図である。図6(a)では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄に遊技役を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄に遊技役が成立した場合に遊技者に付与される特典が表示されている。これらの図柄組合せは、主制御基板200に搭載されたROMに予め記憶されている。 【0048】 図6(a)に示すように、遊技役には、ビッグボーナス役(BB役)、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役(リプレイ)が設定されている。 【0049】 BB役は、「赤セブン(赤色の7)」と呼ばれる図柄が揃った図柄組合せ、あるいは「青セブン(青色の7)」と呼ばれる図柄が揃った図柄組合せが対応付けられており、いずれの図柄組合せが揃った場合でも、ビッグボーナス遊技の開始という特典が遊技者に付与される。ビッグボーナスとは、複数回のゲームに渡って継続される特殊な遊技状態であり、大量のメダルを獲得可能な遊技者にとって最も有利な特典である。 【0050】 ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれかであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定されている。左図柄20aが「赤セブン」の場合は「ベルAの小役」と呼び、左図柄20aが「青セブン」の場合は「ベルBの小役」と呼び、左図柄20aが「バー」の場合は「ベルCの小役」と呼ぶ。これらのベルの小役に対して遊技者に付与される特典として、15枚の遊技メダルが払い出される。 【0051】 スイカの小役は、3つの回胴20a?20cのすべてが「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。スイカの小役に対する特典として、6枚の遊技メダルが払い出される。また、チェリーの小役は、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であり、中図柄20bおよび右図柄20cはどのような図柄の組合せであっても構わない図柄組合せが設定されている。チェリーの組合せに対しては、2枚の遊技メダルが払い出される。 【0052】 再遊技役(リプレイ)は、3つの回胴20a?20cがいずれも「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。本実施例の遊技機1では、3つの回胴20a?20cのすべてが「Replay」の図柄で揃った図柄組合せからなる再遊技役Aと、左図柄20aが半円状の図柄で、中図柄20bと右図柄20cが「Replay」の図柄である図柄組合せからなる再遊技役Bの2種類の再遊技役が設定されている。再遊技役Aおよび再遊技役Bのいずれかの図柄組合せが揃えば、再遊技役の入賞を成立させることができる。再遊技役に付与される特典としては、新たな遊技メダルをベットすることなく、再度遊技を行う権利が付与される。つまり、再遊技役の入賞を成立させたときにベットしていた遊技メダルと同じ遊技メダルがベットされたものとしてもう一度遊技を行うことが可能となる。また、再遊技役Bは、後述するRT遊技(リプレイタイム遊技)の開始図柄であり、RT遊技を開始させる特典も有している。RT遊技に関する詳細は後述する。」 (1-エ)「【0054】 なお、本実施例の遊技機1では、図6(a)に示す遊技役に加えて、図6(b)に示す特定図柄と呼ばれる図柄組合せが設定されている。本実施例では、左図柄20aが「Replay」、中図柄20bが「ベル」、右図柄20cが「ベル」の図柄組合せが特定図柄に設定されており、この特定図柄は、遊技メダルが払い出される遊技役とは異なり、遊技状態の切り替えに用いられる。この特定図柄による遊技状態の切り替えについては後述する。 【0055】 図6(a)で示したいずれの遊技役に当選するかは後述する内部抽選で決定される。内部抽選処理では、主制御基板200のCPU200cがスタートレバー36が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて遊技役を内部的に抽選する。内部抽選用乱数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。本実施例の内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0?65535の範囲の乱数値を取得することが可能となっている。内部抽選用乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもでき、あるいは乱数発生用プログラムを用いてソフトウェア的に生成することもできる。なお、主制御基板200のCPU200cが本発明の遊技役抽選手段に相当している。」 (1-オ)「【0061】 ここで、各遊技状態を対応する抽選テーブルとともに説明する。図8は、各遊技状態が切り替わる状態を示している。図8に示すように、通常遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わることができ、特定遊技からRT遊技、BB遊技または通常遊技に切り替わることができ、RT遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わることができ、BB遊技から通常遊技に切り替わる。これらの複数の遊技状態の切り替え(各遊技状態の開始及び終了)は、主制御基板200がROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって行われる。したがって、主制御基板200のCPU200cが本発明のリプレイタイム遊技開始手段、リプレイタイム遊技終了手段、特定遊技開始手段、特定遊技終了手段に相当している。 【0062】 まず、通常遊技について説明する。遊技を開始した直後(RAMクリア処理等を行って遊技状態を初期状態にしたとき)は、図7(c)の遊技状態フラグは全てのビットに「0」が設定される。したがって、遊技状態が最も一般的な遊技状態である通常遊技に設定されている。通常遊技状態では、通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図9(a)は通常遊技用抽選テーブルを示し、図9(b)は通常遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と内部抽選用乱数の乱数範囲との対応関係を示している。図9(a)に示す通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルAの小役」に対して0?1333の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲内にあった場合には、ベルAの小役に内部抽選することを表わしている。同様に、「ベルBの小役」には1334?2667、「ベルCの小役」には2668?4000、「スイカの小役」には4001?4200、「チェリーの小役」には4201?4400、「赤7のBB役」には4401?4600、「青7のBB役」には4601?4700、「再遊技役A」には4601?13800、「再遊技役B」には4601?4700のそれぞれの乱数値が設定されている。13801?65535の乱数値には、いずれの遊技役も設定されておらず、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、「外れ」となる。」 (1-カ)「【0067】 また、本実施例の遊技機1では、ベルの小役の入賞を成立させる図柄組み合わせが停止表示されなかった場合(取りこぼしが発生した場合)に、ベル小役の取りこぼし目として特定図柄の組み合わせ(図6(b)参照)が停止表示されるように設定されている。すなわち、ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」か「青セブン」か「バー」のいずれか)が停止表示されなかった場合は、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させる。そして、中回胴20b、右回胴20cについては、左回胴20aに停止表示された「再遊技」の図柄位置を含む入賞ライン上に「ベル」の図柄が停止表示される。これにより、「ベル」の小役を取りこぼした場合には、特定図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示される。なお、特定図柄組み合わせが停止表示されることは、特定遊技の開始条件となっている。よって、通常遊技中に特定図柄組み合わせが停止表示された場合には、前述した遊技状態フラグ(図7(c)参照)における特定遊技フラグがONに設定され、特定遊技が開始される。 【0068】 以上のように、通常遊技からは、特定遊技またはBB遊技のいずれかの遊技状態に切り換わることができる(図8参照)。すなわち、通常遊技中にBB役(赤7および青7のBB役)の入賞が成立すると、遊技状態がBB遊技に切り換わる。また、有効な入賞ライン上に特定図柄の組み合わせが停止表示されると遊技状態が特定遊技に切り換わる。 【0069】 次に、特定遊技について説明する。特定遊技は、上述した特定図柄の組合せが成立することで開始されるものであり、特定遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図10は、特定遊技用抽選テーブルを示している。図9に示した通常遊技用抽選テーブルと同様、特定遊技用抽選テーブルにも、複数の遊技役毎に、その遊技役を当選させる乱数範囲が設定されている。また、図10(b)には、特定遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と、内部抽選乱数の乱数範囲との対応関係が示されている。図10に示す特定遊技用抽選テーブルと、図9に示す通常遊技用抽選テーブルとを比較すると、再遊技役全体の乱数範囲は通常遊技とほぼ同様であるが、通常遊技用抽選テーブルに対して特定遊技用抽選テーブルの方が再遊技役Bの乱数範囲が100から300に拡大されている。このため、特定遊技では、通常遊技よりも再遊技役Bに内部当選しやすい遊技状態となっている。また、拡大された再遊技役Bの乱数範囲(4701?4900の範囲)は、青7のBB役とは重複しておらず、再遊技役Aとのみ重複役を構成している。そして、この拡大された乱数範囲の乱数値に内部当選し、再遊技役Bの入賞が成立した場合はRT遊技が開始される。 【0070】 図8に示したように、特定遊技からRT遊技、BB遊技または通常遊技のいずれかの遊技状態に切り替わることができる。特定遊技中にBB役の入賞が成立すると、遊技状態がBB遊技に切り替わる。また、上述のように特定遊技は、再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大され、再遊技役Bが成立しやすくなっているため、特定遊技からRT遊技に切り替わり易くなっている。一方、特定遊技において、RT遊技またはBB遊技に切り替わらないまま、所定回数(本実施例では50回)の遊技が行われた場合には、特定遊技から通常遊技に戻る。 【0071】 次に、RT遊技について説明する。RT遊技では、RT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図11は、RT遊技用抽選テーブルを示している。RT遊技用抽選テーブルは、図10で示した特定遊技用抽選テーブルと比較すると、再遊技役Aおよび再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大されている。特に、再遊技役Aに内部当選する乱数範囲が拡大されており、全乱数範囲のほぼ半分が再遊技役Aに内部当選する乱数範囲に設定されている。また、その分だけ、外れの乱数範囲が縮小されている。RT遊技では、このような抽選テーブルを用いて内部抽選処理が行われることから、RT遊技は高い確率で再遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態となっている。再遊技役に入賞すると、遊技メダルを投入することなく次回の遊技を行うことができため、この再遊技役に頻繁に当選することで、遊技者が保持している遊技メダルを比較的減らさずに遊技が可能になる。よって、RT遊技が長ければ長いほど遊技者にとって有利な状態となり、BB役等のボーナス役に当選するチャンスをメダルを減らさずに享受させることができる。このRT遊技は、赤7または青7のBB役に入賞するか、特定図柄の組み合わせが停止表示されるまで継続する。」 (1-キ)「【0082】 図13は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入され、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのセキュリティチェックや、RAMのクリアなどの初期化処理が行われた後に実行される処理である。尚、後述するように複数の遊技状態を切り換えながら遊技を実行する処理は、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU200cが、以下に説明する遊技制御処理を実行することによって実現されている。」 (1-ク)「【0089】 次に、回胴20a?20cの回転を停止させる回胴回転停止処理を行う(S107)。回胴回転停止処理では、すべての回胴20a?20cの回転速度が所定速度で安定したことを確認した後、各回胴20a?20cに対応する回胴停止ボタン38a?38cの操作を有効化する。そして、主制御基板200は、各回胴停止ボタン38a?38cからの操作信号に基づいて、各回転停止ボタン38a?38cが操作された時に各回胴20a?20cの回転位置を検出し、検出結果に基づいて各回胴20a?20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a?20cを停止させる制御を行う。 【0090】 各回胴20a?20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参照され、何れの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴停止ボタンが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、回胴の停止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるように、各回胴の停止位置が決定されるようになっている。 【0091】 次に、予め設定された特定図柄(図6(b)参照)の組合せが、入賞ライン上に揃っているか否かを判定する(S108)。上述のように、本実施例の遊技機1では、ベルの小役の入賞を成立させる図柄組み合わせが停止表示されなかった場合(取りこぼしが発生した場合)に、特定図柄の組み合わせが停止表示される。 【0092】 そして、特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン上に揃っていると判定された場合は(S108:YES)、通常遊技中であるか否かを判定する(S109)。この結果、通常遊技中であると判定された場合には(S109:YES)、特定遊技フラグをONに設定し(S110)、S111に移行する。 【0093】 一方、有効な入賞ライン上に特定図柄が停止表示されていないと判定された場合には(S108:NO)、いずれかの遊技役の入賞が成立したか否かを判定する(S111)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが、有効な入賞ライン上に揃って表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理S105でいずれかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a?38cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判定する。 【0094】 そして、何れの遊技役の入賞も成立していないと判定された場合は(S111:NO)、その遊技は終了となり、遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理S100が行われる。なお、本実施の遊技機1では、前述した内部抽選処理S105でBB役に当選した場合において、有効な入賞ライン上にBB役に対応する図柄組合せが停止表示されず、BB役の入賞が成立しなかったときに限り、BB役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も「BB役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる。これに対して、他の遊技役(「小役」や「再遊技役」)に内部当選した場合は、有効な入賞ライン上に当選役に対応する図柄組合せを停止表示させることができなければ、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされる。」 (1-ケ)「【0123】 次に、ベル報知処理を図19に基づいて説明する。まず、RT遊技中であるか否かを判定する(S361)。この結果、RT遊技中でないと判定された場合には(S361:NO)、ベル報知処理を終了する。一方、RT遊技中であると判定された場合には(S361:YES)、ベル小役に内部当選したか否かを判定する(S362)。ベル小役に内部当選したか否かは、主制御基板200から送信されるベル小役の内部当選を示す制御コマンドを受信したか否かによって判定することができる。 【0124】 この結果、ベル小役に内部当選していないと判定された場合には(S362:NO)、ベル報知処理を終了する。一方、ベル小役に内部当選したと判定された場合には(S362:YES)、ベル報知回数が0より大きいか否かを判定する(S363)。 【0125】 この結果、ベル報知回数が0より大きくないと判定された場合、すなわち、ベル報知回数の残り回数が0であった場合には(S363:NO)、すでにS343またはS344で設定された回数分のベル報知を行ったと判定できるので、ベル報知処理を終了する。一方、ベル報知回数が0より大きくないと判定された場合には(S363:YES)、遊技者にベル小役の内部当選を報知し(S364)、ベル報知回数を1減算する(S365)。ベル小役の内部当選報知では、演出表示装置10などを用いてベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知する。ベルの小役は、図柄組合せが異なるベルA、ベルB、ベルCを含んでいるので、ベル小役の内部当選報知では内部当選したベル小役の種類も報知する。 【0126】 ベル小役の内部当選報知により、遊技者は、報知されたベル小役を狙って比較的容易にベル小役の入賞を成立させることができる。これにより、遊技者は、効率よくベル小役の入賞を成立させて少しずつ遊技メダルを増やしながら、BB役の入賞を狙って遊技を続けることが可能である。また、本実施例の遊技機1では、RT遊技から特定遊技に移行する条件がベル小役の取りこぼし目である特定図柄が揃った場合となっている。このため、ベル小役に内部当選しているにもかかわらず、ベル小役の入賞を成立させる図柄を停止表示されることができなかった場合は特定図柄が揃い、RT遊技から特定遊技に移行する。これに対し、ベル小役の内部当選を報知することで、ベル小役の報知を行うことで、容易にベル小役の入賞を成立させることができ、再遊技役の内部当選確率が高いRT遊技を継続させることができる。」 (1-コ) 図8には、通常遊技状態からRT遊技状態に直接移行することはなく、通常遊技状態からRT遊技状態に移行する場合、必ず特定遊技状態を経ることが認められる。 (1-サ) 図9(a)の通常遊技用抽選テーブル、図10(a)の特定遊技用抽選テーブル、図11(a)のRT遊技用抽選テーブルには、ベルA、ベルB、ベルCの当選確率がそれぞれ1334/65536、1334/65536、1333/65536の同一の確率であることが認められる。 上記(1-ア)から(1-ケ)の記載及び(1-コ)(1-サ)の認定事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。(記号a1?p1、s1は、本件発明の記号A-P、Sに対応させて付した。) 「a1 外周面に複数種類の図柄が描かれ、遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、一斉に回転を開始し、図柄が変動表示される3つの回胴20a,20b,20c(段落【0034】【0044】)を備え、 b1 変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示され(段落【0044】)、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上向きの入賞ラインL4と、右斜め下向きの入賞ラインL5からなる合計5本の入賞ラインが設定されている(段落【0046】)有効な入賞ライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される(段落【0047】) スロットマシンにおいて、 c1 スタートレバー36が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて(段落【0055】)、複数回のゲームにわたって継続される特殊な遊技状態であり大量のメダルを獲得可能な遊技者にとって最も有利な特典であるビッグボーナス(BB)役(段落【0049】)、15枚の遊技メダルが払い出されるベルの小役(段落【0050】)、6枚の遊技メダルが払い出されるスイカの小役(段落【0051】)、2枚の遊技メダルが払い出されるチェリーの小役(段落【0051】)、新たな遊技メダルをベットすることなく再度遊技を行う権利が付与される再遊技役(リプレイ)(段落【0052】)のいずれかの遊技役に当選するかを内部的に抽選する主制御基板200のCPU200c(段落【0048】【0055】)と、 d1 3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれぞれ停止させて、変動表示されていた図柄をいずれかの図柄で停止表示させるために押下操作する回胴停止ボタン38a、38b、38c(段落【0029】【0044】)と、 e1 各回胴停止ボタン38a?38cからの操作信号に基づいて、各回転停止ボタン38a?38cが操作された時に各回胴20a?20cの回転位置を検出し、検出結果に基づいて各回胴20a?20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a?20cを停止させる制御を行う主制御基板200(段落【0089】)であって、回胴20a?20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参照され、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるようにし(段落【0090】)、 f1 通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる通常遊技状態(段落【0062】)に制御する主制御基板200のCPU200c(段落【0061】)と、 g1 特定遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われ、通常遊技よりも再遊技役Bに内部当選しやすい遊技状態である特定遊技状態(段落【0069】)に制御する主制御基板200のCPU200c(段落【0061】)と、 h1 RT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われ、特定遊技用抽選テーブルと比較すると、再遊技役Aおよび再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大されて、高い確率で再遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態となっており、遊技者が保持している遊技メダルを比較的減らさずに遊技が可能になり遊技者にとって有利な状態となるRT遊技状態(段落【0071】)に制御する主制御基板200のCPU200c(段落【0061】)と、 i1 通常遊技中において「ベル」の小役を取りこぼして、特定図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示された場合には、特定遊技が開始される(段落【0067】)主制御基板200のCPU200c(段落【0061】)と、 j1 特定遊技で、拡大された再遊技役Bの乱数範囲(4701?4900の範囲)は、再遊技役Aとのみ重複役を構成しており、この拡大された乱数範囲の乱数値に内部当選し、再遊技役Bの入賞が成立した場合はRT遊技が開始される(段落【0069】)主制御基板200のCPU200c(段落【0061】)と、 k1 内部抽選処理でBB役に当選した場合において、BB役の入賞が成立しなかったときに限り、BB役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も「BB役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる(段落【0094】)主制御基板200のCPU200c(段落【0082】)と、 l1 通常遊技状態からRT遊技状態に直接移行することはなく、通常遊技状態からRT遊技状態へ遊技状態を移行する場合は、必ず特定遊技状態を経由する必要があり(段落【0061】、図8及び認定事項(1-コ))、 m1 ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」か「青セブン」か「バー」のいずれか)が停止表示された場合、ベルの小役の入賞表示結果(「赤セブン」または「青セブン」または「バー」-「ベル」-「ベル」)が入賞ライン上に停止表示され、停止表示されなかった場合は、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させ、中回胴20b、右回胴20cに「ベル」の図柄が停止表示されることで、遊技状態の切り替えに用いられる特定図柄の図柄組み合わせ(「再遊技」-「ベル」-「ベル」)が入賞ライン上に停止表示される(段落【0067】)よう制御を行い、 n1 上記特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン上に揃っていると判定された場合は、通常遊技中であるか否かを判定し、通常遊技中であると判定された場合には、特定遊技フラグをONに設定し、特定遊技が開始され(段落【0067】【0092】) o1 通常遊技で用いられる通常遊技用抽選テーブル(段落【0062】)、特定遊技で用いられる特定遊技用抽選テーブル(段落【0069】)、RT遊技で用いられているRT遊技用抽選テーブル(段落【0071】)において、ベルA、ベルB、ベルCの当選確率がそれぞれ1334/65536、1334/65536、1333/65536の同一の確率で決定し(認定事項(1-サ))、 p1 RT遊技中において(S361:YES)、ベル小役に内部当選したか否かを判定し、(S362)(段落【0123】)、ベル小役の内部当選報知では、ベル小役に内部当選した旨、および内部当選したベル小役の種類(ベルA,B,C)を遊技者に報知する演出表示装置10(段落【0125】)をさらに備える s1 ことを特徴とするスロットマシン。」 (2)甲第2号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証(特開2009-61073号公報)には以下の記載がある。 (2-ア)「【0423】 図69及び図70は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している・・・ 【0424】 図69(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常ゲーム判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、それぞれBBのみ、あるいはRBのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、「BB+その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)」、「RB+その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)」、「一つの小役(チェリー)+当該一つの小役とは異なる他の小役(スイカ)」となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。なお、「リプレイ+小役の当選役(ベル、スイカ、チェリー)」となる当たり値がさらに含まれていてもよい。 【0425】 なお、BBまたはRBに当選したときは、BB(RB)フラグのON状態が次ゲーム以降まで持ち越されるため、BBまたはRBに当選した当該ゲームにおいてBB図柄またはRB図柄が揃わなかったとしても、次ゲーム以降においてBB図柄(RB図柄)を揃えることが可能となる。一方、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)に当選したときは、これらの当選フラグが次ゲーム以降に持ち越されることがないので、当選した当該ゲームにおいてのみ当選役図柄を揃えることが可能となる。したがって、抽出乱数値が「BB(またはRB)+その他の当選役」の共有当選当たり値であったとき、BB図柄(またはRB図柄)が当該ゲームにて揃わなかったとしても次ゲーム以降にて揃えることが可能となる一方で、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)図柄については、当選した当該ゲームにて揃わなかった場合には、次ゲーム以降にて揃えることが不可能となる。ただし、その他の当選役のうちリプレイ、ベルおよびスイカについては、後述の引き込み制御により目押しすることなく揃えることができる。 【0427】 上記のBB及びRBの単独当選当たり値は、ベルやリプレイ等の単独当選当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図69(a)では、例えば、 抽出乱数値が「0」の場合は、ベル1の単独当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「4100」の場合は、ベル2の単独当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「4500」の場合は、リプレイ1の単独当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「5600」の場合は、リプレイ2の単独当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「3800」の場合は、スイカの単独当選当たり値に該当する。 といったことになり、同様に、 抽出乱数値が「6976」の場合は、BBの単独当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6983」の場合は、RBの単独当選当たり値に該当する。 というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。 一方、BB及びRBの共有当選当たり値は、図69(a)では、例えば、 抽出乱数値が「6900」の場合は、ベル1+BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6906」の場合は、スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6926」の場合は、チェリー+スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6966」の場合は、ベル2+BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6974」の場合は、リプレイ1+BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6975」の場合は、リプレイ2十BBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6977」の場合は、ベル1+RBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6978」の場合は、スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6979」の場合は、チェリー+スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6980」の場合は、ベル2+RBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6981」の場合は、リプレイ1+RBの共有当選当たり値に該当する。 抽出乱数値が「6982」の場合は、リプレイ2+RBの共有当選当たり値に該当する。 というように、1つの抽出乱数値に対して、複数の当選役が対応するものである。このように、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図68のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグを、あるいはRB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。 【0428】 そして、BB及びRBについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体及びRB全体の当たり値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。 【0429】 すなわち、 BB(全体) 77/16384(1/212.78) RB(全体) 7/16384(1/2340.57) というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。 【0430】 ところで、図69(a)に示すように、本実施形態では、チェリーの単独当選当たり値は存在せず、チェリーについては常に他の当選役との共有当選当たり値が設定されている。具体的には、チェリーと他の小役の共有当選当たり値は、図69(a)では、抽出乱数値が「4000」の場合は、チェリー+スイカの当たり値に該当する。 というように、チェリーに当選する抽出乱数値に対して、スイカが重複して当選するようになっている。また、チェリーがボーナス(BB、RB)と重複当選する共有当選当たり値についても、必ず他の小役(ここでは、スイカ)も重複当選するようになっている。すなわち、チェリーとボーナスとの重複当選役として、「チェリー+スイカ+BB(RB)」のみが設定されている。」 (2-イ) 図69(a)には、乱数値0?16383をとる通常ゲームにおける当選役スイカの当たり値として3800?3999、当選役チェリー+スイカの当たり値として4000?4099、当選役スイカ+BBの当たり値として6906?6925、当選役チェリー+スイカ+BBの当たり値として6926?6965が該当することが看取できる。 (2-ウ) (2-ア)の記載、及び(2-イ)において看取した事項から、スロットマシンにおいて、当選役スイカの単独当選の当選確率が「(3999-3800)/16383」=「199/16383」であり、当選役チェリー+スイカの共有当選が「(4099-4000)/16383」=「99/16383」であり、当選役スイカ+BBの共有当選が「(6925-6906)/16383」=「19/16383」であり、当選役チェリー+スイカとBBの共有当選が「(6965-6926)/16383」=「39/16383」である構成について開示されているといえ、甲第2号証においては、「スイカの単独当選」の当選確率と「スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合算確率が「(199+19)/16383」=「218/16383」となり、「チェリーとスイカの共有当選」の当選確率と「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合計確率が「(99+39)/16383」=「138/16383」となり、「スイカの単独当選」の当選確率と「スイカとBBの共有当選」の当選確率の合算確率に占める「スイカ+BBの共有当選」の当選確率は「(19/16383)/(218/16383)」=「19/218」=0.0871・・・となり、「チェリー+スイカの共有当選」の当選確率と「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合計確率にしめる「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率は「(39/16383)/(138/16383)」=「39/138」=0.282・・・となることから、甲第2号証における「スイカの単独当選」の当選確率と「スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合算確率に占める「スイカ+BBの共有当選」の当選確率(A)と、「チェリー+スイカの共有当選」の当選確率と「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合計確率にしめる「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率(B)とは、A=0.0871・・・で、B=0.282・・・となり、当選確率(B)が当選確率(A)より高いことがいえる。 したがって、上記(2-ア)?(2-ウ)を総合すると、甲第2号証には、次の技術的事項(以下、甲第2号証の記載事項という)が記載されているものと認められる。 「「スイカの単独当選」の当選確率と「スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合算確率に占める「スイカ+BBの共有当選」の当選確率(A)と、「チェリー+スイカの共有当選」の当選確率と「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合計確率にしめる「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率(B)とは、当選確率(B)が当選確率(A)より高くなるようにする、スロットマシン」 (3)甲第3号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証(特開2007-14491号公報)には以下の記載がある。 (3-ア) 「【0103】 図5は、当選フラグの設定状況に応じて決められるテーブルインデックスに従って順次選択されるリール制御テーブルに書き込まれた制御内容を示す図である。この図において、左に表示されている表示態様ほど導出が優先されるものとなり、全く表示されていない表示態様は、その当選フラグの設定状況においては全く導出されることのない表示態様となっている。」 (3-イ)「【0110】 これ以外の場合でスイカ当選フラグまたはベル当選フラグが設定されているとき、すなわちビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてベル当選フラグが設定されているとき、或いはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねてスイカ当選フラグが設定されているとき、ベル当選フラグまたはスイカ当選フラグのみが設定されているとき、若しくはレギュラーボーナス当選フラグに重ねてベル当選フラグまたはスイカ当選フラグが設定されているときのテーブルインデックスに従って選択されるリール制御テーブルでは、「スイカ」または「ベル」を斜め方向の有効ライン上に(優先して)揃えるものとしている。」 (3-ウ)図5には当選フラグの欄にB.B(1)+ベル、リール制御の内容の欄にB.B(1)>ベル(斜)>ベル(横)>ハズレという記載があり、これが(3-イ)におけるビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてベル当選フラグが設定されているとき「ベル」を斜め方向の有効ライン上に(優先して)揃えることを指すものといえ、これと同様に図5には当選フラグの欄にB.B(1)+スイカ、リール制御の内容の欄にB.B(1)>スイカ(横)>スイカ(斜)>ハズレという記載があることから、(3-ア)(3-イ)の記載をふまえると、ビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてスイカ当選フラグが設定されているとき、「スイカ」を横方向の有効ラインに優先して揃えることが記載されているものと認められる。 上記(3-ア)?(3-ウ)を総合すると、甲第3号証には次の技術的事項(以下、甲第3号証の記載事項という)が記載されているものと認められる。 「ビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてスイカ当選フラグが設定されているときは「スイカ」を横方向の有効ラインに優先して揃え、スイカ当選フラグのみが設定されているときは「スイカ」を斜め方向の有効ラインに優先して揃えようと制御すること」 (4)甲第4号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第4号証(北斗の拳2天覇の章、パチスロ攻略マガジンドラゴン VOL.102 9月号、株式会社双葉社、2007年8月21日、第6巻第9号、第6-9頁)には以下の記載がある。 (4-ア)「強スイカはボーナス同時成立の期待度も高いため、見逃しは厳禁だ」(第8頁最上段第3パラグラフ第5-7行) (4-イ)「また、強スイカは1枚役との同時成立のため、弱(単独)スイカとは制御が異なる」(第8頁「小役とボーナスの同時成立」枠内) (4-ウ)第8頁中ほどの「通常時のモード移行は成立役で見極め!!暫定版 通常時の打ち方」という枠内の左下の図柄から、下段の横方向の入賞ラインにスイカが導出されると強スイカ確定となり、斜め方向の入賞ラインにスイカが導出されると弱スイカ確定となることが看取できる。 上記(4-ア)?(4-ウ)の記載を総合すると、甲第4号証には、次の技術的事項(以下、甲第4号証の記載事項という)が記載されているものと認められる。 「下段の横方向の入賞ラインにスイカが導出されると1枚役と同時成立する強スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が高く、斜め方向の入賞ラインにスイカが導出されると弱スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が低いこと」 (5)甲第5号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証(青ドン、パチスロ必勝本2007年8月号、辰巳出版株式会社、2007年8月1日、第6-9頁)には以下の記載がある。 (5-ア)「氷フラグは強・弱の2種類存在。強氷は同時当選期待度が高く、基本的に斜めラインで揃う。対する弱氷は強氷に比べ同時当選期待度が低く、平行ラインで揃う。ただし、強氷でも必ず斜めに揃うわけではなく、押す場所によって両者を判別できない場合も出てくるのだ。」(第7頁右下の「氷とチェリーフラグの詳細」という枠内) (5-イ)「氷の同時当選期待度はフラグの強・弱によって大きく異なる。強氷の期待度は全設定共通で50%と高く、弱氷は約5%?7.4%と若干の設定差があるぞ。なお、氷で同時当選した際はドンBIG確定だ。」(第8頁上の「ボーナス当選要因の詳細をチェック!」という記載の下の枠内) 上記(5-ア)?(5-イ)の記載を総合すると、甲第5号証には次の技術的事項(以下、甲第5号証記載の事項という)が記載されているものと認められる。 「基本的に斜めラインで揃うが必ず斜めに揃うわけではない、同時当選期待度が高く、同時当選した際はドンBIG確定の強氷と、平行ラインで揃い、同時当選期待度が低く、同時当選した際にはドンBIG確定の弱氷とが存在すること」 7 対比 本件発明と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「外周面に複数種類の図柄が描かれ、遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、一斉に回転を開始し、図柄が変動表示される3つの回胴20a、20b、20c」について、3つの回胴20a、20b、20cは「複数種類の図柄が描かれ」「一斉に回転を開始し」「図柄が変動表示される」点で、本件発明の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な表示部を複数」に相当する。 また、甲1発明では、「変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示され、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上向きの入賞ラインL4と、右斜め下向きの入賞ラインL5からなる合計5本の入賞ラインが設定されている有効な入賞ライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される」ものであるが、これは本件発明の「変動表示した後、変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能な」ことに相当する。 (イ)甲1発明の「スタートレバー36が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて、複数回のゲームにわたって継続される特殊な遊技状態であり大量のメダルを獲得可能な遊技者にとって最も有利な特典であるビッグボーナス役、15枚の遊技メダルが払い出されるベルの小役、6枚の遊技メダルが払い出されるスイカの小役、2枚の遊技メダルが払い出されるチェリーの小役、新たな遊技メダルをベットすることなく再度遊技を行う権利が付与される再遊技役(リプレイ)のいずれかの遊技役に当選するかを内部的に抽選する主制御基板200のCPU200c」について、 「スタートレバー36が操作されたタイミング」は本件発明同様に「表示結果は導出されていない」状態であり、また、甲1発明の「複数回のゲームにわたって継続される特殊な遊技状態であり大量のメダルを獲得可能な遊技者にとって最も有利な特典であるビッグボーナス役」、「新たな遊技メダルをベットすることなく再度遊技を行う権利が付与される再遊技役(リプレイ)」、「15枚の遊技メダルが払い出されるベルの小役、6枚の遊技メダルが払い出されるスイカの小役、2枚の遊技メダルが払い出されるチェリーの小役」は、それぞれ本件発明の「遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞」、「再遊技の付与を伴う再遊技入賞」、「遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞」に相当するから、甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は本件発明の「事前決定手段」に相当する。 (ウ)甲1発明の「3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれぞれ停止させて、変動表示されていた図柄をいずれかの図柄で停止表示させるために押下操作する回胴停止ボタン38a、38b、38c」は、本件発明の「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」に相当する。 (エ)甲1発明の「各回胴停止ボタン38a?38cからの停止信号に基づいて各回胴20a?20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a?20cを停止させる制御を行う主制御基板200」について、「回胴20a?20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参照され、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるようにし」ていることは、本件発明の「可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う」ことに相当するから、 甲1発明の前記「主制御基板200」は本件発明の「前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段」に相当する。 (オ)甲1発明の「通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる通常遊技状態に制御する主制御基板200のCPU200c」について、 甲1発明の「通常遊技状態」は本件発明の「第1の遊技状態」に相当し、甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は本件発明の「第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段」に相当する。 (カ)甲1発明の「特定遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われ、通常状態よりも再遊技役Bに内部当選しやすい遊技状態である特定遊技状態に制御する主制御基板200のCPU200c」について、 特定遊技状態は通常状態とは異なり、通常状態よりも再遊技役Bに内部当選しやすいという点で遊技者に有利であるといえ、甲1発明の「特定遊技状態」は本件発明の「第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態」ということができるから、甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は本件発明の「前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段」に相当する。 (キ)甲1発明の「RT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われ、特定遊技用抽選テーブルと比較すると、再遊技役Aおよび再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大されて、高い確率で再遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態となっており、遊技者が保持している遊技メダルを比較的減らさずに遊技が可能になり遊技者にとって有利な状態となるRT遊技状態に制御する主制御基板200のCPU200c」について、 RT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われるRT遊技状態は、特定遊技用抽選テーブルを用いた特定遊技状態と比較して遊技者にとって有利な状態であるということができ、また(カ)より特定遊技状態は通常状態より遊技者にとって有利であるので、RT遊技状態は通常遊技状態より遊技者にとって有利であるといえるから、 甲1発明の「RT遊技状態」は本件発明の「第3の遊技状態」に相当し、甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は本件発明の「前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段」に相当する。 (ク)甲1発明の「通常遊技中において「ベル」の小役を取りこぼして、特定図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示された場合には、特定遊技が開始される主制御基板200のCPU200c」について、通常遊技中に「ベル」の小役を取りこぼして、特定図柄の組合せが入賞ライン上に停止表示された場合とは、通常遊技中に必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときということができるから、 甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は、本件発明の「前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段」に相当する。 (ケ)甲1発明の「特定遊技で、拡大された再遊技役Bの乱数範囲(4701?4900の範囲)は、再遊技役Aとのみ重複役を構成しており、この拡大された乱数範囲の乱数値に内部当選し、再遊技役Bの入賞が成立した場合はRT遊技が開始される主制御基板200のCPU200c」について、 特定遊技で、再遊技役Aとのみ重複役を構成している、拡大された再遊技役Bに内部当選し、再遊技役Bが入賞することは、特定遊技において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したということができるから、 甲1発明の上記「主制御基板200のCPU200c」は、本件発明の「前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段」に相当する。 (コ)甲1発明の「内部抽選処理でBB役に当選した場合において、BB役の入賞が成立しなかったときに限り、BB役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も「BB役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる主制御基板200のCPU200c」は、 上記(イ)のとおり甲1発明の「BB役」が本件発明の「特別入賞」に相当することを踏まえると、本件発明の「前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段」に相当する。 (サ)甲1発明の「通常遊技状態」「特定遊技状態」「RT遊技状態」は上記(オ)(カ)(キ)のとおり本件発明の「第1の遊技状態」「第2の遊技状態」「第3の遊技状態」に相当することから、 甲1発明における「通常遊技状態からRT遊技状態に直接移行することはなく、通常遊技状態からRT遊技状態へ遊技状態を移行する場合は、必ず特定遊技状態を経由する必要があ」ることは、 本件発明における「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があ」ることに相当する。 (シ)甲1発明の「ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」か「青セブン」か「バー」のいずれか)が停止表示された場合、ベルの小役の入賞表示結果(「赤セブン」または「青セブン」または「バー」-「ベル」-「ベル」)が入賞ライン上に停止表示され、停止表示されなかった場合は、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させ、中回胴20b、右回胴20cに「ベル」の図柄が停止表示されることで、遊技状態の切り替えに用いられる特定図柄の図柄組み合わせ(「再遊技」-「ベル」-「ベル」)が入賞ライン上に停止表示されるよう制御を行い」について、 「ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄が停止表示された場合、ベルの小役の入賞表示結果が入賞ライン上に停止表示され」ることは、本件発明の「事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行」うことと、「事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において、導出操作手段が所定の態様で操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行」う点で共通し、 「停止表示されなかった場合は、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させ、中回胴20b、右回胴20cに「ベル」の図柄が停止表示されることで、遊技状態の切り替えに用いられる特定図柄の図柄組み合わせが入賞ライン上に停止表示されるよう制御を行」うことは、本件発明の「当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行」うことと、「導出操作手段が前記所定の態様以外の態様で操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行」う点で共通する。 (ス)甲1発明における「上記特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン上に揃っていると判定された場合は、通常遊技中であるか否かを判定し、通常遊技中であると判定された場合には、特定遊技フラグをONに設定し、特定遊技が開始され」ることについて、 「上記特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン上に揃っている」場合とは、上記(シ)より「遊技状態の切り替えに用いられる特定図柄の図柄組み合わせ(「再遊技」-「ベル」-「ベル」)が入賞ライン上に停止表示される」場合であり、「再遊技」-「ベル」-「ベル」という図柄組合せは非入賞表示結果であり、「通常遊技中であると判定された場合には特定遊技フラグをONに設定し、特定遊技が開始され」るとは、上記(ク)より「特定の移行条件が成立した」といえるから、 甲1発明の「上記特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン上に揃っていると判定された場合は、通常遊技中であるか否かを判定し、通常遊技中であると判定された場合には、特定遊技フラグをONに設定し、特定遊技が開始され」は、本件発明の「前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であ」ることに相当する。 (セ)甲1発明における「通常遊技で用いられる通常遊技用抽選テーブル、特定遊技で用いられる特定遊技用抽選テーブル、RT遊技で用いられているRT遊技用抽選テーブルにおいて、ベルA、ベルB、ベルCの当選確率がそれぞれ1334/65536,1334/65536,1333/65536の同一の確率で決定」することは、本件発明の「前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定」することに相当する。 (ソ)甲1発明における「RT遊技中において、ベル小役に内部当選したか否かを判定し、ベル小役の内部当選報知では、ベル小役に内部当選した旨、および内部当選したベル小役の種類(ベルA,B,C)を遊技者に報知する演出表示装置10をさらに備える」ことは、本件発明の「前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え」ることと、「前記第3の遊技状態において前記特定結果に関連することを特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え」る点で共通する。 (タ)甲1発明の「スロットマシン」は本件発明の「スロットマシン」に相当する。 以上の点から、本件発明と甲1発明は以下の点で一致する。 (一致点) A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、 B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 E 前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、 F 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 G 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 H 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 I 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 J 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 K 前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 を備え、 L 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、 M’ 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において、前記導出操作手段が所定の態様で操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記所定の態様以外の態様で操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 N 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 O 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 P’ 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果に関連することを特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備えた、 S ことを特徴とするスロットマシン。 一方、本件発明と甲1発明は以下の点で相違する。 (相違点1) 事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行う「所定の操作態様」、及び前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行う「所定の操作態様以外の態様」について、 本件発明は「当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作」されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、「当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作」されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行うのに対して、 甲1発明は「左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄が停止表示された場合」、ベルの小役の入賞表示結果が入賞ライン上に停止表示され、「左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄が停止表示されなかった場合」、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させる点。 (相違点2) 本件発明の「報知手段」は「特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知する」のに対して、甲1発明の「演出表示手段」はそのような発明特定事項を有さない点。 (相違点3) 本件発明は、「事前決定手段は、同一ゲームにおける決定対象として、特定の小役入賞であって、該特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行うような、特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、特定の小役入賞とも第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第4の決定、を行うことが可能であ」るのに対して、 甲1発明ではそのような発明特定事項を有さない点。 (相違点4) 本件発明は、「同一のゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一のゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行」うのに対して、 甲1発明ではそのような発明特定事項を有さない点。 (相違点5) 本件発明は、「導出制御手段は、前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う」のに対して、 甲1発明ではそのような発明特定事項を有さない点。 8 判断 事案の事情により、まず相違点5について検討する。 (1) 特許異議申立人の意見について 特許異議申立人は平成28年11月2日付け意見書第16頁第4行?第24頁第7行の「ケ)訂正事項9に関し」において、甲第3?5号証を追加するとともに、以下の主張をしている。(下記の注及び下線は合議体が付した) 甲第1号証は、上記訂正事項9に相当する事項(相違点3(注:これは上記の7 対比における上記相違点5に対応する))で相違しているが、甲第3?5号証に示されるように、当業者における周知慣用技術に過ぎない。 甲第3号証には、「ビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてスイカ当選フラグが設定されているときは「スイカ」を横方向の有効ラインに優先して揃え、スイカ当選フラグのみが設定されているときは「スイカ」を斜め方向の有効ラインに優先して揃えようと制御すること」が記載されている。このため、遊技者は「スイカ」が横方向の有効ライン上に当選すると、ビッグボーナス(1)に同時当選している可能性が高いと期待し、その反面「スイカ」が斜め方向の有効ライン上で当選すると、ビッグボーナス(1)に同時当選している可能性が低いと判断する。 したがって、甲第3号証に記載の構成を、上記相違点3に当てはめると、同時当選する役の種類や個数が相違しているものの、ボーナスと小役が同時当選している場合にその小役を優先的に導出する有効ラインが、小役の単独当選時と異なるようにしている点で上記相違点3と共通していることから、甲第3号証中の「「スイカ」が単独当選」、「ビッグボーナス(1)と「スイカ」が同時当選」、「斜め方向の有効ライン」、「横方向の有効ライン」が本相違点3中の「第1の条件」、「第2の条件」、「第1の表示位置」、「第2の表示位置」に相当するということもできる。 よって、甲第3号証は、上記相違点3の構成の動機付けとなる周知慣用技術である。 甲第4号証には、「所定の導出操作を行った場合に、下段の横方向の入賞ラインにスイカが導出されると、強スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が高く、斜め方向の入賞ラインにスイカが導出されると、弱スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が低い」構成について開示されている。 すなわち、甲第4号証においてもまた、ボーナスと同時当選する小役の種類や個数が相違しているものの、その小役とボーナスが同時当選している場合にその小役を優先的に導出する有効ラインが、小役の単独当選時と異なるようにしている。 よって、甲第4号証もまた、上記相違点3の構成の動機付けとなる周知慣用技術と認められる。 甲第5号証には、「小役狙い実行時に、斜め方向の入賞ラインに「氷」が揃うと強「氷」となり、ボーナス(ドンBIG)同時成立の期待度が高く(50%)、横方向の入賞ラインに「氷」が揃うと弱「氷」となり、ボーナス同時成立の期待度が低い(設定1で5.08%、設定4で5.86%、設定6で6.64%、設定Hで7.42%)」構成について開示されている。 すなわち、甲第5号証においてもまた、ボーナスと同時に当選する小役の種類や個数が相違しているものの、その小役とボーナスが同時当選している場合にその小役を優先的に導出する有効ラインが、小役の単独当選時と異なるようにしているものと認められる。 よって、甲第5号証もまた、上記相違点3の構成の動機付けとなる周知慣用技術である。 以上により、甲第3?5号証のそれぞれには、上記相違点3の構成の動機付けとなる構成、すなわち「小役とボーナスが同時当選している場合にその小役を優先的に導出する有効ラインが小役の単独当選時と異なる」構成について開示されており、本構成は周知慣用技術と認められる。 したがって、上記相違点3に相当する訂正事項9の構成は、甲第3?5号証の記載から当業者に自明な事項、すなわち当業者にとって周知慣用な技術に過ぎない。 (2) 当審の判断 そこで、甲第3号証について検討すると、甲第3号証の記載事項の「ビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてスイカ当選フラグが設定されているときは「スイカ」を横方向の有効ラインに優先して揃え、スイカ当選フラグのみが設定されているときは「スイカ」を斜め方向の有効ラインに優先して揃えようと制御すること」からは、「ボーナスと所定の小役が重複当選する場合に該所定の小役を優先的に揃える有効ラインと、該所定の小役が単独当選する場合に該所定の小役を優先的に揃える有効ラインを異なるものとする」ことが読み取れるにすぎず、上記相違点5とは「所定の小役入賞の発生を許容し特別入賞の発生を許容しない場合と、所定の小役入賞の発生と特別入賞の発生を許容する場合では、優先する入賞ラインが異なる」という点で共通するものの、上記第1の決定または上記第3の決定がなされた第1の条件、上記第2の決定または上記第4の決定がなされたときの第2の条件について、予め定められた引込範囲内に入賞ラインに小役入賞を構成する識別情報が停止する表示位置が複数存在する場合にどちらの表示位置を導出するかについての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点5について開示するものではない。 次に、甲第4号証の記載事項の「下段の横方向の入賞ラインにスイカが導出されると1枚役と同時成立する強スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が高く、斜め方向の入賞ラインにスイカが導出されると弱スイカ確定となり、ボーナス同時成立の期待度が低いこと」からは、「所定の小役が所定の入賞ラインに揃ったときには1枚役と同時成立しており、かつボーナス同時成立の期待度が高く、該所定の小役が前記所定の入賞ラインとは異なる入賞ラインに揃ったときにはボーナス同時成立の期待度が低いこと」が読み取れるにすぎず、上記第1の決定または上記第3の決定がなされた第1の条件と、上記第2の決定または上記第4の決定がなされたときの第2の条件の2つの条件について、予め定められた引込範囲内に入賞ラインに小役入賞を構成する識別情報が停止する表示位置が複数存在する場合にどちらの表示位置を導出するかについての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点5について開示するものではない。 さらに、甲第5号証の記載事項の「基本的に斜めラインで揃うが必ず斜めに揃うわけではない、同時当選期待度が高く、同時当選した際はドンBIG確定の強氷と、平行ラインで揃い、同時当選期待度が低く、同時当選した際にはドンBIG確定の弱氷とが存在すること」も、「所定の入賞ラインで揃った場合には同時当選している期待度が高く、所定の入賞ラインとは異なる入賞ラインで揃った場合には同時当選している期待度が低い」ことが読み取れるにすぎず、上記第1の決定または上記第3の決定がなされた第1の条件と、上記第2の決定または上記第4の決定がなされたときの第2の条件の2つの条件について、予め定められた引込範囲内に入賞ラインに小役入賞を構成する識別情報が停止する表示位置が複数存在する場合にどちらの表示位置を導出するかについての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点5について開示するものではない。 そして、甲第3-5号証をどのように組み合わせても、上記相違点5に関する構成を想到することはできない。 また、甲第2号証の記載事項の「「スイカの単独当選」の当選確率と「スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合算確率に占める「スイカ+BBの共有当選」の当選確率(A)と、「チェリー+スイカの共有当選」の当選確率と「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率の合計確率にしめる「チェリー+スイカ+BBの共有当選」の当選確率(B)とは、当選確率(B)が当選確率(A)より高くなるようにする、スロットマシン」は、上記相違点5に関連するものではなく、上記相違点5について開示するものではない。 したがって、甲1発明に甲第2-5号証の記載事項を適用したとしても、前記相違点5に係る本件発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、上記相違点1-4について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2-5号証の記載事項に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 9 まとめ 以上のとおり、本件発明は、甲1発明と同一ではなく、また、甲1発明及び甲第2-5号証の記載事項に基づいて当業者が容易にすることができたものでもない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 スロットマシン 【技術分野】 【0001】 本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。 【背景技術】 【0002】 スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートレバーを操作することにより回転を開始し、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた入賞図柄の組合せ(以下図柄の組合せを役とも呼ぶ)が揃ったことによって入賞が発生する。 【0003】 この種のスロットマシンには、特許文献1に記載のものがある。 【0004】(削除) 【0005】(削除) 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】特開2007-275377号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上記特許文献1に記載されたスロットマシンにあっては、面白みに欠けるという問題があった。 【0008】 本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 を備え、 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、 前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、 を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、 前記導出制御手段は、 前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う ことを特徴としている。 本発明の手段1に記載のスロットマシンは、 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数(3)の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(1)であって、 前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB、RB)への移行を伴う特別入賞(特別役)を含む入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、 前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定(特別役の当選フラグ)を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間において、遊技者の操作に応じて複数種類の演出モード(演出モードA?C)からいずれかの演出モードを選択可能な演出モード選択手段(サブCPU91a)と、 前記演出モード選択手段により選択された演出モードに対応した演出(小役告知演出、確定演出)を実行するモード別演出実行手段(サブCPU91a)と、 複数ゲームに亘り継続して前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されている可能性を示唆する連続演出(特別役当選示唆演出)を実行する連続演出実行手段(サブCPU91a)と、 前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されていること(特別役の当選)を条件に、該特別入賞の発生を許容する旨が決定されていることを告知する告知手段(確定演出)と、 前記告知手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されていることが告知されているか否か(確定演出が実行されているか否か)に関わらず、前記連続演出実行手段による前記連続演出の実行中ではなく前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されている場合(特別役が当選している場合)に、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても前記演出モード選択手段による演出モードの選択を禁止する(演出モード切替スイッチ58の操作を無効とする)第1の演出モード選択禁止手段(演出モード切替フラグの設定、図17(b)、図18(b)参照)と、 前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されているか否かに関わらず前記連続演出の実行中であって当該実行中の連続演出が終了せずに次ゲームも継続する場合(連続演出カウンタ>0の場合)に、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても前記演出モード選択手段による演出モードの選択を禁止する(演出モード切替スイッチ58の操作を無効とする)第2の演出モード選択禁止手段(演出モード切替フラグの設定、図18(a)(b)参照)と、 を備え、 前記スロットマシンは、前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されておらず、かつ前記連続演出実行手段により前記連続演出が実行中でないときに前記演出モード選択手段により前記演出モードの選択が可能となり、前記連続演出の実行中以外において前記第1の演出モード選択禁止手段により前記演出モードの選択が禁止されることで前記特別入賞の発生を許容する旨が決定されていることが示唆される ことを特徴としている。 この特徴によれば、告知手段により特別入賞の発生を許容する旨の決定が告知されているか否かに関わらず、事前決定手段により特別入賞の発生を許容する旨が決定されると、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても演出モードの選択ができなくなり、これにより遊技者は特別入賞の発生を許容する旨が決定されていることを認識できるため、遊技者に意外性を与えることができる。 また、前記連続演出の実行中であって当該実行中の連続演出が終了せずに次ゲームも継続する場合は、特別入賞の発生を許容する旨が決定されているか否かに関わらず、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても演出モードの選択ができなくなることで、実行中の連続演出が終了するまでは、演出モードの選択操作により特別入賞の発生を許容する旨が決定されているか否かを確認することはできないため、特別入賞の発生に対する遊技者の期待感を持続させることができる。 尚、前記ゲームは、可変表示装置において図柄の変動表示が開始されたときに開始され、可変表示装置に表示結果が導出されたときに終了するが、賭数の設定や、可変表示装置に入賞表示結果が導出された場合に行われる遊技用価値の付与や遊技状態の移行の処理等もゲームに含まれてもよい。 また、前記連続演出とは、ストーリーが複数ゲームに亘り展開していく演出だけでなく、ストーリーが1ゲームで完結する単発の演出が複数ゲームに亘り連続して実行される演出等を含む。 また、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。また、複数の遊技状態に応じて定められた賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。 【0010】 本発明の手段2に記載のスロットマシンは、手段1に記載のスロットマシンであって、 前記事前決定手段(内部抽選)により前記特別入賞(特別役)の発生が許容されたこと(特別役の内部当選)を契機に、遊技者にとって有利となる付加価値(報知状態回数)を付与する付加価値付与手段(サブCPU91a)を備え、 前記付加価値付与手段は、 前記複数種類の演出モードのうち第1の演出モード(演出モードA)が選択されている場合において前記特別入賞のうち第1の特別入賞(BB(1))の発生が許容されたときに、前記特別入賞のうち第2の特別入賞(BB(2))の発生が許容されたときよりも有利度の高い付加価値(平均獲得回数が大きい報知状態回数)を付与する確率が高く、 前記複数種類の演出モードのうち第2の演出モード(演出モードB)が選択されている場合において前記第2の特別入賞(BB(2))の発生が許容されたときに、前記第1の特別入賞(BB(1))の発生が許容されたときよりも有利度の高い付加価値を付与する確率が高い、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、事前決定手段により発生を許容する旨が決定された特別入賞の種類と、該特別入賞の発生を許容する旨が決定されたときに選択されている演出モードの種類と、の組合せに応じて、付加価値付与手段により付与される付加価値の有利度が異なるため、選択した演出モードに応じて有利度の高い付加価値が付与されることに対する期待感を高めることができる。 また、特別入賞の発生を許容する旨が決定されてからは演出モードの選択ができなくなることで、特別入賞の発生を許容する旨が決定されたことを気が付かないまま演出モードを切り替え、そのまま特別入賞が発生することで有利度が変わってしまうことがないので、遊技者に不信感を与えることがない。 【0011】 本発明の手段3に記載のスロットマシンは、手段2に記載のスロットマシンであって、 前記事前決定手段(内部抽選)は、前記第1の特別入賞(BB(1))の発生を許容する旨の決定(BB(1)の内部当選フラグの設定)及び前記第2の特別入賞の発生を許容する旨の決定(BB(2)の内部当選フラグの設定)を同一確率(約1/300)で行う、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、いずれの演出モードを選択していても、有利度の高い付加価値が得られる確率が同一となるため、遊技者に不公平感を与えることがない。 尚、前記第1の特別入賞及び前記第2の特別入賞の発生を許容する旨の決定を同一確率で行わない場合でも、前記第1の特別入賞が発生した場合及び前記第2の特別入賞が発生した場合に付与される付加価値の合算期待値{(前記第1の特別入賞の当選確率×前記第1の特別入賞の発生により付与される付加価値)+(前記第2の特別入賞の当選確率×前記第2の特別入賞により付与される付加価値)}が、選択されている演出モードの種類に関わらず同一であれば、遊技者はいずれの演出モードを選択している場合でも同一の付加価値が付与されることを期待できるため、遊技者に不公平感を与えることがない。 【0012】 本発明の手段4に記載のスロットマシンは、手段2または3のいずれかに記載のスロットマシンであって、 前記連続演出(特別役当選示唆演出)は複数種類(演出パターン1?7)からなり、該複数種類の連続演出から前記連続演出実行手段が実行する連続演出の種類(演出パターン)を選択する連続演出選択手段を備え、 前記連続演出選択手段は、 前記第1の演出モード(演出モードA)が選択されている場合において前記第1の特別入賞(BB(1))の発生が許容されたときに、前記第2の特別入賞(BB(2))の発生が許容されたときよりも高い割合で前記複数種類の連続演出のうち特定の連続演出(演出パターン6)を選択し、 前記第2の演出モード(演出モードB)が選択されている場合において前記第2の特別入賞(BB(2))の発生が許容されたときに、前記第1の特別入賞(BB(1))の発生が許容されたときよりも高い割合で前記特定の連続演出に特有の演出態様(花火制作演出(桜柄)+カットイン(大))を含む連続演出(演出パターン6)を選択する、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、いずれの演出モードが選択されている場合でも、有利度の高い付加価値が付与される特別入賞の発生を許容する旨が決定されているときには、特定の連続演出に特有の演出態様を含む連続演出が選択される割合が高いため、特有の演出態様を含む連続演出の実行に対する遊技者の期待感を高めることができる。 尚、前記演出態様とは、例えば表示装置等にて表示される画像、文字、模様、絵柄の表示態様、発光装置による点灯態様、音出力装置の出力態様等や、あるいはストーリーの発展パターン、キャラクタの出現パターン等を含む。 また、前記特定の連続演出に特有の演出態様を含む連続演出とは、特定の連続演出に特有の演出態様が含まれていれば、他の部分の演出態様が異なっていてもよいし、全ての演出態様が同一であってもよい。 具体的には、例えば他の連続演出における画像の表示態様がアニメーション画像であるのに対し、特定の連続演出における画像の表示態様が実写画像である場合、特定の連続演出に特有の演出態様は実写画像の表示であり、このように画像の表示方式が特有であるものも含まれる。尚、特定の連続演出に特有の演出態様を含む連続演出において、実写画像内容は特定の連続演出と異なっていても共通であってもよい。 また、他の連続演出では連続演出の途中で割込み画像が表示画面上に割り込んで表示されないのに対し、特定の連続演出では連続演出の途中で割込み画像が表示画面上に割り込んで表示される場合、特定の連続演出に特有の演出態様は割込画像の割込み表示であり、このように画像の表示パターンが特有であるものも含まれる。尚、特定の連続演出に特有の演出態様を含む連続演出において、割込み画像内容は特定の連続演出と異なっていても共通であってもよい。 また、特定の連続演出において他の連続演出では出現しない種類のキャラクタが表示される場合、特定の連続演出に特有の演出態様は、他の連続演出では出現しない種類のキャラクタの表示であり、このように表示対象物の種類が特有であるものも含まれる。 尚、前記特定の連続演出に特有の演出態様は、単一の演出態様が特有であるものに限定されるものではなく、複数の演出態様の組合せ態様が特有であるものを含む。 【0013】 本発明の手段5に記載のスロットマシンは、手段2?4のいずれかに記載のスロットマシンであって、 前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)は、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(リール2L、2C、2R)を有し、 前記複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域を通る複数の入賞ライン(入賞ラインL1?L5)のうちいずれかの入賞ライン上に導出された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能であって、 前記複数の可変表示領域それぞれに表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、 前記導出操作手段が操作されたときに、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて前記複数の可変表示領域それぞれに表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、 を備え、 前記事前決定手段は、 前記特別入賞とは異なる一般入賞(小役、再遊技役)のうち第1の一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨及び前記第1の特別入賞(BB(1))を同時に決定する第1の決定(BB(1)+チェリー)、前記第1の一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨及び前記第2の特別入賞(BB(2))の発生を許容する旨を同時に決定する第2の決定(BB(2)+チェリー)、前記第1の一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨、前記一般入賞のうち前記第1の一般入賞と異なる第2の一般入賞(1枚)の発生を許容する旨及び前記第1の特別入賞を同時に決定する第3の決定(BB(1)+チェリー+1枚)、前記第1の一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨、前記第2の一般入賞(1枚)の発生を許容する旨及び前記第2の特別入賞(BB(2))を同時に決定する第4の決定(BB(2)+チェリー+1枚)を行うことが可能であり、 前記第1の決定がなされる確率と前記第2の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第1の決定がなされる確率の比率と、前記第3の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率と、が異なる確率で前記第1?4の決定を行い(図9(f)参照)、 前記導出制御手段は、 前記第1の決定または前記第2の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記複数の入賞ラインのうちの第1の入賞ライン(L2?L5)に、第2の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の一般入賞が入賞する図柄の組合せを導出させる制御を行い、 前記第3の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記第2の入賞ライン(L1)に、前記第1の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の一般入賞が入賞する図柄の組合せを導出させる制御を行う(図9(e)参照)、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1の決定または第2の決定がなされている場合には、第1の入賞ラインに第1の一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出される可能性が高く、第3の決定または第4の決定がなされている場合には、第2の入賞ラインに第1の一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出される可能性が高い。すなわち第1の決定または第2の決定がなされている場合に第1の一般入賞が発生した場合と、第3の決定または第4の決定がなされている場合に第1の一般入賞が発生した場合と、で第1の一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出されやすい入賞ラインが異なる。そして、第1の決定がなされる確率と第2の決定がなされる確率との合算確率に占める第1の決定がなされる確率の比率と、第3の決定がなされる確率と第4の決定がなされる確率との合算確率に占める第3の決定がなされる確率の比率と、が異なるため、第1の一般入賞が発生した際に、第1の一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された入賞ラインとそのときに選択されている演出モードとによって、特別入賞の発生が許容されていることだけでなく、有利度の高い付加価値が付与されることに対する期待度に変化を持たせることができる。さらに、第1の入賞ラインに第1の一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された場合にも、第2の入賞ラインに第1の一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された場合にも、ともに特別入賞の発生が許容されていることが示唆されるが、第1の一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された入賞ラインから第1の特別入賞または第2の特別入賞のいずれの発生が許容されているかを判別することは不可能であり、第1の一般入賞が発生する図柄の組合せがいずれの入賞ラインに導出された場合でも、特別入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。 尚、第1の入賞ラインに、第2の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御とは、第1の入賞ラインに100%の割合で前記第1の一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御を含む。また、第2の入賞ラインに、第1の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御とは、第2の入賞ラインに100%の割合で前記第1の一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御を含む。 【0014】 本発明の手段6に記載のスロットマシンは、手段1?5のいずれかに記載のスロットマシンであって、 前記連続演出実行手段は、前記連続演出(特別役当選示唆演出)の実行中において遊技者が前記複数種類の演出モード(演出モードA?C)からいずれかの演出モードを選択するための演出モード選択操作部(演出モード切替スイッチ58)が操作されたときに、該実行中の連続演出の演出態様を変化させる(表示画像上に画像を割り込ませる)連続演出態様変化手段(カットイン演出)を含む、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、連続演出の実行中で演出モードの選択ができない状況でも、演出モードを選択するための演出モード選択操作部を有効に利用することができる。 【0015】 本発明の手段7に記載のスロットマシンは、手段1?6のいずれかに記載のスロットマシンであって、 前記事前決定手段(内部抽選)は、前記特別入賞(特別役)とは異なる優先入賞(小役、再遊技役)を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定し、 前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨と前記優先入賞の発生を許容する旨が同時に決定されたときに前記特別入賞に対応する入賞表示結果よりも前記優先入賞に対応する入賞表示結果を優先する優先入賞優先導出制御手段と、 を備え、 入賞を発生させるための操作手順が互いに重複しない前記特別入賞の種類数:X、前記連続演出中に前記事前決定手段により前記優先入賞の発生を許容する旨が決定される確率:Y、前記連続演出の継続ゲーム数:Z、とした場合に、Z<X+Y・Zが成立する、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、連続演出中に特別入賞を発生させることが困難となる優先入賞の発生が期待されるゲーム数と、入賞を発生させるための操作手順が互いに重複しない特別入賞の種類数、すなわち確実に許容された特別入賞を発生させるのに必要なゲーム数と、を加算した値よりも少ない複数ゲームに亘り連続演出が実行されるので、連続演出が終了するまでは、特別入賞の発生を許容する旨が決定されているか否かを確実に判断することが困難となり、連続演出が終了するまで特別入賞の発生に対する遊技者の期待感を持続させることができる。また、連続演出中に特別入賞を発生させることが困難となる優先入賞の発生が期待されるゲーム数を考慮して連続演出のゲーム数が決まるため、操作手順が互いに重複しない特別入賞の種類数を大幅に増やすことなく、連続演出の継続ゲーム数を増やすことができる。 また、優先入賞とは、特別入賞とは異なる入賞であり、遊技用価値の付与を伴う小役入賞や遊技用価値を用いることなくゲームを行うことが可能な再遊技が付与される再遊技入賞などのうち、特別入賞よりも優先して入賞表示結果が導出される入賞である。 また、入賞を発生させるための操作手順が互いに重複しない前記特別入賞の種類数とは、一方の特別入賞を発生させるための操作手順で操作を行った場合には、その操作手順のうち一部の操作手順であっても他方の特別入賞を発生させることができない特別入賞の数であり、一部でも入賞を発生させるための操作手順が重複するものは同じ種類とみなし、その種類数には算入しないものである。例えば、3つの特別入賞について、2つの特別入賞は操作手順が重複し、これら操作手順が重複する2つの特別入賞の操作手順と、残りの特別入賞の操作手順とが、それぞれ重複しない場合であっても、2種類となる。 また、前記連続演出中に前記事前決定手段により前記優先入賞の発生を許容する旨が決定される確率:Yは、前記連続演出が実行されている期間において前記優先入賞(一般役)の発生を許容する旨が決定される確率であり、例えば、特別入賞の発生を許容する旨が決定されたとき、所定の移行表示結果が導出されたときに、通常よりも優先入賞の発生を許容する旨が決定される確率が高くなる優先入賞高確率遊技状態に制御される場合など、優先入賞の発生を許容する旨が決定される確率を複数備える場合においては、連続演出の継続ゲーム数をZとし、当該連続演出が実行される遊技状態において優先入賞の発生を許容する旨が決定される確率をYとし、Z<X+Y・Zが成立するものであれば良い。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。 【図2】スロットマシンの内部構造図である。 【図3】リールの図柄配列を示す図である。 【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。 【図5】入賞として定められた役の構成を示す図である。 【図6】遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。 【図7】リプレイGRを構成する再遊技役の組合せを示す図である。 【図8】リプレイGR当選時において操作手順別に入賞ラインに揃う再遊技役、小役GR当選時において操作手順別に入賞ラインに揃う小役等を示す図である。 【図9】(a)は、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率を示す図であり、(b)は、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率の大小関係を示す図である。(c)は、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率を示す図であり、(d)は、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率の大小関係を示す図であり、(e)は変形例としてチェリー、チェリー+1枚を含む特別役または特別役の組合せの当選確率を示す図であり、(f)は、チェリー、チェリー+1枚を含む特別役または特別役の組合せの当選確率の大小関係を示す図である。 【図10】RTの移行状況を示す図である。 【図11】RTの概要を示す図である。 【図12】特別役当選示唆演出の演出パターン別の構成を示す図である。 【図13】特別役当選示唆演出の態様を示す図である。 【図14】特別役当選示唆演出の態様を示す図である。 【図15】特別役当選示唆演出の演出パターンの選択率を示す図である。 【図16】(a)は演出モードと入賞した特別役の種類に応じて付与される報知状態回数の期待値を示す図であり、(b)(c)は変形例としての演出モードと入賞した特別役の種類に応じて付与される報知状態回数の期待値を示す図である。 【図17】(a)は通常時における演出モード切替禁止フラグの設定状況を示す図であり、(b)は特別役当選時における演出モード切替禁止フラグの設定状況を示す図である。 【図18】(a)は特別役非当選時に実行された連続演出と演出モード切替禁止フラグの設定状況との関係を示す図であり、(b)特別役当選時に実行された連続演出と演出モード切替禁止フラグの設定状況との関係を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0017】 本発明の実施例を以下に説明する。 【実施例】 【0018】 本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。 【0019】 本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。 【0020】 リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。 【0021】 各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。 【0022】 リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。 【0023】 前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。 【0024】 液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。 【0025】 発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。 【0026】 本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を投射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。 【0027】 タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。 【0028】 前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態に関わらず3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、液晶表示器51の表示領域51aへの画像の表示によって行われる演出の演出モードを切り替えるための演出モード切替スイッチ58、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。 【0029】 また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。 【0030】 また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。 【0031】 MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。 【0032】 前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。 【0033】 筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。 【0034】 ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。 【0035】 電源ボックス100の前面には、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。 【0036】 本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1?L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。 【0037】 入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち下向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち上向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4の5種類が入賞ラインとして定められている。 【0038】 ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。 【0039】 そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。 【0040】 図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。 【0041】 電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。 【0042】 また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。 【0043】 遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。 【0044】 また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。 【0045】 遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0?16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路42から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。 【0046】 メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。 【0047】 また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。 【0048】 メインCPU41aは、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。 【0049】 メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。 【0050】 演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。 【0051】 演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっているとともに、演出モードを切り替えるための演出モード切替スイッチ58が接続されている。 【0052】 演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行うタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。 【0053】 サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。 【0054】 また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。 【0055】 本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。 【0056】 設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。 【0057】 次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。 【0058】 重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。 【0059】 本実施例においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。 【0060】 初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。 【0061】 尚、本実施例では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。 【0062】 次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。 【0063】 本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。 【0064】 BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。 【0065】 内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。 【0066】 リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。 【0067】 リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。 【0068】 入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。 【0069】 払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。 【0070】 遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT(0)?(6)のいずれかであるか、BB中であるか、RB中であるか等)及びRTの残りゲーム数、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後及びゲームの終了時に送信される。 【0071】 待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。 【0072】 打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。 【0073】 エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。 【0074】 初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨及び設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。 【0075】 設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。 【0076】 電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。 【0077】 ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。 【0078】 操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。 【0079】 これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。 【0080】 通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。 【0081】 ドアコマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のドア監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられたドアコマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。 【0082】 ドアコマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファとは別個に設けられており、ドアコマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。ドアコマンド送信用バッファには、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信が命令されるようになっている。 【0083】 操作検出コマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のスイッチ監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられた操作検出コマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。 【0084】 操作検出コマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファ及びドアコマンド送信用バッファとは別個に設けられており、操作検出コマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。操作検出コマンド送信用バッファには、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態、及びその時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドが格納される。また、操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、当該操作検出コマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納される操作検出コマンドによって上書きされるようになっている。尚、これらスイッチのうちいずれかの検出状態が変化したときに、操作検出コマンド送信要求が設定されるようになっており、この操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信が命令されるようになっている。 【0085】 本実施例においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1?4が繰り返し行われるようになっており、これらタイマ割込1?4に特有な処理が2.24msの間隔で行われることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行うコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。 【0086】 一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。 【0087】 しかしながら、本実施例では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。 【0088】 本実施例では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じてドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに格納する。ドアコマンドは、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定された場合、またはドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合に、ドアコマンド送信用バッファに格納される。操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、操作検出コマンド送信用バッファに格納される。 【0089】 タイマ割込2内のコマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納された未送信のドアコマンドの送信要求、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信要求が検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドが送信される。 【0090】 具体的には、コマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを検知すると、0?17の範囲に設定された遅延用乱数値を取得し、RAM41cの特別ワークに設けられた遅延カウンタに設定する。 【0091】 この際、当該遅延カウンタ値を設定したコマンド送信処理及びその後のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理において遅延カウンタ値を1ずつ減算していき、遅延カウンタ値が0となった時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを送信する。 【0092】 すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、コマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)の倍数に相当する時間、詳しくはその際取得した遅延カウンタの値から1を減算した値にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗じた時間{遅延カウンタの値は0?17の値なので0?35.84ms}が経過した後、送信されることとなる。 【0093】 尚、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、基本処理に割り込んで行うタイマ割込処理(メイン)内で行われるため、コマンドの遅延により処理が滞ってしまうことがない。 【0094】 また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってゲームの進行が停止してしまうことを回避できる。尚、通常コマンド送信用バッファが未送信のコマンドで満タンの場合はこの限りでない。 【0095】 また、コマンド格納処理では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納する際にこれらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成された順番で送信されるようになっている。 【0096】 尚、電源投入コマンド及び初期化コマンドについては、最優先で送信されるようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されるよりも前に他の通常コマンド(以下、ドアコマンド、操作検出コマンド、電源投入コマンド及び初期化コマンド以外のコマンドを通常コマンドと呼ぶ)が既に格納されている場合(初期化コマンドの場合、その前に通常コマンド送信用バッファ内の格納データもクリアされるため、既に通常コマンドが格納されていることはない)であっても、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが優先して送信される。 【0097】 また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。 【0098】 尚、通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドが電源投入コマンド、初期化コマンドである場合、または通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態でドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドを優先して送信し、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドが送信された後、ドアコマンドを送信する。送信待ちの通常コマンドを送信した後、通常コマンド送信用バッファに未送信の通常コマンドが残っている場合には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信する。 【0099】 また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。 【0100】 尚、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、送信待ちの操作検出コマンドを優先して送信し、送信待ちの操作検出コマンドが送信された後、通常コマンドまたはドアコマンドを送信する。 【0101】 メインCPU41aは、約100ms毎にドア開放検出スイッチ25の検出状態を監視する。詳しくは、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込1?4のいずれでも行う、すなわち0.56ms毎に行うポート入力処理においてドア開放検出スイッチ25からの検出信号を正論理化した入力状態(ドア開放検出スイッチ25ON=1(ドア開放状態)、ドア開放検出スイッチ25OFF=0(ドア閉塞状態))を取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行う、すなわち2.24ms毎に行うドア監視処理において、前述のポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約100ms(ドア監視処理45回)論理和し続け、その結果を使用してドア開放検出スイッチ25の検出状態を判定する。そして、約100msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出された場合には、ドア開放検出スイッチ25のONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25のOFFと判定する。この判定の結果と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、が一致すればドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化なしと判定し、一致しなければドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを、変化後の検出状態を示すドアコマンドに更新し、ドアコマンド送信要求2を設定して当該ドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定した場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。 【0102】 また、メインCPU41aは、電源投入時または1ゲーム終了時に、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求する。一方ドア監視処理においては、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンドの送信要求ありと判定し、ドアコマンド送信要求2を設定してドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。 【0103】 このようにドアコマンドの送信を命令する場合には、併せて外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新も要求されるため、ドア開放信号の出力状態は、ドアコマンドの送信命令にリンクして更新されるようになっている。 【0104】 本実施例では、前述のようにドアコマンドを通常コマンドよりも優先して行うとともに、ドアコマンドについても他のコマンドと同様にランダムに決定された遅延時間が経過した後に送信される。一方、コマンドの遅延時間の最大が35.84msであるので、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態でドアコマンドの送信が要求された場合には、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに約72ms必要とするが、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも短いと、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合に、その変化し続けている間は、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドが送信されないこととなるため、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしてしまう可能性がある。このため、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。 【0105】 メインCPU41aは、約10ms毎に1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を監視する。詳しくは、0.56ms毎に行う前述のポート入力処理において1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10からの検出信号を正論理化した入力状態(ON=1、OFF=0)をそれぞれ取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行う、すなわち2.24ms毎に行うスイッチ監視処理において、前述のポート入力処理において取得した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約10ms(ドア監視処理5回)それぞれ別個に論理和し続け、その結果を使用して1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を判定する。そして、約10msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもONが検出された場合には、該当するスイッチのONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もONが検出されていない場合には、該当するスイッチのOFFと判定する。この判定の結果と、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態と、が一致すれば検出状態に変化なしと判定し、一致しなければいずれかのスイッチの検出状態が変化したと判定し、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドを、変化後の検出状態を示すとともに、その時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドに更新し、操作検出コマンド送信要求を設定して当該操作検出コマンドの送信を命令する。 【0106】 次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。 【0107】 サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。 【0108】 受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。 【0109】 サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う。 【0110】 尚、本実施例では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行う時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行われていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行われるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行われる。 【0111】 制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。 【0112】 特に本実施例では、液晶表示器51の表示領域51aへの画像の表示によって行われる演出の演出モードとして、演出モードA、演出モードB、演出モードCの3種類がある。これら各種演出モードA?Cでは、演出に登場するキャラクタの種類、背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、演出の実行態様等がそれぞれ異なる。 【0113】 尚、本実施例では、各種演出モードA?Cで演出に登場するキャラクタの種類、背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、演出の実行態様等がそれぞれ異なるが、例えば演出に登場するキャラクタの種類と背景に用いられる画像の種類とは異なるが、演出の実行確率や実行態様等を同じとし、各演出モードA?Cそれぞれに対して同じ演出パターンの演出があることにしてもよい。 【0114】 これら演出モードA?Cは、遊技者の演出モード切替スイッチ58の操作によって演出モードA?Cのいずれかに切り替えることができるようになっている。具体的には、ゲームが実行されていない期間において演出モード切替スイッチ58が操作されると、液晶表示器51の表示領域51aの表示が演出モード切替画面(図示略)に切り替わり、該演出モード切替画面が表示されている状態で演出モード切替スイッチ58を操作することにより演出モードの種類が切り替わり所望するモードを選択できるようになっている。そして、いずれかの演出モードが選択されている状態で賭数の設定操作(メダル投入またはMAXBETスイッチ6や1枚BETスイッチ5の操作)を行うことで、その時点で選択されている演出モードに決定されるようになっている。 【0115】 本実施例では、賭数の設定操作が行われてから全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止して表示結果が導出されるまでの期間(ゲームの実行中)と、ゲーム実行中でなくても、後述する特別役当選示唆演出(連続演出とも言う)やボーナス中演出等が実行されている場合には演出モード切替スイッチ58の操作が無効とされ、演出モードを切り替えできなくなるようになっている(図17及び図18参照)。尚、演出モード切替スイッチ58の操作の有効、無効期間についての詳細は後述することとする。 【0116】 また、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。 【0117】 特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。 【0118】 また、本実施例では、サブCPU91aは、後述する特別役当選示唆演出の実行中であって該特別役当選示唆演出が次ゲームも継続する場合に賭数の設定操作がなされたときには、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときであっても、実行中の演出を中止しないようになっている。 【0119】 演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。 【0120】 制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。 【0121】 待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。尚、特別役の当選を報知する確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。 【0122】 打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。 【0123】 エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。 【0124】 初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。 【0125】 特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための確定告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。尚、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。 【0126】 サブCPU91aは、ドアコマンドの受信に基づき、前面扉1bが開放されている旨を示すドア開放報知を行う。詳しくは、サブCPU91aがドアコマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信しなかった場合に、受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行う。ドア開放報知では、演出効果LED52を点滅させ、液晶表示器51にドア開放報知画面を表示させるとともに、エラー警告音を出力する。そして、その後ドアコマンドを受信し、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信せずにドアコマンドが示す検出状態が確定検出状態となり、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止し、もとの演出に復帰する。 【0127】 また、最後にドアコマンドを受信してから、100ms経過しないうちに新たにドアコマンドを受信したときは、その前に受信したコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とせず、新たなドアコマンドの受信後、100ms経過してもさらにドアコマンドを受信しなかった場合に、最後に受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行い、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する。 【0128】 このため、ドア開放報知を行っていない状態で、ドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知は行われず、ドア開放報知を行っている状態で、ドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知を停止しない。 【0129】 サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがONの状態からOFFの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。 【0130】 このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。 【0131】 このように本実施例では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。 【0132】 すなわち演出用の操作を行うために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行うことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。 【0133】 また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。 【0134】 また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行わず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行う必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。 【0135】 尚、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行上は関係のないスイッチが操作された場合のみ、操作検出コマンドを送信するようにしても良く、このような構成とした場合には、サブCPU91aが、有効に操作されたことに伴う他のコマンドと重複して操作検出コマンドを受信する必要がなく、無駄な操作検出コマンドの受信を除外できることとなるため、サブCPU91a側の制御負荷を軽減することができる。 【0136】 サブCPU91aは、遊技の進行上有効な状態(賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態)で送信された1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、演出モード切替スイッチ58の検出を無効とする演出モード切替無効フラグを設定するとともに、その後遊技状態コマンドを受信したときに演出モード切替無効フラグをクリアするようになっている。つまり、ゲームが開始してから終了するまでの期間において前述した演出モードA?Cの切り替え操作が無効とされ、演出モードの選択が禁止されるようになっている。 【0137】 尚、遊技状態コマンドを受信したときに、後述する特別役当選示唆演出の実行ゲーム数を計数する連続演出カウンタのカウンタ値(0?3)、特別役の内部当選フラグ及びボーナス中フラグの設定状況を確認し、連続演出カウンタのカウンタ値が0ではない場合(カウンタ値=1?3)または特別役の内部当選フラグが設定されている場合またはボーナス中フラグが設定されている場合には、演出モード切替無効フラグをクリアせずに維持するようになっている。 【0138】 つまり、ゲームが終了した段階で、特別役当選示唆演出の実行中であり、かつ該特別役当選示唆演出が次ゲームに継続する場合(特別役当選示唆演出の最終ゲームの終了時(連続演出カウンタ=0)を除く1?3ゲーム目の終了時(連続演出カウンタ=3?1))、特別役が内部当選して後述するように次ゲームへ持ち越されている場合及びボーナス中である場合には、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても、演出モード切替スイッチ58による演出モードの切り替え操作が無効となるようになっている。尚、特別役当選示唆演出や演出モード切替無効フラグの設定状況の詳細については後述することとする。 【0139】 また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、操作検出コマンドの送信によって通常コマンドやドアコマンドの送信が遅れてしまうことがない。 【0140】 尚、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合には、遅延中の操作検出コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。 【0141】 また、本実施例では、操作検出コマンドの送信を命令する操作検出コマンド送信要求が一度設定されると、当該命令に基づく操作検出コマンドが送信されるまで、いずれかのスイッチの検出状態が変化しても操作検出コマンドが更新されないようになっており、操作検出コマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。 【0142】 また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファ及びドアコマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられており、通常コマンドやドアコマンドを操作検出コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。 【0143】 また、本実施例では、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、操作検出コマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んで操作検出コマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらに操作検出コマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられることで、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。 【0144】 本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、RT(0)(リプレイタイム(0)或いは初期遊技状態)、RT(1)(リプレイタイム(1))、RT(2)(リプレイタイム(2))、RT(3)(リプレイタイム(3))、RT(4)(リプレイタイム(4))、RT(5)(リプレイタイム(5))、RT(6)(リプレイタイム(6))があるが、どの遊技状態においても賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBであるか、RT(0)?(6)のいずれであるか、に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1?L5が有効化されるようになっており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1?L5が有効化されることとなる。 【0145】 本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。 【0146】 尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。 【0147】 このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナス(1)(2)をBB(1)(2)とする)が、小役としてチェリー、1枚(1)(2)、12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、ベルが、再遊技役としてリプレイ(1)?(6)が定められている。 【0148】 チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー-ANY-ANY」の組合せが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L3または入賞ラインL4、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、2枚のメダルが払い出されることとなる。 【0149】 1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-黒7-白7」の組合せが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-網7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、以下では、1枚(1)、1枚(2)をまとめて単に1枚と呼ぶことがある。12枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。12枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「網7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。12枚(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。尚、以下では、12枚(1)?(3)をまとめて単に12枚と呼ぶことがある。11枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。11枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「網7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。11枚(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。尚、以下では、11枚(1)?(3)をまとめて単に11枚と呼ぶことがある。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。 【0150】 リプレイ(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(5)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-黒チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(6)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)?(6)が入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。 【0151】 RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7-網7-白7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルとチェリーの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。 【0152】 BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7-黒7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7-網7-網7」の組合せが揃ったときに入賞となる。 【0153】 BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が360枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。 【0154】 以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0?16383の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役及び役の組合せについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役及び役の組合せの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組合せの判定値数から、特別役、小役、再遊技役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役または再遊技役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の小役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の再遊技役が重複して当選する判定値の範囲、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は排他的なものではなく、1ゲームにおいて複数種類の役が同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。 【0155】 本実施例では、図6及び図7に示すように、遊技状態が、RT(0)であるか、RT(1)?(5)であるか、RT(6)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及び役の組合せが異なる。 【0156】 遊技状態がRT(0)では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚(1)、RB+チェリー+1枚(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚(1)、BB(1)+チェリー+1枚(2)、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚(1)、BB(2)+チェリー+1枚(2)、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、リプレイ(1)、リプレイGR(1)(リプレイ(2)+リプレイ(3))、リプレイGR(2)(リプレイ(2)+リプレイ(4))、リプレイGR(3)(リプレイ(5)+リプレイ(6))、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)(12枚(1)+11枚(2))、小役GR(2)(12枚(1)+11枚(3))、小役GR(3)(12枚(2)+11枚(1))、小役GR(4)(12枚(2)+11枚(3))、小役GR(5)(12枚(3)+11枚(1))、小役GR(6)(12枚(3)+11枚(2))、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。 【0157】 遊技状態がRT(1)?(5)では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚(1)、RB+チェリー+1枚(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚(1)、BB(1)+チェリー+1枚(2)、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚(1)、BB(2)+チェリー+1枚(2)、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。 【0158】 遊技状態がRT(6)では、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。 【0159】 遊技状態がRBでは、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。 【0160】 内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せ及び現在の遊技状態に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。 【0161】 そして、いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。 【0162】 また、本実施例では、BB(1)及びBB(2)の判定値数は同一とされており、設定値6における内部当選確率はそれぞれ約1/300とされている。また、RBの設定値6における内部当選確率は約1/600とされている。 【0163】 次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。 【0164】 メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。 【0165】 テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(例えば、BB(1)+リプレイ(1)当選時と、BB(2)+リプレイ(1)当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。 【0166】 テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。 【0167】 リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。 【0168】 停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0?20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0?20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0?20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。 【0169】 前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。 【0170】 次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。 【0171】 また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。 【0172】 次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。 【0173】 本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。 【0174】 また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。 【0175】 本実施例では、入賞ラインとして図1に示すL1?L5の態様を採用しており、役の構成図柄のうち中リールの構成図柄が、中段に停止し、かつ左、右リールの構成図柄が、上段、中段、下段のいずれかに停止すれば、当該役がいずれかの入賞ライン上に揃うこととなる。このため、中リールについては、4図柄以内の間隔で配置された図柄(「スイカ」「リプレイ」「ベル」)であれば、停止操作のタイミングに関わらず、必ずいずれかの入賞ラインに停止させることが可能であり、左、右リールについては、6図柄以内の間隔で配置された図柄(左リールでは「オレンジ」「ベル」「リプレイ」、右リールでは「スイカ」「ベル」「リプレイ」「白チェリー」)であれば、停止操作のタイミングに関わらず、必ずいずれかの入賞ラインに停止させることが可能である。また、中リールについては、停止操作の順番に関わらず、図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えるためには、その図柄を含む5図柄の範囲で停止操作を行う必要があるが、左、右リールについては、停止操作の順番に関わらず、図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えるためには、その図柄を含む7図柄の範囲で停止操作を行えば良い。 【0176】 本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。 【0177】 特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(BB(1)+チェリー、BB(1)+ベルなど)には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。 【0178】 尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。 【0179】 特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB(1)+リプレイ(1)など)には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。 【0180】 複数種類の小役が同時に当選している場合(チェリー+1枚(特別役と同時当選している場合も同じ)や小役GR(1)?(6))には、当選した小役のいずれについても入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した双方の小役を引込可能な停止操作位置については、当選した小役のうち払出枚数の多い小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の少ない小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、払出枚数の多い小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、払出枚数の多い小役を引き込めない場合にのみ、払出枚数の少ない小役を入賞させることが可能となる。 【0181】 また、本実施例では、図8に示すように、小役GR(1)?(6)が当選している場合に、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、さらに左リールを第1停止とした場合には、その停止操作がなされたタイミングに応じて異なる図柄の組合せを入賞ライン上に停止させる制御が行われる。 【0182】 小役GR(1)(12枚(1)+11枚(2))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲(20、0?5番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。 【0183】 小役GR(2)(12枚(1)+11枚(3))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。 【0184】 小役GR(3)(12枚(2)+11枚(1))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。 【0185】 小役GR(4)(12枚(2)+11枚(3))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(1)が成立する。 【0186】 小役GR(5)(12枚(3)+11枚(1))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。 【0187】 小役GR(6)(12枚(3)+11枚(2))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(1)が成立する。 【0188】 このように本実施例では、左リールにおいて12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)を構成する「黒7」「網7」「白7」の引込範囲がそれぞれ異なり、小役GR(1)?(6)の当選時においては、左リールを第1停止とし、左リールの停止操作のタイミングを選択することで、12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することが可能となる。 【0189】 一方で、小役GR(1)?(6)が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することは不可能であり、小役GR(1)?(6)が当選し、左リールを第1停止とした場合には、それぞれ1/3の確率で12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。本実施例では、RT(0)?RT(6)において小役GR(1)?(6)の当選確率がそれぞれ約1/48であり、約1/8で小役GR(1)?(6)のいずれかが当選することとなるため、RT(0)?(6)では、それぞれ約1/24の確率で12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。 【0190】 また、左リールの領域のうちどの領域についても12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)を構成する「黒7」「網7」「白7」をいずれかの入賞ラインに引き込む領域が存在しており、「黒7」「網7」「白7」を入賞ラインに引き込むことを回避可能な領域が存在せず、意図的に12枚、11枚、移行役を入賞または成立を回避することは不可能であり、小役GR(1)?(6)が当選した場合には、12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。 【0191】 複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイGR(1)?(3))には、図8に示すように、当選した再遊技役のうち同時当選した再遊技役のグループ及び左リールの停止操作のタイミングまたは右リールの停止操作のタイミングに応じて定められた再遊技役を入賞ラインに停止させる制御が行われる。 【0192】 リプレイGR(1)(リプレイ(2)+リプレイ(3))が当選し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)が入賞し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲(20、0?5番図柄)内のタイミングまたは「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。図3に示すように、左リールにおいてリプレイ(3)を構成する「黒7」、リプレイ(2)を構成する「リプレイ」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「リプレイ」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「スイカ」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(1)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(2)(3)のいずれかが必ず入賞するようになっている。 【0193】 リプレイGR(2)(リプレイ(2)+リプレイ(4))が当選し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(4)が入賞し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングまたは「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。図3に示すように、左リールにおいてリプレイ(4)を構成する「黒7」、リプレイ(2)を構成する「リプレイ」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「リプレイ」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「スイカ」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(2)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(2)(4)のいずれかが必ず入賞するようになっている。 【0194】 リプレイGR(3)(リプレイ(5)+リプレイ(6))が当選し、右リールの停止操作が「黒チェリー」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「ベル-ベル-黒チェリー」が揃い、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(5)が入賞し、右リールの停止操作が「BAR」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「ベル-ベル-BAR」が揃い、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(6)が入賞する。図3に示すように、右リールにおいてリプレイ(5)(6)を構成する「ベル」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(5)(6)を構成する「ベル」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(5)を構成する「黒チェリー」、リプレイ(6)を構成する「BAR」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(3)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(5)(6)のいずれかが必ず入賞するようになっている。 【0195】 このように本実施例では、リプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイ(2)?(4)のいずれも入賞させることは可能であるが、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、によって、リプレイ(3)(4)の入賞条件となる左リールの停止操作のタイミングが異なり、リプレイ(3)(4)の入賞条件となる左リールの停止操作のタイミングが一致すれば、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞するが、一致しない場合には、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞することとなる。尚、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、が分からなければ、意図的にリプレイ(3)(4)を入賞させることは不可能であり、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、1/2の確率でRT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、1/2の確率でRT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞することとなる。本実施例では、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)の当選確率がそれぞれ約1/6.3であり、約1/3.14でリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選することとなるため、RT(0)では、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、約1/6.3の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、約1/6.3の確率でリプレイ(2)が入賞することとなる。 【0196】 また、リプレイGR(3)が当選した場合には、停止操作の手順に関わらず、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(5)またはリプレイ(6)が必ず入賞することとなる。本実施例では、RT(0)においてリプレイGR(3)が約1/94の確率で当選するため、RT(0)では、約1/94の確率でリプレイ(5)またはリプレイ(6)が入賞することとなる。 【0197】 本実施例においてメインCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。 【0198】 尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。 【0199】 従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時に用いるリールの停止制御パターンと、小役と特別役の同時当選時に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとすることで、リールの停止態様に応じて特別役の当選を判別できることができるものの、リールの停止態様に応じて特別役の当選以外の情報を示唆するものではなかった。また、従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時の停止態様と、小役と特別役の同時当選時の停止態様と、が異なるため、その停止態様に応じて特別役に当選しているか否かを遊技者から判別できてしまい、特別役に当選していない場合には、期待感が損なわれてしまうという問題がある。 【0200】 そこで本実施例では、チェリー、BB(BB(1)(2))+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB(BB(1)(2))+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインに「チェリー-ANY-ANY」を揃える制御を行うが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5のみに揃える制御を行うのに対して、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1?L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1に揃える制御を行い、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみ「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5に揃える制御を行うようになっている。 【0201】 すなわち、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段のみに停止させる制御を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段よりも高い割合で中段に揃える制御を行うようになっている。 【0202】 このため、図9(a)に示すように、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段または下段のみに停止し、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が中段に停止する可能性が高い。すなわちチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、チェリーが入賞した場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合にチェリーが入賞した場合と、で左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なる。 【0203】 そして本実施例では、図9(a)及び(b)-(1)に示すように、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C+E)に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)の比率よりもチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D+F)に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)の比率が高くなる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。 【0204】 これにより、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方がBBまたはRB、すなわち特別役と同時に当選している割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。 【0205】 さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であっても中段であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置から特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。 【0206】 また、本実施例では、図9(a)及び(b)-(2)に示すように、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値(A)の比率よりもBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B)の比率が高くなる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。 【0207】 これにより、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方がBB、すなわちRBよりも多くのメダルの獲得が期待できる特別役と同時に当選している割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。 【0208】 さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置からBBが当選しているか、RBが当選しているか、を判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、BB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。 【0209】 また、本実施例では、図9(a)及び(b)-(3)に示すように、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(A1+B1+C1+D1+E1+F1)に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B1+D1+F1)の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(A2+B2+C2+D2+E2+F2)に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B2+D2+F2)の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。 【0210】 これにより、チェリーと1枚のうちスイカが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が、設定値として設定4?6、すなわち設定1?3が設定されている場合よりも遊技者にとって有利な設定値が設定されている割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができる。 【0211】 さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置から設定値として設定1?3が設定されているか、設定4?6が設定されているか、を判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されていることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。 【0212】 また、本実施例では、左リールにおいてチェリーを構成する「チェリー」を引き込むことが可能な停止操作位置と左リールにおいて1枚(1)(2)を構成する「スイカ」を引き込むことが可能な停止操作位置とが異なり、左リールにおいてこれら「チェリー」と「スイカ」とを同時に狙って停止操作を行うことができないようになっている。また、チェリーは、左リールにおいていずれかの入賞ラインに「チェリー」が停止するのみで入賞するが、1枚(1)(2)は、中、右リールにおいてそれぞれ同時に引き込むことが可能な停止操作位置が存在しない図柄「中リールでは「黒7」と「網7」、右リールでは「白7」と「黒7」)にて構成されており、1枚(1)、1枚(2)の双方を入賞させることが可能な停止操作の手順は存在しない。すなわち、チェリー+1枚の当選時には、左リールにおいて「チェリー」を狙って停止操作を行っていれば、チェリーを確実に入賞させることができるが、チェリーと同時に当選する1枚が1枚(1)であるか、1枚(2)であるか、が分からなければ、1枚(1)、1枚(2)についてはどちらか一方しか入賞させることができず、どちらか一方は取りこぼすこととなる。このため、1枚(1)(2)よりもチェリーを狙って停止操作を行うことを遊技者に対して促すことが可能となり、特別役の当選可能性などが示唆される左リールの「チェリー」の停止位置に対して効果的に着目させることができる。 【0213】 尚、本実施例では、内部抽選においてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行っているが、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚のみ抽選対象として、チェリー、チェリー+1枚が当選する場合にはBBまたはRBと必ず同時に当選するようにしても良い。 【0214】 また、本実施例では、チェリー、チェリー+1枚とBB、RBがともに同時当選するが、チェリー、チェリー+1枚とBB、RBのうちいずれか一方のみが同時当選する構成であっても良い。 【0215】 また、本実施例では、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄が上段、下段にのみ停止し、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄が中段に停止しやすくなっているが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しているか、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しているか、によって停止しやすい位置が異なる構成であれば良く、例えば、一方の場合に上段、中段、下段のうちの特定の位置に停止しやすく、他方の場合に特定の位置とは異なる位置に停止しやすい構成であっても良い。 【0216】 また、本実施例では、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段のみに停止させる制御を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段よりも高い割合で中段に揃える制御を行うようになっているが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を中段よりも高い割合で上段、下段に揃える制御を行うようにしたり、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を中段のみに揃える制御を行うようにしても良い。 【0217】 また、本実施例では、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。 【0218】 また、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。 【0219】 また、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。 【0220】 また、本実施例では、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようにしても良い。 【0221】 また、本実施例では、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになっているが、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。 【0222】 また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。 【0223】 また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。 【0224】 また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。 【0225】 また、本実施例では、特別役が当選しているか否かに関わらず、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになっているが、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、かつ設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚の当選確率の比率と、設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚の当選確率の比率と、が同じとなる確率にてチェリー、チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御するようにしても良く、このようにすることで、BBまたはRBが同時に当選していることを条件に、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになる。 【0226】 また、本実施例では、設定値が設定1?3の場合と設定4?6の場合とで左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なるようになっているが、有利度の異なる複数種類の設定値のうち少なくとも1の設定値と他の少なくとも1の設定値とで左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なるものであれば良い。 【0227】 また、本実施例では、BBまたはRBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合で、かつ設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインL1に、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、BBまたはRBが当選している可能性が高く、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高く、かつ有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨を示唆するようになっており、チェリーが入賞した際に、有利な状態であることに対する遊技者の期待度にメリハリを持たせることができることから好ましいが、BBまたはRBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合、或いは設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、BBまたはRBが当選している可能性が高い旨が示唆されない場合でも、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBが当選している可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。 【0228】 また、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BBまたはRBが当選している場合、或いは設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBまたはRBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、BBまたはRBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。 【0229】 また、設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BBまたはRBが当選している場合、或いはBB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBまたはRBが当選している可能性或いはRBよりも有利度の高いBBが当選している可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、BBまたはRBが当選している可能性或いはRBよりも有利度の高いBBが当選している可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。 【0230】 また、本実施例では、図9(c)及び(d)に示すように、チェリー+1枚、特別役+チェリー+1枚の当選確率の合算値(d+h)に占める特別役+チェリー+1枚の当選確率の合算値(d)の比率が最も高く、次いでチェリー、特別役+チェリーの当選確率の合算値(c+g)に占める特別役+チェリーの当選確率の合算値(c)の比率が高く、次いでベル、特別役+ベルの当選確率の合算値(b+f)に占める特別役+ベルの当選確率の合算値(b)の比率が高く、次いでリプレイ(1)、特別役+リプレイ(1)の当選確率の合算値(a+e)に占める特別役+リプレイ(1)の当選確率の合算値(e)の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、ベル、リプレイ(1)、特別役+チェリー、特別役+チェリー+1枚、特別役+ベル、特別役+リプレイ(1)の抽選を行っている。 【0231】 これにより、チェリー+1枚が同時当選している場合、すなわち左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が中段である場合に特別役に当選している割合が最も高く、次いでチェリーが単独で当選している場合、すなわち左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が上段または下段である場合に特別役に当選している割合が高く、次いでベルが当選している場合、すなわち「ベル-ベル-ベル」がいずれかの入賞ラインに揃った場合に特別役に当選している割合が高く、次いでリプレイ(1)当選している場合、すなわち「リプレイ-リプレイ-リプレイ」がいずれかの入賞ラインに揃った場合に特別役に当選している割合が高くなる。このため、入賞した小役の種類、入賞した小役がチェリーであれば、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。 【0232】 図9(e)(f)には、本発明の変形例が示されている。本変形例では、BB(1)+チェリー、BB(2)+チェリーが当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段または下段に停止し、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚が当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が中段に停止する可能性が高い。すなわちBB(1)+チェリー、BB(2)+チェリーが当選しており、チェリーが入賞した場合と、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚が当選しており、チェリーが入賞した場合と、で左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置(入賞ライン)が異なる。 【0233】 そして図9(f)-(1)(2)に示すように、内部抽選においてBB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)に占めるBB(1)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B)の比率よりもBB(1)+チェリー、BB(2)+チェリーの当選確率の合算値(A+C)に占めるBB(1)+チェリーの当選確率の合算値(A)の比率が高く、BB(1)+チェリー、BB(2)+チェリーの当選確率の合算値(A+C)に占めるBB(2)+チェリーの当選確率の合算値(C)の比率よりもBB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)に占めるBB(2)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(D)の比率が高くなる確率にて、BB(1)+チェリー、BB(2)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚の抽選を行っている。 【0234】 この場合、「チェリー」図柄が上段または下段に停止した場合には、BB(1)が内部当選している可能性が高く、「チェリー」図柄が中段に停止した場合には、BB(2)が内部当選している可能性が高くなる。 【0235】 すなわち、チェリー入賞が発生したときに演出モードAが選択されている場合には、「チェリー」図柄が中段に停止した場合よりも、上段または下段に停止した方が後述する報知状態回数の平均獲得回数が大きいBB(1)が内部当選している可能性が高く、チェリー入賞が発生したときに演出モードBが選択されている場合には、「チェリー」図柄が上段または下段に停止した場合よりも、中段に停止した方が報知状態回数の平均獲得回数が大きいBB(2)が内部当選している可能性が高くなる。 【0236】 このように、BB(1)+チェリー、BB(2)+チェリーの当選確率の合算値(A+C)に占めるBB(1)+チェリーの当選確率の合算値(A)の比率と、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)に占めるBB(1)+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B)の比率と、が異なるため、チェリーが入賞した際に、「チェリー」図柄が停止した入賞ラインと、そのときに選択されている演出モードA?Cと、によって、報知状態回数の獲得回数に対する期待感に変化を持たせることができる。 【0237】 また、上段または下段に「チェリー」図柄が停止した場合にも、中段に「チェリー」図柄が停止した場合にも、ともにBBが内部当選しているが、「チェリー」図柄が停止した位置(入賞ライン)からBB(1)またはBB(2)のいずれが内部当選したかを判別することは不可能であり、「チェリー」図柄がいずれの位置に停止した場合でも、BBの内部当選に対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。 【0238】 次に、サブCPU91aは、小役の当選時に、当選した小役の種類を報知する小役告知演出を実行する。小役告知演出は、各演出モードA?Cそれぞれに対応する小役告知パターンが登録されており、特別役に当選していないときよりも特別役に当選しているときの方が高い割合で実行されるため、小役告知演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が示唆されることとなる。 【0239】 また、小役告知演出は、第1の小役告知演出と第2の小役告知演出があり、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その一方を選択し、選択した種類の小役告知演出を実行する。この際、特別役に当選している場合には、特別役が当選していない場合よりも第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、第2の小役告知演出が実行されると、第1の小役告知演出が実行された場合よりもさらに特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。 【0240】 また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性と、小役告知演出の種類と、がリンクし、これらリールの表示態様と演出によって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選に対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。 【0241】 また、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その開始タイミングを選択し、選択したタイミングから小役告知演出を開始する。開始タイミングは、ゲーム開始時、第1停止時、第2停止時、第3停止時の4つのタイミングであり、特別役が当選している場合には、第3停止時が選択される比率が最も高く、次いで第2停止時、第1停止時、ゲーム開始時の順でその比率が下がるので、第3停止時から開始した場合に、最も特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、第3停止時、第2停止時、第1停止時の順でその可能性は下がる。 【0242】 また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第2停止時、第3停止時が選択される比率が高いので、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性と、小役告知演出の開始タイミングと、がリンクし、これらリールの表示態様と演出の開始タイミングによって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選、有利度の高い設定値が設定されていることに対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。 【0243】 また、サブCPU91aは、内部抽選により特別役が当選した場合に、該特別役が当選した旨及び当選した特別役の種類を報知する確定演出(告知演出)を実行する。確定演出は、各演出モードA?Cそれぞれに対応する確定告知パターンが登録されており、特別役が内部当選したゲーム(成立ゲーム)において、後述する特別役当選示唆演出に当選せず、かつ、当該ゲームにおいて特別役が入賞せずに該特別役の内部当選フラグが次ゲーム以降に持ち越された場合に実行される。 【0244】 詳しくは、成立ゲーム以降のゲームにおいて、後述する特別役当選示唆演出が実行されていないことを条件に、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止されるまでの間に確定演出抽選を実行し、該確定演出抽選に当選した場合にのみ、その開始タイミングを選択し、選択したタイミングで確定演出を開始する。開始タイミングは、ゲーム開始時、第1停止時、第2停止時、第3停止時の4つのタイミングであり、成立ゲームにおいて演出モードAが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合または演出モードBが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合または演出モードCが選択されているときにRBが内部当選した場合(後述する報知状態回数の平均獲得個数が最も大きい場合)には第3停止時が選択される比率が最も高く、次いで第2停止時、第1停止時、ゲーム開始時の順でその比率が下がるので、第3停止時から開始した場合に、報知状態回数の平均獲得個数が高い旨が示唆され、第3停止時、第2停止時、第1停止時の順でその可能性は下がる。 【0245】 尚、本実施例では、各演出モードA?Cそれぞれに対応する確定告知パターンが予め登録されており、確定演出抽選に当選した場合には、その時点で選択されている演出モードA?Cに対応する確定告知パターンに基づく確定演出が実行されるようになっていたが、成立ゲームにおいて演出モードAが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合または演出モードBが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合または演出モードCが選択されているときにRBが内部当選した場合に、これら以外の場合よりも高い割合で、その時点で選択されている演出モードとは異なる演出モードに対応する確定告知パターンに基づく確定演出が実行されるようにしてもよい。 【0246】 本実施例では、図11に示すように、BB中またはRB中を除いてRT(0)?(6)のいずれかに制御される。 【0247】 RT(0)は、RT(1)(4)において移行役(1)?(3)のいずれかが成立するか、RT(2)(3)(5)において規定ゲーム数消化し、これらRT(2)(3)(5)が終了したときに移行し、RT(0)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、リプレイ(2)?(6)、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、リプレイ(2)が入賞してRT(5)に移行するか、リプレイ(3)(4)が入賞してRT(3)に移行するか、RT(5)(6)が入賞してRT(4)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行することで終了する。RT(0)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1未満となるが、RT(1)?(6)では抽選の対象とならない役であり、RT(3)への移行契機となるリプレイ(3)(4)を入賞させることが可能となるリプレイGR(1)(2)と、RT(4)への移行契機となるリプレイ(5)(6)を入賞させることが可能となるリプレイGR(3)が高確率(リプレイGR(1):約1/6.3、リプレイGR(2):約1/6.3、リプレイGR(3):約1/93.6)で当選する。 【0248】 RT(1)は、BBまたはRBの終了後に移行し、RT(1)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立してRT(0)に移行することで終了する。RT(1)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0249】 RT(2)は、RT(0)(1)(4)において12枚(1)?(3)のいずれかが入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では5000G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(2)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0250】 RT(3)は、RT(0)においてリプレイ(3)(4)のいずれかが入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では30G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(3)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/1.48)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0251】 RT(4)は、RT(0)においてリプレイ(5)(6)のいずれかが入賞したときに移行し、RT(4)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立してRT(0)に移行することで終了する。RT(4)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/1.34)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0252】 RT(5)は、RT(0)においてリプレイ(2)が入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では999G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(3)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0253】 RT(6)は、RT(0)?(5)のいずれにおいても特別役が当選したときに移行し、RT(6)に移行してからのゲーム数に関わらず、当選した特別役が入賞するまで継続し、当選した特別役が入賞してBBまたはRBに移行することで終了する。RT(6)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/2.43)であり、RT(3)(4)よりも低く、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であるが、RT(0)?(2)(5)よりも高い。リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。 【0254】 これらRT(0)?RT(6)のうちRT(0)(1)(2)(5)におけるリプレイ(1)の当選確率は、それぞれ異なるもののその差は微少であり、ほぼ同じ確率である。 【0255】 また、RT(0)?(5)における特別役の当選確率及び小役の当選確率は同一の確率であり、RT(6)では、特別役が抽選対象とならないが、小役の当選確率は、RT(0)?(5)と同一確率である。 【0256】 また、これらRT(0)?(5)のうちRT(3)(4)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(0)(1)(2)(5)(6)よりも高く、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上となるため、RT(0)(1)(2)(5)(6)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。 【0257】 また、RT(0)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(1)(2)(5)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となるが、リプレイGR(1)?(3)が高確率(リプレイGR(1)(2):約1/3.14、リプレイGR(3):約1/94)で当選し、1ゲームあたりのメダルの払出率もRT(1)(2)(5)より高く、かつRT(1)(2)(5)から直接移行することのない遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるため、RT(1)(2)(5)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。 【0258】 また、RT(1)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(2)(5)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となり、かつ1ゲームあたりのメダルの払出率がRT(2)(5)とほぼ同じであるが、RT(2)(5)よりも遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるRT(0)へ移行することが期待できる(RT(2)では5000G、RT(5)では999G消化したとき以外は、RT(0)へ移行することがないのに対して、RT(1)では、約1/24の確率で成立する移行役(1)?(3)が成立することでRT(0)へ移行することとなる)ため、RT(2)(5)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。 【0259】 また、RT(2)(5)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(1)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT(1)とほぼ同じであるが、RT(1)よりも遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるRT(0)へ移行することが期待できないため、RT(1)に比較して相対的に不利な遊技状態となる。また、RT(5)では999G消化することでRT(0)へ移行するのに対して、RT(2)では5000G消化するまではRT(0)へ移行することがないので、RT(5)は、RT(2)に比較して相対的に不利な遊技状態となる。 【0260】 ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図10に示すように、RT(0)?(5)のいずれかにおいて特別役が当選すると、RT(6)に移行し、その後、特別役が入賞してBBまたはRBに移行し、BBまたはRBが終了すると、RT(1)に移行する。 【0261】 RT(1)では、移行役(1)?(3)のいずれかが成立することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)に移行する可能性のあるRT(0)に移行する。また、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。移行役(1)?(3)または12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに成立または入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、それぞれ1/3の確率で、12枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)が入賞または成立するので、RT(1)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(0)またはRT(2)のいずれかに移行することとなる。尚、RT(1)からはRT(3)?(5)に直接移行することはない。 【0262】 RT(0)では、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)に移行し、RT(3)に移行後、特別役が当選した場合を除いて規定ゲーム数(30G)消化後、再びRT(0)に戻る。リプレイ(2)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行することのない遊技者にとって不利なRT(5)に移行し、規定ゲーム数(999G)消化後、再びRT(0)に戻る。リプレイ(2)?(4)は、リプレイGR(1)またはリプレイGR(2)が当選したときに入賞させることが可能であり、リプレイGR(1)(2)の当選時には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、1/2の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、1/2の確率でリプレイ(2)が入賞するので、リプレイGR(1)(2)の当選時には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、それぞれ1/2の確率で遊技者にとって有利なRT(3)、遊技者にとって不利なRT(5)のいずれかに移行する。 【0263】 また、RT(0)では、リプレイ(5)(6)が入賞することで、遊技者にとって有利なRT(4)に移行する。リプレイ(5)(6)はリプレイGR(3)の当選時に必ず入賞するので、リプレイGR(3)の当選時には必ず遊技者にとって有利なRT(4)に移行する。 【0264】 また、RT(0)では、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、1/3の確率で12枚(1)?(3)が入賞するので、RT(0)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(2)に移行することとなる。 【0265】 RT(4)では、移行役(1)?(3)のいずれかが成立することで再びRT(0)に戻り、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。移行役(1)?(3)または12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに成立または入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、それぞれ1/3の確率で、12枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)が入賞または成立するので、RT(4)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(0)またはRT(2)のいずれかに移行することとなる。 【0266】 このように本実施例では、RT(1)に滞在している場合には、直接、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行させる場合には、RT(1)において必ずしも成立するとは限らない移行役が成立することで移行するRT(0)を必ず介して移行することとなる。さらにRT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行させる場合にも、RT(0)において必ずしも成立するとは限らないリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させる必要がある。すなわちRT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。 【0267】 尚、本実施例では、RT(1)からRT(0)へ移行する条件として、移行役の成立を適用しているが、RT(1)からRT(0)へ移行する条件は、必ずしも成立するとは限らない条件であれば上記の効果が得られる。必ずしも成立するとは限らない条件とは、RT(1)において100%成立する条件(例えば、RT(0)への移行条件が規定ゲーム数経過することのみである場合など)以外の条件、すなわちRT(1)からRT(0)へ移行する条件とともにRT(0)へ移行しない他の条件(本実施例では11枚、12枚の入賞)が成立し得るものであり、RT(1)からRT(0)へ移行する条件が成立することが不確定なものであれば良く、例えば、RT(1)において当選確率100%を含まない抽選に当選すること、複数の操作手順のうち特定の操作手順で停止操作されることなどが該当し、さらには、RT(1)からRT(0)への移行条件が規定ゲーム数経過することで成立するものであっても、他にRT(0)へ移行しない条件(例えば、特定役の入賞など)が成立し得る場合には、このような条件であっても必ずしも成立するとは限らない条件に該当する。 【0268】 また、本実施例では、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件として、リプレイ(3)?(6)の入賞を適用しているが、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件は、必ずしも成立するとは限らない条件であれば上記の効果が得られる。必ずしも成立するとは限らない条件とは、RT(0)において100%成立する条件(例えば、RT(3)(4)への移行条件が規定ゲーム数経過することのみである場合など)以外の条件、すなわちRT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件とともにRT(3)、RT(4)へ移行しない他の条件(本実施例では12枚、リプレイ(2)の入賞)が成立し得るものであり、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件が成立することが不確定なものであれば良く、例えば、RT(0)において当選確率100%を含まない抽選に当選すること、複数の操作手順のうち特定の操作手順で停止操作されることなどが該当し、さらには、RT(0)からRT(3)、RT(4)への移行条件が規定ゲーム数経過することで成立するものであっても、他にRT(3)、RT(4)へ移行しない条件(例えば、特定役の入賞など)が成立し得る場合には、このような条件であっても必ずしも成立するとは限らない条件に該当する。 【0269】 また、本実施例では、RT(0)から遊技者にとって有利なRT(3)、RT(4)へ直接移行させる構成であるが、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行させる場合に、RT(0)において成立することが不確定な所定の条件が成立することで移行する他の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)へ移行させるもの、すなわちさらに他の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)に移行させる構成、さらには、RT(0)から複数の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)へ移行させる構成であっても良く、このような構成とした場合でも、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。 【0270】 また、本実施例では、RT(1)において11枚と12枚が同時に当選し、これら当選した11枚及び12枚の双方を取りこぼした際に導出される移行役が成立したときに、RT(1)からRT(0)に移行するようになっており、RT(1)において11枚と12枚とが同時に当選し、かつ11枚及び12枚の双方を取りこぼしてメダルを獲得できなかった場合であっても、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行させることが可能なRT(0)へ移行するので、RT(1)においては、11枚(1)と12枚(2)が同時に当選した場合には、当選した11枚、12枚を取りこぼしたか否かに関わらず、遊技者にとって利益となる。 【0271】 尚、本実施例では、RT(1)において11枚と12枚が同時に当選し、これら当選した11枚及び12枚の双方を取りこぼした際に導出される移行役が成立したときに、RT(1)からRT(0)に移行するようになっているが、RT(1)からRT(0)への移行条件は、これに限らず、特定の一般役の入賞であっても良いし、1ゲームのみRT(0)?RT(6)よりも小役の当選確率が高まるシングルボーナスの付与を伴うシングルボーナス(以下、SBと称す)の入賞であっても良い。また、これらの役が単独で入賞した場合に限らず、同時に複数の役が入賞ラインに揃ったことに伴う複合入賞が生じた場合にRT(1)からRT(0)に移行する構成としても良い。 【0272】 また、RT(1)においてRT(1)において入賞条件となる操作手順の異なる11枚と12枚が同時に当選し、そのうち払出枚数の少ない11枚の入賞時に、RT(1)からRT(0)へ移行させるようにしても良く、このようにすれば、払出枚数の異なる複数種類の小役が同時に当選し、当選した小役のうち払出枚数の少ない方の小役を入賞させた場合、すなわち獲得できるメダル数が少ない場合であっても、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行させることが可能なRT(0)へ移行するので、RT(1)においては、11枚(1)と12枚(2)が同時に当選した場合には、当選した11枚、12枚を取りこぼしたか否かに関わらず、遊技者にとって利益となる。また、このような構成とした場合には、RT(0)へ移行することとなる払出枚数の少ない小役は常に払出枚数の多い小役または特別役、SBなどと同時に当選させることが好ましく、このようにすることで、RT(0)へ移行させることができなかった場合には、常にRT(0)への移行条件となる小役よりも多い数のメダルまたは遊技者にとって有利なBBやRB、SBが付与されることとなるため、いずれの場合であっても遊技者にとって有利となる。 【0273】 また、本実施例では、RT(0)において12枚が入賞したときに、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行することがなく、かつRT(3)(4)よりも再遊技役の当選確率の低い相対的に不利なRT(2)へ移行するようになっており、RT(1)からは、RT(3)(4)への移行契機となるRT(0)だけでなく、移行役が成立する前に12枚が入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)へ移行することもあるため、RT(0)では、遊技者に対して緊張感の伴うより興趣の高いゲーム性を提供することができる。 【0274】 尚、本実施例では、RT(1)から遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する条件として、12枚の入賞が適用されているが、他の小役や再遊技役、SBの入賞、さらにはこれらの取りこぼし時に導出される特定の停止態様となったときにRT(2)へ移行する構成としても良い。 【0275】 また、RT(1)からRT(2)へ移行することなく、RT(1)へ移行すると、RT(0)への移行条件が成立するまでRT(1)が維持される構成であっても良い。 【0276】 また、RT(0)においては、メダルの増加が期待できないRT(5)、メダルの増加が期待できるRT(3)の双方に移行する可能性がある。そしてRT(3)は、終了後再びRT(0)に戻るため、RT(0)からRT(3)へ一度移行すると、RT(3)が終了しても再びRT(3)へ移行する機会が提供されることとなり、RT(3)に周期的に制御することが可能となる。一方、RT(0)からRT(5)へ移行すると、当該RT(5)が終了するまでRT(3)へ移行することがないが、RT(5)が終了すると再びRT(0)となるため、このような場合でも周期的にRT(3)へ移行する機会が訪れることとなる。すなわちRT(0)は、メダルの増加が期待できるRT(3)へ移行する可能性のあるチャンスゾーンとして機能し、このようなチャンスゾーンがRT(5)へ移行した場合でもRT(3)へ移行した場合でも周期的に訪れることとなる。 【0277】 また、RT(0)では、メダルの増加が期待できるRT(3)、RT(4)のいずれにも移行する可能性があり、RT(3)へ移行すると、規定ゲーム数消化することにより終了するのに対して、RT(4)へ移行すると、移行役が成立してRT(0)に再び戻るか、12枚が入賞してRT(2)へ移行するまで継続するようになっている。すなわちRT(0)からは、終了条件の異なる複数種類の遊技者にとって有利なRTへ移行するので、ゲームの流れが単調化することがない。 【0278】 尚、本実施例では、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することでRT(3)へ移行し、リプレイ(5)またはリプレイ(6)が入賞することでRT(4)へ移行するようになっているが、これら遊技者にとって有利なRTへの移行契機は、これらリプレイ(3)?(5)の入賞に限らず、他の役の入賞であっても良いし、特定の役を取りこぼした際に導出される特定の停止態様が成立することであっても良い。 【0279】 また、RT(3)へは、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選し、かつリプレイ(3)(4)の入賞条件となる操作手順にて停止操作がなされたことを条件に移行するようになっているが、特定の役の当選時において、停止操作の操作手順に関わらず、必ず導出される停止態様を契機としてRT(3)へ移行するようにしても良い。 【0280】 また、RT(0)では、終了条件の異なる複数種類の遊技者にとって有利なRTへ移行させることが可能であるが、少なくとも1種類の有利なRTへ移行させることが可能な構成であれば良い。 【0281】 また、RT(0)では、リプレイ(2)が入賞することで遊技者にとって不利なRT(5)へ移行し、12枚が入賞することで、RT(5)よりもさらに遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する構成であるが、RT(0)からはいずれか一方の不利なRTのみへ移行する構成であっても良い。また、RT(5)へ移行することとなるリプレイ(2)が遊技者にとって有利なRT(3)へ移行することとなるリプレイ(3)またはリプレイ(4)と同時に当選するようになっているが、それぞれ別個に当選するようにしても良い。また、RT(0)から遊技者にとって不利なRT(2)、RT(5)へ移行しない構成であっても良い。 【0282】 また、本実施例では、BBまたはRBの終了後に、RT(1)へ移行するようになっているが、RT(2)やRT(5)において移行条件(特定役の入賞、特定役の取りこぼし時に導出される特定の停止態様の成立など)が成立したときにRT(1)へ移行する構成でも良い。 【0283】 本実施例では、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選した場合に、12枚、11枚、移行役のいずれかを入賞または成立させることが可能となる。 【0284】 前述のようにRT(1)において移行役が成立することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性のあるRT(0)に移行するのに対して12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるため、RT(1)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚を入賞させることなく移行役を成立させることで、RT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(0)へ移行させることができる。 【0285】 また、前述のようにRT(0)においても12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるため、RT(0)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚の入賞を回避することでRT(2)への移行を回避することができる。さらにRT(0)においては、小役GR(1)?(6)が当選した際に、11枚を入賞させることでRT(2)への移行を回避し、さらに11枚のメダルを獲得することも可能となる。 【0286】 また、前述のようにRT(4)においても12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるうえに、移行役が成立するとRT(4)よりも不利なRT(0)に戻ってしまうため、RT(4)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚の入賞を回避することでRT(2)への移行を回避することができ、移行役の成立を回避することでRT(0)へ戻ってしまうことも回避できる。さらにRT(4)においては、小役GR(1)?(6)が当選した際に、11枚を入賞させることでRT(2)への移行、RT(0)へ戻ることを回避し、さらに11枚のメダルを獲得することも可能となる。 【0287】 また、前述のようにRT(3)においては12枚が入賞しても他の遊技状態へ移行することがないため、RT(3)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚を入賞させることで12枚のメダルを獲得することが可能となる。 【0288】 しかしながら、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に12枚の入賞を回避すること、意図的に移行役を成立させること、意図的に移行役の成立を回避すること、意図的に11枚を入賞させることは不可能であり、それぞれ1/3の確率で12枚、11枚、移行役が入賞または成立することとなる。 【0289】 また、本実施例では、リプレイGR(1)が当選した場合に、リプレイ(2)またはリプレイ(3)のいずれかを入賞させることが可能となり、リプレイGR(2)が当選した場合に、リプレイ(2)またはリプレイ(4)のいずれかを入賞させることが可能となる。 【0290】 前述のようにRT(0)においてリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)に移行するのに対してリプレイ(2)が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(5)に移行してしまうこととなるため、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した際に、リプレイ(2)を入賞させることなくリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることで、RT(5)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(3)へ移行させることができる。 【0291】 しかしながら、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(2)の入賞を回避してリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることは不可能であり、1/2の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞するが、1/2の確率でリプレイ(2)が入賞してしまうこととなる。 【0292】 これに対してサブCPU91aは、RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したとき、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選したときに、当選した小役GRまたはリプレイGRの種類に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を報知する操作手順報知を行うことが可能である。 【0293】 操作手順報知は、左リールに停止させるべき「7」の色または模様を報知することにより遊技者にとって有利となる操作手順を報知する。 【0294】 詳しくは、RT(1)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、移行役を成立させることでRT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(0)へ移行させることができるため、小役GR(1)(3)の当選時には、移行役(3)が成立する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(2)(5)の当選時には、移行役(2)が成立する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(4)(6)の当選時には、移行役(1)が成立する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。 【0295】 RT(0)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、11枚を入賞させることでRT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつメダルも獲得できるため、小役GR(1)(6)の当選時には、11枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(2)(4)の当選時には、11枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(3)(5)の当選時には、11枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。 【0296】 RT(3)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、12枚を入賞させることで他の遊技状態へ移行することもなくメダルを獲得できるため、小役GR(1)(2)の当選時には、12枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、小役GR(3)(4)の当選時には、12枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(5)(6)の当選時には、12枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知する。 【0297】 RT(4)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、11枚を入賞させることでRT(2)へ移行してしまうこと、RT(0)へ戻ってしまうことを回避し、かつメダルも獲得できるため、小役GR(1)(6)の当選時には、11枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(2)(4)の当選時には、11枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(3)(5)の当選時には、11枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。 【0298】 RT(0)においてリプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることでRT(5)へ移行してしまうことを回避し、かつ遊技者にとって有利なRT(3)へ移行させることができるため、リプレイGR(1)の当選時には、リプレイ(3)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、リプレイGR(2)の当選時には、リプレイ(4)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知する。 【0299】 このため、遊技者は操作手順報知によって報知された色または模様の「7」図柄を左リールに狙って停止操作を行うことにより、その時点で遊技者にとって有利となる停止態様を導出させることが可能となる。 【0300】 尚、操作手順報知は、RTの種類、当選役の種類に応じて遊技者にとって有利な操作手順を遊技者が認識可能なものであれば良く、現在の遊技状態と当選役の種類そのもの、或いは停止させるべき図柄組合せ、停止させるべき役の種類によって異なる図柄、現在の遊技状態と当選役の種類を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。更には、指標となる図柄(目的図柄の近くに位置し、目的図柄よりも目立つ図柄など)、当該指標図柄を示唆する画像などを報知するようにしても良い。また、操作手順がリールの停止順であれば、その停止順を示唆する画像、音声、対応するLEDの点灯態様などによって報知するようにしても良い。 【0301】 また、本実施例では、RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときにも、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選したときにも、操作手順(停止させるべき「7」図柄の種類)が同じであれば同一の態様で操作手順報知を行うようになっており、遊技者は、常に報知態様から示唆される色または模様の「7」図柄を狙って停止操作を行えば良いので、遊技者を混乱させることを防止できることから好ましいが、RTの種類の違いや当選役の種類によって同じ操作手順を報知する場合に、異なる態様で報知するようにしても良い。 【0302】 サブCPU91aは、RT(3)においては、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに操作手順報知を行う。このため、RT(3)では、操作手順報知に従って停止操作を行うことにより12枚を入賞させてメダルを獲得することが可能となる。 【0303】 また、サブCPU91aは、RT(4)に移行した際に、継続ゲーム数を複数のゲーム数から決定し、決定した継続ゲーム数に到達するまで小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに、11枚を入賞させるための操作手順報知を行う。このため、RT(4)に移行すると、その際決定された継続ゲーム数が経過するまでは操作手順報知に従って措定し操作を行うことで、RT(2)へ移行すること、RT(0)に戻ることを回避し、かつメダルを獲得することが可能となる。また、移行時に決定された継続ゲーム数が経過した後は、移行役を成立させるための操作手順報知を行うようになっており、継続ゲーム数が経過した後に操作手順報知に従って停止操作を行えば、RT(2)へ移行することを回避しつつ、再びRT(0)へ移行させることが可能となる。 【0304】 また、サブCPU91aは、RT(1)において特殊条件が成立している場合には、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに操作手順報知を行う。特殊条件は、BB(1)の当選、RT(0)(3)(4)中の特別役の当選、BB中のチェリー+1枚(2)の当選であり、これらの特殊条件が満たされた後、最初に移行したRT(0)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選すると操作手順報知が実行される。このため、これら特殊条件が満たされた後のRT(1)では、操作手順報知に従って停止操作を行うことによりRT(0)へ移行させることが可能となる。 【0305】 また、サブCPU91aは、RT(0)において、小役GR(1)?(6)が当選したとき及びリプレイGR(1)(2)が当選したときに操作手順報知が実行される報知状態に制御することが可能である。RT(0)において報知状態に制御されると、小役GR(1)?(6)が当選したとき及びリプレイGR(1)(2)が当選したときに操作手順報知が実行されるため、操作手順報知に従って停止操作を行うことによりRT(3)へ移行させることが可能となる。 【0306】 また、サブCPU91aは、RT(0)において報知状態に制御する報知状態回数を0?n回(nは2以上の整数)の間で決定する報知状態抽選を実行する。報知状態抽選は、RT(2)(5)に移行後、消化ゲーム数が特定のゲーム数に到達する毎、RT(3)(4)において再遊技役が所定回数連続したとき、特別役の当選時に実行され、当選した報知状態回数を記憶する。また、報知状態回数が残っている状態で新たに当選した場合には、残っている回数に対して新たに当選した回数が加算される。 【0307】 そしてサブCPU91aは、RT(0)へ移行した際に、報知状態回数が残っているか否かを確認し、報知状態回数が残っている場合には、報知状態回数を1減算し、報知状態に制御する。このため、報知状態回数が残っている場合には、その回数に亘り、RT(0)とRT(3)を1セットとして繰り返しRT(0)とRT(3)に継続して制御させることが可能となる。 【0308】 尚、報知状態回数は、設定変更がなされたとき以外にクリアされることはなく、報知状態回数が残っている状態で、RT(2)やRT(5)へ移行してしまった場合には、そのまま報知状態回数は維持されることとなる。このため、RT(2)やRT(5)が長い期間継続した場合や、BBやRBの後、RT(1)からRT(0)へ移行しない状態が続くと、報知状態回数が貯まっている可能性が高まる。そして、報知状態回数が多数貯まっている状態では、RT(0)に移行することでRT(0)とRT(3)が長期間ループすることとなる。 【0309】 また、サブCPU91aが特別役の当選時に実行する報知状態抽選により当選する報知状態の平均獲得回数は、図16(a)に示すように、特別役の当選時に選択されている演出モードA?Cの種類と特別役の種類との関係により異なっている。 【0310】 具体的には、報知状態回数の平均獲得回数は、演出モードAが選択されているときはBB(1)の内部当選時が最も大きく、BB(2)、RBの内部当選時の順に小さくなる。演出モードBが選択されているときはBB(2)の内部当選時が最も大きく、BB(1)、RBの内部当選時の順に小さくなる。演出モードCが選択されているときはRBの内部当選時の平均獲得回数が最も大きく、BB(1)、BB(2)の内部当選時はほぼ同じである。 【0311】 また、演出モードCが選択されているときにRBが内部当選した場合の平均獲得回数が最も大きく(特大)、演出モードAが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合及び演出モードBが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合の平均獲得回数(大)、演出モードAが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合及び演出モードBが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合の平均獲得回数(中)、演出モードAまたは演出モードBが選択されているときにRBが内部当選した場合及び演出モードCが選択されているときにBB(1)(2)が内部当選した場合の平均獲得回数(小)の順に小さくなる。 【0312】 このように、内部当選した特別役の種類と、該特別役が内部当選したときに選択されている演出モードの種類と、の組合せに応じて、報知状態回数の獲得回数の平均値が異なる、つまり遊技者の有利度が異なるため、演出モードの選択に対する遊技者の期待感を高めることができる。 【0313】 また、BB(1)またはBB(2)の内部当選確率は同一であり、各演出モードA?CにおいてBB(1)が内部当選した場合の平均獲得回数の合算値(大+中+小)と、各演出モードA?CにおいてBB(2)が内部当選した場合の平均獲得回数の合算値(中+大+小)とはほぼ同一であることで、BB(1)またはBB(2)が内部当選した場合における平均獲得回数は変わらないため、遊技者に不公平感を与えることがない。 【0314】 また、演出モードAまたは演出モードBが選択されているときには、RBが内部当選した場合よりもBB(1)またはBB(2)が内部当選した場合の方が報知状態回数の平均獲得回数は大きいのに対し、演出モードCが選択されているときには、BB(1)またはBB(2)が内部当選した場合よりもRBが内部当選した場合の方が報知状態回数の平均獲得回数は大きい。 【0315】 つまり、特別役の当選時に選択されている演出モードによって、報知状態回数の平均獲得回数が大きく異なることがないように報知状態回数が決定されるため、遊技者に不公平感を与えることがない。 【0316】 また、演出モードCが選択されているときに、BB(1)及びBB(2)の内部当選確率の合算値よりも当選確率が低く、しかもボーナス中の獲得メダル枚数が少ないRBが内部当選した場合には、演出モードAが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合または演出モードBが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合よりも報知状態回数の平均獲得回数が大きい。つまり、当選する確率は低く、しかもボーナス中の獲得メダル枚数が少ないものの、当選した場合には多くの報知状態回数の獲得が期待できる。このように、演出モードの種類により、BB(1)、BB(2)、RBが当選したときの報知状態回数の平均獲得回数がそれぞれ異なるため、遊技者は好みに応じて演出モードを選択することができる。 【0317】 図16(b)には、変形例としての特別役の当選時に選択されている演出モードA?Cの種類と特別役の種類との関係が示されている。 【0318】 報知状態回数の平均獲得回数は、演出モードAが選択されているときにBB(1)またはRBが内部当選した場合が最も大きく(大)、BB(2)が内部当選した場合が最も小さい(小)。演出モードBが選択されているときにBB(2)またはRBが内部当選した場合が最も大きく(大)、BB(1)が内部当選した場合が最も小さい(小)。演出モードCが選択されているときにRBが内部当選した場合が最も大きく(大)、BB(1)またはBB(2)が内部当選した場合は同じである(中)。 【0319】 このように、BB(1)またはBB(2)の内部当選確率は同一であり、各演出モードA?CにおいてBB(1)が内部当選した場合の平均獲得回数の合算値(大+中+小)と、各演出モードA?CにおいてBB(2)が内部当選した場合の平均獲得回数の合算値(中+大+小)とはほぼ同一であることで、BB(1)またはBB(2)が内部当選した場合における平均獲得回数は変わらないため、遊技者に不公平感を与えることがない。 【0320】 また、BB(1)(2)よりも内部当選確率が低く、しかもボーナス中における獲得メダル枚数が低いRBが内部当選した場合は、いずれの演出モードA?Cが選択されている場合でも、報知状態回数の平均獲得回数は、演出モードB,Cが選択されているときにBB(1)が内部当選した場合または演出モードA,Cが選択されているときにBB(2)が内部当選した場合の平均獲得回数よりも大きいため、遊技者に不公平感を与えることがない。 【0321】 尚、本実施例では、特別役の当選時に選択されている演出モードA?Cの種類及び特別役の種類に応じた報知状態回数の振り分け率が予め設定されていたが、例えば遊技者が適宜設定できるようにしてもよい。 【0322】 本実施例においてサブCPU91aは、RT(0)?(6)において、複数ゲームに亘り継続し、最終的に特別役に当選しているか否かを示す演出結果を導く特別役当選示唆演出(連続演出)を実行する。 【0323】 サブCPU91aは、特別役と同時当選する可能性のあるリプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚の当選時に特別役当選示唆演出を実行するか否か及び実行する特別役当選示唆演出の演出パターンを決定する特別役当選示唆演出抽選を実行し、いずれかの演出パターンの特別役当選示唆演出に当選した場合には、当選した演出パターンの特別役当選示唆演出を実行する。 【0324】 また、本実施例では、最大引込範囲が4コマであるため、左リールにおいてはBB(1)を構成する「黒7」と、BB(2)、RBを構成する「網7」と、を同時に狙うことができず、中リールにおいてBB(1)を構成する「黒7」、BB(2)、RBを構成する「網7」と、を同時に狙うことができず、右リールにおいてはBB(1)を構成する「黒7」と、BB(2)を構成する「網7」、RBを構成する「白7」と、を同時に狙うことができない。このためBB(1)(2)、RBは、それぞれ入賞させるための操作手順が異なり、最低でも3通りの操作手順を試行しなければBB(1)(2)、RBのいずれも当選していないことを判別することができない。 【0325】 そして、本実施例では、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数をX、連続演出中の再遊技役の当選確率をY1、連続演出中の小役の当選確率をY2、連続演出の継続ゲーム数をZとした場合に、Z<X+(Y1+Y2)・Zが成立するように連続演出の継続ゲーム数が定められている。本実施例では、前述のようにX=3(BB(1)(2)、RB)であり、Y1=1/7.3(最低値)、Y2=1/6であるので、Z<X+(Y1+Y2)・Zが成立するためには、Zは約4.3未満の値である必要があり、そのうち最大の4ゲームに亘り連続演出が継続するようになっている。 【0326】 このように、本実施例では、連続演出中に特別役を入賞させることが困難となる再遊技役及び小役の当選が期待されるゲーム数((Y1+Y2)・Z)と、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数、すなわち確実にいずれかの特別役が当選しているか否かを判別するのに必要なゲーム数と、を加算した値よりも少ないゲーム数に亘り連続演出が実行されるので、連続演出が終了するまでは、連続演出によって示唆された特別役が当選しているか否かを確実に判断することが困難となるので、連続演出が終了するまで特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができるうえに、連続演出中に特別役を入賞させることが困難となる再遊技役及び小役の当選確率を考慮して連続演出のゲーム数が決まるため、入賞させるための操作手順がそれぞれ異なる特別役の数を増やすことなく、それ以上に連続演出の継続ゲーム数を増やすことができる。 【0327】 尚、本実施例のように連続演出が実行される期間の再遊技役の当選確率を複数備える場合においては、連続演出の継続ゲーム数をZとし、当該連続演出が実行される遊技状態における再遊技役の当選確率をY1’とし、Z<X+(Y1’+Y2)・Zが成立するものであれば上記と同様の効果を得られる。 【0328】 また、本実施例では、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数をX、連続演出中の再遊技役の当選確率をY1、連続演出中の小役の当選確率をY2、連続演出の継続ゲーム数をZとした場合に、Z<X+(Y1+Y2)・Zが成立するように連続演出の継続ゲーム数が定められる構成であるが、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数をX、連続演出中の再遊技役の当選確率をY1、連続演出中の取りこぼしなしの小役(本実施例では、ベル)の当選確率をY2’、連続演出の継続ゲーム数をZとした場合に、Z<X+(Y1+Y2’)・Zが成立するように連続演出の継続ゲーム数が定められるようにしても良く、このようにすることで、連続演出中に特別役を入賞させることが不可能となる再遊技役及び取りこぼしのない小役(特別役の持越中に再遊技役または取りこぼしのない小役が当選した場合、再遊技役または取りこぼしのない小役が必ず入賞し、特別役が入賞することがない)の当選が期待されるゲーム数((Y1+Y2’)・Z)と、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数、すなわち確実にいずれかの特別役が当選しているか否かを判別するのに必要なゲーム数と、を加算した値よりも少ないゲーム数に亘り連続演出が実行されることとなるため、連続演出が終了するまでは、連続演出によって示唆された特別役が当選しているか否かを確実に判断することが不可能となるので、連続演出が終了するまで特別役の当選に対する遊技者の期待感を確実に持続させることができる。 【0329】 また、入賞させるための操作手順がそれぞれ重複しない特別役の数をX、連続演出中の再遊技役の当選確率をY、連続演出の継続ゲーム数をZとした場合に、Z<X+Y・Zが成立するように連続演出の継続ゲーム数が定められる構成としても良く、このような構成であっても、連続演出が終了するまで特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができるうえに、連続演出中に特別役を入賞させることが困難となる再遊技役の当選確率を考慮して連続演出のゲーム数が決まるため、入賞させるための操作手順がそれぞれ異なる特別役の数を増やすことなく、それ以上に連続演出の継続ゲーム数を増やすことができる。特に、小役よりも特別役が優先して導出される場合には、Z<X+Y・Zが成立するように連続演出の継続ゲーム数が定められる構成とすることで、連続演出が終了するまで特別役の当選に対する遊技者の期待感を確実に持続させることができる。 【0330】 特別役当選示唆演出は、演出モードA?Cの種類それぞれに対応する特別役当選示唆演出A1,B1,C1が登録されており、特別役当選示唆演出抽選にて当選したときに選択されている演出モードA?Cに対応する特別役当選示唆演出A1,B1,C1が選択されるようになっている。さらにこれら各特別役当選示唆演出A1,B1,C1は、図12に示すように、それぞれ演出パターン0?7の8種類からなり、さらに演出パターン1?6には、それぞれ特別役の非当選を示す「-1」の演出パターンと、特別役の当選を示す「-2」の演出パターンと、が定められている。 【0331】 図13,14には、特別役当選示唆演出A1の演出パターンが示されている。尚、特別役当選示唆演出B1,C1の演出パターンは特に図示しないが、特別役当選示唆演出B1では、登場するキャラクタ(花火を打上るキャラクタ及び後述するカットインで登場するキャラクタ)が女性キャラクタとされ、特別役当選示唆演出C1では、登場するキャラクタ(花火を打上るキャラクタ及び後述するカットインで登場するキャラクタ)が動物キャラクタとされている。このように各演出モードA?Cに対応する特別役当選示唆演出A1,B1,C1は、それぞれ登場するキャラクタが異なるが、後述するように花火を打上げるという実行パターンは共通とされている。 【0332】 また、サブCPU91aは、特別役当選示唆演出抽選を実行し、いずれかの演出パターンの特別役当選示唆演出に当選した場合には、図示しない連続演出カウンタのカウンタ値に「3」を設定し(連続演出カウンタ=0)、各ゲームが開始される毎に該カウンタ値を1ずつ減算更新する。 【0333】 演出パターン0は、特別役当選示唆演出を実行しないパターンであり、当該演出パターンが決定された場合には、特別役当選示唆演出は実行されない。尚、特別役が内部当選している場合にこの演出パターン0が決定されたときに、前述した確定演出抽選が実行される。 【0334】 演出パターン1-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(i)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン1-2は、3ゲーム目までは演出パターン1-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0335】 演出パターン2-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(i)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン2-2は、3ゲーム目までは演出パターン2-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0336】 演出パターン3-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(j)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン3-2は、3ゲーム目までは演出パターン3-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0337】 演出パターン4-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(j)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン4-2は、3ゲーム目までは演出パターン4-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0338】 演出パターン5-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(k)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン5-2は、3ゲーム目までは演出パターン5-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0339】 演出パターン6-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(k)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン6-2は、3ゲーム目までは演出パターン6-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。 【0340】 本実施例では、演出パターン3?6においては、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させた後、演出モード切替スイッチ58の操作がなされた場合に、表示画面上に所定サイズの画像を割り込ませるカットイン演出を伴う演出を実行するようになっているため、特別役当選示唆演出の実行中で演出モードA?Cの選択ができない状況でも、演出モードA?Cを選択するための演出モード切替スイッチ58(演出モード選択操作部)を、演出モードの選択以外の演出を実行することを目的とした操作部として有効に利用することができる。 【0341】 尚、本実施例では、ゲーム開始後、演出モードA?Cの選択が無効化されている演出モード切替スイッチ58が操作されることにより、表示画面上に所定サイズの画像を割り込ませるカットイン演出を伴う演出を実行するようになっていたが、実行中の演出態様が変化する演出が実行されれば、例えば表示画面上のキャラクタや背景等の表示画像の態様が変化する演出を実行するようにしてもよいし、あるいは、表示画面上以外の演出装置の演出態様(例えば演出用LEDの点灯態様、スピーカ53、54から出力される出力音態様、役物(機械的構造物)の可動態様等)が変化するものであってもよい。 【0342】 また、本実施例では、無効化されている演出モード切替スイッチ58が操作されることにより、表示画面上に所定サイズの画像を割り込ませるカットイン演出を伴う演出を実行するようになっていたが、例えば無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合に、実行中の演出態様が変化する演出を実行してもよい。 【0343】 また、演出パターン3?6の3ゲーム目において、ゲーム開始後、無効化されている演出モード切替スイッチ58の操作を促す画像を表示させたにも関わらず、演出モード切替スイッチ58の操作がなされなかった場合には、カットインを伴わず、カットインを伴うパターンであったか否かを判別することはできないようになっている。 【0344】 演出パターン7は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(e)(f)に示すように鼠花火を制作する花火制作演出(鼠)を実行してそのまま終了するパターンである。 【0345】 尚、本実施例では、特別役当選示唆演出抽選にて当選したときに選択されている演出モードA?Cの種類に対応した特別役当選示唆演出A1,B1,C1の演出パターン1?7のうちのいずれかが実行されるようになっているが、特別役当選示唆演出抽選にて当選したときに選択されている演出モードA?Cに関わらず、これら各演出モードA?Cに共通する特別役当選示唆演出が実行されるようにしてもよい。 【0346】 このようにいずれの演出モードA?Cが選択されている場合にも共通するいずれかの演出パターン1?7に基づく特別役当選示唆演出が実行される場合、特別役当選示唆演出の実行中に、そのときに選択されている演出モードの種類を表示するようにしてもよく、このようにすることで、特別役当選示唆演出の実行中においていずれの演出モードが選択されているかを遊技者が確認できるようになる。 【0347】 また、演出モードA?Cの種類に対応した特別役当選示唆演出を実行可能とする場合、各種演出モードA?Cに対応した特別役当選示唆演出の演出パターンは共通とすることが好ましい。共通の演出パターンとは、登場するキャラクタや背景等が各種演出モードに応じて異なるが、特別役当選示唆演出のストーリーや展開パターン(花火の制作、花火打上、打上の成功・失敗等)が共通するものであればよい。 【0348】 また、本実施例では、特別役当選示唆演出の一例として、花火を制作して打上げるというストーリーが複数ゲームに亘り展開していく連続演出を適用しているが、特別役当選示唆演出は上記のようにストーリーが複数ゲームに亘り展開していく連続演出に限定されるものではなく、例えば、ストーリーが1ゲームで完結する単発の示唆演出が複数ゲームに亘り継続して実行される連続演出(例えば、1ゲームで花火を制作して失敗する演出を複数ゲームに亘り継続して実行し、最終ゲームで花火の制作に成功または失敗する演出)等を含む。 【0349】 特別役当選示唆演出抽選では、図15に示すように、当選した小役の種類、特別役の当選の有無、報知状態回数の残存数(ストック)に応じて異なる確率で演出パターン0?7を選択する。 【0350】 特に、チェリーまたはチェリー+1枚が特別役と同時当選した場合には、当選した小役の種類、特別役の当選の有無、報知状態回数の残存数(ストック)及びそのときに選択されている演出モードA?Cの種類に応じて異なる確率で演出パターン0?7を選択する。詳しくは、図15に示すように、演出モードAが選択されているときにBB(2)またはRBがチェリーと同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(1)またはRBがチェリーと同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにBB(1)またはBB(2)がチェリーと同時当選した場合には、特別役(低)+チェリーのテーブルが参照され、演出モードAが選択されているときにBB(2)またはRBがチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(1)またはRBがチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにBB(1)またはBB(2)がチェリー+1枚と同時当選した場合には特別役(低)+チェリー+1枚のテーブルが参照される。 【0351】 一方、演出モードAが選択されているときにBB(1)がチェリーと同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(2)がチェリーと同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにRBがチェリーと同時当選した場合には特別役(高)+チェリーのテーブルが参照され、演出モードAが選択されているときにBB(1)がチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(2)がチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにRBがチェリー+1枚と同時当選した場合には特別役(高)+チェリー+1枚のテーブルが参照される。 【0352】 尚、本実施例では、チェリーまたはチェリー+1枚が特別役と同時当選した場合にのみ、当選した小役の種類、特別役の当選の有無、報知状態回数の残存数(ストック)及びそのときに選択されている演出モードA?Cの種類に応じて異なる確率で演出パターン0?7を選択するようになっているが、リプレイ、ベルが特別役と同時当選した場合にも、そのときに選択されている演出モードA?Cの種類に応じて異なる確率で演出パターン0?7を選択するようにしてもよい。 【0353】 本実施例では、演出パターン(0)?(7)のうち演出パターン(1)?(7)が当選する比率が、チェリー+1枚>チェリー>ベル>リプレイ(1)の関係となり、特別役と同時当選する比率と一致する。すなわち特別役と同時に当選する比率が高い一般役ほど特別役当選示唆演出が実行される可能性が高く、特別役の当選が期待できる一般役が入賞したときほど高い確率で特別役当選示唆演出が実行されることとなるため、特別役当選示唆演出の開始契機となる一般役の入賞時における特別役の当選期待度と、特別役当選示唆演出の実行確率と、がリンクすることとなり、特別役当選示唆演出により効果的に特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。 【0354】 また、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、リプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。 【0355】 一方で、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(通常)の演出パターン1、3、5が当選する比率が、ベルが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。 【0356】 すなわちリプレイ(1)、チェリーが入賞したときと、ベルが入賞したときと、で特別役の当選が期待できる演出のパターンが異なり、前者では花火制作演出(桜柄)が実行された方が特別役の当選が期待できる一方、後者では花火制作演出(通常)が実行された方が特別役の当選が期待できるようになっている。 【0357】 また、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。 【0358】 さらに、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3?6が当選する比率が、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。 【0359】 また、チェリー+1枚が当選した場合には、特別役と同時に当選している場合のみ演出パターン0が当選するようになっており、左リールの中段にチェリーが停止して特別役当選示唆演出が実行されない場合には、特別役の当選が確定することとなる。 【0360】 また、本実施例では、演出パターン(0)?(7)のうち演出パターン(1)?(7)が当選する比率が、チェリー+1枚が当選した場合を除いて、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、リプレイ(1)、ベル、チェリー(左リール中段にチェリーが停止した場合を除く)の入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、特別役当選示唆演出が実行されなかった場合よりも報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。 【0361】 また、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が当選している場合には、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、リプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。 【0362】 一方で、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(通常)の演出パターン1、3、5が当選する比率が、ベルが当選している場合には、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。 【0363】 すなわちリプレイ(1)、チェリーが入賞したときと、ベルが入賞したときと、で報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性の高い演出のパターンが異なり、前者では花火制作演出(桜柄)が実行された方が報知状態回数(ストック)が1以上残存していることに期待できる一方、後者では花火制作演出(通常)が実行された方が報知状態回数(ストック)が1以上残存していることに期待できるようになっている。 【0364】 また、前述のようにリプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。 【0365】 また、前述のようにベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。 【0366】 また、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性が高くなる。 【0367】 また、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。 【0368】 さらに、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性が高くなる。 【0369】 また、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。 【0370】 また、演出パターン1?7のうち、演出パターン6、すなわち花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行される演出パターンがリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン6がリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン6がリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?5、7のそれに比較して最も高く、リプレイ(1)、チェリーの入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されることで、最も特別役に当選している可能性が高くなる。 【0371】 そして、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選し、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存している場合にのみ演出パターン6が当選するので、リプレイ(1)、チェリー入賞時の特別役当選示唆演出において最も特別役の当選が期待できる花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されたにも関わらず、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存していることが確定する。 【0372】 また、演出パターン1?7のうち、演出パターン5、すなわち花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行される演出パターンがベルが単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン5がベルと特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン6がベルと特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?4、6、7のそれに比較して最も高く、ベルの入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されることで、最も特別役に当選している可能性が高くなる。 【0373】 そして、ベルが単独で当選し、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存している場合にのみ演出パターン5が当選するので、ベル入賞時の特別役当選示唆演出において最も特別役の当選が期待できる花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されたにも関わらず、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存していることが確定する。 【0374】 また、演出パターン1?7のうち、演出パターン7、すなわち他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが一般役が単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン7が一般役と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン7が一般役と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?6のそれに比較して最も低く、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなる。 【0375】 また、演出パターン7は、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚の当選時においてのみ当選するにも関わらず、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなる。 【0376】 一方で、演出パターン7は、報知状態回数(ストック)が5以上残存している場合のみ当選するので、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚の当選時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなるが、報知状態回数(ストック)が5以上残存していることが確定する。 【0377】 このように本実施例では、特別役と同時に当選する可能性のあるリプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が当選したことを契機に特別役当選示唆演出が実行されるので、特別役当選示唆演出に伴い特別役が当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、リプレイ(1)、ベル、チェリーが入賞した後、特別役当選示唆演出により特別役が当選しているか否かが報知されるまでの期間に亘り特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができる。 【0378】 また、特別役当選示唆演出は、複数種類の演出パターンからなり、これら複数種類の演出パターンから選択されたいずれかのパターンの特別役当選示唆演出が実行されるとともに、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択されるようになっており、特別役当選示唆演出が実行される契機となった一般役の種類及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから報知状態回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。 【0379】 尚、本実施例では、特別役が当選しているか否かに関わらず、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも特別役に当選していない場合において、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択される構成であれば良く、このような構成であれば、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合に、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。 【0380】 また、本実施例では、特別役と同時に当選する可能性のある一般役の当選時において、当選した一般役の種類に関わらず、演出パターン7を除き共通の演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも一部の一般役について共通の演出パターンが選択される構成であれば良く、これら一般役の全てについて共通の演出パターンが選択される構成でなくとも良い。 【0381】 また、本実施例では、特別役と同時に当選する可能性ある一般役の当選時において特別役当選示唆演出が実行されるようになっているが、少なくとも特別役と同時に当選する可能性ある一般役の当選時において特別役当選示唆演出が実行されるものであれば良く、これら一般役の当選時に加え、一般役の当選時以外を契機、すなわちいずれの役も当選していない場合や特別役が単独で当選した場合に特別役当選示唆演出が実行されるものであっても良く、この場合には上記と同様に報知状態回数に応じて異なる確率で演出パターンを選択することにより、内部抽選の結果及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから報知状態回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。 【0382】 また、本実施例では、複数種類の演出パターンのうち演出パターン7が、報知状態回数が5以上残存していることを条件に選択されるようになっており、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行されることで報知状態回数が5以上残存していることが確定するため、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0383】 また、演出パターン7は、チェリー+1枚が当選している場合のみ選択されるようになっており、報知状態回数が5以上残存していることが確定する演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出は、チェリー+1枚が当選した場合のみ実行されるので、他の一般役の当選を契機として、演出パターン7以外の特別役当選示唆演出が実行されても、報知状態回数が5以上残っている可能性があり、このような状況であってもRT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を維持することができる。 【0384】 また、演出パターン7は、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚が当選している場合にのみ選択される演出パターンであるにも関わらず、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性の低い演出パターンであるが、このような特別役に当選している可能性の高いチェリー+1枚が当選して、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行され、特別役の当選可能性の低い旨が示唆された場合であっても、報知状態回数が5以上残っていることが確定することとなるため、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0385】 また、演出パターン7は、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短く、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行された場合には、他の演出パターンよりも短い期間で終了してしまい、他の演出パターンに比較すると特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができないものの、報知状態回数が5以上残っていることが確定することとなるため、このような状況であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0386】 また、本実施例では、演出モードAが選択されているときにBB(1)がチェリーと同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(2)がチェリーと同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにRBがチェリーと同時当選した場合(特別役(高)+チェリー)に、演出モードAが選択されているときにBB(2)またはRBがチェリーと同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(1)またはRBがチェリーと同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにBB(1)またはBB(2)がチェリーと同時当選した場合(特別役(低)+チェリー)よりも高い割合で演出パターン6が当選する。 【0387】 また、演出モードAが選択されているときにBB(1)がチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(2)がチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにRBがチェリー+1枚と同時当選した場合(特別役(高)+チェリー+1枚)に、演出モードAが選択されているときにBB(2)またはRBがチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードBが選択されているときにBB(1)またはRBがチェリー+1枚と同時当選した場合、演出モードCが選択されているときにBB(1)またはBB(2)がチェリー+1枚と同時当選した場合(特別役(低)+チェリー+1枚)よりも高い割合で演出パターン6が当選する。 【0388】 このように、いずれの演出モードA?Cが選択されている場合でも、演出パターン6が実行されたときには、特別役と同時当選していることだけでなく、報知状態回数の平均獲得回数が高い特別役(高)が当選したことを期待できるようになる。 【0389】 尚、本実施例では、特別役(高)とチェリーとが同時当選した場合に、特別役(低)とチェリーとが同時当選した場合よりも高い割合で当選する演出パターンと、特別役(高)とチェリー+1枚とが同時当選した場合に、特別役(低)とチェリー+1枚とが同時当選した場合よりも高い割合で当選する演出パターンと、が同一の演出パターンであったが、例えば演出パターン6において出現するキャラクタや背景等が異なるものの、実行パターン(花火制作、花火打上、打上失敗・成功等のストーリー)が共通する他の演出であってもよい。 【0390】 尚、本実施例では、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが、報知状態回数が所定回数以上残っていることを条件に選択される構成であるが、報知状態回数が所定回数以上残っている場合に、報知状態回数が所定回数未満である場合よりも、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが選択される比率が高くなる確率で演出パターンを選択する構成とした場合でも、他の演出パターンに比較すると特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができないものの、報知状態回数が5以上残っている可能性が高まることとなるため、このような状況であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0391】 また、本実施例では、他の演出パターンよりも短いゲーム数で終了することで報知状態回数が所定回数以上残っていることが確定するようになっているが、特別役当選示唆演出の演出結果として特別役の非当選が示される最終結果において報知状態回数が所定回数以上残っていることが確定するようにしても良く、このような構成とすることで、特別役当選示唆演出の演出結果として特別役の非当選が確定した場合であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0392】 また、本実施例では、一般役が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合に選択される比率の高い演出パターンほど、報知状態回数が残っていない場合よりも1以上残っている場合に選択される比率が高く、特別役の当選可能性が高い演出パターンに基づく特別役当選示唆演出が実行され、結果的に特別役が当選していない旨が報知された場合には、報知状態回数が1以上残っている可能性が高まるため、特別役の当選が期待できる特別役当選示唆演出で特別役に当選していなかった場合であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。 【0393】 特に本実施例では、最も特別役に当選している可能性が高い演出パターンに基づく特別役当選示唆演出が実行され、特別役に当選していなかった場合には、報知状態回数が1以上残っていることが確定するため、特別役の当選が期待できる特別役当選示唆演出で特別役に当選していなかった場合であっても、このような状況で特別役に当選していなかったことによる損失感を軽減できる。 【0394】 また、本実施例では、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出モード切替スイッチ58の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる一方、演出パターン3?6が選択された場合であっても、演出モード切替スイッチ58が操作されなかった場合には、カットイン演出を伴わず、カットイン演出を伴うか否かの違いから、報知状態回数が1以上残っているか否かを推測することができないようになっている。すなわち特別役当選示唆演出において遊技の進行に関与しない操作がなされることで、報知状態回数が1以上残っていることを知ることができるため、遊技の進行に関与しない演出のための操作を伴う特別役当選示唆演出に対して遊技者が積極的に参加する意欲を高めることができる。 【0395】 また、本実施例では、RT(0)において遊技者にとって不利なRT(2)及びRT(5)への移行を回避し、かつ遊技者にとって有利なRT(3)へ移行させるための操作手順が報知される報知状態の残り回数及び特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類に応じて特別役当選示唆演出の演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも遊技者にとって有利な操作手順が報知される回数と特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類とに基づいて特別役当選示唆演出が選択される構成であれば、特別役当選示唆演出が実行される契機となった一般役の種類及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから遊技者にとって有利な操作手順を報知する回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。 【0396】 遊技者にとって有利な操作手順としては、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態が終了することとなる終了役の当選時において、その終了役の成立を回避する操作手順(停止順や操作タイミング、またはその組合せ)を適用しても良い。また、入賞条件となる操作手順(停止順や操作タイミング、またはその組合せ)の異なる複数種類の小役が当選するものにおいて、当選した小役の入賞条件となる操作手順を適用しても良い。 【0397】 また、本実施例では、遊技者にとって有利な操作手順の残り回数が、RT(0)へ1回移行する毎に減算されるようになっているが、操作手順の残り回数が、1回報知される毎に減算されるものであっても良いし、一定回数報知される毎に減算されるものであっても良いし、一定ゲーム数毎に報知されるか否かに関わらず減算されるものであっても良い。 【0398】 次に、図17及び図18のタイミングチャートに基づいて、サブCPU91aがゲームの進行に応じて行う演出モード切替禁止フラグの設定状況について説明する。 【0399】 尚、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭け数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。 【0400】 まず、図17(a)に示すように、ゲームが実行されていない状態で賭数の設定操作が検出されたとき(賭数の設定が可能で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態でメダルの投入が行われたときまたは1枚BETスイッチ5かMAXBETスイッチ6の操作が検出されたとき)に、演出モード切替禁止フラグを設定する。これにより演出モード切替スイッチ58の操作が無効になり、演出モードの切り替えができなくなる。そしてスタートスイッチ7の操作が検出されたことによりリール2L、2C、2Rが回転を開始することによりゲームが開始される。 【0401】 その後、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止して表示結果が導出されることでゲームが終了する。ここで、リール2L、2C、2Rの表示結果としてハズレ表示結果が導出された場合にはその時点でゲームが終了となり、設定されていた演出モード切替禁止フラグがクリアされ、これにより演出モード切替スイッチ58の操作が有効になり、演出モードの切り替えが可能となる。 【0402】 また、リール2L、2C、2Rの表示結果としてリプレイ入賞表示結果が導出されてリプレイ入賞が発生した場合には、ゲームの終了と同時に当該ゲームと同一の賭数が自動的に設定されるため、設定されている演出モード切替禁止フラグはクリアされずにそのまま維持される。つまり、リプレイ入賞が発生した場合、ゲーム終了後も演出モード切替スイッチ58の操作は無効のままとされる。 【0403】 また、リール2L、2C、2Rの表示結果としてメダルの払い出しを伴う小役入賞表示結果が導出されて小役入賞が発生した場合には、メダルの払い出しが終了するまで演出モード切替禁止フラグは維持され、メダルの払い出しが終了した時点でクリアされる。つまり、小役入賞が発生した場合、メダルの払い出しが終了した時点でゲームが終了したことになり、演出モード切替スイッチ58の操作が有効となる。 【0404】 次に、図17(b)に示すように、内部抽選により特別役が内部当選し、かつ、これに応じて実行された特別役当選示唆演出において演出パターン0が当選した場合、つまり特別役当選示唆演出を実行しないことが決定され、特別役が当選したゲームで特別入賞が発生せずに内部当選フラグが持ち越された場合、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持する。そして、当選した特別役フラグが持ち越されている間は、該特別役フラグに対応する特別入賞が発生するまでは、ゲームが終了してから次ゲームの賭数が設定されるまでの期間であっても、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効となる。 【0405】 また、最終的に特別役に対応する特別入賞が発生した場合においては、次ゲームからボーナスゲームが開始されることで、特別入賞が発生したゲームが終了した時点でも、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効となる。 【0406】 このように、確定演出により特別役の内部当選フラグが設定されている旨が既に告知されているか否かに関わらず、特別役の内部当選フラグが設定されると、当該ゲーム以降のゲームにあっては、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても演出モードの選択ができなくなる。 【0407】 よって、遊技者は、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間において演出モード切替スイッチ58の操作をしたときに、演出モードの切替操作が無効とされて演出モードの選択ができない場合には、BB(1)、BB(2)、RBのいずれかの内部当選フラグが設定されていることを認識できるため、遊技者に意外性を与えることができる。 【0408】 次に、図18(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が検出され内部抽選が行われた結果、特別役と同時に当選する可能性がある小役が内部当選し、かつ、これに応じて実行された特別役当選示唆演出においていずれかの演出パターン1?7が当選した場合、つまり特別役当選示唆演出を実行することが決定された場合には、連続演出カウンタのカウンタ値に「3」が設定され、これに基づいて特別役当選示唆演出が開始される。 【0409】 その後は、ゲームが開始する毎に連続演出カウンタのカウンタ値が1ずつ減算更新され、ゲームが終了した時点で、連続演出カウンタのカウンタ値の値が「1」以上であるか否かを確認する。そして、カウンタ値が「1」以上である場合、つまり特別役当選示唆演出を実行中であり、かつ、次ゲームに継続する場合には、特別役の内部当選フラグが設定されているか否かに関わらず、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効となる。 【0410】 そして、ゲーム終了時において連続演出カウンタのカウンタ値が0である場合、つまり特別役当選示唆演出を開始してから4ゲーム目のゲームが終了した時点で、特別役の内部当選フラグが設定されているか否かを判定し、内部当選フラグが設定されていないと判定した場合には、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアするため、演出モード切替スイッチ58の操作が有効となる。 【0411】 このように、特別役が内部当選していない場合でも、特別役当選示唆演出の実行中であり、かつ、該特別役当選示唆演出が終了されずに次ゲームも継続する場合(特別役当選示唆演出を開始してから3ゲーム目が終了するまで)には、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても、演出モード切替スイッチ58の操作は無効とされるが、ゲームが終了した時点で特別役当選示唆演出の実行中であっても、次ゲームに継続しない場合、つまり、当該ゲームが特別役当選示唆演出の最終ゲームであった場合には、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアして演出モード切替スイッチ58の操作を有効とする。 【0412】 詳しくは、特別役当選示唆演出の最終ゲームにおいては、ゲームが終了した時点で特別役に内部当選しているか否かを示す確定報知が行われ、内部当選していない旨が遊技者に報知されるため、確定報知を示す画像等が表示されたままとなっていても、ゲームが終了した時点で演出モード切替スイッチ58の操作は有効となる。よって、この時点で演出モード切替スイッチ58が操作された場合、モード選択画面に切り替わることになる。 【0413】 次に、図18(b)に示すように、内部抽選により特別役と小役とが同時当選し、かつ、これに応じて実行された特別役当選示唆演出においていずれかの演出パターン1?7が当選した場合、つまり特別役当選示唆演出を実行することが決定された場合には、連続演出カウンタのカウンタ値に3が設定され、これに基づいて特別役当選示唆演出が開始される。 【0414】 その後、ゲームが終了した時点で連続演出カウンタのカウンタ値が1以上である場合、つまり特別役当選示唆演出を実行中であり、かつ、次ゲームに継続するとともに、特別役の内部当選フラグが設定されていることで、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効となる。 【0415】 そして、ゲーム終了時において連続演出カウンタのカウンタ値がクリアされて「0」となり、特別役当選示唆演出が次ゲームに継続しない最終ゲームが終了しても、特別役の内部当選フラグが設定されていることで、設定されている演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効のままとなる。 【0416】 以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、特別役当選示唆演出を実行中であり、かつ、該実行中の特別役当選示唆演出が終了されずに次ゲームも継続する場合(連続演出カウンタ>0)、または特別役の内部当選フラグが設定されている場合には、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間であっても、演出モード切替禁止フラグをクリアせずに維持するため、演出モード切替スイッチ58の操作は無効のままとなる。 【0417】 すなわち、例えば特別役の内部当選フラグが設定されたときにのみ演出モード切替スイッチ58の操作を無効とすると、特別役と同時当選する可能性がある小役が内部当選したことを契機に特別役当選示唆演出が実行された場合、ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの期間は演出モード切替禁止フラグがクリアされて演出モード切替スイッチ58の操作が有効となる。この場合、遊技者により特別役当選示唆演出の実行中に演出モード切替スイッチ58が操作されると、演出モードが切り替え可能となる。つまり、これにより特別役が内部当選していないことが判明してしまうので、特別役当選示唆演出が実行中であり次ゲームに継続する場合でも、その時点で特別役の内部当選に対する遊技者の期待感が減衰してしまうことになる。 【0418】 しかし、本実施例では、特別役が内部当選した場合だけでなく、特別役当選示唆演出を実行中であり、かつ、該実行中の特別役当選示唆演出が終了されずに次ゲームも継続する場合は、特別役の内部当選フラグが設定されていなくても、特別役当選示唆演出が終了するまで、演出モード切替スイッチ58の操作が無効とされるため、特別役の入賞に対する遊技者の期待感を、少なくとも特別役当選示唆演出が終了するまで持続させることができる。 【0419】 また、本実施例では、特別役当選示唆演出の終了ゲーム(4ゲーム目)が終了した時点で特別役に内部当選していない場合、表示領域51aに特別役が内部当選していない旨を示す確定報知画面が表示されるため、該確定報知画面が表示されたままであっても(特別役示唆演出が終了してなくても)、ゲームが終了した時点で演出モード切替禁止フラグをクリアして演出モード切替スイッチ58の操作を有効としていたが、特別役当選示唆演出の終了ゲーム、つまり特別役当選示唆演出を実行中であり、かつ、次ゲームに継続しない場合でも、演出モード切替禁止フラグを設定したままとして演出モード切替スイッチ58の操作を無効としてもよい。 【0420】 また、特に図示はしないが、特別役当選示唆演出の実行中において特別役が内部当選した場合は、そのゲームが終了したときから演出モード切替禁止フラグを維持したまま演出モード切替スイッチ58の操作を無効とすることになる。この場合、例えば特別役当選示唆演出の結果が変わることになるため、データの一部を差し替える差替演出に変更するか、4ゲーム目まで特別役当選示唆演出を実行して特別役が内部当選していない旨を示す確定報知画面が表示した後、5ゲーム目で復活演出を実行して特別役が内部当選した旨を示す確定報知画面を表示する追加演出を実行することとなる。 【0421】 このように5ゲーム目で追加演出を実行することがある場合には、特別役当選示唆演出の終了ゲームでも演出モード切替禁止フラグを設定したままとして演出モード切替スイッチ58の操作を無効としておくことで、特別役当選示唆演出の終了ゲームで特別役が内部当選していない旨を示す確定報知画面が表示された場合でも、遊技者は次ゲームで追加演出が実行されることを期待できることになるため、期待感を持続させることができる。 【0422】 また、特別役当選示唆演出が実行されていない場合でも、特別役の内部当選により演出モード切替スイッチ58の操作が無効とされることで、例えば遊技者が特別役が内部当選していることを気が付かずに演出モード切替スイッチ58の操作したときに、ゲーム中以外であるにも関わらず演出モードの切り替えができないことで、特別役に内部当選していることを認識することができるため、遊技者に意外性を与えることができる。 【0423】 また、特別役の内部当選により演出モードの選択ができなくなることで、例えば遊技者が特別役が内部当選していることを気が付かないまま演出モードの切り替え操作を行い、そのまま特別入賞が発生してしまうことがないので、遊技者に不信感を与えることがない。具体的には、例えばBB(1)が内部当選したときに演出モードAが選択されていたにも関わらず、入賞するまでに演出モードをBやCに変更してしまった場合、図16(a)に示すように、報知状態回数の平均獲得回数が小さくなってしまい、遊技者に不信感を与えてしまう虞があるが、特別役が内部当選した成立ゲームが終了した時点で演出モードの選択ができなくなるため、上記のような不信感を与えることはない。 【0424】 尚、本実施例では、内部抽選により特別役が内部当選したことを契機に、遊技者にとって有利となる付加価値の一例である、小役GR(1)?(6)が当選したとき及びリプレイGR(1)(2)が当選したときに操作手順報知が実行される報知状態に制御する報知状態回数の獲得回数を、特別役が内部当選したときの演出モード及び内部当選した特別役の種類に応じて異なる割合で決定するようになっていたが、遊技者にとって有利となる付加価値は、上記のように遊技者にとって有利となる操作手順報知の実行回数に限定されるものではなく、報知状態に制御される割合や、報知状態に制御される期間の長さ等を、特別役が内部当選したときの演出モード及び内部当選した特別役の種類に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい。 【0425】 具体的には、特別役が内部当選したときの演出モード及び内部当選した特別役の種類に応じて、例えば報知状態とするか否かを異なる割合で決定するものや、報知する回数を異なる割合で決定するものや、報知状態に制御する回数を異なる割合で決定するものや、報知状態の継続確率を異なる割合で決定するものや、報知状態が実行されるゲーム数を異なる割合で決定するものや、報知状態を発生させるまでに要する継続ゲーム数を異なる確率で決定するもの等であってもよい。 【0426】 以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。 【0427】 例えば、前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。 【0428】 更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。 【符号の説明】 【0429】 1 スロットマシン 2L、2C、2R リール 7 スタートスイッチ 8L、8C、8R ストップスイッチ 41 メイン制御部 41a CPU 41b ROM 41c RAM 91 サブ制御部 91a CPU 91b ROM 91c RAM (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 各々が識別可能な複数種類の識別情報を周期的に移動させることにより変動表示可能な可変表示部を複数備え、 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果として第1の入賞ライン及び第2の入賞ラインを含む複数の入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に導出された識別情報の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、遊技に使用可能な遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示部の表示結果として予め定められた引込範囲内に位置する表示位置からいずれかの表示位置を前記事前決定手段の決定結果に基づいて導出する制御を行う導出制御手段と、 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、 前記第1の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、 前記第2の遊技状態において必ずしも成立するとは限らない所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、 前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかった場合に当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、 を備え、 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定の小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記特定の小役入賞が発生する入賞表示結果を導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の非入賞表示結果を導出させる制御を行い、 前記特定の移行条件は、前記特定の非入賞表示結果の導出であり、 前記事前決定手段は、前記第1の遊技状態、前記第2の遊技状態及び前記第3の遊技状態において前記複数種類の特定結果を同一の確率で決定し、 前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記特定結果の種類に対応する操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備え、 前記事前決定手段は、 同一ゲームにおける決定対象として、 前記特定の小役入賞とは異なる第1の小役入賞の発生を許容し、前記特定の小役入賞とも前記第1の小役入賞とも異なる第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第1の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容しない旨を決定する第2の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容せず、前記特別入賞の発生を許容する旨を決定する第3の決定、 前記第1の小役入賞の発生を許容し、前記第2の小役入賞の発生を許容し、前記特別入賞の発生を許容する第4の決定、 を行うことが可能であり、 同一ゲームにおいて前記第1の決定がなされる確率と前記第3の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第3の決定がなされる確率の比率である第1の比率、同一ゲームにおいて前記第2の決定がなされる確率と前記第4の決定がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定がなされる確率の比率である第2の比率のうち第2の比率が第1の比率よりも高くなる確率で前記第1?4の決定を行い、 前記導出制御手段は、 前記第1の決定または前記第3の決定がなされた第1の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第1の表示位置及び前記第2の入賞ラインに前記第1の小役入賞を構成する識別情報が停止する第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、 前記第2の決定または前記第4の決定がなされた第2の条件が成立したときに、前記導出操作手段が操作され、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置のうち前記第1の表示位置のみ位置する場合に前記第1の表示位置を導出する制御を行い、該導出操作手段に対応する可変表示部において前記予め定められた引込範囲内に前記第1の表示位置及び前記第2の表示位置の双方が位置する場合に前記第2の表示位置を導出する制御を行う ことを特徴とするスロットマシン。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2016-12-14 |
出願番号 | 特願2013-218000(P2013-218000) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大澤 元成 |
特許庁審判長 |
瀬津 太朗 |
特許庁審判官 |
川崎 優 本郷 徹 |
登録日 | 2015-09-11 |
登録番号 | 特許第5804531号(P5804531) |
権利者 | 株式会社三共 |
発明の名称 | スロットマシン |
代理人 | 重信 和男 |
代理人 | 堅田 多恵子 |
代理人 | 堅田 多恵子 |
代理人 | 溝渕 良一 |
代理人 | 溝渕 良一 |
代理人 | 石川 好文 |
代理人 | 大久保 岳彦 |
代理人 | 石川 好文 |
代理人 | 特許業務法人 武和国際特許事務所 |
代理人 | 重信 和男 |
代理人 | 大久保 岳彦 |
代理人 | 林 修身 |
代理人 | 林 修身 |